JP2017025173A - 樹脂組成物、積層体及び積層体の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物、積層体及び積層体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フリップフロップ性に優れ、かつ漆黒性の高い樹脂組成物を提供すること。また、かかる樹脂組成物を有する積層体を提供すること。
【解決手段】
少なくともカーボンナノチューブと光輝性顔料と樹脂とを含んでなる樹脂組成物。また、基材上に、前記樹脂組成物からなるカーボンナノチューブ含有層が積層されてなる積層体であって、積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光に対して45°で受光した分光反射率に基づくL*が10以下、aが−2以上2以下かつbが−2以上0.3以下であることを特徴とする積層体。
【選択図】なし

Description

本発明は樹脂組成物及び積層体に関する。更に詳しくは、カーボンナノチューブと光輝性顔料と樹脂とを含んでなる樹脂組成物に関する。また、該組成物を含むカーボンナノチューブ含有層が積層された積層体に関する。
カーボンナノチューブは直径が数ナノメートルから数十ナノメートルの筒状炭素材料である。カーボンナノチューブは高い導電性及び機械的強度を有する。このためカーボンナノチューブは機能性材料として、電子工学及びエネルギー工学を含む幅広い分野への利用が期待されている。機能性材料の例は、燃料電池、電極、電磁波シールド材、導電性樹脂、電界放出ディスプレー(FED)用部材、水素を始めとする各種ガスの吸蔵材料等である。
上記機能性材料の開発例として、カーボンナノチューブを用いた導電性透明フィルムが知られている。例えば、特許文献1中では、透明基材の片面上にカーボンナノチューブ導電膜と透明保護膜とを積層させたものが提案されている。また、特許文献2中では、導電性透明フィルムの製造に際して、カーボンナノチューブ分散体を基材表面に塗工し、乾燥させた後、樹脂溶液を塗工する方法も提案されている。
一方、上記機能性材料の開発例として、カーボンナノチューブを色材として使用した例は少ない。色材にはカーボンナノチューブに代えてカーボンブラックが用いられる。例えば特許文献3及び4に示されるように、漆黒性の樹脂塗工物、フィルム、成形物を得るため、カーボンブラックが用いられる。カーボンブラックは樹脂溶液や固形樹脂に均一に分散させられる。
しかし、カーボンブラックからなる色材は、明度(L*)が高い傾向にある(すなわち灰色・白)。また、色度(a*、b*)がプラス方向(+a*:赤、+b*:黄)となる。ここで、L*、a*及びb*は、JIS Z8729で規定されるL***表色系における値を表わす。このためカーボンブラックは、いわゆる「ピアノブラック」や「カラスの濡れ羽色」といった漆黒性を表現することが困難であった。
また、カーボンブラックを使用した成形物の色調は、カーボンブラックの一次粒子径に依存して変化する傾向にある。具体的には、一次粒子径が小さなカーボンブラックを使用すると、青味を呈する一方で黒度が低下する。このように、従来の黒色の色材では黒度と青味がトレードオフの関係にある。このため、青味があって、かつ黒度が高い色調、すなわち漆黒の色調を再現することは困難であった。
特許文献5、6及び7は、カーボンブラックからなる色材の黒度の調製に関する。黒度の調製に際しては、例えばカーボンブラックの粒径や凝集粒サイズ等のコロイダル特性を変更する。またオゾン酸化、硝酸酸化といった表面処理をカーボンブラックに施す。かかる処理により、分散体中での分散状態を変更する。
また、フタロシアニンブルー等の有機顔料をカーボンブラックに添加する方法も知られる。かかる方法により色材は黒色に加えて青味を呈することができる。しかし、色材中の有機顔料の添加に伴い黒度が低下する。このため、かかる色材を含む成形体を直射日光下で観察すると、成形体上に赤味が浮いて観察される。この問題は、いわゆるブロンズ現象の発生として認識されている。
また、特許文献8、9、10では、塗装の質感を向上するために、最外表面での散乱を抑制する方法がとられている。かかる方法では、下地層の上に重ねるように、顔料を用いたカラーベース層を形成した後、カラークリヤー層を重ねる。しかしながら、カラーベース層に染料が使用されており、耐光性や耐候性に優れた塗膜構造を形成することができない。
近年、特に自動車車体等に形成される塗膜には、緻密感に優れること、高いフリップフロップ性を有すること等の高品質な外観が要望されている。ここで、緻密感とは、塗膜中の光輝性顔料に基づく、均一で連続的な光輝感を意味する。緻密感は、通常、光輝性顔料のざらついた粒子感が小さい場合に優れている。また、フリップフロップ性とは、フレーク状光輝性顔料が、塗膜内で塗面に平行に配向する結果、ハイライト(塗膜を正面から見る場合)ではよく光を反射して高明度となり、一方シェード(塗膜を斜めから見る場合)では低明度となること、即ち、視覚の方向によって明度差がある性質を意味する。
そこで、特許文献11では、被塗物に、光輝性ベース塗膜を2段階で形成し、次いでクリア層を形成する方法であって、第1ステージと第2ステージとのベース塗膜の膜厚比率を2/1〜4/1とする光輝性塗膜形成方法によって、光輝性塗膜の光輝ムラを防止している。
しかしながら、上記従来の光輝性塗膜形成方法では、フレーク状光輝性顔料の配向が不十分となりやすく、緻密感に優れ、フリップフロップ性の高い光輝性塗膜を得ることはできなかった。
特開2010−192186号公報 特表2004−526838号公報 特開2001−179176号公報 特開2004−098033号公報 特開平6−122834号公報 特開平6−136287号公報 特開2008−285632号公報 特開平6−15223号公報 特開平8−71501号公報 特開2010−279899号公報 特開2002−273333号公報
本発明は、上記従来の問題を解決するものである。すなわち本発明の課題は、フリップフロップ性に優れ、かつ漆黒性の高い樹脂組成物を提供することにある。また、かかる樹脂組成物を有する積層体を提供することにある。
本発明の発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した。発明者らは、カーボンナノチューブと光輝性顔料と樹脂を含む樹脂組成物を積層することにより、漆黒性とフリップフロップ性に優れた樹脂組成物及び樹脂組成物の積層体が得られることを見出した。発明者らは、かかる発見を基に、本発明をするに至った。
すなわち、本発明の一態様は、少なくともカーボンナノチューブと光輝性顔料と樹脂とを含んでなる樹脂組成物に関する。
また、本発明の他の態様は、基材上に、少なくともカーボンナノチューブと光輝性顔料と樹脂とを含んでなる樹脂組成物からなるカーボンナノチューブ含有層が積層されてなる積層体に関する。基材上に前記樹脂組成物を含んでなるとともに、積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光に対して45°で受光した分光反射率に基づくL*が10以下、a*が−2以上2以下かつb*が−2以上0.3以下であることを特徴とする。
また、本発明の他の態様は、前記積層体のカーボンナノチューブ含有層上にクリア層が積層されていることが好ましい。積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光に対して45°で受光した分光反射率に基づくL*が10以下、a*が−2以上2以下かつb*が−2以上0.3以下であることが好ましい。
また、前記積層体では積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光に対して15°で受光した分光反射率に基づくL*と積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光に対して110°で受光した分光反射率に基づくL*の比(15°のL*/110°のL*)が10以上30以下であることが好ましい。
また、前記積層体ではカーボンナノチューブの繊維径が8〜25μmであることが好ましい。
また、前記積層体ではカーボンナノチューブ含有層中のカーボンナノチューブの量が1〜30質量%であることが好ましい。
また、前記積層体では、クリア層の膜厚が5〜150μmであることが好ましい。
また、前記積層体では、積層された面方向から積層体を測定した時、波長380〜780nmにおける平均反射率が5%以下であることが好ましい。
また、前記基材は、波長380〜780nmにおける平均透過率が5%以下であることが好ましい。
また、前記基材が有機顔料、無機顔料および光輝性顔料からなる群より選ばれる少なくとも一種と、樹脂とを含んでなることが好ましい。(ただし、有機顔料および無機顔料は、光輝性顔料を除く。)
また、本発明の他の態様は、基材上に、少なくともカーボンナノチューブと光輝性顔料と樹脂とを含んでなる樹脂組成物からなるカーボンナノチューブ含有層が積層されてなる積層体であって、カーボンナノチューブ含有層の積層面に、さらにクリア層が積層された積層体の製造方法であって、積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光に対して45°で受光した分光反射率に基づくL*が10以下、a*が−2以上2以下かつb*が−2以上0.3以下である。
本発明の樹脂組成物を使用することにより、フリップフロップ性に優れ、かつ漆黒性の高い樹脂組成物が得られる。よって、高品質な外観が要望される様々な用途分野において、本発明で得られる樹脂組成物及び積層体を使用することが可能である。
以下、本発明の樹脂組成物及び積層体について実施形態を参照しつつ詳しく説明する。
(1)樹脂組成物(a)
本実施形態の樹脂組成物(a)は少なくともカーボンナノチューブ(b)と光輝性顔料(g)と樹脂(c)を含む。
本実施形態の樹脂組成物(a)を得るには、カーボンナノチューブ(b)、光輝性顔料(g)及び樹脂(c)を溶媒中に分散させる処理を行うことが好ましい。かかる処理を行うために使用される機材は特に限定されない。機材として例えば、ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノーミル」)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」)、コボールミル、バスケットミル、ホモミキサー、ホモナイザー(エム・テクニック社製「クレアミックス」)、湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」)、フーバーマーラー、3本ロールミル、及びエクストルーダーが挙げられるが、これらに限定されない。
また、樹脂組成物(a)を得るために高速攪拌機を使用することもできる。高速攪拌機として、例えば、ホモディスパー(PRIMIX社製)、フィルミックス(PRIMIX社製)、ディゾルバー(井上製作所社製)及びハイパーHS(アシザワ・ファインテック社製)が挙げられるが、これらに限定されない。
樹脂組成物(a)には分散剤が含まれても良い。分散剤としては、界面活性剤又は樹脂型分散剤を使用することができる。界面活性剤は主にアニオン性、カチオン性、ノニオン性及び両性に分類される。樹脂(c)の分散に要求される特性に応じて適宜好適な種類の分散剤を、好適な配合量で使用することができる。分散剤として好ましいのは樹脂型分散剤である。
アニオン性界面活性剤を選択する場合、その種類は特に限定されない。具体的には脂肪酸塩、ポリスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸スルホン酸塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル及びポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エステルが挙げられるが、これらに限定されない。さらに、具体的にはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステル塩及びβ−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。
またカチオン性活性剤としては、アルキルアミン塩類及び第四級アンモニウム塩類がある。具体的にはステアリルアミンアセテート、トリメチルヤシアンモニウムクロリド、トリメチル牛脂アンモニウムクロリド、ジメチルジオレイルアンモニウムクロリド、メチルオレイルジエタノールクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、ラウリルピリジニウムクロリド、ラウリルピリジニウムブロマイド、ラウリルピリジニウムジサルフェート、セチルピリジニウムブロマイド、4−アルキルメルカプトピリジン、ポリ(ビニルピリジン)−ドデシルブロマイド及びドデシルベンジルトリエチルアンモニウムクロリドが挙げられるが、これらに限定されない。また両性界面活性剤としては、アミノカルボン酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
またノニオン性活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン誘導体、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びアルキルアリルエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。具体的にはポリオキシエチレンラウリルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。
選択される界面活性剤は単独の界面活性剤に限定されない。このため二種以上の界面活性剤を組み合わせて使用することも可能である。例えばアニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤の組み合わせ、又はカチオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤の組み合わせが利用できる。その際の配合量は、前述した通りそれぞれの界面活性剤成分に対して好適な配合量とすることが好ましい。組み合わせとしてはアニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤の組み合わせが好ましい。アニオン性界面活性剤はポリカルボン酸塩であることが好ましい。ノニオン性界面活性剤はポリオキシエチレンフェニルエーテルであることが好ましい。
また樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン;ポリアクリレートのポリカルボン酸エステル;不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩及び水酸基含有ポリカルボン酸エステル並びにこれらの変性物;低級アルキレンイミンの重合体及び遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミド又はその塩の油性分散剤;(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンに代表される水溶性樹脂又は水溶性高分子化合物;ポリエステル系樹脂;変性ポリアクリレート系樹脂;エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物;並びにリン酸エステル系樹脂が用いられるが、これらに限定されない。これらは単独又は二種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
上記分散剤のうち、ポリカルボン酸のような酸性官能基を有する高分子分散剤が好ましい。これは、かかる高分子分散剤が、少ない添加量で分散組成物の粘度を低下させ、また分散組成物の分光透過率を高めることによる。樹脂型分散剤は、カーボンナノチューブ(b)に対して3〜300質量%程度使用することが好ましい。また成膜性の観点から5〜100質量%程度使用することがより好ましい。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150及び2155又はAnti−Terra−U、203及び204、又はBYK−P104、P104S、220S及び6919、又はLactimon及びLactimon−WS又はBykumen;日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000及び76500;BASFジャパン社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502及び1503;並びに味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822及びPB824が挙げられるが、これらに限定されない。
樹脂組成物(a)を得るのに用いる溶媒は特に限定されない。溶媒として、水溶液、水系溶媒及び有機系溶媒のいずれも用いることができる。
有機系溶媒の中では、沸点が50〜250℃の有機系溶媒が用いやすい。かかる有機系溶媒は塗工時の作業性や硬化前後の乾燥性に優れる。具体的な溶媒の例としては、メタノール、エタノール及びイソプロピルアルコールに代表されるアルコール系溶媒;アセトン、ブチルジグリコールアセテート及びMEK(メチルエチルケトン)に代表されるケトン系溶媒;酢酸エチル及び酢酸ブチルに代表されるエステル系溶媒;ジブチルエーテル、エチレングリコール及びモノブチルエーテルに代表されるエーテル系溶媒;並びにN−メチル−2−ピロリドンに代表される双極性非プロトン溶媒が挙げられるが、これらに限定されない。これらの溶媒は、単独あるいは二種以上を混合して用いることもできる。
また、トルエン、キシレン、ソルベッソ#100(エクソン社製)及びソルベッソ#150(エクソン社製)に代表される芳香族炭化水素系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、オクタン及びデカンに代表される脂肪族炭化水素系溶媒;又はセロソルブアセテート、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブに代表されるアミド系溶媒を用いることもできる。これらの溶媒も単独であるいは二種以上を混合して、用いることができる。
また前記溶媒には必要に応じて、本実施形態の目的を阻害しない範囲で添加剤を適宜配合することができる。添加剤としては例えば顔料、濡れ浸透剤、皮張り防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、架橋剤、防腐剤、防カビ剤、粘度調整剤、pH調整剤、レベリング剤及び消泡剤が挙げられるが、これらに限定されない。
上記樹脂組成物(a)におけるカーボンナノチューブ(b)と光輝性顔料(g)の含有量をPWCで表すと0.1〜60質量%である。PWCとは、Pigment Weight Concentration(顔料重量濃度)のことであり、下記の式により算出される。
PWC=[(顔料質量)/(全固形分質量)]×100 (%)
上記樹脂組成物(a)におけるカーボンナノチューブ(b)と光輝性顔料(g)の含有比率はカーボンナノチューブ(b):光輝性顔料(g)=5:95〜95:5の質量%であることが好ましい。
(2)カーボンナノチューブ(b)
カーボンナノチューブ(b)は、平面的なグラファイトを円筒状に巻いた形状を有している。カーボンナノチューブ(b)は、単層カーボンナノチューブでも、多層カーボンナノチューブでも、これらが混在するものであってもよい。単層カーボンナノチューブは一層のグラファイトが巻かれた構造を有する。多層カーボンナノチューブは、二又は三以上の層のグラファイトが巻かれた構造を有する。カーボンナノチューブ(b)はコストや着色効果の面から多層カーボンナノチューブであることが好ましい。また、カーボンナノチューブ(b)の側壁はグラファイト構造でなくともよい。例えばアモルファス構造を有する側壁を備えるカーボンナノチューブをカーボンナノチューブ(b)として用いることもできる。
カーボンナノチューブ(b)の形状は限定されない。かかる形状としては、針状、円筒チューブ状、魚骨状(フィッシュボーン又はカップ積層型)、トランプ状(プレートレット)及びコイル状を含む様々な形態が挙げられる。カーボンナノチューブ(b)の形態の具体例としては、例えばグラファイトウィスカー、フィラメンタスカーボン、グラファイトファイバー、極細炭素チューブ、カーボンチューブ、カーボンフィブリル、カーボンマイクロチューブ及びカーボンナノファイバーを挙げることができるが、これらに限定されない。カーボンナノチューブ(b)は、これらの単独の形態又は二種以上を組み合わせられた形態を有していてもよい。
本実施形態において、カーボンナノチューブ(b)の形態は、魚骨状(フィッシュボーン又はカップ積層型)、トランプ状(プレートレット)及びコイル状以外の形態であることが好ましい。
本実施形態のカーボンナノチューブ(b)はどのような方法で製造したカーボンナノチューブでも構わない。カーボンナノチューブは一般にレーザーアブレーション法、アーク放電法、熱CVD法、プラズマCVD法及び燃焼法で製造できるが、これらに限定されない。例えば、酸素濃度が1体積%以下の雰囲気中、500〜1000℃にて、炭素源を触媒と接触反応させることでカーボンナノチューブ(b)を製造することができる。炭素源は炭化水素及びアルコールの少なくともいずれか一方でもよい。
カーボンナノチューブ(b)の炭素源となる原料ガスは、従来公知の任意のものを使用できる。例えば、炭素を含む原料ガスとしてメタン、エチレン、プロパン、ブタン及びアセチレンに代表される炭化水素、一酸化炭素、並びにアルコールを用いることができるが、これらに限定されない。特に使いやすさの観点から、炭化水素及びアルコールの少なくともいずれか一方を原料ガスとして用いることが望ましい。
必要に応じて、触媒を還元性ガス雰囲気下で活性化した後、酸素濃度1体積%以下の雰囲気中、原料ガスと触媒とを接触反応させることが好ましい。また還元性ガスと共に、原料ガスを触媒と接触反応させてもよい。酸素濃度1体積%以下の雰囲気は特に制限されないが、アルゴンガスのような希ガス及び窒素ガスに代表される不活性ガスの雰囲気が好ましい。触媒の活性化に使用する還元性ガスとしては、水素又はアンモニアを用いることができるが、これらに限定されない。還元性ガスとしては特に水素が好ましい。
触媒としては、従来公知の様々な金属酸化物を使用することができる。例えば、コバルト、ニッケル又は鉄に代表される活性成分となる金属と、マグネシウム又はアルミニウムに代表される担持成分となる金属とを組み合わせた触媒が挙げられる。
カーボンナノチューブ(b)の繊維径は、分散の容易さや色相の観点から、1〜500
nmが好ましく、8〜25nmがより好ましい。
カーボンナノチューブ(b)の繊維径は次のように求められる。まず走査透過電子顕微鏡によって、カーボンナノチューブ(b)を観測するとともに撮像する。次に観測写真において、任意の100個のカーボンナノチューブ(b)を選び、それぞれの外径を計測する。次に、外径の数平均として、カーボンナノチューブ(b)の平均粒径(nm)を算出する。
カーボンナノチューブ(b)の繊維長は、分散の容易さの観点及び色相の観点から、0.1〜150μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。
カーボンナノチューブ(b)の炭素純度はカーボンナノチューブ(b)中の炭素原子の含有率(質量%)で表される。炭素純度はカーボンナノチューブ(b)100質量%に対して、85質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましい。
本実施形態では、カーボンナノチューブ(b)は、通常二次粒子として存在している。この二次粒子の形状は、例えば一般的な一次粒子であるカーボンナノチューブ(b)が複雑に絡み合っている状態でもよい。カーボンナノチューブ(b)を直線状にしたものの集合体であってもよい。直線状のカーボンナノチューブ(b)の集合体である二次粒子は、絡み合っているものと比べるとほぐれ易い。また直線状のものは、絡み合っているものに比べると分散性が良いのでカーボンナノチューブ(b)として好適に利用できる。
カーボンナノチューブ(b)は、表面処理を行ったカーボンナノチューブでもよい。またカーボンナノチューブ(b)は、カルボキシル基に代表される官能基を付与させたカーボンナノチューブ誘導体であってもよい。また、有機化合物、金属原子、又はフラーレンに代表される物質を内包させたカーボンナノナノチューブ(b)も用いることができる。
(3)樹脂(c)
樹脂(c)は、天然樹脂及び合成樹脂から選ばれる。樹脂(c)は単独の樹脂でもよい。樹脂(c)として天然樹脂及び合成樹脂から二種以上の樹脂を選択してもよい。二種以上の樹脂は組み合わせて使用することができる。
天然樹脂としては、天然ゴム、ゼラチン、ロジン、セラック、多糖類及びギルソナイトが挙げられるが、これらに限定されない。また、合成樹脂としては、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、石油樹脂、ビニル系樹脂、オレフィン樹脂、合成ゴム、ポリエステル、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アミノ樹脂、アミド樹脂、イミド樹脂、フッ素系樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート、シリコーン系樹脂、ニトロセルロース、ロジン変性フェノール樹脂及びロジン変性ポリアミド樹脂が挙げられるがこれらに限定されない。
これらの樹脂のうち、耐光性の観点からカーボンナノチューブ含有層(e)にはアクリル樹脂及びポリエステル樹脂の少なくともいずれか一方が含まれていることが好ましい。また、この時、後述するベース塗料にもアクリル樹脂及びポリエステル樹脂の少なくともいずれか一方が含まれていることが好ましい。
エマルジョン塗料に用いられる水溶性樹脂としては、酸価が20〜70mgKOH/gであるとともに、水酸基価が20〜160mgKOH/gである水溶性樹脂が好ましい。具体的には、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂が特に水溶性樹脂として好適に用いられる。ポリエステル樹脂は、多価アルコール及び多塩基酸を原料として用いた樹脂である。ポリエステル樹脂の酸価は20〜70mgKOH/g、好ましくは25〜60mgKOH/g、特に好ましくは30〜55mgKOH/gである。ポリエステル樹脂の水酸基価は20〜160mgKOH/g、好ましくは80〜130mgKOH/gである。
本実施形態において、酸価とは樹脂1gを中和するために必要な水酸化カリウムの質量(mg)をいう。また水酸基価とは樹脂の水酸基と無水フタル酸とを反応させ、その反応に要した酸を、該樹脂1gを中和するために必要な水酸化カリウムの質量(mg)をいう。
なお、本実施形態において、樹脂の酸価及び水酸基価の測定はJIS K−0070の方法に準じて行うことができる。
水溶性ポリエステル樹脂は、公知のエステル化反応によって容易に得ることができる。水溶性ポリエステル樹脂は、多価アルコール及び多塩基酸を原料として製造された樹脂である。原料は通常のポリエステル樹脂を構成する化合物でよい。必要に応じ水溶性ポリエステル樹脂に油脂類を追加してもよい。
上記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、水素化ビスフェノールA、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリット及びジペンタエリトリットが挙げられるがこれらに限定されない。これらの多価アルコールを単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。該多塩基酸としては、例えば、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及び無水トリメリット酸が挙げられるが、これらに限定されない。これらの多塩基酸は単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。油脂類としては、例えば、大豆油、椰子油、サフラワー油、ぬか油、ひまし油、きり油、あまに油及びトール油、並びにこれらから得られる脂肪酸を挙げることができるが、これらに限定されない。
アクリル樹脂は、ビニル系モノマーを原料とする樹脂である。アクリル樹脂の酸価は、20〜70mgKOH/g、好ましくは22〜50mgKOH/g、特に好ましくは23〜40mgKOH/gである。アクリル樹脂の水酸基価は20〜160mgKOH/g、好ましくは80〜150mgKOH/gの水溶性樹脂である。
水溶性アクリル樹脂は、公知の溶液重合法又はその他の方法によって、容易に得ることができる。水溶性アクリル樹脂はビニル系モノマーを原料として製造された樹脂である。原料は通常のアクリル樹脂を構成する化合物でよい。また上記方法において有機過酸化物は重合反応の開始剤として用いられる。
ビニル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸に代表されるエチレン性不飽和カルボン酸類;メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリーブチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、シクロヘキシル、ステアリルに代表される、アクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル類;2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、分子量1000以下のポリエチレングリコールに代表されるアクリル酸又はメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類;アクリル酸又はメタクリル酸のアミド類;又はそれらのアルキルエーテル類が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド及びN−ブトキシメチルアクリルアミドが挙げられるが、これらに限定されない。
更に、エポキシ基を持つグリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。また第3級アミノ基を含むモノマー類も挙げられる。例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートが挙げられるが、これらに限定されない。この他、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン及びビニルピリジンに代表される芳香族モノマー;アクリロニトリル;メタクリロニトリル;酢酸ビニル;並びにマレイン酸又はフマル酸のモノ又はジアルキルエステル類が挙げられるが、これらに限定されない。有機過酸化物としては、例えば、アシルパーオキシド類(例えば、過酸化ベンゾイル)、アルキルヒドロパーオキシド類(例えば、t−ブチルヒドロパーオキシド及びp−メタンヒドロパーオキシド)、並びにジアルキルパーオキシド類(例えば、ジ−t−ブチルパーオキシド)が挙げられるが、これらに限定されない。
ポリウレタン樹脂は、ポリオール及びポリイソシアネートを原料とする樹脂である。ポリウレタン樹脂の酸価は、20〜70mgKOH/g、好ましくは22〜50mgKOH/g、特に好ましくは23〜 35mgKOH/gである。ポリウレタン樹脂の水酸基価は20〜160mgKOH/g、好ましくは25〜50mgKOH/gである。
水溶性ポリウレタン樹脂は、ポリオール及びポリイソシアネートを付加重合することによって、容易に得ることができる。原料は通常のポリウレタン樹脂を構成するポリオール及びポリイソシアネートでよい。
ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール及びアクリルポリオールが挙げられるが、これらに限定されない。また、ポリイソシアネートとしては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ビスフェニレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、メチルシクロへキシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、エチルエチレンジイソシアネート及びトリメチルヘキサンジイソシアネートが挙げられるが、これらに限定されない。
水溶性のポリエステル樹脂、アクリル樹脂及びポリウレタン樹脂は、塩基性物質で中和することにより水溶性が付与される。この際、水溶性樹脂に含まれている酸性基の40モル%以上を中和できる量の塩基性物質を用いることが好ましい。上記の塩基性物質としては、例えば、アンモニア、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、モルホリン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン及びジメチルエタノールアミンが挙げられるが、これらに限定されない。
水溶性樹脂の数平均分子量は特に制限されない。数平均分子量は500〜50000が好ましく、800〜25000がより好ましく、1000〜12000が特に好ましい。
また、樹脂(c)は硬化性を有するタイプとラッカータイプとに分類される。本実施形態では硬化性を有するタイプの樹脂が好適に使用される。硬化性を有するタイプの樹脂(c)は、メラミン樹脂に代表されるアミノ樹脂又は(ブロック)ポリイソシアネート化合物アミン系化合物、ポリアミド系化合物及び多価カルボン酸に代表される架橋剤とともに使用される。樹脂(c)及び架橋剤は混合された後、加熱されることで又は常温におかれることで硬化反応が進行する。また、硬化性を有しないタイプの樹脂を塗膜形成用樹脂とするとともに、硬化性を有するタイプの樹脂と併用することもできる。
(4)積層体(d)
本実施形態の積層体(d)は少なくとも基材の層とカーボンナノチューブ含有層(e)とを含む二層から構成される。積層体(d)の基本構成は、カーボンナノチューブ含有層(e)の下に基材の層が設けられた構成である。基材の層とカーボンナノチューブ含有層(e)との間に他の層が設けられていても良い。
本実施形態における積層体(d)を形成するために用いられる基材は特に限定されない。基材の材質として、鉄、アルミニウム及び銅若しくは鋼、ステンレス鋼、クロムモリブデン鋼、黄銅、青銅、ジュラルミン、ブリキ等の合金に代表される金属類;ガラス、セメント及びコンクリートに代表される無機材料;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン―酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂及びエポキシ樹脂に代表される樹脂類;各種のFRPに代表されるプラスチック材料;木材;並びに繊維材料(紙及び布を含む)に代表される天然材料又は合成材料が挙げられるが、これらに限定されない。
上記の材質のうち、鉄、アルミニウム及び銅若しくは鋼、ステンレス鋼、クロムモリブデン鋼、黄銅、青銅、ジュラルミン、ブリキに代表される金属類が好ましい。また、着色顔料として、従来から塗料用として常用されている有機顔料、無機顔料や光輝性顔料(g)を含む樹脂も好ましい。例えば、有機顔料としては、アゾレーキ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等が挙げられ、また、無機顔料としては、黄色酸化鉄、ベンガラ、二酸化チタン、カーボンブラック、カーボンナノチューブ等が挙げられる。波長380〜780nmにおけるこれらの基材の平均透過率はいずれも5%以下が好ましい。
基材に着色顔料を含む樹脂を使用する場合、光輝感の観点から着色顔料を含む樹脂のL*は1〜40となることが好ましい。L*が1〜20であることがさらに好ましい。
基材の波長380〜780nmにおける平均透過率は5%以下であることが好ましく、3%以下であることがさらに好ましい。基材の特性が斯かる範囲にあれば、漆黒性に優れた積層体(d)が得られる。
基材の形状は板状、フィルム状、シート状又は成形体状でも良い。成形体の製造は、例えばインサート射出成形法、インモールド成形法、オーバーモールド成形法、二色射出成形法、コアバック射出成形法及びサンドイッチ射出成形法に代表される射出成形方法;Tダイラミネート成形法、多層インフレーション成形法、共押出成形法及び押出被覆法に代表される押出成形法;並びに多層ブロー成形法、多層カレンダー成形法、多層プレス成形法、スラッシュ成形法及び溶融注型法に代表されるその他の成形法を使用することができる。
平均透過率は以下のように求められる。例としてPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(東レ株式会社製、ルミラー100、T60)上に前記樹脂組成物を含むカーボンナノチューブ含有層がバーコーターで形成された積層体を挙げる。まず紫外可視近赤外分光光度計(日立製作所社製、UV−3500)を用い、波長300〜1500nmにおける透過スペクトルを5nmの範囲で測定する。測定はカーボンナノチューブ含有層が基材上に積層された側の面から行う。本明細書ではかかる測定の態様を「積層された面方向から測定する」という場合がある。次に測定値から波長380〜780nmの各透過率の加重平均値を求めることで平均透過率を算出できる。
本実施形態の積層体(d)の形成方法では、上記基材の表面に対し直接又は下地層を介してカーボンナノチューブ含有層(e)が形成される。積層体(d)が自動車車体及び自動車部品の場合は、予め基材に化成処理、電着塗装に代表される下塗り塗装、及び中塗り塗装を施しておくことが好ましいが、これらに限定されない。この中塗り塗装は、下地の隠ぺい、耐チッピング性の付与、及び上塗りとなるカラークリヤー塗膜との密着性確保のために、予め塗膜を形成することをいう。
本実施形態の積層体(d)を形成するため、基材上に下地層を形成した後、この下地層を加熱硬化させることなく上記カーボンナノチューブ含有層(e)を形成し、その後塗膜を加熱硬化させる方法(ウェットオンウェット法)を用いてもよい。また基材上に上記下地層を形成した後、この下地層を加熱硬化させ、次にカーボンナノチューブ含有層(e)を加熱硬化させる方法(ウェットオンドライ法)を用いてもよい。
下地層としては、有機顔料、無機顔料または光輝性顔料(g)と樹脂(c)とを含むベース塗料を使用することができる。この有機顔料、無機顔料または光輝性顔は塗料用として市販又は製造されているものであればどのようなものでも使用することができる。
上記ベース塗料における有機顔料、無機顔料または光輝性顔料(g)の含有量をPWCで表すと5〜50質量%であり、好ましくは5〜30質量%である。PWCとは、Pigment Weight Concentration(顔料重量濃度)のことであり、下記の式により算出される。
PWC=[(顔料質量)/(全固形分質量)]×100 (%)
本実施形態の積層体(d)では、カーボンナノチューブ含有層(e)上に、さらにクリア層(f)が形成されることが好ましい。クリア層(f)が形成されることにより、光沢と優れた漆黒性とを備える積層体(d)が得られる。
積層体(d)の呈するL*は10.0以下であることが好ましく、5.0以下であることがさらに好ましい。ここでL*はJIS Z8729で規定されるL***表色系におけるL*を表す。また、a*は−2.0以上、2.0以下であることが好ましい。また、b*は−2以上0.3以下であることが好ましい。
カーボンナノチューブ含有層(e)上に、さらにクリア層(f)が積層されている場合には、積層体(d)の呈するb*が−2.0以上0.3以下であることが好ましく、−2.0以上0以下であることがさらに好ましい。特にb*が斯かる範囲内にあれば、漆黒性に優れた積層体(d)が得られる。
上記表色系においてL*が小さい程、より黒度が高いことを示す。またL*が小さい程、より明度が高いことを示す。またa*とb*とがゼロ(0)に近い値である程、より黒い色相を示す。また、b*がマイナスであるとともに、その絶対値が大きい程、より青味(青色)が強い色相を示す。ここで若干青味(青色)を有する黒色の方が、青味を有しない黒色よりも、人間はより漆黒性が高いと感じると考えられる。このため、したがって、漆黒性の呈示という観点では、上記の数値範囲が好ましいと考えられる
上記明度(L*)及び色度(a*、b*)は多角度分光測色計を用いて測定することによって得られる。測定は基材に樹脂組成物が積層された側の面から行う。多角度分光測色計として、エックスライト社製、MA68IIを用いてもよい。
積層体(d)のカーボンナノチューブ含有層が積層された面において波長380〜780nmの光の平均反射率は5%以下であることが好ましく、3%以下であることがさらに好ましい。特に平均反射率が斯かる範囲であれば、漆黒性に優れた積層体(d)が得られる。
平均反射率は以下のように求められる。例としてPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(東レ株式会社製、ルミラー100、T60)上にバーコーターで形成された塗膜を挙げる。まず紫外可視近赤外分光光度計(日立製作所社製、UV−3500、積分球使用)を用い、波長300〜1500nmにおける絶対反射スペクトルを5nmの範囲で測定する。測定は樹脂組成物(a)が基材上に積層された側の面から行う。本明細書ではかかる測定の態様を「積層された面方向から測定する」と表現する場合がある。次に測定値から波長380〜780nmの各反射率の加重平均値を求めることで平均反射率を算出できる。
(5)カーボンナノチューブ含有層(e)
本実施形態のカーボンナノチューブ含有層はカーボンナノチューブ(b)と光輝性顔料(g)と樹脂(c)とを含んでなる。かかるカーボンナノチューブ含有層(e)の下には基材が設けられている。
本実施形態のカーボンナノチューブ含有層(e)は、樹脂組成物(a)を一般的な技法を用いて形成することができる。技法として具体的には、キャスト、スピンコート、ディップコート、バーコート、スプレー、ブレードコート、スリットダイコート、グラビアコート、リバースコート、スクリーン印刷、鋳型塗布、印刷転写、及びインクジェットを含むウエットコート法や二本ロール、三本ロール、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、単軸混練押出し機または二軸混練押出し機等を用いて溶融混練し、成形加工した樹脂組成物(a)を重ねる方法を挙げることができるが、これらに限定されない。
カーボンナノチューブ含有層(e)中のカーボンナノチューブ(b)の添加率は、用途に応じて適宜選択すればよい。かかる添加率は好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは1〜25質量%、更に好ましくは2〜15質量%の範囲である。特に添加率が斯かる範囲内にあれば、漆黒性に優れた積層体が得られる。
本発明の目的を阻害しない範囲であれば、カーボンナノチューブ含有層(e)に、カーボンナノチューブ(b)に加えてカーボンブラックを添加することができる。カーボンブラックの具体例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック及びチャンネルブラックが挙げられる。カーボンブラックは、ナフサに代表される炭化水素を水素及び酸素の存在下で部分酸化することで、水素及び一酸化炭素を含む合成ガスを製造する際に副生されるものでもよい。またカーボンブラックは、かかる副生物を酸化又は還元処理したものでもよい。上記は本発明に係るカーボンブラックを限定するものではない。これらのカーボンブラックは、単独で用いてもよく、二種類以上併用しても良い。また、黒度を向上させる視点から、カーボンブラックは平均粒径が20nm以下であり、かつ、DBP吸油量が80ml/100g以下であるものが好ましく使用される。また、本実施形態においてDBP吸油量とは、カーボンブラック100g当りに包含することのできるジブチルフタレート(DBP)の量(ml)を表す。DBP吸油量はカーボンブラックのストラクチャーを定量化するための尺度である。上記ストラクチャーとはカーボンブラック粒子間の化学的ないし物理的結合による複雑な凝集形態である。
カーボンブラックの平均粒径は、カーボンナノチューブ(b)の繊維径と同様に求められる。具体的には、まず走査透過電子顕微鏡によって、カーボンブラックを観測するとともに撮像する。次に観測写真において、任意の100個のカーボンブラックを選び、それぞれの外径を計測する。次に、外径の数平均として、カーボンブラックの平均粒径を算出する。
カーボンブラックの使用量は、カーボンナノチューブ(b)100質量部に対して、1〜100質量部が好ましく、1〜50質量部がより好ましく、1〜25質量部がさらに好ましい。
波長380〜780nmにおけるカーボンナノチューブ含有層(e)の平均反射率は5%以下であることが好ましく、3%以下であることがさらに好ましい。特に平均反射率が斯かる範囲内にあれば、より漆黒性に優れた積層体が得られる。
カーボンナノチューブ含有層(e)の膜厚は10μm以上であることが好ましく、50μm以下であることが好ましい。
カーボンナノチューブ含有層(e)を基材上に形成するために、形成する基材に応じて最適な技法を一般的な技法から選択すればよい。かかる技法は、キャスト、スピンコート、ディップコート、バーコート、スプレー、ブレードコート、スリットダイコート、グラビアコート、リバースコート、スクリーン印刷、鋳型塗布、印刷転写、及びインクジェットを含むウエットコート法が好ましい。また、二本ロール、三本ロール、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、単軸混練押出し機または二軸混練押出し機等を用いて溶融混練し、成形加工した樹脂組成物(a)を重ねる方法も好ましい。上記技法で樹脂組成物(a)を基材上に形成することにより、カーボンナノチューブ含有層(e)を形成することができる。
(6)クリア層(f)
本実施形態のクリア層(f)は下層の塗膜を視認できる程度の透明性を有するものである。その材質として具体的には透明樹脂及びガラスに代表される透明素材をあげることができる。透明樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリエチレンナフタレート(PEN)に代表されるポリエステル、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、脂環式アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、石油樹脂、ビニル系樹脂、オレフィン樹脂、合成ゴム、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アミノ樹脂、フッ素系樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、シリコーン系樹、ニトロセルロース、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性ポリアミド樹脂、天然ゴム、ゼラチン、ロジン、セラック、多糖類並びにギルソナイトを挙げることができるが、これらに限定されない。ガラスとしては、通常のソーダガラスを用いることができる。これらの複数の材料を組み合わせて用いることもできる。また、下層の塗膜を視認できる程度のカーボンブラックやカーボンナノチューブ(b)がクリア層(f)に含まれても良い。
クリア層(f)の樹脂として二液クリア塗料が好ましい。二液クリア塗料の例は二液硬化型ウレタン塗料である。二液クリア塗料の主剤が水酸基を含有するポリオール樹脂であり、硬化剤がイソシアネートであることが好ましい。これは、クリア層(f)の塗膜の外観が良好で、耐酸性に優れたものとなるからである。上記主剤として使用されるポリオール樹脂は、特に限定されないが、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、及びポリウレタンポリオールが挙げられる。
上記イソシアネートとしては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ビスフェニレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、メチルシクロへキシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、エチルエチレンジイソシアネート及びトリメチルヘキサンジイソシアネートが挙げられるが、これらに限定されない。
クリア層(f)をカーボンナノチューブ含有層(e)上に形成するには、形成する物質に応じて最適な技法を選択すればよい。かかる技法は、真空蒸着、EB蒸着及びスパッタ蒸着に代表されるドライ法、並びにキャスト、スピンコート、ディップコート、バーコート、スプレー、ブレードコート、スリットダイコート、グラビアコート、リバースコート、スクリーン印刷、鋳型塗布、印刷転写及びインクジェットに代表されるウエットコート法を含む一般的な方法から選択することができる。また、クリア層(f)は予め製膜されたものを積層してもよい。クリア層(f)がカーボンナノチューブ含有層(e)に積層されていれば、必ずしもこれらの層が密着していなくても良い。
クリア層(f)の膜厚は5〜150μm、好ましくは20〜50μmの範囲内にあることが好ましい。特に膜厚が斯かる範囲内にあれば、漆黒性に優れた積層体が得られる。
クリア層(f)として以下のような透明保護膜を形成してもよい。積層体(d)の平均反射率を下げるために、透明保護膜の屈折率はカーボンナノチューブ含有層(e)の屈折率より0.3以上低いことが好ましい。
透明保護膜の材質は前記範囲に入る物質であれば特に限定されない。材質は単一物質でもよい。単一物質は無機化合物でも有機化合物でもよい。単一物質としては、珪素酸化物、フッ化マグネシウム、フッ化セリウム、フッ化ランタン及びフッ化カルシウムに代表される無機化合物、並びに珪素元素、フッ素元素を含有するポリマーに代表される有機化合物が挙げられる。
透明保護膜は無機化合物及び有機化合物を含む複合材料で構成されていてもよい。かかる複合材料は内部に空洞を有することが好ましい。透明保護膜は無機化合物の微粒子を有していてもよい。微粒子はシリカ又はアクリルからなるものでもよい。微粒子は内部に空洞を有してもよい。有機化合物は単官能もしくは多官能の(メタ)アクリル酸エステル、シロキサン化合物、及びパーフルオロアルキル基を有する単量体を重合して得られる重合体からなる群から選ばれる一以上の化合物でもよい。複合材料はこれらの混合物でもよい。
珪素酸化物は、具体例に例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシランに代表されるテトラアルコシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ペンチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン及びビニルトリアセトキシシランに代表されるトリアルコキシシラン類;並びにメチルトリアセチルオキシシラン及びメチルトリフェノキシシランに代表されるオルガノアルコキシシランが挙げられる。
透明保護膜はゾル−ゲルコーティング膜でもよい。ゾル−ゲルコーティング膜は、珪素酸化物並びにアルコール、水又は酸を原料として形成される。これらの原料は加水分解反応及び重合反応によってゾル−ゲルコーティング膜を形成する。また透明保護膜は珪素酸化物のスパッタ蒸着膜でもよいが、これに限定されない。
また、透明保護膜として、内部に空洞を有するシリカ微粒子を用いた複合材料を用いることができる。かかる複合材料として、具体的にオプスター((登録商標))TU−2180(JSR株式会社製)又はELCOM((登録商標))P−5024(日揮触媒化成製)を使用することができるが、これらに限定されない。
本明細書における漆黒性とは、JIS Z8729で規定されるL***表色系に基づき、積層体(d)のL*が10以下、かつb*が−2以上0.3以下の値を示すことを表す。L*及びb*はカーボンナノチューブ含有層(e)が基材上に積層された側の面から測定する。
また、カーボンナノチューブ含有層(e)の積層面に、さらにクリア層(f)が積層されている場合には、漆黒性とは、L*が10.0以下、かつb*が−2.0以上0.3以下の値を示すことを表す。上記の値は多角度分光測色計により測定される。多角度分光測色計はエックスライト社製、MA68IIでもよい。
(7)光輝性顔料(g)
光輝性顔料(g)とは、パールのような光沢もしくは金属性の光沢を有する顔料を示す。具体的には、光輝性顔料(g)の表面で反射する光のばらつきにより、見る角度によって見え方が異なる顔料を示す。
光輝性顔料(g)としては、例えばアルミニウムフレーク、金属酸化物被覆アルミナフレーク、金属酸化物被覆シリカフレーク、グラファイト顔料、金属酸化物被覆マイカ、チタンフレーク、ステンレスフレーク、板状酸化鉄顔料、金属メッキガラスフレーク、金属酸化物被覆ガラスフレーク、ホログラム顔料、フタロシアニンフレークなどが挙げられる。
フレーク状の光輝性顔料(g)の平均粒子径は、通常、5〜50μm程度が好ましく、5〜30μm程度がより好ましい。平均厚みは、通常、0.01〜2μmが好ましく、0.05〜1.5μm程度がより好ましい。平均粒子径と平均厚みとの比は、通常、5〜500程度が好ましく、20〜300程度がより好ましい。
光輝性顔料(g)は、天然の雲母に酸化チタンや酸化鉄などの金属酸化物をコートしたパール顔料が好ましい。パール顔料としては、例えば、メルク社製パール顔料Iriodin(登録商標) 100 Silver Pearl、Iriodin(登録商標) 103 Rutil Sterling Silver、Iriodin(登録商標) 111 Rutile Fine Satin、Iriodin(登録商標) 120 Lustre Satin、Iriodin(登録商標) 123 Bright Lustre Satin、Iriodin(登録商標) 151 Lustre Pearl、Iriodin(登録商標) 153 Flash Pearl、Iriodin(登録商標) 163 Shimmer Pearl、Iriodin(登録商標) 183 Supernova White、Iriodin(登録商標) 201 Rutile Fine Gold、Iriodin(登録商標) 211 Rutile Fine Red、Iriodin(登録商標) 221 Rutile Fine Blue、Iriodin(登録商標) 223 Rutile Fine Lilac、Iriodin(登録商標) 231 Rutile Fine Green、Iriodin(登録商標) 205 Rutile Platinam Gold、Iriodin(登録商標) 215 Rutile Red Pearl、Iriodin(登録商標) 217 Rutile Copper Pearl、Iriodin(登録商標) 219 Rutile Lilac Pearl、Iriodin(登録商標) 225 Rutile Blue Pearl、Iriodin(登録商標) 235 Rutile Green Pearl、Iriodin(登録商標) 249 Flash Gold、Iriodin(登録商標) 259 Flash Red、Iriodin(登録商標) 289 Flash Blue、Iriodin(登録商標) 299 Flash Green、Iriodin(登録商標) 300 Gold Pearl、Iriodin(登録商標) 302 Gold Satin、Iriodin(登録商標) 303 Royal Gold、Iriodin(登録商標) 306 Olympic Gold、Iriodin(登録商標) 309 Medallion Gold、Iriodin(登録商標) 320 Bright Gold Satin、Iriodin(登録商標) 323 Royal Gold Satinl、Iriodin(登録商標) 351 Sunny Gold Pearl、Iriodin(登録商標) 355 Glitter Gold、Iriodin(登録商標) 500 Bronze、Iriodin(登録商標) 502 Red Brown、Iriodin(登録商標) 504 Red、Iriodin(登録商標) 505 Red Violet、Iriodin(登録商標) 507 Searab Red、Iriodin(登録商標) 520 Bronze Satin、Iriodin(登録商標) 522 Red Brown Satin、Iriodin(登録商標) 524 Red Satin、Iriodin(登録商標) 530 Glitter Bronze、Iriodin(登録商標) 532 Glitter Red Brown、Iriodin(登録商標) 534 Glitter Redなどが挙げられる。
光輝性顔料(g)と樹脂(c)を含む塗料は金属フレークを使用したメタリック塗料やパール顔料を使用したパール塗料と分類することができる。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。実施例中、特に断わりのない限り「部」とは「質量部」を、「%」とは「質量%」をそれぞれ意味する。また、「カーボンナノチューブ」を「CNT」、「カーボンブラック」を「CB」と略記することがある。
<物性の測定方法>
後述の各実施例及び比較例において使用された積層体の物性は、以下の方法により測定した。
<膜厚>
積層体中のカーボンナノチューブ含有層及びクリア層の膜厚は以下の通り求めた。まず膜厚計(NIKON社製、DIGIMICRO MH−15M)を用いて塗膜中の3点を測定した。次にこれらの平均値を上記膜厚とした。
<L***
積層体においてJIS Z8729で規定されるL***表色系における明度(L*)及び色度(a*、b*)を測定した。測定は多角度分光測色計(エックスライト社製、MA68II)を用いて行った。また測定は基材に樹脂組成物が積層された側の面から行
った。
<平均反射率>
ブリキ板上に形成された積層体の平均反射率を求めた。平均反射率は多角度分光測色計(エックスライト社製、MA68II)を用いて、積層された面の垂線方向に対して45°
の角度で入射した光の正反射光に対して45°で受光した分光反射率から測定した。平均反射率は波長400〜700nmの各反射率の加重平均値を求めることで平均反射率を算出した。
<平均透過率>
積層体の作製に使用するブリキ板の平均透過率を求めた。まず紫外可視近赤外分光光度計(日立製作所社製、UV−3500)を用い、波長300〜1500nmにおける透過スペクトルを5nmの範囲で測定した。測定は基材に樹脂組成物が積層された面から行った。次に測定値から波長380〜780nmの各透過率の加重平均値を求めることで平均透過率を算出した。平均透過率は0%であった。
<カーボンナノチューブの繊維径>
走査透過電子顕微鏡(日本電子株式会社製JEM−6700M)によって、得られたカーボンナノチューブを観測するとともに撮像した。観測写真において、任意の100個のカーボンナノチューブを選び、それぞれの外径を計測した。さらに計測値の数平均を求めることによりカーボンナノチューブの繊維径(nm)を算出した。
<カーボンブラックの平均粒径>
走査透過電子顕微鏡(日本電子株式会社製JEM−6700M)によって、カーボンブラックを観測するともに撮像した。観測写真において、任意の100個のカーボンブラックを選び、それぞれの外径を計測した。さらに計測値の数平均を求めることにより、カーボンブラックの平均粒径(nm)を算出した。
<カーボンナノチューブ合成用触媒及びカーボンナノチューブの製造例>
後述の各実施例及び比較例において使用されたカーボンナノチューブ合成用触媒及びカーボンナノチューブは以下の方法により作製した。
<カーボンナノチューブ合成用触媒(A)の作製>
酢酸コバルト・四水和物200g及び担持成分としての酢酸マグネシウム・四水和物172gをビーカーに秤取った。秤取った材料を均一になるまで撹拌した。均一化された材料を耐熱性容器に移し替えた。電気オーブンを用いて、190±5℃の温度で30分間、容器内の材料を乾燥させ水分を蒸発させた。その後、乾燥させた材料を乳鉢で粉砕してカーボンナノチューブ合成用触媒(A)の前駆体を得た。得られた前駆体100gを耐熱容器に秤取った。前駆体をマッフル炉にて、空気中500℃±5℃雰囲気下で30分間焼成した。その後、焼成物を乳鉢で粉砕して触媒(A)を得た。
<カーボンナノチューブ合成用触媒(B)の作製>
水酸化コバルト74g及び担持成分としての酢酸マグネシウム・四水和物172gをビーカーに秤取った。秤取った材料を均一になるまで撹拌した。均一化された材料を耐熱性容器に移し替えた。電気オーブンを用いて、190±5℃の温度で30分、容器内の材料を乾燥させ水分を蒸発させた。その後、乾燥させた材料を乳鉢で粉砕してカーボンナノチューブ合成用触媒(B)の前駆体を得た。得られた前駆体100gを耐熱容器に秤取った。前駆体をマッフル炉にて、空気中500℃±5℃雰囲気下で30分焼成した。その後、乳鉢で焼成物を粉砕して触媒(B)を得た。
<カーボンナノチューブ(A1)の作製>
横型反応管の中央部に、カーボンナノチューブ合成用触媒(A)1.0gを散布した石英ガラス製耐熱皿を設置した。横型反応管は加圧可能であり、かつ外部ヒーターで加熱可能であり、かつ内容積が10リットルであった。横型反応管にアルゴンガスを注入しながら排気を行うことで、反応管内の空気をアルゴンガスで置換した。置換後の横型反応管中の雰囲気を酸素濃度1体積%以下とした。次いで、横型反応管内の中心部温度が700℃になるまで外部ヒーターにて反応管を加熱した。中心部温度が700℃に到達した後、毎分0.1リットルの流速で1分間、水素ガスを反応管内に導入することで、触媒を活性化する処理をした。その後、炭素源としてエチレンガスを毎分1リットルの流速で反応管内に導入することで、1時間接触反応を行った。反応終了後、反応管内のガスをアルゴンガスで置換することで、反応管内の温度が100℃以下になるまで反応管を冷却した。冷却後、生成したカーボンナノチューブを採取した。得られたカーボンナノチューブは、80メッシュの金網で粉砕するとともにろ過した。
<カーボンナノチューブ(A2)の作製>
横型反応管の中央部に、カーボンナノチューブ合成用触媒(A)1.0gを散布した石英ガラス製耐熱皿を設置した。横型反応管は加圧可能であり、かつ外部ヒーターで加熱可能であり、かつ内容積が10リットルであった。横型反応管にアルゴンガスを注入しながら排気を行うことで、反応管内の空気をアルゴンガスで置換した。置換後の横型反応管中の雰囲気を酸素濃度1体積%以下とした。次いで、横型反応管内の中心部温度が700℃になるまで外部ヒーターにて反応管を加熱した。中心部温度が700℃に到達した後、毎分0.1リットルの流速で1分間、水素ガスを反応管内に導入することで、触媒を活性化する処理をした。その後、炭素源としてエチレンガスを毎分1リットルの流速で反応管内に導入することで、2時間接触反応を行った。反応終了後、反応管内のガスをアルゴンガスで置換することで、反応管内の温度が100℃以下になるまで反応管を冷却した。冷却後、生成したカーボンナノチューブを採取した。得られたカーボンナノチューブは、80メッシュの金網で粉砕するとともにろ過した。
<カーボンナノチューブ(B1)の作製>
横型反応管の中央部に、カーボンナノチューブ合成用触媒(B)1.0gを散布した石英ガラス製耐熱皿を設置した。横型反応管は加圧可能であり、かつ外部ヒーターで加熱可能であり、かつ内容積が10リットルであった。横型反応管にアルゴンガスを注入しながら排気を行うことで、反応管内の空気をアルゴンガスで置換した。置換後の横型反応管中の雰囲気を酸素濃度1体積%以下とした。次いで、横型反応管内の中心部温度が700℃になるまで外部ヒーターにて反応管を加熱した。中心部温度が700℃に到達した後、毎分0.1リットルの流速で1分間、水素ガスを反応管内に導入することで、触媒を活性化する処理をした。その後、炭素源としてエチレンガスを毎分1リットルの流速で反応管内に導入することで、1時間接触反応を行った。反応終了後、反応管内のガスをアルゴンガスで置換することで、反応管内の温度が100℃以下になるまで反応管を冷却した。冷却後、生成したカーボンナノチューブを採取した。得られたカーボンナノチューブは、80メッシュの金網で粉砕するとともにろ過した。
<カーボンナノチューブ(B2)の作製>
横型反応管の中央部に、カーボンナノチューブ合成用触媒(B)1.0gを散布した石英ガラス製耐熱皿を設置した。横型反応管は加圧可能であり、かつ外部ヒーターで加熱可能であり、かつ内容積が10リットルであった。横型反応管にアルゴンガスを注入しながら排気を行うことで、反応管内の空気をアルゴンガスで置換した。置換後の横型反応管中の雰囲気を酸素濃度1体積%以下とした。次いで、横型反応管内の中心部温度が700℃になるまで外部ヒーターにて反応管を加熱した。中心部温度が700℃に到達した後、毎分0.1リットルの流速で1分間、水素ガスを反応管内に導入することで、触媒を活性化する処理をした。その後、炭素源としてエチレンガスを毎分1リットルの流速で反応管内に導入することで、2時間接触反応を行った。反応終了後、反応管内のガスをアルゴンガスで置換することで、反応管内の温度が100℃以下になるまで反応管を冷却した。冷却後、生成したカーボンナノチューブを採取した。得られたカーボンナノチューブは、80メッシュの金網で粉砕するとともにろ過した。
<CNT塗液の作製>
本願発明の樹脂組成物の一態様であるCNT塗液の作製方法を以下に示す。
(作製例1)
<カーボンナノチューブのアクリルメラミン塗料作製>
カーボンナノチューブ(A1)3.2g、アクリル樹脂(DIC社製アクリディック47−712)25.6g、溶媒(トルエン:キシレン:酢酸ブチル:東燃ゼネラル社製ソルベッソ150の重量比3:3:2:2の混合溶媒)68.2g、ジルコニアビーズ150gを225cm3ガラス瓶に投入した。これらの原料をレッドデビル社製ペイントコンディショナーにて2時間分散させた。その後、分散された原料からジルコニアビーズを分離除去することで、カーボンナノチューブの分散体を得た。この分散体100質量部、アクリル樹脂(DIC社製アクリディック47−712)119.1質量部、メラミン樹脂(DIC社製スーパーベッカミンL−177−60)30.3質量部を高速攪拌機にて撹拌して、カーボンナノチューブのアクリルメラミン塗料(A1)を得た。
(作製例2〜4)
表1に掲載したカーボンナノチューブの種類に変更した以外は作製例1と同様の方法によりカーボンナノチューブのアクリルメラミン塗料(A2〜B2)を得た。
Figure 2017025173
(作製例5)
<カーボンナノチューブのアクリルウレタン塗料作製>
カーボンナノチューブ(A1)3.0g、アクリルポリオール樹脂(DIC社製アクリディックA−801−P)24.0g、溶媒(トルエン:酢酸ブチルの重量比7:3の混合溶媒)88.4g、ジルコニアビーズ150gを225cm3ガラス瓶に投入した。これらの原料をレッドデビル社製ペイントコンディショナーにて2時間分散させた。その後、分散された原料からジルコニアビーズを分離除去することで、カーボンナノチューブの分散体を得た。この分散体を100質量部、アクリルポリオール樹脂(DIC社製アクリディックA−801−P)78.1質量部及びイソシアネート樹脂(DIC社製バーノックDN−950)29.6質量部を高速攪拌機にて撹拌して、カーボンナノチューブのアクリルウレタン塗料(A1)を得た。
表2に作製例5で作製したカーボンナノチューブのアクリルウレタン塗料(A1)を示す。
Figure 2017025173
<パール顔料のアクリルメラミン塗料作製>
(作製例6)
パール顔料(MERCK社製イリオジン103WNTルチルスターリングシルバー5.5質量部、アクリル樹脂(DIC社製アクリディック47−712)243.2質量部、メラミン樹脂(DIC社製スーパーベッカミンL−177−60)50.7質量部を高速攪拌機にて撹拌して、パール顔料のアクリルメラミン塗料(A)を得た。
<パール顔料のアクリルウレタン塗料作製>
(作製例7)
パール顔料(MERCK社製イリオジン103WNTルチルスターリングシルバー5.5質量部、アクリルポリオール樹脂(DIC社製アクリディックA801−P)209.3質量部及びイソシアネート樹脂(DIC社製バーノックDN−950)62.7質量部を高速攪拌機にて撹拌して、パール顔料のアクリルウレタン塗料(A)を得た。
<透明アクリルメラミン塗料作製>
(作製例8)
アクリル樹脂(DIC社製アクリディック44−179)100質量部、メラミン樹脂(DIC社製スーパーベッカミンL−177−60)25質量部を高速攪拌機にて撹拌して、透明アクリルメラミン塗料を得た。
<透明アクリルウレタン塗料作製>
(作製例9)
塗装直前に、アクリルポリオール樹脂(DIC社製アクリディックA−801−P)100質量部、イソシアネート樹脂(DIC社製バーノックDN−950)30質量部を高速攪拌機にて撹拌して、透明アクリルウレタン塗料を得た。
<パール顔料含有カーボンナノチューブのアクリルメラミンパール塗料作製>
(実施例1)
作製例1で作製したカーボンナノチューブのアクリルメラミン塗料(A1)100質量部、作製例6で作製したパール顔料のアクリルメラミン塗料68.7部を高速攪拌機にて撹拌して、パール顔料含有カーボンナノチューブのアクリルメラミンパール塗料A1(CNT塗液)を得た。
(実施例2〜4)
表3に掲載したカーボンナノチューブのアクリルメラミン塗料に変更した以外は実施例1と同様の方法により、パール顔料含有カーボンナノチューブのアクリルメラミンパール塗料A2〜B2(CNT塗液)を得た。
Figure 2017025173
<パール顔料含有カーボンナノチューブのアクリルウレタンパール塗料作製>
(実施例5)
カーボンナノチューブのアクリルウレタン塗料100質量部、パール顔料のアクリルウレタン塗料63.1質量部を高速攪拌機にて撹拌して、パール顔料含有カーボンナノチューブのアクリルウレタンパール塗料A1(CNT塗液)を得た。
表4に実施例5で得られたパール顔料含有カーボンナノチューブのアクリルウレタンパール塗料A1を示す。
Figure 2017025173
実施例1〜5で得られたCNT塗液を溶媒(トルエン:キシレン:酢酸ブチル:東燃ゼネラル社製ソルベッソ150の質量比3:3:2:2)にてスプレー塗装に適する粘度に希釈した。CNT塗液の膜厚が30μmになるように、ブリキ板に対して希釈したCNT塗液をスプレー塗装した。スプレー塗装はエアスプレーガン(アネスト岩田社製W−61−2G)を用いて行った。ブリキ板を30分間室温放置した。その後、乾燥器にて80℃20分間、塗料を乾燥し、積層体を作製し、エックスライト社製多角度分光測色計MA68IIにて測定し、積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光
に対して15°、45°、110°で受光した分光反射率に基づく、測色値を得た。
表5に実施例1〜5で作製したCNT塗液を用いて作製した積層体の評価結果を示す。漆黒性の評価基準は以下の通りとした:上記塗膜の積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光に対して45°で受光した分光反射率に基づくL*が5.0以下かつb*が0以下のものを++(優良)とし、L*が5.1〜10.0かつb*が0以下のものを+(良好)、L*が10.1以上かつb*が0.1以上のものを−(不良)とした。また、フリップフロップ性の評価基準は以下の通りとした:上記塗膜の積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光に対して15°で受光した分光反射率に基づくL*と110°で受光した分光反射率に基づくL*の比(15°のL*/110°のL*)が20以上のものを++(優良)とし、10〜19.9のものを+(良)とし、9.9以下のものを−(不良)とした。
Figure 2017025173
(実施例6〜9)
作製例8で作製した透明アクリルメラミン塗料を混合溶媒(トルエン:キシレン:酢酸ブチル:東燃ゼネラル社製ソルベッソ150の質量比3:3:2:2)でスプレー塗装に適する粘度に希釈した。実施例1〜4で作製したCNT塗液を用いて作製した積層体の上に、希釈した透明アクリルメラミン塗料をそれぞれスプレー塗装した。スプレー塗装はエアスプレーガン(アネスト岩田社製W−61−2G)を用いて、透明アクリルメラミンの膜厚が30μmになるように行った。塗装後、ブリキ板を30分間室温放置した。その後、乾燥器にて140℃30分間ブリキ板を焼き付けることで、塗料を乾燥させた。以上により、クリア層が積層された、パール顔料とカーボンナノチューブを含有するアクリルメラミンパール積層体(A1〜B2)を得た。得られた積層体について、エックスライト社製多角度分光測色計MA68IIにて測定し、積層された面の垂線方向に対して45°の角
度で入射した光の正反射光に対して15°、45°、110°で受光した分光反射率に基づく、測色値を得た。
表6に実施例6〜9で作製した積層体の作製条件、表7に実施例6〜9で作製した積層体の評価結果を示す。漆黒性の評価基準は以下の通りとした:上記塗膜の積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光に対して45°で受光した分光反射率に基づくL*が5.0以下かつb*が0以下のものを++(優良)とし、L*が5.1〜10.0かつb*が0以下のものを+(良好)、L*が10.1以上かつb*が0.1以上のものを−(不良)とした。また、フリップフロップ性の評価基準は以下の通りとした:上記塗膜の積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光に対して15°で受光した分光反射率に基づくL*と110°で受光した分光反射率に基づくL*の比(15°のL*/110°のL*)が20以上のものを++(優良)とし、10〜19.9のものを+(良)とし、9.9以下のものを−(不良)とした。
Figure 2017025173
Figure 2017025173
(実施例10)
作製例9で作製した透明アクリルウレタン塗料を混合溶媒(トルエン:酢酸ブチルの重量比7:3の混合溶媒)でスプレー塗装に適する粘度に希釈した。実施例5で作製したCNT塗液を用いて作製した積層体の上に、希釈した透明アクリルウレタン塗料をスプレー塗装した。スプレー塗装はエアスプレーガン(アネスト岩田社製W−61−2G)を用いて、透明アクリルウレタンの膜厚が30μmになるように行った。塗装後、ブリキ板を30分間室温放置した。その後、乾燥器にて140℃30分間ブリキ板を焼き付けることで、塗料を乾燥させた。以上により、クリア層が積層された、パール顔料とカーボンナノチューブを含有するアクリルウレタンパール積層体(A1)を得た。得られた積層体について、エックスライト社製多角度分光測色計MA68IIにて測定し、積層された面の垂線方
向に対して45°の角度で入射した光の正反射光に対して15°、45°、110°で受光した分光反射率に基づく、測色値を得た。
表8に実施例10で作製した積層体の作製条件、表9に実施例10で作製した積層体の評価結果を示す。漆黒性の評価基準は以下の通りとした:上記塗膜の積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光に対して45°で受光した分光反射率に基づくL*が5.0以下かつb*が0以下のものを++(優良)とし、L*が5.1〜10.0かつb*が0以下のものを+(良好)、L*が10.1以上かつb*が0.1以上のものを−(不良)とした。また、フリップフロップ性の評価基準は以下の通りとした:上記塗膜の積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光に対して15°で受光した分光反射率に基づくL*と110°で受光した分光反射率に基づくL*の比(15°のL*/110°のL*)が20以上のものを++(優良)とし、10〜19.9のものを+(良)とし、9.9以下のものを−(不良)とした。
Figure 2017025173
Figure 2017025173
<カーボンブラックのアクリルメラミン塗料作製>
(作製例10)
カーボンブラック(デグサ社製Color Black FW−200)3.2g、アクリル樹脂(DIC社製アクリディック47−712)25.6g、混合溶媒(トルエン:キシレン:酢酸ブチル:東燃ゼネラル社製ソルベッソ150の質量比3:3:2:2)42.3g、ジルコニアビーズ150gを225cm3ガラス瓶に投入した。これらの原料をレッドデビル社製ペイントコンディショナーにて2時間分散させた。その後、分散された原料からジルコニアビーズを分離除去することで、カーボンブラックの分散体を得た。この分散体100質量部、アクリル樹脂(DIC社製アクリディック47−712)162.5質量部及びメラミン樹脂(DIC社製スーパーベッカミンL−177−60)41.4質量部を高速攪拌機にて撹拌してカーボンブラックのアクリルメラミン塗料を得た。
<パール顔料含有カーボンブラックのアクリルメラミンパール塗料作製>
(比較例1)
作製例10で作製したカーボンブラックのアクリルメラミン塗料78.5質量部、作製例6で作製したパール顔料のアクリルメラミン塗料117.8質量部を高速攪拌機にて撹拌して、パール顔料含有カーボンブラックのアクリルメラミンパール塗料(CB塗液)を得た。
表10に比較例1で得られたパール顔料含有カーボンブラックのアクリルメラミンパール塗料(CB塗液)を示す。
Figure 2017025173
比較例1で得られたCB塗液を溶媒(トルエン:キシレン:酢酸ブチル:東燃ゼネラル社製ソルベッソ150の質量比3:3:2:2)にてスプレー塗装に適する粘度に希釈した。CB塗液の膜厚が30μmになるように、ブリキ板に対して希釈したCB塗液をスプレー塗装した。スプレー塗装はエアスプレーガン(アネスト岩田社製W−61−2G)を用いて行った。ブリキ板を30分間室温放置した。その後、乾燥器にて80℃20分間、塗料を乾燥し、積層体を作製し、エックスライト社製多角度分光測色計MA68IIにて測
定し、積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光に対して15°、45°、110°で受光した分光反射率に基づく、測色値を得た。
表11に比較例1で作製したCB塗液を用いて作製した積層体の作製条件、評価結果を示す。漆黒性の評価基準は以下の通りとした:上記塗膜の積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光に対して45°で受光した分光反射率に基づくL*が5.0以下かつb*が0以下のものを++(優良)とし、L*が5.1〜10.0かつb*が0以下のものを+(良好)、L*が10.1以上かつb*が0.1以上のものを−(不良)とした。また、フリップフロップ性の評価基準は以下の通りとした:上記塗膜の積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光に対して15°で受光した分光反射率に基づくL*と110°で受光した分光反射率に基づくL*の比(15°のL*/110°のL*)が20以上のものを++(優良)とし、10〜19.9のものを+(良)とし、9.9以下のものを−(不良)とした。
Figure 2017025173
(比較例2)
透明アクリルメラミン塗料を混合溶媒(トルエン:キシレン:酢酸ブチル:東燃ゼネラル社製ソルベッソ150の質量比3:3:2:2)でスプレー塗装に適する粘度に希釈した。比較例1で作製したCB塗液を用いて作製した積層体の上に、希釈した透明アクリルメラミン塗料をスプレー塗装した。スプレー塗装はエアスプレーガン(アネスト岩田社製W−61−2G)を用いて、透明アクリルメラミンの膜厚が30μmになるように行った。塗装後、ブリキ板を30分間室温放置した。その後、乾燥器にて140℃30分間ブリキ板を焼き付けることで、塗料を乾燥させた。以上によりパール顔料とカーボンブラックを含有するアクリルメラミンパール積層体(A1)を得た。得られた積層体をエックスライト社製多角度分光測色計MA68IIにて測定し、積層された面の垂線方向に対して45
°の角度で入射した光の正反射光に対して15°、45°、110°で受光した分光反射率に基づく、測色値を得た。
表12に比較例2で作製した積層体の作製条件、表13に比較例2で作製した積層体の評価結果を示す。漆黒性の評価基準は以下の通りとした:上記塗膜の積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光に対して45°で受光した分光反射率に基づくL*が5.0以下かつb*が0以下のものを++(優良)とし、L*が5.1〜10.0かつb*が0以下のものを+(良好)、L*が10.1以上かつb*が0.1以上のものを−(不良)とした。また、フリップフロップ性の評価基準は以下の通りとした:上記塗膜の積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光に対して15°で受光した分光反射率に基づくL*と110°で受光した分光反射率に基づくL*の比(15°のL*/110°のL*)が20以上のものを++(優良)とし、10〜19.9のものを+(良)とし、9.9以下のものを−(不良)とした。
Figure 2017025173
Figure 2017025173
(実施例11〜12)
実施例1で得られたCNT塗液を溶媒(トルエン:キシレン:酢酸ブチル:東燃ゼネラル社製ソルベッソ150の質量比3:3:2:2)にてスプレー塗装に適する粘度に希釈した。CNT塗液の膜厚が10μmまたは50μmになるように、ブリキ板に対して希釈したCNT塗液をそれぞれスプレー塗装した。スプレー塗装はエアスプレーガン(アネスト岩田社製W−61−2G)を用いて行った。ブリキ板を30分間室温放置した。その後、乾燥器にて80℃20分間、塗料を乾燥し、積層体を作製し、エックスライト社製多角度分光測色計MA68IIにて測定し、積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入
射した光の正反射光に対して15°、45°、110°で受光した分光反射率に基づく、測色値を得た。
表14に実施例11〜12で作製したCNT塗液を用いて作製した積層体の作製条件、表15に実施例11〜12で作製したCNT塗液を用いて作製した積層体の評価結果を示す。漆黒性の評価基準は以下の通りとした:上記塗膜の積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光に対して45°で受光した分光反射率に基づくL*が5.0以下かつb*が0以下のものを++(優良)とし、L*が5.1〜10.0かつb*が0以下のものを+(良好)、L*が10.1以上かつb*が0.1以上のものを−(不良)とした。また、フリップフロップ性の評価基準は以下の通りとした:上記塗膜の積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光に対して15°で受光した分光反射率に基づくL*と110°で受光した分光反射率に基づくL*の比(15°のL*/110°のL*)が20以上のものを++(優良)とし、10〜19.9のものを+(良)とし、9.9以下のものを−(不良)とした。
Figure 2017025173
Figure 2017025173
(実施例13〜14)
作製例8で作製した透明アクリルメラミン塗料を混合溶媒(トルエン:キシレン:酢酸ブチル:東燃ゼネラル社製ソルベッソ150の質量比3:3:2:2)でスプレー塗装に適する粘度に希釈した。実施例11〜12で作製したCNT塗液を用いて作製した積層体の上に、希釈した透明アクリルメラミン塗料をそれぞれスプレー塗装した。スプレー塗装はエアスプレーガン(アネスト岩田社製W−61−2G)を用いて、透明アクリルメラミンの膜厚が30μmになるように行った。塗装後、ブリキ板を30分間室温放置した。その後、乾燥器にて140℃30分間ブリキ板を焼き付けることで、塗料を乾燥させた。以上により、クリア層が積層された、パール顔料とカーボンナノチューブを含有するアクリルメラミンパール積層体(A1〜B2)を得た。得られた積層体について、エックスライト社製多角度分光測色計MA68IIにて測定し、積層された面の垂線方向に対して45°
の角度で入射した光の正反射光に対して15°、45°、110°で受光した分光反射率に基づく、測色値を得た。
表16に実施例13〜14で作製したCNT塗液を用いて作製した積層体の評価結果を示す。漆黒性の評価基準は以下の通りとした:上記塗膜の積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光に対して45°で受光した分光反射率に基づくL*が5.0以下かつb*が0以下のものを++(優良)とし、L*が5.1〜10.0かつb*が0以下のものを+(良好)、L*が10.1以上かつb*が0.1以上のものを−(不良)とした。また、フリップフロップ性の評価基準は以下の通りとした:上記塗膜の積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光に対して15°で受光した分光反射率に基づくL*と110°で受光した分光反射率に基づくL*の比(15°のL*/110°のL*)が20以上のものを++(優良)とし、10〜19.9のものを+(良)とし、9.9以下のものを−(不良)とした。
Figure 2017025173
(実施例15)
実施例1で作製したCNT塗液を用いて作製した積層体の上に、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(東レ株式会社製、ルミラー100、T60)を重ねて、クリア層が積層された、パール顔料とカーボンナノチューブを含有するアクリルメラミンパール積層体(A1P)を得た。得られた積層体について、エックスライト社製多角度分光測色計MA68IIにて測定し、積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光
の正反射光に対して15°、45°、110°で受光した分光反射率に基づく、測色値を得た。
表17に実施例15で作製したCNT塗液を用いて作製した積層体の評価結果を示す。漆黒性の評価基準は以下の通りとした:上記塗膜の積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光に対して45°で受光した分光反射率に基づくL*が5.0以下かつb*が0以下のものを++(優良)とし、L*が5.1〜10.0かつb*が0以下のものを+(良好)、L*が10.1以上かつb*が0.1以上のものを−(不良)とした。また、フリップフロップ性の評価基準は以下の通りとした:上記塗膜の積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光に対して15°で受光した分光反射率に基づくL*と110°で受光した分光反射率に基づくL*の比(15°のL*/110°のL*)が20以上のものを++(優良)とし、10〜19.9のものを+(良)とし、9.9以下のものを−(不良)とした。
Figure 2017025173
上記実施例ではカーボンナノチューブと光輝性顔料と樹脂を含む樹脂組成物及び積層体を用いた。比較例では、カーボンナノチューブの代わりにカーボンブラックを使用した樹脂組成物及び積層体を用いた。実施例では比較例に比べて漆黒性の高い樹脂組成物及び積層体が得られた。また、多角度分光測色計MA68IIにて、測定した15°のL*と11
0°のL*の比(15°のL*/110°のL*)が大きく、フリップフロップ性の高い樹脂組成物及び積層体が得られた。以上により本発明はカーボンブラックでは実現しがたい漆黒性を有し、かつフリップフロップ性の高い樹脂組成物及び積層体を提供できることが明らかとなった。
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。

Claims (12)

  1. 少なくともカーボンナノチューブと光輝性顔料と樹脂とを含んでなる樹脂組成物。
  2. 基材上に、少なくともカーボンナノチューブと光輝性顔料と樹脂とを含んでなる樹脂組成物からなるカーボンナノチューブ含有層が積層されてなる積層体であって、積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光に対して45°で受光した分光反射率に基づくL*が10以下、a*が−2以上2以下かつb*が−2以上0.3以下であることを特徴とする積層体。
  3. さらに、カーボンナノチューブ含有層上にクリア層が積層された積層体であって、積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光に対して45°で受光した分光反射率に基づくL*が10以下、a*が−2以上2以下かつb*が−2以上0.3以下であることを特徴とする請求項2記載の積層体。
  4. 積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光に対して15°で受光した分光反射率に基づくL*と積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光に対して110°で受光した分光反射率に基づくL*の比(15°のL*/110°のL*)が10以上30以下であることを特徴とする請求項2または3記載の積層体。
  5. カーボンナノチューブの繊維径が、8〜25nmであることを特徴とする請求項2〜4いずれか記載の積層体。
  6. カーボンナノチューブ含有層中のカーボンナノチューブの含有量が、1〜30質量%であることを特徴とする請求項2〜5いずれか記載の積層体。
  7. カーボンナノチューブ含有層の膜厚が、10〜50μmであることを特徴とする請求項2〜6いずれか記載の積層体。
  8. クリア層の膜厚が、5〜150μmであることを特徴とする請求項3〜7いずれか記載の積層体。
  9. 積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光に対して45°で受光した分光反射率から求めた波長400〜700nmの平均反射率が5%以下である請求項2〜8いずれか記載の積層体。
  10. 基材の波長380〜780nmにおける平均透過率が、5%以下である請求項2〜9いずれか記載の積層体。
  11. 基材が、有機顔料、無機顔料および光輝性顔料からなる群より選ばれる少なくとも一種と、樹脂とを含んでなること特徴とする請求項2〜10いずれか記載の積層体。(ただし、有機顔料および無機顔料は、光輝性顔料を除く。)
  12. 基材上に、少なくともカーボンナノチューブと光輝性顔料と樹脂とを含んでなる樹脂組成物からなるカーボンナノチューブ含有層を積層し、さらにクリア層を積層する積層体の製造方法であって、積層された面の垂線方向に対して45°の角度で入射した光の正反射光に対して45°で受光した分光反射率に基づくL*が10以下、a*が−2以上2以下かつb*が−2以上0.3以下であることを特徴とする積層体の製造方法。
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