JP2017025207A - 発泡体、発泡用樹脂組成物、及び発泡体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】150℃以上の高融点材料を用いた場合であっても、熱分解型発泡剤を用いることなく、比較的低圧下において発泡させる押出発泡等の比較的安価な方法によって、十分に発泡し、かつ優れた耐熱性を有する発泡体、発泡体用樹脂組成物、及び発泡体の製造方法を提供する。
【解決手段】融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)と、フッ素含有量が50質量%以上の含フッ素重合体(B)とを含み、(A)と(B)の合計100質量部に対して、熱可塑性樹脂(A)が70〜95質量部であり、含フッ素重合体(B)が5〜30質量部である発泡体用樹脂組成物を、発泡してなる、密度が30〜500kg/m3である、発泡体、発泡体用樹脂組成物、及び発泡体の製造方法に関する。
【選択図】なし
【解決手段】融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)と、フッ素含有量が50質量%以上の含フッ素重合体(B)とを含み、(A)と(B)の合計100質量部に対して、熱可塑性樹脂(A)が70〜95質量部であり、含フッ素重合体(B)が5〜30質量部である発泡体用樹脂組成物を、発泡してなる、密度が30〜500kg/m3である、発泡体、発泡体用樹脂組成物、及び発泡体の製造方法に関する。
【選択図】なし
Description
本発明は、融点150℃以上の熱可塑性樹脂と含フッ素重合体を特定の配合で含む発泡体、発泡体用樹脂組成物、及び発泡体の製造方法に関する。
ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂を用い、樹脂の内部に多数の気泡が形成された発泡体は、建築、土木、電気、エレクトロニクス、車両等の様々な分野で用いられている。例えば、ポリオレフィン系樹脂を用いた発泡体は、緩衝性に優れるため、各種電子機器の衝撃吸収材に広く使用されている。その他に、発泡体は、建築用の断熱材や、自動車等の車両用の天井材、ドア、インスツルメントパネル、コンソールボックス、リヤホイルハウスカバー、ラゲージハウスカバー、トランクルームカバー等の車両内装材に広く用いられている。
しかしながら、ポリエチレン及びポリプロピレン等の融点は低いため、ポリエチレン及びポリプロピレンを用いたポリオレフィン系樹脂を用いた発泡体は、耐熱用途には適さないという課題がある。
しかしながら、ポリエチレン及びポリプロピレン等の融点は低いため、ポリエチレン及びポリプロピレンを用いたポリオレフィン系樹脂を用いた発泡体は、耐熱用途には適さないという課題がある。
一方、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリオキサミド、ポリエーテルイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン等の樹脂は、融点が150℃以上であり、高融点材料として知られている。しかしながら、これらの高融点材料を用いて発泡体を得ることは困難である。例えば、ポリオレフィン系樹脂の化学的発泡に使用される熱分解型発泡剤、例えばアゾジカルボンアミドは、熱分解温度が200〜210℃であり、190℃でも分解が開始する。このため、融点が150℃以上である高融点材料と熱分解型発泡剤として例えばアゾジカルボンアミドを混合して、押出機で押し出し成形する場合、押出機内で発泡が始まってしまい、成形が困難であるという問題がある。
150℃以上の高融点材料である樹脂を用いて、不活性ガス等のガスを高圧で樹脂に添加し、物理的に樹脂の内部に多数の気泡を形成して、発泡体を得る方法も知られている。
物理的に樹脂の内部に多数の気泡を形成して発泡体を得る方法として、例えば、特許文献1には、独立気泡ポリアミドフォームの製造方法として、(a)ポリアミド樹脂に対して、ガスを樹脂中に入れるために、大気圧よりも高い圧力で、少なくとも1つの不活性ガスに付す工程、(a1)樹脂の温度をその軟化点又はそれ以上に上昇させる工程、(a2)圧力が、大気圧よりも高いが工程(a)の圧力よりも低い圧力まで低下され、樹脂がその軟化点以下まで冷却され、一部膨張したポリアミド樹脂を生じさせる工程、(a3)一部膨張したポリアミド樹脂が、不活性ガス等の圧力下において、その軟化点以上の温度まで加熱される工程、及び(b)樹脂を膨張させて独立気泡ポリアミドフォームを生じさせるために、温度を樹脂の軟化点又はそれ以上に維持しつつ、圧力を現象させる工程を含む方法が提案されている。
物理的に樹脂の内部に多数の気泡を形成して発泡体を得る方法として、例えば、特許文献2には、ポリエーテルブロックとポリアミドブッロクとを有するブロック共重合体樹脂、及びポリアミド11樹脂を含み、ポリアミド11樹脂100質量部に対して、ブロック共重合体樹脂が1質量部以上45質量部以下含有されている混合物に、発泡剤としてブタン(ガス)を圧入した樹脂組成物をシート状に押出して発泡させる方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載されているように、ガスをポリアミド樹脂に入れて発泡させる方法では、67MPa(670バール)や48MPa(480バール)の高圧力で、窒素等のガスをポリアミド樹脂に入れて発泡させなければならず、高圧の環境とするために、大掛かりな装置が必要であり、製造コストが高くなるという問題がある。
また、特許文献2に記載のように、樹脂にガスを圧入して押出発泡させる方法では、比較的安価な製造が可能であるが、特定のブロック共重合体樹脂と、ポリアミド11樹脂とを特定の割合で配合した樹脂を用いなければならず、発泡体の原料となる樹脂が限定されるという問題がある。
また、特許文献2に記載のように、樹脂にガスを圧入して押出発泡させる方法では、比較的安価な製造が可能であるが、特定のブロック共重合体樹脂と、ポリアミド11樹脂とを特定の割合で配合した樹脂を用いなければならず、発泡体の原料となる樹脂が限定されるという問題がある。
本発明は、150℃以上の高融点材料を用いた場合であっても、熱分解型発泡剤を用いることなく、48MPaのように非常に高圧とする必要がなく、例えば20MPa以下の圧力下で発泡させる押出発泡等の比較的安価な方法によって、十分に発泡し、かつ融点150℃以上の材料を用いているため耐熱性が優れている発泡体、発泡体用樹脂組成物、及び発泡体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、下記の発明により当該課題を解決できることを見出した。すなわち本発明は、以下の[1]〜[9]を要旨とするものである。
[1]融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)と、フッ素含有量が50質量%以上の含フッ素重合体(B)とを含み、前記熱可塑性樹脂(A)と前記含フッ素重合体(B)の合計100質量部に対して、前記熱可塑性樹脂(A)が70〜95質量部であり、前記含フッ素重合体(B)が5〜30質量部である発泡体用樹脂組成物を、発泡してなる、密度が30〜500kg/m3である、発泡体。
[2]前記発泡体用樹脂組成物を架橋処理した後、発泡してなる、前記[1]に記載の発泡体。
[3]前記熱可塑性樹脂(A)を含む連続相と、前記含フッ素重合体(B)からなる分散相とを含む海島構造を有し、前記発泡体の断面構造において分散相である島部の平均長径が3〜20μmである、前記[1]又は[2]に記載の発泡体。
[4]前記熱可塑性樹脂(A)が、ポリエステル、ポリアミド、及びポリウレタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の発泡体。
[5]前記含フッ素重合体(B)が、テトラフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、三フッ化塩化エチレン重合体、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、フッ化ビニル重合体、及びテトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の含フッ素重合体である、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の発泡体。
[6]融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)と、フッ素含有量が50質量%以上の含フッ素重合体(B)とを含み、前記熱可塑性樹脂(A)と前記含フッ素重合体(B)の合計100質量部に対して、前記熱可塑性樹脂(A)が70〜95質量部であり、前記含フッ素重合体(B)が5〜30質量部である、発泡体用樹脂組成物。
[7]前記発泡体用樹脂組成物を架橋処理してなる、前記[6]に記載の発泡体用樹脂組成物。
[8]下記工程(1)及び(2)を有する、発泡体の製造方法。
工程(1):融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)を70〜95質量部と、フッ素含有量が50質量%以上の含フッ素重合体(B)を5〜30質量部とを溶融混練し、発泡体用樹脂組成物を得る工程、
工程(2):10〜20MPaの圧力下で前記発泡体用樹脂組成物にガスを含浸させ、次いで大気中で熱可塑性樹脂(A)からガスを拡散させた後、加熱して発泡体を得る工程
[9]前記工程(2)の前に、下記工程(1a)を有する、前記[8]に記載の発泡体の製造方法。
工程(1a):前記発泡体用樹脂組成物を架橋処理して、架橋した発泡体用樹脂組成物を得る工程
[1]融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)と、フッ素含有量が50質量%以上の含フッ素重合体(B)とを含み、前記熱可塑性樹脂(A)と前記含フッ素重合体(B)の合計100質量部に対して、前記熱可塑性樹脂(A)が70〜95質量部であり、前記含フッ素重合体(B)が5〜30質量部である発泡体用樹脂組成物を、発泡してなる、密度が30〜500kg/m3である、発泡体。
[2]前記発泡体用樹脂組成物を架橋処理した後、発泡してなる、前記[1]に記載の発泡体。
[3]前記熱可塑性樹脂(A)を含む連続相と、前記含フッ素重合体(B)からなる分散相とを含む海島構造を有し、前記発泡体の断面構造において分散相である島部の平均長径が3〜20μmである、前記[1]又は[2]に記載の発泡体。
[4]前記熱可塑性樹脂(A)が、ポリエステル、ポリアミド、及びポリウレタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の発泡体。
[5]前記含フッ素重合体(B)が、テトラフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、三フッ化塩化エチレン重合体、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、フッ化ビニル重合体、及びテトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の含フッ素重合体である、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の発泡体。
[6]融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)と、フッ素含有量が50質量%以上の含フッ素重合体(B)とを含み、前記熱可塑性樹脂(A)と前記含フッ素重合体(B)の合計100質量部に対して、前記熱可塑性樹脂(A)が70〜95質量部であり、前記含フッ素重合体(B)が5〜30質量部である、発泡体用樹脂組成物。
[7]前記発泡体用樹脂組成物を架橋処理してなる、前記[6]に記載の発泡体用樹脂組成物。
[8]下記工程(1)及び(2)を有する、発泡体の製造方法。
工程(1):融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)を70〜95質量部と、フッ素含有量が50質量%以上の含フッ素重合体(B)を5〜30質量部とを溶融混練し、発泡体用樹脂組成物を得る工程、
工程(2):10〜20MPaの圧力下で前記発泡体用樹脂組成物にガスを含浸させ、次いで大気中で熱可塑性樹脂(A)からガスを拡散させた後、加熱して発泡体を得る工程
[9]前記工程(2)の前に、下記工程(1a)を有する、前記[8]に記載の発泡体の製造方法。
工程(1a):前記発泡体用樹脂組成物を架橋処理して、架橋した発泡体用樹脂組成物を得る工程
本発明によれば、150℃以上の高融点材料を用いた場合であっても、熱分解型発泡剤を用いることなく、また、非常に高圧とする必要がなく、押出発泡等の比較的安価な方法によって、十分に発泡し、かつ融点150℃以上の材料を用いているため優れた耐熱性を有する発泡体、発泡体用樹脂組成物、及び発泡体の製造方法を提供することができる。
[発泡体]
本発明の発泡体は、融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)と、フッ素含有量が50質量%以上の含フッ素重合体(B)とを含み、(A)と(B)の合計100質量部に対して、熱可塑性樹脂(A)が70〜95質量部であり、含フッ素重合体(B)が5〜30質量部である発泡体用樹脂組成物を、発泡してなり、密度が30〜500kg/m3である。
本発明の発泡体は、融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)と、フッ素含有量が50質量%以上の含フッ素重合体(B)とを含み、(A)と(B)の合計100質量部に対して、熱可塑性樹脂(A)が70〜95質量部であり、含フッ素重合体(B)が5〜30質量部である発泡体用樹脂組成物を、発泡してなり、密度が30〜500kg/m3である。
[発泡体用樹脂組成物]
本発明の発泡体用樹脂組成物は、融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)と、フッ素含有量が50質量%以上の含フッ素重合体(B)とを含み、(A)と(B)の合計100質量部に対して、熱可塑性樹脂(A)が70〜95質量部であり、含フッ素重合体(B)が5〜30質量部である。
本発明の発泡体用樹脂組成物は、融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)と、フッ素含有量が50質量%以上の含フッ素重合体(B)とを含み、(A)と(B)の合計100質量部に対して、熱可塑性樹脂(A)が70〜95質量部であり、含フッ素重合体(B)が5〜30質量部である。
<熱可塑性樹脂(A)>
熱可塑性樹脂(A)は、融点が150℃以上のものであれば、特に限定されない。発泡体用樹脂組成物として、融点が150℃以上の熱可塑性樹脂(A)を使用することにより、耐熱性に優れた発泡体が得られる。本発明において用いる熱可塑性樹脂(A)は、フッ素含有量が50質量%以上の含フッ素重合体を除く。
熱可塑性樹脂の融点は、ISO 11357−3、JIS K7121、又はASTM D3418/DSCに準拠して求められる。
熱可塑性樹脂(A)は、融点が150℃以上のものであれば、特に限定されない。発泡体用樹脂組成物として、融点が150℃以上の熱可塑性樹脂(A)を使用することにより、耐熱性に優れた発泡体が得られる。本発明において用いる熱可塑性樹脂(A)は、フッ素含有量が50質量%以上の含フッ素重合体を除く。
熱可塑性樹脂の融点は、ISO 11357−3、JIS K7121、又はASTM D3418/DSCに準拠して求められる。
熱可塑性樹脂(A)としては、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリオキサミド、ポリエーテルイミド、ポリサルフォン及びポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂(A)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
耐熱性により優れた発泡体を得る観点から、熱可塑性樹脂(A)は、ポリアミド、ポリエステル、及びポリウレタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂であることが好ましい。
耐熱性により優れた発泡体を得る観点から、熱可塑性樹脂(A)は、ポリアミド、ポリエステル、及びポリウレタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂であることが好ましい。
ポリアミドとしては、例えばポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6/66、ポリアミド6/12、ポリアミド6T、ポリアミド12、ポリアミド1212、ポリアミドMXD−6等が挙げられる。具体的には、ポリアミド系エラストマーを使用することができる。ポリアミド系エラストマーの市販品としては、宇部興産株式会社製のポリアミド12系のポリエーテルブロックアミド共重合体(UBESTAXPA9048)、アルケマ株式会社製のポリエーテルエステルブロックアミド共重合体(商品名:ぺバックス2533SA01)等を用いることができる。
ポリエステルとしては、例えば、主として結晶性芳香族ポリエステル単位からなる結晶性重合体セグメントと、主として脂肪族ポリエーテル単位及び/又は脂肪族ポリエステル単位からなる重合体セグメントを有するポリエステルブロック共重合体が挙げられる。ポリエステルは、具体的には、ポリエステルエラストマーが好ましい。ポリエステルがポリエステルブロック共重合体である場合、結晶性重合体セグメントとしては、芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成誘導体と脂肪族ジオールから形成されるポリエステルが好ましく、例えばテレフタル酸及び/又はジメチルテレフタレートと1,4−ブタンジオールから誘導されるポリブチレンテレフタレートがより好ましい。
脂肪族ポリエーテルとしては、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体等が挙げられる。
脂肪族ポリエスエテルとしては、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリエナントラクトン、ポリカプリロラクトン、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペート等が挙げられる。より具体的には、下記の市販品を使用することができる。
ポリエステルエラストマーの市販品としては、東レ・デュポン株式会社製「ハイトレル」(登録商標)、東洋紡株式会社製「ペルプレン」(登録商標)、三菱化学株式会社製「プリマロイ」(登録商標)等が挙げられる。具体的には、ハイトレルG3548L、3046、4057等(以上、東レ・デュポン株式会社製)、ペルプレンP80X、S1002、S2002、S3002、S6002、S9002等(以上、東洋紡株式会社製)、プリマロイCP200シリーズ、CP300シリーズ等(以上、三菱化学株式会社製)が挙げられるが、これらに限定されない。
脂肪族ポリエーテルとしては、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体等が挙げられる。
脂肪族ポリエスエテルとしては、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリエナントラクトン、ポリカプリロラクトン、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペート等が挙げられる。より具体的には、下記の市販品を使用することができる。
ポリエステルエラストマーの市販品としては、東レ・デュポン株式会社製「ハイトレル」(登録商標)、東洋紡株式会社製「ペルプレン」(登録商標)、三菱化学株式会社製「プリマロイ」(登録商標)等が挙げられる。具体的には、ハイトレルG3548L、3046、4057等(以上、東レ・デュポン株式会社製)、ペルプレンP80X、S1002、S2002、S3002、S6002、S9002等(以上、東洋紡株式会社製)、プリマロイCP200シリーズ、CP300シリーズ等(以上、三菱化学株式会社製)が挙げられるが、これらに限定されない。
ポリウレタンとしては、ポリウレタンエラストマーを使用することができる。ポリウレタンエラストマーは、ポリイソシアネート、高分子ポリオール及び鎖延長剤を反応させることにより得られるものである。ポリウレタンエラストマーは、ポリイソシアネート、高分子ポリオール及び鎖延長剤の好ましい組み合わせとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)又はポリカプロラクトンポリオールとエチレングリコールとの組み合わせ、MDIとPTMG又はポリカプロラクトンポリオールと1,4−ブタンジオールとの組み合わせ、MDIとPTMG又はポリカプロラクトンポリオールと1,6−ヘキサンジオールとの組み合わせ等が挙げられる。より具体的には、下記の市販品を使用することができる。
ポリウレタンエラストマーの市販品としては、BASFジャパン株式会社製の「エラストラン」(登録商標)等が挙げられる。具体的には、エラストランET858D、C60D、1154D、NY97等が挙げられる。
ポリウレタンエラストマーの市販品としては、BASFジャパン株式会社製の「エラストラン」(登録商標)等が挙げられる。具体的には、エラストランET858D、C60D、1154D、NY97等が挙げられる。
発泡体用樹脂組成物は、発泡体用樹脂組成物を架橋処理して、架橋した発泡体用樹脂組成物を用いてもよい。架橋処理は、後述する電離性放射線の照射により行うことが好ましいが、その他の方法で行ってもよい。
<含フッ素重合体(B)>
含フッ素重合体(B)は、フッ素含有量50質量%以上のものであれば、特に限定さない。含フッ素重合体とは、重合体中の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されている重合体であり、含フッ素モノマー(含フッ素化合物)由来の繰返し単位を有する重合体である。
含フッ素重合体には、エラストマー系含フッ素重合体、非エラストマー系含フッ素重合体等がある。
エラストマー系含フッ素重合体としては、例えば、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体、三フッ化塩化エチレン−フッ化ビニリデン共重合体、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体等が挙げられる。
また、非エラストマー系含フッ素重合体としては、例えば、テトラフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、三フッ化塩化エチレン重合体、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、フッ化ビニル重合体、テトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等が挙げられる。
これらの中では、耐熱性の観点から、非エラストマー系含フッ素重合体が好ましい。
これらの中では、耐熱性がよく、ガスの透過度が低いことから、フッ化ビニリデン構造を有するものが好ましい。
含フッ素重合体(B)は、フッ素含有量50質量%以上のものであれば、特に限定さない。含フッ素重合体とは、重合体中の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されている重合体であり、含フッ素モノマー(含フッ素化合物)由来の繰返し単位を有する重合体である。
含フッ素重合体には、エラストマー系含フッ素重合体、非エラストマー系含フッ素重合体等がある。
エラストマー系含フッ素重合体としては、例えば、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体、三フッ化塩化エチレン−フッ化ビニリデン共重合体、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体等が挙げられる。
また、非エラストマー系含フッ素重合体としては、例えば、テトラフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、三フッ化塩化エチレン重合体、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、フッ化ビニル重合体、テトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等が挙げられる。
これらの中では、耐熱性の観点から、非エラストマー系含フッ素重合体が好ましい。
これらの中では、耐熱性がよく、ガスの透過度が低いことから、フッ化ビニリデン構造を有するものが好ましい。
フッ化ビニリデン構造を有する含フッ素重合体(B)の具体例としては、例えば、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン三元共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン三元共重合体、及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
含フッ素重合体(B)の中で、フッ化ビニリデン構造を有するポリフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂の市販品としては、株式会社クレハ製の商品名:クレハKFポリマー♯850等が挙げられ、フッ素含有量50質量%以上のフッ化ビニリデン構造を有するポリフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂の市販品としては、エルフ・アトケム・ジャパン株式会社製の商品名:カイナー(Kynar)(登録商標)720、同740等が挙げられる。
含フッ素重合体には、必要に応じて、補強材、充填材の他、加工助剤、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤等の添加剤を添加することもできる。
含フッ素重合体(B)の中で、フッ化ビニリデン構造を有するポリフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂の市販品としては、株式会社クレハ製の商品名:クレハKFポリマー♯850等が挙げられ、フッ素含有量50質量%以上のフッ化ビニリデン構造を有するポリフッ化ビニリデン(PVDF)樹脂の市販品としては、エルフ・アトケム・ジャパン株式会社製の商品名:カイナー(Kynar)(登録商標)720、同740等が挙げられる。
含フッ素重合体には、必要に応じて、補強材、充填材の他、加工助剤、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤等の添加剤を添加することもできる。
<熱可塑性樹脂(A)と含フッ素重合体(B)の配合>
発泡体用樹脂組成物は、融点150℃の熱可塑性樹脂(A)と、フッ素含有量が50質量%以上の含フッ素重合体(B)の合計100質量部に対して、前記熱可塑性樹脂(A)を70〜95質量部、前記含フッ素重合体(B)を5〜30質量部含む。
発泡体用樹脂組成物中の含フッ素重合体(B)が5質量部未満であると、熱可塑性樹脂(A)に対して、含フッ素重合体(B)の質量が少なくなり過ぎ、要求される程度に発泡体を小さい密度にすることができず。発泡後に発泡体の厚さが均一とならない場合がある。
発泡体用樹脂組成物中の含フッ素重合体(B)が30質量部を超えると、熱可塑性樹脂(A)に対して、含フッ素重合体(B)の質量が多くなり過ぎ、発泡後に、含フッ素重合体(B)からなる分散相である島部の平均長径が大きくなり、十分な耐熱性が得られない場合がある。
発泡体用樹脂組成物は、融点150℃の熱可塑性樹脂(A)と、フッ素含有量が50質量%以上の含フッ素重合体(B)の合計100質量部に対して、前記熱可塑性樹脂(A)を70〜95質量部、前記含フッ素重合体(B)を5〜30質量部含む。
発泡体用樹脂組成物中の含フッ素重合体(B)が5質量部未満であると、熱可塑性樹脂(A)に対して、含フッ素重合体(B)の質量が少なくなり過ぎ、要求される程度に発泡体を小さい密度にすることができず。発泡後に発泡体の厚さが均一とならない場合がある。
発泡体用樹脂組成物中の含フッ素重合体(B)が30質量部を超えると、熱可塑性樹脂(A)に対して、含フッ素重合体(B)の質量が多くなり過ぎ、発泡後に、含フッ素重合体(B)からなる分散相である島部の平均長径が大きくなり、十分な耐熱性が得られない場合がある。
<その他の成分>
さらに、発泡体用樹脂組成物には、後述する各種添加剤、その他の任意成分を混合してもよく、発泡体は、その混合物が架橋、発泡されたものであってもよい。
発泡体に含有される任意成分としては、熱可塑性樹脂(A)及び含フッ素重合体(B)以外の樹脂、ゴムが挙げられ、これらは合計で、(A)及び(B)の合計量よりも含有量が少なく、発泡体用樹脂組成物100質量部に対して、通常50質量部以下、好ましくは30質量部以下程度である。
さらに、発泡体用樹脂組成物には、後述する各種添加剤、その他の任意成分を混合してもよく、発泡体は、その混合物が架橋、発泡されたものであってもよい。
発泡体に含有される任意成分としては、熱可塑性樹脂(A)及び含フッ素重合体(B)以外の樹脂、ゴムが挙げられ、これらは合計で、(A)及び(B)の合計量よりも含有量が少なく、発泡体用樹脂組成物100質量部に対して、通常50質量部以下、好ましくは30質量部以下程度である。
≪密度≫
本発明の発泡体は、密度が30〜500kg/m3である。発泡体の密度は、より好ましくは50〜400kg/m3であり、さらに好ましくは80〜300kg/m3であり、特に好ましくは100〜250kg/m3である。発泡体の密度が30kg/m3未満であると、十分な強度を保つことができない場合がある。発泡体の密度が500kg/m3を超えると、柔軟性、衝撃吸収性、耐衝撃性が劣る場合がある。密度は、JIS K7222に準拠して測定されたものである。
本発明の発泡体は、密度が30〜500kg/m3である。発泡体の密度は、より好ましくは50〜400kg/m3であり、さらに好ましくは80〜300kg/m3であり、特に好ましくは100〜250kg/m3である。発泡体の密度が30kg/m3未満であると、十分な強度を保つことができない場合がある。発泡体の密度が500kg/m3を超えると、柔軟性、衝撃吸収性、耐衝撃性が劣る場合がある。密度は、JIS K7222に準拠して測定されたものである。
≪海島構造の島部の平均長径≫
本発明の発泡体は、熱可塑性樹脂(A)の量が含フッ素重合体(B)よりも多いため、熱可塑性樹脂(A)を含む連続相と、含フッ素重合体(B)からなる分散相とを含む海島構造を有し、発泡体の断面構造において、分散相である島部の平均長径が3〜20μmであることが好ましい。
発泡体を構成する含フッ素共重合体(B)からなる島部(分散相)の平均長径が3〜20μmであると、耐熱性が高く、十分な材料強度を有する密度の発泡体を得ることができる。発泡体を構成する含フッ素重合体(B)からなる島部(分散相)の平均長径は、より好ましくは4〜15μmであり、さらに好ましくは5〜10μmである。発泡体が海島構造を有し、分散相である島部の平均長径は、後述する実施例に記載した測定方法により測定されたものである。
発泡体の分散相である島部の平均長径の制御は、一般的に熱可塑性樹脂(A)と含フッ素重合体(B)とを混練するプラストグラフや押し出し機のせん断速度と、樹脂の滞留時間とで制御することが可能である。プラストグラフや押し出し機のせん断速度は、一般的にローターの回転数に比例するため、回転速度でせん断速度を制御することが可能である。
本発明の発泡体は、熱可塑性樹脂(A)の量が含フッ素重合体(B)よりも多いため、熱可塑性樹脂(A)を含む連続相と、含フッ素重合体(B)からなる分散相とを含む海島構造を有し、発泡体の断面構造において、分散相である島部の平均長径が3〜20μmであることが好ましい。
発泡体を構成する含フッ素共重合体(B)からなる島部(分散相)の平均長径が3〜20μmであると、耐熱性が高く、十分な材料強度を有する密度の発泡体を得ることができる。発泡体を構成する含フッ素重合体(B)からなる島部(分散相)の平均長径は、より好ましくは4〜15μmであり、さらに好ましくは5〜10μmである。発泡体が海島構造を有し、分散相である島部の平均長径は、後述する実施例に記載した測定方法により測定されたものである。
発泡体の分散相である島部の平均長径の制御は、一般的に熱可塑性樹脂(A)と含フッ素重合体(B)とを混練するプラストグラフや押し出し機のせん断速度と、樹脂の滞留時間とで制御することが可能である。プラストグラフや押し出し機のせん断速度は、一般的にローターの回転数に比例するため、回転速度でせん断速度を制御することが可能である。
[発泡体の製造方法]
本発明の発泡体は、融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)と、フッ素含有量が50質量%以上の含フッ素重合体(B)とを特定の配合で含む発泡体用樹脂組成物を、物理的な方法で発泡することにより製造することができるものである。
本発明の発泡体の製造方法に特に制限はないが、必要に応じて架橋した後、発泡することにより製造することができる。
具体的には、下記工程(1)及び(2)を有する方法により製造することができる。
工程(1):融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)を70〜95質量部と、フッ素含有量が50質量%以上の含フッ素重合体(B)を5〜30質量部とを溶融混練し、発泡体用樹脂組成物を得る工程、
工程(2):10〜20MPaの圧力下で前記発泡体用樹脂組成物にガスを含浸させ、次いで大気中で熱可塑性樹脂(A)からガスを拡散させた後、加熱して発泡体を得る工程
本発明の発泡体は、融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)と、フッ素含有量が50質量%以上の含フッ素重合体(B)とを特定の配合で含む発泡体用樹脂組成物を、物理的な方法で発泡することにより製造することができるものである。
本発明の発泡体の製造方法に特に制限はないが、必要に応じて架橋した後、発泡することにより製造することができる。
具体的には、下記工程(1)及び(2)を有する方法により製造することができる。
工程(1):融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)を70〜95質量部と、フッ素含有量が50質量%以上の含フッ素重合体(B)を5〜30質量部とを溶融混練し、発泡体用樹脂組成物を得る工程、
工程(2):10〜20MPaの圧力下で前記発泡体用樹脂組成物にガスを含浸させ、次いで大気中で熱可塑性樹脂(A)からガスを拡散させた後、加熱して発泡体を得る工程
架橋した発泡体用樹脂組成物を用いる場合には、下記工程(1)、(1a)、及び(2)を有する方法によれば効率的に製造することができるため、好ましい。
工程(1):融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)を70〜95質量部と、フッ素含有量が50質量%以上の含フッ素重合体(B)を5〜30質量部とを溶融混練し、発泡体用樹脂組成物を得る工程、
工程(1a):前記発泡体用樹脂組成物に架橋処理して、架橋した発泡体用樹脂組成物を得る工程
工程(2):10〜20MPaの圧力下で前記発泡体用樹脂組成物にガスを含浸させ、次いで大気中で熱可塑性樹脂(A)からガスを拡散させた後、加熱して発泡体を得る工程
工程(1):融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)を70〜95質量部と、フッ素含有量が50質量%以上の含フッ素重合体(B)を5〜30質量部とを溶融混練し、発泡体用樹脂組成物を得る工程、
工程(1a):前記発泡体用樹脂組成物に架橋処理して、架橋した発泡体用樹脂組成物を得る工程
工程(2):10〜20MPaの圧力下で前記発泡体用樹脂組成物にガスを含浸させ、次いで大気中で熱可塑性樹脂(A)からガスを拡散させた後、加熱して発泡体を得る工程
本発明における発泡体用樹脂組成物は、熱分解型発泡剤を含むことなく、物理的な発泡によって発泡体を得ることができる。熱分解型発泡剤、例えばアゾジカルボンアミドは、熱分解温度が200〜210℃であり、190℃でも分解が開始する。そのため、融点が150℃以上である高融点材料とともに熱分解型発泡剤を溶融混練して、シート状に押出し成形する場合、押出機内で発泡が始まって成形が困難であった。本発明は、熱分解型発泡剤を用いることなく、物理的な発泡によって発泡体を得ることができるため、150℃以上の高融点材料を用いることができ、耐熱性の高い発泡体を得ることができる。
<工程(1)>
工程(1)は、融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)を70〜95質量部と、フッ素含有量が50質量%以上の含フッ素重合体(B)を5〜30質量部とを溶融混練し、発泡体用樹脂組成物を得る工程である。
工程(1)において、発泡体用樹脂組成物は、シート状に成形することが好ましい。
工程(1)において、発泡体用樹脂組成物には、融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)及びフッ素含有量が50質量%以上の含フッ素重合体(B)の他に、その他の添加剤を含んでいてもよい。その他の添加剤としては、例えば、架橋助剤、酸化防止剤等が挙げられる。
架橋助剤としては、多官能モノマーを使用することができる。架橋助剤を発泡体用樹脂組成物に添加することによって、後述する工程(2)において照射する電離性放射線量を低減して、電離性放射線の照射に伴う樹脂分子の切断、劣化を防止する。
架橋助剤としては具体的には、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメリット酸トリアリルエステル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリアリルエステル、トリアリルイソシアヌレート等の1分子中に3個の官能基を持つ化合物や、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、ジビニルベンゼン等の1分子中に2個の官能基を持つ化合物、フタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、エチルビニルベンゼン、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート等が挙げられる。
これらの架橋助剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
架橋助剤の添加量は、熱可塑性樹脂(A)と含フッ素重合体(B)の合計100質量部に対して0.2〜10質量部が好ましく、0.3〜5質量部がより好ましく、0.5〜5質量部がさらに好ましい。該添加量が0.2質量部以上であると架橋ポリオレフィン系樹枝発泡体が所望する架橋度を安定して得ることが可能となり、10質量部以下であると架橋発泡体の架橋度の制御が容易となる。
また、酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等のフェノール系酸化防止剤等が挙げられる。
工程(1)は、融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)を70〜95質量部と、フッ素含有量が50質量%以上の含フッ素重合体(B)を5〜30質量部とを溶融混練し、発泡体用樹脂組成物を得る工程である。
工程(1)において、発泡体用樹脂組成物は、シート状に成形することが好ましい。
工程(1)において、発泡体用樹脂組成物には、融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)及びフッ素含有量が50質量%以上の含フッ素重合体(B)の他に、その他の添加剤を含んでいてもよい。その他の添加剤としては、例えば、架橋助剤、酸化防止剤等が挙げられる。
架橋助剤としては、多官能モノマーを使用することができる。架橋助剤を発泡体用樹脂組成物に添加することによって、後述する工程(2)において照射する電離性放射線量を低減して、電離性放射線の照射に伴う樹脂分子の切断、劣化を防止する。
架橋助剤としては具体的には、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメリット酸トリアリルエステル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリアリルエステル、トリアリルイソシアヌレート等の1分子中に3個の官能基を持つ化合物や、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、ジビニルベンゼン等の1分子中に2個の官能基を持つ化合物、フタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、エチルビニルベンゼン、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート等が挙げられる。
これらの架橋助剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
架橋助剤の添加量は、熱可塑性樹脂(A)と含フッ素重合体(B)の合計100質量部に対して0.2〜10質量部が好ましく、0.3〜5質量部がより好ましく、0.5〜5質量部がさらに好ましい。該添加量が0.2質量部以上であると架橋ポリオレフィン系樹枝発泡体が所望する架橋度を安定して得ることが可能となり、10質量部以下であると架橋発泡体の架橋度の制御が容易となる。
また、酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等のフェノール系酸化防止剤等が挙げられる。
<工程(1a)>
工程(1a)は、架橋した発泡体を得る場合に、効率的に製造する工程である。工程(1a)は、前記発泡体用樹脂組成物を架橋処理して、架橋した発泡体用樹脂組成物を得る工程である。
工程(1a)において、発泡体用樹脂組成物を架橋処理する方法としては、例えば、発泡体用樹脂組成物に電子線、α線、β線、γ線等の電離性放射線を照射する方法、発泡体用樹脂組成物に予め有機過酸化物を配合しておき、発泡体用樹脂組成物を加熱して有機過酸化物を分解させる方法等が挙げられ、これらの方法を併用してもよい。これらの中では、電離性放射線を照射する方法が好ましい。
電離性放射線の照射量は、ゲル分率が5〜60質量%となるように、0.5〜20Mradが好ましく、2〜12Mradがより好ましい。また、架橋処理が施された発泡体用樹脂組成物を発泡させて得られる発泡体の伸びを向上させる場合には、発泡体用樹脂組成物に照射する電離性放射線の照射量は、1Mradを超えることが好ましく、より好ましくは2〜12Mrad、さらに好ましくは3〜10Mrad、特に好ましくは3〜8Mrad、最も好ましくは3〜4Mradである。
工程(1a)は、架橋した発泡体を得る場合に、効率的に製造する工程である。工程(1a)は、前記発泡体用樹脂組成物を架橋処理して、架橋した発泡体用樹脂組成物を得る工程である。
工程(1a)において、発泡体用樹脂組成物を架橋処理する方法としては、例えば、発泡体用樹脂組成物に電子線、α線、β線、γ線等の電離性放射線を照射する方法、発泡体用樹脂組成物に予め有機過酸化物を配合しておき、発泡体用樹脂組成物を加熱して有機過酸化物を分解させる方法等が挙げられ、これらの方法を併用してもよい。これらの中では、電離性放射線を照射する方法が好ましい。
電離性放射線の照射量は、ゲル分率が5〜60質量%となるように、0.5〜20Mradが好ましく、2〜12Mradがより好ましい。また、架橋処理が施された発泡体用樹脂組成物を発泡させて得られる発泡体の伸びを向上させる場合には、発泡体用樹脂組成物に照射する電離性放射線の照射量は、1Mradを超えることが好ましく、より好ましくは2〜12Mrad、さらに好ましくは3〜10Mrad、特に好ましくは3〜8Mrad、最も好ましくは3〜4Mradである。
架橋に使用する有機過酸化物としては、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。有機過酸化物の添加量は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し、0.01〜5質量部が好ましく、0.1〜3質量部がより好ましい。有機過酸化物の添加量が上記の範囲内であると、発泡体用樹脂組成物中で架橋が進行しやすく、また、得られる架橋した発泡体用樹脂組成物中の有機過酸化物の分解残渣の量を抑制することができる。
<工程(2)>
工程(2)は、10〜20MPa、より好ましくは12〜18MPaの圧力下で発泡体用樹脂組成物にガスを含浸させ、次いで大気中で熱可塑性樹脂(A)からガスを拡散させた後、加熱して発泡体を得る工程である。ここで「大気」とは、標準気圧である1atm(0.101325MPa)をいう。
発泡体用樹脂組成物には、特定の配合で融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)及びフッ素含有量が50質量%以上の含フッ素重合体(B)が含まれる。
融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)と、含フッ素重合体(B)とでは、ガスの透過度が異なる。
含フッ素重合体(B)のガスの透過度と比べて、融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)のガスの透過度は大きい。含フッ素重合体(B)として、例えばフッ化ビニリデン構造を有するポリフッ化ビニリデン樹脂の厚さ25μmのシートの25℃における酸素透過度は、26cc/m2・24hr・atmである。一方、融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)として、例えば、ポリアミド12を含む厚さ25μmのシートの25℃における酸素透過度は、1,100cc/m2・24hr・atmであり、ポリウレタンからなる厚さ25μmのシートの25℃における酸素透過度は、2,700cc/m2・24hr・atmであり、ポリエステルエラストマーからなる厚さ50μmのシートの35℃における酸素透過度は17,000cc/m2・24hr・atmである。ガスの透過度は、フィルム状の試験片を作製し、この試験片をガス透過率測定装置(例えばGTR11−A、GTRテック株式会社)で測定することができる。
10〜20MPaの圧力下で発泡体用樹脂組成物に炭酸ガス(二酸化炭素)等のガスを含浸させた後、発泡体用樹脂組成物を常圧(標準気圧)に開放すると、ガスの透過度の大きな熱可塑性樹脂(A)からは速やかに大気中にガスが拡散し、含フッ素重合体(B)中には暫くガスが残留する。その後、発泡体用樹脂組成物を加熱すると、発泡体用樹脂組成物中の含フッ素重合体(B)に残留していたガスが発泡し、発泡体が得られる。
また、発泡体用樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)を予め架橋させておくことによって、発泡時に十分な伸長粘度を有し、破泡することなく、発泡体を得ることができる。
発泡体用樹脂組成物に含浸させるガスとしては、例えば、空気、二酸化炭素、窒素、アルゴン、ヘリウム等のガスが挙げられる。
工程(2)は、10〜20MPa、より好ましくは12〜18MPaの圧力下で発泡体用樹脂組成物にガスを含浸させ、次いで大気中で熱可塑性樹脂(A)からガスを拡散させた後、加熱して発泡体を得る工程である。ここで「大気」とは、標準気圧である1atm(0.101325MPa)をいう。
発泡体用樹脂組成物には、特定の配合で融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)及びフッ素含有量が50質量%以上の含フッ素重合体(B)が含まれる。
融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)と、含フッ素重合体(B)とでは、ガスの透過度が異なる。
含フッ素重合体(B)のガスの透過度と比べて、融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)のガスの透過度は大きい。含フッ素重合体(B)として、例えばフッ化ビニリデン構造を有するポリフッ化ビニリデン樹脂の厚さ25μmのシートの25℃における酸素透過度は、26cc/m2・24hr・atmである。一方、融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)として、例えば、ポリアミド12を含む厚さ25μmのシートの25℃における酸素透過度は、1,100cc/m2・24hr・atmであり、ポリウレタンからなる厚さ25μmのシートの25℃における酸素透過度は、2,700cc/m2・24hr・atmであり、ポリエステルエラストマーからなる厚さ50μmのシートの35℃における酸素透過度は17,000cc/m2・24hr・atmである。ガスの透過度は、フィルム状の試験片を作製し、この試験片をガス透過率測定装置(例えばGTR11−A、GTRテック株式会社)で測定することができる。
10〜20MPaの圧力下で発泡体用樹脂組成物に炭酸ガス(二酸化炭素)等のガスを含浸させた後、発泡体用樹脂組成物を常圧(標準気圧)に開放すると、ガスの透過度の大きな熱可塑性樹脂(A)からは速やかに大気中にガスが拡散し、含フッ素重合体(B)中には暫くガスが残留する。その後、発泡体用樹脂組成物を加熱すると、発泡体用樹脂組成物中の含フッ素重合体(B)に残留していたガスが発泡し、発泡体が得られる。
また、発泡体用樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)を予め架橋させておくことによって、発泡時に十分な伸長粘度を有し、破泡することなく、発泡体を得ることができる。
発泡体用樹脂組成物に含浸させるガスとしては、例えば、空気、二酸化炭素、窒素、アルゴン、ヘリウム等のガスが挙げられる。
本発明は、150℃以上の高融点材料を用いた場合であっても、熱分解型発泡剤を用いることなく、48MPaのように非常に高圧とする必要がなく、例えば20MPa以下の圧力下において発泡させる押出発泡等の比較的安価な方法によって、十分に発泡し、かつ耐熱性が優れている発泡体を提供することができる。本発明によれば、建築、土木、電気、エレクトロニクス、車両等の様々な分野で用いることの可能な、耐熱性に優れた発泡体を比較的安価に得ることができる。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
[測定方法]
本明細書における各物性の測定方法は、次の通りである。
[測定方法]
本明細書における各物性の測定方法は、次の通りである。
<密度>
架橋発泡体の密度を、JIS K7222に準拠して測定した。
架橋発泡体の密度を、JIS K7222に準拠して測定した。
<海島構造の島部の平均長径>
厚さ3〜5mmのシート状の発泡体を厚み方向に平行な直線を含む任意の面で、カッターにて切断し、その切断面を走査型電子顕微鏡(S3400N、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)にて300倍の倍率の写真で観察し、写真の中央部の200μm四方の範囲内にある含フッ素重合体(B)からなる分散相である島部の長径をそれぞれ測定し、その平均値を分散相である島部の平均長径として測定した。
厚さ3〜5mmのシート状の発泡体を厚み方向に平行な直線を含む任意の面で、カッターにて切断し、その切断面を走査型電子顕微鏡(S3400N、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)にて300倍の倍率の写真で観察し、写真の中央部の200μm四方の範囲内にある含フッ素重合体(B)からなる分散相である島部の長径をそれぞれ測定し、その平均値を分散相である島部の平均長径として測定した。
[熱可塑性樹脂(A)、含フッ素重合体(B)、及び架橋助剤]
熱可塑性樹脂(A)及び含フッ素重合体(B)は、以下のものを用いた。
A1:ポリアミドエラストマー;UBESTAXPA9048、宇部興産株式会社製
A2:ポリエステルエラストマー;ペルプレン(登録商標)P80X、東洋紡株式会社製
A3:ポリウレタンエラストマー;エラストラン(登録商標)C60D、BASFジャパン株式会社製
B1:ポリフッ化ビニリデン樹脂;カイナー(Kynar)(登録商標)740、(フッ素含有量:59質量%)エルフ・アトケム・ジャパン株式会社製
架橋剤:トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)、日油株式会社製
熱可塑性樹脂(A)及び含フッ素重合体(B)は、以下のものを用いた。
A1:ポリアミドエラストマー;UBESTAXPA9048、宇部興産株式会社製
A2:ポリエステルエラストマー;ペルプレン(登録商標)P80X、東洋紡株式会社製
A3:ポリウレタンエラストマー;エラストラン(登録商標)C60D、BASFジャパン株式会社製
B1:ポリフッ化ビニリデン樹脂;カイナー(Kynar)(登録商標)740、(フッ素含有量:59質量%)エルフ・アトケム・ジャパン株式会社製
架橋剤:トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)、日油株式会社製
表1に、実施例及び比較例で用いた熱可塑性樹脂(A)及び含フッ素重合体(B)の物性値を示す。表1において、融点は、JIS K7121又はASTM D3418/DSCに準拠して測定した。比重は、JIS K7112又はASTM D792/23℃に準拠して測定した。樹脂の破断強度、破断伸び、引張り弾性率は、JIS K7161又はASTM D638/23℃に準拠して測定した。樹脂のガスの透過性は、JIS K7126に準拠して測定した。
実施例1
表1に示す熱可塑性樹脂(A1)、含フッ素重合体(B1)、及び架橋助剤としてTMPTMAを、表2に示す配合となるように、ラボプラストミル(R−60、株式会社東洋精機製作所製)に投入し、220℃で5分間混練して、樹脂混合物を得た。得られた樹脂混合物を、厚さ1mmのスペーサーを挟んだ熱プレス機(株式会社上島製作所製)に挟んで、180℃で2分間押圧成形し、縦20cm×横20cm×厚さ1mmのシート状に発泡体用樹脂組成物を形成した。
得られたシート状の発泡体用樹脂組成物に加速電圧800kVの電子線を4Mrad照射することで、架橋を施し、架橋した発泡体用樹脂組成物を得た。
得られた架橋した発泡体用樹脂組成物を50mm角にカットした。カット後の架橋した発泡体用樹脂組成物をオートクレーブに投入し、オートクレーブ中に炭酸ガス(二酸化炭素)を導入し、オートクレーブ中の圧力を16MPaとした。16MPaのオートクレーブ中に架橋した発泡体用樹脂組成物を8時間静置し、架橋した発泡体用樹脂組成物に炭酸ガスを含浸させた。次に、オートクレーブを開放し、架橋した発泡体用樹脂組成物を大気中に取り出し、3分間室温で放置した。その後、架橋した発泡体用樹脂組成物を、250℃に昇温した恒温オーブン(DKN402、ヤマト科学株式会社製)中に投入し、1分間加熱して発泡させ、発泡体を得た。なお、表2中、熱可塑性樹脂(A)、含フッ素重合体(B)、架橋助剤を示す数値は、質量部である。
表1に示す熱可塑性樹脂(A1)、含フッ素重合体(B1)、及び架橋助剤としてTMPTMAを、表2に示す配合となるように、ラボプラストミル(R−60、株式会社東洋精機製作所製)に投入し、220℃で5分間混練して、樹脂混合物を得た。得られた樹脂混合物を、厚さ1mmのスペーサーを挟んだ熱プレス機(株式会社上島製作所製)に挟んで、180℃で2分間押圧成形し、縦20cm×横20cm×厚さ1mmのシート状に発泡体用樹脂組成物を形成した。
得られたシート状の発泡体用樹脂組成物に加速電圧800kVの電子線を4Mrad照射することで、架橋を施し、架橋した発泡体用樹脂組成物を得た。
得られた架橋した発泡体用樹脂組成物を50mm角にカットした。カット後の架橋した発泡体用樹脂組成物をオートクレーブに投入し、オートクレーブ中に炭酸ガス(二酸化炭素)を導入し、オートクレーブ中の圧力を16MPaとした。16MPaのオートクレーブ中に架橋した発泡体用樹脂組成物を8時間静置し、架橋した発泡体用樹脂組成物に炭酸ガスを含浸させた。次に、オートクレーブを開放し、架橋した発泡体用樹脂組成物を大気中に取り出し、3分間室温で放置した。その後、架橋した発泡体用樹脂組成物を、250℃に昇温した恒温オーブン(DKN402、ヤマト科学株式会社製)中に投入し、1分間加熱して発泡させ、発泡体を得た。なお、表2中、熱可塑性樹脂(A)、含フッ素重合体(B)、架橋助剤を示す数値は、質量部である。
実施例2〜9及び比較例1〜4
実施例1において、表2に示す配合及び条件としたこと以外は、実施例1と同様にして、発泡体を得た。
実施例1において、表2に示す配合及び条件としたこと以外は、実施例1と同様にして、発泡体を得た。
表2に、実施例1〜9及び比較例1〜4に用いた発泡体用樹脂組成物の配合、発泡体の製造条件、及び密度を示す。
表2に示す結果から明らかなように、実施例1〜9は、融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)及びフッ素含有率が50質量%以上の含フッ素重合体(B)を特定の配合で含む発泡体用樹脂組成物を用いることによって、150℃以上の高融点材料を用いた場合であっても、熱分解型発泡剤を用いることなく、非常に高圧とする必要がなく、16MPaの比較的低圧下で、押出発泡等の比較的安価な方法によって、十分に発泡した。また、実施例1〜9の発泡体は、密度が100〜250kg/m3であり、十分な材料強度を有する密度の発泡体を得ることができた。また、実施例1〜9の発泡体は、融点150℃以上の材料を用いているため耐熱性が優れている。
一方、比較例1〜4の製造物は、実施例1〜9と同じ条件で製造した場合であっても、得られた製造物は、表面に気泡らしきものは確認できるものの、全体が十分に発泡していなかった。比較例1〜4の製造物は、密度が780〜1060kg/m3であり、実施例1〜9よりもかなり密度が高いものであった。
一方、比較例1〜4の製造物は、実施例1〜9と同じ条件で製造した場合であっても、得られた製造物は、表面に気泡らしきものは確認できるものの、全体が十分に発泡していなかった。比較例1〜4の製造物は、密度が780〜1060kg/m3であり、実施例1〜9よりもかなり密度が高いものであった。
本発明によれば、十分に発泡し、かつ融点150℃以上の材料を用いているため優れた耐熱性を有する発泡体、発泡体用樹脂組成物、及び発泡体の製造方法を提供することができる。本発明によって得られる発泡体は、建築、土木、電気、エレクトロニクス、車両等の様々な分野で用いることができ、各種電子機器の衝撃吸収材、建築用の断熱材、自動車等の車両用の天井材、ドア、インスツルメントパネル、コンソールボックス、リヤホイルハウスカバー、ラゲージハウスカバー、トランクルームカバー等の車両内装材に用いることができる。
Claims (9)
- 融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)と、フッ素含有量が50質量%以上の含フッ素重合体(B)とを含み、前記熱可塑性樹脂(A)と前記含フッ素重合体(B)の合計100質量部に対して、前記熱可塑性樹脂(A)が70〜95質量部であり、前記含フッ素重合体(B)が5〜30質量部である発泡体用樹脂組成物を、発泡してなる、密度が30〜500kg/m3である、発泡体。
- 前記発泡体用樹脂組成物を架橋処理した後、発泡してなる、請求項1に記載の発泡体。
- 前記熱可塑性樹脂(A)を含む連続相と、前記含フッ素重合体(B)からなる分散相とを含む海島構造を有し、
前記発泡体の断面構造において分散相である島部の平均長径が3〜20μmである、請求項1又は2に記載の発泡体。 - 前記熱可塑性樹脂(A)が、ポリエステル、ポリアミド、及びポリウレタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡体。
- 前記含フッ素重合体(B)が、テトラフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、三フッ化塩化エチレン重合体、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、フッ化ビニル重合体、及びテトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の含フッ素重合体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発泡体。
- 融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)と、フッ素含有量が50質量%以上の含フッ素重合体(B)とを含み、前記熱可塑性樹脂(A)と前記含フッ素重合体(B)の合計100質量部に対して、前記熱可塑性樹脂(A)が70〜95質量部であり、前記含フッ素重合体(B)が5〜30質量部である、発泡体用樹脂組成物。
- 前記発泡体用樹脂組成物を架橋処理してなる、請求項6に記載の発泡体用樹脂組成物。
- 下記工程(1)及び(2)を有する、発泡体の製造方法。
工程(1):融点150℃以上の熱可塑性樹脂(A)を70〜95質量部と、フッ素含有量が50質量%以上の含フッ素重合体(B)を5〜30質量部とを溶融混練し、発泡体用樹脂組成物を得る工程、
工程(2):10〜20MPaの圧力下で前記発泡体用樹脂組成物にガスを含浸させ、次いで大気中で熱可塑性樹脂(A)からガスを拡散させた後、加熱して発泡体を得る工程 - 前記工程(2)の前に、下記工程(1a)を有する、請求項8に記載の発泡体の製造方法。
工程(1a):前記発泡体用樹脂組成物を架橋処理して、架橋した発泡体用樹脂組成物を得る工程
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-
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