JP2017025973A - 検査口付きガス栓の流路構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】検査口付きのガス栓であって、設置環境に応じてガス栓本体における検査口の形成位置を変更できるようにし、操作つまみによる通常の使用時の開閉操作域では、ガス流路と検査口とは連通しないようにする。
【解決手段】操作つまみを、全閉状態から全開状態まで回動させるとき、せん2の通過孔20がガス流路10の上流側に連通するより先に、検査口12がせんの摺動部21で閉塞され、全開状態から全閉状態まで回動させるとき、検査口12がせん2の通過孔20に連通するより先に、ガス流路10の上流側がせん2の摺動部21で閉塞され、操作つまみを上記開閉操作域を超えて回動させると、通過孔20の一方の開放端201は、検査口12と検査口12に近い側のガス流路10に同時に連通し、他方の開放端202は検査口12に遠い側のガス流路に連通する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ガス栓の流路構造、特に、ガス圧検圧用の検査口が具備された検査口付きガス栓の流路構造に関する。
検査口付きガス栓として、図5に示すように、両端にガス配管接続部(33)(34)が設けられた直線状のガス流路(30)の中央に、せん(4)を回動自在に収容可能なせん収容部(32)が設けられると共に、ガス圧検査用の検査口(31)がせん収容部(32)に連通するように突設された構成の、所謂、中間コックタイプのガス栓本体(3)が、特許第3047218号公報に開示されている。
このものでは、せん収容部(32)に収容させるせん(4)には、ガス流路(30)に連通する直線状の通過孔(40)が貫通していると共に、これに直角に連通し且つ検査口(31)に開放する検圧用の補助孔(41)が開削されており、通過孔(40)と補助孔(41)とでT字型の流路構造が形成されている。
なお、図5の(A)は、この種のガス栓本体(3)の平面図であり、(B)〜(D)は、(A)に示した向きのガス栓本体(3)に対してせん(4)を回動させた状態を示す概略説明図である。
通常の使用時には、検査口(31)はガス圧が加わらない構造となっていると共に、ネジ栓(35)によって閉塞されているから、ガス漏れが生じることはない。
パージ又は検圧時には、ネジ栓(35)を外した検査口(31)に検圧器具のゴム管を接続し、ガス流路(30)と検査口(31)とが通過孔(40)及び補助孔(41)を介して連通されるように、せん(4)をせん収容部(32)内にて所定角度回動させれば、ガス流路(30)の検圧が可能となる。
図5の(A)及び(B)は、ガス栓本体(3)のガス流路(30)をせん(4)で閉塞させたガス栓の全閉状態を示しており、せん(4)に形成されている通過孔(40)は、ガス栓本体(3)のガス流路(30)に開放していない。
この全閉状態から、ガス栓本体(3)の上方に設けられている操作つまみ(42)を下方へ押し下げながら反時計回りに90度回動させると、せん(4)は、せん収容部(32)内にて操作つまみ(42)と同方向に回動し、同図の(C)に示すように、ガス流路(30)にせん(4)の通過孔(40)が連通するガス流路(30)の全開状態となる。このとき、補助孔(41)は検査口(31)と逆方向に位置するため、検査口(31)にガスが流れることはない。
そして、同図(C)の状態から、操作つまみ(42)を時計回りに90度回動させると、前述の(B)に示すガス栓の全閉状態に戻る。
なお、せん(4)を時計回り又は反時計回りに90度回動させた時点で、それ以上の回動が阻止されるように、ロック機構(図示せず)が設けられており、通常の使用時においては、せん(4)は、どちらの方向にも90度以上回動させられることはない。
そして、パージ又は検圧を行う場合には、上記同図の(B)に示す全閉状態にて、検査口(31)のネジ栓(35)を外して、検査口(31)に検圧器具のゴム管を接続する。
その後、ロック機構を解除して、せん(4)を、(B)の状態から時計回りに90度回動させて、検圧口(31)に補助孔(41)が一致する(D)の状態にする。これにより、検査口付きガス栓の上流側と下流側とを連通させた状態でのパージ又は検圧が可能となる。
特許3047218号公報
ところが、この従来のものでは、ガス栓本体(3)における検査口(31)の形成位置と、せん(4)における通過孔(40)と補助孔(41)との形成位置との関係、及び、通常の使用時及びパージ又は検圧時における操作つまみ(42)及びせん(4)の回動方向との関係から、検査口(31)を、(A)の状態の反対方向(図面では左側)に突設させることができず、ガス栓の設置場所が制限されてしまうという問題がある。
また、このものでは、(B)に示す全閉状態において、検査口(31)は、せん(4)の通過孔(40)及び補助孔(41)を介してガス流路(30)の下流側と連通する態様となっているから、万一、ネジ栓(35)が緩んだり、不用意に外れたりした場合、検査孔(31)を通じて、雨水や塵埃等の異物がガス流路(30)内に浸入するおそれがある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、『上流側及び下流側に開放するガス流路と、ガス流路を開閉するせんが回動自在に収容されるせん収容部と、せん収容部に連通し且つガス圧検査具が接続される検査口とを有するガス栓本体に、前記せんを回動操作する操作つまみが回動可能に装着され、前記操作つまみの回動範囲は、ガス流路の通常の使用時の開閉操作域に規制されている検査口付きガス栓の流路構造』において、設置環境に応じてガス栓本体における検査口の形成位置を変更できるようにすると共に、操作つまみによる通常の使用時の開閉操作域では、ガス流路と検査口とは連通しないようにすることを課題とする。
上記課題を解決するための本発明の技術的手段は、『せんは、ガス流路を閉塞する摺動部と、直線状に貫通して摺動部の両側方に開放する通過孔を備え、
検査口は、通過孔がガス流路に対して直角に位置するガス流路の全閉状態における前記通過孔の中心線からガス流路の上流側又は下流側へ前記中心線に平行に偏移させた位置に設けられ、
操作つまみの通常の使用時の開閉操作域にて、せんを、全閉状態から、通過孔がガス流路と同軸となるガス流路の全開状態まで回動させるとき、せんの通過孔がガス流路の上流側に連通するより先に、検査口がせんの摺動部で閉塞され、前記全開状態から全閉状態までせんを回動させるとき、検査口がせんの通過孔に連通するより先に、ガス流路の上流側がせんの摺動部で閉塞されるように設定されており、
規制を解除して操作つまみを前記開閉操作域を超えて回動させたとき、通過孔の一方の開放端は、検査口と検査口に近い側のガス流路に同時に連通し、他方の開放端は検査口に遠い側のガス流路に連通する』ことである。
上記技術的手段は次のように作用する。
せんの通過孔をガス栓本体のガス流路に対して直角に位置させたガス栓の全閉状態にて、ガス流路はせんの摺動部で閉塞されているから、検査口とガス流路は連通することはない。
せんの通過孔をガス流路に対して同軸に位置させたガス栓の全開状態にて、ガス流路は通過孔を介して上流側から下流側まで連通するが、検査口はせんの摺動部で閉塞された状態となっている。
通常の使用時においては、操作つまみの開閉操作域は、前記全閉状態と前記全開状態との間の一定範囲のみに規制されており、操作つまみを全閉状態から全開状態まで回動させても、全開状態から全閉状態まで回動させても、ガス流路と検査口とは、せんの通過孔を介して連通することがない。
そして、前記規制を解除して、操作つまみを、上記した通常の使用時の回動範囲を超えて回動させれば、検査口とガス流路とせんの通過孔とを同時に連通するように設定されている。
上記検査口付きガス栓の流路構造において、『前記操作つまみの回動は、ロック手段によって、通常の使用時の開閉操作域に規制されており、
前記ロック手段を解除することにより、操作つまみは、前記開閉操作域を超えて、検査・パージ域へ回動可能となり、
この検査・パージ域にて、通過孔の一方の開放端がガス流路の上下流端の一方と検査口とに同時に開放し、他方の開放端がガス流路の上下流端の他方に開放するように設定されている』ものが望ましい。
ロック手段としては、前記開閉操作域を超えて操作つまみが回動するのを阻止するものであればよく、必要に応じて容易に解除できるものが採用可能である。ロック手段を解除すれば、せんを検査・パージ域へ回動させることができ、検査口に検査具を装着させて、ガス栓本体のガス流路と検査口とせんの通過孔とを全て連通させて検圧やパージを実施することができる。
上記検査口付きガス栓の流路構造において、『前記通過孔の口径はガス流路の口径に略一致させ、
前記検査口は、全閉状態における通過孔の一方の開放端の上流側又は下流側に位置する端縁近傍に連通するように設けられている』ものが望ましい。
このものでは、前記通過孔の口径をガス流路の口径に略一致する大きさに設定しておくことで、通過孔の一方の開放端で、ガス流路と検査口の両方に通過孔を同時に連通させることができる。また、検査口が、例えば、全閉状態におけるせんの通過孔の一方の開放端の上流側に位置する端縁近傍に連通している場合では、前記全閉状態にある操作つまみを反時計回りに回動させることにより、前記端縁に連続する摺動部で検査口を閉塞することができる。
上記検査口付きガス栓の流路構造において、『前記検査口は、ガス流路の上流側から見てせん収容部の右側面に突設させる場合は、ガス流路の上流側寄りに設ける構成とし、ガス流路の上流側から見てせん収容部の左側面に突設させる場合は、ガス流路の下流側寄りに設ける構成とした』ものでは、通常の使用時の開閉操作域では、検査口とガス流路を連通させることなく、全閉状態から操作つまみを反時計回りに90度回動させて全開状態にすることができ、全開状態から操作つまみを時計回りに90度回動させて全閉状態にすることができる。
上記検査口付きガス栓の流路構造において、『前記検査口は、ネジ栓によって取り外し可能に閉栓されている』ものが望ましい。
通常の使用時においては、検査口はネジ栓によって閉塞されており、パージ又は検圧時には、ネジ栓を取り外して、検査口に検圧具を接続させれば良い。
通常の使用時では、ガス栓の全開状態においても、全閉状態においても、さらには、操作つまみを全閉状態から全開状態への開方向へ回動させる際、さらには、その逆の閉方向へ回動させる際にも、検査口とガス流路とを連通させない構成としたから、検査口にガス圧がかかることがなく、安全性が高いものとなる。また、万一、検査口に雨水やゴミや塵埃等が入り込むことがあっても、それら異物が、通過孔を介して、ガス栓の下流側のガス流路に侵入する不都合も防止することができる。特に、検査口をネジ栓で閉塞させておけば、これら異物のガス流路への侵入を確実に防止することができる。
また、せんには、直線状の通過孔を一つ貫通させるだけであり、従来のもののように、通過孔に加えて検査口用の補助孔を形成する必要がないから、せんの加工工程を簡略化することができ、せんの製造が容易で安価となる。
さらに、検査口は、ガス栓本体のせん収容部の左右両側面のどちらに設けても上記作用効果を発揮させることができるから、検査口を、ガス栓本体の右側に設けたガス栓として使用することも、又は、左側に設けたガス栓として使用することも可能であり、ガス栓回りの環境に応じて使い分けることができる。このように、検査口の形成位置が制限されることがないから、使い勝手の良いガス栓を提供することができる。
本発明の第1番目の実施の形態の検査口付きガス栓の分解斜視図である。 本発明の第1番目の実施の形態の検査口付きガス栓の流路構造に採用される係止板の説明図である。 本発明の第1番目の実施の形態の検査口付きガス栓の流路構造のガス流路と検査口とせんの通過孔との関係を示す断面図であり、(A)は通常の使用時の全閉状態、(B)は全閉状態から全開状態へ回動させる途中の状態、(C)は全開状態、(D)はパージ又は検圧時の状態を示している。 本発明の第2番目の実施の形態の検査口付きガス栓の流路構造のガス流路と検査口とせんの通過孔との関係を示す断面図であり、(A)は全閉状態、(B)は全閉状態から全開状態へ回動させる途中の状態、(C)は全開状態、(D)はパージ又は検圧時の状態を示している。 (A)は従来のガス栓の平面図であり、(B)は通常の使用時の全閉状態、(C)は全開状態、(D)はパージ又は検圧時の状態を示している。
以下、本発明を実施するための形態について、図面に従って詳述する。
この実施の形態の検査口付きガス栓は、図1に示すように、両端にガス管接続用ネジ部(1a)(1b)を具備する、所謂、中間コックであり、上流側のガス管接続用ネジ部(1a)から下流側のガス管接続用ネジ部(1b)まで直線状のガス流路(10)が形成されている。
ガス流路(10)の中央部には、せん(2)を回動自在に収容させるせん収容部(11)が設けられており、せん収容部(11)の胴部のうち、上流側のガス管接続用ネジ部(1a)側から見て右側面で且つ上流側寄りに、ネジ筒からなる検圧口(12)を、ガス流路(10)に対して直角に位置するように突設させている。
なお、検圧口(12)の不使用時には、その開放端にネジ栓(13)を螺合させて閉塞させている。
ネジ栓(13)は頭部から検査口(12)に螺合されるネジ軸を連続させた形状であり、ネジ軸の基端部には、図示しないが、環状のパッキンを外嵌させてあり、ネジ栓(13)のネジ軸を検圧口(12)に螺合させると頭部と検圧口(12)の端面との間にパッキンが挟圧されてシールされる。
せん収容部(11)の上方には、筒部(1c)が連設されており、この筒部の開放端から所定深さの内周面に環状の係合溝(14)が形成されており、この係合溝(14)の一つの直径線上に、一定幅の一対の嵌合部(15)(15)が係合溝(14)よりも深く形成されている。
一方の嵌合部(15)から90度の範囲にわたって筒部(1c)が係合溝(14)の上方にて切り欠かれて、切欠域(16)が形成されている。
せん(2)は、せん収容部(11)の内面形状に対応するテーパ形状の摺動部(21)を有すると共に、摺動部(21)を直線状に貫通するように、ガス流路(10)の口径に略一致する口径の通過孔(20)が形成されている。せん(2)の上端には、角軸部(23)を有する操作軸(22)が突設されていると共に、角軸部(23)がクラッチ板(5)に対してすすみ対偶状態にかみ合って、クラッチ板(5)はせん(2)と一体回動可能となっている。
クラッチ板(5)を構成している円盤部(51)の上端には、対向する両面が平行に切り欠かれた平行面部を有するカット軸(52)が突設されており、円盤部(51)には、前記平行面部の一方の面に対して直角方向に開放するように切欠部(50)が形成されている。また、切欠部(50)から所定角度離れた円盤部(51)の上面にはピン(55)が突設されている。
また、クラッチ板(5)の下方には、せん(2)の操作軸(20)に外嵌するストッパリング(53)が配設されており、このストッパリング(53)に具備させた直立片(54)がクラッチ板(5)の切欠部(50)に嵌入し、上方へ突出するように設けられている。なお、円盤部(51)の上面にて、直立片(54)よりもピン(55)の方が高く突出している。
なお、ストッパリング(53)とせん(2)の上端面との間にはバネ(24)が介装されている。
クラッチ板(5)の円盤部(51)の上面には、係止板(6)が載置される。係止板(6)は、図1及び図2に示すように、環状主体部から一対の突出舌片(60)(60)がその直径線上の外方に突出する形状を呈しており、中央の開口は、異なる径を有する3種類の第1〜第3円弧(61)(62)(63)から構成されている。
この形式の検査口付きガス栓では、せん(2)をガス栓本体(1)のせん収容部(11)に収容し、その上方からバネ(24)を操作軸(22)に外嵌させ、この上方に、ストッパリング(53)及びクラッチ板(5)を装着すると共に、クラッチ板(5)の円盤部(51)の上面に係止板(6)を載置させる。その後、これらを下方へ押し込んで、係止板(6)の突出舌片(60)(60)をガス栓本体(1)の筒部(1c)に設けた嵌合部(15)(15)に嵌合させ、係合溝(14)にC型係止リング(25)を装着させると、これらの部品が、ガス栓本体(1)内に抜止め状態に装着される。この状態にて、クラッチ板(5)及びストッパリング(53)はバネ(24)によって上昇方向に付勢されると共に、ガス栓本体(1)の筒部(1c)に回り止め状態で固定される係止板(6)の第1円弧部(61)に、クラッチ板(5)の切欠部(50)から上方に突出するストッパリング(53)の直立片(54)が突出し、第2円弧部(62)内に、ピン(55)が突出する態様となる。
そして、クラッチ板(5)のカット軸(52)に、操作つまみ(7)を相対回動阻止状態に嵌合させて固定する。なお、操作つまみ(7)の上面に直線状に隆起させたつまみ部(71)の長手方向は、せん(2)の通過孔(20)の流路に一致するように設定されている。
操作つまみ(7)には、L字状の可動爪(70)が外側に付勢された状態で内蔵されており、操作つまみ(7)をガス栓本体(1)に組み付けたとき、可動爪(70)は、筒部(1c)の切欠域(16)内を移動可能となっている。
図3の(A)に示す、ガス流路(10)の全閉状態では、可動爪(70)は切欠域(16)の一方の側壁(17)に当接する位置にあり、操作つまみ(7)は、これ以上時計回りに回動させることはできない。なお、この状態において、クラッチ板(5)の切欠部(50)に嵌め込まれているストッパリング(53)の直立片(54)が、図2に示すように、筒部(1c)内に固定されている係止板(6)の第1円弧(61)の一方端縁(64)に反時計方向に当接した状態となっているため、操作つまみ(7)は反時計回りにも回動させることができない。
そこで、操作つまみ(7)を、クラッチ板(5)とストッパリング(53)と共に一定ストローク押し込んで、直立片(54)と係止板(6)の一方端縁(64)との係合を解除させる。これで、操作つまみ(7)を反時計方向に回動させることができ、操作つまみ(7)を90度反時計回りに回動させて、可動爪(70)が筒部(1c)の他方の側壁(18)に当接すると同時に、ピン(55)が、係止板(6)の第2円弧(62)の端縁(65)に当接した状態が、図3の(C)に示すガス流路(10)の全開状態であり、操作つまみ(7)はこれ以上を回動させることができない。
すなわち、この実施の形態では、反時計回りが、ガス流路(10)を全閉状態から全開状態とする際のせん(2)の回動方向であり、時計回りが、ガス流路(10)を全開状態から全閉状態とする際のせん(2)の回動方向である。
すなわち、通常の使用時において、操作つまみ(7)は、筒部(1c)の切欠域(16)に相当する90度の範囲内で回動可能となっており、可動爪(70)と両側壁(17)(18)との関係及びストッパリング(53)の直立片(54)と係止板(6)の一方端縁(64)との関係が、操作つまみ(7)の回動範囲を規制するロック手段として機能している。
なお、検圧又はパージを行う際には、上記全閉状態にて、可動爪(70)を操作つまみ(7)の奥へ強制的に押し込んで、可動爪(70)と筒部(1c)の一方の端縁(17)との当接を解除させる。すると、操作つまみ(7)は、全閉状態からさらに時計方向に回動させることができ、図2に示すように、ピン(55)が係止板(6)の第1円弧(61)の他方端縁(66)に当接した時点でそれ以上の回動は阻止される。この状態が、図3の(D)に示す検圧・パージ状態である。
次に、せん(2)の全閉状態、全閉状態から全開状態への回動時、全開状態、さらには、検圧・パージ状態における流路構造について説明する。
全閉状態とは、図3の(A)のように、せん(2)の通過孔(20)がガス栓本体(1)のガス流路(10)に対して直角に位置する状態であり、ガス流路(10)はせん(2)の摺動面(21)で閉塞されて、ガスの流れは遮断されている。なお、この全閉状態においては、通過孔(20)の一方の開放端(201)の一部分が検査口(12)と連通している。
この状態から、操作つまみ(7)を上記した要領にて反時計方向に回動させると、せん(2)も同方向に回動させることができ、せん(2)を全開状態とすることができる。
図3の(A)の全閉状態にて、通過孔(20)のうち検査口(12)側に開放する一方の開放端(201)の最も上流側に位置する端縁(20a)から、せん収容部(11)に開放する検査口(12)の開放端のうち、最も下流側に位置する端縁(12a)に至る円弧の長さを、通過孔(20)の他方の開放端(202)の最も上流側に位置する端縁(20b)から、せん収容部(11)の上流側に開放するガス流路(10)の開放端縁のうち検査口(12)から遠い位置にある端縁(10a)に至る円弧の長さよりも短く設定されている。これにより、図3の(A)に示す全閉状態から、操作つまみ(7)を、上記した要領で、せん(2)と共に反時計方向に回動させると、図3の(B)に示すように、通過孔(20)の他方の開放端(202)の端縁(20b)が、ガス流路(10)の端縁(10a)に到達するよりも先に、一方の開放端(201)の端縁(20a)が検査口(12)の下流側の端縁(12a)に到達することとなり、検査口(12)は一方の開放端(201)の端縁(20a)に続く摺動部(21)によって閉塞されることとなる。よって、せん収容部(11)の上流側のガス流路(10)と検査口(12)とが通過孔(20)を介して連通することはない。
この状態を維持しながら、操作つまみ(7)を90度回動させれば、図3の(C)に示す全開状態とすることができる。
また、同図(C)の全開状態にて、通過孔(20)の前記端縁(20b)がガス流路(10)の前記端縁(10a)に至る円弧の長さを、通過孔(20)の前記端縁(20a)が検査口(12)の前記端縁(12a)に至る円弧の長さよりも短く設定されている。これにより、通過孔(20)の前記端縁(20a)が検査口(12)の前記端縁(12a)を超えて検査口(12)が通過孔(20)に連通するより先に、ガス流路(10)は通過孔(20)の前記端縁(20b)に続く摺動部(21)によって閉塞されることとなるから、せん収容部(11)の上流側のガス流路(10)と検査口(12)とは通過孔(20)を介して連通することがない。
このように、通常の使用時の操作つまみ(7)の開閉操作域においては、せん(2)を時計方向及び反時計方向にそれぞれ90度回動させる際には、検査口(12)はガス流路(10)と連通することがない。
パージ又は検圧時には、検査口(12)からネジ栓(13)を取り外し、検査口(12)の開放端に検圧器具のゴム管を接続する。
そして、操作つまみ(7)の可動爪(70)と一方の側壁(17)によるロック手段を上記した要領で解除し、操作つまみ(7)を、図3の(A)の状態から、さらに時計方向に回動させる。約45度回動させると、図2に示すように、クラッチ板(5)に設けたピン(55)が、第1円弧(61)の他方端縁(66)に当接することとなり、この時点で操作つまみ(7)の回動は阻止される。この状態にて、せん(2)は、図3の(D)の状態となっており、せん(2)の通過孔(20)の一方の開放端(201)は、せん収容部(11)より上流側のガス流路(10)と検査口(12)に同時に開放し、他方の開放端(202)は、せん収容部(11)より下流側のガス流路(10)に開放する。
このように、ガス栓本体(1)のガス流路(10)と検査口(12)とせん(2)とがすべて連通させることができ、検圧・パージ状態とすることができる。
図4に示すものは、ガス栓本体(1)の他の実施例を示す断面図であり、検査口(12)を、せん収容部(11)の左側面であって、ガス流路(10)の下流側寄りに設けたものである。
この実施の形態の場合も、通常の使用時においては、せん(2)は、同図の(A)に示す全閉状態から、反時計回りに回動させることにより、同図の(C)に示す全開状態とすることができる。
この実施の形態では、図4の(A)に示す全閉状態にて、通過孔(20)の他方の開放端(202)の一部分が検査口(12)と連通しており、前記他方の開放端(202)の最も下流側に位置する端縁(20c)から、せん収容部(11)に開放する検査口(12)の開放端のうち、最も上流側に位置する端縁(12b)に至る円弧の長さを、通過孔(20)の他方の開放端(202)の最も上流側に位置する端縁(20b)から、せん収容部(11)の上流側に開放するガス流路(10)の開放端縁のうち検査口(12)から近い位置にある端縁(10a)に至る円弧の長さよりも短く設定されている。これにより、図4の(A)に示す全閉状態から、操作つまみ(7)を、上記した要領で、せん(2)と共に反時計回りに回動させたとき、図4の(B)に示すように、通過孔(20)の他方の開放端(202)の前記端縁(20b)が、ガス流路(10)の端縁(10a)に到達するよりも先に、他方の開放端(202)の端縁(20c)が検査口(12)の上流側の端縁(12b)に到達し、検査口(12)は他方の開放端(202)の前記端縁(20c)に連続する摺動部(21)によって閉塞される。
また、同図(C)の全開状態にて、通過孔(20)の前記端縁(20b)からガス流路(10)の前記端縁(10a)までの円弧の長さを、通過孔(20)の前記端縁(20c)が検査口(12)の前記端縁(12b)に至る円弧の長さよりも短く設定されていることにより、検査口(12)が通過孔(20)に連通するより先に、ガス流路(10)が閉塞されるから、せん収容部(11)の上流側のガス流路(10)と検査口(12)とは通過孔(20)を介して連通することがない。
このように、検査口(12)をせん収容部(11)の左側面に設ける構成としても、通常の使用時において、操作つまみ(7)を時計方向及び反時計方向にそれぞれ90度回動させることにより、ガス流路(10)を開閉でき、その開閉域において、検査口(12)はガス流路(10)と連通することがない。
パージ又は検圧時には、ロック手段を解除し、操作つまみ(7)を、図4の(A)の状態から、さらに時計方向に回動させて、図3の(D)の状態とする。この状態にて、せん(2)の通過孔(20)の一方の開放端(201)は、せん収容部(11)より上流側のガス流路(10)に連通し、他方の開放端(202)は、せん収容部(11)より下流側のガス流路(10)と検査口(12)に同時に開放させて、検圧・パージ状態とすることができる。
上記したように、検査口(12)をガス栓本体(1)の右側面に設ける構成としても、左側面に設ける構成としても、通常の使用時の開閉操作域においては、操作つまみ(7)を反時計回りに回動させることにより、せん(2)を全閉状態から全開状態に回動させることができ、時計回りに回動させることにより、せん(2)を全開状態から全閉状態に回動させることができ、この通常の使用時の回動域においては検査口(12)とガス流路(10)とは連通することのない、使い勝手の良いガス栓を提供することができる。また、ロック手段を解除させることにより、パージ・検査域にも回動させて、検査口(12)をガス流路(10)に連通させることができる。
上記せん(2)には、通過孔(20)を一つ貫通させているだけであるから、図5に示す従来のせんに比べて製造工程を簡略化することができる。
なお、パージ・検査域へのロック手段の解除については、係止板(6)の第1〜第3円弧(61)(62)(63)の位置を変更することにより、全開状態でロックを解除し、つまみを反時計方向に回動する構造としてもよい。
(1) ・・・・・・・・ガス栓本体
(10)・・・・・・・・ガス流路
(11)・・・・・・・・せん収容部
(12)・・・・・・・・検査口
(2) ・・・・・・・・せん
(20)・・・・・・・・通過孔
(21)・・・・・・・・摺動部
(7) ・・・・・・・・操作つまみ

Claims (5)

  1. 上流側及び下流側に開放するガス流路と、ガス流路を開閉するせんが回動自在に収容されるせん収容部と、せん収容部に連通し且つガス圧検査具が接続される検査口とを有するガス栓本体に、前記せんを回動操作する操作つまみが回動可能に装着され、前記操作つまみの回動範囲は、ガス流路の通常の使用時の開閉操作域に規制されている検査口付きガス栓の流路構造において、
    せんは、ガス流路を閉塞する摺動部と、直線状に貫通して摺動部の両側方に開放する通過孔を備え、
    検査口は、通過孔がガス流路に対して直角に位置するガス流路の全閉状態における前記通過孔の中心線からガス流路の上流側又は下流側へ前記中心線に平行に偏移させた位置に設けられ、
    操作つまみの通常の使用時の開閉操作域にて、せんを、全閉状態から、通過孔がガス流路と同軸となるガス流路の全開状態まで回動させるとき、せんの通過孔がガス流路の上流側に連通するより先に、検査口がせんの摺動部で閉塞され、前記全開状態から全閉状態までせんを回動させるとき、検査口がせんの通過孔に連通するより先に、ガス流路の上流側がせんの摺動部で閉塞されるように設定されており、
    規制を解除して操作つまみを前記開閉操作域を超えて回動させたとき、通過孔の一方の開放端は、検査口と検査口に近い側のガス流路に同時に連通し、他方の開放端は検査口に遠い側のガス流路に連通する検査口付きガス栓の流路構造。
  2. 請求項1に記載の検査口付きガス栓の流路構造において、
    前記操作つまみの回動は、ロック手段によって、通常の使用時の開閉操作域に規制されており、
    前記ロック手段を解除することにより、操作つまみは、前記開閉操作域を超えて、検査・パージ域へ回動可能となり、
    この検査・パージ域にて、通過孔の一方の開放端がガス流路の上下流端の一方と検査口とに同時に開放し、他方の開放端がガス流路の上下流端の他方に開放するように設定されている検査口付きガス栓の流路構造。
  3. 請求項1又は2に記載の検査口付きガス栓の流路構造において、
    前記通過孔の口径はガス流路の口径に略一致させ、
    前記検査口は、全閉状態における通過孔の一方の開放端の上流側又は下流側に位置する端縁近傍に連通するように設けられている検査口付きガス栓の流路構造。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の検査口付きガス栓の流路構造において、
    前記検査口は、ガス流路の上流側から見てせん収容部の右側面に突設させる場合は、ガス流路の上流側寄りに設ける構成とし、ガス流路の上流側から見てせん収容部の左側面に突設させる場合は、ガス流路の下流側寄りに設ける構成とした検査口付きガス栓の流路構造。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の検査口付きガス栓の流路構造において、前記検査口は、ネジ栓によって取り外し可能に閉栓されている検査口付きガス栓の流路構造。
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