JP2017024958A - 水素発生装置、その製造方法及び水素発生方法 - Google Patents

水素発生装置、その製造方法及び水素発生方法 Download PDF

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Abstract

【課題】反応液の利用効率を改善でき、しかも水素発生の反応性や応答性を向上できる水素発生装置、その製造方法及び水素発生方法の提供。
【解決手段】反応液11と反応して水素を発生する水素発生剤14と、前記水素発生剤14を収容する容器15と、を備えた水素発生装置であって、容器15は、反応液11を反応部位17に供給するための供給部12を有し、水素発生剤14は、熱硬化性樹脂及び粒状の水素化金属を含有し、容器15の壁面に沿って空間13を隔てて立設された立設部14aを有する水素発生装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、反応液と反応して水素を発生する水素発生剤と前記水素発生剤を収容する容器とを備えた水素発生装置、その製造方法及び水素発生方法に関し、特に燃料電池に水素を供給するための技術として有用である。
燃料電池は、他の発電システムに比べると発電効率が高く、大気を汚染する物質を生成しないという点で注目されているエネルギー源である。水素供給型の燃料電池では、発電を行わせるために、カソードへ空気(酸素)を供給し、アノードへ水素を供給する。この水素を発生させる方法の1つとして、取扱いが容易で単位体積当たりの水素貯蔵量が高い水素化金属化合物(例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化マグネシウム、水素化カルシウム等)を主成分とする水素発生剤に、反応液(水等)を供給して水素を発生させる方法が知られている。
水素化金属化合物を主成分とする水素発生剤の塊を用いて、上部から反応液を供給する場合、初期の反応性は高いものの、反応で生成した金属水酸化物等の副生成物が、水素発生剤の上面を覆い、反応液との接触を阻害して反応性や応答性を低下させてしまう。即ち、図13(a)及び(b)に示すように、水素発生の反応が(a)から(b)へと進むにしたがって、副生成物等18の形成により、水素発生剤14の表面に存在する反応部位17と供給された反応液19との導水距離Dが増大するため、大量の反応液11が必要となるばかりでなく、反応性や応答性を低下させてしまう。
そこで、特許文献1には、副生成物を除去するため、水を高圧で金属水素化物に噴射する水素ガス生成装置が開示されている。しかし、水を高圧で噴射するための装置など、構造が複雑になって大型化が避けられないばかりでなく、噴射するための水が大量に必要であり、実用的な方法ではない。
一方、特許文献2には、水素の発生量の制御を目的として、円筒状の水素発生体を横向きに設置した水素発生装置が開示されている。円筒内部の空洞が送液流路になっており、この送液流路に導入された反応液が、送液流路の外周に配置された反応層に浸透することにより、水素を発生させることができる。
特開2002−137903号公報 特開2013−049584号公報
しかしながら、特許文献2での送液方式は、円筒内部の空洞に反応液を供給するものの反応の進行に伴って副生成物が形成され反応液の浸透を阻害する点では図13の装置と変わりないため、反応液の利用効率には改善の余地がある。また、反応液の供給を停止したとしても、反応液が反応層に浸透しながら水素が発生する構造上、水素発生を停止するための応答速度が遅いという問題がある。
そこで、本発明の目的は、反応液の利用効率を改善でき、しかも水素発生の反応性や応答性を向上できる水素発生装置、その製造方法及び水素発生方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究したところ、熱硬化性樹脂及び粒状の水素化金属を含有する水素発生剤を特定の形状として容器内に収容することで、前記した課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の水素発生装置は、反応液と反応して水素を発生する水素発生剤と、前記水素発生剤を収容する容器と、を備えた水素発生装置であって、前記容器は、反応液を反応部位に供給するための供給部を有し、前記水素発生剤は、熱硬化性樹脂及び粒状の水素化金属を含有し、前記容器の壁面に沿って空間を隔てて立設された立設部を有することを特徴とする。図1(a)に示すとおり、水素発生剤14が容器15の壁面に沿って空間13を隔てて立設された立設部14aを有する構造を有しており、この空間13に反応液11を滴下することにより、供給された反応液19と水素発生剤14が接触して反応部位17を形成して、水素発生の反応が進行する。なお、図1では有底筒状の水素発生剤の場合が示されているが、底部が無い場合でも類似の作用効果が得られる。水素発生装置によると、この特徴的な構造により、以下の2つの観点から、反応液の利用効率を改善でき、しかも水素発生の反応性や応答性を向上できる。
まず、1つ目として、図1(a)及び(b)に示すとおり、本発明の水素発生装置は、反応部位17が上昇しながら、(a)から(b)へと反応が進むため、水素発生の反応性や応答性を大幅に向上できる。具体的には、水素発生反応の際に生じる金属水酸化物などの副生成物等18は、体積膨張が生じるため、樹脂母材を崩壊させる作用が大きく、しかも金属水酸化物等は吸水性を有するため、(a)から(b)へと反応が進行するとともに空間13が副生成物等18(反応済みの水素発生剤等)により埋没されていく。これにより、反応部位17が供給部12側へと移動(上昇)していくため、常に水素発生剤14の未反応部分が供給された反応液19と反応部位17を介して反応することができる。その結果、従来(図13)のような導水距離Dの増大による反応性や応答性の鈍化を抑制でき、高い反応性や応答性を実現できる。なお、本明細書では、応答性とは、水素発生反応の初期の応答性(図7等の反応開始直後の立ち上がりの良さ)だけではなく、反応液の供給を停止した時や再稼働時の応答性をも含む概念である。
次に、2つ目として、本発明の水素発生装置は、反応液だけなく、水素発生時の反応により生じた蒸気を利用することができるため、従来は水蒸気として排出されていた水分を利用して、反応液の利用効率を大幅に向上できる。具体的には、少量の反応液を反応部位に供給すると、水素が発生するとともに反応熱による水蒸気が発生する。この発生した水蒸気は、未反応の水素発生剤の表面と接触するため、少量の反応液で水素を効率良く発生させることができ、反応液の利用効率を大幅に向上できる。なお、図1(a)及び(b)に示すとおり、点線矢印が発生した水蒸気の流れを示す。また、反応が進行した場合でも、常に反応部位よりも上側に未反応の水素発生剤が存在するよう設計されているため、反応を高効率で持続することが可能となる。
本発明における水素発生剤は、筒状の立設部を有するものであることが好ましい。このような形状であると、ハンドリング性が高く、反応液を供給しやすく、より効率的に水素発生の反応を制御できるため、本発明の作用効果を実現する上で有利となる。
上記において、水素発生剤は、有底筒状であることが好ましい。このような形状であると、底面部にも水素発生剤が形成されており、反応液を反応部位に直接滴下できるため、より迅速に効率的に水素発生の反応を制御できるため、本発明の作用効果を実現する上で有利となる。
本発明における水素発生剤は、空隙を有することが好ましい。これにより、水素発生剤の体積当たりの表面積が増大するため、蒸気等との反応性を向上できる。さらに、反応の進行とともに反応部位よりも下側の空間が反応済みの水素発生剤により埋没されていき、水素発生剤の未反応部分が少なくなった終盤であっても、空隙に蒸気を通過させることで、最後まで効率良く反応させることができる。また、立設部の高さを低く設計したとしても、少ない体積で高効率の蒸気利用が可能なため、水素発生装置の小型化が可能となる。
上記において、水素発生剤は、粒状、顆粒状、ペレット状、棒状又は球状の造粒物が相互に結着していることが好ましい。これにより、効率良く水素発生剤を製造できるとともに、空隙率を容易に最適化できるため、前述の作用効果を実現する上で有利となる。
本発明における水素発生剤は、さらに親水性高分子を含有することが好ましい。本発明者らが検討したところ、親水性高分子を含有させない場合、熱硬化時に未硬化状態の熱硬化性樹脂の粘度低下により、樹脂母材の形状変化が起こることが分かった。このような状態であると、設計した水素発生剤の形状を保持できなかったり、水素発生剤の密度が不均一になったり、立設部に囲まれた空間が埋没してしまったり、水素発生挙動の不安定化が生じる。そこで、本発明者らは親水性高分子を含有させることを検討した。上記のように、さらに親水性高分子を含有する場合、水素発生剤を熱硬化させる時に、同時に親水性高分子が融解するため、粘度が上昇する。これにより、設計した形状をそのまま維持することができ、成型時の形状維持特性を向上できる。
さらに、別の観点からも、水素発生剤に親水性高分子を含有させることが好ましい。親水性高分子を含有させない場合、流動性(成形性)の影響から熱硬化性樹脂と水素化金属との配合比率を自由に設定するのは難しかった。即ち、水素発生の反応速度は、熱硬化性樹脂と水素化金属との比率に依存しており、その配合比率を自由に設定するのは難しかった。しかし、親水性高分子を含有させることにより、増粘剤として作用して成形性が向上するため、比較的自由に熱硬化性樹脂と水素化金属との配合比率を変更することができるようになった。これにより、目的の反応速度に合わせた配合比率を容易に選択できる。
本発明における水素発生剤は、上部と下部の2層構造を有し、前記上部に含有される前記水素化金属の含有量が、前記下部に含有される前記水素化金属の含有量よりも低いことが好ましい。このような含有割合の2層構造であると、上部に崩壊しにくい硬い層を形成することができるため、振動等による崩壊を抑制でき、反応性の安定化に寄与できる。また、水素発生剤の立設部の底面の容器側に未反応部分が残留しにくくなり、より効率的に水素を発生させることができる。さらに、過剰な蒸気による先行反応を抑止でき、反応性の安定化に寄与できる。
本発明における水素化金属が水素化カルシウムであることが好ましい。このように水素化カルシウムであると、水等との反応性が高くなり、水素化カルシウムの含有量が低くても、反応性が高く実用的な量の水素を発生できる。また、水素化カルシウムは水等と反応した後、水酸化カルシウムが生じるが、その際体積膨張が生じるため、樹脂母材を崩壊させる作用が大きく、しかも吸水性を有するため、本発明の作用効果を実現する上で有利となる。
上記において、水素化金属の含有量が10〜80重量%であることが好ましい。このような範囲であると、実用的な量の水素を発生しつつ、反応の進行を安定させることができる。
上記において、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂であることが好ましい。このような樹脂を使用すると、粒状の水素化金属を分散させつつ、適度な硬度を有することができるため、水素発生反応を進行させるにあたり、より好適な構造となる。
上記において、親水性高分子がポリオキシアルキレングリコールであることが好ましい。これにより、より確実に成型時の形状維持特性を向上できるとともに、目的の反応速度に合わせた設計がより自由にできる。
上記において、親水性高分子の含有量が2〜25重量%であることが好ましい。このような範囲であると、適度に反応が進行しつつ、成型時の形状維持特性や設計のし易さがより最適化できる。
一方、本発明の水素発生装置の製造方法は、反応液と反応して水素を発生する水素発生剤と、前記水素発生剤を収容する容器と、を備えた水素発生装置を製造する方法であって、反応液を反応部位に供給するための供給部を有する前記容器を準備する工程と、未硬化の熱硬化性樹脂、親水性高分子及び粒状の水素化金属を含有する混合物を前記容器の壁面に沿って空間を隔てて立設する工程と、前記混合物を加熱して硬化することで立設部を形成する工程と、を含むことを特徴とする。本発明の水素発生装置の製造方法によると、反応液の利用効率を改善でき、しかも反応性や応答性を向上できる水素発生装置をより簡便な方法で製造できる。
他方、本発明の水素発生方法は、前記供給部から反応液を反応部位に供給して、前記反応部位を前記供給部側へと上昇させながら水素を発生させる工程を含むことを特徴とする。本発明の水素発生方法によると、反応部位が供給部側へと移動しながら、未反応の水素発生剤と反応できる。その結果、従来のような導水距離の増大による反応性や応答性の鈍化を抑制でき、高い反応性や応答性を実現できる。
また、前記供給部から反応液を反応部位に供給した際に生じる水蒸気を利用して水素を発生させる工程を含むことが好ましい。これにより反応液だけなく、水素発生の反応により生じた蒸気を利用することで、少量の反応液のみで水素を発生させることができるため、反応液の利用効率を大幅に向上できる。また、反応が進行した場合でも、常に反応部位よりも上側に未反応の水素発生剤が存在するため、高効率での反応を持続することが可能となる。
本発明の水素発生装置における水素発生のメカニズムを示す模式図である。 本発明の水素発生装置の本実施形態を示す図であり、(a)は縦断面図,(b)は(a)の横断面図である。 本発明における水素発生剤が粒状である場合の本実施形態を示す図であり、(a)は縦断面図,(b)は(a)の横断面図である。 本発明における水素発生剤が2層構造である場合の本実施形態を示す図であり、(a)は縦断面図,(b)は水素発生のメカニズムを示す模式図である。 本発明の水素発生装置の他の実施形態を示す図であり、(a)は縦断面図,(b)は(a)の横断面図である。 (a)〜(d)は、本発明の水素発生装置の他の実施形態を示す横断面図である。 本発明の水素発生装置の本実施形態等(実施例1及び比較例1)における水素発生速度(流量)等を示すグラフである。 本発明の水素発生装置の本実施形態等(実施例1及び比較例1)における水利用効率を示すグラフである。 本発明の水素発生装置の他の実施形態等(実施例2及び実施例3)における水素発生速度(流量)等を示すグラフである。 本発明の水素発生装置の他の実施形態等(実施例2及び実施例3)における水利用効率を示すグラフである。 本発明の水素発生装置の他の実施形態等(参考実験例1及び2)における水素発生速度(流量)を示すグラフである。 本発明の水素発生装置の他の実施形態等(参考実験例1及び2)における水利用効率を示すグラフである。 従来の水素発生装置における水素発生のメカニズムを示す模式図である。
本発明の水素発生装置の実施形態には、水素発生剤が有底筒状である本実施形態と、その形態が異なる他の実施形態が存在する。以下、各実施形態に分けて説明する。なお、図の一部又は全部において、説明に不要な部分は省略し、また説明を容易にするために拡大または縮小等して図示した部分がある。上下等の位置関係を示す用語は、単に説明を容易にするために用いられており、本発明の構成を限定する意図は一切ない。
<水素発生装置の本実施形態>
図2は、本発明の水素発生装置において、好ましい実施形態の一例である本実施形態を示す図であり、(a)は縦断面図,(b)は(a)の横断面図である。本発明の水素発生装置は、図2(a)及び(b)に示すように、反応液11と反応して水素を発生する水素発生剤14と前記水素発生剤14を収容する容器15とを備える。前記水素発生剤14は、前記容器15の壁面に沿って空間13を隔てて立設された立設部14aと底面部14bを有し、容器15は、反応液11を反応部位17に供給するための供給部12を有する。本実施形態においては、水素発生剤14は有底円筒状である。このような形状であると、反応液11を底面部14bに直接滴下できるため、より迅速に効率的に水素発生の反応を制御できるとともに、反応液の利用効率を改善でき、しかも水素発生の反応性や応答性を向上できる。
上記において、横断面図における水素発生剤の占有割合(横断面図における水素発生剤の占有面積/横断面図における容器の占有面積×100)は、10%〜75%が好ましく、15%〜60%がより好ましく、15%〜45%が更に好ましい。このような範囲にあると、空間を副生成物等(反応済みの水素発生剤)により埋没させることができるため、反応部位が供給部側へと移動(上昇)しながら、常に水素発生剤の未反応部分が供給された反応液と反応部位を介して反応することができる。
水素発生剤が円筒状である場合において、水素発生剤14の外径Dbに対する水素発生剤14の内径Daの割合(Da/Db)は、Da/Db=0.05〜0.8であることが好ましく、Da/Db=0.10〜0.7であることがより好ましく、Da/Db=0.15〜0.45であることが更に好ましい。このような範囲にあると、空間を副生成物等(反応済みの水素発生剤)により埋没させることができるため、反応部位が供給部側へと移動(上昇)しながら、常に水素発生剤の未反応部分が供給された反応液と反応部位を介して反応することができる。
本発明における水素発生剤14は、図3(a)及び(b)に示すように、さらに空隙21を有することが好ましい。空隙21を有する水素発生剤14の形状としては、図3に示すように、粒状の造粒物が相互に結着している形状を有することが好ましい。これにより、水素発生剤14の体積当たりの表面積が増大するため、蒸気等との反応性を向上できる。さらに、反応の進行とともに空間13が反応済みの水素発生剤等により埋没されていき、水素発生剤14の未反応部分が少なくなった終盤であっても、空隙21に蒸気を通過させることで、最後まで効率良く反応させることができる。
前記空隙21を有するためには、水素発生剤14の製造方法をコントロールして気泡を有するよう制御することも可能だが、水素発生剤14を顆粒状、ペレット状、棒状又は球状の造粒物が相互に結着している形状とすることで、空隙21を有するよう制御することもできる。また、シート状や、シート状水素発生剤を交互に折り曲げているプリーツ状の水素発生剤とすることで、空隙を有するよう制御することもできる。
水素発生剤14の全体積に対する空隙の割合(空隙率(%)=(理論体積密度−実体積密度)/理論体積密度×100)は、蒸気等との反応性の観点から、0〜80%が好ましく、50〜70%がより好ましい。
本発明における水素発生剤14は、図4に示すように、上部14cと下部14dの2層構造を有し、前記上部14cに含有される前記水素化金属の含有量xが、前記下部14dに含有される前記水素化金属の含有量yよりも低いことが好ましい。このような2層構造であると、上部14cに崩壊しにくい硬い層を形成することができるため、振動等による崩壊を抑制でき、反応性の安定化に寄与できる。また、過剰な蒸気による先行反応を抑止でき、反応終盤においても安定して高い反応性を持続できる。さらに、一般的に1層構造であれば、水素発生反応が進むに従って、未反応部20が、未反応部分として残留しやすいが、図4(b)の通り、2層構造にすることで未反応部20が残留しにくくなり、より効率的に水素を発生させることができる。
前記において、上部14cの高さHaと下部14dの高さHbの比率は、振動等による崩壊を抑制する観点から、Ha:Hb=1:1〜1:10が好ましく、Ha:Hb=1:2〜1:8がより好ましい。
容器は、反応液と反応して水素を発生する水素発生剤を収容するものである。容器は、反応液を反応部位に供給するための供給部を備える。容器としては、密閉容器が用いられるが、水素発生剤を収容する際に密閉可能なものが好ましい。なお、反応容器としては、水素発生剤の反応でアルカリが生じる場合があるため、耐アルカリ性を有する材料を用いることが好ましい。
容器の容積は、反応時の水素発生剤の膨張を考慮しつつ、初期の空気の量を減らす観点から、水素発生剤の体積の1.2〜3倍が好ましく、1.5〜2倍がより好ましい。
本発明の水素発生装置における反応液の滴下方法は、反応液の滴下量を制限できるものであれば特に制限はないものの、ポンプ等の送液機器を用いて滴下量を制御する方法、容器内の圧力差により滴下量を調整する方法、重量を利用し水頭高さを調整し制御する方法などがあげられる。滴下量を精密に制御する観点から、ポンプ等の送液機器を用いて滴下量を制御する方法を用いることが好ましい。
また、吸水性シート、スポンジ等を用いて、反応液を供給することも可能である。吸水性シート等は、吸水性を有するシート状物等であり、例えば、親水性の材料を用いて多孔質状にシート化したものや、柱状の親水性スポンジ等の多孔質体のものが挙げられる。具体的には、例えば吸水性不織布、吸水性織布、吸水紙、濾紙などの導水体を使用することが好ましい。更に、これらの併用や、吸水性樹脂との併用も可能である。なお、吸水性シートは、長尺物をロールにしたものであってもよい。
本発明では、発生した水素を排出するための水素排出流路を備えていても良く、供給部とは別に容器に水素排出流路が接続されていても良い。また、本発明では、水素排出流路等に安全弁を設けてもよい。その場合の安全弁は、一定以上の圧力でガスを開放するものであれば何れのものも使用可能である。小型化及び軽量化を図る観点から、安全弁としては、アンブレラ型、ダックビル型、金属製のボールバルブ型などの弁を用いることが好ましい。なお、安全弁の設定圧力は、系の耐圧性に応じて決定されるが、例えば30〜500kPa程度に設定される。
<水素発生剤>
本発明における水素発生剤は、熱硬化性樹脂及び粒状の水素化金属を含有する。水素化金属としては、水素化カルシウム、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化アルミニウムナトリウム、水素化マグネシウム、水素化バリウム、水素化ベリリウム、又は水素化ストロンチウムなどが使用できるが、水等との反応性を向上する観点から、水素化金属が水素化カルシウムであることが好ましい。なお、水素化金属以外にも、水素発生物質として、アルミニウム、鉄、マグネシウム、又はカルシウム等の金属、水素化ホウ素ナトリウム等の金属水素錯化合物などを含有してもよい。
水素発生剤としては、樹脂の母材中に、粒状の水素化カルシウム(CaH)を含有するものが特に好ましい。粒状の水素化カルシウムが樹脂のマトリックス中に分散又は埋設された状態となり、これにより、水素化カルシウムの反応性が抑制され、水との反応の際の取り扱い性が改善される。また、水等と反応した際に生成する反応物(水酸化カルシウム)により体積膨張が生じるため、樹脂母材を崩壊させる作用が大きくなり、水等との反応が自然に内部まで進行し易くなる。しかも、水酸化カルシウムは吸水性を有するため、反応の進行とともに立設部に挟まれた空間を埋没していく上で有利となる。
前記水素化金属の含有量は、水素発生剤中40〜90重量%が好ましいが、高い反応性で実用的な量の水素ガスを発生しつつ、反応の際に樹脂母材を崩壊させる観点から、水素発生剤中、50〜85重量%であることがより好ましく、60〜75重量%が更に好ましい。なお、前述のように水素発生剤が上部と下部との2層構造を有する場合であっても、上部と下部ともに、前記範囲内の水素化金属の含有量を有することが好ましい。
前述のように水素発生剤が上部と下部との2層構造を有する場合、下部14dに含有される前記水素化金属の含有量yに対する上部14cに含有される前記水素化金属の含有量xの比率(x/y)は、より効率的に水素を発生させる観点から、x/y=0.3〜0.99が好ましく、x/y=0.5〜0.95がより好ましく、x/y=0.6〜0.9がさらに好ましい。
前記水素化金属の平均粒径は、樹脂母材中への分散性や反応を適度に促進する観点から、1〜100μmが好ましく、6〜30μmがより好ましく、8〜10μmが更に好ましい。
水素化金属以外の水素発生物質の含有量は、水素発生剤中、0〜20重量%が好ましく、0〜10重量%がより好ましく、0〜5重量%が更に好ましい。水素化金属以外の水素発生物質の平均粒径は、水素化金属と同様であることが好ましい。
母材となる樹脂としては、反応の際に樹脂母材がより容易に崩壊しやすい観点から、熱硬化性樹脂が使用され、熱可塑性樹脂、耐熱性樹脂などをさらに含有していても良い。前記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、または熱硬化性ポリイミド樹脂等が挙げられ、水素発生中に樹脂母材が適度な崩壊性を有する観点から、エポキシ樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂を硬化させる際には、必要に応じて硬化剤や硬化促進剤などが適宜併用される。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル、又はポリアミドなどが挙げられる。また、耐熱性樹脂としては、芳香族系のポリイミド、ポリアミド、又はポリエステルなどが挙げられる。
前記熱硬化性樹脂の含有量は、好ましくは40重量%未満であるが、保形性を維持しつつ反応の際に樹脂母材を崩壊させる観点から、水素発生剤中、5〜35重量%が好ましく、10〜30重量%がより好ましい。
本発明における水素発生剤は、さらに親水性高分子を含有することが好ましい。これにより、水素発生剤を硬化する際、設計した形状をそのまま維持することができ、成型時の形状維持特性を向上できる。また、親水性高分子を含有することにより、比較的自由に熱硬化性樹脂と水素化金属との配合比率を変更することができるようになり、目的の反応速度に合わせた配合比率が容易に選択できる。
本発明における親水性高分子とは、一般に水に溶解、膨潤、又はぬれやすい高分子化合物のことである。前記親水性高分子には、分子構造中に、カルボキシル基、スルホン基、又はアミノ基等の解離基や、水酸基、アミド基、エーテル基、又はポリオキシエチレン基等の非イオン性の親水基を持つ高分子が含まれる。前記親水性高分子としては、特に限定されず、合成高分子であっても天然由来高分子であっても良い。前記親水性高分子は、前記の適度な親水性官能基を有し、必要に応じて架橋鎖を有するものであっても良い。疎水基を導入したり、架橋したりするという公知の方法によって、親水性を調節することができる。
前記合成高分子としては、特に限定されず、水溶性樹脂、上記親水基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アミン系樹脂、又は変性ポリビニルアルコール系樹脂等を挙げることができる。
前記天然由来高分子としては、キチン、キトサン、アラビアゴム、アルギン酸、カラギーナン、寒天、キタンサンガム、ジェランガム、セルロース、キシロース、デンプン、プルラン、又はペクチン等の多糖類や、ケラチン、コラーゲン、又は絹等のタンパク質等を挙げることができる。また、必要に応じてこれらの天然由来高分子に対して加水分解又は架橋反応等を行うことによって、親水化、ポリエチレングリコール化、疎水化、又は3次元化等した半合成高分子も含まれる。
前記親水性高分子には、水溶性高分子も含まれる。本発明では、反応速度を自由設計できる観点、また、成型時の形状維持性能向上の観点から、水溶性高分子を含有させることが好ましい。
前記水溶性高分子とは、水に可溶な合成高分子及び天然高分子からなる高分子化合物のことである。前記合成高分子としては、レゾール樹脂、尿素樹脂、又はメラミン樹脂などの初期縮合物、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、又はポリビニルピロリドン等の非イオン性高分子や、アクリル酸やメタクリル酸とそのエステルとの単独又は共重合体が含まれる。前記天然高分子としては、デンプン、デキストリン、カラギーナン、グアーガム、又はキサンタンガム等が挙げられる。また、必要に応じてこれらの天然由来高分子に対して加水分解又は架橋反応等を行うことによって、ポリエチレングリコール化等した半合成高分子も含まれる。
本発明では、適度な親水性と実用的な量の水素発生量を確保する観点から、ポリオキシアルキレングリコールが好ましく、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール及びその共重合体(例えば、ポリエチレングリコール―ポリプロピレングリコール共重合体)がより好ましい。なお、ポリプロピレングリコールのように水溶性が低いものであっても使用可能である。
前記親水性高分子は、2種類以上の単量体を構成単位とした共重合体であっても良い。繰り返し単位が交互に配列している交互共重合体、同種の繰り返し単位が長く連続しているブロック共重合体、1種類の繰り返し単位から成る幹の所々に他種の繰り返し単位から成る枝が結合しているグラフト共重合体、又は繰り返し単位が不規則であるランダム共重合体等があるが、本発明では、ランダム共重合体が好適に使用される。
前記親水性高分子の含有量は、成型時の形状維持特性を向上する観点から、2〜30重量%が好ましく、2〜25重量%がより好ましく、3〜20重量%がさらに好ましい。
前記ポリオキシアルキレングリコールは、樹脂マトリックス中への分散性や水素発生の反応を適度に促進する観点から、ポリオキシアルキレングリコールの分子量は2万以上650万以下が好ましく、10万以上500万以下がより好ましい。
前記親水性高分子の融点(Tm)は、熱硬化性樹脂を熱硬化させる際に流動性を示すようになる温度であれば特に限定されないものの、熱硬化時の温度よりも低い温度であることが好ましく、40℃〜120℃がより好ましく、50℃〜80℃がさらに好ましい。これにより、熱硬化時に親水性高分子が融解して、流動性(粘度)を上昇することができるため、水素発生剤の設計した形状を維持できる。
本発明における水素発生剤には、上記の成分以外の任意成分として、触媒、充填材などのその他の成分を含有してもよい。触媒としては、水素発生剤用の金属触媒の他、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ化合物も有効である。
充填材としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック等の着色剤、フェライト等の金属粉末、ガラス繊維、金属繊維等の無機繊維、炭素繊維、アラミド繊維等の有機繊維、窒化アルミ、窒化ホウ素、水酸化アルミニウム、アルミナ、酸化マグネシウム、カーボンナノチューブ、膨張黒鉛等の伝熱性付与剤、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ガラスフレーク、グラスファイバー、アスベスト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、チタン酸カリウムウィスカー、酸化亜鉛ウィスカー等の無機ウィスカー、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、カオリン、ケイソウ土、モンモリロナイト、グラファイト、軽石、エボ粉、コットンフロック、コルク粉、硫酸バリウム、フッ素樹脂等の充填材が挙げられる。増粘性向上の観点からはグラスファイバー、ガラスビーズ、タルク、シリカが好ましい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<水素発生装置の製造方法>
本発明の水素発生装置は、本発明の製造方法、即ち、反応液を反応部位に供給するための供給部を有する前記容器を準備する工程と、未硬化の熱硬化性樹脂、親水性高分子及び粒状の水素化金属を含有する混合物を前記容器の壁面に沿って空間を隔てて立設する工程と、前記混合物を加熱して硬化することで立設部を形成する工程と、を含む製法により製造される。混合物には、前述した他の成分や硬化剤などの成分を含有させることができる。
混合物を立設する工程においては、特に、親水性高分子を含有する混合物を用いることが成型時の形状維持特性の向上及び反応速度の設計の観点から重要である。
混合物を立設する工程において、未硬化の熱硬化性樹脂、親水性高分子及び粒状の水素化金属を含有する混合物を前記容器の底面部に敷き詰めてから、前記混合物を前記容器の壁面に沿って空間を隔てて立設させることが好ましい。上記底面部を形成する場合は、水素発生剤が有底筒状の形状となる。これにより、より迅速に水素発生反応を制御できるため、本発明の作用効果を実現する上で有利である。なお、底面部を形成した後に、立設部を形成することが好ましいが、立設部を形成した後に、底面部を形成することも可能である。
本発明では、さらに、未硬化の熱硬化性樹脂、親水性高分子及び粒状の水素化金属を含有する混合物を造粒する工程を含むことが好ましい。これにより、体積当たりの表面積を拡大して反応効率を上げることができる。なお、造粒工程は、混合物を立設する工程前に実施されることが好ましい。造粒方法は特に制限されず、例えば、転動造粒法、攪拌造粒法、流動層造粒法、圧縮成型法、成膜処理法、磁気特性処理法、表面改質法、焼結成型法、振動成型法、圧力スイング法、真空成型法等のいずれであっても良い。造粒に際しては、公知又は市販の造粒装置を用いて実施することができる。造粒物は、4〜10φ程度の範囲内でその粒径や形状を調節することができる。
硬化した立設部を形成する工程においては、既に硬化した立設部を容器内に設置することで立設部を形成することも可能だが、製造効率の観点から、未硬化の立設部を容器内に形成した後に容器ごと硬化することが好ましい。また、上記のように水素発生剤が有底筒状であるような場合には、底面部と立設部を容器内に設置した後に容器ごと硬化することが好ましい。
混合物を加熱して硬化する際の硬化温度としては、40℃〜150℃が好ましく、60℃〜120℃がより好ましく、80℃〜100℃が更に好ましい。このような範囲であると、親水性高分子の融解により粘性を調製できるため、成型時の形状維持性能が向上できる。
本発明の水素発生方法は、以上のような水素発生装置内で、水素発生剤と反応液とを接触させて水素を発生させるものである。本発明の水素発生方法は、前記供給部から反応液を反応部位に供給して、前記反応部位を前記供給部側へと上昇させながら水素を発生させる工程を含むことを特徴とする。本発明の水素発生方法によると、反応部位が供給部側へと移動しながら、未反応の水素発生剤と反応できる。その結果、従来のような導水距離の増大による反応性や応答性の鈍化を抑制でき、高い反応性や応答性を実現できる。
また、前記供給部から反応液を反応部位に供給した際に生じる水蒸気を利用して水素を発生させる工程を含むことが好ましい。これにより反応液だけなく、水素発生時の反応により生じた蒸気を利用することで、少量の反応液のみで水素を発生させることができるため、反応液の利用効率を大幅に向上できる。また、反応が進行した場合でも、常に反応部位よりも上側に未反応の水素発生剤が存在するため、高効率での反応を持続することが可能となる。
水素発生に用いる反応液としては、水、酸水溶液、アルカリ水溶液などが挙げられる。供給する反応液の温度は、室温でもよいが、30〜80℃に加熱することも可能である。
水素発生に用いる反応液は、水素発生剤に対して、直接吐出してもよいが、吸水性の材料を介して、水素発生剤に反応液を供給してもよい。吸水体としては、濾紙、吸水性シート、フェルト、脱脂綿、又は吸水性樹脂などが挙げられる。
反応液の滴下は、発生させる水素ガスの量に応じて滴下量を調整することも可能であるが、反応速度が制御されているため、適度な発生速度で水素発生が可能である。従って、本発明の水素発生方法では、過剰な反応液を滴下しなくても、適度な発生速度で水素発生が可能である。また、反応液中への浸漬量を変えることで、水素発生速度を調整することも可能である。その他、水素発生剤の表面の一部を、反応液の非透過性材料で覆うことにより、水素発生速度を調整することも可能である。
本発明の水素発生装置は、水素発生装置を小型化、簡易化できるため、特に燃料電池の水素供給装置に使用する場合に有効である。
<水素発生装置の他の実施形態>
本発明の他の実施形態は、本実施形態と比較して、水素発生剤の形状のみが異なるものとする。他の実施形態1は、本発明における水素発生剤14が、図5(a)及び(b)に示すように、筒状の立設部14aを有するものである。このような形状であると、ハンドリング性が高く、反応液11を供給しやすく、より効率的に水素発生の反応を制御できるため、本発明の作用効果を実現する上で有利となる。
他の実施形態2は、本発明における水素発生剤14が、図6に示すように、(a)の横断面図では、空間13を囲むようにコの字状に立設部14aが形成されている。(b)の横断面図では、空間13を挟み込むように板状の立設部14aが形成されている。(c)の横断面図では、容器15内部に円柱状の立設部14aを複数立設することで、空間13を埋めている。(d)の横断面図では、空間13を挟み込むように複数のシート状の立設部14aが形成されている。なお、各水素発生剤の形状は、反応の進行に伴って空間が埋没して反応部位が上昇できる構造であれば、特段制限されず、前記(a)〜(d)以外の形状を有することも可能である。また、各水素発生剤は、立設部14a以外にも、底面部を有することができる。
以下、本発明に関し実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
<容器の準備>
2Lのポリプロピレン製密閉容器(サンプラテック社製、SAN2047、胴径116mm)を準備した。なお、前記容器の蓋部には、反応液を供給するための供給部と、発生した水素を排出するための水素排出流路とを作製した。
<混合物の調製>
未硬化のビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER828)165g、ジシアンジアミド系硬化剤(三菱化学社製、DICY7)19.8g、及び変性脂肪族(3級アミン)硬化促進剤(三菱化学社製、jER3010、トリスジメチルアミノメチルフェノール)1.65gを添加し、遠心撹拌機(写真化学社製、SK−1100)にて、回転数2000rpmで3分間混合した。更に、CaH(日本重化学工業製)490g及びポリエチレングリコール(和光純薬社製、分子量500万、融点Tm65℃)23.3g、グラスファイバー(日東紡社製、3mm)7gを添加して、遠心撹拌機にて、回転数2000rpmで3分間混合し、混合物を調製した。
<造粒物の調製>
得られた混合物を造粒機(貝印社製、DK0580、口径4φ)に投入して、押し出すことで粒状の造粒物を得た。
<水素発生装置の作製>
まず、前記造粒物50gを計り取り、準備した容器の底面部に敷き詰めるように入れて、厚みが5mm程度の円柱状となるように、水素発生剤の底面部を作製した。次に、底面に水素発生剤を敷き詰めた状態の容器に、直径70mm、高さ210mmの円柱状の棒(ナイロン製)を、容器の口から入れて容器の中心部に垂直に立たせるようにして固定させた。その後、棒以外の部分に前記造粒物590gを敷き詰めるように入れて、円筒状の立設部を作製した。続いて、前記状態のままで容器ごと乾燥機(100℃設定)に入れて、約1.5時間加熱し、硬化させ、図3のような有底円筒状の水素発生剤(高さ160〜170mm程度、外径116mm、内径70mm)を有する水素発生装置を作製した。
なお、得られた水素発生装置中の水素発生剤の各含有量の割合(重量比)は、エポキシ樹脂:ポリエチレングリコール:CaH=27:3:70であった。また、得られた水素発生装置中の水素発生剤の空隙率は約60%であった。
実施例2
実施例1と同じ条件で水素発生装置を作製した。
実施例3
実施例2において、水素発生剤を上部と下部の2層構造とし(図4参照)、それぞれの水素発生剤を以下の通り作製したこと以外は、実施例2と同じ条件で水素発生装置を作製した。
具体的には、未硬化のビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER828)110g、ジシアンジアミド系硬化剤(三菱化学社製、DICY7)13.2g、及び変性脂肪族(3級アミン)硬化促進剤(三菱化学社製、jER3010、トリスジメチルアミノメチルフェノール)1.10gを添加し、遠心撹拌機(写真化学社製、SK−1100)にて、回転数2000rpmで3分間混合した。更に、CaH(日本重化学工業製)380g及びポリエチレングリコール(和光純薬社製、分子量500万、融点Tm65℃)15.6g、グラスファイバー(日東紡社製、3mm)4.68gを添加して、遠心撹拌機にて、回転数2000rpmで3分間混合し、下部用の混合物1を調製した(各含有量の割合(重量比)は、エポキシ樹脂:ポリエチレングリコール:CaH=24:3:73)。
同様の手順において、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER828)55.0g、ジシアンジアミド系硬化剤(三菱化学社製、DICY7)6.61g、及び変性脂肪族(3級アミン)硬化促進剤(三菱化学社製、jER3010、トリスジメチルアミノメチルフェノール)0.55gを添加し、遠心撹拌機(写真化学社製、SK−1100)にて、回転数2000rpmで3分間混合後、更に、CaH(日本重化学工業製)130g及びポリエチレングリコール(和光純薬社製、分子量500万、融点Tm65℃)7.78g、グラスファイバー(日東紡社製、3mm)2.33gを添加して、遠心撹拌機にて、回転数2000rpmで上部用の混合物2を調製した(各含有量の割合(重量比)は、エポキシ樹脂:ポリエチレングリコール:CaH=31:4:65)。
なお、混合物1(底面部と下部立設部との形成用)は480g、混合物2(上部立設部の形成用)は160g(合計で640g)を使用した。
比較例1
実施例1において、造粒物640gを用いて、筒状の立設部を形成せずに、厚み110mm、直径113mmの円柱状の水素発生剤としたこと以外は、実施例1と同じ条件で水素発生装置を作製した。
参考実験例1
実施例1において、造粒物60gを用いて、水素発生剤の底面部を形成した後に、スペーサー(ステンレス鋼線、60φ高さ40mm)を設置し、スペーサー上に造粒物50gを用いて筒状の立設部を形成したこと以外は、実施例1と同じ条件で水素発生装置を作製した。
参考実験例2
参考実験例1において、造粒物60gを用いて、筒状の立設部を形成せずに、厚み30mm、直径72mmの円柱状の水素発生剤としたこと以外は、参考実験例1と同じ条件で水素発生装置を作製した。
実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。
(1)反応性
前記のようにして得た各水素発生装置に、供給部から10ml/hr(実施例1、参考実験例1〜2、比較例1)若しくは5ml/hr(実施例2〜3)の一定の速度で水(20℃)を供給して、膜式流量計(流量計:SF−2U、体積管:VP−2U)で水素発生の 流量(mL/min)を測定した。その結果を図7,9及び11に示す。この結果に基づいて、反応性を○、×で評価した。
○:反応開始後、少なくとも反応率70%程度まで水素発生速度(流量)が高いまま維持できる。
×:反応開始後、早い時期に水素発生速度(流量)が減少する。
(2)水利用効率
水利用効率は下記の式より算出した。経過時間ごとに計算した結果を図8,10及び12に示し、トータルの水利用効率を表1に示す。
水利用効率(%)=(利用された水量/供給された水量)×100
なお、利用された水量は、発生水素量から水と発生水素が同じモル数になることを利用して算出している。
(3)初期の応答性
初期の応答性については、下記のように評価した。
○:反応開始後、水素発生速度(流量)が安定するまで60分以内である。
×:反応開始後、水素発生速度(流量)が安定するまで60分より長い時間がかかる。
(4)停止時の応答性
停止時の応答性については、下記のように評価した。
○:水の供給を停止した後、水素発生流量を20%以下にするのに60分以内に可能である。
×:水の供給を停止した後、水素発生流量を20%以下にするのに60分より長い時間がかかる。
以上の結果を表1に示す。
Figure 2017024958
(結果及び考察)
図7〜8が示すように、実施例1では大幅な水利用効率の改善に成功した。これは、比較例1と比較すると、倍近い効率であることが分かった。反応性については、実施例1では、反応開始後反応率が80%に達するまで、高い反応性を維持することができた。これは、比較例1での反応開始後反応率が20%に達した段階で、反応性が大幅に低下していることと比較すると、大幅に反応性が改善されている。
図9〜10が示すように、2層構造である実施例3では、反応率が90%まで反応性を維持できることが分かった。単層構造である実施例2でも、反応率が65%まで反応性を維持できるが、これと比較すると、さらに反応性が向上できることが分かった。これは、水素発生剤の立設部の底面の容器側(図4の未反応部20)に未反応部分が残留しにくくなり、より効率的に水素を発生させることができるからであると考えられる。
図11〜12は、蒸気利用のモデル実験である。参考実験例1のようにスペーサーを介することで、円筒状の立設部に対して、水蒸気が水素発生にどの程度影響しているのかを確認した。結果として、円筒状の立設部がある場合には、無い場合の倍程度の反応性の向上を確認できた。従って、円筒状の立設部を形成することで、水蒸気利用効率の向上が可能となる。これにより、反応により生じた水蒸気を有効活用でき、この水蒸気により水素発生反応が効率良く行えることが分かった。
以上より、表1の結果が示すように実施例1〜3では、水素発生装置の水素発生の反応性及び応答性が良好であるとともに、水素発生反応における水利用効率もまた良好であった。これに対して、比較例1では、水素発生装置の水素発生の反応性及び応答性において良い結果が得られなかっただけでなく、水素発生反応における水利用効率においても良い結果を得られなかった。
11 反応液
12 供給部
13 空間
14 水素発生剤
14a 立設部
14b 底面部
14c 上部
14d 下部
15 容器
16 水素排出流路
17 反応部位
18 副生成物等
19 供給された反応液
20 未反応部
21 空隙

Claims (15)

  1. 反応液と反応して水素を発生する水素発生剤と、前記水素発生剤を収容する容器と、を備えた水素発生装置であって、
    前記容器は、反応液を反応部位に供給するための供給部を有し、
    前記水素発生剤は、熱硬化性樹脂及び粒状の水素化金属を含有し、前記容器の壁面に沿って空間を隔てて立設された立設部を有する水素発生装置。
  2. 前記水素発生剤は、筒状の立設部を有するものである請求項1に記載の水素発生装置。
  3. 前記水素発生剤は、有底筒状である請求項2に記載の水素発生装置。
  4. 前記水素発生剤は、空隙を有する請求項1〜3いずれか1項に記載の水素発生装置。
  5. 前記水素発生剤は、粒状、顆粒状、ペレット状、棒状又は球状の造粒物が相互に結着している請求項1〜4いずれか1項に記載の水素発生装置。
  6. 前記水素発生剤は、さらに親水性高分子を含有する請求項1〜5いずれか1項に記載の水素発生装置。
  7. 前記水素発生剤は、上部と下部の2層構造を有し、前記上部に含有される前記水素化金属の含有量が、前記下部に含有される前記水素化金属の含有量よりも低い請求項1〜6いずれか1項に記載の水素発生装置。
  8. 前記水素化金属が水素化カルシウムである請求項1〜7いずれか1項に記載の水素発生装置。
  9. 前記水素化金属の含有量が10〜80重量%である請求項1〜8いずれか1項に記載の水素発生装置。
  10. 前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である請求項1〜9いずれか1項に記載の水素発生装置。
  11. 前記親水性高分子がポリオキシアルキレングリコールである請求項6〜10いずれか1項に記載の水素発生装置。
  12. 前記親水性高分子の含有量が2〜25重量%である請求項6〜11いずれか1項に記載の水素発生装置。
  13. 反応液と反応して水素を発生する水素発生剤と、前記水素発生剤を収容する容器と、を備えた水素発生装置を製造する方法であって、
    反応液を反応部位に供給するための供給部を有する前記容器を準備する工程と、
    未硬化の熱硬化性樹脂、親水性高分子及び粒状の水素化金属を含有する混合物を前記容器の壁面に沿って空間を隔てて立設する工程と、
    前記混合物を加熱して硬化することで立設部を形成する工程と、を含む水素発生装置の製造方法。
  14. 請求項1〜12いずれか1項に記載の水素発生装置を用いた水素発生方法であって、
    前記供給部から反応液を反応部位に供給して、前記反応部位を前記供給部側へと上昇させながら水素を発生させる工程を含む水素発生方法。
  15. 前記供給部から反応液を反応部位に供給した際に生じる水蒸気を利用して水素を発生させる工程を含む請求項14に記載の水素発生方法。
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