JP2017030773A - 二重容器 - Google Patents
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Description
この二重容器では、外容器を径方向の内側に向けて押圧すると、空気弁が閉じられて外部と、内容器と外容器との間と、の連通が遮断された状態で、吐出弁が開かれて吐出孔と容器本体内とが連通し、内容物が吐出孔から吐出される。内容物の吐出に伴い内容器が減容変形すると、内容器と外容器の間が負圧になることで、空気弁が開き、外気が外気導入孔を通して内容器と外容器との間に導入される。
本発明に係る二重容器は、内容物が収容されると共に該内容物の減少に伴い減容変形する内容器、及び該内容器が内装される外容器を備える容器本体と、前記容器本体の口部に装着され、かつ前記内容物の吐出孔が形成されたキャップ本体を有する吐出キャップと、を備え、前記吐出キャップは、前記吐出孔と前記容器本体内との連通、遮断を切り替える吐出弁を備える二重容器であって、前記外容器および前記キャップ本体のうちのいずれか一方には、外部と、前記内容器と前記外容器との間と、を連通する外気導入孔が形成されるとともに、前記外気導入孔を、前記一方の内側から開放自在に閉塞する空気弁が配設され、前記外容器の底部には、前記内容器を挟み込んで一体的に保持する保持リブが形成され、前記保持リブには、前記容器本体の胴部に形成された被係止部に着脱可能に係止されるとともに、前記吐出キャップまたは前記口部に係止可能な係止部材が連結されていることを特徴とする。
その後、例えば、外容器のスクイズ変形を停止または解除し、内容器の内圧が低下して吐出弁が復元すると、吐出孔と容器本体内との連通が遮断され、内容物の吐出が停止される。
なお、前述したスクイズ変形を解除すると、外容器は復元変形しようとする。このとき、吐出弁が吐出孔と容器本体内との連通を遮断して内容器が密封されていると、外容器と内容器との間に負圧が発生し、この負圧が空気弁に作用することで空気弁が作動する。これにより、外部と、内容器と外容器との間と、が外気導入孔を通して連通され、外気が外容器と内容器との間に吸入され、内容器と外容器との間に中間空間が形成される。中間空間の内圧が大気圧まで上昇すると、空気弁が復元して外部と中間空間との連通を遮断する。このように、外容器と内容器との間に外気が吸入されることにより、内容器の減容形状が保持される。
この状態から、再び容器本体の外容器をスクイズ変形させると、空気弁は遮断状態とされていることから中間空間の内圧が正圧となり、この正圧によって内容器が減容変形されて内容物が吐出される。
内容物を使い切った後に廃棄するに際しては、係止部材を被係止部から離脱させるとともに、中間空間内の空気を排気して外容器を減容変形させる。その後、容器本体の胴部を折り曲げて底部を口部に接近させ、係止部材を吐出キャップまたは口部に係止させる。これにより、容器本体を折り曲げた状態に保持して外容器を減容変形させた状態に維持することができる。
図1から図4に示すように、二重容器1は、図示しない内容物が収容されると共に内容物の減少に伴い減容変形(しぼみ変形)する可撓性に富む内容器(内層)2、及び内容器2が内装される外容器(外層)3を有する容器本体4と、容器本体4の口部4Aに離脱自在に装着された吐出キャップ5と、を備えている。
容器本体4は、ブロー成形により形成され、外容器3の内面に内容器2が剥離可能に積層された積層剥離型容器(デラミボトル)とされている。
ブロー成形としては、例えば押出成形等によって二重(内外)に組み合わされた積層パリソンを形成し、この積層パリソンをブロー成形することで容器本体4を形成しても良い(押出ブロー成形)。また、射出成形等によって外容器用のプリフォーム、及び内容器用のプリフォームを形成し、これらを二重(内外)に組み合わせた後、二軸延伸ブロー成形することで容器本体4を形成しても構わない。
なお、外容器用のプリフォームを先に二軸延伸ブロー成形して外容器3を形成した後、内容器用のプリフォームを内部に配置し、その後、内容器用のプリフォームを二軸延伸ブロー成形することで容器本体4を形成しても構わない。
なお、容器本体4を構成する外容器3はスクイズ変形可能とされ、この外容器3のスクイズ変形に伴って内容器2は減容変形する。よって、外容器3のうち少なくとも胴部4Cに位置する部分は、容器内側に向けて弾性変形可能とされている。
内容器2の口部2Aの上端部には、径方向の外側に突出する環状の折り返し部2aが形成され、この折り返し部2aを利用して外容器3の口部3Aの開口端を上方側から塞いでいる。そのため、外容器3の口部3Aは、内容器2によって閉塞されている。外容器3の口部3Aには、外容器3と内容器2との間に外気Fを導入させる吸気孔6が形成されている。
吐出キャップ5は、中栓部10、キャップ本体20及び蓋部30を備えている。
中栓部10は、容器本体4の口部4Aの上端開口部上に配置されたベース部11と、ベース部11を上下方向に貫通する収容筒部12と、収容筒部12内に収容された弁体部13と、を備えている。図示の例では、ベース部11及び収容筒部12は一体に形成されているが、別体に形成しても構わない。
収容筒部12は、内ベース部11bのうち流通孔15に隣接した部分から下方に突出するように形成されている。図示の例では、収容筒部12は、容器軸Oに対して径方向にずれていると共に、その一部は連結筒部11cと一体化している。
この弁体部13は、内容物を吐出するにあたって容器本体4を例えば傾倒又は上下反転させたときに規制突起16側に移動し、容器本体4を元の正立姿勢に戻したときに、自重又は内容器2の復元力によって生じる負圧によって縮径部12a側に移動する。これにより、ベース部11の上側に存在する残留内容物を収容筒部12の内部に引き込むことができ、いわゆるサックバック効果により液だれを回避することが可能とされている。
さらに、合成樹脂製の弁体部13とした場合には、金属製にした場合に比べて質量や内容物に対する比重を軽くすることができる。よって、例えば二重容器1を、吐出孔26を下方に向けた吐出姿勢にした状態で、容器本体4の外容器3に対する径方向内側に向けてのスクイズ変形を解除したときに、弁体部13を規制突起16から速やかに離反させて縮径部12aの内周面上に着座させ易くなる。従って、弁体部13を利用して、外気が収容筒部12内を通して内容器2内に進入することを抑制することができる。
なお、キャップ本体20は、容器本体4の口部4Aに対して螺着される場合に限定されるものではなく、例えばアンダーカット嵌合されていても構わない。
吐出筒部25は、垂下筒部24よりも小径とされ、容器軸Oに対して径方向にずれた位置に形成され、天壁部22を上下に貫くように形成されている。この吐出筒部25は、流通孔15を通して内容器2の内部に連通可能とされ、その内周面は下側から上側に向かうにしたがい漸次拡径している。また、吐出筒部25の上端部が内容物を吐出する吐出孔26とされている。
なお、外気導入孔23を通じて外部から流入した外気Fは、外容器3に形成された吸気孔6を通じて内容器2と外容器3との間に流入する。
また、吐出弁40と空気弁50とを一体に形成したが、これらを別部材としても構わない。
頂壁部32には、下方に向けて突出したシール筒部33が形成されている。このシール筒部33は、吐出筒部25内に上方から挿入されていると共に、下端部が吐出筒部25の内側に着脱自在に嵌合されている。これにより、シール筒部33は吐出孔26を通じた内容物の吐出を規制している。
なお、周壁部31には、容器軸Oを挟んでヒンジ部34とは反対側に位置する部分から径方向外側に突出するように操作突片35が形成されている。これにより、操作突片35を利用して、蓋部30の回動操作を容易に行うことが可能とされている。
図1から図6に示すように、容器本体4の底部4Dは、容器本体4の底部4Dの外周部に位置する接地部61と、接地部61に径方向の内側から連なり、上側に窪みボトル内側に底上げされた陥没凹部62と、を備えている。なお容器本体4の底部4Dでは、容器軸O方向の内側が上側となり、容器軸O方向の外側が下側となる。
保持リブ63は、外容器3の底部3Dに形成されていて、内容器2を挟み込んで一体的に保持している。保持リブ63は、底部の底面から下側に向けて突出する板状に形成されている。保持リブ63は、陥没凹部62内に配置され、保持リブ63のリブ高さは、保持リブ63が陥没凹部62に収まる程度とされている。
図3および図5から図7に示すように、容器本体4の胴部4Cには、被係止部66が形成されている。被係止部66は、胴部4Cのうち、配置凹部64に上方から隣接する部分に配置されている。
被係止部66は、係止凹部67と、係止突部68と、を備えている。係止凹部67は、容器本体4の胴部4Cの外周面から径方向の内側に向けて環状に窪んでいる。係止凹部67は、二重容器1を挟み込み方向D2(径方向)から見た正面視において、円環状(真円環状)に形成されている。
保持リブ63には、係止部材72が連結されている。係止部材72は、保持リブ63(外容器3)と同一材料で一体に形成されている。係止部材72は、被係止部66に着脱可能に係止されている。係止部材72は、係止環部73と、連結部74と、を備えている。係止環部73は、係止凹部67に収容されている。係止環部73は、吐出キャップ5よりも大径に形成され、吐出キャップ5および容器本体4の口部4Aが挿通可能であり、吐出キャップ5および口部4Aに係止可能に形成されている。
容器本体4は、前述したように押出ブロー成形(EBM)により形成することができる。押出ブロー成形では、図示しない金型内に配置されたパリソンを容器本体4に成形し、前記金型のピンチオフ部によって保持リブ63を挟み込み方向D2に挟み込むことにより、保持リブ63に内容器2を挟み込ませることができる。なお、ピンチオフ部によって保持リブ63を挟み込むときに、金型内で係止部材72も成形することができる。
このように構成された二重容器1を使用する場合について説明する。
内容物を吐出する場合には、まず図4に示す吐出キャップ5の蓋部30をヒンジ部34回りに回動させて吐出孔26を開放させた後、例えば容器本体4を傾倒又は上下反転させながら容器本体4の外容器3を容器内側にスクイズ変形(弾性変形)させる。これにより、内容器2が外容器3と共に容器内側に変形して減容するので、内容器2の内圧が上昇する。
その結果、外容器3が復元変形したとしても、内容器2を外容器3の内面から離間させて減容変形させたままの状態にしておくことができる。
なお、天壁部22に外気導入孔23を形成した場合であっても、外容器3に形成した吸気孔6を通して内容器2と外容器3との間に外気を適切に導入できるので、外容器3に直接外気導入孔23を形成した場合と同様の外気導入性能を確保することができる。
さらに、上記実施形態では、係止部材72の少なくとも一部が、弾性変形可能に形成されているが、本発明はこれに限られない。係止部材72が実質的に弾性変形不能であってもよい。
さらに、連結部74が一対の連結片76を備えているが、本発明はこれに限られない。例えば、連結部74が、一対の連結片76に代えて、係止環部73と保持リブ63とを連結する連結板を備えていてもよい。
2 内容器
3 外容器
4 容器本体
4A 口部
4D 底部
5 吐出キャップ
20 キャップ本体
23 外気導入孔
40 吐出弁
50 空気弁
61 接地部
62 陥没凹部
63 保持リブ
64 配置凹部
65 膨出部
66 被係止部
67 係止凹部
72 係止部材
73 係止環部
74 連結部
75 切り欠き部
76 連結片
78 薄肉部
O 容器軸
Claims (10)
- 内容物が収容されると共に該内容物の減少に伴い減容変形する内容器、及び該内容器が内装される外容器を備える容器本体と、
前記容器本体の口部に装着され、かつ前記内容物の吐出孔が形成されたキャップ本体を有する吐出キャップと、を備え、
前記吐出キャップは、前記吐出孔と前記容器本体内との連通、遮断を切り替える吐出弁を備える二重容器であって、
前記外容器および前記キャップ本体のうちのいずれか一方には、外部と、前記内容器と前記外容器との間と、を連通する外気導入孔が形成されるとともに、前記外気導入孔を、前記一方の内側から開放自在に閉塞する空気弁が配設され、
前記外容器の底部には、前記内容器を挟み込んで一体的に保持する保持リブが形成され、
前記保持リブには、前記容器本体の胴部に形成された被係止部に着脱可能に係止されるとともに、前記吐出キャップまたは前記口部に係止可能な係止部材が連結されていることを特徴とする二重容器。 - 前記係止部材は、前記吐出キャップまたは前記口部が挿通可能な係止環部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の二重容器。
- 前記被係止部は、前記係止環部が収容される環状の係止凹部を備えていることを特徴とする請求項2に記載の二重容器。
- 前記係止部材は、前記係止環部と前記保持リブとを連結する連結部を備えていることを特徴とする請求項2または3に記載の二重容器。
- 前記係止環部には、前記係止環部の周方向に沿う一部分を、前記係止環部の径方向に貫通する切り欠き部が設けられ、
前記連結部には、前記係止環部において前記切り欠き部を間に挟んで対向する両周端部から前記保持リブに向けて延び、前記保持リブに互いに独立して連結された一対の連結片が備えられていることを特徴とする請求項4に記載の二重容器。 - 前記連結部には、前記連結部における他の部分よりも薄肉に形成された薄肉部が設けられ、
前記薄肉部は、前記係止環部が前記被係止部に係止された状態で容器軸方向に屈曲させられることを特徴とする請求項4または5に記載の二重容器。 - 前記容器本体の底部には、この底部の外周部に位置する接地部と、前記接地部に径方向の内側から連なり、容器軸方向に沿って内側に窪む陥没凹部と、を備え、
前記接地部には、容器軸方向に沿って内側に窪み、前記接地部を径方向に横断する配置凹部が設けられ、
前記保持リブは、前記陥没凹部内に配置され、
前記連結部は、前記係止環部が前記被係止部に係止された状態で、前記保持リブから径方向の外側に向けて延び、前記陥没凹部および前記配置凹部を通して前記容器本体の底部における周縁部に至っていることを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の二重容器。 - 前記容器本体の底部には、容器軸方向の外側に膨出するとともに前記保持リブに連結された膨出部が形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の二重容器。
- 前記外気導入孔は、前記キャップ本体に形成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の二重容器。
- 前記係止部材の少なくとも一部は、弾性変形可能に形成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の二重容器。
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