JP2016078340A - 三次元造形物の製造方法、三次元造形物製造装置および三次元造形物 - Google Patents

三次元造形物の製造方法、三次元造形物製造装置および三次元造形物 Download PDF

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Abstract

【課題】高い寸法精度で三次元造形物を効率よく製造することができる三次元造形物の製造方法および三次元造形物製造装置を提供すること、高い寸法精度で製造された三次元造形物を提供すること。
【解決手段】本発明の三次元造形物の製造方法は、層を積層することにより三次元造形物を製造する三次元造形物の製造方法であって、紫外線硬化性樹脂を含む硬化性インクを吐出し、前記層を形成するインク吐出工程と、前記吐出した硬化性インクに紫外線を照射する紫外線照射工程と、前記層の少なくとも一部を除去し、前記層を平坦化する平坦化工程と、を有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、三次元造形物の製造方法、三次元造形物製造装置および三次元造形物に関する。
従来より、例えば、三次元CADソフト等で生成した三次元物体のモデルを基にして、三次元造形物を形成する方法が知られている。
三次元造形物を形成する方法の一つとして、積層法が知られている(例えば、特許文献1参照)。積層法では、一般的に、三次元物体のモデルを多数の二次元断面層に分割した後、各二次元断面層に対応する断面部材を順次造形しつつ、断面部材を順次積層することによって三次元造形物を形成する。
積層法は、造形しようとする三次元造形物のモデルさえあれば、直ちに形成することが可能であり、造形に先立って金型を作成するなどの必要がないので、迅速にしかも安価に三次元造形物を形成することが可能である。また、薄い板状の断面部材を一層ずつ積層して形成するので、例えば内部構造を有する複雑な物体であっても、複数の部品に分けることなく一体の造形物として形成することが可能である。
ところで、従来の方法では、三次元造形物の三次元データを分割した層を、硬化性インクを吐出して形成し、積層することで造形物を形成するが、硬化性インクを吐出して層を形成した場合、硬化性インクの吐出バラツキや硬化収縮等によって、厚みにバラツキが発生する問題があった。その結果、最終的に得られる三次元造形物の寸法精度が低下するといった問題があった。
特開2000−280354号公報
本発明の目的は、高い寸法精度で三次元造形物を効率よく製造することができる三次元造形物の製造方法および三次元造形物製造装置を提供すること、高い寸法精度で製造された三次元造形物を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の三次元造形物の製造方法は、層を積層することにより三次元造形物を製造する三次元造形物の製造方法であって、
紫外線硬化性樹脂を含む硬化性インクを吐出し、前記層を形成するインク吐出工程と、
前記吐出した硬化性インクに紫外線を照射する紫外線照射工程と、
前記層の少なくとも一部を除去し、前記層を平坦化する平坦化工程と、を有することを特徴とする。
これにより、高い寸法精度で三次元造形物を効率よく製造することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記平坦化工程は、前記層を複数層積層した後に、前記複数層の少なくとも最上層および最上層の下層の一部を除去することが好ましい。
これにより、寸法精度の高い三次元造形物をより効率よく製造することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記インク吐出工程において、前記三次元造形物の最外層となるべき領域に隣接する、前記最外層の表面側の領域に、犠牲層を形成するための、紫外線硬化性樹脂を含む犠牲層形成用インクを吐出することが好ましい。
これにより、より高い寸法精度で三次元造形物を製造することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記平坦化工程は、前記犠牲層を含めて前記層の平坦化を行うものであることが好ましい。
これにより、得られる三次元造形物の寸法精度をさらに高いものとすることができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記平坦化工程は、ロータリーカッター、エンドミル、グラインダー、レーザからなる群から選択される1種を用いて行うことが好ましい。
これにより、より高い寸法精度で三次元造形物を製造することができる。
本発明の三次元造形物製造装置は、層を積層することにより三次元造形物を製造する三次元造形物製造装置であって、
前記三次元造形物が造形される造形部と、
紫外線硬化性樹脂を含む硬化性インクを吐出し、前記造形部上に前記層を形成する吐出部と、
前記吐出した硬化性インクに紫外線を照射する紫外線照射部と、
前記層の少なくとも一部を除去し、前記層を平坦化する平坦化手段と、を有することを特徴とする。
これにより、高い寸法精度で三次元造形物を効率よく製造することができる。
本発明の三次元造形物は、本発明の三次元造形物の製造方法により、製造されたものであることを特徴とする。
これにより、高い寸法精度で製造された三次元造形物を提供することができる。
本発明の三次元造形物は、本発明の三次元造形物製造装置により製造されたことを特徴とする。
これにより、高い寸法精度で製造された三次元造形物を提供することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法の好適な実施形態を断面図で示した工程図である。 本発明の三次元造形物製造装置の好適な実施形態を示す側面図である。
以下、添付する図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細な説明をする。
1.三次元造形物の製造方法
まず、本発明の三次元造形物の製造方法について説明する。
図1は、本発明の三次元造形物の製造方法の好適な実施形態を断面図で示した工程図である。
本実施形態の三次元造形物の製造方法は、層1を積層することにより三次元造形物を製造する三次元造形物の製造方法であって、紫外線硬化性樹脂を含む硬化性インクを吐出して、層1を形成するとともに、三次元造形物100の最外層となるべき領域に隣接する、最外層の表面側の領域に、紫外線硬化性樹脂を含む犠牲層形成用インクを吐出して、犠牲層2を形成するインク吐出工程と、層1および犠牲層2に対して紫外線を照射する紫外線照射工程と、インク吐出工程および紫外線照射工程を繰り返して層1および犠牲層2を積層する積層工程と、層1および犠牲層2の積層体10の少なくとも一部を除去し、積層体10表面を平坦化する平坦化工程と、犠牲層2を除去する犠牲層2除去工程と、を有している。
ところで、硬化性インクや犠牲層形成用インクを用いて層を形成する場合に、インクジェットのノズル間における吐出量バラツキやインクの硬化収縮、インク毎の硬化収縮の差等によって、層内や層間(層1と犠牲層2)厚みにバラツキが発生する問題があった。その結果、最終的に得られる三次元造形物の寸法精度が低下するといった問題があった。
これに対して、本発明では、インク吐出工程における層形成および紫外線照射工程における層の硬化後に、層の少なくとも一部を除去し、層を平坦化することにより、吐出量バラツキ(吐出量、飛行曲り)および硬化収縮による層内または層間の厚みのバラツキが発生するのを防止することができる。その結果、高い寸法精度で三次元造形物を効率よく製造することができる。一方、紫外線照射工程による層の硬化前に平坦化工程を行うと、硬化性インクまたは犠牲層形成用インクが流動し、または押し出されて、隣接する硬化性インクまたは犠牲層形成用インク上に引き延ばされてしまう場合がある。さらに、紫外線照射工程の硬化収縮も発生することで、最終的に得られる三次元造形物の寸法精度は低下してしまう。
以下、各工程について説明する。
≪インク吐出工程≫
インク吐出工程では、インクジェット法により、硬化性インクおよび犠牲層形成用インクを、インクジェット法により、所定のパターンで吐出する。
より具体的には、三次元造形物100を形成する領域(造形部1100)に硬化性インクを吐出する。これにより、層1が形成される(図1(a)参照)。さらに、上記硬化性インクの吐出とともに、三次元造形物100の最外層となるべき領域に隣接する領域であって、最外層の表面側の領域に犠牲層形成用インクを吐出する。これにより、犠牲層2が形成される(図1(a)参照)。
このように犠牲層2を形成することにより、硬化性インクが三次元造形物100を形成すべき領域から不本意な流出するのを防止し、寸法精度をさらに高いものとすることができる。
また、犠牲層2を形成することにより、三次元造形物100を構成する層(第2の層)として、それよりも下の層(第1の層)の外周部からはみ出す部分を有するもの(例えば、上部に行くほど三次元造形物の大きさが大きくなるような形状)であっても、下層(第1の層)の犠牲層2が上層(第2の層)を形成するための硬化性インクを好適に支持することができる。その結果、複雑な形状の三次元造形物100であっても容易に製造することができる。
また、本工程では、インクジェット法によりインク(硬化性インクおよび犠牲層形成用インク)を付与するため、インク(硬化性インクおよび犠牲層形成用インク)の付与パターンが微細な形状のものであっても再現性よく所定の位置にインクを付与することができる。その結果、最終的に得られる三次元造形物100の寸法精度を特に高いものとすることができる。
なお、硬化性インク、犠牲層形成用インクについては、後に詳述する。
≪紫外線照射工程(硬化工程)≫
次に、形成した層1および犠牲層2に紫外線を照射する。
これにより、層1および犠牲層2が硬化する。
なお、上記の説明では、層1および犠牲層2に対応する形状、パターンで、各インクを付与し、その後、各インクで構成された層全体を硬化させるものとして説明したが、本発明においては、少なくとも一部の領域について、インクの吐出とインクの硬化とを同時進行的に行ってもよい。すなわち、層1および犠牲層2のパターン全体が形成される前に、各インクが付与された部位から順次硬化反応を進行させるものであってもよい。
また、本工程終了時において、硬化性インクを不完全な状態(流動性がない状態)の半硬化した状態としてもよい。このような場合であっても、例えば、後の工程(例えば、硬化工程において下側の層1を形成した後の「インク吐出工程」等)を行った後に、半硬化状態である硬化性インクに対し、硬化度を高めるための本硬化処理を行うことにより、最終的に得られる三次元造形物100の機械的強度等を優れたものとすることができる。また、硬化性インク(下層)を半硬化状態で、上層を形成するためのインクを付与することにより、層間の密着性を特に優れたものとすることができる。
≪積層工程≫
本工程では、インク吐出工程および紫外線照射工程を繰り返して層1および犠牲層2を積層する(図1(b)および(c)参照)。これにより、積層体10が形成される。
≪平坦化工程≫
次に、積層体10(層1)の表面を平坦化する。
ところで、積層体10の表面は、各層1(犠牲層2)の厚みにバラツキが生じているため、大きな凹凸が生じている。この状態で三次元造形物100を製造した場合、最終的に得られる三次元造形物の寸法精度が低下するといった問題があった。
本発明では、層1の一部を除去することで、積層体10(層1)の表面を平坦化するため、高い寸法精度で三次元造形物100を製造することができる。
具体的には、図1(c)に示す点線から上を除去することにより、図1(d)に示すように、積層体10(層1)の表面を平坦化する。つまり、層を複数層積層した後に、層の少なくとも最上層および最上層の下層の一部を除去し積層体10(層1)の表面を平坦化する。これにより、各層毎に層1の一部を除去するよりも生産性に優れ、高い寸法精度で三次元造形物100を製造することができる。
層1の一部を除去するのに用いる除去手段としては、特に限定されないが、ロータリーカッター、エンドミル、グラインダー、レーザからなる群から選択される1種を用いるのが好ましい。これにより、より効率よく層1表面を平坦化することができる。
なお、層1の一部の除去は、犠牲層2表面(側面)から平坦化に不要な部分の除去を開始する。層1と犠牲層2の除去において、ロータリーカッター、エンドミル、グラインダーは、樹脂の物理的特性(硬度、脆さ)に応じて、回転速度が異なるように調整することができる。また、レーザにおいても同様に樹脂の物理的特性(硬度、脆さ)に応じて、出力値が異なるように調整することができる。
層1の端部と犠牲層2の端部との界面は、互いに支持されているため、上述したような除去手段によって、積層体10(層1)の三次元造形物100の表面側の角部に欠損が生じるのを効果的に防止することができる。その結果、得られる三次元造形物100の寸法精度をさらに高いものとすることができる。
その後、インク吐出工程、紫外線照射工程、積層工程および平坦化工程を繰り返すことで、犠牲層2に覆われた三次元造形物100が得られる(図1(e))。
≪犠牲層除去工程≫
次に、犠牲層2を除去する(図1(f))。
これにより、寸法精度に優れた三次元造形物100が得られる。
犠牲層2を除去する方法としては、例えば、犠牲層2を選択的に溶解する液体を用いて犠牲層2を選択的に溶解除去する方法や、三次元造形物100本体に比べて犠牲層2の吸収性が高い液体を用いて、犠牲層2に選択的に当該液体を吸収させることにより、犠牲層2を膨潤させたり、犠牲層2の機械的強度を低下させたうえで、当該犠牲層2を剥離したり、破壊する方法等が挙げられる。
本工程で用いる液体としては、各層の構成材料等により異なるが、例えば、水や、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、ブタノール、イソブタノール等のアルコール類、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類等を用いることができ、これらから選択される1種または2種以上を含むものであり、犠牲層2の溶解性を高めるために水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、有機アミン等の水酸化イオンを生じる水溶性物質、剥離された犠牲層の分離を容易にする界面活性剤等を混合したものであっても良い。
また、犠牲層2への液体の付与方法は、特に限定されないが、例えば、浸漬法、スプレー法(吹付法)、塗布法、各種印刷方法等を採用することができる。
また、前記の説明では、液体を用いるものとして説明したが、同様の機能を有する物質(例えば、固体、気体、超臨界流体等)を用いてもよい。
また、前記液体を付与する際または前記液体を付与した後に、超音波振動を付与してもよい。これにより、犠牲層2の除去を促進することができ、三次元造形物100の生産性を特に優れたものとすることができる。
なお、上記の説明では、三次元造形物100の最外層となるべき領域全体において、硬化性インクに接触するように犠牲層形成用インクを付与するものとして説明したが、犠牲層形成用インクは、三次元造形物100の最外層となるべき領域の一部についてのみ、硬化性インクに接触するように付与されるものであってもよい。
また、上記説明では、犠牲層2を設ける場合について説明したが、犠牲層2は設けなくてもよい。
また、上記説明では、層1を複数層積層した後に、平坦化処理を施すものとして説明したが、各層を形成する毎に平坦化処理を施してもよい。
2.三次元造形物製造装置
次に、本発明の三次元造形物製造装置の好適な実施形態について説明する。
図2は、本発明の三次元造形物製造装置の好適な実施形態を示す側面図である。
三次元造形物製造装置1000は、紫外線硬化性樹脂を含む硬化性インクを吐出することにより形成した層1を積層することにより、三次元造形物を製造する装置である。
図1に示すように、三次元造形物製造装置1000は、三次元造形物100が造形される造形部1100と、造形部1100に紫外線硬化性樹脂を含む硬化性インクおよび犠牲層形成用インクを吐出し、造形部1100上に層1および犠牲層2を形成する吐出部1101と、層1に対して紫外線を照射する紫外線照射手段1102と、層1表面の一部を除去し、層1表面を平坦化する平坦化手段1103と、を有している。
造形部1100は、硬化性インクおよび犠牲層形成用インクが付与される領域である。そして、当該造形部1100上に、層1および犠牲層2が形成・積層される。
造形部1100は、図中下方向に移動することで、層1および犠牲層2を積層可能となっている。
造形部1100表面は、フッ素加工等の撥液処理が施されており、硬化性インクおよび犠牲層形成用インクが付着しにくい構成となっている。
吐出部1101は、造形部1100に対して硬化性インクおよび犠牲層形成用インクを吐出する機能を有している。
吐出部1101は、インクジェット方式で各インクの液滴を吐出する液滴吐出ヘッドが搭載されている。また、吐出部1101は、図示せぬ硬化性インク供給部および犠牲層形成用インク供給部を備えている。本実施形態では、いわゆるピエゾ駆動方式の液滴吐出ヘッドが採用されている。
紫外線照射手段1102は、層1および犠牲層2に紫外線を照射し、層1および犠牲層2中の紫外線硬化性樹脂を硬化させる機能を有している。
この紫外線照射手段1102は、吐出部1101の両端に設けられている。
平坦化手段1103は、層1表面の少なくとも一部を除去し、層1を平坦化する機能を有している。
以上のような構成の三次元造形物製造装置1000によれば、層1の厚みのバラツキを小さいものとすることができる。その結果、高い寸法精度で三次元造形物を製造することができる。
3.硬化性インク
硬化性インクは、少なくとも紫外線硬化性樹脂を含むものである。
≪紫外線硬化性樹脂≫
紫外線硬化性樹脂(重合性化合物)としては、紫外線照射により、光重合開始剤から生じるラジカル種またはカチオン種等により、付加重合または開環重合が開始され、重合体を生じるものが好ましく使用される。付加重合の重合様式として、ラジカル、カチオン、アニオン、メタセシス、配位重合が挙げられる。また、開環重合の重合様式として、カチオン、アニオン、ラジカル、メタセシス、配位重合が挙げられる。
付加重合性化合物としては、例えば、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物等が挙げられる。付加重合性化合物として、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物が好ましく使用できる。
エチレン性不飽和重合性化合物は、単官能の重合性化合物および多官能の重合性化合物、またはそれらの混合物の化学的形態をもつ。単官能の重合性化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等)や、そのエステル類、アミド類等が挙げられる。多官能の重合性化合物としては、不飽和カルボン酸と脂肪族の多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族の多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。
また、ヒドロキシル基や、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類とイソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、カルボン酸との脱水縮合反応物等も使用できる。また、イソシアネート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、アルコール類、アミン類およびチオール類との付加反応物、さらに、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、アルコール類、アミン類またはチオール類との置換反応物も使用できる。
不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステルであるラジカル重合性化合物の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルが代表的であり、単官能のもの、多官能のもののいずれも用いることができる。
単官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
二官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸−2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート等が挙げられる。
三官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
四官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
五官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
六官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、カプトラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリレート以外の重合性化合物としては、例えば、イタコン酸エステル、クロトン酸エステル、イソクロトン酸エステル、マレイン酸エステル等が挙げられる。
イタコン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等が挙げられる。
クロトン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等が挙げられる。
イソクロトン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等が挙げられる。
マレイン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等が挙げられる。
その他のエステルの例としては、例えば、特公昭46−27926号公報、特公昭51−47334号公報、特開昭57−196231号公報に記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号公報、特開昭59−5241号公報、特開平2−226149号公報に記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報に記載のアミノ基を含有するもの等も用いることができる。
また、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドのモノマーの具体例としては、例えば、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等が挙げられる。
その他の好ましいアミド系モノマーとしては、例えば、特公昭54−21726号公報に記載のシクロへキシレン構造を有するもの等が挙げられる。
また、イソシアネートと水酸基との付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記式(1)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R)COOCHCH(R)OH (1)
(ただし、式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、HまたはCHを示す。)
本発明において、エポキシ基、オキセタン基等の環状エーテル基を分子内に1つ以上有するカチオン開環重合性の化合物を紫外線硬化性樹脂(重合性化合物)として好適に用いることができる。
カチオン重合性化合物としては、例えば、開環重合性基を含む硬化性化合物等が挙げられ、中でも、ヘテロ環状基含有硬化性化合物が特に好ましい。このような硬化性化合物としては、例えば、エポキシ誘導体、オキセタン誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、環状ラクトン誘導体、環状カーボネート誘導体、オキサゾリン誘導体などの環状イミノエーテル類、ビニルエーテル類等が挙げられ、中でも、エポキシ誘導体、オキセタン誘導体、ビニルエーテル類が好ましい。
好ましいエポキシ誘導体の例としては、例えば、単官能グリシジルエーテル類、多官能グリシジルエーテル類、単官能脂環式エポキシ類、多官能脂環式エポキシ類等が挙げられる。
グリシジルエーテル類の具体的な化合物を例示すると、例えば、ジグリシジルエーテル類(例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等)、3官能以上のグリシジルエーテル類(例えば、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリスヒドロキシエチルイソシアヌレート等)、4官能以上のグリシジルエーテル類(例えば、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル等)、脂環式エポキシ類(例えば、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、エポリードGT−301、エポリードGT−401(以上、ダイセル化学工業(株)製))、EHPE(ダイセル化学工業(株)製)、フェノールノボラック樹脂のポリシクロヘキシルエポキシメチルエーテル等)、オキセタン類(例えば、OX−SQ、PNOX−1009(以上、東亞合成(株)製)等)等が挙げられる。
重合性化合物としては、脂環式エポキシ誘導体を好ましく用いることができる。「脂環式エポキシ基」とは、シクロペンテン基、シクロヘキセン基等のシクロアルケン環の二重結合を過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化した部分構造を言う。
脂環式エポキシ化合物としては、シクロヘキセンオキシド基またはシクロペンテンオキシド基を1分子内に2個以上有する多官能脂環式エポキシ類が好ましい。脂環式エポキシ化合物の具体例としては、例えば、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、ジ(2,3−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンジオキサイド等が挙げられる。
分子内に脂環式構造を有しない通常のエポキシ基を有するグリシジル化合物を、単独で使用したり、前記の脂環式エポキシ化合物と併用することもできる。
このような通常のグリシジル化合物としては、例えば、グリシジルエーテル化合物やグリシジルエステル化合物等を挙げることができるが、グリシジルエーテル化合物を併用することが好ましい。
グリシジルエーテル化合物の具体例を挙げると、例えば、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピロキシ)ベンゼン、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポシキ樹脂、フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂等の芳香族グリシジルエーテル化合物、1,4−ブタンジオールグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等の脂肪族グリシジルエーテル化合物等が挙げられる。グリシジルエステルとしては、例えば、リノレン酸ダイマーのグリシジルエステル等を挙げることができる。
重合性化合物としては、4員環の環状エーテルであるオキセタニル基を有する化合物(以下、単に「オキセタン化合物」ともいう。)を使用することができる。オキセタニル基含有化合物は、1分子中にオキセタニル基を1個以上有する化合物である。
硬化性インク中における紫外線硬化性樹脂の含有率は、80質量%以上97質量%以下であるのが好ましく、85質量%以上95質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、最終的に得られる三次元造形物の機械的強度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。
≪その他の成分≫
また、硬化性インクは、前述した以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、顔料、染料等の各種着色剤;分散剤;界面活性剤;重合開始剤;重合促進剤;溶剤;浸透促進剤;湿潤剤(保湿剤);定着剤;防黴剤;防腐剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;キレート剤;pH調整剤;増粘剤;フィラー;凝集防止剤;消泡剤等が挙げられる。
特に、硬化性インクが着色剤を含むことにより、着色剤の色に対応する色に着色された三次元造形物100を得ることができる。
特に、着色剤として、顔料を含むことにより、硬化性インク、三次元造形物100の耐光性を良好なものとすることができる。顔料は、無機顔料および有機顔料のいずれも使用することができる。
無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタン等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記無機顔料の中でも、好ましい白色を呈するためには、酸化チタンが好ましい。
有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレンおよびペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
硬化性インクが顔料を含むものである場合、当該顔料の平均粒径は、300nm以下であるのが好ましく、50nm以上250nm以下であるのがより好ましい。これにより、硬化性インクの吐出安定性や硬化性インク中における顔料の分散安定性を特に優れたものとすることができるとともに、より優れた画質の画像を形成することができる。
また、染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、および塩基性染料等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
硬化性インクが着色剤を含むものである場合、当該硬化性インク中における着色剤の含有率は、1質量%以上20質量%以下であるのが好ましい。これにより、特に優れた隠蔽性および色再現性が得られる。
特に、硬化性インクが着色剤として酸化チタンを含むものである場合、当該硬化性インク中における酸化チタンの含有率は、12質量%以上18質量%以下であるのが好ましく、14質量%以上16質量%以下であるのがより好ましい。これにより、特に優れた隠蔽性が得られる。
硬化性インクが顔料を含む場合に、分散剤をさらに含むものであると、顔料の分散性をより良好なものとすることができる。その結果、顔料の偏りによる部分的な機械的強度の低下をより効果的に抑制することができる。
分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤等の顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。高分子分散剤の具体例としては、例えば、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマーおよびコポリマー、アクリル系ポリマーおよびコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、およびエポキシ樹脂のうち1種以上を主成分とするもの等が挙げられる。高分子分散剤の市販品としては、例えば、味の素ファインテクノ社製のアジスパーシリーズ、ノベオン(Noveon)社から入手可能なソルスパーズシリーズ(Solsperse 36000等)、BYK社製のディスパービックシリーズ、楠本化成社製のディスパロンシリーズ等が挙げられる。
硬化性インクが界面活性剤を含むものであると、三次元造形物100の耐擦性をより良好なものとすることができる。界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系界面活性剤としての、ポリエステル変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーン等を用いることができ、中でも、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンまたはポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを用いるのが好ましい。界面活性剤の具体例としては、例えば、BYK−347、BYK−348、BYK−UV3500、3510、3530、3570(以上、BYK社製商品名)等を挙げられる。
また、硬化性インクは、溶剤を含むものであってもよい。これにより、硬化性インクの粘度調整を好適に行うことでき、硬化性インクが高粘度の成分を含むものであっても、硬化性インクのインクジェット方式による吐出安定性を特に優れたものとすることができる。
溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、ジイソプロピルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、硬化性インクの粘度は、10mPa・s以上25mPa・s以下であるのが好ましく、15mPa・s以上20mPa・s以下であるのがより好ましい。これにより、インクジェット法によるインクの吐出安定性を特に優れたものとすることができる。なお、本明細書中において、粘度とは、E型粘度計(東京計器社製 VISCONIC ELD)を用いて25℃において測定される値をいう。
また、三次元造形物100の製造には、複数種の硬化性インクを用いてもよい。
例えば、着色剤を含む硬化性インク(カラーインク)と、着色剤を含まない硬化性インク(クリアインク)とを用いてもよい。これにより、例えば、三次元造形物100の外観上、色調に影響を与える領域に付与する硬化性インクとして着色剤を含む硬化性インクを用い、三次元造形物100の外観上、色調に影響を与えない領域に付与する硬化性インクとして着色剤を含まない硬化性インクを用いてもよい。また、最終的に得られる三次元造形物100において、着色剤を含む硬化性インクを用いて形成された領域の外表面に、着色剤を含まない硬化性インクを用いて領域(コート層)を設けるように、複数種の硬化性インクを併用してもよい。
また、例えば、異なる組成の着色剤を含む複数種の硬化性インクを用いてもよい。これにより、これらの硬化性インクの組み合わせにより、表現できる色再現領域を広いものとすることができる。
複数種の硬化性インクを用いる場合、少なくとも、藍紫色(シアン)の硬化性インク、紅紫色(マゼンタ)の硬化性インクおよび黄色(イエロー)の硬化性インクを用いるのが好ましい。これにより、これらの硬化性インクの組み合わせにより、表現できる色再現領域をより広いものとすることができる。
また、白色(ホワイト)の硬化性インクを、他の有色の硬化性インクと併用することにより、例えば、以下のような効果が得られる。すなわち、最終的に得られる三次元造形物100を、白色(ホワイト)の硬化性インクが付与された第1の領域と、第1の領域と重なり合い、かつ、第1の領域よりも外表面側に設けられた白色以外の有色の硬化性インクが付与された領域とを有するものとすることができる。これにより、白色(ホワイト)の硬化性インクが付与された第1の領域が隠蔽性を発揮することができ、三次元造形物100の彩度をより高めることができる。
4.犠牲層形成用インク
次に、犠牲層形成用インクについて詳細に説明する。
犠牲層形成用インクは、少なくとも紫外線硬化性樹脂を含むものである。
≪紫外線硬化性樹脂≫
犠牲層形成用インクを構成する紫外線硬化性樹脂としては、例えば、上述した硬化性インクの構成成分として例示した紫外線硬化性樹脂と同様のものが挙げられる。
犠牲層形成用インクは、各種硬化成分の中でも、特に、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、および、(メタ)アクリロイルモルフォリン、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルよりなる群から選択される1種または2種以上を含むものであるのが好ましい。これにより、より適切な硬化速度で犠牲層形成用インクを硬化させることができ、三次元造形物100の生産性を特に優れたものとすることができる。また、犠牲層形成用インクを硬化させて形成される犠牲層2の機械的強度、形状の安定性を特に優れたものとすることができる。その結果、三次元造形物100の製造時に、下層(第1の層)の犠牲層2が上層(第2の層)を形成するための硬化性インクをより好適に支持することができる。そのため、層1の不本意な変形(特に、ダレ等)をより好適に防止することができ(第1の層の犠牲層2がサポート材として機能し)、最終的に得られる三次元造形物100の寸法精度をさらに優れたものとすることができる。
犠牲層形成用インク中における紫外線硬化性樹脂の含有率は、83質量%以上98.5質量%以下であるのが好ましく、87質量%以上95.4質量%以下であるのがより好ましい。これにより、形成される犠牲層2の形状の安定性を特に優れたものとすることができる。その結果、最終的に得られる三次元造形物100の寸法精度を特に優れたものとする。
≪その他の成分≫
また、犠牲層形成用インクは、前述した以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、顔料、染料等の各種着色剤;分散剤;界面活性剤;重合開始剤;重合促進剤;溶剤;浸透促進剤;湿潤剤(保湿剤);定着剤;防黴剤;防腐剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;キレート剤;pH調整剤;増粘剤;フィラー;凝集防止剤;消泡剤等が挙げられる。
特に、犠牲層形成用インクが着色剤を含むことにより、犠牲層2の視認性が向上し、最終的に得られる三次元造形物100において、犠牲層2の少なくとも一部が不本意に残存することをより確実に防止することができる。
犠牲層形成用インクを構成する着色剤としては、例えば、上述した硬化性インクの構成成分として例示した着色剤と同様のものが挙げられるが、三次元造形物100の表面の法線方向から観察した際に当該犠牲層形成用インクにより形成される犠牲層2と重なり合う三次元造形物100の外観上視認されるべき色とは異なる色となるような着色剤であるのが好ましい。これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
犠牲層形成用インクが顔料を含む場合に、分散剤をさらに含むものであると、顔料の分散性をより良好なものとすることができる。犠牲層形成用インクを構成する分散剤としては、例えば、上述した硬化性インクの構成成分として例示した分散剤と同様のものが挙げられる。
また、犠牲層形成用インクの粘度は、10mPa・s以上30mPa・s以下であるのが好ましく、15mPa・s以上25mPa・s以下であるのがより好ましい。
これにより、インクジェット法による犠牲層形成用インクの吐出安定性を特に優れたものとすることができる。
また、三次元造形物100の製造には、複数種の犠牲層形成用インクを用いてもよい。
5.三次元造形物
本発明の三次元造形物は、前述したような製造方法、製造装置を用いて製造することができる。これにより、寸法精度高く製造された三次元造形物を提供することができる。
本発明の三次元造形物の用途は、特に限定されないが、例えば、人形、フィギュア等の鑑賞物・展示物;インプラント等の医療機器等が挙げられる。
また、本発明の三次元造形物は、プロトタイプ、量産品、オーダーメード品のいずれに適用されるものであってもよい。
また、本発明の三次元造形物は、模型(例えば、自動車、オートバイ、船、飛行機等の乗り物、建築物、動物、植物等の生物、石等の自然物(非生物)、各種食品等の模型)であってもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の三次元造形物の製造方法においては、必要に応じて、前処理工程、中間処理工程、後処理工程を行ってもよい。
前処理工程としては、例えば、ステージの清掃工程等が挙げられる。
後処理工程としては、例えば、洗浄工程、バリ取り等を行う形状調整工程、硬化性樹脂の硬化度を上昇させるための追加の硬化処理等が挙げられる。
また、本発明は、粉体積層法、(すなわち、粉体を用いて層を形成し、当該層の所定の部位に硬化性のインクを付与して硬化部を形成するという一連の操作を繰り返し行うことのより、硬化部が設けられた複数の層を有する積層体としての三次元造形物を得る方法)に適用されるものであってもよい。
1…層
2…犠牲層
10…積層体
100…三次元造形物
1000…三次元造形物製造装置
1100…造形部
1101…吐出部
1102…紫外線照射手段
1103…平坦化手段

Claims (8)

  1. 層を積層することにより三次元造形物を製造する三次元造形物の製造方法であって、
    紫外線硬化性樹脂を含む硬化性インクを吐出し、前記層を形成するインク吐出工程と、
    前記吐出した硬化性インクに紫外線を照射する紫外線照射工程と、
    前記層の少なくとも一部を除去し、前記層を平坦化する平坦化工程と、を有することを特徴とする三次元造形物の製造方法。
  2. 前記平坦化工程は、前記層を複数層積層した後に、前記複数層の少なくとも最上層および最上層の下層の一部を除去する請求項1に記載の三次元造形物の製造方法。
  3. 前記インク吐出工程において、前記三次元造形物の最外層となるべき領域に隣接する、前記最外層の表面側の領域に、犠牲層を形成するための、紫外線硬化性樹脂を含む犠牲層形成用インクを吐出する請求項1または2に記載の三次元造形物の製造方法。
  4. 前記平坦化工程は、前記犠牲層を含めて前記層の平坦化を行う請求項3に記載の三次元造形物の製造方法。
  5. 前記平坦化工程は、ロータリーカッター、エンドミル、グラインダー、レーザからなる群から選択される1種を用いて行う請求項1ないし4のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  6. 層を積層することにより三次元造形物を製造する三次元造形物製造装置であって、
    前記三次元造形物が造形される造形部と、
    紫外線硬化性樹脂を含む硬化性インクを吐出し、前記造形部上に前記層を形成する吐出部と、
    前記吐出した硬化性インクに紫外線を照射する紫外線照射部と、
    前記層の少なくとも一部を除去し、前記層を平坦化する平坦化手段と、を有することを特徴とする三次元造形物製造装置。
  7. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法により製造されたことを特徴とする三次元造形物。
  8. 請求項6に記載の三次元造形物製造装置により製造されたことを特徴とする三次元造形物。
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