JP2017028212A - ガスレーザ発振装置 - Google Patents

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唯 竹中
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Abstract

【課題】ガスレーザ発振装置搭載の送風装置において、回転軸に結合された軸受の劣化・破損などにより、回転部の振れ回りが大きくなると送風装置が損傷を受け、被害が全体にまで及ぶ可能性がある。
【解決手段】レーザガスを送風する送風装置において、回転部は先端に翼車部を設けた回転軸と、軸に結合された上部軸受および下部軸受と、回転軸の先端に設けた翼車を備え、回転部と非回転部の隙間のうち、最少寸法に設定した第1の狭隙間部と、前記第1の狭隙間部と同じまたは、第1の狭隙間部以外の少なくとも他の隙間に対しては小さな寸法に設定された第2の狭隙間部を設け、回転部と非回転部の間に上側軸受と下側軸受を設け、前記軸受の上下に前記第1の狭隙間部と前期第2の狭隙間部を配置し、軸受の上下二箇所の狭隙間部における接触時に生じるエネルギーを摩擦熱として吸収し、回転を停止させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、レーザ媒質ガスを用いたレーザ発振装置に関するものである。
軸流式ガスレーザ発振装置では、レーザ媒質となる炭酸ガス等の混合ガス(以下レーザガス)を流しながら圧縮し、レーザ発振装置に供給して共振させるようになっており、装置内にガス循環回路が構成されている。その循環回路の構成における一要素としてターボ翼を高速で回転させてガスを圧縮し、レーザ発振装置に供給するターボ型の送風装置が使用されている。
図を用いて特許文献に記載された従来の送風装置について説明する。図9は従来技術に係る送風装置の構成を示す断面図である。
この種のターボ型送風装置は、ハウジング内の上方にターボ翼が回転可能に配設され、レーザガスを圧縮して排出する機構を設けるとともに、下方にはこのターボ翼を高速回転駆動させるモータが配設されている。そして、このモータのロータとターボ翼ならびに回転軸等からなる回転部は機械的な軸受で支持される。
ハウジング901内方でその上方にターボ翼903が回転可能に配設されるとともに、下方にはこのターボ翼903を高速回転駆動させるモータ906が配設され、両者が回転軸902にて連結されている。また、回転軸902は上方軸受904と下方軸受905を介してハウジング901に対し、回転可能に保持されており、モータ906によって高速回転駆動されることで送風装置として機能する。
ところが、このような送風装置は高速回転での長期間の使用による軸受の劣化・破損などにより、回転部の軸芯の振れが生じ始め、さらに回転部の振れ回りが大きくなると、回転部、特に大質量であるターボ翼903がスクロールなどの非回転部へ接触、破損に至る。
この際、ターボ翼903と接触部が互いに削られながら回転部が回転を続けるため、ガスレーザ発振装置へ使用していた場合、その破片や切粉が光共振器へ侵入、光共振を阻害し発振装置の大幅な性能低下を招く。この様な事態に陥った場合、発振装置の復旧には送風装置の交換のほか共振器構成部品の交換も必要になり多大な費用と時間を要する。すなわち、送風装置の回転部が何らかの要因で振れ回った場合に、翼車部分と非回転部が接触し被害が拡大する前に送風装置を強制的に停止させなければならない。
このような問題を解決するために、回転部の周りに環状体907を一箇所または二箇所設け、回転部が振れ回った場合に回転体と接触させることで回転軸の回転エネルギーを吸収させる構造も用いられてきた。図中の環状体907は一つの軸受の近傍に一箇所設けられたものであった(例えば、特許文献1を参照)。
特開2007−40115号公報
しかしながら、従来技術に係るガスレーザ発振装置に用いる送風装置では、軸受の劣化・破損による回転部の芯振れは、振り子状の振動にたわみ振動なども加わる複雑なモードとなり、従来技術に係る回転部と環状体の配置では振動モードによっては翼車が振れ回っているのにもかかわらず、回転部と環状体との接触が発生せず、回転部の停止までに時間がかかる場合があり、翼車破損を起こす可能性があったため、被害拡大防止という本来の目的を果たすには十分でなかった。
そこで本発明は、以上の問題を解決し、送風装置の軸受が劣化・破損し、回転部が複雑な振動モードで振れ回った場合でも翼車を破損させないガスレーザ発振装置を提供する。
上記課題を解決するために、本発明に係るガスレーザ発振装置は、レーザ媒体を励起する放電部と、前記レーザ媒体であるレーザガスを送風する送風装置と、前記放電部と前記送風装置を接続するレーザガス循環経路を備え、前記送風装置は駆動部によって回転を行う回転部と、回転を行わない非回転部から成り、前記回転部はシャフトと、前記シャフトの先端に設けた翼車を備え、前記回転部と前記非回転部の隙間のうち、最少寸法に設定した第1の狭隙間部と、前記第1の狭隙間部と同じまたは、第1の狭隙間部以外の少なくとも他の隙間に対しては小さな寸法に設定された第2の狭隙間部を設け、前記回転部と前記非回転部の間に、翼車側に近い第1の軸受と翼車側から遠い第2の軸受を設け、前記第1の軸受の前記翼車側とその反対側のそれぞれに、前記第1の狭隙間部と前記第2の狭隙間部を配置したものである。
上記の構成により、本発明に係るガスレーザ発振装置では、送風装置の軸受が劣化・破損し、回転部が複雑な振動モードで振れ回った場合でも翼車を破損させないことができる。さらに、送風装置回転部の万一の振れ回り時に回転部を強制的に停止させることができ、翼車部の接触により発生する破片や切粉のガスレーザ発振器光共振部への侵入を防止できる。また、そのことで送風装置の交換のみで送風装置が搭載されたガスレーザ発振器の復旧を図ることができる。
本発明の実施の形態に係るガスレーザ発振装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る送風装置の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る狭隙間部を形成する第1と第2の環状スペーサの保持構成を示す詳細図であり、(a)は軸方向上側から見た平面図、(b)は中心線3−3で切断したときの断面図である。 本発明の実施の形態に係る第1と第2の狭隙間部の関係寸法図である。 本発明の実施の形態に係る送風装置の主に回転部の組立手順を示す分解断面図である。 本発明の実施の形態に係る送風装置の回転部と非回転部を組合せて全体を組み立てる手順を示す分解断面図である。 上側軸受が劣化または破損した場合の振動モードの説明図である。 複数の振動モードに対応する本発明の挟隙間部の作用の説明図である。 従来技術に係る送風装置の構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下の図面においては、同じ構成要素については同じ符号を付しているので説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
<ガスレーザ発振装置の基本構成と動作>
図1に本発明の実施の形態の一例に係るガスレーザ発振装置の構成を示す。ガスレーザ発振装置100は、放電管101、電極102、103、電源104、全反射鏡106、部分反射鏡107、レーザガス流路110、熱交換器111、112、送風装置200を有している。
放電管101はガラスなどの誘電体からなり、電極102、103は放電管101の周辺に設けられ、電源104は電極102、103に接続される。前記電極102および103の間に挟まれた放電管101内で放電空間105が形成される。全反射鏡106、部分反射鏡107は前記放電空間105の両端に固定配置され、光共振器を形成している。レーザビーム108は前記部分反射鏡107より出力される。
レーザガス流109は、送風装置200によりガスレーザ発振装置100の中を循環させられる。レーザガス流路110は、放電管101とレーザガス導入部113で接続されている。熱交換器111、112は放電空間105における放電と送風装置200の運転により温度上昇したレーザガスの温度を下げるはたらきを有する。送風装置200はレーザガスを循環させ、放電空間105にて約100m/sec程度のガス流を得ている。
送風装置200より送り出されたレーザガスは、レーザガス流路110を通り、レーザガス導入部113より放電管101内へ導入される。この状態で電源104に接続された電極102、103から放電空間105に放電を発生させる。
放電空間105内のレーザガスは、この放電エネルギーを得て励起され、その励起されたレーザガスは全反射鏡106および部分反射鏡107により形成された光共振器で共振状態となり、部分反射鏡107からレーザビーム108が出力される。このレーザビーム108がレーザ加工等の用途に用いられる。
<送風装置の基本構成>
次に本発明の実施の形態に係る送風装置200の構成と動作を図2を用いながら説明する。
送風装置200は、モータロータ201、シャフト202、翼車203、モータステータ204、ハウジング205、スクロール206、上側軸受207、下側軸受208、翼車受け209、ナット210、ベアリングホルダ211を有している。
モータロータ201はシャフト202と結合され、シャフト202の先端に翼車203が備えられている。モータロータ201と同軸にモータステータ204が配置され、モータステータ204はハウジング205に固定されている。翼車203の周囲にはスクロール206が配置され、翼車203の回転によりレーザガス流109が発生する。シャフト202は、上下2箇所に配置された上側軸受207と下側軸受208によって回転可能な状態で支持されている。上側軸受207および下側軸受208はシャフト202と結合されている。
送風装置200の構成は回転部と非回転部とに分けられる。回転部は、モータロータ201、シャフト202、翼車203、上側軸受207および下側軸受208から構成されている。なお、翼車203に近い方に配置された軸受を上側軸受207、翼車203から遠い方に配置された軸受を下側軸受208としている。以降、翼車に近い側を上側、遠い側を下側として表すこととする。
上側軸受207の外周は非回転部であるベアリングホルダ211と結合され、下側軸受208の外周は非回転部であるハウジング205と結合されている。また、ベアリングホルダ211はハウジング205にビスにより固定される。さらに、ハウジング205には内部に冷却パイプ218をらせん状に埋め込んでおり、モータステータ204、ベアリングホルダ211、上側軸受207および下側軸受208を水冷する。
送風装置200の翼車203には上側軸受207側に翼車受け209が取り付けられている。翼車受け209は垂直方向の断面が環状になっており、翼車203に圧入によって芯出しおよび固定される。シャフト202には上側軸受207と下側軸受208の内輪が圧入により固定されている。翼車203および翼車受け209は、シャフト202の翼車側先端部に設けられたネジ部とナット210の締付によって、上側軸受207の内輪に押し付けられる形でシャフト202に固定されている。
ベアリングホルダ211はハウジング205にビス止めにより固定される。上側軸受207の下側軸受208側でシャフト202に設けた突起部212と近接対抗する第1の環状スペーサ213は、ベアリングホルダ211に別途軸方向に下側の方向から圧入しボルト等で固定する。突起部212は、上側軸受207の下側において、シャフト202の一部の半径を大きくしたものである。
さらに、ベアリングホルダ211は上側軸受207の翼車側で翼車受け209と近接対向する第2の環状スペーサ216を保持する。第2の環状スペーサ216はベアリングホルダ211に別途軸方向に翼車203側から圧入しボルト等で固定する。
ここで、上側軸受207および下側軸受208とハウジング205の接触部を除く回転部と、非回転部との隙間のうち、最小寸法に設定した隙間を第1の狭隙間部とし、第1の狭隙間部以外の少なくとも他の回転部と非回転部の隙間に対しては小さい寸法に設定した隙間を第2の狭隙間部とする。本実施形態においては第1の狭隙間部を突起部212と第1の環状スペーサ213の隙間として設け、第2の狭隙間部を翼車受け209と第2の環状スペーサ216の隙間として設ける。
第1の環状スペーサ213と第2の環状スペーサ216の固定について、図を用いて説明する。図3は本発明の実施の形態に係る狭隙間部を形成する第1と第2の環状スペーサの保持構成を示す詳細図であり、(a)は軸方向上側から見た平面図、(b)は中心線3−3で切断したときの断面図である。
環状スペーサは、ベアリングホルダ211に対して、図3に示すようにボルト219で軸方向に点対称に複数箇所で固定する。あるいは、環状スペーサはボルト以外にピン220を打ち込んで固定してもよい。
第1の狭隙間部を形成する第1の環状スペーサ213は、上側軸受207の外輪を圧入により固定することで保持するベアリングホルダ211と一体化されるため、回転軸と高い同軸度を保つことができる。同様に突起部212はシャフト202と同軸加工することで回転軸と高い同軸度を保つことができる。これにより第1の狭隙間部215では回転部と非回転部のうち最も隙間の小さい隙間部(約100μm)を設けることができる。
第2の狭隙間部217において翼車受け209とシャフト202は中間ばめの関係を有しており、翼車受け209の回転軸との同軸度が突起部212よりは小さくなるため、第2の狭隙間部は第1の狭隙間部の次に小さな隙間部として設けられる。
2つの狭隙間部の隙間寸法の関係について図4を用いて説明する。第1、第2の狭隙間部の隙間寸法をそれぞれd1、d2とする。また、下側軸受の軸方向の中心部から第1の狭隙間部における突起部212の軸方向中心部までの軸方向距離をD1とし、下側軸受の軸方向の中心部から第2の狭隙間部における翼車受け209の軸方向中心部までの軸方向距離をD2とする。この場合、d2は(D2/D1)×d1以下となるように設ける。
<送風装置の組立方法>
次に、本発明の実施の形態に係る送風装置200の組立て方法に関して、図を用いて説明する。本発明における送風装置は、回転部のみを非回転部から分離した状態で組立てた後に回転部を非回転部に固定する。図5は本発明の実施の形態に係る送風装置の主に回転部の組立手順を示す分解断面図である。図6は本発明の実施の形態に係る送風装置の回転部と非回転部を組合せて全体を組み立てる手順を示す分解断面図である。
まずは回転部の組立について図5を用いて説明する。
回転軸を中心とした質量不釣り合い量の少ないシャフト202を準備し、その上側先端部から上側軸受207の内輪を入れて圧入し、シャフト202の下側の先端部から下側軸受208の内輪を入れて圧入する。
次に、予め第1の環状スペーサ213と第2の環状スペーサ216を取り付けておいたベアリングホルダ211を、シャフト202の上側先端から入れて圧入により固定する。
次に、翼車受け209を翼車203に圧入によって芯出しおよび固定しておき、翼車203と翼車受け209の一体品をシャフト202の上側先端から入れる。さらに、シャフト202を数10μm引き延ばした状態でシャフト202の翼車側先端部に設けられたネジ部とナット210の締付を行い、上側軸受207の内輪に押し付けられる形でシャフト202に固定し、その後引き伸ばしを開放する。
その後、質量不釣り合いが基準以下となるように翼車203外周部やシャフト202外周部を削る。
次に、回転部と非回転部の固定について図6を用いて説明する。
組み立てられた回転部をハウジング205の上部からモータステータ204の内周部に入れ、ハウジング205とベアリングホルダ211をビス止めにより固定する。最後にスクロール206を翼車203側からかぶせてビス止めにより固定する。
なお、回転部の組立においては組立時に発生する約1〜20μm以下の金属の削り粉が軸受に混入すると、運転時に軸受の破損の原因となる。そこで、削り粉の発生を抑えるために翼車受け209とシャフト202の嵌めあいは中間バメとすることが望ましい。
ただしその場合には、翼車受け209と翼車203の一体品のシャフト202への固定が十分でなく、高速回転時にシャフト202に対して回転ずれが生じ、回転体の不釣り合い量が増えて振動過大や最悪の場合軸受破損による翼車203の破損に至る可能性がある。
そこで、本発明においては翼車受け209と翼車203の一体品を固定する際、シャフト202を引き延ばした状態でナット210により翼車203側から締付した後にシャフト202の引き伸ばしを開放することでシャフト202の残留縮み力も加わる。ナット210の締め付けとシャフト202の残留縮力によって、翼車受け209と翼車203の一体品の固定を確実なものとし、前記回転ずれを防止する。
<送風装置の動作>
[1]正常時の送風装置の動作
次に正常時における送風装置200の動作について説明する。モータステータ204へ外部より交流電力が供給されると、発生した回転磁界によりモータロータ201が回転し、シャフト202を介して翼車203を回転させる。回転時に発生するモータステータ204の発熱と上側軸受207および下側軸受208で発生する摩擦熱は固定部であるハウジング205に伝導し、冷却パイプ218によって外部へ徐熱される。
回転部は回転軸に対して軸振れすることはなく、回転部と非回転部では、上側軸受207と下側軸受208とハウジング205接触部を除く隙間が接触せずに回転する。この場合に翼車203とスクロール206の片側の隙間は送風装置としての性能を確保するために最大約1000μm程度である。
[2]異常時の送風装置の動作
ここでは、上側軸受207が劣化または破損した場合を仮定し、回転部が振れ回った場合の振動モードについて図7を用いて説明する。図7は上側軸受が劣化または破損した場合の振動モードの説明図である。下側軸受208では位置が規制されているが、上側軸受207の規制が緩んだものと仮定している。図では、軸ずれの程度や傾きを強調して描いている。この場合の振動モードは下側軸受208を支点とした振り子状の振動223にシャフト202のたわみ振動が加わったものと考えることができる。
第1の振動パターン221は、シャフト202の翼車203先端側が通常時の回転軸から離れた方向に振れているものである。第2の振動パターンは、通常時の回転軸に近づく方に振れているものである。第1、第2の振動パターンの両方が発生した場合には、翼車203は高速回転しながら振幅224に振れ回り、振幅が増大すると翼車203がスクロール206に接触して破損に至る。
[3]異常時における各部詳細動作
続いて上記の第1、第2の振動パターンが発生した場合の本発明に係る構成部品の動作について、図を用いて説明する。図8は複数の振動モードに対応する本発明の挟隙間部の作用の説明図である。本図においては、振り子状の振動223と第1の振動パターン221と第2の振動パターン222のみを線図として抜き出して描いている。また、各場合の挟隙間部の状況を部分的に拡大して示している。この図においても、軸ずれの程度や傾きは強調して描いている。
まず、本発明における翼車破損防止の基本動作を説明する。上側軸受け207の劣化・または破損により回転部の振れ回りが発生した場合に、翼車203とスクロール206の接触が発生する前に、第1の狭隙間部215か第2の狭隙間部217のいずれかにおいて回転部と固定部が接触し、摩擦エネルギーを発生させ回転部の回転エネルギーを吸収し、回転部を停止させる。
第1の振動パターン221の場合には第2の狭隙間部217において翼車受け209と第2の環状スペーサ216が接触し、回転部の回転エネルギーを摩擦エネルギーとして吸収する。第2の振動パターン222の場合は第1の狭隙間部215において、突起部212と第1の環状スペーサ213が接触し回転部の回転エネルギーが吸収され、回転部の強制停止までの時間を短縮する。
第1、第2の狭隙間部の隙間はおよそ数100μmであるのに対し、翼車203とスクロール206の隙間は約1000μmであるため、翼車破損を防止することができる。回転軸の振れ回りが小さい段階で狭隙間部での接触を発生させることで、翼車203とスクロール206の接触の可能性が低くなるため、第1、第2の狭隙間部は通常時に問題なく回転部が回転する可能な限り小さな隙間であることが必要である。そのため、狭隙間部の構成としては、本発明の第1、第2の狭隙間部の構成が最良のものとなる。
回転部が振れ回った場合には、第1の振動パターン221または第2の振動パターン222のいずれかまたは両方が発生するため、上側軸受207の上側または下側の一箇所のみに隙間部を配置した場合には、振動パターンによっては隙間部での接触が発生せず、回転エネルギーの吸収が行われずに回転部の停止までに時間がかかる可能性がある。
上側軸受207の上下二箇所に狭隙間部を設けることで、どの振動パターンに対しても第1の狭隙間部215または第2の狭隙間部217での接触を確実に発生させ回転停止までの時間を短縮させることができる。このことから、翼車203とスクロール206の接触を防ぐためには、軸受を軸方向に挟んだ形で二箇所の狭隙間部を配置することが最も効果的である。
第1の振動パターン221の場合には第2の狭隙間部217において翼車受け209と第2の環状スペーサ216が接触し、回転部の回転エネルギーを摩擦エネルギーとして吸収する。回転部が下側軸受208を支点に振れ回った際、質量の大きい翼車203がシャフト202の先端に固定されており、支点である下側軸受208からの距離が遠いために翼車203側の振動のエネルギーは大きくなる。そのため、第2の狭隙間部は回転部と非回転部の接触箇所は下側軸受208からできるだけ離れた場所に配置するのが望ましい。
本発明においては、翼車203以外で接触を許容する部材としては最も下側軸受208から離れた場所に配置された翼車受け209を第2の狭隙間部217の回転部側部材としており、最良の構成である。
さらに、上記の送風装置の詳細構成で述べたように、翼車受け209と第2の環状スペーサ216の回転軸に対する同軸度が高く、隙間を精密に設けることができるため、回転部の振れ回り時に翼車が破損する前に確実に第2の狭隙間部217での接触を起こして回転部を停止することが可能となる。
第2の狭隙間部における接触では回転部を停止させるために必要なエネルギーの大部分が吸収されるため、熱伝導率の高い銅系またはリン青銅系などの材料を用いることで、接触時の摩擦熱が固定部に吸収される作用が高まり、回転体の強制停止の効果を上げることが可能である。さらに、翼車受け209の材質を銅系材料よりも硬度の高いステンレス系材料や析出系ステンレス材料とすることで、翼車受け209が第2の環状スペーサ216に接触した際に、軟質材料である第2の環状スペーサ216が変形することで回転エネルギーの吸収がさらに促進され、回転体の強制停止までの時間が短縮するために最良の構成となる。
第2の振動パターン222の場合は第1の狭隙間部215において、突起部212と第1の環状スペーサ213が接触し回転部の回転エネルギーが吸収され、回転部の強制停止までの時間を短縮する。
第2の狭隙間部217では接触によるエネルギー吸収の効果を大きくするために非回転部側部材を回転部側部材よりも軟質としたが、これにより生じる非回転部材の変形により、第2の狭隙間部において本来設定していた隙間d2よりも大きな回転振れが発生してしまう場合がある。この場合には、回転部が停止する前に翼車203がスクロール206と接触し破損するまで非回転部の変形が大きくなる可能性があり、これは先行技術において、軸受の軸方向の片側1箇所のみに隙間部を設け、翼車破損を防ぐ場合でも同様である。
本発明では第1の狭隙間部の突起部212はシャフト202と同軸加工によって設けられるため、その材質は高速回転によって生じる大きな圧縮応力、せん断応力に耐えうるものとして例えばクロム鋼のように高圧縮・せん断強度を持つ材料を用いる。さらに、第1の環状スペーサ213の材質は第2の狭隙間部と同様、変形によるエネルギー吸収を発生させるために突起部212よりは軟質とするが、第2の環状スペーサ216の変形が本来設定したものより大きかった場合でも翼車203が破損することがない隙間を確保するために、突起部212の硬度と比較的近いステンレス系のものとする。
回転エネルギーの吸収の大部分は第2の狭隙間部で行われるため、第1の狭隙間部での第1の環状スペーサ213または突起部212の変形はわずかであり、さらに、第1の狭隙間部は回転部と非回転部の軸受との接触部以外では最も小さな隙間であるため、翼車203が破損しない隙間を確保するために最良の構成となる。
なお、環状スペーサは回転部との接触により圧入部が周方向にずれることを防止するために、図3に示したようにボルト219で軸方向に固定する。固定箇所はその機能上1箇所でよいが、複数箇所固定する際は接触時の衝撃を均等に分散するために図3のように均等配置としたほうがよい。また、固定方法は回転方向への衝撃を受けることができればよいのでボルト以外にピン220を打ち込んで固定してもよい。
狭隙間部で接触が発生すると、第1の環状スペーサ213や第2の環状スペーサ216にて発生した摩擦熱がベアリングホルダ211に伝わる。ベアリングホルダ211はハウジング205に結合されており、ハウジング205はらせん状の冷却パイプ218によって水冷されているため、摩擦熱はハウジング205を通じて除熱される。これにより、回転部の回転エネルギーが固定部に効率よく吸収、排出されて停止までの回転時間が短縮される。
以上に述べたように、本実施の形態のガスレーザ発振装置によれば、送風装置の軸受が劣化・破損し、回転部が複雑な振動モードで振れ回った場合でも翼車を破損させないことができる。
本発明によるガスレーザ発振装置は、送風装置回転部の万一の振れまわり時に回転部を強制停止させることができ、送風装置破損時の被害を光共振器部まで拡大させることを防止し、機器復旧にかかる時間と費用の低減を図ることができるため、コストパフォーマンスの高いガスレーザ発振装置として有用である。
100 ガスレーザ発振装置
101 放電管
102、103 電極
104 電源
105 放電空間
106 全反射鏡
107 部分反射鏡
108 レーザビーム
109 レーザガス流
110 レーザガス流路
111、112 熱交換器
113 レーザガス導入部
200 送風装置
201 モータロータ
202 シャフト
203 翼車
204 モータステータ
205 ハウジング
206 スクロール
207 上側軸受
208 下側軸受
209 翼車受け
210 ナット
211 ベアリングホルダ
212 突起部
213 第1の環状スペーサ
215 第1の狭隙間部
216 第2の環状スペーサ
217 第2の狭隙間部
218 冷却パイプ
219 ボルト
220 ピン
221 第1の振動パターン
222 第2の振動パターン
223 振り子状の振動
224 振幅
901 ハウジング
902 回転軸
903 ターボ翼
904 上方軸受
905 下方軸受
906 モータ
907 環状体

Claims (5)

  1. レーザ媒体を励起する放電部と、前記レーザ媒体であるレーザガスを送風する送風装置と、前記放電部と前記送風装置を接続するレーザガス循環経路を備え、
    前記送風装置は駆動部によって回転を行う回転部と、回転を行わない非回転部から成り、
    前記回転部はシャフトと、前記シャフトの先端に設けた翼車を備え、
    前記回転部と前記非回転部の隙間のうち、最少寸法に設定した第1の狭隙間部と、
    前記第1の狭隙間部と同じまたは、第1の狭隙間部以外の少なくとも他の隙間に対しては小さな寸法に設定された第2の狭隙間部を設け、
    前記回転部と前記非回転部の間に、翼車側に近い第1の軸受と翼車側から遠い第2の軸受を設け、
    前記第1の軸受の前記翼車側とその反対側のそれぞれに、前記第1の狭隙間部と前記第2の狭隙間部を配置したガスレーザ発振装置。
  2. 前記回転部が、前記シャフトに嵌合して翼車を保持する翼車受けをさらに備え、
    前記第1の狭隙間部または前記第2の狭隙間部の回転部側部材が前記翼車受けである請求項1に記載のガスレーザ発振装置。
  3. 前記駆動部の非回転部側モータステータを保持するハウジング内部に、らせん状に配置した水冷部をさらに備え、
    前記第1の狭隙間部と前記第2の狭隙間部の非回転部側部材が前記水冷部により水冷される請求項1または2に記載のガスレーザ発振装置。
  4. 前記非回転部が、前記シャフトにより貫通されて前記第1の軸受を保持するベアリングホルダをさらに備え、
    前記第1の狭隙間部と前記第2の狭隙間部の非回転部側部材が前記ベアリングホルダである請求項1から3のいずれかに記載のガスレーザ発振装置。
  5. 前記第1の狭隙間部の回転部側部材をクロム系金属材料で、同じく非回転部側部材をステンレス系金属材料で形成し、
    前記第2の狭隙間部の回転部側部材をステンレス系金属材料で、同じく非回転部側部材を銅系金属材料で形成した請求項1から4のいずれかに記載のガスレーザ発振装置。
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