JP2017024688A - スライドシート用のワイヤハーネス配索装置 - Google Patents

Abstract

【課題】スライドシートに接続するワイヤハーネスが大径化しても、余長吸収ケースの幅を増大させないようにする。【解決手段】ワイヤハーネス２の余長部分を貫通させる余長吸収ケース１０を、直線状のレール部１１と、該レール部の前端および後端に連続する前後一対のターン部を有する形状とし、スライダから余長吸収ケース内に挿入するワイヤハーネスの電線群を第１電線群２−１と第２電線群２−２とに２分割し、前記第１電線群を前側ターン部１２を通して復路直線部１２ｃの電線出入開口１２ｄよりフロア側に引き出し、前記第２電線群を後側ターン部１３を通して復路直線部１３ｃの電線出入開口１３ｄよりフロア側に引き出している。【選択図】図３

Description

本発明はスライドシート用のワイヤハーネス配索装置に関し、特に、ワイヤハーネスが大径化した場合に、該ワイヤハーネスを挿通する余長吸収ケースのケース幅の増大を抑制すると共に、スライドシートに追従するワイヤハーネスの移動がスムーズに行えるようにするものである。

自動車のシートには電動リクライニング装置やシートヒータなど種々の電装品が装備されており、これらの電装品に給電するために、車体フロア側からシートに給電用のワイヤハーネスが配索されている。該シートに装着される電装品は高級車種になるほど増加し、ワイヤハーネスを構成する電線数が増加し、ワイヤハーネス径が肥大化する。

スライドシートの場合には、ワイヤハーネスをシートの前後動作に追従させる必要があり、そのためワイヤハーネスに余長部を設けている。該ワイヤハーネスの余長部をフロア側に設置する余長吸収ケース内にターンさせて挿通し、シートの前後移動に応じて余長部を吸収して追従させている。

この種のスライドシートへのワイヤハーネスの配索装置は、本出願人の先願に係わる特開２０１４−１２１９３０号公報（特許文献１）等に記載されているように、ワイヤハーネスの電線余長部を収容する余長吸収ケースは図１２に示すようにＪ字形状としている場合が多い。

具体的には、Ｊ字形状の余長吸収ケース１００は本体１００ｘと蓋１００ｙからなり、直線状のレール部１００ａと、該レール部１００ａの前端または後端に連続させるターン部１００ｂを備え、シートレールの側方に平行に設置されている。余長吸収ケース１００はレール部１００ａの上面にスライダ１１０がスライドシートの前後移動に連動して移動できるガイド穴１２０を設けている。スライダ１１０は複数の電線を結束した１つのワイヤハーネス１５０を貫通させる筒形状とし、スライダ１１０の上端から引き出すワイヤハーネス１５０をスライドシート側へ配索してシートハーネスと接続している。前記ガイド穴１２０を通して余長吸収ケース１００内に突出するスライダ１１０の下部から引き出すワイヤハーネス１５０を余長吸収ケース１００のレール部１００ａからターン部１００ｂへと配線し、ターン部１００ｂの先端円弧部１００ｄに添わせて円弧状にターンさせ、開口１００ｃからフロア側へ引き出している。フロア側でワイヤハーネス１５０をクリップで車体パネルに係止あるいは余長吸収ケース１００の開口１００ｃの周縁から突設した固定片にワイヤハーネス１５０をテープ巻き、バンド締結、コルゲートクランプ等で固定している。

特開２０１４−１２１９３０号公報

前記のように、従来の余長吸収ケース１００には、複数本の電線を結束した１つのワイヤハーネス１５０をスライダ１１０に通し、該スライダ１１０より引き出すワイヤハーネス１５０をレール部１００ａから前部のターン部１００ｂに通してターンさせて、開口１００ｃからフロア側に引き出している。前記余長吸収ケース１００内を貫通させるワイヤハーネス１５０が電線数の増加によりワイヤハーネス径が増大すると、ターン部１００ｂ内でワイヤハーネス１５０が先端円弧部１００ｄでターンして往復するためターン部１００ｂの幅Ｓを大きくする必要がある。かつ、先端円弧部１００ｄの曲率を大きくする必要もある。さらに、大型化したワイヤハーネスは余長吸収ケース１００内でターンしにくくなり、スライドシートへのワイヤハーネスの追従作動が円滑に行えない問題がある。

本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、スライドシートへ配索する給電用ワイヤハーネスの電線本数が増加し、ワイヤハーネス径が増大しても余長吸収ケースのケース幅の増大を抑制でき、かつ、余長吸収ケース内でのワイヤハーネスの円滑な追従動作を確保できるスライドシート用のワイヤハーネス配索装置を提供することを課題としている。

前記課題を解決するため、本発明は、車両に搭載されるスライドシートに配索するワイヤハーネスを挿通する余長吸収ケースをフロア側に設置し、該余長吸収ケースに設けた上面開口のスライダ用のガイド穴に、前記ワイヤハーネスを挿通すると共に前記スライドシートに連動するスライダを摺動自在に搭載しているスライドシート用のワイヤハーネス配索装置において、
前記余長吸収ケースは直線状のレール部と、該レール部の前端および後端に連続する前後一対のターン部を有する形状とし、前側ターン部および後側ターン部はそれぞれ前記レール部に連続する往路直線部の先端に円弧部があり、該円弧部に復路直線部が連続し、該復路直線部の先端に電線出入開口を設け、
前記スライダから余長吸収ケース内に挿入する前記ワイヤハーネスの電線群を第１電線群と第２電線群とに２分割し、前記第１電線群を前側ターン部を通して前記復路直線部の電線出入開口よりフロア側に引き出し、前記第２電線群を後側ターン部を通して前記復路直線部の電線出入開口よりフロア側に引き出していることを特徴とするスライドシート用のワイヤハーネス配索装置を提供している。

スライドシートのシート下部に突設する車軸で保持した車輪を摺動自在に嵌合するシートレールの側方に前記余長吸収ケースを平行設置し、前記車軸またはシートで前記スライダから引き出したワイヤハーネスを支持し、スライドシートの移動にスライダを連動させ、該スライダ内に上方から下横向きに屈曲して通して前記余長吸収ケースに挿通するワイヤハーネスを、スライドシートの前後移動時に前記余長吸収ケース内でターンさせて移動させ、その迂回量を調節してワイヤハーネスの余長吸収を行っている。

前記のように、余長吸収ケース内に挿通する大径のワイヤハーネスを２分割し、分割した第１、第２電線群をそれぞれ細径化することで、中央の直線状のレール部の前後に設ける前側ターン部と後側ターン部の幅を細くでき、余長吸収ケースの長さは増加するが、幅を縮小できる。このように、余長吸収ケースの幅を増大させないため、スライドシートの下部の左右車輪を案内する左右のシートレールの間に余長吸収ケースを配置するスペースを確保することができる。かつ、スライドシートの前後移動に追従して、余長吸収ケース内をワイヤハーネスが移動する時に、分割した第１、第２電線群は細径化しているため、スムーズに移動させることができる。

前記余長吸収ケースでは、スライダが移動するガイド穴は上面が開口しているため、該上面の開口を通して異物が混入する恐れがある。
よって、前記スライダの前後にリンクプレートからなる遮蔽帯材を連結すると共に、前記ガイド穴の両側下面に沿ってリンクプレートの幅方向の両側を摺動可に保持するガイド溝を設け、該リンクプレートの幅方向の中央部で前記ガイド穴の上面開口を塞ぐことが好ましい。

前記スライダはリンクプレートの長さ方向の中央位置で連結し、スライダより前側に連結する前側リンクプレートは前側ターン部を移動する一方、スライダより後側に連結する後側リンクプレートは後側ターン部を移動するものとしている。

前記構成とすると、スライドシートの前後移動に連動してスライダが移動する時に、該スライダに連結したリンクプレートも連動してガイド穴の開口を下面から塞ぎながら前後移動する。これにより、リンクプレートの幅方向中央部で、前記スライダで塞がれない部分のガイド穴の開口を塞ぎ、スライダ用のガイド穴の上面開口の全長をリンクプレートとスライダとにより閉鎖でき、ガイド穴の開口を通して異物が余長吸収ケースに混入するのを防止できる。その結果、異物混入によりスライダの動作が動かなくなったり、さらに、断線の発生を確実に防止することができる。

前記リンクプレートの各リンクにワイヤハーネス用の保持クリップまたはワイヤハーネス用の締結バンドを設け、前記スライダから前記余長吸収ケース内に引き出す第１電線群、第２電線群をそれぞれ前記保持クリップまたは締結バンドで前記リンクプレートに取り付けることが好ましい。
または、前記スライダより前記余長吸収ケース内に引き出して分割する第１電線群および第２電線群を、それぞれコルゲートチューブあるいはキャタピラ型外装材で外装してもよい。

前記ワイヤハーネスはフロアハーネスの幹線から分岐した枝線で構成し、前記余長吸収ケース内で分割して通した後に前記スライダに集合して通し、該スライダからスライドシートへ引き出しても良い。
あるいは、スライドシート内に配索するシートハーネスを下方へ引き出し、前記スライダを通して前記余長吸収ケース内に引き込み、該余長吸収ケース内を分割して通した後にフロア側へ引き出し、引き出した分割ハーネスを集合して、フロアハーネスとコネクタ接続してもよい。さらに、シートハーネスおよびフロアハーネスから分離したワイヤハーネスを設け、該ワイヤハーネスの両端をシートハーネスとフロアハーネスにコネクタ接続してもよい。

前記のように、本発明では、余長吸収ケース内に挿通するワイヤハーネスを２分割し、分割した第１、第２電線群をそれぞれ細径化することで、余長吸収ケースの中央の直線状のレール部の前後に設ける前側ターン部と後側ターン部の幅を細くできる。
このように、余長吸収ケースの幅を増大させないため、スライドシートの下部の左右車輪を案内する左右のシートレールの間に余長吸収ケースを配置するスペースを確保することができる。かつ、スライドシートの前後移動に追従して、余長吸収ケース内をワイヤハーネスが移動する時に、分割した第１、第２電線群を細径化しているため、スムーズに移動させることができる。

本発明のワイヤハーネス配索装置の第１実施形態を示す斜視図である。 図１の要部断面図である。 第１実施形態で用いる余長吸収ケースにワイヤハーネスを挿通した状態を示す斜視図である。 前記余長吸収ケースの分解斜視図である。 前記余長吸収ケースに摺動自在に嵌合するスライダの断面図である。 前記余長吸収ケース内に配置するリンクプレートを示し、（Ａ）はリンクプレートを構成するリンクの平面図、（Ｂ）はリンクを連結した状態の正面図である。 前記スライダから余長吸収ケース内に引き出したワイヤハーネスにリンクプレートを取り付けた状態を示す図面である。 前記余長吸収ケースの内部を示す要部断面図である。 （Ａ）はスライドシートが最後端位置でのリンクプレートの位置を示す概略平面図、（Ｂ）はスライドシートが最前端位置でのリンクプレートの位置を示す概略平面図である。 第１実施形態の変形例を示し、（Ａ）はリンクプレートを構成するリンクの正面図、（Ｂ）はリンクプレートでワイヤハーネスを保持している状態を示す正面図である。 第２実施形態を示す断面図である。 従来例の余長吸収ケースの斜視図である。

以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図１乃至図９に本発明の第１実施形態を示す。
図１に示す自動車に搭載するスライドシート１に装着した電装品（図示せず）に給電するために、フロアパネル７０に沿って配索するフロアハーネス７５（図３に示す）から分岐したシート給電用のワイヤハーネス２を車室床材（モール）７１の下面に配置した余長吸収ケース１０を通して、スライドシート１へと配索している。該ワイヤハーネス２をスライドシート１の座部１ａの内部に配線しているシートハーネス７２と座部下面でコネクタＣ１とＣ２とで接続している。

前記余長吸収ケース１０は、図２に示すように、スライドシート１の下面から突設した車軸６ａに支持した車輪６ｂを摺動自在に嵌合するシートレール７と平行に配置して、前記モール７１の下面に設置している。

余長吸収ケース１０は図３に示すように、直線状のレール部１１と、該レール部１１の前端に連続する前側ターン部１２と、レール部１１の後端に連続する後側ターン部１３を有する形状としている。前側ターン部１２および後側ターン部１３はそれぞれレール部１１に連続する往路直線部１２ａ、１３ａの先端に円弧部１２ｂ、１３ｂがあり、該円弧部１２ｂ、１３ｂに復路直線部１２ｃ、１３ｃが連続している。該復路直線部１２ｃ、１３ｃの先端に電線出入開口１２ｄ、１３ｄを設けている。この一対の電線出入開口１２ｄ、１３ｄを前後対向配置している。

前側ターン部１２と後側ターン部１３の間で幅方向の一側に配置する中央のレール部１１には、上面開口のスライダ用のガイド穴１５を設けている。該ガイド穴１５に、ワイヤハーネス２を貫通するスライダ２０をスライドシート１の移動に応じて追従可に嵌合している。

前記余長吸収ケース１０は、図４に示すように、樹脂成形品からなる浅底の本体１８と、該本体１８の上面開口を閉鎖する蓋１９とからなる。前記ガイド穴１５は蓋１９に設け、前記電線出入開口１２ｄ、１３ｄは本体１８の底壁１８ａの周縁に突設した周壁１８ｂを開口して設けている。本体１８にワイヤハーネス２を挿通した後に、蓋１９をかぶせ、蓋１９と本体１８の周壁に設けたロック手段（図示せず）で結合している。
なお、蓋１９の上面は平坦面としているが、厚肉とすると共に多数の溝を凹設したハニカム形状として、耐足踏性を高めてもよい。

余長吸収ケース１０のガイド穴１５に摺動自在に嵌合するスライダ２０は、図５に示すように縦向き筒部２０ａの下部に横向き筒部２０ｂを屈折させて設けた逆Ｔ形状とした四角筒からなる。縦向き筒部２０ａの上部をガイド穴１５の上面開口から突出させると共に、縦向き筒部２０ａの下部をガイド穴１５に摺動自在に嵌合している。スライダ２０のワイヤハーネス挿通路となる中空部２０ｃは上面開口からシートハーネス７２に接続するワイヤハーネス２を挿通し、下部の横向き筒部２０ｂで２分割し、一方の第１電線群２−１を前端の開口２０ｄより余長吸収ケース１０内に引き出し、他方の第２電線群２−２を後端の開口２０ｅより余長吸収ケース１０内に引き出している。

余長吸収ケース１０内において、前記第１電線群２−１は前側ターン部１２内を往路直線部１２ａ、前端の円弧部１２ｂ、復路直線部１２ｃを通って電線出入開口１２ｄよりフロア側に引き出している。一方、前記第２電線群２−２は後側ターン部１３内を往路直線部１３ａ、後端の円弧部１３ｂ、復路直線部１３ｃを通って電線出入開口１３ｄよりフロア側に引き出している。電線出入開口１２ｄと１３ｄから引き出した第１電線群２−１と第２電線群２−２とをフロア側で集束し、バンドクリップ３０で締結すると共にフロア材に固定している。尚、バンドクリップにかえて、コルゲートクランプを用いて固定してもよい。この集束したワイヤハーネス２をフロアハーネス７５の幹線から分岐している。

前記のように、余長吸収ケース１０内に通すワイヤハーネス２は、その一端側を電線出入開口１２ｄ、１３ｄからフロア側へ出た位置で集束し、その他端側をスライダ２０で集束してスライドシート１側へ引き出し、余長吸収ケース１０内では２分割して前側ターン部１２、後側ターン部１３に挿通させている。このように、ワイヤハーネス２を分割するため、第１、第２電線群２−１、２−２の各電線数は半減し、第１、第２電線群の径も半減して細径化する。よって、前側ターン部１２、後側ターン部１３の幅Ｓを狭くできる。かつ、細径化させた第１電線群２−１、第２電線群２−２の曲率を小さくできると共に、円滑に移動できるようにしている。

具体的には、図９（Ａ）（Ｂ）に示すように、スライドシート１が後方移動すると、前端の円弧部１２ｂから第１電線群２−１が離れ、第２電線群２−２は後端の円弧部１３ｂに近づく。スライドシート１が前方移動すると、第１電線群２−１が前端の円弧部１２ｂに近づき、第２電線群２−２は後端の円弧部１３ｂから離れる。

また、余長吸収ケース１０の蓋１９にガイド穴１５を設けているため、ガイド穴１５に摺動自在に嵌合するスライダ２０が位置しない箇所では、ガイド穴１５の上面が開口しているため、異物混入の恐れがある。そのため、図４〜図６に示すように、スライダ２０と連動すると共に、スライダ２０から引き出す第１電線群２−１、第２電線群２−２を保持して連動するリンクプレート５０を遮蔽材として用いている。

ガイド穴１５の上面開口を下面側で塞いで遮蔽する前記リンクプレート５０は図６（Ａ）（Ｂ）に示すように、樹脂製のリンク５１を回転可に軸着して順次連結し、長さ方向の中央にスライダ２０を介設し、前側ターン部１２に挿通する第１電線群２−１に取り付ける前側部５０ａと、後側ターン部１３に挿通する第２電線群２−２に取り付ける後側部５０ｂとからなる。

リンクプレート５０を構成するリンク５１は図６（Ａ）に示すように、大略小判形状の樹脂製の基板を備え、該基板の中央部５１ａの一方側５１ｂは底面を切り欠くと共に軸受ボス５１ｄを突設し、他方側５１ｃは上面を切り欠くと共にピン５１ｅを突設している。隣接する一方のリンク５１のピン５１ｅを他方の軸受ボス５１ｄに回転自在に嵌合して回転自在に連結している。さらに、リンク５１の中央部５１ａの幅方向両側から第１電線群２−１または第２電線群２−２を保持する保持クリップ５２を下向きに突設している。

リンク５１を順次回転自在に軸着して連結しているリンクプレート５０は、図７に示すように、連結するリンク５１−Ａと５１−Ｂとの間にスライダ２０を介在させ、下部の横向き筒部２０ｂの上面の両側にリンク５１−Ａと５１−Ｂの下面を接着剤またはビスで固着している。尚、横向き筒部２０ｂの上面に突起を設け、リンク５１に設ける係止穴又は係止凹部に係止してもよい。かつ、図８に示すように、ガイド穴１５の両側部にガイド溝１４ａ、１４ｂを設け、該ガイド溝１４ａと１４ｂとにリンクプレート５０の幅方向両側を摺動自在に嵌合している。

図５に示すように、スライダ２０の横向き筒部２０ｂの前端の開口２０ｄから引き出す第１電線群２−１をリンクプレート５０の前側部５０ａのクリップ５２で挟持している。また、後端の開口２０ｅから引き出す第２電線群２−２をリンクプレート５０の後側部５０ｂのクリップ５２で挟持している。これにより、スライダ２０の移動にリンクプレート５０を連動させると共に、スライダ２０から引き出す第１電線群２−１、第２電線群２−２をリンクプレート５０と共に余長吸収ケース１０内を移動させている。
このように、リンクプレート５０でガイド穴１５の上面開口を下面側で塞いで異物混入を防止すると共に、第１、第２電線群２−１、２−２を保持クリップ５２で保持して、余長吸収ケース１０内に第１、第２電線群２−１、２−２を正確にターンさせている。

スライドシート用のワイヤハーネス配索装置を前記構成とし、余長吸収ケース１０に迂回させて挿通するワイヤハーネス２を２分割して第１電線群２−１と第２電線群２−２として細径化しているため、余長吸収ケース１０の前側ターン部１２、後側ターン部１３の幅Ｓを狭くすることができ、前後端の円弧部１２ｂ、１３ｂの曲率を小さくできる。よって、スライドシート１の左右の車輪の間に配置する余長吸収ケース１０の内部を挿通するワイヤハーネス２の電線数が増加しても、余長吸収ケース１０の幅Ｓを増大させず、省スペース化を図って、問題なく配置することができる。

さらに、余長吸収ケース１０のスライダ用のガイド穴１５の上面開口を、リンクプレート５０で遮蔽するため、ガイド穴１５の上面開口を通して異物が余長吸収ケース１０内に混入し、スライダ２０の移動を阻害するのを防止できる。しかも、該リンクプレート５０で第１、第２電線群２−１、２−２を保持して移動させるため、これら電線群をスライドシートの移動にスムーズに追従させることができる。

図１０（Ａ）（Ｂ）に第１実施形態の変形例を示す。
該変形例のリンクプレート５０は、リンク５１Ｂの中央部からワイヤハーネスに巻き付ける締結バンド６０を突設している。締結バンド６０はリンク５１Ｂの中央部の幅方向の一方から締結部６０ａを突設すると共に、幅方向の他方から係止溝６０ｍを設けたバンド本体６０ｂを突設している。
図１０（Ｂ）に示すように、締結バンド６０のバンド本体６０ｂをワイヤハーネス２の第１電線群２−１、第２電線群２−２にそれぞれ巻き付け、締結部６０ａで締結して、リンクプレート５０で保持している。尚、第１実施形態と同様のクリップを設けて第１、第２電線群を挟持してもよい。
他の構成は第１実施形態と同様であるため、説明を省略する。

図１１に第２実施形態を示す。
第２実施形態ではリンクプレート等のガイド穴１５を塞ぐ遮蔽部材は設けていない。 スライダ２０から引き出す第１電線群２−１および第２電線群２−２にそれぞれコルゲートチューブ８Ａ、８Ｂを外装して、余長吸収ケース１０内に通している。
なおコルゲートチューブに変えて、特許文献１で開示しているキャタピラ型のプロテクタで外装してもよい。

１ スライドシート
２ ワイヤハーネス
２−１ 第１電線群
２−２ 第２電線群
１０ 余長吸収ケース
１１ レール部
１２ 前側ターン部
１３ 後側ターン部
１５ ガイド穴
１８ 本体
１９ 蓋
２０ スライダ
５０ リンクプレート

Claims (3)

1. 車両に搭載されるスライドシートに配索するワイヤハーネスを挿通する余長吸収ケースをフロア側に設置し、該余長吸収ケースに設けた上面開口のスライダ用のガイド穴に、前記ワイヤハーネスを挿通すると共に前記スライドシートに連動するスライダを摺動自在に搭載しているスライドシート用のワイヤハーネス配索装置において、
   前記余長吸収ケースは直線状のレール部と、該レール部の前端および後端に連続する前後一対のターン部を有する形状とし、前側ターン部および後側ターン部はそれぞれ前記レール部に連続する往路直線部の先端に円弧部があり、該円弧部に復路直線部が連続し、該復路直線部の先端に電線出入開口を設け、
   前記スライダから余長吸収ケース内に挿入する前記ワイヤハーネスの電線群を第１電線群と第２電線群とに２分割し、前記第１電線群を前側ターン部を通して前記復路直線部の電線出入開口よりフロア側に引き出し、前記第２電線群を後側ターン部を通して前記復路直線部の電線出入開口よりフロア側に引き出していることを特徴とするスライドシート用のワイヤハーネス配索装置。
2. 前記スライダの前後にリンクプレートからなる遮蔽帯材を連結すると共に、前記ガイド穴の両側下面に沿ってリンクプレートの幅方向の両側を摺動可に保持するガイド溝を設け、該リンクプレートの幅方向の中央部で前記ガイド穴の上面開口を塞いでいる請求項１に記載のスライドシート用のワイヤハーネス配索装置。
3. 前記リンクプレートはリンクを順次回転可に軸着して連結し、前記リンクにワイヤハーネス用の保持クリップまたはワイヤハーネス用の締結バンドを設け、前記スライダから前記余長吸収ケース内に引き出す前記第１電線群および第２電線群を前記保持クリップまたは締結バンドで前記リンクプレートに取り付けている請求項２に記載のスライドシート用のワイヤハーネス配索装置。

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