JP2017028986A - 電力データ管理システム、需要家集合体及び電力融通街区 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、電力系統に接続された複数の需要家の電力の売買における電力データを管理するサーバを備える電力データ管理システムであり、複数の需要家の内、少なくとも2以上の需要家に発電設備または需要設備のいずれか、あるいは発電設備と需要設備とが設置され、複数の需要家の少なくとも2以上の需要家が、電力系統から受電した順潮流電力のデータと、電力系統へ送電した逆潮流電力のデータとの各々のデータに基づき、需要家の各々が負担すべき料金を求めるための料金データを算定する。
【選択図】図2
Description
例えば、深夜時間帯は安価な乗率(単価[円/kWh])で、日中は高価な乗率の設定の料金プランの場合、このように時間帯別に乗率が異なると、例えば、図1のB需要家が、A需要家が発電した電力を高価な乗率で購入し、一旦蓄電設備に貯めた後に、C需要家へ安価な乗率で販売することとなった場合、B需要家は、一時的に余分な電気を預かっただけにも関わらず、経済的損失を被ることとなる。
更に、購入電力に対する料金の精算と、余剰電力の買取料金の精算は別々の価格が設定され、別々になされている。購入電力の精算は、その全額を電力会社が需要家から徴収し、買取料金の精算は、その全額が電力会社から需要家に支払われる。それぞれの料金算定の際の乗率も異なる。
このように、電力融通街区を成立させるためには、その料金制度の在り方を併せて考える必要がある。
小売電気事業者は、発電事業者から電力を調達し、複数の需要家に販売する。複数の需要家全体の電力消費は日中に多く、夜間に少ないため、30分単位の時間帯別にその電力消費に相当する量の電力を発電事業者から調達する。しかし、小売電気事業者は一日を通して一定の発電量で発電機を運転する方が設備効率は良いため、小売電気事業者は昼夜の電力調達量に差が少ない場合に、安価な値で電力を調達することができる。そこで小売電気事業者は、需要家のうち、蓄電設備を設置している需要家に夜間に商用電力を蓄電してもらい、日中に蓄電した電力を使用してもらうことで負荷平準化を果たしたいというニーズがある。蓄電設備の容量が大きい方が負荷平準化に貢献できることになるので、小売電気事業者は蓄電設備の容量に応じた対価を、電気料金から割引く。
需要家施設10は、蓄電設備11、太陽光発電設備12、分電盤13、負荷14、買電用電力計Mp、売電用電力計Mqを含んで構成される。ここで、買電用電力計Mp及び売電用電力計Mqを、買電用電力の測定機能と売電用電力の測定機能との各々の機能を有する電力計(計量手段)に置き換えても良い。
蓄電設備11は、充電のために入力される電力を蓄積し、また、蓄積した電力を放電して出力する。蓄電設備11の構成に限定はなく、蓄電池であったり、リチウムイオンキャパシタであったり、フライホイールなどであっても良い。
太陽光発電設備12は、再生可能エネルギーである太陽光を利用する発電装置の1つであり、光起電力効果により光エネルギーを電力に変換することにより発電を行う。太陽光発電設備12は、例えば需要家施設10の屋根などのように、太陽光が他の建物に遮蔽されにくい場所に設置されている。これにより、太陽光発電設備12は、発電素子が配置されている面に対し、太陽光が遮蔽されずに照射され、この照射された太陽光を効率的に電力に変換する。
分電盤13は、需要家施設10において、電力経路を分岐し、外部から供給される商用電力を負荷14に供給するように、電力系統と負荷14とを電気的に接続する。
また、分電盤13は、需要家施設10において、電力経路を分岐し、太陽光発電設備12により発生された電力を負荷14に供給するように、太陽光発電設備12と負荷14とを電気的に接続する。
また、分電盤13は、需要家施設10において、電力経路を分岐し、電力系統と太陽光発電設備12の一方または両方から供給される電力を蓄電設備11に充電するように、電力系統と太陽光発電設備12との一方または両方と蓄電設備11とを電気的に接続する。
また、分電盤13は、需要家施設10において、電力経路を分岐し、蓄電設備11から放電により出力させた電力を、負荷14に供給するように、蓄電設備11と負荷14とを電気的に接続する。
さらに、分電盤13は、需要家施設10において、電力経路を分岐し、太陽光発電設備12により発生された電力を、例えば商用電力の電力系統を経由して、他の需要家施設10における蓄電設備11に対して供給するように、太陽光発電設備12と他の需要家施設10における蓄電設備11とを電気的に接続する。
また、分電盤13は、需要家施設10において、電力経路を分岐し、蓄電設備11の放電により出力される電力を、他の需要家施設10における負荷14に供給するように、蓄電設備11と他の需要家施設10における負荷14とを電気的に接続する。
買電用電力計Mpは、購入した商用電力の量を計量する。
売電用電力計Mqは、太陽光発電設備12により発生された電力(太陽光発電電力)のうち、宅内の負荷14の電力消費を補った上で余剰分として発生する余剰電力の量を計量する。
課金システム20は、演算部21、検針値受信部22、メモリ23を含んで構成される。
また、演算部21は、電気料金算出部211、割引額算出部212、請求額算出部213を含んで構成される。
需要家施設10における買電用電力計Mpでの計量値(検針値P)と、売電用電力計Mqでの計量値(検針値Q)とは、送配電事業者により検針され、その確定値が月ごとにインターネット回線を介して小売電気事業者の課金システム20にデータ送信される。検針値受信部22は、検針値Pと、検針値Qとを受信し、電気料金算出部211に出力する。
小売電気事業者は自らが電気を供給する複数の需要家の検針データを受信し、課金システム20の電気料金算出部211において、予め決められた計算方法に従い電気料金を算出する。電気料金算出部211が算出する電気料金は、需要家が購入した電力の買電料金と、売電した売電料金に大別される。
家庭用の蓄電設備11には、非常時即ち停電時に備え、確保しておく電力量を設定できるものがある。常時は設定された電力量を残して放電され蓄電した電力が使われる。非常時には設定された電力量も使われる。これにより、需要家は、いざ停電した際、最低でも設定しておいた「非常時電力量」を使用することができる。
なお、需要家による設定値変更の際には、小売電気事業者に連絡をするか、或いは小売電気事業者によるパスワード入力など立会いの下でしか、「非常時電力量」を変更できない仕組みが蓄電設備11に備わっていることが望ましい。
「蓄電可能量」をメモリ23へ記憶させるに当たり、オペレータが手入力で課金システム20を入力することが上述のように考えられるが、この手法には限定されない。
なぜなら、「蓄電可能量」は、蓄電設備11の型式によるメーカーの定格値(カタログ値)でも良いし、充放電効率を勘案し差し引いて設定しても良い。また、将来、経年劣化によって容量が減ってきた場合を勘案し、ある一定期間、例えば10年間に劣化すると考えられる容量の平均をとって「蓄電可能量」とすることなどが考えられる。
このように、「蓄電可能量」は製品の型式で決まるため、課金システム20内に、製品の型式と「蓄電可能量」とを紐付けるテーブルを設け、型式番号を入力することで型式番号を「蓄電可能量」に置き換えて割引額を算出することが考えられる。
請求額算出部213は、電気料金算出部211が算出した買電料金、売電料金と、割引額算出部212が算出した割引額と、に基づく請求費用を算出する。
課金システム20の演算部21では、前述の買電料金や売電料金を電気料金算出部211が計算するほか、需要家の蓄電設備11の設置の対価としての割引額を割引額算出部212が計算する。
割引額算出部212が実行する計算過程として、まず、蓄電可能量10kWhから非常時電力量4kWhを減算し、常時蓄電可能量6kWhを算出する。次に、割引額算出部212は、予め設定した割引額テーブル(図3)に従って、割引額を決定する。図3に示す割引額テーブルによれば、常時蓄電可能量6kWhの場合、割引額は1,000[円/月]と算定される。
請求額算出部213は、前述の買電料金からこの割引額を差引き、燃料調整費等の全需要家に負担の義務がある費用を加算して、需要家に請求する。請求書には蓄電設備11の設置による割引額が分かるよう明示するのが望ましい。
また、需要家施設10に蓄電池11が設けられている場合、小売電気事業者は、課金システム20により、各需要家施設10_nが備える蓄電池11の放電及び充電を制御することにより、この制御による放電電力量及び受電電力量を用いて、需要家施設10_n毎の発電電力量及び需要電力量それぞれの調整行なう。
なお、需要家集合体500には、構成する需要家施設群の中に、買電用電力計Mp及び売電用電力計Mqが設けられていない需要家施設が含まれていても良いが、少なくとも2つ以上の需要家施設が、買電用電力計Mp及び売電用電力計Mqが設けられた需要家施設10_nである必要がある。
電気料金算出部21aは、検針値受信部22を介して得た検針値P及び検針値Qの各々の差分を算出する。そして、電気料金算出部22aは、求めた検針値の差分に対して、所定の係数を乗じることにより、各需要家施設10_nの各々が使用した電力に応じて支払う支払額を算出する。
ここで、電気料金算出部22aは、需要家集合体500の需要家施設10_nの各々の買電用電力計Mpの検量値である検針値Pと売電用電力計Mqの検量値である検針値Qとの差分を求め、需要家集合体500における全ての需要家施設10_nの差分の総和を求め、需要家集合体500全体の買電電力(あるいは売電電力)を算定する構成としても良い。
電力管理部26は、送受信部25を介して得た需要家施設10_nの各々の発電量、蓄電電力量及び消費電力量それぞれに基づき、需要家集合体500における融通できる電力量を増加させるように、各需要家施設10_nにおける発電量、蓄電電力量及び消費電力量を制御し、需要家集合体500全体の発電量、蓄電電力量及び消費電力量の調整、または需要家施設10_n間における電力の融通を行なう。
すなわち、電気料金算出部21aは、買電用電力計Mpの検量値である検針値Pと売電用電力計Mqの検量値である検針値Qとにより差分が求められる所定の期間において、上記見なし供給電力量を、逆潮流電力の単価(例えば、太陽光発電設備12より発電された電力や夜間電力などの順潮流電力の単価が安い時間帯に蓄電池11に充電された電力の単価を用いる)と、見なし供給電力を供給する際における順潮流電力の単価との差分を元に求める。
この結果、小売電気事業者は、需要家集合体500における発電量、蓄電電力量及び消費電力の各々を制御することにより、需要家集合体500全体においてこの需要家集合体500の外部の発電事業者から調達する電力量を低減させることができ、発電事業者から電力を調達して複数の需要家に販売する電力量を減らす自立が促進されて、需要家施設10_nの各々の需要家から、それぞれ徴収する電力量の料金を安価に設定することができる。
また、すでに述べたように、上述した各需要家の支払う電力料の料金を求めるためのデータは、順潮流電力のデータと逆潮流電力のデータの両方からなるデータ、または順潮流電力のデータと逆潮流電力のデータの差分のデータであっても良い。
すなわち、上記料金徴収代行業者は、銀行、信用金庫などの金融機関、あるいはクレジットカード会社などの公共料金を含む各種料金の徴収を行なう事業者である。これらの料金徴収代行業者は、図19(a)の電気料金算出部21aにおける料金データから電気料金を算出する機能を有する課金処理サーバ600を備え、小売電気事業者に代わり、電力量に応じて各需要家が支払うべき料金の算出を行ない、算出した料金を各需要家から徴収する処理を行なう。そして、料金データ算出部21bが、上述した需要家が支払うべき電力料の料金を求めるための料金データを算出し、算出した料金データを、料金を徴収する機関である料金徴収代行業者の有する課金処理サーバ600に、インターネットを含むネットワークを介して送信する。ここで、料金データは、電力系統から受電した順潮流電力のデータ(買電用電力計Mpの検量値である検針値P)と、前記電力系統へ送電した逆潮流電力のデータ(売電用電力計Mqの検量値である検針値Q)との各々のデータに基づいて、料金データ算出部21bにおいて算出される。そして、小売電気事業者ではなくこの料金徴収代行業者において、上記課金処理サーバ600が、需要家毎の支払うべき電力料金を、電力料の料金を求めるための料金データに基づいて算出し、需要家各々からそれぞれの電力の料金を徴収する構成としても良い。
小売電気事業者は、発電事業者から電力を調達し、複数の需要家に販売する。この調達電力量を減らすことができれば、調達額を減らし、それにより需要家から徴収する電気代を安価に設定することが可能となる。調達電力量を削減する手法として、例えば特開2014−30334に示されたような蓄電設備内部のインバータロスを低減させる技術があり、また、特許第5576218号に示された、地域内需要家群の自然エネルギーによる電力自給率を高める技術などの応用が考えられる。これらはいずれも需要家施設に設置された蓄電設備を外部から制御することで、蓄電設備の損失低減、電力自給率の向上を実現するものである。小売電気事業者が調達電力量を抑えるために、需要家が設置した蓄電設備を外部から制御するニーズはここにある。
この他にも、小売電気事業者や発電事業者によるインバランス調整、送配電事業者による送配電網の負担軽減を目的とした需要家の蓄電設備の活用なども考えられる。
このように、小売電気事業者等が需要家の蓄電池を自らの目的のために制御する場合、需要家への対価の支払いが望まれる。蓄電設備の容量が大きい方が小売電気事業者等の目的に貢献できる割合が大きいので、小売電気事業者は蓄電設備の容量に応じた対価を、電気料金から割引く形で支払う。
蓄電可能量は、厳密には経年劣化により減少する。蓄電設備のメーカー補償は、例えば、「10年後に蓄電容量50%以上維持」である。蓄電設備をエネルギーマネジメントに使用する場合、どのくらいの容量が使えるかが、蓄電設備の制御計画を立てる上で重要な情報となる。リアルタイムに蓄電池の状態を把握し、現在時点の蓄電池容量を推定する機能の研究・開発がなされており、このような技術を取り込むことで、蓄電可能量を随時更新することができる。蓄電池容量を推定方法で実用化されている方法は、年に一度のメンテナンス運転で、蓄電設備の蓄電電力を全て放電させ、満充電になるまで充電し、その充電電力をもとに推定するものである。
蓄電設備には、需要家が設定した非常時電力量と、推定された蓄電可能量(蓄電可能推定量)を、メモリに記憶する記憶部が設けられている。また、メモリに記憶された非常時電力量と蓄電可能量を外部へ送信する送信部を有する。
需要家施設10は、蓄電設備11a、太陽光発電設備12、分電盤13、負荷14、買電用電力計Mp、売電用電力計Mq、HEMS(Home Energy Management System)15、モデム16を含んで構成される。
HEMS15は、蓄電設備11aのコントローラー機能と、小売電気事業者が保有する外部の電力管理システム30との連携機能を有している。
蓄電設備11aとHEMS15間の通信手段は、例えばMAC層・物理層をIEEE802.11b/g/n、IEEE802.15.4などで行い、通信プロトコルにはECHONET Liteなどが考えられる。
蓄電設備11aとHEMS15間の通信により、蓄電設備11aからHEMS15に非常時電力量と蓄電可能量のデータが送信され、また、HEMS15から蓄電設備11aに蓄電設備11aへの制御指令が送信される。制御指令は、予め取り決められた蓄電設備11aの動作モード、例えば、「定電力充電」、「定電力放電」、「負荷追従放電」、「待機」などが挙げられ、いずれかの制御指令を受信した蓄電設備11aは、取り決められた所定の動作を行う。
モデム16は、公衆インターネット回線を介して、蓄電設備11aと電力管理システム30との間の通信を行うための送受信部である。
なお、蓄電設備11aは、非常時電力量を保存する第1の記憶部101、蓄電可能量(または蓄電可能推定量)を保存する第2の記憶部102、或いは蓄電可能量から非常時電力量を減算した常時蓄電可能量を保存する記憶部100(いずれの記憶部も図4においては不図示である)を有している。
課金システム20aは、演算部21、検針値受信部22、受信部24を含んで構成される。メモリ23を含まず、受信部24を含む点が、第1の実施形態における課金システム20との相違点である。すなわち、図5は、課金システム20にオペレータが入力するのではなく、蓄電設備11aに常時蓄電可能量等の情報が記憶されていて、通信により自動で課金システム20aに情報が電力管理システム30を介して送られる形態について示している。
また、演算部21は、課金システム20と同様に、電気料金算出部211、割引額算出部212、請求額算出部213を含んで構成される。
需要家施設10におけるHEMS15と電力管理システム30との間の通信は、モデム16および公衆インターネット回線を介して行われる。HEMS15からユーザーID、蓄電設備11aの非常時電力量と蓄電可能量とを含むデータが送信され、電力管理システム30における送受信部33がこれを受信する。
電力管理システム30では、複数の需要家のHEMS15から送受信部33により受信したデータを情報収集部31が演算し、複数の需要家が保有する各々の蓄電設備11aの動作を蓄電池制御決定部32が決定し、制御指令として送受信部33がHEMS15に送信する。また、電力管理システム30は、課金システム20aに非常時電力量と蓄電可能量のデータを送信部34が送信し、課金システム20aの受信部24がこれを受信する。
つまり、課金システム20aは、蓄電設備11aから、HEMS15、電力管理システム30を介し、間接的に非常時電力量と蓄電可能量のデータを受信することとなる。なお、課金システム20aが、電力管理システム30を介さないで、蓄電設備11aから、HEMS15、モデム16、インターネット回線を介して、直接的に非常時電力量と蓄電可能量のデータを受信部24により受信することも可能である。
割引額は、例えば下記式(1)で算出される。
D=85.5×R+800…(1)
ここで、Dは割引額[円]を表す。
また、Rは、割引額算出部212が、常時蓄電可能量[kWh]=蓄電可能量−非常時電力量の式に基づいて算出する。ただし、Rが、2.5kWh未満の場合はD=0円とする。また、Dの上限値は、1,600円とする。また、Dの算出値は、小数点以下を切り捨てて算出される。
例えば、蓄電可能量が6.08kWhで非常時電力量が3.5kWhであった場合、式(1)によれば、割引額Dは1,020円となる。非常時電力量は、需要家が任意の時点で任意の設定が可能なことから、毎日一度データ取得し、日割り計算にて割引額を算出することも考えられる。
図6は、第1の実施形態における課金システム20の構成例を示す図である。また、図7は、図6に示す課金システム20の動作例を示すフローチャートである。
課金システム20は、演算部21、メモリ23(第1の記憶部231と第2の記憶部232)を含んで構成される。
オペレータは、ユーザーの契約情報のうち、蓄電可能量を課金システム20へ入力する(ステップST1)。
第2の記憶部232は、入力された蓄電可能量を保存する(ステップST2)。
オペレータは、ユーザーの契約情報のうち、非常時電力量を課金システム20へ入力する(ステップST3)。
第1の記憶部231は、入力された非常時電力量を保存する(ステップST4)。
演算部21は、蓄電可能量に従って割引額を演算する(ステップST5)。
演算部21における割引額算出部212は、蓄電可能量から非常時電力量を減算し、常時蓄電可能量を算出する。
演算部21は、割引額を算出する(ステップST6)。
演算部21における割引額算出部212は、予め設定した割引額テーブルを参照し、常時蓄電可能量に対応する割引額を算出する。
課金システム20は、演算部21、メモリ23を含んで構成される。
上記図6と相違する点は、メモリ23には、ユーザーの契約情報のうち、非常時電力量がユーザーにより入力される点である。上述したように、蓄電可能量は、製品の型式で決まるため、課金システム20は、製品の型式と蓄電可能量とを紐付けるテーブルを有している。課金システム20は、型式番号をテーブルへ入力することで蓄電可能量を入手し、割引額を算出する。なお、型式番号は、例えば、ユーザーの契約情報の中に含まれ、予め課金システム20に入力されておく構成とすればよい。これにより、型式番号をテーブルへ入力することで、型式番号を「蓄電可能量」に置き換えることができる。
オペレータは、ユーザーの契約情報のうち、非常時電力量を課金システム20へ入力する(ステップST11)。
メモリ23は、入力された非常時電力量を保存する(ステップST12)。
演算部21は、蓄電可能量に従って割引額を演算する(ステップST13)。
演算部21における割引額算出部212は、蓄電可能量から非常時電力量を減算し、常時蓄電可能量を算出する。
演算部21は、割引額を算出する(ステップST14)。
演算部21における割引額算出部212は、予め設定した割引額テーブルを参照し、常時蓄電可能量に対応する割引額を算出する。
蓄電設備11aは、非常時電力量を保存する第1の記憶部101、蓄電可能量を保存する第2の記憶部102、送信部160(モデム16およびHEMS15)を含んで構成される。
課金システム20aは、演算部21、受信部24を含んで構成される。
本構成は、課金システム20aが、電力管理システム30を介さないで、蓄電設備11aから、HEMS15、モデム16、インターネット回線を介して、直接的に非常時電力量と蓄電可能量のデータを受信部24により受信する構成である。もちろん、課金システム20aが、課金システム20aと蓄電設備11aとの間の電力管理システム30を介して、間接的に非常時電力量と蓄電可能量のデータを受信部24により受信する構成であってもよい。
蓄電設備11aにおいて、第2の記憶部102は、蓄電可能量を保存する(ステップST21)。
蓄電設備11aにおいて、第1の記憶部101は、非常時電力量を保存する(ステップST22)。
蓄電設備11aにおいて、送信部160は、蓄電可能量と非常時電力量とを、課金システム20aに対して送信する(ステップST23)。
課金システム20aにおいて、受信部24は、蓄電可能量と非常時電力量とを、蓄電設備11aから受信する(ステップST24)。
課金システム20aにおいて、演算部21は、蓄電可能量と非常時電力量とに従って割引額を演算する(ステップST25)。
演算部21における割引額算出部212は、蓄電可能量から非常時電力量を減算し、常時蓄電可能量を算出する。
課金システム20aにおいて、演算部21は、割引額を算出する(ステップST26)。
演算部21における割引額算出部212は、式(1)に基づいて割引額を算出する。
なお、蓄電可能量は蓄電設備11aの第2の記憶部102に記憶されるとなっているが、蓄電可能量は蓄電設備11aの型式で決まるため、予め課金システム20aに入力しておき、蓄電設備11aとの通信では、非常時電力量のみを受信すればよい、というケースも考えられる。
蓄電設備11aは、蓄電可能量から非常時電力量を減算した常時蓄電可能量を保存する記憶部100、送信部160(モデム16およびHEMS15)を含んで構成される。
課金システム20aは、演算部21、受信部24を含んで構成される。
本構成は、課金システム20aが、蓄電設備11aから、直接的または間接的に常時蓄電可能量のデータを受信部24により受信する構成である。
蓄電設備11aにおいて、第2の記憶部は、出願時において記憶済の蓄電可能量を保存する(ステップST31)。
蓄電設備11aにおいて、第1の記憶部は、需要家設定により記憶済の非常時電力量を保存する(ステップST32)。
蓄電設備11aにおいて、HEMS15は、蓄電可能量から非常時電力量を減算し、常時蓄電可能量を算出する(ステップST33)。
蓄電設備11aにおいて、記憶部100は、常時蓄電可能量を保存する(ステップST34)。
蓄電設備11aにおいて、送信部160は、常時蓄電可能量を、課金システム20aに対して送信する(ステップST35)。
課金システム20aにおいて、受信部24は、常時蓄電可能量を、蓄電設備11aから受信する(ステップST36)。
課金システム20aにおいて、演算部21は、常時蓄電可能量に従って割引額を演算する(ステップST37)。
課金システム20aにおいて、演算部21は、割引額を算出する(ステップST38)。
演算部21における割引額算出部212は、式(1)に基づいて割引額を算出する。
また、本発明の課金システム20は、蓄電設備11が設置された需要家の電気料金の割引額を計算する課金システムであって、蓄電設備11の常時に利用可能な常時蓄電可能量を記憶する記憶部(メモリ23)と、常時蓄電可能量に応じて電気料金の割引額を計算する演算部21を有する。
また、本発明の課金システム20aは、常時に利用可能な常時蓄電可能量を記憶する記憶部100と、通信手段により常時蓄電可能量を外部へ送信する送信部160と、を有する蓄電設備11aが設置された需要家の電気料金の割引額を計算する課金システム20aである。課金システム20aは、蓄電設備11aが送信した常時蓄電可能量を直接的又は間接的に受信する受信部24と、受信部24で受信した常時蓄電可能量に応じて電気料金の割引額を計算する演算部21と、を有する。
これにより、本発明によれば、継続可能な、蓄電池を活用した電力需給の仕組みを実現することができる課金システムおよび課金システムの制御方法を提供することができる。
図20は、第2の実施形態の他の例である費用演算システムの構成例としての電力融通街区を示す図である。電力融通街区400は、図17と同様に、例えば70戸の需要家10から構成されており、各需要家10の個々において電力消費量や、太陽光発電設備12の発電容量、蓄電設備11の蓄電容量がそれぞれ異なる。図20においては、図17の構成と異なり、一般送配電事業者の高圧系統(系統電力線210)と、電力融通街区400の電力系統線200との間に、順潮流電力メーターMptと順潮流電力メーターMqtとの各々が設けられている。
しかしながら、電力融通街区400においては、各需要家10を結ぶ配電系統が商用系統あるいは自営線である場合を含み、発電設備である太陽光発電設備12による発電、蓄電設備である蓄電池10からの充放電により、各需要家10間における電力の融通が行われている。この場合、一の需要家10の蓄電池11に対して、他の需要家10の太陽光発電設備12により発電した発電電力を一時的に充電して蓄電し、夜間において、一の需要家10及び他の需要家以外の需要家の需要のために、他の需要家の蓄電池11から放電する場合がある。
このため、順潮流電力メーターMptと逆潮流電力メーターMqtとを電力融通街区400と系統電力線210との間に設け、費用演算処理サーバ352は、上述した順潮流電力メーターMpt及び逆潮流電力メーターMqtの各々が計量した計量値を用いて、電力融通街区400全体に対して供給され順潮流の電力量に対応して、配送電事業者530へ支払う託送費、卸電気事業者520へ支払う電力量の対価である調達料金、費用負担調整機関540に納付する再生可能エネルギー促進賦課金の算定を行う。
また、上述した需要家が支払うべき電力料の料金を求めるためのデータを、料金を徴収する料金徴収代行業者に送信し、小売電気事業者ではなくこの料金徴収代行業者が電力料金を課金処理サーバ600(図19(b))により算出し、需要家各々からそれぞれの電力の料金を徴収する構成としても良い。
また、順潮流電力メーターMptと逆潮流電力メーターMqtと各々が計量した計量値を用いて、電力融通街区400全体に対して供給され順潮流の電力量に対応して、配送電事業者530へ支払う託送費、卸電気事業者520へ支払う電力量の対価である調達料金、費用負担調整機関540に納付する再生可能エネルギー促進賦課金の算定を、料金徴収代行業者が備える課金処理サーバ600により行う構成としても良い。
図を用いて第3の実施形態による課金システムの構成を説明する。図14は、第3の実施形態による課金システムが管理する電力融通街区の構成例を示す図である。本第3の実施形態において、第1の実施形態及び第2の実施形態の各々と同様な構成については同一の符号を付す。また、本第3の実施形態において、第1の実施形態及び第2の実施形態の各々の構成を有しても良い。すなわち、課金サーバ(後述)が算出した電気料金から、第1の実施形態及び第2の実施形態における構成を用いて割引を行っても良い。
電力融通街区400は、住宅である需要家10の複数戸と、商業施設であるショッピンセンター250とから形成されている。需要家10は、図1の構成と同様に蓄電設備11、太陽光発電設備12、分電盤13、負荷14、買電用電力計(以下、順潮流電力メーター)Mp及び売電用電力計(以下、順潮流電力メーター)Mqの各々が備えられている。
順潮流電力メーターMp及び順潮流電力メーターMqの各々は、電力系統線200から需要家10に供給される順潮流電力と電力系統線200に対して需要家10から供給する逆潮流電力とを測定する。
また、ショッピンセンター250には、順潮流電力メーター101のみが設置されている。また、ショッピンセンター250には、逆潮流を発生させるような発電設備を備えておらず、電力消費量が15000kWh/月であり、高圧で電力の供給を受けている。電力系統線200は一般送配電事業者(後述する送配電事業者530)が所有している配電線である。
図15は、電力融通街区における電力の販売構造を示す図である。電力融通街区400においては、小売電気事業者(小売事業者)510が個々の需要家10及びショッピングセンター250との間で、電力の販売(売電)と買取り(買電)を行っている。販売した電力量については需要家10から販売料金を徴収し、一方、買取分の電力量については買取料金を需要家10に対して支払う。
また、小売電気事業者510は、需要家10の各々に販売する電力を卸電気事業者520から調達し、その調達した電力量に対して対価を卸電気事業者(例えば、発電事業者に相当)520に対して支払う。ここで、課金サーバ300は、各需要家10、ショッピングセンター250を含めた需要家全体の順潮流電力メーターMpと逆潮流電力メーターMqとの計量値の差分を求める。そして、小売電気事業者510は、卸電気事業者520に、課金サーバ300が求めた電力量の差分に基づいて調達電力の対価を支払う。
また、小売電気事業者510は、託送費を送配電事業者530に対して支払う。図15にある再生可能エネルギー発電促進賦課金は、小売電気事業者510が需要家10の各々から徴収し、所定の費用負担調整機関540に支払う。
需要家10の各々が購入した電力量は、順潮流電力メーターMpのみで特定することはできない。この理由としては、他の需要家10から融通され一時的に蓄電設備11に貯めた電力量も供給された電力量として、順潮流電力メーターMpにおいて積算されて含まれるためである。
課金サーバ300は、例えば、ある需要家10_Aにおける太陽光発電設備12が発電した発電電力による余剰電力を、空き容量の大きい需要家10_Bの蓄電池設備11に蓄電させる制御を行う。このとき、課金サーバ300は、各需要家10から余剰電力の電力量及び蓄電設備11の蓄電量をネットワークを介して取得する。例えば、課金サーバ300は、ネットワークを介して、太陽光発電設備12の発電電力量、需要家10の負荷14における消費電力量、蓄電設備11の蓄電量などを取得する。すなわち、小売電気事業者510は、課金サーバ300を用いることにより、需要家10の各々の電力情報をネットワークを介してリアルタイムで監視する。そして、小売電気事業者510は、課金サーバ300を介して、空き容量の大きい需要家10_Bの蓄電設備11に、需要家10_Aの余剰電力を充電するよう、需要家10_Bの蓄電設備11を充電制御することにより実現する。
この時、小売電気事業者510は、課金サーバ300を介して、各需要家10で不足する電力を、需要家10それぞれの蓄電設備11から放電させ、各需要家10に対して供給する制御を、各需要家10の蓄電設備11の各々に対して行う。
このとき、需要家10_Bで使用した蓄電設備11からの放電電力は、需要家10_Bが備える順潮流電力メーターMpでも逆潮流電力メーターMqでも計量されない。
しかしながら、需要家10_Bの蓄電設備11から需要家10_Cに融通した放電電力は、需要家10_Bに備えられている逆潮流電力メーターMqにより計量される。また、同様に、需要家10_Cが需要家10_Bの蓄電設備11から融通された放電電力は、需要家10_Cに備えられている順潮流電力メーターMqにより計量される。
しかしながら、需要家10_Bの備える逆潮流電力メーターMqで計量された電力は、需要家10_Cへの融通電力である。この需要家10_Bの備える逆潮流電力メーターMqの計量値を、前述の順潮流電力メーターMpの計量値から差し引くことで損を被ることはなくなる。また、需要家10_Cの順潮流電力メーターMpは、需要家10_Bから融通された融通電力と購入した商用電力との電力量を計量する。ここで、小売電気事業者510の課金サーバ300が需要家10_Cの消費電力量を推定できていれば、需要家10_Cにおいては商用電力を購入せずに済むと考えられる。
上述したように、融通電力と商用電力とに差分があり、商用電力の方が高価であった場合、需要家Cは電力料金において損を被ることになる。
電力融通街区400においては、晴れた日中に各需要家10に備えられた太陽光発電設備12が発電する太陽光発電量が多く、各需要家10の蓄電設備11が満充電となっても、余剰電力が発生する。この場合、その電力融通街区400全体の余剰電力は、電力融通街区400から系統に対して逆潮流される。
電力融通街区400内には、需要家としてショッピングセンター250がある。ショッピングセンター250の日中の電力消費量は、電力融通街区400内の需要家10の各々の余剰電力量に比べて十分に大きく、電力融通街区400内の需要家10の余剰電力は全てショッピングセンター250に対して融通される。このため、電力融通街区400全体では余剰電力は発生しない。
これまで説明のために、需要家10_A、需要家10_B及び需要家10_Cの3戸を用いて説明したが、電力融通街区400に70戸の需要家10があり、需要家10それぞれの間において電力の融通が行われる。例えば、課金サーバ300は、電力融通街区400において、70戸の需要家10に対して電力を融通する場合に、このうちの45戸の需要家10が備える蓄電設備11を動かす、といった運用を行う。
そこで、電力融通街区400全体の電力供給量を、電力融通街区400の需要家10に備えられている順潮流電力メーターMp全ての電力量を加算することにより、その計量値を用いることで問題を解決することができる。
また、需要家に特に限定はなく、住宅や商店などの低圧需要家や、スーパーや事業所、オフィスビルなどの高圧需要家、大型ショッピングセンターや大規模工場などの特別高圧需要家などがある。
また、需要家10に備えられている蓄電設備に限定はなく、蓄電池設備、リチウムイオンキャパシタ、フライホイールなどのいすれかあるいは組み合わせを用いても良い。
また、順潮流電力メーターMpと逆潮流電力メーターMqとの各々が積算電力計である場合、積算値が課金サーバ300により検針されて電力量が取得される。ある時点の検針値が23456.7[kWh]であり、前回検針した際の検針値が23789.0[kWh]であった場合、所定の期間における計量値は、332.3[kWh]となる。所定の期間は大手電力会社の場合、通常1ヶ月である。
順潮流電力メーターMpと逆潮流電力メーターMqとの各々がスマートメーターの場合、30分単位で計量が可能であるため、時間帯によって乗率を変えることもできる。TOU(Time of Use)料金プランがその例で、深夜時間帯は安価な乗率で、日中は高価な乗率の設定となっている。
したがって、「時間帯により変化しない一定の乗率」を設定することによって、はじめて電力融通街区400が電力料金において経済的負担の格差を軽減することが可能なものとなる。
例えば、順潮流電力よりも逆潮流電力の計量値に乗ずる乗率の方が大きいと、図16において、需要家10_Bが需要家10_Aの太陽光発電設備12が発電した電力を安価な乗率で購入し、一旦、需要家10_Bが自身の蓄電設備12に蓄電して貯める。その後、需要家10_Bは、蓄電設備11に蓄電した電力を、需要家10_Cへ高価な乗率で販売する。この場合、需要家10_Cは、安価な乗率(電力料金)で電力を買い取ることとなる。一方、需要家10_Bは、一時的に余分な電気を預かっただけで利益を得る。
このようなことを勘案すれば、順潮流電力の計量値に乗ずる乗率と、逆潮流電力の計量値に乗ずる乗率は同一に設定した電力融通街区400において、初めて、電力料金の経済的負担の格差を低減することが担保され電力融通街区400の実現性が得られる。
また、複数の需要家10は、地理的に隣接して立地する必要はなく、小売電気事業者510が需要家からの電力を販売・買取することで、地理的に離れていても電力融通を行ったと見做すことができる。
図14のように、ショッピングセンター250の様な商業施設はなく、図17に示す融通街区100は、一般の住宅である需要家10の複数戸から構成されている。
すでに説明したように、電力融通街区400内の需要化10の間で、電力の融通が行われ、課金サーバ300により、融通した(供給した)電力量と融通された(供給された)電力量とから、電力料金の計算が行われ、このとき使用される乗率(電力量に乗算する乗率、すなわち係数)はすでに説明したように、時間、順潮流(融通された)及び逆潮流(融通した)によらず一定(同一)である。課金サーバ300は、上記乗率を、融通した電力量と融通された電力量との差分の電力量に対して乗算する。このため、融通した電力量が融通された電力量よりも大きい場合、電気料金は負の値(支払い金額)となる。一方、融通した電力量が融通された電力量よりも小さい場合、電気料金は正の値(受取金額)となる。
この計算結果の購入電力を根拠として課金サーバ300が電気料金の計算を行い、小売電気事業者510は、この電気料金に基づいて、託送費を送配電事業者530に、再生可能エネルギー発電促進賦課金を費用負担調整機関540に支払い、また、卸電気事業者520に調達料金を支払う。
ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD−ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
Claims (16)
- 電力系統に接続された複数の需要家の電力の売買における電力データを管理するサーバを備える電力データ管理システムであり、
前記複数の需要家の内、少なくとも2以上の需要家に発電設備または需要設備のいずれか、あるいは前記発電設備と前記需要設備とが設置され、
前記複数の需要家の少なくとも2以上の需要家が、
前記電力系統から受電した順潮流電力のデータと、前記電力系統へ送電した逆潮流電力のデータとの各々のデータに基づき、前記需要家の各々が負担すべき料金を求めるための料金データを算定する
ことを特徴とする電力データ管理システム。 - 前記電力系統から受電した順潮流電力のデータを計量する機能と、
前記電力系統へ送電した逆潮流電力のデータを計量する機能と
を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の電力データ管理システム。 - 前記サーバが、
前記計量手段で計量された所定の期間における前記順潮流電力の計量値と、前記逆潮流電力の計量値との差分を求め、1日の時間帯により変化しない一定の乗率を乗算した結果に基づき、前記料金データを算定する
ことを特徴とする請求項2に記載の電力データ管理システム。 - 前記需要家の各々は電力系統を介して、一つ以上の他の需要家に電力を融通し、
前記順潮流電力の計量値、前記逆潮流電力の計量値、及び前記他の需要家へ融通した電力量である見なし供給電力量とに基づき、前記料金データを算定する
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の電力データ管理システム。 - 前記需要家の各々は電力系統を介して、一つ以上の他の需要家から電力の融通を受け、
前記順潮流電力の計量値、前記逆潮流電力の計量値、及び前記他の需要家から融通された電力量である見なし受給電力量とに基づき、前記料金データを算定する
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の電力データ管理システム。 - 前記需要家の各々は電力系統を介して、一つ以上の他の需要家との間で相互に電力の融通を行い、
前記順潮流電力の計量値、前記逆潮流電力の計量値、前記他の需要家へ融通した電力量である見なし供給電力量、及び前記他の需要家から融通された電力量である見なし受給電力量に基づき、前記料金データを算定する
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の電力データ管理システム。 - 前記見なし受給電力量は、前記計量手段で計量された所定の期間に対応する範囲において、逆潮流電力の単価と順潮流電力の単価をもとに、順潮流電力量が最小となるよう算出される
ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の電力データ管理システム。 - 前記見なし共有電力量は、前記計量手段で計量された所定の期間に対応する範囲において、逆潮流電力の単価と、順潮流電力の単価との差分を元に算出する
ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の電力データ管理システム。 - 前記逆潮流電力の単価は、現在の順潮流電力に対応する、現在の逆潮流電力の単価よりも安い
ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の電力データ管理システム。 - 前記逆潮流電力は、現在の順潮流電力の単価より低い単価の期間において蓄電した電力である
ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の電力データ管理システム。 - 前記複数の需要家が、隣接して立地する電力融通街区であり、
前記サーバが、
外部から前記電力融通街区に供給された街区順潮流電力を計量する街区計量手段で計量された所定の期間における順潮流電力量に基づき、
前記電力融通街区における前記需要家の使用電力に応じて支払う費用を算定する
ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の電力データ管理システム。 - 少なくとも各々が電力系統に接続された複数の需要家で構成され、
前記複数の需要家の内、少なくとも一の需要家に任意に制御可能な発電設備または需要設備のいずれか、あるいは前記発電設備及び前記需要設備の各々が設置され、
前記複数の需要家間で、前記電力系統を介して電力を融通する、需要家集合体であって、
前記複数の需要家の各々が、
所定の期間において計量された前記順潮流電力のデータと、前記逆潮流電力のデータとに基づき、需要家が負担すべき電力量の料金を求める料金データを算定する
ことを特徴とする需要家集合体。 - 前記電力系統から受電した順潮流電力を計量する機能と、
前記電力系統へ送電した逆潮流電力を計量する機能と、
を備えた計量手段を備える
ことを特徴とする請求項12に記載の需要家集合体。 - 算定した料金データに、時間帯により変化しない一定の乗率を乗算した結果をもとに、需要家が負担すべき電力量の料金を求める
ことを特徴とする請求項13に記載の需要家集合体。 - 所定の期間における料金データの総和をもとに、前記複数の需要家の使用電力に応じて支払う料金を求める料金データを算定する
ことを特徴とする請求項13または請求項14に記載の需要家集合体。 - 請求項12から請求項15のいずれか一項に記載の需要家集合体を構成する複数の需要家が隣接して立地する電力融通街区であり、
前記電力融通街区と外部との配電系統の連携点において、所定の期間において計量された前記街区順潮流電力の計量値に基づいて、
前記複数の需要家の使用電力に応じて支払う料金を求める料金データを算定する
ことを特徴とする電力融通街区。
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JP6703447B2 (ja) | 2020-06-03 |
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