JP2017025214A - ポリイミド樹脂および積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】低CHE及び高Etレートであり、CTEが向上したポリイミド樹脂の提供。
【解決手段】式(1)及び式(2)で表される構造単位を含有するポリイミド樹脂。
Figure 2017025214

(A及びAは酸無水物であり、各々の50mol%以上が式(i)で表される成分)
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば、回路基板の絶縁部材として有用な新規ポリイミド樹脂に関する。
高分子材料は、加工が容易、軽量等の特性から身の回りのさまざまな製品に用いられている。1955年に米国デュポン社で開発されたポリイミド樹脂は、耐熱性に優れることから開発が進められてきた。以後、多くの研究者によって詳細な検討がなされ、耐熱性、寸法安定性、絶縁特性といった性能が有機物の中でもトップクラスの性能を示すことが明らかとなり、例えば、電子部品の絶縁材料等への適用が進められている。
特許文献1には、金属箔およびポリイミド樹脂層を有する積層体が開示されている。また、ポリイミド樹脂層が、酸二無水物として無水ピロメリット酸を用い、ジアミンとして4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニルおよびビスアミノフェノキシベンゼンを用いたポリイミド樹脂を含有することが開示されている。さらに、積層体が、フレキシブルプリント配線板やHDD用サスペンションの製造に好適に用いられることが記載されている。
特許文献2には、導電性金属箔と、この導電性金属箔面に直接積層形成されたポリイミド樹脂層とを備えるポリイミド金属箔複合フィルムが開示されている。また、ポリイミド樹脂層が、酸二無水物として無水ピロメリット酸を用い、ジアミンとしてm−トリジンおよび2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパンを用いたポリイミド樹脂を含有することが開示されている。さらに、ポリイミド金属箔複合フィルムが回路基板の材料であることが記載されている。
特許文献3には、導体上に塗工されて形成されたポリイミド系樹脂層を有する積層体が開示されている。また、ポリイミド系樹脂層が、ジアミンとして4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニルを用いたポリイミド樹脂を含有することが開示されている。さらに、積層体が、フレキシブルプリント配線板やHDD用サスペンション等に用いられることが記載されている。
特許第4544588号 特許第3523952号 特許第3759454号
酸二無水物として無水ピロメリット酸(PMDA)を用い、ジアミンとして4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニル(TBHG)を用いたポリイミド樹脂は、線湿度膨張係数(Coefficient of liner Humidity Expansion、CHE)が低く、アルカリ系エッチング液に対するエッチングレート(Etレート)が高いという性質を有する。
ポリイミド樹脂において、低CHEと高Etレートとは、トレードオフの関係にあることが多い。一般的には、CHEの低減には、水が吸着しにくい性質が求められるが、Etレートの向上には、水が吸着しやすい性質が求められるからである。PMDAおよびTBHGを用いたポリイミド樹脂は、低CHEおよび高Etレートを両立できる材料として有用である。
一方、PMDAおよびTBHGを用いたポリイミド樹脂は、線熱膨張係数(Coefficient of liner Ther mal Expansion、CTE)が低いという性質を有する。そのため、例えば、金属層上にポリイミド樹脂層を配置した場合に、金属層のCTEと、ポリイミド樹脂層のCTEとの差が大きくなり、積層体に反りが発生しやすい。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、低CHEおよび高Etレートの両立を図りつつ、CTEが向上した新規なポリイミド樹脂を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者らが鋭意研究を重ねたところ、特定のジアミンを特定の割合で添加することで、低CHEおよび高Etレートの両立を図りつつ、CTEが向上することを見い出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明においては、式(1)および式(2)で表される構造単位を含有し、上記式(1)で表される構造単位の割合が、高分子骨格を構成する全ての繰り返し単位に対して、60mol%以上84mol%以下の範囲内であり、上記式(2)で表される構造単位の割合が、上記高分子骨格を構成する全ての繰り返し単位に対して、16mol%以上35mol%以下の範囲内であることを特徴とするポリイミド樹脂を提供する。
Figure 2017025214
(式(1)において、Aは酸二無水物成分であり、Aの50mol%以上は式(i)で表される成分であり、RおよびRは、それぞれ独立に炭素数1以上4以下の炭化水素基であり、式(2)において、Aは酸二無水物成分であり、Aの50mol%以上は式(i)で表される成分である)
本発明によれば、式(1)および式(2)で表される構造単位を、所定の割合で含有するため、低CHEおよび高Etレートの両立を図りつつ、CTEが向上したポリイミド樹脂とすることができる。
上記発明においては、上記式(i)で表される成分の割合が、上記高分子骨格を構成する全ての酸二無水物成分に対して、80mol%以上であることが好ましい。
上記発明においては、ポリイミド樹脂が、式(3)で表される構造単位をさらに含有し、上記式(3)で表される構造単位の割合が、上記高分子骨格を構成する全ての繰り返し単位に対して、1mol%以上10mol%以下の範囲内であることが好ましい。
Figure 2017025214
(式(3)において、Aは酸二無水物成分であり、Aの50mol%以上は式(i)で表される成分である)
上記発明においては、上記ポリイミド樹脂が、ポリイミド樹脂を含有するポリイミド樹脂層と、上記ポリイミド樹脂層の少なくとも一方の表面に配置された金属層とを備える積層体の上記ポリイミド樹脂として用いられることが好ましい。
また、本発明においては、ポリイミド樹脂を含有するポリイミド樹脂層と、上記ポリイミド樹脂層の少なくとも一方の表面に配置された金属層とを備える積層体であって、上記ポリイミド樹脂が、上述したポリイミド樹脂であることを特徴とする積層体を提供する。
本発明によれば、上述したポリイミド樹脂を用いることで、熱および湿度による反りを抑制した積層体とすることができる。さらに、上述したポリイミド樹脂は、アルカリ系エッチング液に対するエッチングレートが高いため、ポリイミド樹脂層の加工が容易な積層体とすることができる。
上記発明においては、上記ポリイミド樹脂層の線熱膨張係数が、10ppm/℃以上30ppm/℃以下の範囲内であることが好ましい。
上記発明においては、上記ポリイミド樹脂層の線湿度膨張係数が、15ppm/%RH以下であることが好ましい。
上記発明においては、上記ポリイミド樹脂層のエッチングレートが、11μm/分以上であることが好ましい。
上記発明においては、上記金属層が、ステンレス鋼または銅であることが好ましい。
上記発明においては、上記積層体が、上記ポリイミド樹脂層の両面に上記金属層を備え、一方の上記金属層がステンレス鋼であり、他方の上記金属層が銅であることが好ましい。
上記発明においては、上記銅である上記金属層が、PVD法および湿式めっき法の少なくとも一方によって形成されていることが好ましい。
上記発明においては、上記銅である上記金属層が、上記ポリイミド樹脂層側から、PVD法および電解めっき法によって形成されていることが好ましい。
上記発明においては、上記積層体が、パターン状の上記金属層を備える回路基板であることが好ましい。
上記発明においては、上記回路基板が、HDD用サスペンション基板であることが好ましい。
本発明のポリイミド樹脂は、低CHEおよび高Etレートの両立を図りつつ、CTEの向上を図ることができるという効果を奏する。
本発明の積層体の一例を示す概略断面図である。 本発明の積層体の他の例を示す概略断面図である。 本発明におけるHDD用サスペンション基板を説明する模式図である。
以下、本発明のポリイミド樹脂および積層体について、詳細に説明する。
A.ポリイミド樹脂
本発明のポリイミド樹脂は、式(1)および式(2)で表される構造単位を含有し、上記式(1)で表される構造単位の割合が、高分子骨格を構成する全ての繰り返し単位に対して、60mol%以上84mol%以下の範囲内であり、上記式(2)で表される構造単位の割合が、上記高分子骨格を構成する全ての繰り返し単位に対して、16mol%以上35mol%以下の範囲内であることを特徴とする。
本発明によれば、式(1)および式(2)で表される構造単位を、所定の割合で含有するため、低CHEおよび高Etレートの両立を図りつつ、CTEが向上したポリイミド樹脂とすることができる。上述したように、酸二無水物として無水ピロメリット酸(PMDA)を用い、ジアミンとして4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニル(TBHG)を用いたポリイミド樹脂は、CHEが低く、Etレートが高いという性質を有する。しかしながら、このポリイミド樹脂は、CTEが低く、そのため、例えば、金属層上にポリイミド樹脂層を配置した場合に、金属層のCTEと、ポリイミド樹脂層のCTEとの差が大きくなり、積層体に反りが発生しやすい。これに対して、本発明においては、ジアミンとして、TBHGと、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(3,4’−DPE)とを所定の割合で組み合わせることで、低CHEおよび高Etレートの両立を図りつつ、CTEの向上を図ることができる。
本発明のポリイミド樹脂は、式(1)で表される構造単位を有する。
Figure 2017025214
式(1)において、Aは酸二無水物成分であり、Aの50mol%以上は式(i)で表される成分である。すなわち、Aの主成分は、PMDA成分である。AにおけるPMDA成分の割合は、70mol%以上であっても良く、90mol%以上であっても良い。PMDA成分以外の酸二無水物成分は、特に限定されるものではなく、公知のテトラカルボン酸二無水物を用いた成分であれば良い。
公知のテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、3,3’,4,4’−ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビフタル酸無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物等を挙げることができる。
また、式(1)におけるRおよびRは、それぞれ独立に炭素数1以上4以下の炭化水素基である。炭化水素基は、飽和炭化水素基であっても良く、不飽和炭化水素基であっても良い。RおよびRとしては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
また、式(1)で表される構造単位の割合が、高分子骨格を構成する全ての繰り返し単位に対して、通常、60mol%以上84mol%以下の範囲内であり、65mol%以上80mol%以下の範囲内であっても良い。式(1)で表される構造単位の割合が多すぎると、CTEが十分に向上しない可能性があり、式(1)で表される構造単位の割合が少なすぎると、低CHEおよび高Etレートの両立を図ることが困難になる可能性がある。
本発明のポリイミド樹脂は、式(2)で表される構造単位を有する。
Figure 2017025214
式(2)において、Aは酸二無水物成分であり、Aの50mol%以上は式(i)で表される成分である。すなわち、Aの主成分は、PMDA成分である。AにおけるPMDA成分の割合は、70mol%以上であっても良く、90mol%以上であっても良い。PMDA成分以外の酸二無水物成分は、特に限定されるものではなく、公知のテトラカルボン酸二無水物を用いた成分であれば良い。
また、式(2)で表される構造単位の割合は、高分子骨格を構成する全ての繰り返し単位に対して、通常、16mol%以上35mol%以下の範囲内であり、20mol%以上35mol%以下の範囲内であっても良い。式(2)で表される構造単位の割合が多すぎると、低CHEおよび高Etレートの両立を図ることが困難になる可能性があり、式(2)で表される構造単位の割合が少なすぎるとCTEが十分に向上しない可能性がある。
本発明のポリイミド樹脂は、式(1)および式(2)で表される構造単位を、所定の割合で含有する。一方、本発明のポリイミド樹脂は、式(1)および式(2)で表される構造単位以外に、他の構造単位を一種類または二種類以上含有していても良い。他の構造単位における酸二無水物成分およびジアミン成分は、公知の任意の成分であれば良く、特に限定されない。すなわち、公知のテトラカルボン酸二無水物およびジアミンを任意に用いることができる。
なお、公知のテトラカルボン酸二無水物については、上述した通りである。また、公知のジアミンとしては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4'-ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3−ビス〔2−(4−アミノフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、1,4−ビス〔2−(4−アミノフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、2,2-ビス〔(4−アミノフェノキシ)メチル〕プロパン、2,2−ビス〔(4−アミノフェノキシ)メチル〕プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキ)ジフェニルスルホン、1,3−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)プロパン等を挙げることができる。
本発明のポリイミド樹脂は、必要に応じて、式(3)で表される構造単位を有していても良い。例えば、金属層との密着性が高いポリイミド樹脂とすることができる。
Figure 2017025214
式(3)において、Aは酸二無水物成分であり、Aの50mol%以上は式(i)で表される成分である。すなわち、Aの主成分は、PMDA成分である。AにおけるPMDA成分の割合は、70mol%以上であっても良く、90mol%以上であっても良い。PMDA成分以外の酸二無水物成分は、特に限定されるものではなく、公知のテトラカルボン酸二無水物を用いた成分であれば良い。
また、式(3)で表される構造単位の割合は、特に限定されないが、高分子骨格を構成する全ての繰り返し単位に対して、例えば、1mol%以上10mol%以下の範囲内である。式(3)で表される構造単位の割合が多すぎると、低CHEおよび高Etレートの両立を図ることが困難になる可能性があり、式(3)で表される構造単位の割合が少なすぎると密着性が十分に向上しない可能性がある。
本発明のポリイミド樹脂は、通常、酸二無水物成分として、式(i)で表される成分、すなわちPMDA成分を主成分として含有する。PMDA成分は、高分子骨格を構成する全ての酸二無水物成分に対して、50%以上であることが好ましく、80mol%以上であることがより好ましい。また、ポリイミド樹脂における酸二無水物成分が、全てPMDA成分であっても良い。原料であるPMDAは、以下の構造を有する。また、PMDA以外の酸二無水物として、公知のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。
Figure 2017025214
なお、式(1)〜(3)で表される構造単位を構成するジアミンは、それぞれ、以下の構造を有する。
Figure 2017025214
本発明のポリイミド樹脂の重量平均分子量は、例えば、3,000以上1,000,000以下の範囲内であることが好ましく、15,000以上150,000以下の範囲内であることがより好ましい。重量平均分子量が低すぎると、例えば、ポリイミド樹脂をフィルムとした場合に十分な強度が得られない可能性がある。重量平均分子量が高すぎると、ポリイミド前駆体組成物の粘度が上昇し、ポリイミド前駆体の溶解性も低下するため、例えば、ポリイミド樹脂をフィルムとした場合に、平滑な表面を形成できない可能性がある。重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ−(GPC)によるポリスチレン換算の値のことをいう。
本発明のポリイミド樹脂は、ランダム重合体であっても良く、ブロック重合体であっても良く、交互重合体であっても良い。また、本発明のポリイミド樹脂は、添加剤をさらに含有していても良い。添加剤としては、感光剤、フィラー、酸化防止剤、接着性付与剤、界面活性剤等を挙げることができる。
感光剤としては、例えば、ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化合物、ミヒラーケトン、ジエチルアミノベンゾフェノン、ベンゾインモノメチルエーテル、チオキサントン等を挙げることができる。フィラーとしては、例えば、グラファイト、テフロン(登録商標)、アルミナ、有機繊維、ガラス繊維、カーボン繊維等を挙げることができる。酸化防止剤としては、例えば、亜リン酸塩類、亜ホスホン酸エステル類、ヒンダードフェノール、スチレン化フェノール等を挙げることができる。
接着性付与剤としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、尿素プロピルトリエトキシシラン、メチルフェニルシランジオール、エチルフェニルシランジオール、n−プロピルフェニルシランジオール、イソプロピルフェニルシランジオール、n−ブチルフェニルシランジオール、イソブチルフェニルシランジオール、tert−ブチルフェニルシランジオール等を挙げることができる。界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンウラリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル等を挙げることができる。
本発明のポリイミド樹脂の形状は、特に限定されないが、例えば、層状、粒子状等を挙げることができる。層状のポリイミド樹脂は、CTE、CHE、エッチングレートが「B.積層体」に記載する所定の範囲内にあることが好ましい。
本発明のポリイミド樹脂の用途は、例えば、絶縁部材としての用途を挙げることができる。また、本発明のポリイミド樹脂を適用可能な物品としては、例えば、回路基板、カラーフィルタ、反射防止膜、ホログラム、建築材料、塗料、印刷インキ等を挙げることができる。特に、本発明のポリイミド樹脂は、後述する積層体のポリイミド樹脂として用いられることが好ましい。金属層のCTEと、ポリイミド樹脂層のCTEとの差が小さくなり、積層体に反りが発生することを抑制できるからである。
また、本発明においては、上述したポリイミド樹脂の前駆体組成物を提供することもできる。具体的には、式(4)および式(5)で表される構造単位を含有し、上記式(4)で表される構造単位の割合が、高分子骨格を構成する全ての繰り返し単位に対して、60mol%以上84mol%以下の範囲内であり、上記式(5)で表される構造単位の割合が、上記高分子骨格を構成する全ての繰り返し単位に対して、16mol%以上35mol%以下の範囲内であるポリイミド前駆体を含有することを特徴とするポリイミド前駆体組成物を提供できる。なお、ポリイミド前駆体は、いわゆるポリアミック酸に該当する。
Figure 2017025214
式(4)において、Bは酸二無水物成分であり、Bの50mol%以上は式(ii)で表される成分であり、RおよびRは、それぞれ独立に炭素数1以上4以下の炭化水素基である。式(5)において、Bは酸二無水物成分であり、Bの50mol%以上は式(ii)で表される成分である。すなわち、BおよびBの主成分は、PMDA成分である。BおよびBにおけるPMDA成分の割合は、それぞれ独立に、70mol%以上であっても良く、90mol%以上であっても良い。PMDA成分以外の酸二無水物成分は、特に限定されるものではなく、公知のテトラカルボン酸二無水物を用いた成分であれば良い。また、式(4)におけるRおよびRは、上述した式(1)におけるRおよびRと同様である。
ポリイミド前駆体は、式(4)および式(5)で表される構造単位を、所定の割合で含有する。一方、ポリイミド前駆体は、式(4)および式(5)で表される構造単位以外に、他の構造単位をさらに含有していても良い。他の構造単位における酸二無水物成分およびジアミン成分は、公知の任意の成分であれば良く、特に限定されない。すなわち、公知のテトラカルボン酸二無水物およびジアミンを任意に用いることができる。なお、他の構造単位は、一種類であっても良く、二種類以上であっても良い。
また、ポリイミド前駆体は、必要に応じて、式(6)で表される構造単位を有していても良い。さらに、式(6)で表される構造単位の割合が、高分子骨格を構成する全ての繰り返し単位に対して、1mol%以上10mol%以下の範囲内であることが好ましい。
Figure 2017025214
式(6)において、Bは酸二無水物成分であり、Bの50mol%以上は式(ii)で表される成分である。すなわち、Bの主成分は、PMDA成分である。BにおけるPMDA成分の割合は、70mol%以上であっても良く、90mol%以上であっても良い。PMDA成分以外の酸二無水物成分は、特に限定されるものではなく、公知のテトラカルボン酸二無水物を用いた成分であれば良い。
ポリイミド前駆体組成物は、ポリイミド前駆体の他に、有機溶媒を含有することが好ましい。有機溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の極性溶媒を挙げることができる。また、ポリイミド前駆体組成物を乾燥することで有機溶媒を除去し、さらに、ポリイミド前駆体を硬化(イミド化)することで、ポリイミド樹脂が得られる。乾燥温度は、例えば、50℃以上である。硬化の熱処理温度は、例えば、200℃以上である。
B.積層体
図1は、本発明の積層体の一例を示す概略断面図である。図1に示す積層体10は、金属層1と、金属層1上に配置されたポリイミド樹脂層2とを備える。図1では、ポリイミド樹脂層2の一方の表面に金属層1が配置されているが、ポリイミド樹脂層2の両面に金属層1が配置されていても良い。具体的には、図2に示すように、積層体10が、第一金属層1aと、第一金属層1a上に配置されたポリイミド樹脂層2と、ポリイミド樹脂層2上に形成された第二金属層1bとを備えていても良い。本発明においては、ポリイミド樹脂層2が、上述したポリイミド樹脂を含有することを特徴とする。
本発明によれば、上述したポリイミド樹脂を用いることで、熱および湿度による反りを抑制した積層体とすることができる。さらに、上述したポリイミド樹脂は、アルカリ系エッチング液に対するエッチングレートが高いため、ポリイミド樹脂層の加工が容易な積層体とすることができる。
以下、本発明の積層体について、構成ごとに説明する。
1.ポリイミド樹脂層
本発明におけるポリイミド樹脂層は、上記「A.ポリイミド樹脂」に記載したポリイミド樹脂を含有する層である。ポリイミド樹脂層における上記ポリイミド樹脂の含有量は、例えば、80重量%以上であり、90重量%以上であることが好ましい。
ポリイミド樹脂層の線熱膨張係数(CTE)は、例えば、10ppm/℃以上であり、11ppm/℃以上であっても良い。一方、ポリイミド樹脂層のCTEは、例えば、30ppm/℃以下であり、25ppm/℃以下であっても良く、22ppm/℃以下であっても良い。
CTEは、以下の方法で測定できる。まず、積層体からポリイミド樹脂層を分離する。分離方法としては、例えば、積層体から金属層をエッチングにより除去する方法、金属層およびポリイミド樹脂を物理的に剥離する方法等が挙げられる。次に、得られたポリイミド樹脂層を、幅5mm×長さ18mmに切断し、評価サンプルとする。評価サンプルに対して、熱機械分析装置(例えばTMA60(島津製作所製))を用いてCTEを測定する。測定条件は、昇温速度を10℃/分、引張り加重を9gとし、100℃以上150℃以下の範囲内の平均値をCTEとする。
ポリイミド樹脂層のCTEと、金属層のCTEとの差は、例えば、8ppm/℃以下であることが好ましく、5ppm/℃以下であることがより好ましい。
ポリイミド樹脂層の線湿度膨張係数(CHE)は、例えば、15ppm/%RH以下であることが好ましく、9.9ppm/%RH以下であることがより好ましく、9.0ppm/%RH以下であることがさらに好ましい。なお、ポリイミド樹脂層のCHEの下限は、0ppm/%RHである。
CHEは、以下の方法で測定できる。まず、積層体からポリイミド樹脂層を分離する。分離方法としては、例えば、積層体から金属層をエッチングにより除去する方法、金属層およびポリイミド樹脂を物理的に剥離する方法等が挙げられる。次に、得られたポリイミド樹脂層を、幅5mm×長さ20mmに切断し、評価サンプルとする。評価サンプルに対して、湿度可変機械分析装置(例えばThermo Plus TMA8310(リガク社製))を用いてCHEを測定する。測定条件は、温度を25℃で一定とし、湿度を15%RHの環境下で、サンプルが安定になるまで、30分以上サンプルを保持する。次に、湿度を20%RHとし、サンプルが安定になるまで、30分以上サンプルを保持する。その後、湿度を50%RHとし、サンプルを安定させる。湿度50%RHで安定したサンプルの長さと、湿度20%RHで安定したサンプル長さとの差を、湿度の変化(この場合50−20の30)で割り、その値をサンプル長で割った値をCHEとする。なお、測定の際、引張り加重を5gとする。
ポリイミド樹脂層のエッチングレートは、例えば、11μm/分以上であることが好ましく、14μm/分以上であることがより好ましい。一方、ポリイミド樹脂層のエッチングレートは、例えば、90μm/分以下であり、60μm/分以下であることが好ましく、30μm/分以下であることがより好ましい。エッチングレートは、エッチング液として、水酸化カリウム、モノエタノールアミンおよび水を、水酸化カリウム:モノエタノールアミン:水=1:1:1の重量比で混合した溶液を用い、液温75℃の条件で測定した場合の値である。
ポリイミド樹脂層は、単層構造であっても良く、複層構造であっても良い。前者の場合、ポリイミド樹脂層は、金属層上に直接配置されていることが好ましい。後者の場合、ポリイミド樹脂層を構成する複数の層の少なくとも一つの層が、上述したポリイミド樹脂を含有していれば良い。後者の一例としては、上述したポリイミド樹脂を含有するコア層と、コア層の少なくとも一方の表面に配置され、金属層に対する接着性がコア層よりも高い接着層とを有するポリイミド樹脂層を挙げることができる。コア層の一方の表面のみに接着層が配置されていても良く、コア層の両面に接着層が配置されていても良い。接着層に含まれるポリイミド樹脂は、金属層に対する接着性がコア層よりも高い接着層が得られるように、適宜選択される。
ポリイミド樹脂層の厚さは、積層体の用途によって異なるが、例えば5μm以上30μm以下の範囲内であり、5μm以上15μm以下の範囲内であることが好ましい。
2.金属層
本発明における金属層は、ポリイミド樹脂層の少なくとも一方の表面に配置される層である。金属層の材料は、導電性を有する材料であることが好ましく、例えば、ステンレス鋼、銅、ニッケル、アルミニウム、および、これらの任意の合金等が挙げられる。なお、例えば、「金属層が銅である」とは、金属層の材料が、銅、または、銅を主成分とする合金であることをいう。他の材料についても同様である。
また、金属層は、めっき法により得られる金属層であっても良く、金属を圧延して得られる金属層であっても良い。めっき法は、乾式めっき法であっても良く、湿式めっき法であっても良い。乾式めっき法としては、例えば、スパッタリング等のPVD法を挙げることができる。一方、湿式めっき法としては、通常、電解めっき法および無電解めっき法が挙げられる。本発明においては、銅である金属層が、PVD法および湿式めっき法の少なくとも一方によって形成されていることが好ましい。特に、銅である金属層が、ポリイミド樹脂層側から、PVD法および電解めっき法によって形成されていることが好ましい。この場合、スパッタリング法等のPVD法により、ポリイミド樹脂層の表面にシード層を形成し、次に、電解めっき法により、シード層から銅を析出させる。シード層の材料としては、例えば、銅、クロム、ニッケル等を挙げることができる。
本発明における金属層は、ポリイミド樹脂層の少なくとも一方の表面に配置される層である。金属層は、ポリイミド樹脂層の一方の表面のみに形成されていても良く、ポリイミド樹脂層の両面に形成されていても良い。後者の場合、ポリイミド樹脂層の両面に形成される金属層は、それぞれ、同じ材料であっても良く、異なる材料であっても良い。特に、本発明においては、一方の金属層(第一金属層)がステンレス鋼であり、他方の金属層(第二金属層)が銅であることが好ましい。回路基板として有用な積層体とすることができるからである。
金属層の線熱膨張係数(CTE)は、金属層の材料によって異なるが、例えば10ppm/℃以上30ppm/℃以下の範囲内であることが好ましく、14ppm/℃以上20ppm/℃以下の範囲内であることがより好ましい。
金属層の厚さは、積層体の用途によって異なるが、例えば1μm以上40μm以下の範囲内であり、5μm以上30μm以下の範囲内であることが好ましい。
3.積層体
本発明の積層体の用途は、特に限定されるものではないが、例えば、回路基板を挙げることができる。回路基板は、通常、パターン状の金属層を有し、その金属層を配線として用いる。回路基板としては、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)用サスペンション基板およびフレキシブルプリント配線板を挙げることができる。
図3(a)は、HDD用サスペンション基板の一例を示す概略平面図であり、図3(b)は、図3(a)のA−A断面図である。なお、図3(a)では、便宜上、絶縁層およびカバー層の記載は省略し、図3(b)では、便宜上、カバー層の記載は省略している。図3(a)に示されるHDD用サスペンション基板100は、一方の先端部分に設けられ、磁気ヘッド等を搭載するヘッド側領域101と、他方の先端部分に設けられ、外部回路基板等に接続されるテール側領域102と、ヘッド側領域101およびテール側領域102を電気的に接続する複数の配線層103a〜103dとを有する。配線層103aおよび配線層103bは一対の配線層であり、同様に、配線層103cおよび配線層103dも一対の配線層である。これらの2つの配線層は、通常、一方が書込用配線層であり、他方が読取用配線層である。
また、図3(b)に示すように、HDD用サスペンション基板100は、第一金属層1aと、第一金属層1a上に配置された絶縁層であるポリイミド樹脂層2と、ポリイミド樹脂層2上に配置された配線層である第二金属層1bと、を有する。なお、図示しないが、第二金属層1bを覆うように、絶縁性のカバー層が配置されていても良い。特に、第一金属層1aはステンレス鋼であり、第二金属層1bは銅であることが好ましい。
本発明の積層体の製造方法としては、目的とする積層体を得ることができる方法であれば特に限定されない。製造方法の一例としては、金属層(第一金属層)上に、上述したポリイミド前駆体組成物を塗工し、塗工膜を形成する塗工膜形成工程と、上記塗工膜を加熱し、ポリイミド樹脂を含有するポリイミド樹脂層を形成するポリイミド樹脂層形成工程と、を有する製造方法を挙げることができる。塗工膜形成工程においては、ポリイミド前駆体組成物を直接塗工することが好ましい。また、第一金属層は、ステンレス鋼であることが好ましい。さらに、ポリイミド樹脂層形成工程の後に、PVD法および湿式めっき法の少なくとも一方の方法により、第二金属層を形成する第二金属層形成工程を有していても良い。第二金属層は、銅であることが好ましい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
撹拌棒を備えたセパラブルフラスコの中で、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(3,4’−DPE)0.35モルと、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニル(TBHG)0.91モルと、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン(BAPP)0.14モルとをN−メチルピロリドン(NMP)に溶解させた。その後、撹拌しながら無水ピロメリット酸(PMDA)1.49モルを段階的に添加し、重合反応を進行させ、ポリイミド前駆体溶液を得た。
厚さ18μmのステンレス鋼に、得られたポリイミド前駆体溶液を硬化後の厚さが10μmとなるように塗布し、大気雰囲気下において、80℃、120℃、135℃、150℃、165℃、180℃で各2分間の熱処理(乾燥)を行った。その後、窒素雰囲気下において、250℃、300℃、380℃で各2分間の熱処理(キュア)を行い、ポリイミド樹脂層およびステンレス鋼層を有する積層体を得た。ポリイミド樹脂の組成は、下記式におけるx=65、y=25、z=10に該当する。
Figure 2017025214
[実施例2、3および比較例1〜3]
TBHG、TBHGおよびBAPPの割合を、下記表1に記載した組成が得られるように変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
[評価]
実施例1〜3および比較例1〜3で得られた積層体からステンレス鋼層をエッチングして、フィルム状のポリイミド樹脂層を得た。得られたポリイミド樹脂層の線熱膨張係数(CTE)および線湿度膨張係数(CHE)を測定した。測定方法は上述した通りである。また、実施例1〜3および比較例1〜3で得られた積層体を用いて、ポリイミド樹脂層のエッチングレートを測定した。測定方法は上述した通りである。その結果を表1に示す。
Figure 2017025214
表1に示すように、比較例2では、TBHGの割合が多いため、低CHEおよび高Etレートの両立は図れているが、CTEが低かった。これに対して、実施例1〜3では、TBHGおよび3,4’−DPEが所定の範囲内にあることで、低CHEおよび高Etレートの両立を図りつつ、CTEが向上した。なお、比較例1では、3,4’−DPEを用いた場合、CHE、EtレートおよびCTEの全てが高くなった。また、比較例3では、TBHGの割合が少なく、BAPPの割合が多いため、CTEは高いものの、CHEは増加し、Etレートは低下した。これらの結果から、TBHGが60mol%以上84mol%以下の範囲内であり、3,4’−DPEが16mol%以上35mol%以下の範囲内にあるとき、低CHEおよび高Etレートの両立を図りつつ、CTEが向上することが確認された。
1…金属層
1a…第一金属層
1b…第二金属層
2…ポリイミド樹脂層
10…積層体
100…HDD用サスペンション基板
101…ヘッド側領域
102…テール側領域
103…配線層

Claims (14)

  1. 式(1)および式(2)で表される構造単位を含有し、
    前記式(1)で表される構造単位の割合が、高分子骨格を構成する全ての繰り返し単位に対して、60mol%以上84mol%以下の範囲内であり、
    前記式(2)で表される構造単位の割合が、前記高分子骨格を構成する全ての繰り返し単位に対して、16mol%以上35mol以下の範囲内であることを特徴とするポリイミド樹脂。
    Figure 2017025214
    (式(1)において、Aは酸二無水物成分であり、Aの50mol%以上は式(i)で表される成分であり、RおよびRは、それぞれ独立に炭素数1以上4以下の炭化水素基であり、式(2)において、Aは酸二無水物成分であり、Aの50mol%以上は式(i)で表される成分である)
  2. 前記式(i)で表される成分の割合が、前記高分子骨格を構成する全ての酸二無水物成分に対して、80mol%以上であることを特徴とする請求項1に記載のポリイミド樹脂。
  3. 式(3)で表される構造単位をさらに含有し、
    前記式(3)で表される構造単位の割合が、前記高分子骨格を構成する全ての繰り返し単位に対して、1mol%以上10mol%以下の範囲内であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のポリイミド樹脂。
    Figure 2017025214
    (式(3)において、Aは酸二無水物成分であり、Aの50mol%以上は式(i)で表される成分である)
  4. ポリイミド樹脂を含有するポリイミド樹脂層と、前記ポリイミド樹脂層の少なくとも一方の表面に配置された金属層とを備える積層体の前記ポリイミド樹脂として用いられることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のポリイミド樹脂。
  5. ポリイミド樹脂を含有するポリイミド樹脂層と、前記ポリイミド樹脂層の少なくとも一方の表面に配置された金属層とを備える積層体であって、
    前記ポリイミド樹脂が、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のポリイミド樹脂であることを特徴とする積層体。
  6. 前記ポリイミド樹脂層の線熱膨張係数が、10ppm/℃以上30ppm/℃以下の範囲内であることを特徴とする請求項5に記載の積層体。
  7. 前記ポリイミド樹脂層の線湿度膨張係数が、15ppm/%RH以下であることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の積層体。
  8. 前記ポリイミド樹脂層のエッチングレートが、11μm/分以上であることを特徴とする請求項5から請求項7までのいずれかの請求項に記載の積層体。
  9. 前記金属層が、ステンレス鋼または銅であることを特徴とする請求項5から請求項8までのいずれかの請求項に記載の積層体。
  10. 前記ポリイミド樹脂層の両面に前記金属層を備え、
    一方の前記金属層がステンレス鋼であり、他方の前記金属層が銅であることを特徴とする請求項5から請求項9までのいずれかの請求項に記載の積層体。
  11. 前記銅である前記金属層が、PVD法および湿式めっき法の少なくとも一方によって形成されていることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の積層体。
  12. 前記銅である前記金属層が、前記ポリイミド樹脂層側から、PVD法および電解めっき法によって形成されていることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の積層体。
  13. パターン状の前記金属層を備える回路基板であることを特徴とする請求項5から請求項12までのいずれかの請求項に記載の積層体。
  14. 前記回路基板が、HDD用サスペンション基板であることを特徴とする請求項13に記載の積層体。
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