JP2017027543A - 非接触型情報媒体用インレイ - Google Patents

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Abstract

【課題】非接触情報媒体の製造工程において、積み重ねられた状態のインレイにおいて、個々のインレイがブロッキングを起こす事がなく、また樹脂シートとしてエンジニアリングプラスチックを使用した場合であっても、400μm以下の薄いインレイを容易にラミネート加工することが可能なインレイを提供することを課題とする。【解決手段】基材7上にアンテナ6とそれに接続されたICチップ2とを備えたインレット3を、樹脂シート4A上に複数配置し、その上から樹脂シート4Bを積層してなるインレイ1において、少なくともインレイの一方の面がマット加工されたマット面5Aであり、基材とアンテナとICチップと樹脂シートを含めた総厚が400μm以下であることを特徴とする非接触型情報媒体用インレイ。【選択図】図1

Description

本発明は、非接触ICカードや非接触ICタグなどの非接触型情報媒体の製造に使用するインレイに関する。
非接触ICカードなどの非接触型情報媒体では、外部通信装置と無線で情報のやり取りを行うためのコイル状のアンテナを基材上に多面付けして形成し、その後、個々のアンテナが形成されたシートに断裁し、そのアンテナにICチップを接続することによりインレットを作製する。そのインレットを樹脂シート上に等間隔に配置して、その上からもう一枚の樹脂シートをかぶせてサンドイッチした構成にて、熱プレスする事によって、インレイを作製する。このインレイの表裏面を外装基材でサンドイッチすることによって非接触ICカードなどの非接触型情報媒体を作製する。なお、ここでは基材上にアンテナが形成され、そのアンテナにICチップが接続された状態をインレットと呼び、そのインレットの表裏面に樹脂シートを熱圧着して積層した状態をインレイと呼ぶ。
インレットに形成されているコイル状のアンテナは、巻き線コイルであっても良いし、基材シートや基材の表面に銅箔などを貼り合わせ、その銅箔をパターン化することによりコイルを形成したものでも良い。或いは、導体インキを印刷する事によって形成することもできる。そのため、基材上にこれらの巻き線、銅箔や導体インキのパターンが凸部を形成する。
また、インレットを樹脂シートでサンドイッチして熱圧着することでインレイを作製する際に、その熱圧による応力によってICチップやアンテナにダメージが及ばないように製造上の工夫がなされている。
このインレイの表裏に、更に外装基材を積層することによって、非接触ICカードなどの非接触型情報媒体が作製されるが、このようにして作製された非接触型情報媒体の表面にアンテナなどのパターンが目視できることがあり、これは外観不良とされるため、その発生を防ぐ必要がある。
また、非接触型情報媒体の製造工程においては、上記の形態のインレットが縦横に複数個配置され、その表裏面を樹脂シートでサンドイッチした形態のインレイが積み重ねられた状態で工程内に配置され、そこから一枚ずつ取り出されて使用される。その表裏面に意匠性が高い外装材が積層された後、1枚1枚の非接触型情報媒体に断裁されることにより、非接触型情報媒体が完成する。
そのインレイが積み重ねられた状態から、一枚ずつインレイを取り出す際に、インレイの表面がグロス(光沢)状態であるため、インレイ同士がブロッキングを起こし、取り出し難いという問題があった。また、ブロッキング状態のインレイを引き剥す際に静電気が生じ易く、取扱い難い問題に加えて、ICチップとアンテナの接合部へのダメージや、ICチップが静電気で破壊される虞もあった。
また、冊子に装填されるインレイでは、より薄くすることが求められるため、樹脂シートも薄型のものが使用されるが、インレットなどのICモジュールやICチップにラミネートによる熱圧着時に圧力が伝わり易い状態にある。そのため、ラミネート時にICモジュールやICチップが損傷を受け易かった。
また樹脂シートとして、ポリカーボネートなどの熱変形温度が100℃以上のエンジニ
アリングプラスチックを樹脂シートとして使用した場合、ラミネート時の温度、圧力を高め、長時間の処理が必要となるため、ICモジュールやICチップが損傷を受け易かった。そのため、厚みが400μm以下の薄いインレイをラミネート加工することは困難であった。
これらの問題を解決する先行技術文献を調べたが、非接触ICカードなどの非接触型情報媒体について、アンテナの形状が目視されてしまう外観上の問題を解決する技術については開示されていたが、インレイが積み重ねられた場合のブロッキング防止に関する技術や薄いインレイのラミネート加工を容易にできる技術に関する先行技術文献を見出すことができなかった。
例えば特許文献1には、ICチップとこれに接続されたアンテナコイルからなるICインレットを多孔質熱可塑性シートの間に挟みこんで非接触型情報媒体とし、さらにはこの非接触型情報媒体を表表紙または裏表紙に接着された非接触型情報媒体において、非接触型情報媒体の加工工程を簡略化するとともに、表紙や用紙との接着性にすぐれ、かつ耐久性や耐偽変造性などの優れ、また多孔質熱可塑性シートの空隙が潰れて基材表面の光沢性が増すことで、アンテナがある部分だけが光沢があるという外観不良を引き起こさない非接触型情報媒体を提供する手段として、アンテナコイルとそのアンテナコイルに接続されたICチップを含むICインレットが、内側の面に熱可塑性樹脂接着剤を設けた2枚の多孔質熱可塑性樹脂シートに挟まれて積層され、接着されてなる非接触型情報媒体において、多孔質熱可塑性樹脂シートのうち少なくとも一方の表面は、マット加工されていることを特徴とする非接触型情報媒体が開示されている。
しかしながら、課題が非接触型情報媒体の外部からアンテナが視認できないようにするものであり、インレイがブロッキングを起こさないようにする事が課題ではない。また構成としてインレットをサンドイッチする樹脂シートとして、多孔質熱可塑性樹脂シートに限定していることが特徴である。
また特許文献2には、アンテナシートやアンテナを利用するICカードにおいて、その表面にアンテナ部分が浮き出て見え難いように形成されたICカードを提供するために、アンテナとそのアンテナの両側に積層される樹脂シートと、その樹脂シートに設けられた光透過性を有する保護層とを有し、前記両側に積層される樹脂シートのうちカードの両主面となる少なくとも一方の樹脂シートの全面が所定の粗さにマット加工され、且つそのマット加工された面に前記保護層が設けられていることを特徴とするICカードが開示されている。
しかしながら、特許文献1と同様に、課題が非接触情報媒体の外部からアンテナを視認できないようにすることであり、そのために非接触型情報媒体の最表面をマット加工する構成であり、インレイがブロッキングを起こすことを防止する技術ではない。
特開2011−81693号公報 特許第5017978号公報
上記の状況に鑑み本発明は、非接触情報媒体の製造工程において、積み重ねられた状態のインレイにおいて、個々のインレイがブロッキングを起こす事がなく、また樹脂シートとしてエンジニアリングプラスチックを使用した場合であっても、400μm以下の薄いインレイを容易にラミネート加工することが可能なインレイを提供することを課題とする。
上記の課題を解決する手段として、本発明の請求項1に記載の発明は、基材上にアンテナとそれに接続されたICチップとを備えたインレットを、樹脂シート上に複数配置し、その上から樹脂シートを積層してなるインレイにおいて、
少なくともインレイの一方の面がマット加工されたマット面であり、
基材とアンテナとICチップと樹脂シートを含めた総厚が400μm以下であることを特徴とする非接触型情報媒体用インレイである。
また請求項2に記載の発明は、前記樹脂シートが熱変形温度100℃以上の熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の非接触型情報媒体用インレイである。
また請求項3に記載の発明は、前記マット面が、算術平均粗さRaが1μm〜10μm、且つ十点平均粗さRzが5μm〜60μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の非接触型情報媒体用インレイである。
本発明の非接触型情報媒体用インレイによれば、
・非接触型情報媒体用インレイの表面にマット加工を施すことで、それを重ねた状態でのブロッキングを抑止することが可能となる。
・インレイを重ねた際の密着面積を小さくできるため、後加工時にピックアップする際に静電気の発生を抑止することができる。
・エンジニアリングプラスチックのような比較的耐熱性が高く、ラミネート時にICモジュールに負荷のかかりやすい熱可塑性樹脂シートを用いても性能を損なうことなく、ラミネートが可能である。
・カードやデータページの後加工においても密着性が高くなるという効果がある。
などの効果を奏する。
本発明のインレイの構成の一例を説明する概略平面図。 本発明のインレイの構成の一例を説明する概略断面図であって、(a)はインレットとその表裏側に片面がマット面の樹脂シートがそれぞれ配置された熱圧着前の状態、(b)は(a)の状態から樹脂シートがインレットに熱圧着された後の状態、をそれぞれ示している。
本発明の非接触型情報媒体用インレイについて図面を用いて説明する。
図1は、本発明のインレイ1の一例を示す概略平面図である。インレイ1は、複数のインレット3を備えている。図2(b)に一例を示したように、インレット3は、基材7上にアンテナ6とICチップ(またはICモジュール)2を備えている。図2(b)は1つのアンテナ6と1つのICチップ2からなるインレイ10を示している。インレット3の表裏面に樹脂シート4A、4Bを熱圧着することによって、インレイ10が作製される。
(ICチップ、ICモジュール)
ICチップ(またはICモジュール)2は、非接触通信を行うための電子部品である。その構成としては、ICメーカーから供給されるトランスファーモールド品の他、基材7
にICチップ2を実装したCOB(Chip On Boad)モジュールなどがある。
COBモジュールは、メーカーが独自に基材上にICチップを実装したモジュールの総称である。
(基材)
基材7としては、硬質のリジッド基板または軟質のFPC基板を用いることができる。前者の場合はFR4などのガラス繊維材質やセラミック、後者の場合はPI(ポリイミド)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)などの樹脂フィルムが一般的である。ただし、基材7の誘電率は、キャパシタンス値の決定に関わるパラメータであるため、厚みや導電パターンも含めて適切な材料を選定する。
電子部品の接合工程やアンテナの接合工程、カード化・タグ化等の後工程を考慮すると、基材7は80℃以上の耐熱性があることが望ましい。
また基材7の厚みは、カード化・タグ化を考慮すると、50μm〜200μm程度が加工工程で扱い易い。
(基材上の導電パターン)
基材7上に形成する導電パターンは、銅箔の打ち抜きやエッチングによるパターニング、メッキ、印刷などの方法で形成することができる。
導電パターンとしては、一般的に100μm程度までの厚みが良く使用される。例えば、基材7の両面にその程度の厚さの銅箔を接着した後、感光性レジスト層を形成し、露光・現像・エッチング工程を経て、基材7上に導電パターンを得ることができる。
基材7上の導電パターンに抵抗溶接や超音波実装にて電子部品やアンテナを接合する場合は、導電パターン上に金メッキを施しても良い。この場合、ニッケルメッキ層を1〜5μm程度の厚さで施した後、電解金メッキまたは無電解金メッキにて0.01〜0.50μm程度の厚さで施せばよい。
(ICチップの作製)
基材7へのICチップ2の搭載は、ウェハからICチップ2に個片化するまでの工程と、ICチップを搭載または実装するまでの工程を分けて説明する。
ウェハからICチップ2に個片化するまでの工程では、まずICメーカーからウェハの状態で入手する。この段階でウェハの厚みは0.7〜0.8mm程度が一般的である。ウェハの厚みをバックグラインド装置にて減じて行き、50μm〜200μm程度まで調整する。バックグラインド加工が終了した時点では、加工されたウェハ表面が荒れた状態のため、表面に無数の亀裂や欠けが生じている。そのため、化学的な方法やプラズマを用いて欠陥を除去する処理工程が設けられる。所定の表面処理が完了した後、ウェハをICチップに個片化するためのダイシング工程を実施する。
ダイシング工程ではウェハに予め形成されたスクライブラインに沿って、碁盤の目状にブレードを用いて切断し、個片化する。ブレードの種類としてはダイヤモンドブレードが一般的であるが、レーザやウォータージェットによるダイシングもあり、適宜選択して個片化し、ICチップ2を得ることができる。
(ICチップの実装)
個片化されたICチップ2を基材7に搭載する方法としては、ICチップ2の回路面側を基材7側に向けるフェイスダウン方式と、その逆のフェイスアップ方式がある。フェイスダウン方式の典型的な実装方法としては、ICチップ2のバンプを直接、基材7の導電パターンと導通させるフリップチップ実装方式が用いられ、異方性導電材料であるACP
(Anisotropic Conductive Paste)やACF(Anisotropic Conductive Film)による接合、ICチップ2側のバンプ金属と基材7側の導電パターンの金属を直接的に金属接合させる方法が一般的に実施されている。
フリップチップ実装方式で金属接合させる場合は、バンプのみの接合で保持されるため、補強のためのアンダーフィル樹脂をICチップ2と基材7の間隙に充填する。
このフェイスダウン方式の利点としては、ICチップ2を基材7に接合させるため、モジュール厚みを抑えることができる点である。その分強度は下がるが、その場合は樹脂のポッティングなどによって強度を補う。
一方、フェイスアップ方式では、ICチップ2の背面を基材7に接着剤によって接合し、ICチップ2のバンプを金ワイヤによって基材7の導電パターンと接合する方式が一般的である。この場合、金ワイヤを保護するために液状樹脂などで覆うのが一般的である。利点として衝撃や外部応力などの物理的強度が向上する点が挙げられるが、全体的な厚みが増す事で適用できる製品が限られてしまうこともある。
以上に説明した方法で、ICモジュールを得ることができる。
(コイルアンテナ)
次にコイルアンテナ6について説明する。
コイルアンテナ6としては、自己融着被覆を有する金属線を、所望の中空形状にて複数回巻いた中空巻線アンテナまたは自己融着部を融かしながら樹脂シートにコイルを形成して行く描画巻線アンテナ、フィルム上にコイルを形成するエッチングアンテナがある。
コイルアンテナ6が、所望の共振周波数において、ICチップ2のキャパシタンス値に整合させたインダクタンス値となるように、内径、外形、厚み、巻数を調整する。またカードやパスポート製品においては、コイル外形を約47mm×78mm程度にするのが一般的である。
(コイルアンテナとICチップとの接合)
コイルアンテナ6とICチップ2やICモジュールの接合は、抵抗溶接、超音波溶接、ハンダ接合、銀ペースト等により実施されるのが一般的である。例えば、抵抗溶接ではタングステン等の高抵抗チップに数kA程度の大電流を通電することで、高抵抗チップのみが発熱して高温になり、銅線被覆を溶融、気化させることで剥き出しになった銅線と基材7上の導電パターンとを合金化して金属接合を行うことができる。
(樹脂シート)
樹脂シート4A、4Bとしては、熱変形温度が100℃以上の熱可塑性樹脂シートを使用することが望ましい。具体的には、PC(ポリカーボネート)、ABS樹脂、POM(ポリアセタール)、PMMA(ポリメタクリル酸樹脂)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のエンジニアリングプラスチックなどを用いることができる。
(インレイ)
本発明の特徴は、上記のようにして作製したインレイ10の少なくとも一方の面が、マット処理されたマット面になっていることである。図2(b)は、表裏両面がマット面5A、5Bになっている場合を示している。
マット面の形成方法は、熱圧着工程にて、ラミネートすることで熱圧着する金属面などの熱源と樹脂シート4A、4Bの間に、マットフィルムを挿入した形で熱圧着することによって実施可能である。マットフィルムの表面の凹凸形状が、樹脂シート4A、4Bに転
写されることによって、樹脂シート4A、4Bのマット処理がなされる。マットフィルムの種類としては、ガラスクロスにフッ素樹脂を含侵させたフッ素樹脂シート、パーチメント紙やグラシン紙などの特殊パルプ紙の表面にシリコン樹脂を塗布シリコン樹脂紙、200℃以上の耐熱性を有するポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルムなどが好適に使用できる。
また、熱圧着する金型や熱プレス部の金属面の表面粗さを所望の表面粗さにしておき、熱圧着することで樹脂シートに転写する方法も可能である。
本発明のインレイ1、10の少なくとも一方の面はマット面である必要がある。このように少なくとも一方の面がマット面であることにより、このインレイ1、10を積み重ねて積層体としてもブロッキングを起こさず、また静電気の発生が抑制されるため、容易に1枚1枚を取り出すことが可能であり、非接触型情報媒体の製造工程で使用する場合、インレイ1、10の積層体からインレイが取り出せない、という不具合を生じることがない。
このように、インレイ1、10の積層体にしてもブロッキングせず、静電気の発生を抑制できるためには、インレイのマット面5A、5Bの表面粗さが、算術表面粗さRaが1μm〜10μm、且つ十点平均粗さRzが5μm〜60μm、更に好適には20μm〜60μmであるとブロッキング防止には効果的である。Raが1μm未満では、ブロッキングが起こる可能性が高くなり、10μmを超えると表面が粗くなり意匠的に劣る問題がある。またRzが5μm未満でもブロッキングが起こる可能性が高くなり、60μmより大きくなってもブロッキングは防止できるが、表面が粗くなり意匠的に劣る問題がある。またブロッキングを起こさない範囲では、静電気の発生は抑制される。
以上に説明したように、本発明の非接触型情報媒体の製造に使用するインレイ1は、その表裏面の少なくとも何れか一方の面がマット面であることにより、非接触型情報媒体の製造工程において、インレイ1が積み重ねられた状態であっても、ブロッキングを起こすことなく、容易にそのインレイ1を取り出すことができる。また、ブロッキングした場合に、インレイ1同士を引き剥す際に、アンテナ6とICチップ2の接合部にダメージが発生することを回避することができる。またブロッキングや弱い密着さえも起こさないため、引き剥す際の静電気の発生の機会を無くすことができる。そのため、静電気によるICチップ2の破壊問題も回避することができる。
また、本発明の非接触型情報媒体の製造に使用するインレイ1は、その厚さ(基材とアンテナとICチップと樹脂シートを含めた総厚)が400μm以下であっても、100℃以上の熱変形温度を持つエンジニアリングプラスチックを樹脂シート4A、4Bとして使用しているのでそれがクッションの役割を果たすため、そのラミネート時の熱圧着を経ても、インレット3のICチップ2とコイルアンテナ6の接合部やICチップ2そのものへのダメージも無く、良好に非接触型情報媒体を製造することができる。
次に、本発明の実施例について説明する。
<実施例1>
(インレットの製造)
まず、インレットの製造方法について説明する。インレットの基材として厚さ50μmのポリイミドフィルムに、厚さ18μmの銅箔を、接着剤層を使用しないで貼り合わせた東レ株式会社製の2層タイプの銅箔ポリイミドフィルムを使用した。
この銅箔ポリイミドフィルムの銅箔上にドライフィルムを貼り合わせ、所望のアンテナ
パターンを有するフォトマスクを使用して露光、現像工程を通して処理することによって、エッチングマスクとなるドライフィルムパターンを形成した。ここで、所望のアンテナパターンとして、通常のICカード用に使用される47mm×78mmの外形を持つアンテナパターンを使用した。
次に、塩化第二鉄を用いた銅のエッチング液を使用したエッチング・剥膜工程を通すことによって、銅箔のエッチングおよびドライフィルムパターンの剥離を行った。
以上により、ポリイミドフィルム上に銅箔のアンテナパターンが形成された。次に、このアンテナパターンが多面付けされた状態から、個々のアンテナパターンに断裁することによって、ポリイミドフィルム上にアンテナパターンが形成された個片化したアンテナパターンが得られた。
次にこの個片化したアンテナパターンにICチップを接合することによって、インレットを作製した。
具体的には、ICチップは、ICメーカーから非接触型情報媒体に使用するICチップが面付けされたウェハ状態で入手し、当初の厚さ0.7mmのウェハを、バックグラインド装置を用いて、裏面から研磨して厚さ0.1mmまでバックグラインド加工することによって薄くした後、ウェハの裏面に形成されたバックグラインド加工による傷や欠陥をプラズマエッチング処理により除去した。ウェハの厚さは、最終的に約0.09mmとなった。
次に、このような処理を行ったウェハを、ダイシング工程を通す事によって、ICチップに断裁し、個々に分離したICチップを得た。
このようにして作製したICチップを、個片化したポリイミドフィルム上のアンテナパターンの所定の位置に抵抗溶接することにより、インレットを作製した。
(インレイの製造)
このようにして作製した複数のインレットを、厚さ125μmのポリカーボネート製の熱可塑性樹脂シート上に、等間隔に配置した後、もう一枚の同じ仕様の熱可塑性樹脂シートをその上に載せてから、更にその上にマットフィルムを重ねた。この状態で熱プレスを行うことによって本発明のインレイを作製した。熱プレスは熱プレス装置を用いて、250℃、10分間保持し、その後、熱プレス装置から取り出して放冷することにより実施した。
使用したマットフィルムは、ガラスクロスにフッ素樹脂を含侵させたフッ素樹脂シートを使用した。そのマットフィルムの表面粗さは、算術平均粗さRaで1μm、十点平均粗さRzで20μmであったが、作製したインレイのマットフィルムを挿入して熱プレスした表面は、マットフィルムと同じ表面粗さであった。
<比較例>
次に、比較例について説明する。
実施例1と異なるのは、インレイを製造する際の熱プレスを行う時に、マットフィルムを挿入せずに、非接触型情報媒体の作製を行ったことであって、他は実施例1と同様にして作製した。
(評価)
実施例1と比較例にて作製したインレイを、それぞれ10枚積み重ねた上から1Kgのおもりを載せ、環境試験機の中で、85℃、85RH%、240時間の処理を行ってから、ブロッキング状態と通信機能の評価を行った。
その結果、実施例1で作製したサンプルについては、何ら貼り付きや密着は見られず、
ブロッキングは発生していなかった。またインレイの表面状態も良好であった。また通信機能についても問題は見られず、全て良好であった。
一方、比較例にて作製したサンプルについては、強い貼り付きは見られなかったものの、インレイ同士の密着が見られた。それを引き剥す際にICチップとアンテナの接合部にダメージを与えることが心配された。更に静電気の発生の虞もあった。これらのサンプルの通信機能の評価結果については、調べた20サンプルのうち、6サンプルについて不良が認められた。
1、10・・・インレイ
2・・・ICチップ
3・・・インレット
4A、4B・・・樹脂シート
5A、5B・・・マット面
6・・・アンテナ(またはコイルアンテナ)
7・・・基材

Claims (3)

  1. 基材上にアンテナとそれに接続されたICチップとを備えたインレットを、樹脂シート上に複数配置し、その上から樹脂シートを積層してなるインレイにおいて、
    少なくともインレイの一方の面がマット加工されたマット面であり、
    基材とアンテナとICチップと樹脂シートを含めた総厚が400μm以下であることを特徴とする非接触型情報媒体用インレイ。
  2. 前記樹脂シートが熱変形温度100℃以上の熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の非接触型情報媒体用インレイ。
  3. 前記マット面が、算術平均粗さRaが1μm〜10μm、且つ十点平均粗さRzが5μm〜60μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の非接触型情報媒体用インレイ。
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