JP2017024623A - 操舵制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
1.車両の転舵輪の転舵角とステアリングの回転角度である操舵角との比である舵角比を変更可能な操舵装置に操作信号を出力する操舵制御装置において、前記操舵角を取得する操舵角取得処理部と、前記転舵角を取得する転舵角取得処理部と、前記取得した転舵角が転舵角閾値に達することと、前記取得した操舵角が操舵角閾値に達することとの論理和が真となる場合に、前記操舵角が更に大きくなる側への前記ステアリングの操作の停止を促す制限制御を実行する操舵制限処理部と、を備える。
5.上記2記載の操舵制御装置において、前記操舵装置は、前記ステアリングの操作に抗する力である反力を前記ステアリングに付与する反力アクチュエータと、少なくとも前記転舵輪と前記ステアリングとの動力遮断状態において前記転舵輪を転舵させる力を付与する転舵アクチュエータと、を備え、前記操舵制限処理部は、前記転舵角および前記操舵角のうちの最大値が前記共通閾値以上となることを条件に、前記制限制御のための反力である制限用反力をゼロよりも大きい値に設定する制限用反力設定処理部と、前記設定された制限用反力に基づき、前記操舵角の目標値である目標操舵角を設定する目標操舵角設定処理部と、前記ステアリングの回転に連動して回転する回転軸の回転角度を検出する操舵側センサの出力値に基づく操舵角を前記目標操舵角にフィードバック制御するために前記反力アクチュエータを操作する操舵角制御処理部と、前記設定された制限用反力に基づき、前記転舵角の目標値である目標転舵角を設定する目標転舵角設定処理部と、前記転舵輪の転舵に連動して変位する部材の変位量を検出する転舵側センサの出力値に基づく転舵角を前記目標転舵角にフィードバック制御するために前記転舵アクチュエータを操作する転舵角制御処理部と、を備え、前記計量単位設定処理部は、前記転舵側センサの出力値および前記操舵側センサの出力値の少なくとも一方に所定の演算処理を施して前記操舵角制御処理部に入力される操舵角および前記転舵角制御処理部に入力される転舵角の少なくとも一方を生成するものであり、前記操舵角取得処理部は、前記目標操舵角を取得し、前記転舵角取得処理部は、前記目標転舵角を取得する。
以下、操舵制御装置にかかる第1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、本実施形態にかかる操舵装置においては、ステアリングホイール(ステアリング10)が、ステアリング10の操作に抗する力である反力を付与する反力アクチュエータ20に接続されている。反力アクチュエータ20は、ステアリング10に固定されたステアリングシャフト22、反力側減速機24、反力側減速機24に回転軸26aが連結された反力モータ26、および反力モータ26を駆動するインバータ28を備えている。
転舵アクチュエータ40は、第1ラックアンドピニオン機構48、第2ラックアンドピニオン機構52、転舵側モータ56およびインバータ58を備えている。
積算処理部M2は、操舵側センサ62によって検出された回転角度θs0と転舵側センサ66によって検出された回転角度θt0とを、0〜360°よりも広い角度領域の数値に変換して回転角度θs,θtとする。すなわち、たとえば、ステアリング10が車両を直進させる中立位置から右側または左側に最大限回転操作される場合、回転軸26aは、複数回転する。したがって、積算処理部M2では、たとえばステアリング10が中立位置にある状態から回転軸26aが所定方向に2回転する場合、出力値を720°とする。なお、積算処理部M2は、中立位置における出力値をゼロとする。
アシスト軸力設定処理部M20は、トルクセンサ64によって検出されたトルクTrqに基づき、アシスト軸力Faを算出する。ここで、アシスト軸力Faは、トルクTrqが大きいほど大きい値に設定される。
上記の式(c1)にて表現されるモデルは、ステアリング10と転舵輪30とが機械的に連結されたものにおいて、ステアリング10の回転に伴って回転する回転軸のトルクと回転角度との関係を定めるモデルである。上記の式(c1)において、粘性係数Cは、操舵装置の摩擦等をモデル化したものであり、慣性係数Jは、操舵装置の慣性をモデル化したものである。ここで、粘性係数Cおよび慣性係数Jは、車速Vに応じて可変設定される。
図4に、最大値選択処理部M36の処理の手順を示す。この処理は、最大値選択処理部M36によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。
ここで、本実施形態の作用を説明する。
(1)エンド角θeが共通閾値θen以上となる場合に、制限用反力Fieをゼロよりも大きい値に設定した。これにより、転舵角θpが上限値θpHを超えようとするステアリング10の操作と操舵角θhが上限値θhHを超えようとするステアリング10の操作とがなされる事態を抑制できる。
以下、操舵制御装置にかかる第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態にかかる操舵装置は、反力アクチュエータ20に代えて、可変舵角比アクチュエータ90を備える。可変舵角比アクチュエータ90は、ステアリングシャフト22に一体回転可能に連結されたハウジング92、ハウジング92の内部に収容されるVGRモータ94、インバータ100、および減速機構96を備えている。減速機構96は、差動回転可能な3つの回転要素からなる機構、例えば遊星歯車機構や波動歯車装置(ストレイン・ウェーブ・ギヤリング)等により構成される。減速機構96を構成する3つの回転要素は、ハウジング92、VGRモータ94の回転軸に連結された回転軸94a、およびピニオン軸42に連結された出力軸98にそれぞれ連結されている。すなわち、減速機構96では、ハウジング92の回転速度とVGRモータ94の回転速度とにより出力軸98の回転速度が一義的に定まる。可変舵角比アクチュエータ90では、減速機構96を通じて、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト22の回転にVGRモータ94の回転軸94aの回転を上乗せして出力軸98に伝達することにより、ステアリングシャフト22に対する出力軸98の相対的な回転角を変化させる。これにより、操舵角θhに対する転舵角θpの比である舵角比を可変設定する。なお、ここでの「上乗せ」は、加算および減算の双方を含む。また、以下では、ステアリングシャフト22に対する出力軸98の相対的な回転角を「出力軸98の動作角θa」と称する。
図6に、本実施形態にかかる制御装置60の実行する処理を示す。なお、図6において、図2に示した処理に対応するものについては、便宜上、同一の符号を付している。
一方、舵角比制御処理部M44は、動作角θaを目標動作角θa*にフィードバック制御するための操作量として舵角比トルクTrqv*を算出する。詳しくは、目標動作角θa*から動作角θaを減算した値を入力とする比例要素、積分要素、および微分要素のそれぞれの出力値の和を、舵角比トルクTrqv*とする。
ユーザがステアリング10を操作すると、ステアリング10に加えられたトルクは、出力軸98を介してラック軸46に伝達される。また、転舵側モータ56は、アシストトルクTa*に応じたトルクを生成し、このトルクもラック軸46に伝達される。
なお、上記実施形態の各事項の少なくとも1つを、以下のように変更してもよい。以下において、「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項と上記実施形態における事項との対応関係を符号等によって例示した部分があるが、これには、例示した対応関係に上記事項を限定する意図はない。なお、「課題を解決するための手段」の欄に記載した操舵角取得処理部は、ステップS10の処理を実行する制御装置60に対応する。また、転舵角取得処理部は、ステップS12の処理を実行する制御装置60に対応する。また、操舵制限処理部は、第1の実施形態において、制限用反力設定処理部M6、目標操舵角設定処理部M22、操舵角制御処理部M24、操作信号生成処理部M26、最大値選択処理部M36等に対応する。また、第2の実施形態において、制限用反力設定処理部M6、最大値選択処理部M36、補正処理部M54、操作信号生成処理部M34等に対応する。また、外部側機器は、バッテリ82に対応する。
上記実施形態では、上記の式(c1)にて表現されるモデル式を用いて目標操舵角θh*を設定したが、これに限らない。たとえば、以下の式(c2)にて表現されるモデル式を用いてもよい。
ここで、バネ係数Kは、車両の影響をモデル化したものであり、サスペンションやホールアラインメント等の仕様によって決定される。
・「反力について」
上記第1の実施形態において、ベース反力設定処理部M8やヒステリシス反力設定処理部M10を備えなくてもよい。すなわち、合計反力Firが、ベース反力Fibやヒステリシス反力Fihを含まなくてもよい。
上記構成では、最終軸力Ffに基づき算出された目標操舵角θh*に目標動作角θa*を加算することによって、目標転舵角θp*を算出したがこれに限らない。たとえば、上記の式(c1)や式(c2)に準じたモデル式に基づき目標転舵角θp*を直接算出してもよい。
上記実施形態では、目標操舵角θh*から操舵角θhを減算した値を入力とする比例要素、積分要素および微分要素のそれぞれの出力値の和を、操舵角θhを目標操舵角θh*にフィードバック制御するための操作量としたが、これに限らない。たとえば、操舵角制御処理部M24を積分要素のみから構成し、積分要素の出力値を操作量としてもよく、また、積分要素および比例要素のみから構成し、それらの出力値の和を操作量としてもよい。
・「転舵角制御処理部(M32)について」
上記実施形態では、目標転舵角θp*から転舵角θpを減算した値を入力とする比例要素、積分要素および微分要素のそれぞれの出力値の和を、転舵角θpを目標転舵角θp*にフィードバック制御するための操作量としたが、これに限らない。たとえば、転舵角制御処理部M32を積分要素のみから構成し、積分要素の出力値を操作量としてもよく、また、積分要素および比例要素のみから構成し、それらの出力値の和を操作量としてもよい。
・「計量単位設定処理部(M4)について」
操舵角を、ステアリング10の回転角度に換算して且つ、転舵角を、目標動作角θa*がゼロである状態におけるステアリング10の回転角度に換算する処理に限らない。たとえば、転舵角を、目標動作角θa*がゼロである状態における回転軸26aの回転角度に換算する処理であってもよい。ただし、ここでの回転角度は、0°未満と360°より大きい角度とを含む。また、たとえば、操舵角を、目標動作角θa*がゼロである状態における回転軸56aの回転角度に換算する処理であってもよい。ただし、ここでの回転角度は、0°未満と360°より大きい角度とを含む。
上記第1の実施形態において、目標操舵角θh*と目標転舵角θp*との最大値とする代わりに、操舵角θhと転舵角θpとの最大値としてもよい。
操舵側閾値および転舵側閾値を互いに等しい共通閾値とするものに限らない。たとえば、計量単位設定処理部M4を備えず、制限用反力設定処理部M6に代えて、回転角度θsに基づき制限用反力を設定する処理と、回転角度θtに基づき制限用反力を設定する処理とを備え、それら一対の制限用反力の和や、一対の制限用反力の大きい方を、加算処理部M12に入力される制限用反力Fieとしてもよい。
上記第1の実施形態では、操舵角θhを目標操舵角θh*にフィードバック制御するために反力アクチュエータ20を操作することとし、目標操舵角θh*を制限用反力Fieに基づき設定することにより増加制御を実現したが、これに限らない。たとえば、エンド角θeおよび車速と、制限用反力との関係を定めたマップを備えて制限用反力を算出し、これをアシストトルクから減算した値を、反力モータ26のトルクの指令値としてもよい。
反力アクチュエータ20を操作することにより、操舵角がさらに大きくなるステアリング10の操作の停止を促す制限制御としては、反力を増加制御するものに限らない。たとえば、ステアリング10に振動を付与する処理であってもよい。
・「舵角比の可変処理について」
上記実施形態では、舵角比可変処理部M28が、車速Vに応じて舵角比を可変設定したが、これに限らない。たとえば、車速Vに加えて操舵角θhを加味してもよい。また、たとえば、車両の横滑り防止制御やレーンキープアシスト制御等の公知の走行支援制御のための操作量として、舵角比を操作してもよい。これは、たとえば、走行支援制御に応じた舵角比を演算する装置から舵角比についての情報を取得することにより実現することができる。
操舵側センサとしては、反力モータ26の回転軸26aの回転角度θs0を検出する回転角度センサに限らず、たとえば、ステアリングシャフト22の回転角度を検出するものであってもよい。
転舵側センサとしては、転舵側モータ56の回転軸56aの回転角度を検出する回転角度センサに限らず、たとえば、ピニオン軸50の回転角度を検出するものであってもよい。また、回転角度センサにも限らず、たとえばラック軸46の軸方向の変位量を検出するセンサであってもよい。
転舵アクチュエータとしては、第1ラックアンドピニオン機構48および第2ラックアンドピニオン機構52を備えるものに限らない。たとえば、第1ラックアンドピニオン機構48のピニオン軸42に、転舵側減速機54を介して転舵側モータ56のトルクを付与する構成であってもよい。
・「VGRシステムの制御について」
図6に示したものに限らない。たとえば、ベース値Ta1*にトルクTrqを加算した値からモデルに基づき目標転舵角θp*を算出し、実際の転舵角θpを目標転舵角θp*にフィードバック制御するための操作量によって、アシストトルクTa*を補正して操作信号生成処理部M34に取り込んでもよい。
ステアリング側機器としては、ホーン80に限らない。たとえば、エアバッグ等であってもよい。
ケーブルによって定められるものに限らない。たとえば、ステアリングシャフト22の回転角度を検出するセンサを備えるものにおいて、センサの検出上限値がある場合には、これによって操舵角の上限値を定めてもよい。
ラック軸46の変位量の上限値によって定められるものに限らない。たとえば、ラック軸46の変位量を検出するセンサを備えて転舵角を検出するものにおいて、センサの検出上限値がある場合には、これによって操舵角の上限値を定めてもよい。
Claims (7)
- 車両の転舵輪の転舵角とステアリングの回転角度である操舵角との比である舵角比を変更可能な操舵装置に操作信号を出力する操舵制御装置において、
前記操舵角を取得する操舵角取得処理部と、
前記転舵角を取得する転舵角取得処理部と、
前記取得した転舵角が転舵角閾値に達することと、前記取得した操舵角が操舵角閾値に達することとの論理和が真となる場合に、前記操舵角が更に大きくなる側への前記ステアリングの操作の停止を促す制限制御を実行する操舵制限処理部と、を備える操舵制御装置。 - 前記転舵角閾値と前記操舵角閾値とが互いに等しい共通閾値となるように前記操舵角取得処理部が取得する前記操舵角と前記転舵角取得処理部が取得する前記転舵角との計量単位を設定する計量単位設定処理部を備え、
前記操舵制限処理部は、前記転舵角および前記操舵角の最大値が前記共通閾値以上となる場合に前記制限制御を実行する請求項1記載の操舵制御装置。 - 前記制限制御は、前記操舵装置に操作信号を出力することによって前記ステアリングの操作に抗する力である反力を増加制御するものである請求項1または2記載の操舵制御装置。
- 前記操舵装置は、前記ステアリングの操作に抗する力である反力を前記ステアリングに付与する反力アクチュエータと、少なくとも前記転舵輪と前記ステアリングとの動力遮断状態において前記転舵輪を転舵させる力を付与する転舵アクチュエータと、を備え、
前記操舵制限処理部は、前記反力アクチュエータに操作信号を出力することにより、前記増加制御を実行する請求項3記載の操舵制御装置。 - 前記操舵装置は、前記ステアリングの操作に抗する力である反力を前記ステアリングに付与する反力アクチュエータと、少なくとも前記転舵輪と前記ステアリングとの動力遮断状態において前記転舵輪を転舵させる力を付与する転舵アクチュエータと、を備え、
前記操舵制限処理部は、
前記転舵角および前記操舵角のうちの最大値が前記共通閾値以上となることを条件に、前記制限制御のための反力である制限用反力をゼロよりも大きい値に設定する制限用反力設定処理部と、
前記設定された制限用反力に基づき、前記操舵角の目標値である目標操舵角を設定する目標操舵角設定処理部と、
前記ステアリングの回転に連動して回転する回転軸の回転角度を検出する操舵側センサの出力値に基づく操舵角を前記目標操舵角にフィードバック制御するために前記反力アクチュエータを操作する操舵角制御処理部と、
前記設定された制限用反力に基づき、前記転舵角の目標値である目標転舵角を設定する目標転舵角設定処理部と、
前記転舵輪の転舵に連動して変位する部材の変位量を検出する転舵側センサの出力値に基づく転舵角を前記目標転舵角にフィードバック制御するために前記転舵アクチュエータを操作する転舵角制御処理部と、
を備え、
前記計量単位設定処理部は、前記転舵側センサの出力値および前記操舵側センサの出力値の少なくとも一方に所定の演算処理を施して前記操舵角制御処理部に入力される操舵角および前記転舵角制御処理部に入力される転舵角の少なくとも一方を生成するものであり、
前記操舵角取得処理部は、前記目標操舵角を取得し、
前記転舵角取得処理部は、前記目標転舵角を取得する請求項2記載の操舵制御装置。 - 前記操舵装置は、前記転舵輪を転舵させる転舵アクチュエータと、前記ステアリングに加わるトルクを前記転舵輪側に伝達させつつ前記舵角比を変更する可変舵角比アクチュエータとを備え、
前記操舵制限処理部は、前記ステアリングの操作による前記転舵輪の転舵を前記転舵アクチュエータによってアシストするアシスト力を低減操作することにより、前記増加制御を実行する請求項3記載の操舵制御装置。 - 前記ステアリングには、当該ステアリングと一体的に回転するステアリング側機器が設けられ、
前記ステアリング側機器は、ケーブルを介して前記ステアリングに対して相対回転する外部側機器に接続されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の操舵制御装置。
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