JP2018159110A - 組成物および三次元造形物の製造方法 - Google Patents

組成物および三次元造形物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】吐出性に優れ、吐出物の位置精度にも優れる組成物を提供すること、また、寸法精度に優れた三次元造形物を製造することができる三次元造形物の製造方法を提供すること。【解決手段】本発明の組成物は、ノズルから吐出して用いられる組成物であって、複数個の粒子を含み、25℃での粘度が2000mPa・s以上30000mPa・s以下であり、ピエゾアキシャルレオメーターを用いて組成物に10Hz以上1000Hz以下の範囲内の周期的な応力を加えた際の当該ピエゾアキシャルレオメーターの駆動周波数をf[Hz]、前記ピエゾアキシャルレオメーターで測定される前記駆動周波数での損失弾性率をG’’[Pa]としたとき、0.5≦log(δG’’)/log(δf)≦1.2の関係を満足することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、組成物および三次元造形物の製造方法に関する。
従来より、複数個の粒子を含む組成物を用いた三次元造形物の製造が行われてきている。特に、近年、三次元物体のモデルデータを多数の二次元断面層データ(スライスデータ)に分割した後、各二次元断面層データに対応する断面部材(層)を順次造形しつつ、断面部材を順次積層することによって三次元造形物を形成する積層法(三次元造形法)が注目されている。
積層法は、造形しようとする三次元造形物のモデルデータさえあれば、直ちに形成することが可能であり、造形に先立って金型を作成する等の必要がないので、迅速にしかも安価に三次元造形物を形成することが可能である。また、薄い板状の断面部材を一層ずつ積層して形成するので、例えば内部構造を有する複雑な物体であっても、複数の部品に分けることなく一体の造形物として形成することが可能である。
三次元造形物の製造方法としては、粒子および粒子を分散させる溶剤を含む組成物を用いる方法がある(例えば、特許文献1参照)。
このように、粒子および粒子を分散させる溶剤を含む組成物を、吐出法により吐出して所定の形状(パターン)の層を形成する場合、組成物の粘度が低すぎると、ダレにより、組成物により形成されたパターンに不本意な変形を生じやく、三次元造形物の寸法精度が低下しやすくなるため、比較的高い粘度の組成物が用いられるが、従来においては、吐出不良となりやすく、また、吐出された組成物の位置精度が低下しやすかった。その結果、所望の形状を形成することが困難となり、三次元造形物の寸法精度が低下しやすかった。特に、このような問題は、積層数が多くなるほど、より顕著に発生していた。
特開2008−184622号公報
本発明の目的は、吐出性に優れ、吐出物の位置精度にも優れる組成物を提供すること、また、寸法精度に優れた三次元造形物を製造することができる三次元造形物の製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の組成物は、ノズルから吐出して用いられる組成物であって、複数個の粒子を含み、25℃での粘度が2000mPa・s以上30000mPa・s以下であり、ピエゾアキシャルレオメーターを用いて組成物に10Hz以上1000Hz以下の範囲内の周期的な応力を加えた際の当該ピエゾアキシャルレオメーターの駆動周波数をf[Hz]、前記ピエゾアキシャルレオメーターで測定される前記駆動周波数での損失弾性率をG’’[Pa]としたとき、0.5≦log(δG’’)/log(δf)≦1.2の関係を満足することを特徴とする。
これにより、吐出性に優れ、吐出物の位置精度にも優れる組成物を提供することができる。
本発明の組成物は、前記粒子に加え、前記粒子を分散させる溶剤と、前記溶剤が除去された状態で前記粒子同士を仮結合する機能を有するバインダーとを含んでいることが好ましい。
これにより、組成物を用いて形成されたパターンの不本意な変形をより効果的に防止することができる。これにより、例えば、三次元造形物の寸法精度をさらに向上させることができる。
本発明の組成物では、前記バインダーの含有率が5.0体積%以上であることが好ましい。
これにより、粒子同士を仮結合する機能がより効果的に発揮されるとともに、例えば、最終的に得られる三次元造形物中に、バインダーやその分解物が不本意に残存することをより効果的に防止することができる。また、上記のlog(δG’’)/log(δf)の条件を満たす組成物の調製が容易となる。また、例えば、三次元造形物の生産性をより向上させることができる。
本発明の組成物では、前記バインダーとして、アクリル系樹脂およびポリエステルを含んでいることが好ましい。
これにより、上記のlog(δG’’)/log(δf)の値(S値)の条件を満たす組成物の調製が容易となり、組成物の吐出性、吐出物の位置精度をより確実に向上させることができる。
本発明の組成物では、前記粒子の含有率が50体積%以下であることが好ましい。
これにより、上記のlog(δG’’)/log(δf)の値(S値)の条件を満たす組成物の調製が容易となり、組成物の吐出性、吐出物の位置精度をより確実に向上させることができる。
本発明の組成物では、前記粒子の平均粒径D(50)が20μm以下であることが好ましい。
これにより、上記のlog(δG’’)/log(δf)の値(S値)の条件を満たす組成物の調製が容易となり、組成物の吐出性、吐出物の位置精度をより確実に向上させることができる。
本発明の三次元造形物の製造方法は、本発明の組成物をノズルから吐出して層を形成する層形成工程を含む一連の工程を繰り返し行うことを特徴とする。
これにより、寸法精度に優れた三次元造形物を製造することができる三次元造形物の製造方法を提供することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記層形成工程は、第1のパターンを形成する第1のパターン形成工程と、第2のパターンを形成する第2のパターン形成工程とを有し、前記第1のパターン形成工程、前記第2のパターン形成工程のうちの少なくとも一方において、前記組成物を用いることが好ましい。
これにより、三次元造形物の寸法精度、信頼性をより向上させることができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記一連の工程を繰り返し行った後に、前記粒子同士を接合する接合処理を施す接合工程を有することが好ましい。
これにより、機械的強度等の特性が特に優れた三次元造形物を得ることができる。また、三次元造形物中にバインダーが不本意に残存することを防止することができ、三次元造形物の信頼性をより高くすることができる。また、三次元造形物の生産性をより向上させることができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記組成物を、ジェットディスペンサーにより吐出することが好ましい。
これにより、吐出される組成物が比較的高い場合であっても好適に吐出することができる。その結果、三次元造形物の寸法精度をより向上させることができる。また、三次元造形物の生産性を向上させることができる。
本発明の好適な実施形態の三次元造形物の製造方法の工程(第1のパターン形成工程)を模式的に示す縦断面図である。 本発明の好適な実施形態の三次元造形物の製造方法の工程(第2のパターン形成工程)を模式的に示す縦断面図である。 本発明の好適な実施形態の三次元造形物の製造方法の工程(溶剤除去工程)を模式的に示す縦断面図である。 本発明の好適な実施形態の三次元造形物の製造方法の工程(第1のパターン形成工程)を模式的に示す縦断面図である。 本発明の好適な実施形態の三次元造形物の製造方法の工程(第2のパターン形成工程)を模式的に示す縦断面図である。 本発明の好適な実施形態の三次元造形物の製造方法の工程(溶剤除去工程)を模式的に示す縦断面図である。 本発明の好適な実施形態の三次元造形物の製造方法の工程を模式的に示す縦断面図である。 本発明の好適な実施形態の三次元造形物の製造方法の工程(脱バインダー工程)を模式的に示す縦断面図である。 本発明の好適な実施形態の三次元造形物の製造方法の工程(接合工程)を模式的に示す縦断面図である。 本発明の好適な実施形態の三次元造形物の製造方法の工程(サポート部除去工程)を模式的に示す縦断面図である。 本発明の好適な実施形態の三次元造形物の製造方法を示すフローチャートである。 三次元造形物製造装置の好適な実施形態を模式的に示す側面図である。
以下、添付する図面を参照しつつ、好適な実施形態について詳細な説明をする。
《三次元造形物の製造方法》
まず、本発明の三次元造形物の製造方法について説明する。
図1〜図10は、本発明の好適な実施形態の三次元造形物の製造方法の工程を模式的に示す縦断面図である。図11は、本発明の好適な実施形態の三次元造形物の製造方法を示すフローチャートである。
本実施形態の三次元造形物10の製造方法では、組成物(三次元造形物製造用組成物、層形成用組成物)1’をノズルM2から吐出して層1を形成する層形成工程を含む一連の工程を繰り返し行う。より具体的には、本実施形態の三次元造形物10の製造方法では、ノズルM2から組成物(三次元造形物製造用組成物、層形成用組成物)1’を吐出して層1を形成する層形成工程(図1、図2、図4、図5参照)と、層1中に含まれる溶剤を除去する溶剤除去工程(図3、図6参照)とを含む一連の工程を繰り返し行い積層体50を得(図7参照)、その後、積層体50に対して、積層体50(層1)中に含まれる粒子同士を接合する接合工程(図9参照)を行う。
そして、層1の形成に、所定の条件を満足する組成物(三次元造形物製造用組成物、層形成用組成物)1’を用いる。すなわち、組成物1’は、複数個の粒子を含み、25℃での粘度(以下、単に、「粘度」ともいう)が2000mPa・s以上30000mPa・s以下であり、ピエゾアキシャルレオメーターを用いて10Hz以上1000Hz以下の範囲内の周期的な応力を加えた際の当該ピエゾアキシャルレオメーターの駆動周波数をf[Hz]、前記ピエゾアキシャルレオメーターで測定される前記駆動周波数での損失弾性率をG’’[Pa]としたとき、0.5≦log(δG’’)/log(δf)≦1.2の関係を満足する。言い換えると、横軸がピエゾアキシャルレオメーターの駆動周波数f[Hz]の常用対数(logf)であり、縦軸が組成物の損失弾性率G’’[Pa]の常用対数(logG’’)であるグラフにおいて、駆動周波数fが10Hz以上1000Hz以下の範囲における当該グラフの傾き(log(δG’’)/log(δf))が0.5以上1.2以下の範囲内の数値である。
これにより、組成物1’の吐出性、吐出物の位置精度を優れたものとすることができる。また、組成物1’の吐出により形成された層1(パターン)が不本意に変形することが、効果的に防止される。以上のようなことから、寸法精度に優れた三次元造形物10を効率よく製造することができる三次元造形物10の製造方法を提供することができる。
より具体的には、粘度が所定の範囲内の値であることにより、組成物1’を用いて形成される層1の形状の安定性が向上し、層1の不本意な変形が防止される。また、log(δG’’)/log(δf)の値(以下、「S値」ともいう)が所定の範囲内の値であることにより、組成物1’は吐出性に優れ、吐出物の位置精度にも優れたものとなり、組成物1’をノズルM2から好適に吐出することができる。なお、組成物1’については、後に詳述する。
なお、上記のような条件を満たす組成物1’は、通常、ペースト状をなす。
本発明において、上記のパラメーターを導入したのは、以下のような理由による。すなわち、上記のような比較的高い粘度の組成物をノズルから吐出する場合(特に、液滴として吐出する場合)、組成物に対し、周期的な振動を付与する。そして、上記のような比較的高い粘度の組成物をノズルから吐出する場合においては、組成物の粘弾性とノズルの駆動周波数との関係が重要であるとの仮説のもと、粘弾性を示す各種物性と駆動周波数との関係について、発明者は鋭意研究を行った。その結果、上記のように、ピエゾアキシャルレオメーターの駆動周波数f[Hz]の常用対数(logf)と、ピエゾアキシャルレオメーターを所定の周波数で駆動させて組成物に応力を与えた際の組成物の損失弾性率G’’[Pa]の常用対数(logG’’)との間で、所定の関係を満足することにより、組成物の吐出性、吐出物の位置精度を優れたものとすることができることを見出した。また、ノズルから組成物(特に、上記のような比較的高い粘度の組成物)を吐出する場合、通常、ノズルの駆動周波数は、数十Hzから数千Hzの範囲で設定される。そして、このような周波数域における組成物の吐出性を優れたものとするためには、10Hz以上1000Hz以下の範囲でピエゾアキシャルレオメーターの駆動周波数f[Hz]と組成物の損失弾性率G’’[Pa]との関係を規定することが重要であることを見出した。
なお、本発明者が鋭意研究した結果、上記のような粘度範囲の組成物は、上記のような周波数域において、横軸がピエゾアキシャルレオメーターの駆動周波数f[Hz]の常用対数(logf)であり、縦軸が組成物の損失弾性率G’’[Pa]の常用対数(logG’’)であるグラフの傾き(log(δG’’)/log(δf))は、ほぼ一定であることも見出した。
これに対し、前述した条件を満足しない場合には、上記のような優れた効果は十分に得られない。
例えば、組成物の25℃での粘度が小さすぎると、吐出法により形成された層(三次元造形物製造用組成物)の流動性が高くなり、層の形状の安定性を十分に高くすることができず、層の不本意な変形を生じやすい。特に、層を積み重ねていった際に、いわゆるダレを生じやすくなる。このようなことから、三次元造形物の寸法精度を十分に優れたものとすることができない。このような傾向は、積層数が多くなると(例えば、積層数が50以上の場合)、より顕著となる。また、組成物の25℃での粘度が小さすぎると、いわゆるサテライトが生じやすくなる。このようなことからも、三次元造形物の寸法精度を十分に優れたものとすることができない。
また、組成物の25℃での粘度が大きすぎると、ノズルからの吐出法による組成物の安定的な吐出が困難となり、所望の形状のパターンの層を形成することが困難となる。特に、吐出不良を生じやすく、吐出された組成物の位置精度(着弾位置精度)が低下する。以上のことから、三次元造形物の寸法精度を十分に優れたものとすることができない。このような問題は、微細な形状を有するパターンを形成しようとする場合に、より顕著に発生する。
また、前記のlog(δG’’)/log(δf)の値(S値)が小さすぎると、着弾位置精度が低下したり、組成物を液滴として吐出する場合における液滴間での大きさ(液滴量)のばらつきが大きくなったりする。
また、前記のlog(δG’’)/log(δf)の値(S値)が大きすぎると、ノズル抜け等により、組成物の連続吐出が困難となる。
本発明では、上記のようなlog(δG’’)/log(δf)の条件は、10Hz以上1000Hz以下の周波数範囲のうち少なくとも一部の周波数において満たされていればよいが、10Hz以上1000Hz以下の周波数範囲全体において満たされているのが好ましい。これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
なお、本明細書中において、粘度とは、特に断りのない限り、せん断速度:10[s−1]という条件で、レオメーターを用いて測定される回転粘度の値をいう。当該粘度の測定には、例えば、Physica社製のMCR−300等を用いることができる。
また、本明細書において、ピエゾアキシャルレオメーターとは、ピエゾ素子アクチュエーターを用いた振動式のアキシャル型の動的粘弾性測定装置のことをいい、例えば、シスコム社製のPZ−Rheo NDS−1000等が挙げられる。
また、本明細書において、溶剤とは、粒子を分散することができる液体(分散媒)であり、揮発性の液体のことをいう。
また、本明細書において、吐出法とは、組成物(三次元造形物製造用組成物)を所定のパターンで吐出して層に対応するパターンを形成する方法のことを言い、供給された組成物をスキージー、ローラー等により平坦化して層を形成する方法とは区別される。
前述したように、組成物1’の25℃での粘度は、2000mPa・s以上30000mPa・s以下であればよいが、3500mPa・s以上23000mPa・s以下であるのが好ましく、4000mPa・s以上20000mPa・s以下であるのがより好ましい。これにより、前述したような効果はより顕著に発揮される。
粘度を決定する要因としては、種々挙げられるが、組成物1’の組成(特に、バインダーの組成や含有率等)等が挙げられる。
また、前述したように、0.5≦log(δG’’)/log(δf)≦1.2の関係を満足すればよいが、0.53≦log(δG’’)/log(δf)≦1.0の関係を満足するのが好ましく、0.55≦log(δG’’)/log(δf)≦0.8の関係を満足するのがより好ましい。これにより、前述したような効果はより顕著に発揮される。
このようなlog(δG’’)/log(δf)の値(S値)を決定する要因としては、種々挙げられるが、組成物1’の組成(特に、バインダーの組成や含有率等)等が挙げられる。
また、本実施形態では、層形成工程は、組成物1’として、三次元造形物10の実体部(接合部)2の形成に用いる実体部形成用組成物1B’、および、実体部2となるべき部位を支持するサポート部(支持部、サポート材)5の形成に用いるサポート部形成用組成物1A’を用いて行う。そして、層形成工程は、サポート部形成用組成物1A’をノズル(第1のノズル、サポート部形成用組成物吐出ノズル)M2Aから吐出して第1のパターン(サポート部用パターン)1Aを形成する第1のパターン形成工程(サポート部用パターン形成工程)と、実体部形成用組成物1B’をノズル(第2のノズル、実体部形成用組成物吐出ノズル)M2Bから吐出して第2のパターン(実体部用パターン)1Bを形成する第2のパターン形成工程(実体部用パターン形成工程)とを有している。
そして、組成物1’としての実体部形成用組成物1B’およびサポート部形成用組成物1A’のうち少なくとも一方が、前述した条件(複数個の粒子を含み、25℃での粘度が2000mPa・s以上30000mPa・s以下であり、かつ、0.5≦log(δG’’)/log(δf)≦1.2)を満足している。
これにより、三次元造形物10の寸法精度、信頼性を向上させることができる。
組成物1’としての実体部形成用組成物1B’およびサポート部形成用組成物1A’のうち少なくとも一方が、前述した条件を満足していればよいが、以下の説明では、実体部形成用組成物1B’およびサポート部形成用組成物1A’の両方が、前述した条件を満足している場合について、中心的に説明する。
以下、各工程について詳細に説明する。
≪第1のパターン形成工程≫
第1のパターン形成工程では、ノズルM2Aからサポート部形成用組成物1A’を、例えば、ステージM41の平面M410上に吐出して第1のパターン1Aを形成する。
このように、第1のパターン1Aを、ノズルM2Aからのサポート部形成用組成物1A’の吐出により形成することで、微細な形状、複雑な形状を有するパターンであっても好適に形成することができる。
サポート部形成用組成物1A’の吐出方法は、特に限定されず、例えば、インクジェット装置等を用いて行うこともできるが、ディスペンサーにより吐出するのが好ましく、特にジェットディスペンサーにより吐出するのが好ましい。
このように、ディスペンサーを用いることにより、吐出されるサポート部形成用組成物1A’が比較的高い場合であっても好適に吐出することができ、特に、前述した範囲の粘度のサポート部形成用組成物1A’を好適に吐出することができる。その結果、最終的に得られる三次元造形物10の寸法精度をより向上させることができる。また、厚みが比較的大きい層1を容易に形成することができ、三次元造形物10の生産性を向上させることができる。特に、ジェットディスペンサーを用いることにより、より高周波での吐出が可能となり、三次元造形物10の生産性をさらに向上させることができる。
サポート部形成用組成物1A’を吐出する際のディスペンサー(ノズルM2A)の駆動周波数は、特に限定されないが、50Hz以上5000Hz以下であるのが好ましく、100Hz以上4700Hz以下であるのがより好ましく、200Hz以上4500Hz以下であるのがさらに好ましい。
これにより、log(δG’’)/log(δf)の値(S値)を所定の周波数域で定めたことによる本発明による効果がより顕著に発揮され、サポート部形成用組成物1A’の吐出物の位置精度をより向上させることができ、三次元造形物10の寸法精度をより向上させることができる。また、三次元造形物10の生産性をさらに向上させることができる。
本工程では、サポート部形成用組成物1A’を、連続体状に吐出してもよいし、複数の液滴として吐出してもよいが、複数の液滴として吐出するのが好ましい。
これにより、例えば、微細な構造を有する三次元造形物10の製造にもより好適に対応することができ、三次元造形物10の寸法精度をより向上させることができる。
本工程でサポート部形成用組成物1A’を複数の液滴として吐出する場合、吐出される液滴の1滴あたりの体積は、1pL以上100000pL(100nL)以下であるのが好ましく、10pL以上5000pL(5nL)以下であるのがより好ましい。
これにより、例えば、微細な構造を有する三次元造形物10の製造にもより好適に対応することができ、三次元造形物10の寸法精度をより向上させることができるとともに、三次元造形物10の生産性をより向上させることができる。
三次元造形物10の製造においては、サポート部形成用組成物1A’として、複数種の組成物を用いてもよい。
なお、サポート部形成用組成物1A’については、後に詳述する。
≪第2のパターン形成工程≫
第2のパターン形成工程では、ノズルM2Bから実体部形成用組成物1B’を、例えば、ステージM41の平面M410上に吐出して第2のパターン1Bを形成する。
このように、第2のパターン1Bを、ノズルM2Bからの実体部形成用組成物1B’の吐出により形成することで、微細な形状、複雑な形状を有するパターンであっても好適に形成することができる。
特に、本実施形態では、第1のパターン1Aで取り囲まれた領域に実体部形成用組成物1B’を吐出し、第2のパターン1Bの周囲全体が、第1のパターン1Aと接触するようにする。
これにより、最終的に得られる三次元造形物10の寸法精度をより向上させることができる。
実体部形成用組成物1B’の吐出方法は、特に限定されず、例えば、インクジェット装置等を用いて行うこともできるが、ディスペンサーにより吐出するのが好ましく、特にジェットディスペンサーにより吐出するのが好ましい。
このように、ディスペンサーを用いることにより、吐出される実体部形成用組成物1B’が比較的高い場合であっても好適に吐出することができ、特に、前述した範囲の粘度の実体部形成用組成物1B’を好適に吐出することができる。その結果、最終的に得られる三次元造形物10の寸法精度をより向上させることができる。また、厚みが比較的大きい層1を容易に形成することができ、三次元造形物10の生産性をより向上させることができる。特に、ジェットディスペンサーを用いることにより、より高周波での吐出が可能となり、三次元造形物10の生産性をさらに向上させることができる。
実体部形成用組成物1B’を吐出する際のディスペンサー(ノズルM2B)の駆動周波数は、特に限定されないが、50Hz以上5000Hz以下であるのが好ましく、100Hz以上4700Hz以下であるのがより好ましく、200Hz以上4500Hz以下であるのがさらに好ましい。
これにより、log(δG’’)/log(δf)の値(S値)を所定の周波数域で定めたことによる本発明による効果がより顕著に発揮され、実体部形成用組成物1B’の吐出物の位置精度をより向上させることができ、三次元造形物10の寸法精度をより向上させることができる。また、三次元造形物10の生産性をさらに向上させることができる。
本工程では、実体部形成用組成物1B’を、連続体状に吐出してもよいし、複数の液滴として吐出してもよいが、複数の液滴として吐出するのが好ましい。
これにより、例えば、微細な構造を有する三次元造形物10の製造にもより好適に対応することができ、三次元造形物10の寸法精度をより向上させることができる。
本工程で実体部形成用組成物1B’を複数の液滴として吐出する場合、吐出される液滴の1滴あたりの体積は、1pL以上100000pL(100nL)以下であるのが好ましく、10pL以上5000pL(5nL)以下であるのがより好ましい。
これにより、例えば、微細な構造を有する三次元造形物10の製造にもより好適に対応することができ、三次元造形物10の寸法精度をより向上させることができるとともに、三次元造形物10の生産性をより向上させることができる。
三次元造形物10の製造においては、実体部形成用組成物1B’として、複数種の組成物を用いてもよい。
これにより、例えば、三次元造形物10の各部位に求められる特性に応じて、材料を組み合わせることができ、三次元造形物10全体としての特性(外観、機能性(例えば、弾性、靱性、耐熱性、耐腐食性等)等を含む)をより向上させることができる。
なお、実体部形成用組成物1B’については、後に詳述する。
上記のような第1のパターン形成工程、第2のパターン形成工程を行うことにより、第1のパターン1A、第2のパターン1Bを有する層1が形成される。言い換えると、層形成工程は、第1のパターン形成工程および第2のパターン形成工程を有している。
サポート部形成用組成物1A’、実体部形成用組成物1B’を用いて形成される各層1の厚みは、特に限定されないが、10μm以上500μm以下であるのが好ましく、20μm以上250μm以下であるのがより好ましい。
これにより、三次元造形物10の生産性を向上させつつ、三次元造形物10の寸法精度をより向上させることができる。
≪溶剤除去工程≫
溶剤除去工程では、層1中に含まれる溶剤を除去する。
これにより、層1の流動性がさらに低下し、層1の形状の安定性がさらに向上する。また、本工程を行うことにより、後の接合工程での溶剤の急激な揮発(突沸等)等に伴う不本意な変形を効果的に防止することができる。以上のようなことから、より確実に寸法精度に優れた三次元造形物10を得ることができ、三次元造形物10の信頼性をより向上させることができるとともに、三次元造形物10の生産性をより向上させることができる。
溶剤の除去の方法としては、例えば、層1の加熱や、層1への赤外線の照射、層1を減圧下に置くこと、乾燥空気等のような液体成分の含有率の低いガス(例えば、相対湿度30%以下のガス等)を供給すること等が挙げられる。また、これらから選択される2種以上を組み合わせて行ってもよい。
図示の構成では、加熱手段から熱エネルギーEを供給することにより、層1を加熱している。
また、本実施形態では、溶剤除去工程を(複数の層1に対して一括で行うのではなく)各層1について逐次行う。すなわち、層形成工程を含む一連の繰り返し工程中に溶剤除去工程が含まれる。
これにより、複数の層1を備える積層体50の内部に比較的多くの溶剤が不本意に残存することをより効果的に防止することができる。その結果、最終的に得られる三次元造形物10の信頼性をさらに向上させることができる。また、層1を積層して得られる積層体50において、不本意な変形が生じることをさらに効果的に防止することができる。
なお、本工程においては、層1中に含まれる溶剤を、完全に除去する必要はない。このような場合でも、後の工程で残存する溶剤を十分に除去することができる。溶剤が揮発することで、層1中に含まれる溶剤量に対して溶解しているバインダー量が相対的に上昇し、粒子同士を仮結合する機能が発現されている状態も含む。
本工程後の層1中における溶剤の含有率は、0.1質量%以上25質量%以下であるのが好ましく、0.5質量%以上20質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、バインダーの機能をより効果的に発揮させつつ、後の工程での溶剤の急激な揮発(突沸等)等に伴う不本意な変形を効果的に防止し、より確実に寸法精度に優れた三次元造形物10を得ることができ、三次元造形物10の信頼性をより向上させることができるとともに、三次元造形物10の生産性をより向上させることができる。
三次元造形物10の製造においては、層形成工程(第1のパターン形成工程および第2のパターン形成工程)および溶剤除去工程を含む一連の工程を所定回数だけ繰り返し行い、複数の層1が積層された積層体50を得る(図7参照)。
すなわち、すでに形成された層1上に新たな層1を形成すべきか否かを判断し、形成すべき層1がある場合には新たな層1を形成し、形成すべき層1がない場合には積層体50に対して後に詳述する工程を行う。
≪脱バインダー工程≫
本実施形態では、上記のようにして層形成工程(第1のパターン形成工程および第2のパターン形成工程)および溶剤除去工程を含む一連の工程を繰り返し行うことにより得られた積層体50に対して、バインダーを除去する脱バインダー処理を施す脱バインダー工程を有している(図8参照)。これにより、脱バインダー体70が得られる。このような脱バインダー体70を得ることにより、後の焼結工程(接合工程)をより好適に行うことができる。
また、本工程に供される積層体50は、前述した溶剤除去工程により、溶剤の含有率が十分に低くなっているため、脱バインダー工程における不本意な変形(例えば、溶剤の急激な揮発に伴う変形等)がより効果的に防止される。
また、例えば、脱バインダー工程を行うことにより、最終的に得られる三次元造形物10中にバインダーやその分解物が不本意に残存することをより効果的に防止することができる。
なお、本明細書において、脱バインダー体とは、所定の形状に成形された成形体(積層体50)に対し、バインダーを除去するための処理(脱バインダー処理)を施すことにより得られた物のことをいう。脱バインダー処理では、成形体(積層体50)中に含まれるバインダーのうちの少なくとも一部を除去すればよく、脱バインダー体70には、バインダーの一部が残存していてもよい。
脱バインダー処理は、積層体50中に含まれるバインダーを除去する方法であればいかなる方法で行ってもよいが、酸素、硝酸ガス等の酸化性雰囲気の他、非酸化性雰囲気中、例えば真空または減圧状態下(例えば1.33×10−4Pa以上13.3Pa以下)、または、窒素ガス、アルゴンガス等のガス中で、熱処理を行うことによりなされる。
また、脱バインダー工程(熱処理)における処理温度は、特に限定されないが、100℃以上750℃以下であるのが好ましく、150℃以上600℃以下であるのがより好ましい。
これにより、脱バインダー工程における積層体50、脱バインダー体70の不本意な変形をより確実に防止することができ、脱バインダー処理をより効率よく進行させることができる。その結果、より優れた寸法精度の三次元造形物10をより優れた生産性で製造することができる。
また、脱バインダー工程(熱処理)における処理時間(熱処理時間)は、0.5時間以上20時間以下であるのが好ましく、1時間以上10時間以下であるのがより好ましい。
これにより、三次元造形物10の生産性をより向上させることができる。また、脱バインダー体70におけるバインダーの残存率を十分に低くすることができ、最終的に得られる三次元造形物10の信頼性をより向上させることができる。
また、このような熱処理によるバインダーの除去は、種々の目的(例えば、処理時間の短縮等の目的)で、複数の工程(段階)に分けて行ってもよい。この場合、例えば、前半を低温で、後半を高温で処理するような方法や、低温と高温を繰り返し行う方法等が挙げられる。
≪焼結工程(接合工程)≫
本実施形態では、脱バインダー工程で得られた脱バインダー体70中に含まれる粒子同士を接合するための接合処理を施す接合工程としての焼結工程を有している。
これにより、脱バインダー体70中に含まれる粒子同士が接合(焼結)されて接合部(実体部)2が形成され、焼結体としての三次元造形物10が製造される(図9参照)。
このように接合部2が形成されることにより、粒子が強固に接合した構造を有し、機械的強度等の特性が特に優れた三次元造形物10を得ることができる。
また、前述した工程まででバインダーが残存している場合であっても、接合処理(焼結処理)により、バインダーを確実に除去することができる。その結果、三次元造形物10中にバインダーが不本意に残存することを防止することができ、三次元造形物10の信頼性をより高くすることができる。
特に、本実施形態では、接合処理を、層1を複数備えた積層体(脱バインダー体70)に対して施す。言い換えると、本実施形態では、前記一連の工程を繰り返し行った後に、前記粒子同士を接合する接合処理を施す接合工程を有している。
これにより、三次元造形物10の生産性をより向上させることができる。
焼結工程は、加熱処理により行う。
焼結工程での加熱は、脱バインダー体70を構成する粒子の構成材料の融点以下の温度で行うのが好ましい。
これにより、積層体の形状を崩すことなく粒子の接合をより効率よく行うことができる。
焼結工程での加熱処理は、通常、脱バインダー工程での加熱処理よりも高い温度で行う。
粒子の構成材料の融点をTm[℃]としたとき、焼結工程での加熱温度は、(Tm−200)℃以上(Tm−50)℃以下であるのが好ましく、(Tm−150)℃以上(Tm−70)℃以下であるのがより好ましい。
これにより、より短時間の加熱処理でより効率よく粒子の接合を行うことができるとともに、焼結工程における脱バインダー体70の不本意な変形をより効果的に防止することができ、三次元造形物10の寸法精度をより向上させることができる。
なお、粒子が複数の成分を含む場合には、前記融点としては、最も含有率の高い成分の融点を採用することができる。
焼結工程での加熱時間は、特に限定されないが、30分以上5時間以下であるのが好ましく、1時間以上3時間以下であるのがより好ましい。
これにより、粒子同士の接合を十分に進行させつつ本工程における不本意な変形をより効果的に防止することができ、三次元造形物10の機械的強度、寸法精度をより高いレベルで両立することができるとともに、三次元造形物10の生産性をより向上させることができる。
また、焼結処理時の雰囲気は、特に限定されないが、非酸化性雰囲気、例えば真空または減圧状態下(例えば1.33×10−4Pa以上133Pa以下)、または、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス、必要に応じて水素等の還元性ガス雰囲気とすることができる。
また、焼結工程は、2段階またはそれ以上に分けて行ってもよい。これにより、焼結の効率が向上し、より短い処理時間で焼結(焼成)を行うことができる。
また、焼結工程は、前述の脱バインダー工程と連続して行ってもよい。
これにより、脱バインダー工程は、焼結前工程を兼ねることができ、脱バインダー体70に予熱を与えて、脱バインダー体70をより確実に焼結させることができる。
また、このような焼結工程は、種々の目的(例えば、焼成時間の短縮等の目的)で、複数の工程(段階)に分けて行ってもよい。この場合、例えば、前半を低温で、後半を高温で焼成するような方法や、低温と高温を繰り返し行う方法等が挙げられる。
≪サポート部除去工程≫
その後、後処理として、サポート部5(第1のパターン形成工程で形成された第1のパターン1A)を除去する。これにより、三次元造形物10が取り出される(図10参照)。
本工程の具体的な方法としては、例えば、サポート材5を機械的に破壊する方法、サポート材5を化学的に分解する方法、サポート材5を溶解する方法、刷毛等でサポート部5を払い除ける方法、サポート部5を吸引により除去する方法、空気等の気体を吹き付ける方法、水等の液体を付与する方法(例えば、液体中に前記のようにして得られたサポート部5と脱バインダー体70との複合物を浸漬する方法、液体を吹き付ける方法等)、超音波振動等の振動を付与する方法等が挙げられる。また、これらから選択される2種以上の方法を組み合わせて行うことができる。
なお、サポート部除去工程を、前述した焼結工程前に行う場合、粉末状のサポート材の中に埋没させた状態で焼結工程を実施することも可能である。
前述したような製造方法によれば、寸法精度、信頼性に優れた三次元造形物10を効率よく製造することができる。
前述したような三次元造形物10の製造方法をフローチャートにまとめると、図11のようになる。
《組成物》
次に、本発明の組成物について説明する。
本発明の組成物は、ノズルから吐出して用いられる組成物であって、複数個の粒子を含み、25℃での粘度が2000mPa・s以上30000mPa・s以下であり、ピエゾアキシャルレオメーターを用いて組成物に10Hz以上1000Hz以下の範囲内の周期的な応力を加えた際の当該ピエゾアキシャルレオメーターの駆動周波数をf[Hz]、前記ピエゾアキシャルレオメーターで測定される前記駆動周波数での損失弾性率をG’’[Pa]としたとき、0.5≦log(δG’’)/log(δf)≦1.2の関係を満足することを特徴とする。
これにより、吐出性に優れ、吐出物の位置精度にも優れる組成物を提供することができる。
特に、三次元造形物の製造に複数種の組成物を用いる場合、少なくとも1種の組成物が、本発明の組成物(複数個の粒子を含み、25℃での粘度が2000mPa・s以上30000mPa・s以下であり、かつ、0.5≦log(δG’’)/log(δf)≦1.2の関係を満足する組成物)であればよい。
これにより、寸法精度に優れた三次元造形物を製造することができる。
本実施形態では、組成物として、実体部形成用組成物1B’と、サポート部形成用組成物1A’とを用いている。
≪実体部形成用組成物≫
まず、三次元造形物10の製造に用いる組成物としての実体部形成用組成物1B’について説明する。
実体部形成用組成物1B’は、実体部2の形成(第2のパターン1Bの形成)に用いることができれば、その構成成分等は特に限定されないが、複数個の粒子を含んでいるのが好ましく、さらに、25℃での粘度が2000mPa・s以上30000mPa・s以下であり、かつ、0.5≦log(δG’’)/log(δf)≦1.2の条件を満足しているのがより好ましい。
以下の説明では、実体部形成用組成物1B’が本発明の組成物である場合、すなわち、複数個の粒子を含み、25℃での粘度が2000mPa・s以上30000mPa・s以下であり、かつ、0.5≦log(δG’’)/log(δf)≦1.2の条件を満足している場合について、中心的に説明する。
(粒子)
実体部形成用組成物1B’が、複数個の粒子を含むことにより、三次元造形物10の構成材料の選択の幅を拡げることができ、所望の物性、質感等を有する三次元造形物10を好適に得ることができる。例えば、溶媒に溶解した材料を用いて三次元造形物を製造する場合、使用することのできる材料に制限があるが、粒子を含む実体部形成用組成物1B’を用いることによりこのような制限を解消することができる。
実体部形成用組成物1B’に含まれる粒子の構成材料としては、例えば、金属材料、金属化合物(セラミックス等)、樹脂材料、顔料等が挙げられる。
実体部形成用組成物1B’は、金属材料、セラミックス材料のうち少なくとも一方を含む材料で構成された粒子を含むのが好ましい。
これにより、例えば、三次元造形物10の質感(高級感)、機械的強度、耐久性等をより向上させることができる。また、これらの材料は、一般に、後に詳述するようなバインダーの分解温度で、十分な形状の安定性を有する。したがって、三次元造形物10の製造過程において、バインダーを確実に除去し、三次元造形物10中にバインダーが残存するのをより確実に防止しつつ、三次元造形物10の寸法精度をより確実に向上させることができる。
特に、粒子が金属材料を含む材料で構成されていると、三次元造形物10の高級感、重量感、機械的強度、靱性等がさらに向上する。また、粒子の接合のためのエネルギーを付与した際の伝熱が効率よく進行するため、三次元造形物10の生産性を向上させつつ、各部位での不本意な温度のばらつきの発生をより効果的に防止することができ、三次元造形物10の信頼性をより向上させることができる。
粒子を構成する金属材料としては、例えば、マグネシウム、鉄、銅、コバルト、チタン、クロム、ニッケル、アルミニウムやこれらのうち少なくとも1種を含む合金(例えば、マルエージング鋼、ステンレス鋼、コバルトクロムモリブデン、チタニウム合金、ニッケル基調合金、アルミニウム合金等)等が挙げられる。
粒子を構成する金属化合物としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコン、酸化錫、酸化マグネシウム、チタン酸カリウム等の各種金属酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等の各種金属水酸化物;窒化珪素、窒化チタン、窒化アルミニウム等の各種金属窒化物;炭化珪素、炭化チタン等の各種金属炭化物;硫化亜鉛等の各種金属硫化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の各種金属の炭酸塩;硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム等の各種金属の硫酸塩;ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等の各種金属のケイ酸塩;リン酸カルシウム等の各種金属のリン酸塩;ホウ酸アルミニウム、ホウ酸マグネシウム等の各種金属のホウ酸塩や、これらの複合化物等が挙げられる。
粒子を構成する樹脂材料としては、例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、シンジオタクチック・ポリスチレン、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリエーテルニトリル、ポリアミド(ナイロン等)、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、液晶ポリマー、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、フッ素樹脂等が挙げられる。
粒子の形状は、特に限定されず、球状、紡錘形状、針状、筒状、鱗片状等、いかなる形状であってもよく、また、不定形であってもよいが、球状であるのが好ましい。
粒子の最大粒径(Dmax)は、100μm以下であるのが好ましく、50μm以下であるのがより好ましい。
これにより、前述したようなlog(δG’’)/log(δf)の条件を満たす実体部形成用組成物1B’の調製が容易となり、実体部形成用組成物1B’の吐出性、吐出物の位置精度をより確実に向上させることができる。また、接合工程での粒子の接合をより好適に行うことができる。また、例えば、層1中に含まれる溶剤やバインダー等の除去等を効率よく除去することができ、不本意に粒子以外の構成材料が最終的な三次元造形物10中に残存することをより効果的に防止することができる。このようなことから、三次元造形物10の生産性をより向上させつつ、製造される三次元造形物10の寸法精度、機械的強度、信頼性をより向上させることができる。
なお、本明細書において、最大粒径(Dmax)とは、体積基準での累積粒度分布における粒子の最大径のことを言う。
粒子の平均粒径D(50)は、20μm以下であるのが好ましく、0.2μm以上15μm以下であるのがより好ましく、0.4μm以上10μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述したようなlog(δG’’)/log(δf)の条件を満たす実体部形成用組成物1B’の調製が容易となり、実体部形成用組成物1B’の吐出性、吐出物の位置精度をより確実に向上させることができる。また、接合工程での粒子の接合をより好適に行うことができる。このようなことから、三次元造形物10の生産性をより向上させつつ、製造される三次元造形物10の寸法精度、信頼性をより向上させることができる。
なお、本発明において、平均粒径とは、体積基準の平均粒径を言い、例えば、サンプルをメタノールに添加し、超音波分散器で3分間分散した分散液をコールターカウンター法粒度分布測定器(COULTER ELECTRONICS INS製TA−II型)にて、50μmのアパチャーを用いて測定することにより求めることができる。
実体部形成用組成物1B’中における粒子の含有率は、50体積%以下であるのが好ましく、25体積%以上48体積%以下であるのがより好ましく、30体積%以上45体積%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述したようなlog(δG’’)/log(δf)の条件を満たす実体部形成用組成物1B’の調製が容易となり、実体部形成用組成物1B’の吐出性、吐出物の位置精度をより確実に向上させることができる。その結果、三次元造形物10の寸法精度、信頼性をより確実に向上させることができる。また、長期間にわたって、実体部形成用組成物1B’の吐出をより安定的に行うことができる。より具体的には、例えば、多数の液滴を吐出した場合であっても、吐出された実体部形成用組成物1B’中での粒子と溶剤との不本意な分離等を防止することができ、形成されたパターン中における不本意な組成のばらつきの発生をより効果的に防止することができる。
なお、粒子は、三次元造形物10の製造過程(例えば、接合工程等)において、化学反応(例えば、酸化反応等)をする材料で構成されており、実体部形成用組成物1B’中に含まれる粒子の組成と、最終的な三次元造形物10の構成材料とで、組成が異なっていてもよい。
また、実体部形成用組成物1B’は、2種以上の粒子を含んでいてもよい。
(溶剤)
実体部形成用組成物1B’は溶剤(分散媒)を含んでいてもよい。
実体部形成用組成物1B’が溶剤(分散媒)を含むことにより、実体部形成用組成物1B’中において粒子を好適に分散させることができ、ノズルM2による実体部形成用組成物1B’の吐出を安定的に行うことができる。
溶剤は、実体部形成用組成物1B’中において粒子を分散させる機能(分散媒としての機能)を有していれば、特に限定されないが、例えば、水;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチルジグリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル等の酢酸エステル類;カルビトールやそのエステル化合物(例えば、カルビトールアセテート等)等のカルビトール類;セロソロブやそのエステル化合物(例えば、セロソロブアセテート等)等のセロソロブ類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、ジイソプロピルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール等の一価アルコールや、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリン等の多価アルコール等のアルコール類;ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤;ピリジン、ピコリン(α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン)、2,6−ルチジン等のピリジン系溶剤;テトラアルキルアンモニウムアセテート(例えば、テトラブチルアンモニウムアセテート等)等のイオン液体等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、溶剤は、エーテル類および多価アルコールのうち少なくとも一方を含んでいるのが好ましい。
これにより、前述したようなlog(δG’’)/log(δf)の条件を満たす実体部形成用組成物1B’の調製が容易となり、実体部形成用組成物1B’の吐出性、吐出物の位置精度をより確実に向上させることができる。その結果、三次元造形物10の寸法精度、信頼性をより確実に向上させることができる。このような傾向は、実体部形成用組成物1B’がバインダーとして後に挙げる成分を含む場合に、より顕著に発揮される。
実体部形成用組成物1B’中における溶剤の含有量は、5質量%以上68質量%以下であるのが好ましく、8質量%以上60質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、前述したようなlog(δG’’)/log(δf)の条件を満たす実体部形成用組成物1B’の調製が容易となり、実体部形成用組成物1B’の吐出性、吐出物の位置精度をより確実に向上させることができる。その結果、三次元造形物10の寸法精度、信頼性をより確実に向上させることができる。また、溶剤除去工程に要する時間が必要以上に長くなることを効果的に防止することができ、三次元造形物10の生産性をさらに向上させることができる。また、生産コスト、省資源の観点等からも有利である。
(バインダー)
バインダー(結合材)は、溶剤が除去された状態において、粒子同士を仮結合する機能を有している。
実体部形成用組成物1B’が溶剤に加えてバインダーを含むことにより、例えば、実体部形成用組成物1B’を用いて形成された第2のパターン1Bの不本意な変形をより効果的に防止することができ、三次元造形物10の寸法精度をさらに向上させることができる。
バインダーとしては、例えば、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂等の各種樹脂材料等を用いることができる。
硬化性樹脂を含む場合、実体部形成用組成物1B’の吐出後であって接合工程よりも前のタイミングで、当該硬化性樹脂の硬化反応を行ってもよい。
これにより、実体部形成用組成物1B’を用いて形成されたパターンの不本意な変形をさらに効果的に防止することができ、三次元造形物10の寸法精度をさらに向上させることができる。
硬化性樹脂の硬化反応を進行させる硬化処理は、例えば、加熱や紫外線等のエネルギー線の照射により行うことができる。
硬化性樹脂としては、例えば、各種熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等を好適に用いることができる。
硬化性樹脂(重合性化合物)としては、例えば、各種モノマー、各種オリゴマー(ダイマー、トリマー等を含む)、プレポリマー等を用いることができる。
硬化性樹脂(重合性化合物)としては、エネルギー線の照射により、重合開始剤から生じるラジカル種またはカチオン種等により、付加重合または開環重合が開始され、重合体を生じるものが好ましく使用される。付加重合の重合様式として、ラジカル、カチオン、アニオン、メタセシス、配位重合が挙げられる。また、開環重合の重合様式として、カチオン、アニオン、ラジカル、メタセシス、配位重合が挙げられる。
実体部形成用組成物1B’中において、バインダーは、いかなる形態で含まれていてもよいが、液状(例えば、溶融状態、溶解状態等)をなすのが好ましい。すなわち、分散媒の構成成分として含まれているのが好ましい。
これにより、バインダーは、粒子を分散する分散媒として機能することができ、実体部形成用組成物1B’の保存性をより向上させることができる。
バインダーの具体例を以下に示す。例えば、アクリル系樹脂としては、アクリル(メタクリル)樹脂、ウレタン変性アクリル樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂、アルキド変性アクリル樹脂等が挙げられる。ポリエステル系樹脂としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)などのポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂、グリコール変性ポリエステル、ウレタン変性共重合ポリエステル、エポキシ変性ポリエステル、シリコーン変性ポリエステル樹脂、等が挙げられる。エポキシ系樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、変性シリコンエポキシ樹脂、アクリル変性エポキシ樹脂、等が挙げられる。シリコーン系樹脂としては、シリコーン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂、エポキシ変性シリコーン樹脂等が挙げられる。また、PVA(ポリビニルアルコール)、PLA(ポリ乳酸)、PA(ポリアミド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等が挙げられる。
特に、実体部形成用組成物1B’は、バインダーとして、アクリル系樹脂およびポリエステルを含んでいるのが好ましい。
これにより、前述したようなlog(δG’’)/log(δf)の条件を満たす実体部形成用組成物1B’の調製が容易となり、実体部形成用組成物1B’の吐出性、吐出物の位置精度をより確実に向上させることができる。その結果、三次元造形物10の寸法精度、信頼性をより確実に向上させることができる。また、これらのバインダーは、前述したような溶剤に対する溶解性に優れ、実体部形成用組成物1B’の保存性をより向上させることができるとともに、実体部形成用組成物1B’中における不本意な組成のばらつきの発生をより効果的に防止することができる。
実体部形成用組成物1B’が、バインダーとして、アクリル系樹脂およびポリエステルを含んでいる場合、実体部形成用組成物1B’中におけるポリエステルの含有率は、アクリル系樹脂100質量部に対して、10質量部以上1000質量部以下であるのが好ましく、20質量部以上500質量部以下であるのがより好ましく、25質量部以上400質量部以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述したようなlog(δG’’)/log(δf)の条件を満たす実体部形成用組成物1B’の調製が容易となり、実体部形成用組成物1B’の吐出性、吐出物の位置精度をより確実に向上させることができる。その結果、三次元造形物10の寸法精度、信頼性をより確実に向上させることができる。
実体部形成用組成物1B’がバインダーとしてポリエステルを含んでいる場合、当該ポリエステルの水酸基価は、10KOHmg/g以上60KOHmg/g以下であるのが好ましく、15KOHmg/g以上55KOHmg/g以下であるのがより好ましく、20KOHmg/g以上50KOHmg/g以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述したようなlog(δG’’)/log(δf)の条件を満たす実体部形成用組成物1B’の調製が容易となり、実体部形成用組成物1B’の吐出性、吐出物の位置精度をより確実に向上させることができる。その結果、三次元造形物10の寸法精度をより向上させることができる。
実体部形成用組成物1B’中におけるバインダーの含有率は、5.0体積%以上であるのが好ましく、7.0体積%以上25体積%以下であるのがより好ましく、8.0体積%以上20体積%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、粒子同士を仮結合する機能がより効果的に発揮されるとともに、最終的に得られる三次元造形物10中に、バインダーやその分解物が不本意に残存することをより効果的に防止することができ、例えば、三次元造形物10中の炭素含有率が不本意に高くなってしまうことをより確実に防止することができる。また、前述したようなlog(δG’’)/log(δf)の条件を満たす実体部形成用組成物1B’の調製が容易となり、実体部形成用組成物1B’の吐出性、吐出物の位置精度をより確実に向上させることができる。その結果、三次元造形物10の寸法精度をより確実に向上させることができる。また、三次元造形物10の生産性をより向上させることができる。
また、バインダーとしては、ナノセルロースを用いてもよい。
なお、本明細書において、ナノセルロースとは、セルロースまたはセルロースの誘導体で構成され、その幅および厚さが100nm以下の繊維状物質のことを指し、いわゆる、セルロースナノファイバーやセルロースナノクリスタルを含む概念である。
(その他の成分)
また、実体部形成用組成物1B’は、前述した以外の成分を含んでいてもよい。このような成分としては、例えば、重合開始剤;分散剤;界面活性剤;増粘剤;凝集防止剤;消泡剤;スリップ剤(レベリング剤);染料;重合禁止剤;重合促進剤;浸透促進剤;湿潤剤(保湿剤);定着剤;防黴剤;防腐剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;キレート剤;pH調整剤等が挙げられる。
≪サポート部形成用組成物≫
次に、三次元造形物10の製造に用いる組成物としてのサポート部形成用組成物1A’について説明する。
サポート部形成用組成物1A’は、サポート部5の形成(第1のパターン1Aの形成)に用いることができれば、その構成成分等は特に限定されないが、複数個の粒子を含んでいるのが好ましく、さらに、25℃での粘度が2000mPa・s以上30000mPa・s以下であり、かつ、0.5≦log(δG’’)/log(δf)≦1.2の条件を満足しているのがより好ましい。
以下の説明では、サポート部形成用組成物1A’が本発明の組成物である場合、すなわち、複数個の粒子を含み、25℃での粘度が2000mPa・s以上30000mPa・s以下であり、かつ、0.5≦log(δG’’)/log(δf)≦1.2の条件を満足している場合について、中心的に説明する。
(粒子)
サポート部形成用組成物1A’が、複数個の粒子を含むことにより、形成すべきサポート部5(第1のパターン1A)が微細な形状を有する場合等であっても、サポート部5を高い寸法精度で、効率よく形成することができる。また、サポート部5を構成する複数個の粒子の隙間から、溶剤やバインダー(分解物を含む)を効率よく除去することができ、三次元造形物10の生産性をより向上させることができる。また、脱バインダー体70に不本意に溶剤、バインダー等が残存することをより効果的に防止することができ、最終的に得られる三次元造形物10の信頼性をより向上させることができる。
サポート部形成用組成物1A’中に含まれる粒子の構成材料としては、例えば、実体部形成用組成物1B’の構成材料として説明したのと同様の材料が挙げられる。これにより、前述したのと同様の効果が得られる。
ただし、サポート部形成用組成物1A’を構成する粒子は、実体部形成用組成物1B’を構成する粒子よりも高融点の材料で構成されているのが好ましい。
粒子の形状は、特に限定されず、球状、紡錘形状、針状、筒状、鱗片状等、いかなる形状であってもよく、また、不定形であってもよいが、球状であるのが好ましい。
粒子の最大粒径(Dmax)は、100μm以下であるのが好ましく、50μm以下であるのがより好ましい。
これにより、前述したようなlog(δG’’)/log(δf)の条件を満たすサポート部形成用組成物1A’の調製が容易となり、サポート部形成用組成物1A’の吐出性、吐出物の位置精度をより確実に向上させることができる。また、例えば、層1中に含まれる溶剤やバインダー等の除去等を効率よく除去することができ、不本意に粒子以外の構成材料が最終的な三次元造形物10中に残存することをより効果的に防止することができる。このようなことから、三次元造形物10の生産性をより向上させつつ、製造される三次元造形物10の寸法精度、信頼性をより向上させることができる。
粒子の平均粒径D(50)は、20μm以下であるのが好ましく、0.2μm以上15μm以下であるのがより好ましく、0.4μm以上10μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述したようなlog(δG’’)/log(δf)の条件を満たすサポート部形成用組成物1A’の調製が容易となり、サポート部形成用組成物1A’の吐出性、吐出物の位置精度をより確実に向上させることができ、製造される三次元造形物10の寸法精度、信頼性をより向上させることができる。
サポート部形成用組成物1A’中における粒子の含有率は、50体積%以下であるのが好ましく、25体積%以上48体積%以下であるのがより好ましく、30体積%以上45体積%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述したようなlog(δG’’)/log(δf)の条件を満たすサポート部形成用組成物1A’の調製が容易となり、サポート部形成用組成物1A’の吐出性、吐出物の位置精度をより確実に向上させることができる。その結果、三次元造形物10の寸法精度、信頼性をより確実に向上させることができる。また、長期間にわたって、サポート部形成用組成物1A’の吐出をより安定的に行うことができる。より具体的には、例えば、多数の液滴を吐出した場合であっても、吐出されたサポート部形成用組成物1A’中での粒子と溶剤との不本意な分離等を防止することができ、形成されたパターン中における不本意な組成のばらつきの発生をより効果的に防止することができる。
なお、粒子は、三次元造形物10の製造過程において、化学反応(例えば、酸化反応等)をする材料で構成されていてもよい。
また、サポート部形成用組成物1A’は、2種以上の粒子を含んでいてもよい。
(溶剤)
サポート部形成用組成物1A’は溶剤(分散媒)を含んでいてもよい。
サポート部形成用組成物1A’が溶剤を含むことにより、サポート部形成用組成物1A’中において粒子を好適に分散させることができ、ノズルM2によるサポート部形成用組成物1A’の吐出を安定的に行うことができる。
サポート部形成用組成物1A’中に含まれる溶剤としては、例えば、実体部形成用組成物1B’の構成材料として説明したのと同様のものが挙げられる。これにより、前述したのと同様の効果が得られる。
なお、サポート部形成用組成物1A’中に含まれる溶剤の組成は、実体部形成用組成物1B’中に含まれる溶剤の組成と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
サポート部形成用組成物1A’中における溶剤の含有量は、5質量%以上68質量%以下であるのが好ましく、8質量%以上60質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、前述したようなlog(δG’’)/log(δf)の条件を満たすサポート部形成用組成物1A’の調製が容易となり、サポート部形成用組成物1A’の吐出性、吐出物の位置精度をより確実に向上させることができる。その結果、三次元造形物10の寸法精度、信頼性をより確実に向上させることができる。また、溶剤除去工程に要する時間が必要以上に長くなることを効果的に防止することができ、三次元造形物10の生産性をさらに向上させることができる。また、生産コスト、省資源の観点等からも有利である。
(バインダー)
サポート部形成用組成物1A’がバインダーを含むことにより、例えば、サポート部形成用組成物1A’を用いて形成された第1のパターン1Aの不本意な変形をより効果的に防止することができ、三次元造形物10の寸法精度をさらに向上させることができる。
バインダーとしては、例えば、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂等の各種樹脂材料等を用いることができる。
硬化性樹脂を含む場合、サポート部形成用組成物1A’の吐出後であって接合工程よりも前のタイミングで、当該硬化性樹脂の硬化反応を行ってもよい。
これにより、サポート部形成用組成物1A’を用いて形成されたパターンの不本意な変形をさらに効果的に防止することができ、三次元造形物10の寸法精度をさらに向上させることができる。
硬化性樹脂の硬化反応を進行させる硬化処理は、例えば、加熱や紫外線等のエネルギー線の照射により行うことができる。
サポート部形成用組成物1A’が硬化性樹脂を含む場合、当該硬化性樹脂としては、例えば、実体部形成用組成物1B’の構成成分として説明したのと同様の材料を用いることができる。
なお、サポート部形成用組成物1A’中に含まれる硬化性樹脂と、実体部形成用組成物1B’中に含まれる硬化性樹脂とは、同一の条件(例えば、同一の組成等)であってもよいし、異なる条件であってもよい。
サポート部形成用組成物1A’中において、バインダーは、いかなる形態で含まれていてもよいが、液状(例えば、溶融状態、溶解状態等)をなすのが好ましい。すなわち、分散媒の構成成分として含まれているのが好ましい。
これにより、バインダーは、粒子を分散する分散媒として機能することができ、サポート部形成用組成物1A’の保存性をより向上させることができる。
バインダーの具体例を以下に示す。例えば、アクリル系樹脂としては、アクリル(メタクリル)樹脂、ウレタン変性アクリル樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂、アルキド変性アクリル樹脂等が挙げられる。ポリエステル系樹脂としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)などのポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂、グリコール変性ポリエステル、ウレタン変性共重合ポリエステル、エポキシ変性ポリエステル、シリコーン変性ポリエステル樹脂、等が挙げられる。エポキシ系樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、変性シリコンエポキシ樹脂、アクリル変性エポキシ樹脂、等が挙げられる。シリコーン系樹脂としては、シリコーン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂、エポキシ変性シリコーン樹脂等が挙げられる。また、PVA(ポリビニルアルコール)、PLA(ポリ乳酸)、PA(ポリアミド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等が挙げられる。
特に、サポート部形成用組成物1A’は、バインダーとして、アクリル系樹脂およびポリエステルを含んでいるのが好ましい。
これにより、前述したようなlog(δG’’)/log(δf)の条件を満たすサポート部形成用組成物1A’の調製が容易となり、サポート部形成用組成物1A’の吐出性、吐出物の位置精度をより確実に向上させることができる。その結果、三次元造形物10の寸法精度、信頼性をより確実に向上させることができる。また、これらのバインダーは、前述したような溶剤に対する溶解性に優れ、サポート部形成用組成物1A’の保存性をより向上させることができるとともに、サポート部形成用組成物1A’中における不本意な組成のばらつきの発生をより効果的に防止することができる。
サポート部形成用組成物1A’が、バインダーとして、アクリル系樹脂およびポリエステルを含んでいる場合、サポート部形成用組成物1A’中におけるポリエステルの含有率は、アクリル系樹脂100質量部に対して、10質量部以上1000質量部以下であるのが好ましく、20質量部以上500質量部以下であるのがより好ましく、25質量部以上400質量部以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述したようなlog(δG’’)/log(δf)の条件を満たすサポート部形成用組成物1A’の調製が容易となり、サポート部形成用組成物1A’の吐出性、吐出物の位置精度をより確実に向上させることができる。その結果、三次元造形物10の寸法精度、信頼性をより確実に向上させることができる。
サポート部形成用組成物1A’がバインダーとしてポリエステルを含んでいる場合、当該ポリエステルの水酸基価は、10KOHmg/g以上60KOHmg/g以下であるのが好ましく、15KOHmg/g以上50KOHmg/g以下であるのがより好ましく、20KOHmg/g以上40KOHmg/g以下であるのがさらに好ましい。
これにより、前述したようなlog(δG’’)/log(δf)の条件を満たすサポート部形成用組成物1A’の調製が容易となり、サポート部形成用組成物1A’の吐出性、吐出物の位置精度をより確実に向上させることができる。その結果、三次元造形物10の寸法精度をより向上させることができる。
サポート部形成用組成物1A’中におけるバインダーの含有率は、5.0体積%以上であるのが好ましく、7.0体積%以上25体積%以下であるのがより好ましく、8.0体積%以上20体積%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、粒子同士を仮結合する機能がより効果的に発揮されるとともに、最終的に得られる三次元造形物10中に、バインダーやその分解物が不本意に残存することをより効果的に防止することができ、例えば、三次元造形物10中の炭素含有率が不本意に高くなってしまうことをより確実に防止することができる。また、前述したようなlog(δG’’)/log(δf)の条件を満たすサポート部形成用組成物1A’の調製が容易となり、サポート部形成用組成物1A’の吐出性、吐出物の位置精度をより確実に向上させることができる。その結果、三次元造形物10の寸法精度をより確実に向上させることができる。また、三次元造形物10の生産性をより向上させることができる。
また、バインダーとしては、ナノセルロースを用いてもよい。
(その他の成分)
また、サポート部形成用組成物1A’は、前述した以外の成分を含んでいてもよい。このような成分としては、例えば、重合開始剤;分散剤;界面活性剤;増粘剤;凝集防止剤;消泡剤;スリップ剤(レベリング剤);染料;重合禁止剤;重合促進剤;浸透促進剤;湿潤剤(保湿剤);定着剤;防黴剤;防腐剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;キレート剤;pH調整剤等が挙げられる。
《組成物セット》
次に、本発明に係る組成物セットについて説明する。
本発明に係る組成物セットは、三次元造形物の製造に用いる複数種の組成物を備えており、前記組成物のうちの少なくとも1種として前述したような本発明の組成物(複数個の粒子を含み、25℃での粘度が2000mPa・s以上30000mPa・s以下であり、かつ、0.5≦log(δG’’)/log(δf)≦1.2の関係を満足する組成物)を備えている。
これにより、優れた生産性で寸法精度、信頼性に優れた三次元造形物を製造するのに用いることができる組成物セット(三次元造形物製造用組成物セット)を提供することができる。
組成物セットは、前述したような本発明の組成物を少なくとも1種備えていればよいが、2種以上の本発明の組成物を備えているのが好ましい。
これにより、三次元造形物の寸法精度、信頼性をより向上させることができる。
また、組成物セットは、三次元造形物10の実体部2の形成に用いる実体部形成用組成物1B’を少なくとも1種備えるとともに、サポート部5の形成に用いるサポート部形成用組成物1A’を少なくとも1種備えているのが好ましい。
これにより、三次元造形物10の寸法精度、信頼性をさらに向上させることができる。
《三次元造形物製造装置》
次に、三次元造形物製造装置について説明する。
図12は、三次元造形物製造装置の好適な実施形態を模式的に示す側面図である。
三次元造形物製造装置M100は、本発明の組成物を吐出するノズルM2を備え、ノズルM2より前記組成物を吐出して層1を形成し、層1を積み重ねて三次元造形物10を製造する。
より具体的には、三次元造形物製造装置M100は、層1の形成を繰り返し行うことにより、三次元造形物10を製造するのに用いられる装置であって、制御部(制御手段)M1と、三次元造形物10の実体部2となるべき部位を支持するサポート部5の形成に用いるサポート部形成用組成物1A’(組成物1’)を吐出するノズル(サポート部形成用組成物吐出ノズル、第1のノズル)M2Aと、三次元造形物10の実体部2の形成に用いる実体部形成用組成物1B’(組成物1’)を吐出するノズル(実体部形成用組成物吐出ノズル、第2のノズル)M2Bとを備えている。言い換えると、ノズルM2として、ノズルM2AとノズルM2Bとを備えている。そして、サポート部形成用組成物1A’および実体部形成用組成物1B’のうち少なくとも一方(好ましくは少なくとも実体部形成用組成物1B’、より好ましくはサポート部形成用組成物1A’および実体部形成用組成物1B’の双方)は、本発明の組成物(複数個の粒子を含み、25℃での粘度が2000mPa・s以上30000mPa・s以下であり、かつ、0.5≦log(δG’’)/log(δf)≦1.2の関係を満足する組成物)である。
これにより、前述したような本発明の製造方法を好適に実行することができ、優れた生産性で寸法精度、信頼性に優れた三次元造形物10を製造することができる。
制御部M1は、コンピューターM11と、駆動制御部M12とを有している。
コンピューターM11は、内部にCPUやメモリー等を備えて構成される一般的な卓上型コンピューター等である。コンピューターM11は、三次元造形物10の形状をモデルデータとしてデータ化し、それを平行な幾層もの薄い断面体にスライスして得られる断面データ(スライスデータ)を駆動制御部M12に対して出力する。
制御部M1が有する駆動制御部M12は、ノズルM2A、ノズルM2B、層形成部M4等をそれぞれに駆動する制御手段として機能する。具体的には、例えば、ノズルM2AおよびノズルM2Bの駆動(XY平面上での移動等)、ノズルM2Aによるサポート部形成用組成物1A’の吐出、ノズルM2Bによる実体部形成用組成物1B’の吐出、図12中Z方向に移動可能なステージ(昇降ステージ)M41の下降およびその下降量等を制御する。
ノズルM2AおよびノズルM2Bには、それぞれ、図示しない材料貯留部(材料供給部)からの配管が接続されている。この材料供給部には、前述した組成物1’が貯留されており、駆動制御部M12の制御により、ノズルM2AおよびノズルM2Bより吐出される。
ノズルM2A、ノズルM2Bは、ガイドM5に沿って、図12中のX方向およびY方向に各々独立して移動することができる。
層形成部M4は、サポート部形成用組成物1A’および実体部形成用組成物1B’が供給され、サポート部形成用組成物1A’および実体部形成用組成物1B’を用いて形成された層1を支持するステージ(昇降ステージ)M41と、昇降ステージM41を取り囲む枠体M45とを有している。
昇降ステージM41は、先に形成された層1の上に、新たな層1を形成する(積み重ねる)のに際して、駆動制御部M12からの指令により所定量だけ順次下降(Z軸マイナス方向へ移動)する。
ステージM41は、その上面(より詳しくは、サポート部形成用組成物1A’および実体部形成用組成物1B’が付与される部位)が平坦な平面(受液面)M410となっている。これにより、厚みの均一性の高い層1を容易かつ確実に形成することができる。
ステージM41は、高強度の材料で構成されているのが好ましい。ステージM41の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼等の各種金属材料等が挙げられる。
また、ステージM41の平面M410には、表面処理が施されていてもよい。これにより、例えば、サポート部形成用組成物1A’の構成材料や、実体部形成用組成物1B’の構成材料がステージM41に強固に付着してしまうことをより効果的に防止したり、ステージM41の耐久性を向上させ、三次元造形物10のより長期間にわたる安定的な生産を図ったりすることができる。ステージM41の平面M410の表面処理に用いられる材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等が挙げられる。
ノズルM2Aは、駆動制御部M12からの指令により移動し、サポート部形成用組成物1A’をステージM41上の所望の部位に所定のパターンで吐出するように構成されている。
ノズルM2Aとしては、例えば、インクジェットヘッドノズル、各種ディスペンサーノズル等が挙げられるが、ディスペンサーノズル(特に、ジェットディスペンサーノズル)であるのが好ましい。
これにより、吐出されるサポート部形成用組成物1A’が比較的高い場合であっても好適に吐出することができ、特に、前述した範囲の粘度のサポート部形成用組成物1A’を好適に吐出することができる。その結果、三次元造形物10の寸法精度をより向上させることができる。また、厚みが比較的大きい層1を容易に形成することができ、三次元造形物10の生産性を向上させることができる。特に、ジェットディスペンサーノズルを用いることにより、より高周波での吐出が可能となり、三次元造形物10の生産性をさらに向上させることができる。
ノズルM2Aの吐出部の大きさ(ノズル径)は、特に限定されないが、10μm以上100μm以下であるのが好ましい。
これにより、三次元造形物10の寸法精度をより向上させつつ、三次元造形物10の生産性をより向上させることができる。
ノズルM2Aは、サポート部形成用組成物1A’を液滴として吐出するものであるのが好ましい。これにより、微細なパターンでサポート部形成用組成物1A’を付与することができ、微細な構造を有する三次元造形物10であっても、特に高い寸法精度、特に高い生産性で製造することができる。
ノズルM2Bは、駆動制御部M12からの指令により移動し、実体部形成用組成物1B’をステージM41上の所望の部位に所定のパターンで吐出するように構成されている。
ノズルM2Bとしては、例えば、インクジェットヘッドノズル、各種ディスペンサーノズル等が挙げられるが、ディスペンサーノズル(特に、ジェットディスペンサーノズル)であるのが好ましい。
これにより、吐出される実体部形成用組成物1B’が比較的高い場合であっても好適に吐出することができ、特に、前述した範囲の粘度の実体部形成用組成物1B’を好適に吐出することができる。その結果、三次元造形物10の寸法精度をより向上させることができる。また、厚みが比較的大きい層1を容易に形成することができ、三次元造形物10の生産性を向上させることができる。特に、ジェットディスペンサーノズルを用いることにより、より高周波での吐出が可能となり、三次元造形物10の生産性をさらに向上させることができる。
ノズルM2Bの吐出部の大きさ(ノズル径)は、特に限定されないが、10μm以上100μm以下であるのが好ましい。
これにより、三次元造形物10の寸法精度をより向上させつつ、三次元造形物10の生産性をより向上させることができる。
ノズルM2Bは、実体部形成用組成物1B’を液滴として吐出するものであるのが好ましい。これにより、微細なパターンで実体部形成用組成物1B’を付与することができ、微細な構造を有する三次元造形物10であっても、特に高い寸法精度、特に高い生産性で製造することができる。
上記のような構成により、複数の層1を積層して、積層体50を得ることができる。
得られた積層体50に対して、脱バインダー処理、接合処理(焼結処理)を施すことにより、三次元造形物10を得ることができる。
本実施形態の三次元造形物製造装置M100は、脱バインダー処理を行う脱バインダー手段(図示せず)、接合処理(焼結処理)を行う接合手段(焼結手段)(図示せず)を備えていてもよい。
これにより、層1の形成等と、脱バインダー処理、接合処理とを同一の装置で行うことができ、三次元造形物10の生産性をより向上させることができる。
《三次元造形物》
本発明に係る三次元造形物は、前述したような本発明の三次元造形物の製造方法を用いて製造することができる。
これにより、優れた生産性で寸法精度、信頼性に優れた三次元造形物を製造することができる。
三次元造形物の用途は、特に限定されないが、例えば、人形、フィギュア等の鑑賞物・展示物;インプラント等の医療機器等が挙げられる。
また、三次元造形物は、プロトタイプ、量産品、オーダーメード品のいずれに適用されてもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されない。
例えば、前述した実施形態では、単一の層について、第1のパターン形成工程の後に第2のパターン形成工程を行うものとして説明したが、少なくとも1つの層の形成において、第1のパターン形成工程と第2のパターン形成工程の順番は逆であってもよい。また、異なる領域で複数種の組成物を同時に付与してもよい。
また、前述した実施形態では、単一の層について、第1のパターン形成工程および第2のパターン形成工程を行った後に溶剤除去工程を行う場合について代表的に説明したが、例えば、第1のパターン形成工程の後、および、第2のパターン形成工程の後のそれぞれについて、個別に、溶剤除去工程を行ってもよい。
また、前述した実施形態では、全ての層の形成に第1のパターンおよび第2のパターンを形成する場合について代表的に説明したが、積層体は、例えば、第1のパターンを有さない層や、第2のパターンを有さない層を備えていてもよい。また、ステージとの接触面(ステージの直上)に、実体部に対応する部位が形成されない層(例えば、サポート部のみで構成された層)を形成し、当該層を犠牲層として機能させてもよい。
また、本発明の三次元造形物の製造方法においては、工程・処理の順番は、前述したものに限定されず、その少なくとも一部を入れ替えて行ってもよい。例えば、前述した実施形態では、積層体を得た後に、脱バインダー工程、接合工程、サポート部除去工程をこの順に行う場合について代表的に説明したが、これらの順番を入れ替えて行ってもよい。より具体的には、脱バインダー工程、サポート部除去工程、接合工程の順で行ってもよいし、サポート部除去工程、脱バインダー工程、接合工程の順で行ってもよい。また、例えば、層形成工程と溶剤除去工程とを、同時進行的に行ってもよい。また、各層について、逐次接合処理を施してもよい。この場合、各層への接合処理は、例えば、レーザー光の照射により好適に行うことができる。
また、接合工程において、粒子の接合とともに、バインダーの除去を行ってもよく、このような場合、脱バインダー工程を省略することができる。
また、前述した実施形態では、接合工程において、実体部形成用組成物中に含まれる粒子の接合を行うとともに、サポート部形成用組成物中に含まれる粒子の接合を行う場合について中心的に説明したが、接合工程では、実体部形成用組成物中に含まれる粒子の接合を選択的に行い、サポート部形成用組成物中に含まれる粒子同士を接合させなくてもよい。このような選択的な接合は、各粒子の構成材料の融点と焼結工程での温度との関係を調整することにより、好適に行うことができる。
また、製造すべき三次元造形物の形状によっては、サポート部を形成しなくてもよい。
また、本発明の製造方法においては、必要に応じて、前処理工程、中間処理工程、後処理工程を行ってもよい。
前処理工程としては、例えば、ステージの清掃工程等が挙げられる。
後処理工程としては、例えば、洗浄工程、バリ取り等を行う形状調整工程、着色工程、被覆層形成工程、粒子の接合強度を向上させるための熱処理工程等が挙げられる。
また、前述した実施形態では、本発明の組成物を三次元造形物の製造に用いる場合について中心的に説明したが、本発明の組成物は、いかなる用途のものであってもよく、三次元造形物の製造に適用されるものに限定されない。
また、三次元造形物製造装置では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
また、前述した実施形態では、ステージの表面に直接層を形成する場合について代表的に説明したが、例えば、ステージ上に造形プレートを配置し、当該造形プレート上に層を積層して三次元造形物を製造してもよい。
また、本発明の三次元造形物の製造方法は、前述したような三次元造形物製造装置を用いて実行するものに限定されない。
以下に具体的な実施例をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。なお、以下の説明において、特に温度条件を示していない処理は、室温(25℃)において行った。また、各種測定条件についても特に温度条件を示していないものは、室温(25℃)における数値である。
(実施例1)
[1]三次元造形物製造用組成物の製造
平均粒径が3.0μm、Dmax:6.5μmのSUS316L粉末:100質量部と、溶剤としてのジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート:11.62質量部と、バインダーとしてのアクリル系樹脂:0.74質量部と、バインダーとしてのポリエステル(水酸基価:50KOHmg/g):2.86質量部とを混合することにより、三次元造形物製造用組成物(層形成用組成物)としての実体部形成用組成物を得た(表1参照)。レオメーター(Physica社製、MCR−300)を用いた測定を行い、実体部形成用組成物について、25℃でのせん断速度10s−1での粘度(回転粘度)を求めたところ、7760mPa・sであった。また、ピエゾアキシャルレオメーター(シスコム社製、PZ−Rheo NDS−1000)を用い、実体部形成用組成物に10Hz以上1000Hz以下の範囲内の周期的な応力を加えた際の当エゾアキシャルレオメーターの駆動周波数f[Hz]、ピエゾアキシャルレオメーターで測定される前記駆動周波数での損失弾性率G’’[Pa]から、log(δG’’)/log(δf)の値(S値)を求めたところ、10Hz以上1000Hz以下の駆動周波数範囲でのS値の最小値は0.62であり、最大値は0.62であった。
また、平均粒径が3.0μm、Dmax:6.5μmのアルミナ粉末:76.52質量部と、溶剤としてのジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート:17.85質量部と、バインダーとしてのアクリル系樹脂:1.17質量部と、バインダーとしてのポリエステル(水酸基価:50KOHmg/g):4.47質量部とを混合することにより、三次元造形物製造用組成物(層形成用組成物)としてのサポート部形成用組成物を得た(表2参照)。レオメーター(Physica社製、MCR−300)を用いた測定を行い、サポート部形成用組成物について、25℃でのせん断速度10s−1での粘度(回転粘度)を求めたところ、7760mPa・sであった。また、ピエゾアキシャルレオメーター(シスコム社製、PZ−Rheo NDS−1000)を用い、サポート部形成用組成物に10Hz以上1000Hz以下の範囲内の周期的な応力を加えた際のピエゾアキシャルレオメーターの駆動周波数f[Hz]、ピエゾアキシャルレオメーターで測定される前記駆動周波数での損失弾性率G’’[Pa]から、log(δG’’)/log(δf)の値(S値)を求めたところ、10Hz以上1000Hz以下の駆動周波数範囲でのS値の最小値は0.62であり、最大値は0.62であった。
これにより、実体部形成用組成物とサポート部形成用組成物とからなる組成物セットを得た。
[2]三次元造形物の製造
前記のようにして得られた三次元造形物製造用組成物を用いて、設計寸法が厚さ:4mm×幅:10mm×長さ:80mmの直方体形状である三次元造形物を、以下のようにして製造した。
まず、図12に示すような三次元造形物製造装置を用意し、1000Hzの駆動周波数でディスペンサー(ジェットディスペンサー)のサポート部形成用組成物吐出ノズルからステージ上に所定のパターンで、サポート部形成用組成物を複数の液滴として吐出して第1のパターン(サポート部用パターン)を形成した。この際のサポート部形成用組成物の温度は、25℃であった。
次に、1000Hzの駆動周波数でディスペンサー(ジェットディスペンサー)の実体部形成用組成物吐出ノズルから、ステージ上に所定のパターンで、実体部形成用組成物を複数の液滴として吐出して第2のパターン(実体部用パターン)を形成した。この際の実体部形成用組成物の温度は、25℃であった。
これにより、第1のパターンおよび第2のパターンからなる層が形成された。層の厚みは50μmであった。
その後、第1のパターンおよび第2のパターンからなる層に対して、180℃での加熱処理を施し、層中に含まれる溶剤を除去した(溶剤除去工程)。
その後、溶剤が除去された層上への新たな層形成工程(第1のパターン形成工程、第2のパターン形成工程)および溶剤除去工程を繰り返し行うことにより、製造すべき三次元造形物に対応する形状の積層体を得た。
次に、得られた積層体に対し、窒素ガス中で、400℃×5時間という条件での加熱による脱バインダー処理を施し、脱バインダー体を得た。
次に、脱バインダー体に対し、水素ガス中で、1320℃×2時間という条件での加熱による焼結処理(接合処理)を施した。
その後、サポート部を除去することにより、目的とする三次元造形物を得た。
(実施例2)
実体部形成用組成物、サポート部形成用組成物の組成を、それぞれ表1、表2に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして三次元造形物製造用組成物(組成物セット)、三次元造形物を製造した。
(実施例3)
三次元造形物製造用組成物(層形成用組成物)として、実体部形成用組成物のみを用い、サポート部形成用組成物を用いなかった(第1のパターン形成工程を省略した)以外は、前記実施例1と同様にして三次元造形物製造用組成物、三次元造形物を製造した。
(比較例1、2)
実体部形成用組成物、サポート部形成用組成物の組成を表1、表2に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして三次元造形物製造用組成物(組成物セット)、三次元造形物を製造した。
前記各実施例および各比較例の三次元造形物製造用組成物(組成物セット)の組成等を表1、表2にまとめて示す。なお、表中、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを「BCA」で示した。
また、前記各実施例および各比較例でのサポート部形成用組成物、実体部形成用組成物の液滴1滴あたりの体積は、いずれも100pL以上5000pL以下の範囲内の値であった。また、前記各実施例および各比較例では、溶剤除去工程後の層中における溶剤の含有率は、いずれも、0.5質量%以上20質量%以下の範囲内の値であった。
Figure 2018159110
Figure 2018159110
[3]評価
[3.1]三次元造形物製造用組成物の吐出安定性
[3.1.1]吐出液滴量の均一性
前記各実施例および各比較例の三次元造形物の製造に用いた三次元造形物製造装置を用意し、ディスペンサー(ジェットディスペンサー)の吐出ノズルをx軸方向に走査させつつ当該ディスペンサーの吐出ノズルから、各三次元造形物製造用組成物を、ガラス板上に、周波数1200Hzで1000滴の液滴として吐出した。951〜1000滴目の液滴について顕微鏡観察を行い、以下の基準に従い評価した。
A:最大の着弾径を有する液滴の大きさ(着弾径)が、着弾径の目標値に対して、100%以上120%未満である。
B:最大の着弾径を有する液滴の大きさ(着弾径)が、着弾径の目標値に対して、120%以上140%未満である。
C:最大の着弾径を有する液滴の大きさ(着弾径)が、着弾径の目標値に対して、140%以上160%未満である。
D:最大の着弾径を有する液滴の大きさ(着弾径)が、着弾径の目標値に対して、160%以上200%未満である。
E:最大の着弾径を有する液滴の大きさ(着弾径)が、着弾径の目標値に対して、200%以上である。
[3.1.2]着弾位置精度
前記各実施例および各比較例の三次元造形物の製造に用いた三次元造形物製造装置を用意し、ディスペンサー(ジェットディスペンサー)の吐出ノズルをx軸方向に走査させつつ当該ディスペンサーの吐出ノズルから、各三次元造形物製造用組成物を、周波数1200Hzで500滴の液滴として、それぞれ、ガラス板の目標位置(座標)に向けて吐出した。ガラス板上での液滴の着弾位置を観察し、液滴の着弾位置の目的座標からのずれ量の絶対値を各液滴について求め、以下の基準に従い評価した。
A:ずれ量(絶対値)の平均値が30μm未満である。
B:ずれ量(絶対値)の平均値が30μm以上50μm未満である。
C:ずれ量(絶対値)の平均値が50μm以上100μm未満である。
D:ずれ量(絶対値)の平均値が100μm以上150μm未満である。
E:ずれ量(絶対値)の平均値が150μm以上である。
[3.1.3]ノズル抜け
前記各実施例および各比較例の三次元造形物の製造に用いた三次元造形物製造装置を用意し、ディスペンサー(ジェットディスペンサー)の吐出ノズルをx軸方向に走査させつつ当該ディスペンサーの吐出ノズルから、各三次元造形物製造用組成物を、ガラス板上に、周波数1200Hzで1000滴の液滴として吐出した。ガラス板の液滴数を数えることにより、液滴が吐出されなかった「ノズル抜け」の割合を求め、以下の基準に従い評価した。
A:ノズル抜けを全く生じていない。
B:ノズル抜けの割合が0%超1.0%未満である。
C:ノズル抜けの割合が1.0%以上10.0%未満である。
D:ノズル抜けの割合が10.0%以上20.0%未満である。
E:ノズル抜けの割合が20.0%以上である。
[3.2]三次元造形物の寸法精度
前記各実施例および各比較例の三次元造形物について、厚さ、幅、長さを測定し、設計値からのずれ量を求め、以下の基準に従い評価した。
A:厚さ、幅、長さのうち、設計値からのずれ量が最も大きいものについての設計値からのずれ量が1.0%未満である。
B:厚さ、幅、長さのうち、設計値からのずれ量が最も大きいものについての設計値からのずれ量が1.0%以上2.0%未満である。
C:厚さ、幅、長さのうち、設計値からのずれ量が最も大きいものについての設計値からのずれ量が2.0%以上4.0%未満である。
D:厚さ、幅、長さのうち、設計値からのずれ量が最も大きいものについての設計値からのずれ量が4.0%以上7.0%未満である。
E:厚さ、幅、長さのうち、設計値からのずれ量が最も大きいものについての設計値からのずれ量が7.0%以上である。
これらの結果を表3にまとめて示す。
Figure 2018159110
表3から明らかなように、本発明では、組成物の吐出性に優れ、組成物の吐出物の位置精度にも優れていた。また、本発明では、寸法精度、信頼性の高い三次元造形物を効率よく製造することができた。これに対し、比較例では、満足のいく結果が得られなかった。また、前記各実施例および各比較例の三次元造形物について、目視により観察を行ったところ、前記各実施例では、顕著なダレの発生が認められなかったのに対し、各比較例では、顕著なダレが認められた。
10…三次元造形物、50…積層体、70…脱バインダー体、1…層、1’…組成物(三次元造形物製造用組成物、層形成用組成物)、1A’…サポート部形成用組成物、1B’…実体部形成用組成物、1A…第1のパターン(サポート部用パターン)、1B…第2のパターン(実体部用パターン)、2…接合部(実体部)、5…サポート部(支持部、サポート材)、M100…三次元造形物製造装置、M1…制御部(制御手段)、M11…コンピューター、M12…駆動制御部、M2…ノズル、M2A…ノズル(サポート部形成用組成物吐出ノズル、第1のノズル)、M2B…ノズル(実体部形成用組成物吐出ノズル、第2のノズル)、M4…層形成部、M41…ステージ(昇降ステージ)、M410…平面(受液面)、M45…枠体、M5…ガイド、E…熱エネルギー

Claims (10)

  1. ノズルから吐出して用いられる組成物であって、
    複数個の粒子を含み、
    25℃での粘度が2000mPa・s以上30000mPa・s以下であり、
    ピエゾアキシャルレオメーターを用いて組成物に10Hz以上1000Hz以下の範囲内の周期的な応力を加えた際の当該ピエゾアキシャルレオメーターの駆動周波数をf[Hz]、前記ピエゾアキシャルレオメーターで測定される前記駆動周波数での損失弾性率をG’’[Pa]としたとき、0.5≦log(δG’’)/log(δf)≦1.2の関係を満足することを特徴とする組成物。
  2. 組成物は、前記粒子に加え、前記粒子を分散させる溶剤と、前記溶剤が除去された状態で前記粒子同士を仮結合する機能を有するバインダーとを含んでいる請求項1に記載の組成物。
  3. 前記バインダーの含有率が5.0体積%以上である請求項2に記載の組成物。
  4. 前記バインダーとして、アクリル系樹脂およびポリエステルを含んでいる請求項2または3に記載の組成物。
  5. 前記粒子の含有率が50体積%以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記粒子の平均粒径D(50)が20μm以下である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の組成物をノズルから吐出して層を形成する層形成工程を含む一連の工程を繰り返し行うことを特徴とする三次元造形物の製造方法。
  8. 前記層形成工程は、第1のパターンを形成する第1のパターン形成工程と、第2のパターンを形成する第2のパターン形成工程とを有し、
    前記第1のパターン形成工程、前記第2のパターン形成工程のうちの少なくとも一方において、前記組成物を用いる請求項7に記載の三次元造形物の製造方法。
  9. 前記一連の工程を繰り返し行った後に、前記粒子同士を接合する接合処理を施す接合工程を有する請求項7または8に記載の三次元造形物の製造方法。
  10. 前記組成物を、ジェットディスペンサーにより吐出する請求項7ないし9のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
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