JP2017144690A - ポリオレフィン樹脂発泡体、積層シート及び、自動車内装材の製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン樹脂発泡体、積層シート及び、自動車内装材の製造方法 Download PDF

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友輔 小嶋
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【課題】積層シートに接触したときの柔軟性および、柔らかさを感じる触感に優れた効果を有し、真空成形、低射出成形時に表皮材と発泡体が剥離する外観不良を発生させない積層シートの製造方法を提供する。【解決手段】気泡層を上下2枚のスキン層により挟み込んだ構造のポリオレフィン系樹脂発泡体(以下、両スキン品)の該気泡層を切断する、1枚のスキン層と気泡層とを有するポリオレフィン系樹脂発泡体(以下、片スキン品)の製造方法であって、切断前の両スキン品の25%圧縮硬さと切断後の片スキン品の25%圧縮硬さ、片スキン品の見かけ密度との関係において以下の式により算出された数値が4.0以上であることを特徴とする片スキン品のポリオレフィン樹脂発泡体の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、インストルメントパネル、ドアパネル、全席シートの自動車内装材において、真空成形法、低圧射出成形によって成形された好適なポリオレフィン樹脂発泡体の積層シートの製造方法に関するものである。
表皮材とポリオレフィン樹脂発泡体からなる積層シートは、一般的に柔軟性、耐熱性、断熱性、軽量性、良デザイン性に優れており、従来から、天井、ドアパネル、インストルメントパネル等の自動車内装材に使用されている。特に表皮材のデザイン性とポリオレフィン樹脂発泡体からなる積層シートに接触したときの柔軟性、柔らかさを感じる触感と良デザイン性を付与させて、自動車内装材の高級外観と機能性を出す目的で、需要が増加している。
近年、真空成形法、低圧射出成形によって成形される自動車内装材は、真空成形の成形深さが益々深くなってきている。特に、インストルメントパネルやアームレストや木目込み部等において、その展開率が極めて大きなものとなるため、しばしば積層シートが破れる現象が起こっている。
また、低圧射出成形においても、予め浅い成形型で予備真空成形された後に低圧射出成形が行われるため、積層シートは高い展開率が求められるようになってきた。
特許文献1では、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂からなる架橋独立気泡型発泡体シートをスライスして得られたシートのスライス面に、接着性樹脂層が積層されて柔軟性および成形性を向上させる製品を得る方法が提案されている。
しかしながら、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂からなる架橋独立気泡型発泡体シートでは、十分な柔軟性が得られないという問題があった。
柔軟性を向上させるために、表皮材の厚さを薄くして、かつポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡倍率を高くすることで柔軟性は向上するが、機械的強度が低下することから真空成形や低圧射出成形などの圧縮成形加工時に積層シートが破れ、外観上問題となる。また、ポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡倍率を低くする事で機械的強度は向上するが柔軟性が低下する問題があった。
特願平9−175795号広報
本発明は、インストルメントパネル、ドア、全席シートなどに好適で有り、耐熱性と成形性を保持しつつ、柔軟性及び、柔らかさを感じる触感に優れたポリオレフィン系樹脂発泡体とポリオレフィン系樹脂発泡体を用いてなる自動車内装材用積層シートを製造する製造方法を提供する事を目的とする。
前記課題を達成するための本発明は以下の構成を有する。
本発明の製造方法により得られる発泡体は、気泡層を上下2枚のスキン層により挟み込んだ構造のポリオレフィン系樹脂発泡体(以下、両スキン品)の該気泡層を切断する、1枚のスキン層と気泡層とを有するポリオレフィン系樹脂発泡体(以下、片スキン品)の製造方法であって、切断前の両スキン品の25%圧縮硬さと切断後の片スキン品の25%圧縮硬さ、片スキン品の見かけ密度との関係において以下の式により算出された数値が4.0以上であることを特徴とする。
(両スキン品25%圧縮硬さ(kPa)÷片スキン品25%圧縮硬さ(kPa))×片スキン品の見かけ密度(kg/m
本発明の製造方法により得られる発泡体は、ポリオレフィン系樹脂発泡体が、ポリオレフィン系樹脂100質量%中に、熱可塑性エラストマー系樹脂(A)を30質量%以上、ポリプロピレン系樹脂(B)を30〜60質量%、ポリエチレン系樹脂(C)1〜20質量%含むことを特徴とする。
本発明の積層体は、片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体と表皮材(D)との積層シートであって、表裏面に関係なく積層された表皮材の最大剥離強度の差が5(N/25mm)以下である。
本発明の積層シートは、自動車内装材用途である。
本発明の製造方法により得られる積層シートは、耐熱性と成形性を保持しつつ、真空成形法、低圧射出成形などの複雑な形状への二次加工が可能な柔軟性及び、柔らかさを感じる触感に優れた自動車内装材用の積層シートを得ることができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明は、気泡層を上下2枚のスキン層により挟み込んだ構造のポリオレフィン系樹脂発泡体(以下、両スキン品)の該気泡層を切断する、1枚のスキン層と気泡層とを有するポリオレフィン系樹脂発泡体(以下、片スキン品)の製造方法であって、切断前の両スキン品の25%圧縮硬さと切断後の片スキン品の25%圧縮硬さ、発泡体の見かけ密度との関係において以下の式により算出された数値が4.0以上であることを特徴とする片スキン品のポリオレフィン樹脂発泡体の製造方法である。
上記片スキン品の発泡体のシート厚さは、自動車内装材の用途に応じて設定されるものであるが柔軟性および、柔らかさを感じる触感、底打ち感による硬さを感じない厚さとして通常1.0〜5.0mm、好ましくは1.5〜3.0mmである。上記片方のスキン層を取り除く方法としては、用途ごとに設定された厚さの2倍以上のポリオレフィン樹脂系発泡体を作成し、スライス機を用いて一面が気泡膜を切断したスライス面、反対の背面にスキン層を残したシートを2枚にスライスする方法や、用途毎に設定された厚さより若干厚目に架橋独立気泡型発泡体シートを作製し、該発泡体シートの一表面のスキン層をスライスして除き、一面が気泡膜を切断したスライス面、反対の背面に表皮層を残す方法などが挙げられる。
上記片方のスキン層を取り除く方法としては、用途毎に設定された厚さより若干厚目に架橋独立気泡型発泡体シートを作製し、片方のスキン面を研磨して一面が気泡膜を破壊したスライス面、反対の背面に表皮層を残す方法などが挙げられる。
本発明の製造方法により得られる発泡体は、ポリオレフィン系樹脂発泡体が、ポリオレフィン系樹脂100質量%中に、熱可塑性エラストマー系樹脂(A)を30質量%以上、ポリプロピレン系樹脂(B)を30〜60質量%、ポリエチレン系樹脂(C)1〜20質量%含むものであることが好ましく、積層シートに接触したときの柔軟性および、柔らかさを感じる触感に優れた効果を有する。
前記熱可塑性エラストマー系樹脂(A)が、30質量%以下であれば積層シートに接触したときの柔軟性が感じられず、前記熱可塑性エラストマー系樹脂(A)は30質量%〜60質量%より好ましい。
前記熱可塑性エラストマー系樹脂(A)としては、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー(SBC、TPS)、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー(TPVC)、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE、TPC)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TPAE、TPA)、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマーなど、従来から公知の如何なるものでも良い。
これら熱可塑性エラストマーの分子構造は、ソフトセグメント(弾性を有するポリマー)とハードセグメント(可塑性を有するポリマー)からなるものが多く、必要に応じてエチレンモノマーおよびプロピレンモノマーと他の共重合可能なモノマーとの共重合体を用いることもできる。これらの熱可塑性エラストマー系樹脂(A)は、1種類のみでなく、2種類以上をブレンドしても良い。また、これらの熱可塑性エラストマー系樹脂(A)の重合方法には特に制限がなく、高圧法、スラリー法、溶液法、気相法のいずれでも良く、重合触媒についても、チーグラー触媒やメタロセン触媒等、特に限定されるものではない。更に2種類以上のハードセグメントになるポリマーとソフトセグメントになるポリマーを物理的に混合してポリマーアロイとして熱可塑性エラストマーとすることもできる。
前記熱可塑性エラストマー系樹脂(A)は、耐熱性と成形性が優れるという観点から、示差走査熱量計(DSC)による吸熱ピークが150℃以上の範囲にあり、結晶化温度が110℃以上であることが好ましく用いられる。
前記熱可塑性エラストマー系樹脂(A)は、密度が850〜920kg/m、MFR(230℃)が1〜15の範囲内にあるものが好ましく用いられ、中でも密度が860〜910kg/m、MFR(230℃)が5〜10であるものが、特に好ましく用いられる。本発明で用いられる熱可塑性エラストマー系樹脂(A)としては、市販品としては三井化学“タフマー”(登録商標)PN−3560、プライムポリマ製“プライムTPO” (登録商標)M142E等が挙げられる。
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂(B)としては、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレンなどが挙げられ、必要に応じてプロピレンモノマーと他の共重合可能なモノマーとの共重合体を用いることもできる。ポリオレフィン系樹脂発泡体中のポリプロピレン系樹脂(B)は、1種類のみでなく、2種類以上をブレンドして用いても良い。また、これらのポリプロピレン系樹脂(B)の重合方法には特に制限がなく、高圧法、スラリー法、溶液法、気相法のいずれでも良く、重合触媒についても、チーグラー触媒やメタロセン触媒等、特に限定されるものではない。
ポリプロピレン系樹脂(B)は、ポリプロピレン系樹脂(B)100質量%中のエチレン含有率が5〜15質量%、融点が135〜160℃、MFR(230℃)が0.5〜5.0のランダムポリプロピレンまたは、ポリプロピレン系樹脂(B)100質量%中のエチレン含有率が1〜5質量%、融点が150〜170℃、MFR(230℃)が1.0〜7.0のブロックポリプロピレンが、特に好ましく用いられる。
ポリエチレン系樹脂(C)としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−ブチルアクリレート共重合体(EBA)などが挙げられ、必要に応じてエチレンモノマーと他の共重合可能なモノマーとの共重合体を用いることもできる。これらのポリエチレン系樹脂(C)は、1種類のみでなく、2種類以上をブレンドしても良い。また、これらのポリプロピレン系樹脂の重合方法には特に制限がなく、高圧法、スラリー法、溶液法、気相法のいずれでも良く、重合触媒についても、チーグラー触媒やメタロセン触媒等、特に限定されるものではない。
ポリエチレン系樹脂(C)は、密度が890〜950kg/m、MFR(190℃)が1〜15の範囲内にあるものが好ましく用いられ、中でも密度が920〜940kg/m、MFR(190℃)が2〜10、融点が100〜130℃の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、例えばC4〜C12のエチレン−α−オレフィン共重合体が、特に好ましく用いられる。
本発明の製造方法により得られるポリオレフィン系樹脂発泡体においては、本発明の効果を損なわない範囲内で、フェノール系、リン系、アミン系およびイオウ系等の酸化防止剤、金属害防止剤、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、トリアリルイソシアヌレート、エチルビニルベンゼン、エチレンビニルジメタクリレート、1,2−ベンゼンジカルボン酸ジアリルエステル、1,3−ベンゼンジカルボン酸ジアリルエステル、1,4−ベンゼンジカルボン酸ジアリルエステルおよび1,2,4−ベンゼントリカルボン酸ジアリルエステル等の架橋助剤、マイカやタルク等の充填剤、臭素系およびリン系等の難燃剤、三酸化アンチモン等の難燃助剤、帯電防止剤、滑剤、顔料、およびポリテトラフルオロエチレン等のポリオレフィン用添加剤を添加することができる。
本発明の製造方法により得られるポリオレフィン系樹脂発泡体は、ポリオレフィン樹脂の混合物に気体を生ずることができる発泡剤を混合して製造するものであり、その製造方法としては、ポリオレフィン樹脂の混合物に、発泡剤として、熱分解型化学発泡剤を加えて溶融混錬し、常圧加熱にて発泡する常圧発泡法、押出機内で熱分解型化学発泡剤を加熱分解し、高圧下で押出ながら発泡する押出発泡法、プレス金型内で熱分解型化学発泡剤を加熱分解し、減圧しながら発泡するプレス発泡法、および押出機内で気体あるいは気化する溶剤を溶融混合し、高圧下で押出しながら発泡する押出発泡法等の方法があげられる。
ここで用いられる熱分解型化学発泡剤とは、熱を加えることで分解しガスを放出する化学発泡剤であり、例えば、アゾジカルボンアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P’−オキシベンゼンスルフォニルヒドラジドなどの有機系発泡剤、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウムおよびカルシウムアジドなどの無機系発泡剤があげられる。
発泡剤は、それぞれ単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。柔軟で成形性が高く表面平滑な高倍率な発泡体を得るため、発泡剤としてアゾジカルボンアミドを用いた常圧発泡法が好適に用いられる。
本発明に用いる片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体は、成形性と柔軟性とが共に優れているという観点から、見かけ密度が30kg/m〜150kg/mの範囲であることが好ましく、本発明の製造方法により得られる積層シートを自動車内装材に用いる場合には、更に好ましい態様は、50kg/m〜100kg/mの範囲である。見かけ密度が150kg/m以上であれば成形性は向上するが柔軟性が低下し、見かけ密度が30kg/m以下であれば柔軟性は向上するが成形性が低下する。このため、見かけ密度は、50kg/m〜100kg/mの範囲が優れた効果を有する。
また、本発明の製造方法により得られる片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体は、柔軟性を示す指標として25%圧縮硬さが20〜100(kPa)であることが好ましく、より好ましくは30〜70(kPa)の態様である。25%圧縮硬さが100kPa以上であれば片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体が硬く、片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体に接触した際の柔らかさを感じる触感が感じられず、25%圧縮硬さが20kPa以下であれば、片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体が柔らかすぎて、発泡体が潰れ基材との底打ち感が発生し、硬さを感じる。25%圧縮硬さは、20〜60(kPa)の範囲が優れた効果を有する。
また、本発明の製造方法により得られる片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体については、両スキンと片スキンとの25%圧縮硬さの差にみかけ密度をかけることで柔軟性を示す指標とした。
以下の式の算出値が4.0以上であることが好ましく、より好ましくは、7.0以上の態様である。柔軟性を示す算出値が4.0以下であれば成形性および柔軟性のいずれかにおいて優れた効果を発揮できず、成形性においては、破れやシワ等の外観欠点を発生させ、柔軟性においては、片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体に接触した際の硬さを感じさせる。成形性と柔軟性とが共に優れているという観点から柔軟性を示す算出値が7.0以上がより優れた効果を有する。
(両スキン品25%圧縮硬さ(kPa)÷片スキン品25%圧縮硬さ(kPa))×片スキン品の見かけ密度(kg/m
本発明の製造方法により得られる片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体に用いるポリオレフィン系樹脂発泡体は、架橋された樹脂発泡体(架橋発泡体という)、架橋されていない樹脂発泡体(非架橋発泡体という)のいずれも用いることができ、用途に応じて適切な樹脂発泡体を選択すれば良い。しかし、樹脂発泡体の表面に平滑性があり、積層体の外観に優れることとなる点や、成形時に破れにくいためにデザイン性を追求できる点から、ポリオレフィン系樹脂発泡体としては架橋発泡体が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂発泡体を架橋発泡体にするための方法は特に制限がない。架橋発泡体を得る方法としては、例えば、シラン基、過酸化物、水酸基、アミド基、エステル基などの化学構造を有する架橋剤を原料中に含有させることにより化学的に架橋する化学架橋方法、電子線、α線、β線、γ線、紫外線をポリオレフィン系樹脂に放射することにより架橋する放射線架橋方法などが挙げられる。発泡体のセルを均一にして、柔軟性および耐熱性を保持しつつ、発泡体の表面外観を平滑にして積層シートの外観に優れる点から、ポリオレフィン系樹脂発泡体を架橋発泡体にするためには、電子線による放射線架橋が好ましい。
また、本発明の製造方法により得られる片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体に用いるポリオレフィン系樹脂発泡体において、電子線架橋では架橋構造を構築することが困難な場合には、ポリオレフィン系樹脂発泡体を製造するための原料中に架橋助剤を含有させることで電子線による架橋発泡体を得ることができる。架橋助剤としては特に制限はないが、多官能モノマーを使用するのが好ましい。多官能モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、トリメリット酸トリアリルエステル、トリアリルイソシアヌレート、エチルビニルベンゼンなどを使用することができる。これらの多官能モノマーは、それぞれ単独で用いても、あるいは2種以上を組み合わせて使用しても良い。
本発明の製造方法により得られるポリオレフィン系樹脂発泡体を架橋させる場合、すなわち、本発明の製造方法により得られる発泡体を架橋発泡体とする場合、架橋状態を示すゲル分率は、20%〜60%の範囲であることが好ましく、更には30%〜50%の範囲であることが好ましい。このゲル分率が20%未満では、発泡時表面から発泡剤のガスが逸散し、所望の発泡倍率の製品が得られにくくなり、一方、ゲル分率が60%を超えると過度の架橋となり表面平滑な高発泡倍率の製品が得られにくくなることと、破断点伸度等の機械強度が低下し成形性が低下することがある。
本発明の製造方法により得られる片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体に用いるポリオレフィン系樹脂発泡体は、独立気泡構造であることが好ましい。独立気泡構造の発泡体の場合には、その構造のために真空成形でエアーを十分に引くことができる等、複雑な形状への成形が可能となる。また、気泡は微細で均一であることが発泡体や発泡体を成形した成形品の表面が平滑となることから好ましい。
また、本発明の製造方法により得られる片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体に用いるポリオレフィン系樹脂発泡体にゲル化物等が含まれる場合、発泡体表面に凹凸状欠点や発泡体内部に粗大気泡状欠点が発生する要因となり、ラミネート加工においては欠点部分が密着しない、成形加工においては成形品の表面に凹凸状欠点となる等、最終製品の外観が損なわれることがある。
本発明の製造方法により得られる片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体に用いるポリオレフィン系樹脂発泡体は、長尺シート状に製造できることが好ましい。長尺シート状とすることにより安価に大量に供給することが可能である。
本発明の製造方法により得られる片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体に積層する表皮材(D)は、示差走査熱量計による吸熱ピークを、95〜110℃の領域及び130〜155℃の領域に少なくとも有することが好ましい。この好ましい態様では、表皮材(D)は、95〜110℃の領域及び130〜155℃の領域に少なくとも示差走査熱量計による吸熱ピークを有しさえすれば、表皮材(D)を構成する熱可塑性樹脂に特に制限はない。表皮材(D)を構成する熱可塑製樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−ブチルアクリレート共重合体(EBA)エチレンプロピレンラバー等のエラストマー成分を含むポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド樹脂や、これらの樹脂と共重合可能なモノマーで構成された共重合体などが挙げられる。これらの表皮材(D)を構成する熱可塑性樹脂は、2種以上を混合させてもよい。また、加工性や外観性を向上させる目的で、無機充填材、酸化防止剤、炭化水素系オイルなどを添加してもよい。特に、表皮材(D)は、ポリオレフィン系ハードセグメントとポリオレフィン系ソフトセグメントとを有するブロック共重合体エラストマーを含有していると、ポリオレフィン樹脂発泡体との積層加工が簡易となり、また接触したときの柔軟性もあるために好ましい。また表皮材(D)中にブロック共重合体エラストマーを含有させることで、容易に表皮材(D)の示差走査熱量計による吸熱ピークを95〜110℃の領域及び130〜155℃の領域に有する態様に制御することができる。
ここで、表皮材(D)が好ましく含有するブロック共重合体エラストマー中のポリオレフィン系ハードセグメントとは、該セグメント100質量%中にプロピレン成分を50質量%以上含有するオレフィン系共重合体のことである。ブロック共重合体エラストマー中のポリオレフィン系ハードセグメントは、具体的には、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン3元共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン重合体など、2元または3元の共重合体がある。
また、表皮材(D)が含有するブロック共重合体エラストマー中の前記ポリオレフィン系ソフトセグメントとは、架橋(部分架橋、完全架橋のいずれの架橋も含む)した、オレフィン系共重合体のことである。具体的には、架橋したエチレン−プロピレンランダム共重合体、架橋したエチレン−プロピレンブロック共重合体、架橋したエチレン−プロピレン−ブテン3元共重合体、架橋したポリブタジエンなどがある。
表皮材(D)中のブロック共重合体エラストマーの含有量は特に制限されないが、表皮材(D)の接触感や成形加工性などから、表皮材(D)100質量%中に50〜100質量%のブロック共重合体エラストマーを含有しているのが好ましい。
これらのポリオレフィン系ハードセグメントとなる重合体とポリオレフィン系ソフトセグメントとなる重合体は、互いに重合することでブロック共重合体エラストマーとすることができる。また、これらのセグメントを構成する各重合体を、単軸押出機、二軸押出機、ニーダーミキサー、バンバリーミキサー等の公知の方法を使用して混練することで、重合することができる。
本発明の製造方法により得られるスライスされたポリオレフィン系樹脂発泡体に積層する表皮材(D)の厚さは、特に限定されず、その使用目的に応じた厚みに加工して用いることができる。表皮材(D)の一般的な厚さは、0.1〜1.5mmの範囲である。成形加工性と柔軟性から表皮材(D)の厚さは0.3〜0.6mmが好ましい。
本発明の製造方法により得られる片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体と表皮材(D)を積層する方法に制限はない。表皮材(D)がポリ塩化ビニルを含有する場合は、ポリオレフィン系樹脂発泡体や表皮材(D)の接着剤と接触する面側の表面に放電加工を行い、表面に水酸基を導入して接着性を向上させ、公知の接着剤としてポリエステル系やウレタン系の溶剤系接着剤やエマルジョン系接着剤をポリオレフィン系樹脂発泡体に塗布して貼り合わせる方法がある。
また、表皮材(D)がブロック共重合体エラストマーを含有している場合、ポリオレフィン系樹脂発泡体と表皮材(D)を加熱して積層する熱融着方法などが挙げられる。
また、本発明の製造方法により得られる片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体の積層シートは、片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体と表皮材(D)の間の界面剥離もしくは、材質破壊(以下、材破)剥離の最大剥離強度が、20(N/25mm)以上であることが好ましい。界面剥離もしくは、材破剥離の最大剥離強度が、20(N/25mm)より小さいと、真空成形、低射出成形時にポリオレフィン系樹脂発泡体と表皮材(D)が剥離して外観不良を生じたり、積層シートが破れる問題を発生させたりする懸念がある。積層シートの界面剥離もしくは、材破剥離の最大剥離強度は25(N/25mm)以上であることが好ましい。なお、本発明の製造方法により得られる片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体の積層シートは、ポリオレフィン系樹脂発泡体と表皮材(D)の間の界面剥離もしくは、材破剥離の最大剥離強度は、スキン層とスライス層において最大剥離強度の差が5(N/25mm)以下でかつ、20(N/25mm)以上であることが好ましい。
樹脂基材の組成には特に制限がなく、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂や、これらに、タルク、マイカ、ワラステナイト、ガラスビーズ、ガラス繊維、炭素繊維などの無機充填材で強化させた複合体を用いることが一般的である。
本発明の製造方法により得られる片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体からなる積層シートは、自動車内装材に使用される場合、表皮材(D)、ポリオレフィン系樹脂発泡体、樹脂基材の3層以上を有する。
本発明の製造方法により得られる自動車内装材について、積層体中の片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体と樹脂基材とを接着させる接着剤には制限がない。そのため、たとえば、大日本インキ化学工業(株)製の「パンデックスT−5265」、バイエル(株)製「デスモコール♯500」などを接着剤としても用いることができる。
本発明の製造方法により得られる自動車内装材について、積層体中の片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体と樹脂基材とを加熱して熱融着する方法などにより積層することができる。
本発明の製造方法により得られる片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体からなる積層シートは、自動車内装材で使用される場合、成形加工する方法に制限はないが、一般的には、前記した片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体と表皮材(D)の積層シートを、押出成形、真空成形、低射出成形、ブロー成形などの公知の成形加工により、内装材の形状となる積層シートの成形品を作成し、接着剤や熱媒体を介在して、ポリオレフィン系樹脂発泡体と樹脂基材とを接着させる方法がある。これらの成形は、熱溶着、振動溶着、超音波溶着、レーザー溶着などで、必要に応じた形状に二次加工してもよい。
次に、本発明の発泡体の製造方法を例示説明する。
熱可塑性エラストマー系樹脂(A)および、ポリプロピレン系樹脂(B)、ポリエチレン系樹脂(C)に更にアゾジカルボンアミド等の熱分解型発泡剤を加え、ヘンシェルミキサーやタンブラー等の混合機器を用いて均一に混合する。その後、押出機や加圧式ニーダー等の溶融混練機器を用いて、熱分解型発泡剤の分解温度未満で均一に溶融混練し、T型口金によってシート形状に成形した後、電離性放射線を照射し架橋させる。
次に、得られたシート状物を熱媒となる塩浴上に浮かべる方法や、熱風等の雰囲気下中に投じる方法により、熱分解型発泡剤の分解温度以上に昇温させて、分解により発生したガスにより発泡させることによって、本発明の製造方法により得られるポリオレフィン系樹脂発泡体を得ることができる。
前記ポリオレフィン系樹脂発泡体は、用途ごとに設定された厚さの2倍以上のポリオレフィン樹脂系発泡体を作成し、これを上下ニップロールで挟み込み送り込み速度3.0m/min〜30.0m/minでポリオレフィン系樹脂発泡体の中央部分を回転刃で半裁させて、一面が気泡膜を切断したスライス面、反対の背面にスキン層を残した表裏面の異なる2枚の片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体シートを得ることができる。
発泡体をスライスする機器は、工業用軟質材、ゴムシートをスライスできるものであれば良く例えば、株式会社ニッピ機械社製「NP−120RS」が使用できる。
前記ポリオレフィン系樹脂発泡体は、用途毎に設定された厚さより若干厚目に架橋独立気泡型発泡体シートを作製し、片方のスキン面を研磨して一面が気泡膜を破壊した研磨面、反対の背面に表皮スキン層を残した表裏面の異なる片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体シートを得ることができる。一般的に使用される発泡体の研磨機であればよく、ベルトサンダー研磨やルーター研磨、機械的研磨法に化学的作用を組み合わせたCMP(ケミカル・メカニカルポリッシング)などがある。
次に、表皮材の製造方法を例示説明する。
表皮材(D)を構成する熱可塑製樹脂を押出機や加圧式ニーダー等の溶融混練機器を用いて溶融混練し、T型口金もしくは、カレンダーロールにてシート状に成形して所定の厚さにコントロールする。得られた所定厚さのシートを空冷もしくは、水冷却して表皮材(D)が得られる。
次に、本発明の製造方法により得られる片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体からなる積層シートの製造方法を例示説明する。
前記発泡体の製造方法で得られた片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体と前記表皮材(D)の製造方法で得られた表皮材(D)の積層する面側を吸熱ピークから得られる最大の温度に対して−10℃〜+10℃までに加熱して、表皮材(D)の厚さとポリオレフィン系樹脂発泡体の厚さの和よりも−0.3mm〜−1.5mmの範囲で間隙調整したニップロールを介し熱融着方法による3層構造の積層体を得る。
また、片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体と前記表皮材(D)とを接着剤を使用して貼り合せて3層構造の積層体を得ても良い。
以下の実施例と比較例で用いた評価方法は、次のとおりである。
(1)ポリオレフィン樹脂のMFR:
ポリオレフィン樹脂のMFRとは、JIS K7210(改正1999/10/20)「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレート (MFR) およびメルトボリュームフローレイト (MVR) の試験方法」に準じて、MFR(190℃)は190℃の温度で、MFR(230℃)は230℃の温度で測定した。具体的には、上記規格の附属書B(参考)「熱可塑性プラスチック材料の規格と指定とその試験条件」に基づきオレフィンブロックコポリマー(A)およびポリエチレン系樹脂(C)は、温度190℃、荷重2.16kgf、ポリプロピレン樹脂(B)は温度230℃、荷重2.16kgfの条件でメルトマスフローレート計(株式会社東洋精機製作所製メルトインデックサ型式F−B01)を使用し、手動切り取り法を採用し、ダイから10分間にでてきた樹脂の重量を測定した。
(2)ポリオレフィン樹脂の密度:
ポリオレフィン系樹脂の密度は、JIS K7112(改正1999/05/20)「プラスチック−非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法」に準じて測定した。
(3)ポリオレフィン樹脂の融点温度:
本発明においてポリオレフィン樹脂の融点とは、示差走査熱量分析で得られた縦軸に熱量(mW)、横軸に温度を採ったDSC曲線の吸熱ピークから得られる最大の温度であり、示差走査熱量計(DSC:セイコー電子工業株式会社製RDC220−ロボットDSC)を用いて各サンプルを2mg準備し、窒素環境下において測定した。測定条件は、サンプルを200℃の温度まで昇温し溶融させた後、10℃/分の速度で−50℃の温度まで冷却させ、それから10℃/分の速度で昇温して、単位質量当たりの吸熱ピークを測定し、融点温度とした。
(4)発泡体の厚さ:
発泡体の厚さは、ISO1923(改正1981/09/01)「発泡プラスチック及びゴム一線寸法の測定方法」に従って測定を行った値である。
(5)発泡体のみかけ密度:
発泡体のみかけ密度は、JIS K6767(改正1999/10/20)「発泡プラスチック−ポリエチレン−試験方法」に準じて測定した値である。
(6)発泡体のゲル分率:
発泡体を約0.5mm四方に切断し、約100mgを0.1mgの単位で秤量する。130℃の温度のテトラリン200mlに3時間浸漬した後、100メッシュのステンレス製金網で自然濾過し、金網上の不溶解分を1時間120℃下で熱風オーブンにて乾燥する。次いで、シリカゲルを入れたデシケータ内で10分間冷却し、この不溶解分の質量を精密に秤量し、次の式に従って発泡体のゲル分率を百分率で算出する。
・ゲル分率(%)={不溶解分の質量(mg)/秤量した発泡体の質量(mg)}×100。
(7)発泡体の25%圧縮硬さ:
発泡体の25%圧縮硬さは、JIS K6767(1999年)「発泡プラスチック−ポリエチレン−試験方法」に基づいて測定した値である。具体的には、発泡体を50mm×50mmに切断し、厚さが20mm以上30mm以下になるように重ね、初期厚さを測定する。平面板にサンプルを置き、初期厚さの25%まで10mm/分の速度で圧縮して停止し、20秒後の荷重を測定し、下記式により25%圧縮硬さ(kPa)を計算した。
・25%圧縮硬さ(kPa)=25%圧縮し20秒後の荷重(N)/25(cm)/10。
(8)積層体の最大剥離強度
ポリオレフィン系樹脂発泡体の長さ方向(MD)を150mm×25mmに切削した積層体の試験片サンプルを、引張速度が500(mm/min)、剥離角度180(°)、剥離距離80(mm)の条件で、JIS Z 0237(2009)に準拠した剥離試験を行ったときの、最大剥離強度の値を求めた。
積層されたポリオレフィン系樹脂発泡体と表皮材(D)を上部とし、端部を挟み込んで固定する。表皮材(D)のみを下側の挟み込み部分まで裁断して固定をする。
測定温度は23℃、湿度は50%RHである。
装置:テンシロンUCT−500(オリエンテックコーポレーション)
引張速度:500mm/min
得られた剥離強度は、剥離距離80mm内の最大剥離強度値であり、2回測定した値から求めた平均値である。
(9)柔らかさを感じる触感の評価:
実施例1で使用した積層体を用いて、積層体を上部から垂直に指で押した際の感覚を以下の通り5段階で評価を行った。
〔評価基準〕
5:積層体厚さの半分以上が沈み込み、積層体からの反発性を感じる。
4:積層体厚さの1/3分が沈み込み、積層体からの反発性を感じる。
3:積層体に沈み込みがあるが、積層体からの反発性を感じない。
2:積層体に沈み込みはあるが、硬さを感じる。
1:積層体に沈み込みがなく、硬さを感じる。
(10)積層体の柔軟性評価:
以下のテスト条件において、積層体100mm×100mmを表皮材(E)側から圧縮したときのストローク長を以下の通り5段階で評価を行った。
〔テスト条件〕
装置:カトーテック株式会社製ハンディー圧縮試験機 「KES−G5」
測定環境:23℃
測定条件:1kg圧縮したときのストローク長(mm)
圧縮速度:1.5mm/sec
5:1.31mm以上
4:1.01〜1.30mm
3:0.71〜1.00mm
2:0.41〜0.70mm
1:0.40mm以下。
実施例と比較例で用いた樹脂は、次のとおりである。
熱可塑性エラストマー系樹脂(A):三井化学製“タフマー”(登録商標)PN−3560(a−1)、密度866kg/m、MFR(230℃)=6.0g/10分、融点=160℃、結晶化温度=135℃
熱可塑性エラストマー系樹脂(A):プライムポリマ製“プライムTPO”(登録商標)M142E(a−2)、密度900kg/m、MFR(230℃)=10.0g/10分、融点=153℃、結晶化温度=115℃
ポリプロピレン系樹脂(B):プライムポリマ製“プライムポリプロ“(登録商標)J452HAP、密度:900kg/m3、MFR(230℃)=3.5g/10分、融点=163℃
ポリエチレン系樹脂(C):日本ポリエチレン製“ノバテック”(登録商標)LL UJ960、密度:935kg/m、MFR(190℃)=5g/10分、融点=126℃
発泡剤:アゾジカルボンアミド永和化成工業製“ビニホールAC#R”(登録商標)
架橋助剤:和光純薬工業製55%ジビニルベンゼン
酸化防止剤:BASF社製“IRGANOX”(登録商標)1010。
[実施例1〜14][比較例1〜15]
実施例1〜14で作成した発泡体は、次のとおりである。
熱可塑性エラストマー(A)とその種類、ポリプロピレン系樹脂(B)、ポリエチレン系樹脂(C)を表1に示す比率でヘンシェルミキサーを用いて混合し、押出機を用いて170℃の温度で溶融押出し、Tダイを用いて厚さ:1.0mm〜3.5mmのポリオレフィン系樹脂シートを作製した。このようにして得られたポリオレフィン系樹脂シートに、加速電圧650〜950kV、50〜70kGyの電子線を片面から照射して架橋シートを得た後、この架橋シートを220℃の温度の塩浴上に浮かべ、上方から赤外線ヒータで加熱し発泡させた。その発泡体を60℃の温度の水で冷却し、発泡体表面を水洗して乾燥させ、厚さが1.5〜8.0mm、みかけ密度が50〜100kg/m、ゲル分率が35〜45%の両スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体の長尺ロールを得た。前記ポリオレフィン系樹脂発泡体を株式会社ニッピ機械社製「NP−120RS」を使用して加工速度、5m/minで厚さ方向に気泡層を切断するようにスライスし、製品厚さ1.0mm〜4.0mm、みかけ密度50〜95kg/m、25%圧縮硬さ30〜100kPaの片スキン品のポリオレフィン樹脂発泡体を得た。
表皮材(D)は以下の通り作製した。
表皮材(D)は、示差走査熱量計で95℃と138℃に吸熱ピークを有するブロック共重合体エラストマー(ポリオレフィン系ソフトセグメント:パーオキサイドにより部分架橋したエチレン−プロピレンランダム共重合体。ポリオレフィン系ハードセグメント:エチレン重合体。)からなる樹脂を使用し、押出機にて溶融混練させ、T型口金から厚さ0.5〜0.8mmのシートを得た。
スライスされた片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体からなる積層シートについては、以下の通りに作製した。
スライスされた片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体は、表皮材(D)と積層する面を146〜155℃に加熱して、ロール間隙を、表皮材(D)の厚さとポリオレフィン系樹脂発泡体の厚さの和よりも−0.5〜1.0mmでニップしながら、この加熱面側と表皮材(D)とを熱融着して表1に示す積層シートとした。この積層体の評価結果を表1に示す。
[比較例1〜15]
比較例1〜15で作成した発泡体は、次のとおりである。
熱可塑性エラストマー(A)とその種類、ポリプロピレン系樹脂(B)、ポリエチレン系樹脂(C)を表2に示す比率でヘンシェルミキサーを用いて混合し、押出機を用いて170℃の温度で溶融押出し、Tダイを用いて厚さ:1.0mm〜3.5mmのポリオレフィン系樹脂シートを作製した。このようにして得られたポリオレフィン系樹脂シートに、加速電圧650〜950kV、50〜70kGyの電子線を片面から照射して架橋シートを得た後、この架橋シートを220℃の温度の塩浴上に浮かべ、上方から赤外線ヒータで加熱し発泡させた。その発泡体を60℃の温度の水で冷却し、発泡体表面を水洗して乾燥させ、厚さが1.0〜8.0mm、みかけ密度が50〜100kg/m、ゲル分率が35〜55%の両スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体の長尺ロールを得た。前記ポリオレフィン系樹脂発泡体を株式会社ニッピ機械社製「NP−120RS」を使用して加工速度、5m/minで厚さ方向に気泡層を切断するようにスライスし、製品厚さ1.0mm〜4.0mm、みかけ密度50〜95kg/m、25%圧縮硬さ100〜150kPaの片スキン品のポリオレフィン樹脂発泡体を得た。
表皮材(D)は以下の通り作製した。
表皮材(D)は、示差走査熱量計で95℃と138℃に吸熱ピークを有するブロック共重合体エラストマー(ポリオレフィン系ソフトセグメント:パーオキサイドにより部分架橋したエチレン−プロピレンランダム共重合体。ポリオレフィン系ハードセグメント:エチレン重合体。)からなる樹脂を使用し、押出機にて溶融混練させ、T型口金から厚さ0.3〜0.8mmのシートを得た。
ポリオレフィン系樹脂発泡体からなる積層シートについては、以下の通りに作製した。
両スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体、片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体は、表2に示す表皮材(D)と積層する面を146〜155℃に加熱して、ロール間隙を、表皮材(D)の厚さとポリオレフィン系樹脂発泡体の厚さの和よりも−0.5〜1.0mmでニップしながら、この加熱面側と表皮材(D)とを熱融着して積層シートとした。この積層体の評価結果を表2に示す。
Figure 2017144690
Figure 2017144690

Claims (4)

  1. 気泡層を上下2枚のスキン層により挟み込んだ構造のポリオレフィン系樹脂発泡体(以下、両スキン品)の該気泡層を切断する、1枚のスキン層と気泡層とを有するポリオレフィン系樹脂発泡体(以下、片スキン品)の製造方法であって、切断前の両スキン品の25%圧縮硬さと切断後の片スキン品の25%圧縮硬さ、片スキン品の見かけ密度との関係において以下の式により算出された数値が4.0以上であることを特徴とする片スキン品のポリオレフィン樹脂発泡体の製造方法。
    (両スキン品25%圧縮硬さ(kPa)÷スライス品25%圧縮硬さ(kPa))×片スキン品の見かけ密度(kg/m
  2. 前記ポリオレフィン系樹脂発泡体が、ポリオレフィン系樹脂100質量%中に、熱可塑性エラストマー系樹脂(A)を30質量%以上、ポリプロピレン系樹脂(B)を30〜60質量%、ポリエチレン系樹脂(C)1〜20質量%含むことを特徴とする請求項1に記載の片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
  3. 片スキン品のポリオレフィン系樹脂発泡体と表皮材(D)との積層シートであって、表裏面に関係なく積層された表皮材の最大剥離強度の差が5(N/25mm)以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の片スキン品のポリオレフィン樹脂発泡体を用いてなる積層シートの製造方法。
  4. 自動車内装材用途に用いることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂発泡体もしくは、積層シートの製造方法。
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