JP2017030578A - 自動運転制御装置、自動運転制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自動運転状態時に運転者が運転操作を監視しているか否かを判定する。そして、運転者が運転操作を監視していると判定された場合には、運転操作に先立って、運転操作の内容を運転者に予告する。こうすれば、運転に伴う周囲の状況判断や運転操作を自動運転に委ねることに運転者が不安を感じている場合でも、運転者は自動運転がしようとしている運転操作の内容を予め認識することができる。その結果、自動運転に対する不安を軽減することができるので、自動運転状態で快適に移動することが可能となる。
【選択図】図2
Description
この自動運転車両では、手動運転時に運転者が行う状況把握(たとえば、周囲に存在する障害物や車両などの有無、信号機の状態、自車両の状態などの把握)をコンピューターが行い、更に、状況に応じたハンドル操作や、ブレーキ操作、アクセル操作などの運転操作もコンピューターが実行する。このため、自動運転車両が実現されれば、運転者は運転操作に伴う身体的な負担から解放されるだけでなく、車両の周囲を確認して状況判断する精神的な負担からも解放されるので、現状よりも快適に目的地まで移動することができるものと期待されている。
これは、自動運転車両では、運転操作や周囲の状況判断をコンピューターに委ねるので、一部の運転者はそのことに不安を感じてしまい、その結果、車両の動きを絶えず監視することになって、精神的な負担がほとんど軽減されない事態が起こり得るためである。
こうすれば、運転に伴う周囲の状況判断や運転操作を自動運転に委ねることに運転者が不安を感じている場合でも、運転者は自動運転がしようとしている運転操作の内容を予め認識することができる。その結果、自動運転に対する不安を軽減することができるので、自動運転状態で快適に移動することが可能となる。
A.装置構成 :
図1には、本実施例の自動運転制御装置100を搭載した自動運転車両1の大まかな構成が示されている。図示されるように自動運転車両1には、ステアリングハンドル2や、ステアリングシャフト3、アクセルペダル4、ブレーキペダル5などが搭載されている。ステアリングシャフト3にはステアリングハンドル2を操舵するハンドル駆動部2mが装着されており、また、アクセルペダル4には、アクセルペダル4を駆動するアクセル駆動部4mが、更に、ブレーキペダル5には、ブレーキペダル5を駆動するブレーキ駆動部5mが装着されている。
自動運転制御装置100は、現在位置検出部9や地図情報記憶部10からの情報に基づいて自車両の走行位置や、目的地までの走行経路を検出する。そして、車載カメラ6から取得した前方画像を解析して周囲の状況を把握しながら、ハンドル駆動部2mや、アクセル駆動部4m、ブレーキ駆動部5mを駆動することによって、自動運転を実施する。
そこで、本実施例の自動運転車両1では、図1に示されるように、運転者が座る運転席8に、ヘッドレスト8hを駆動するヘッドレスト駆動部8m,8tが搭載されている。そして、自動運転制御装置100が、ハンドル駆動部2mや、アクセル駆動部4m、ブレーキ駆動部5mを駆動して運転操作を行うに先立って、ヘッドレスト駆動部8m,8tを駆動してヘッドレスト8hを動かすことによって運転操作の内容を予告する。こうすれば、自動運転制御装置100がしようとしている運転操作の内容を認識することができるので、自動運転制御装置100の運転操作を信じ切ることができない運転者に対しても安心感を与えることができる。その結果、運転者の不安を軽減することができるので、自動運転状態を快適に感じながら目的地まで移動することが可能となる。
尚、これらの「部」は、自動運転制御装置100が、自動運転状態での運転操作を運転者に予告するために備える機能に着目して、自動運転制御装置100の内部を便宜的に分類した抽象的な概念である。従って、自動運転制御装置100がこれらの「部」に物理的に区分されることを表すものではない。これらの「部」は、CPUで実行されるコンピュータープログラムとして実現することもできるし、LSIやメモリーを含む電子回路として実現することもできるし、更には、これらを組合せることによって実現することもできる。
前方画像取得部104は、車載カメラ6が所定の撮影周期で撮影した前方画像を取得して、自動運転操作部101に出力する。自動運転操作部101は、前方画像取得部104から受け取った前方画像を解析することによって、自動運転車両1の周囲の状況を把握する。そして、現在位置検出部9から受け取った自車両の現在位置や、地図情報、周囲の状況に基づいて、ハンドル駆動部2mや、アクセル駆動部4m、ブレーキ駆動部5mなどを駆動することによって、自動運転状態を実現する。
方向検出部103は、運転席カメラ7で撮影した顔画像を顔画像取得部102から受け取って、顔画像を解析することによって、運転者が見ている方向を検出する。ここで、運転者が見ている方向としては、種々の方法を用いることができるが、本実施例の方向検出部103は、顔の向きを検出する方法と、視線の方向を検出するという2つの方法で、運転者が見ている方向を検出する。
運転監視判定部106は、自動運転状態の場合に、自動運転操作部101による運転操作の内容を運転者が監視しているか否かを判定する。判定の詳細な方法については後述するが、方向検出部103から取得した運転者が見ている方向に関する情報や、信号機検出部105から取得した信号機の位置の情報や、自動運転操作部101から取得した運転操作に関する情報などを用いて判定する。
運転操作予告部107は、自動運転状態の時に運転者が運転動作を監視していると判定されると、自動運転操作部101が運転操作を実行するに先立って、運転操作の内容を自動運転操作部101から取得する。そして、運転席8に搭載されたヘッドレスト駆動部8m,8tを駆動してヘッドレスト8hを動かすことによって、運転操作の内容を運転者に予告する。
これらの「部」を備える本実施例の自動運転制御装置100は、以下のような処理を実行することによって、自動運転状態での運転操作の内容を運転者に予告する。このため、自動運転制御装置100に運転を委ねることに不安を感じる運転者でも、自動運転状態を快適に感じながら目的地まで移動することが可能となる。
図3および図4には、本実施例の自動運転制御装置100が実行する自動運転制御処理のフローチャートが示されている。図示されるように、自動運転制御処理を開始すると、先ず始めに、現在の運転状態が自動運転状態か否かを判断する(S100)。自動運転状態は、自動運転制御装置100が運転操作を行うことによって実現されているので、自動運転制御装置100は、現在の運転状態が自動運転状態か否かを容易に判断することができる。
その結果、現在の運転状態が自動運転状態ではないと判断した場合は(S100:no)、以降の処理は不要となるので、運転を終了するか否かを判断する(図4のS111)。そして、運転を終了しない場合は(S111:no)、再び処理の先頭に戻って、現在の運転状態が自動運転状態か否かを判断する(図3のS100)。
このような操作を繰り返しているうちに、運転者が運転を終了したら、図4のS111で「yes」と判断して、自動運転制御処理を終了する。
これに対して、運転者の設定によって運転状態が自動運転状態に切り換わったら、図3のS100で「yes」と判断する。
続いて、車載カメラ6で撮影した前方画像を取得して、画像を解析することによって、走行中の車線の位置や、障害物の有無、歩行者の有無など含めた自車両の周囲の状況を把握する(S102)。
そして、自車両の現在位置や、地図情報や、周囲の状況などの情報に基づいて、運転操作の内容を決定する(S103)。ここで運転操作の内容とは、自車両の停止や発進、加速や減速、更には、右操舵や左操舵などを実現するための、ハンドル駆動部2mや、アクセル駆動部4m、ブレーキ駆動部5mなどの駆動量である。
従って、自動運転状態中に運転操作の内容を運転者が監視しているか否かが分かれば、その運転者が自動運転を信用しているか否かを知ることができる。そして、自動運転を信用していない運転者に対しては、運転操作の内容を予告してやることによって、運転者を安心させることが可能と考えられる。その一方で、自動運転を信用している運転者にとっては、運転操作の内容は不要な情報であるため、運転操作の度にそれを予告されても煩わしく感じる虞がある。
そこで、本実施例の自動運転制御処理では、自動運転状態で運転操作の内容を決定したら(S103)、自動運転制御装置100が実行する運転操作を運転者が監視しているか否かを判定する。運転操作を運転者が監視しているか否かを判定する方法については、後ほど詳しく説明する。また、得られた判定結果は、自動運転制御装置100の図示しない内蔵メモリーに記憶しておく。
その結果、運転者が運転操作を監視していると判断した場合は(S104:yes)、先にS103で決定した運転操作に内容に応じて、予告態様および予告動作量を決定する(S105)。
例えば、運転操作の内容が発進あるいは加速である場合には、図5(a)中に白抜きの矢印で示したように、ヘッドレスト8hを後方に移動させる予告態様が、運転操作に対応付けて設定されている。このうちの発進に対しては、ヘッドレスト8hを小さく急に移動させる予告態様が設定されており、加速に対しては、ヘッドレスト8hを比較的大きな移動量でゆっくりと移動させる予告態様が設定されている。更に、加速の場合のヘッドレスト8hの移動量は、これから自動運転車両1が行おうとしている加速の度合い(すなわち加速度)が大きくなるほど、移動量も大きくなる。
尚、自動運転車両1の発進や、停止、加速、減速に対しては、ヘッドレスト8hの移動量が予告動作量となる。また、ヘッドレスト8hを前後方向に移動させる動きは、運転席8に搭載されたヘッドレスト駆動部8mを駆動することによって実現することができる。
逆に、左操舵に対しては、図5(b)中に黒抜きの矢印で示したように、ヘッドレスト8hを反時計回りに回転させるような予告態様が設定されている。また、ヘッドレスト8hの回転量は、これから自動運転車両1が行おうとしている左操舵の操舵量が大きくなるほど、回転量も大きくなる。
尚、自動運転車両1の右操舵や左操舵に対しては、ヘッドレスト8hの回転量が予告動作量となる。また、ヘッドレスト8hを時計方向または反時計方向に回転させる動きは、ヘッドレスト8hに搭載されたヘッドレスト駆動部8tを駆動することによって実現することができる。
図3に示したS105では、以上のようにして、ヘッドレスト8hを用いた予告態様および予告動作量を決定する。
図6に示したように、運転席8の背もたれ部8bが座部8aに取り付けられる部分には、背もたれ部8bの後傾角度を検出する角度センサー8sが搭載されている。従って、自動運転制御装置100は、角度センサー8sの出力に基づいて、背もたれ部8bの後傾角度を検出することができる。
一方、図6(b)には、後傾角度が45度に設定された運転席8に運転者が座った状態が示されている。図示されるように、後傾角度が45度では、運転者は楽な姿勢で運転席8に座ることができる。また、このときの運転者は、図中に破線の矢印で示したように、上方に向かい、前方の状況を確認することは困難な状態となる。
一方、図6(b)に示したように、前方が見えない楽な姿勢で座っている運転者は、前方の状況を把握しようとしているとは考えにくいから、このような運転者は、自動運転を信用していると考えて良い。
また逆に、後傾角度が大きくなる程、自動運転に対する信用度が大きくなり、特に、図6(b)に示したように後傾角度が45度より大きくなると、自動運転を完全に信用していると考えて良い。そして、このような運転者に対しては、運転操作の内容を予告する必要はない。むしろ、予告することによって運転者が煩わしく感じる虞もあるので、予告しない方が良いと考えられる。
そこで、本実施例の自動運転制御装置100では、背もたれ部8bの後傾角度に応じて動作補正係数を設定しておき、動作補正係数を用いて予告動作量を補正する。
すなわち、例えば後傾角度が40度に設定されていた場合、運転者は完全ではないにせよ、かなりの程度まで自動運転を信用していると考えられ、そのような運転者に対しては、運転操作の内容を予告する必要性は小さいと考えられる。そこで、運転者が予告を煩わしく感じることを避けるためには、予告動作量が小さくなるように補正することが望ましい。
しかし、背もたれ部8bが後傾しているために、運転者の頭部がヘッドレスト8hにしっかりと当接して、ヘッドレスト8hの動きが運転者に伝わり易くなっていたのでは、予告動作量を小さくしても、その効果が十分には得られない虞がある。そこで、本実施例の自動運転制御装置100では、後傾角度が35度以上の角度範囲では、35度未満の角度範囲よりも、後傾角度の増加に対する動作補正係数の減少量を大きくしている。
続いて、S105で決定しておいた予告動作量に動作補正係数を乗算することによって、予告動作量を補正する(S108)。
例えば、自動運転車両1が減速しようとしている場合は、ヘッドレスト8hを前方に移動させ、加速しようとしている場合は、ヘッドレスト8hを後方に移動させる(図5(a)参照)。あるいは自動運転車両1が右または左操舵しようとしている場合は、ヘッドレスト8hを時計方向または反時計方向に回転させる(図5(b)参照)。このため運転者は、自動運転車両1が行おうとしている運転操作の内容を、ヘッドレスト8hの動きによって予め認識することができる。
また、自動運転状態では、運転者はステアリングハンドル2から手を離しているので、運転者は自然とヘッドレスト8hに頭部を預けた姿勢となる。従って、ヘッドレスト8hを移動させることで、運転操作の内容を確実に運転者に認識させることができる。それでいながら、ヘッドレスト8hの移動による予告は、運転者に取っては、あたかも軽いマッサージを受けているような感じで、音や画像を用いて予告する場合のように運転者に負担を掛ける虞もない。
これに対して、運転者が運転操作を監視していない場合は(S104:no)、運転操作の内容を運転者に対して予告する必要は無い。そこで、運転操作を予告するための一連の処理(すなわち、S105からS109)は省略して、直ちに運転操作を実施する(S110)。
図8には、本実施例の自動運転制御装置100が実行する監視判定処理のフローチャートが示されている。この処理は、上述した自動運転制御処理の中で運転状態が自動運転状態であると判断された場合に、自動運転制御装置100によって実行される処理である。
続いて、顔画像を解析することによって、運転者の顔の向きを検出する(S202)。運転者の顔の向きは、種々の方法で検出することができる。例えば、顔画像の中から目や鼻の位置を検出して、顔の中でのそれらの位置に基づいて顔の向きを検出する。仮に、顔が真正面を向いているのであれば、鼻が検出される位置は顔の中央となり、鼻から同じような距離で両側に目が検出される。これに対して、顔が左側を向くに従って、顔画像では鼻および目の位置が右側にずれていき、ある程度傾くと、運転者の左側の目(すなわち、顔画像上では右側に写った目)が検出されなくなる。従って、顔画像中で目や鼻が検出された位置に基づいて、顔の向きを検出することができる。
その結果、操舵角度の方向が直進方向ではなかった場合は(S205:no)、今度は、運転者が操舵角度の方向を見ているか否かを判断する(S206)。この判断には、S202で取得した運転者の顔の向きと、S203で取得した視線の向きとを利用する。すなわち、運転者の顔の向き、あるいは視線の向きの少なくとも一方が、操舵角度の方向を向いていた場合には、運転者が操舵角度の方向を見ていると判断する(S206:yes)。
ここで、運転者の顔の向きあるいは視線の向きが、「正面方向」、「右斜め方向」、「右方向」、「左斜め方向」、「左方向」のように大ざっぱな方向で得られている場合には、操舵角度の方向が大ざっぱな方向に該当するか否かを判断する。これに対して、顔の向きあるいは視線の向きが角度で得られている場合には、顔や視線の向きを示す角度と操舵角度との偏差を求めて、偏差が所定角度以内であれば、顔あるいは視線の向きが操舵角度の方向を向いていると判断する。
このように、前方画像中で自車両に対して表示する信号機が検出された場合には、S208では「yes」と判断されて、続いて、S203で検出した運転者の視線の向きが、信号機の方向を向いているか否かを判断する(S209)。図9に示した例では、運転者の視線が、領域Aまたは領域Bの何れかを向いているか否かを判断する。
これに対して、運転者の視線の向きが信号機の方向を向いていない場合は(S209:no)、運転者は操作方向も信号機の方向も見ていないことになる。そこで、運転操作は監視していないと判断して、その旨を自動運転制御装置100の内蔵メモリーに記憶する(S211)。
また、前方画像中で自車両に対して表示する信号機が写っていなかった場合も(S208:no)、運転者は運転操作を監視していないと判断して、その旨を自動運転制御装置100の内蔵メモリーに記憶する(S211)。
しかし、運転者が一定時間に亘って操舵角度の方向を見ている場合、あるいは一定時間の中で操舵角度の方向を見ている時間の比率が所定比率以上であった場合に、運転者が運転操作を監視していると判断してもよい。
こうすれば、運転者が顔の向きあるいは視線の向きを動かしているときに顔画像を撮影して、その顔画像に写った顔の向きあるいは視線の向きが、たまたま操舵角度の方向を向いていたために、運転者が運転操作を監視しているとご判断することを回避することができる。
あるいは、この度の判断結果を含めて過去の3回分の判断結果が何れも、運転操作を監視している旨の判断結果であった場合には、運転操作を監視している旨を最終的な判断結果とし、そうではなかった場合には、運転操作を監視していない旨を最終的な判断結果としてもよい。
このようにしても、運転者が顔の向きあるいは視線の向きを動かしているときに顔画像を撮影して、その顔画像に写った顔の向きあるいは視線の向きが、たまたま操舵角度の方向を向いていたために、運転者が運転操作を監視しているとご判断することを回避することができる。
上述した本実施例には、種々の変形例が存在する。以下では、これらの変形例について、本実施例との相違点を中心として簡単に説明する。
(1)第1変形例 :
上述した本実施例では、背もたれ部8bに内蔵されたヘッドレスト駆動部8mによって、ヘッドレスト8hを傾けるようにして前後に移動させ、ヘッドレスト8hに内蔵されたヘッドレスト駆動部8tによってヘッドレスト8hを回転させるものとして説明した。
これに対して、伸縮可能な2つのヘッドレスト駆動部8c,8eをヘッドレスト8hの内部に搭載することによって、ヘッドレスト8hの運転者が頭部を載せる側の表面(以下、頭部載置面)を移動させても良い。
そして、ヘッドレスト駆動部8cを伸張させて、ヘッドレスト駆動部8eを収縮させると、ヘッドレスト8hの頭部載置面の右側(図面上では向かって左側)が隆起するように変形する。逆に、ヘッドレスト駆動部8cを収縮させて、ヘッドレスト駆動部8eを伸張させると、ヘッドレスト8hの頭部載置面の左側(図面上では向かって右側)が隆起するように変形する。
更に、ヘッドレスト駆動部8cおよびヘッドレスト駆動部8eのどちらも伸張させると、ヘッドレスト8hの頭部載置面が前方に移動し、ヘッドレスト駆動部8cおよびヘッドレスト駆動部8eのどちらも収縮させると、ヘッドレスト8hの頭部載置面が後方に移動する。
上述した本実施例および第1変形例では、ヘッドレスト8hの動きによって、運転操作の内容を運転者に予告するものとして説明した。しかし、ヘッドレスト8hに限らず、運転席8の一部を駆動することによっても、運転操作の内容を予告することができる。
例えば、発進前や加速前には、図11中に白塗りの矢印で示したように、背もたれ部8bを後方に倒すように移動させ、停止前や減速前には、黒塗りの矢印で示したように、背もたれ部8bを前方に倒すように移動させる。
あるいは、図12に示したように、運転席8の座部8aに、運転席8全体を移動させる駆動部8gを設けておき、自動運転制御装置100の制御によって駆動部8gを駆動しても良い。
例えば、発進前や加速前には、図12中に白塗りの矢印で示したように、運転席8全体を後方に移動させ、停止前や減速前には、黒塗りの矢印で示したように、運転席8を前方に移動させる。
例えば、左操舵前には、右側のサポート部8Rおよび左側のサポート部8Lが図中の黒塗りの矢印で示した方向に傾くように、それぞれ駆動部8Rd,8Ldを駆動する。
また、右操舵前には、右側のサポート部8Rおよび左側のサポート部8Lが図中の白塗りの矢印で示した方向に傾くように、それぞれ駆動部8Rd,8Ldを駆動する。
また、運転操作の内容を予告すべき運転者は、自動運転状態でも車両の進行方向前方を見ているから、ステアリングハンドル2が視界に入っていると考えられる。
そこで、図14に示したように、ステアリングハンドル2の中にハンドル移動部2dを設けておき、自動運転制御装置100の制御によってハンドル移動部2dを駆動することによって、ステアリングハンドル2の位置を移動させることとしても良い。
例えば、発進前や加速前には、図14(a)中に黒塗りの矢印で示したように、ステアリングハンドル2を上方に移動させ、停止前や減速前には、白塗りの矢印で示したように、ステアリングハンドル2を下方に移動させる。
また、左操舵前には、図14(b)中に黒塗りの矢印で示したように、ステアリングハンドル2を左方向に移動させ、右操舵前には、白抜きの矢印で示したように、ステアリングハンドル2を右方向に移動させる。
このようにすれば、ステアリングハンドル2の動きによって、運転操作の内容を運転者に予告することが可能となる。
6…車載カメラ、 7…運転席カメラ、 8…運転席、
8b…背もたれ部、 8c,8e,8m,8t…ヘッドレスト駆動部、
8h…ヘッドレスト、 8s…角度センサー、 9…現在位置検出部、
10…地図情報記憶部、 100…自動運転制御装置、 101…自動運転操作部、
102…顔画像取得部、 103…方向検出部、 104…前方画像取得部、
105…信号機検出部、 106…運転監視判定部、 107…運転操作予告部。
Claims (12)
- 運転者によって運転操作が行われる手動運転状態と、該運転者によらずに運転操作が行われる自動運転状態とに切換可能な自動運転車両(1)に搭載されて、前記自動運転車両を制御する自動運転制御装置(100)であって、
前記自動運転状態時に前記自動運転車両に対して前記運転操作を行う自動運転操作部(101)と、
前記自動運転状態での前記運転操作を前記運転者が監視しているか否かを判定する運転監視判定部(106)と、
前記運転者が前記運転操作を監視していると判定された場合には、前記自動運転操作部による前記運転操作に先立って、該運転操作の内容を前記運転者に予告する運転操作予告部(107)と
を備える自動運転制御装置。 - 請求項1に記載の自動運転制御装置であって、
前記運転者の顔画像を取得する顔画像取得部(102)と、
前記運転者が見ている方向を前記顔画像に基づいて検出する方向検出部(103)と
を備え、
前記運転監視判定部は、前記運転者が前記自動運転車両の進行方向を見ている場合に、前記運転操作を監視していると判定する
ことを特徴とする自動運転制御装置。 - 請求項2に記載の自動運転制御装置であって、
前記運転監視判定部は、前記自動運転操作部から前記自動運転車両の操舵方向を取得して、前記運転者が前記自動運転車両の操舵方向を見ている場合に、前記運転操作を監視していると判定する
ことを特徴とする自動運転制御装置。 - 請求項2または請求項3に記載の自動運転制御装置であって、
前記方向検出部は、前記顔画像から前記運転者の視線の方向を検出することによって、前記運転者が見ている方向を検出する
ことを特徴とする自動運転制御装置。 - 請求項2ないし請求項4の何れか一項に記載の自動運転制御装置であって、
前記自動運転車両から進行方向前方を撮影した前方画像を取得する前方画像取得部(104)と、
前記前方画像の中から自車両に対して表示する信号機を検出する信号機検出部(105)と
を備え、
前記運転監視判定部は、前記運転者が前記信号機の方向を見ている場合に、前記運転操作を監視していると判定する
ことを特徴とする自動運転制御装置。 - 請求項1ないし請求項5の何れか一項に記載の自動運転制御装置であって、
運転席の少なくとも一部を移動させる運転席駆動部(8m、8t、8c、8e、8d、8g、8Rd、Ld)を備え、
前記運転操作予告部は、前記運転席駆動部を駆動することによって、前記運転操作の内容を前記運転者に予告する
ことを特徴とする自動運転制御装置。 - 請求項6に記載の自動運転制御装置であって、
前記運転席駆動部は、前記運転席のヘッドレストを移動させる
ことを特徴とする自動運転制御装置。 - 請求項6または請求項7に記載の自動運転制御装置であって、
前記運転席の背もたれ部の後傾角度を検出する後傾角度検出部(8s)を備え、
前記運転操作予告部は、前記後傾角度に応じた駆動量で前記運転席駆動部を駆動する
ことを特徴とする自動運転制御装置。 - 請求項1ないし請求項7の何れか一項に記載の自動運転制御装置であって、
前記運転者が操舵するハンドルの位置を移動させるハンドル移動部(2d)を備え、
前記運転操作予告部は、前記ハンドル移動部を駆動することによって、前記運転操作の内容を前記運転者に予告する
ことを特徴とする自動運転制御装置。 - 請求項9に記載の自動運転制御装置であって、
前記運転席の背もたれ部の後傾角度を検出する後傾角度検出部(8s)を備え、
前記運転操作予告部は、前記後傾角度に応じた移動量で前記ハンドル駆動部を駆動する
ことを特徴とする自動運転制御装置。 - 請求項8または請求項10に記載の自動運転制御装置であって、
前記運転監視判定部は、前記後傾角度が所定の閾値角度より大きかった場合は、前記運転操作を前記運転者が監視していないと判定する
ことを特徴とする自動運転制御装置。 - 運転者によって運転操作が行われる手動運転状態と、該運転者によらずに運転操作が行われる自動運転状態とに切換可能な自動運転車両に適用されて、前記自動運転車両を制御する自動運転制御方法であって、
前記自動運転状態時に前記自動運転車両に対する前記運転操作の内容を決定する工程(S103)と、
前記自動運転状態時に前記運転者が前記運転操作を監視しているか否かを判定する工程(S200)と、
前記運転者が前記運転操作を監視していると判定された場合には、前記運転操作に先立って、該運転操作の内容を前記運転者に予告する工程(S109)と、
前記運転操作を実施する工程(S110)と
を備える自動運転制御方法。
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