JP2017027543A - 非接触型情報媒体用インレイ - Google Patents
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Abstract
Description
また樹脂シートとして、ポリカーボネートなどの熱変形温度が100℃以上のエンジニ
アリングプラスチックを樹脂シートとして使用した場合、ラミネート時の温度、圧力を高め、長時間の処理が必要となるため、ICモジュールやICチップが損傷を受け易かった。そのため、厚みが400μm以下の薄いインレイをラミネート加工することは困難であった。
しかしながら、課題が非接触型情報媒体の外部からアンテナが視認できないようにするものであり、インレイがブロッキングを起こさないようにする事が課題ではない。また構成としてインレットをサンドイッチする樹脂シートとして、多孔質熱可塑性樹脂シートに限定していることが特徴である。
しかしながら、特許文献1と同様に、課題が非接触情報媒体の外部からアンテナを視認できないようにすることであり、そのために非接触型情報媒体の最表面をマット加工する構成であり、インレイがブロッキングを起こすことを防止する技術ではない。
少なくともインレイの一方の面がマット加工されたマット面であり、
基材とアンテナとICチップと樹脂シートを含めた総厚が400μm以下であることを特徴とする非接触型情報媒体用インレイである。
・非接触型情報媒体用インレイの表面にマット加工を施すことで、それを重ねた状態でのブロッキングを抑止することが可能となる。
・インレイを重ねた際の密着面積を小さくできるため、後加工時にピックアップする際に静電気の発生を抑止することができる。
・エンジニアリングプラスチックのような比較的耐熱性が高く、ラミネート時にICモジュールに負荷のかかりやすい熱可塑性樹脂シートを用いても性能を損なうことなく、ラミネートが可能である。
・カードやデータページの後加工においても密着性が高くなるという効果がある。
などの効果を奏する。
図1は、本発明のインレイ1の一例を示す概略平面図である。インレイ1は、複数のインレット3を備えている。図2(b)に一例を示したように、インレット3は、基材7上にアンテナ6とICチップ(またはICモジュール)2を備えている。図2(b)は1つのアンテナ6と1つのICチップ2からなるインレイ10を示している。インレット3の表裏面に樹脂シート4A、4Bを熱圧着することによって、インレイ10が作製される。
ICチップ(またはICモジュール)2は、非接触通信を行うための電子部品である。その構成としては、ICメーカーから供給されるトランスファーモールド品の他、基材7
にICチップ2を実装したCOB(Chip On Boad)モジュールなどがある。
COBモジュールは、メーカーが独自に基材上にICチップを実装したモジュールの総称である。
基材7としては、硬質のリジッド基板または軟質のFPC基板を用いることができる。前者の場合はFR4などのガラス繊維材質やセラミック、後者の場合はPI(ポリイミド)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)などの樹脂フィルムが一般的である。ただし、基材7の誘電率は、キャパシタンス値の決定に関わるパラメータであるため、厚みや導電パターンも含めて適切な材料を選定する。
また基材7の厚みは、カード化・タグ化を考慮すると、50μm〜200μm程度が加工工程で扱い易い。
基材7上に形成する導電パターンは、銅箔の打ち抜きやエッチングによるパターニング、メッキ、印刷などの方法で形成することができる。
導電パターンとしては、一般的に100μm程度までの厚みが良く使用される。例えば、基材7の両面にその程度の厚さの銅箔を接着した後、感光性レジスト層を形成し、露光・現像・エッチング工程を経て、基材7上に導電パターンを得ることができる。
基材7へのICチップ2の搭載は、ウェハからICチップ2に個片化するまでの工程と、ICチップを搭載または実装するまでの工程を分けて説明する。
個片化されたICチップ2を基材7に搭載する方法としては、ICチップ2の回路面側を基材7側に向けるフェイスダウン方式と、その逆のフェイスアップ方式がある。フェイスダウン方式の典型的な実装方法としては、ICチップ2のバンプを直接、基材7の導電パターンと導通させるフリップチップ実装方式が用いられ、異方性導電材料であるACP
(Anisotropic Conductive Paste)やACF(Anisotropic Conductive Film)による接合、ICチップ2側のバンプ金属と基材7側の導電パターンの金属を直接的に金属接合させる方法が一般的に実施されている。
このフェイスダウン方式の利点としては、ICチップ2を基材7に接合させるため、モジュール厚みを抑えることができる点である。その分強度は下がるが、その場合は樹脂のポッティングなどによって強度を補う。
以上に説明した方法で、ICモジュールを得ることができる。
次にコイルアンテナ6について説明する。
コイルアンテナ6としては、自己融着被覆を有する金属線を、所望の中空形状にて複数回巻いた中空巻線アンテナまたは自己融着部を融かしながら樹脂シートにコイルを形成して行く描画巻線アンテナ、フィルム上にコイルを形成するエッチングアンテナがある。
コイルアンテナ6とICチップ2やICモジュールの接合は、抵抗溶接、超音波溶接、ハンダ接合、銀ペースト等により実施されるのが一般的である。例えば、抵抗溶接ではタングステン等の高抵抗チップに数kA程度の大電流を通電することで、高抵抗チップのみが発熱して高温になり、銅線被覆を溶融、気化させることで剥き出しになった銅線と基材7上の導電パターンとを合金化して金属接合を行うことができる。
樹脂シート4A、4Bとしては、熱変形温度が100℃以上の熱可塑性樹脂シートを使用することが望ましい。具体的には、PC(ポリカーボネート)、ABS樹脂、POM(ポリアセタール)、PMMA(ポリメタクリル酸樹脂)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のエンジニアリングプラスチックなどを用いることができる。
本発明の特徴は、上記のようにして作製したインレイ10の少なくとも一方の面が、マット処理されたマット面になっていることである。図2(b)は、表裏両面がマット面5A、5Bになっている場合を示している。
写されることによって、樹脂シート4A、4Bのマット処理がなされる。マットフィルムの種類としては、ガラスクロスにフッ素樹脂を含侵させたフッ素樹脂シート、パーチメント紙やグラシン紙などの特殊パルプ紙の表面にシリコン樹脂を塗布シリコン樹脂紙、200℃以上の耐熱性を有するポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルムなどが好適に使用できる。
<実施例1>
(インレットの製造)
まず、インレットの製造方法について説明する。インレットの基材として厚さ50μmのポリイミドフィルムに、厚さ18μmの銅箔を、接着剤層を使用しないで貼り合わせた東レ株式会社製の2層タイプの銅箔ポリイミドフィルムを使用した。
パターンを有するフォトマスクを使用して露光、現像工程を通して処理することによって、エッチングマスクとなるドライフィルムパターンを形成した。ここで、所望のアンテナパターンとして、通常のICカード用に使用される47mm×78mmの外形を持つアンテナパターンを使用した。
以上により、ポリイミドフィルム上に銅箔のアンテナパターンが形成された。次に、このアンテナパターンが多面付けされた状態から、個々のアンテナパターンに断裁することによって、ポリイミドフィルム上にアンテナパターンが形成された個片化したアンテナパターンが得られた。
具体的には、ICチップは、ICメーカーから非接触型情報媒体に使用するICチップが面付けされたウェハ状態で入手し、当初の厚さ0.7mmのウェハを、バックグラインド装置を用いて、裏面から研磨して厚さ0.1mmまでバックグラインド加工することによって薄くした後、ウェハの裏面に形成されたバックグラインド加工による傷や欠陥をプラズマエッチング処理により除去した。ウェハの厚さは、最終的に約0.09mmとなった。
このようにして作製した複数のインレットを、厚さ125μmのポリカーボネート製の熱可塑性樹脂シート上に、等間隔に配置した後、もう一枚の同じ仕様の熱可塑性樹脂シートをその上に載せてから、更にその上にマットフィルムを重ねた。この状態で熱プレスを行うことによって本発明のインレイを作製した。熱プレスは熱プレス装置を用いて、250℃、10分間保持し、その後、熱プレス装置から取り出して放冷することにより実施した。
次に、比較例について説明する。
実施例1と異なるのは、インレイを製造する際の熱プレスを行う時に、マットフィルムを挿入せずに、非接触型情報媒体の作製を行ったことであって、他は実施例1と同様にして作製した。
実施例1と比較例にて作製したインレイを、それぞれ10枚積み重ねた上から1Kgのおもりを載せ、環境試験機の中で、85℃、85RH%、240時間の処理を行ってから、ブロッキング状態と通信機能の評価を行った。
その結果、実施例1で作製したサンプルについては、何ら貼り付きや密着は見られず、
ブロッキングは発生していなかった。またインレイの表面状態も良好であった。また通信機能についても問題は見られず、全て良好であった。
一方、比較例にて作製したサンプルについては、強い貼り付きは見られなかったものの、インレイ同士の密着が見られた。それを引き剥す際にICチップとアンテナの接合部にダメージを与えることが心配された。更に静電気の発生の虞もあった。これらのサンプルの通信機能の評価結果については、調べた20サンプルのうち、6サンプルについて不良が認められた。
2・・・ICチップ
3・・・インレット
4A、4B・・・樹脂シート
5A、5B・・・マット面
6・・・アンテナ(またはコイルアンテナ)
7・・・基材
Claims (3)
- 基材上にアンテナとそれに接続されたICチップとを備えたインレットを、樹脂シート上に複数配置し、その上から樹脂シートを積層してなるインレイにおいて、
少なくともインレイの一方の面がマット加工されたマット面であり、
基材とアンテナとICチップと樹脂シートを含めた総厚が400μm以下であることを特徴とする非接触型情報媒体用インレイ。 - 前記樹脂シートが熱変形温度100℃以上の熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の非接触型情報媒体用インレイ。
- 前記マット面が、算術平均粗さRaが1μm〜10μm、且つ十点平均粗さRzが5μm〜60μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の非接触型情報媒体用インレイ。
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JP2015148452A JP2017027543A (ja) | 2015-07-28 | 2015-07-28 | 非接触型情報媒体用インレイ |
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JP2015148452A Pending JP2017027543A (ja) | 2015-07-28 | 2015-07-28 | 非接触型情報媒体用インレイ |
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JP2007305279A (ja) * | 2006-05-10 | 2007-11-22 | Taiyo Yuden Co Ltd | 光記録ディスク及びその製造方法並びにその製造に用いる金型 |
JP2008071244A (ja) * | 2006-09-15 | 2008-03-27 | Toppan Printing Co Ltd | Icカード及びicカードの製造方法 |
JP2011081693A (ja) * | 2009-10-09 | 2011-04-21 | Toppan Printing Co Ltd | 非接触型情報媒体とその製造方法および非接触型情報媒体付属冊子 |
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- 2015-07-28 JP JP2015148452A patent/JP2017027543A/ja active Pending
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