JP2017024047A - 拘束性ブレークアウトの予知方法及び予知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】隣接する温度センサが故障している場合であっても拘束性ブレークアウトの発生を予知可能な拘束性ブレークアウトの予知方法及び予知装置を提供すること。
【解決手段】本発明の一実施形態である拘束性ブレークアウト予知処理では、コントローラ16が、凝固シェル20の温度の時間変化量が乗算値より大きいと判別された上段熱電対及び下段熱電対の各設置位置について、設置位置の上下方向及び左右方向において隣接する正常な熱電対を検索し、少なくとも2つ以上の他の熱電対の設置位置において、凝固シェル20の温度の時間変化量が乗算値より大きいか否かを判別し、少なくとも2つ以上の他の熱電対の設置位置において凝固シェル20の温度の時間変化量が乗算値より大きいと判別された場合、凝固シェルが破断したと判定する。これにより、隣接する温度センサが故障している場合であっても拘束性ブレークアウトBOの発生を予知することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、連続鋳造設備における拘束性ブレークアウトの予知方法及び予知装置に関するものである。
連続鋳造設備では、拘束性ブレークアウトが発生することがある。ここで、拘束性ブレークアウトとは、連続鋳造時に鋳型と鋳片との間に焼き付きが発生し、焼き付き部分の鋳片が鋳型に固着し、固着した鋳片を下方に引き抜いた際に鋳片の外郭(凝固シェル)が引きちぎられ、引きちぎられた部分が鋳型の下端に達した時に鋳型から溶鋼が漏れ出す現象のことを意味する。
拘束性ブレークアウトが発生すると、鋳型から漏れ出した溶鋼が設備に飛散するために、連続鋳造を中止して設備を修復しなければならず、生産性が低下する。このため、連続鋳造設備では、鋳型に取り付けられた温度センサによって検出された鋳型の温度に基づいて鋳片の焼き付きが予測された場合、拘束性ブレークアウトの発生を知らせる警報を発すると共に、引きちぎられた凝固シェルを再凝固によって修復するために鋳型からの鋳片の引き抜き速度を遅くする等の対策が施されている。
一方、特許文献1には、拘束性ブレークアウトの予知方法が提案されている。詳しくは、特許文献1記載の方法は、鋳型に埋設された複数の温度センサのそれぞれから鋳型の温度検出値をサンプリングし、各検出時刻における鋳型の温度勾配の標準偏差を算出し、標準偏差のα倍の値を凝固シェルの破断が発生したか否かを判定する閾値に設定する。そして、特許文献1記載の方法は、互いに異なり隣接する温度センサの少なくとも3点における鋳型の温度勾配が標準偏差のα倍より大きくなった場合、凝固シェルの破断が発生したと判定する。
特開平5−57412号公報
しかしながら、特許文献1記載の拘束性ブレークアウトの予知方法は、互いに異なり隣接する温度センサの少なくとも3点において条件が満たされた場合において、凝固シェルの破断が発生したと判定する。このため、特許文献1記載の拘束性ブレークアウトの予知方法によれば、隣接する温度センサが故障して鋳型の温度勾配が検出できない場合、凝固シェルの破断が発生したか否かを判定することができず、拘束性ブレークアウトの発生を予知できない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、隣接する温度センサが故障している場合であっても拘束性ブレークアウトの発生を予知可能な拘束性ブレークアウトの予知方法及び予知装置を提供することにある。
本発明に係る拘束性ブレークアウトの予知方法は、連続鋳造設備の鋳型に設置された複数の温度センサにより該温度センサの設置位置における鋳型の温度を検出する検出ステップと、前記検出ステップにおいて検出された鋳型の温度に基づいて、前記温度センサの各設置位置について、前記鋳型の温度の時間変化量が現在時刻から所定時間前までの該時間変化量の標準偏差に所定の係数を乗算した乗算値より大きいか否かを判別する判別ステップと、前記判別ステップにおいて前記鋳型の温度の時間変化量が前記乗算値より大きいと判別された前記温度センサの各設置位置について、該設置位置の上下方向及び左右方向において隣接する正常な温度センサを検索し、少なくとも2つ以上の他の温度センサの設置位置において、前記鋳型の温度の時間変化量が現在時刻から所定時間前までの該時間変化量の標準偏差に所定の係数を乗算した乗算値より大きいか否かを判別し、少なくとも2つ以上の他の温度センサの設置位置において前記鋳型の温度の時間変化量が前記乗算値より大きいと判別された場合、凝固シェルが破断したと判定する判定ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明に係る拘束性ブレークアウトの予知方法は、上記発明において、前記温度センサの各設置位置について、現在時刻における前記鋳型の温度の時間変化量が所定値以上であるか否かを判別し、現在時刻における前記鋳型の温度の時間変化量が所定値未満である場合、現在時刻から所定時間前までの前記鋳型の温度の時間変化量の標準偏差を事前計算し、現在時刻における前記鋳型の温度の時間変化量が所定値未満である場合には、前記事前計算の結果を利用して現在時刻から所定時間前までの前記鋳型の温度の時間変化量の標準偏差を算出するステップを含むことを特徴とする。
本発明に係る拘束性ブレークアウトの予知装置は、連続鋳造設備の鋳型に設置された複数の温度センサにより該温度センサの設置位置における鋳型の温度を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された鋳型の温度に基づいて、前記温度センサの各設置位置について、前記鋳型の温度の時間変化量が現在時刻から所定時間前までの該時間変化量の標準偏差に所定の係数を乗算した乗算値より大きいか否かを判別する判別手段と、前記判別手段によって前記鋳型の温度の時間変化量が前記乗算値より大きいと判別された前記温度センサの各設置位置について、該設置位置の上下方向及び左右方向において隣接する正常な温度センサを検索し、少なくとも2つ以上の他の温度センサの設置位置において、前記鋳型の温度の時間変化量が現在時刻から所定時間前までの該時間変化量の標準偏差に所定の係数を乗算した乗算値より大きいか否かを判別し、少なくとも2つ以上の他の温度センサの設置位置において前記鋳型の温度の時間変化量が前記乗算値より大きいと判別された場合、凝固シェルが破断したと判定する判定手段と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る拘束性ブレークアウトの予知方法及び予知装置によれば、隣接する温度センサが故障している場合であっても拘束性ブレークアウトの発生を予知することができる。
図1は、本発明の一実施形態である連続鋳造設備の概要構成を示す模式図である。 図2は、連続鋳造設備の鋳型の概要構成を示す斜視図である。 図3は、鋳型の断面図である。 図4は、本発明の一実施形態である拘束性ブレークアウト予知処理の流れを示すフローチャートである。 図5は、本発明の一実施形態である拘束性ブレークアウト予知処理を説明するための図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態である拘束性ブレークアウトの予知方法について説明する。
〔連続鋳造設備の構成〕
まず、図1から図3を参照して、本発明の一実施形態である拘束性ブレークアウトの予知方法が適用される連続鋳造設備の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態である連続鋳造設備の概要構成を示す模式図である。図2は、連続鋳造設備の鋳型の概要構成を示す斜視図である。図3は、鋳型の断面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態である拘束性ブレークアウトの予知方法が適用される連続鋳造設備1は、タンディッシュ11、スライディングノズル機構12、浸漬ノズル13、鋳型14、ロール群15、コントローラ16、及び入出力部17を備えている。
連続鋳造時には、図示しないレードルから溶鋼Mがタンディッシュ11に供給される。溶鋼Mは、スライディングノズル機構12及び浸漬ノズル13を通って鋳型14内に供給される。鋳型14内の溶鋼Mは、鋳型14によって冷却されることにより凝固シェル20を形成し、鋳片21を形成していく。鋳型14の下部に設けられたローラ群15は、鋳片21を引き抜き方向にガイドすると共に鋳片21の引き抜きを行って、鋳片21の連続鋳造を行う。
タンディッシュ11は、耐火物による内張りが形成された有底状の容器であり、有底部には注湯孔が設けられる。スライディングノズル機構12は、タンディッシュ11の注湯孔に連通したノズルを有し、コントローラ16からの制御信号に従ってノズルの開度を調整することによって注湯孔からの溶鋼Mの吐出量を調整する。浸漬ノズル13は、略円筒状をなし、上端がスライディングノズル機構12のノズルに接続され、下端が鋳型14内に挿入され、鋳型14内の湯面下に浸漬されている。
鋳型14の内側であって溶鋼Mの湯面上部には、渦流センサ22が設けられている。渦流センサ22は、湯面レベルをコントローラ16に出力する。パウダー供給管23は、図示しないパウダー供給装置から供給されるモールドパウダーを溶鋼Mの湯面上に供給する。モールドパウダーは、湯面を覆い、溶鋼Mの酸化及び温度低下を防止すると共に、溶融状態となって鋳片21と鋳型14の内壁面との間での潤滑剤として機能し、鋳型14内の鋳片21の引き抜き抵抗を低下させる。
コントローラ16は、鋳型14の湯面レベル及び鋳片21の引き抜き速度の変化に応じてスライディングノズル機構12のノズルの開度を調整することによって、タンディッシュ11から鋳型14内への溶鋼Mの供給速度を調整し、湯面レベルが所定範囲内となるように制御する。
鋳型14の下流側には、鋳片21の引き抜き方向Aに沿ってロール群15配置されている。ロール群15には、サポートロール、ガイドロール、及びピンチロールが含まれる。サポートロールは、鋳片21の短辺部及び長辺部を圧接しつつ、鋳片21を引き抜き方向Aにガイドする。このサポートロールの圧接によって鋳片21のバルジングが抑制される。ガイドロールは、鋳片21を所定の曲率半径に保ちつつ、鋳片21を引き抜き方向Aにガイドする。ピンチロールは、コントローラ16からの制御信号に従って鋳片21を圧接しつつ回転することによって、所定の引き抜き速度で鋳片21を引抜方向Aに移動させる。なお、図示しないが、ロール群15の位置に合わせて、鋳片21を冷却するためのスプレーノズル群が配置されており、スプレーノズル群から噴出される冷却水によって鋳片21は冷却される。
ここで、鋳型14は、図2に示すように、一対の長辺冷却プレート14cと一対の短辺冷却プレート14dとを備え、上下方向に貫通する略角筒状に形成されている。長辺冷却プレート14c及び短辺冷却プレート14dの内部には、内壁面に沿って図示しない冷却水路が形成され、この冷却水路に冷却水を流通させることによって溶鋼Mは冷却される。鋳型14の内側に供給された溶鋼Mは、長辺冷却プレート14c及び短辺冷却プレート14dによって冷却されるが、この際、鋳型14の内壁面に沿って溶鋼Mが凝固して凝固シェル20を形成し、通常、この凝固シェル20の厚さが鋳片21の引き抜き方向Aに向かうに従って大きくなる。
長辺冷却プレート14c及び短辺冷却プレート14dの内部には、それぞれ複数の上段熱電対14aと下段熱電対14bとが埋め込まれている。図3に示すように、上段熱電対14aは、鋳片21の引き抜き方向Aの上流側に配置され、下段熱電対14bは、鋳片21の引き抜き方向Aの下流側に配置されている。なお、上段熱電対14a及び下段熱電対14bはそれぞれ水平方向に複数配列されている。また、図3に示すように、複数の上段熱電対14a及び下段熱電対14bは、凝固シェル20が形成し始める位置近傍、すなわち湯面に近い位置に配置されている。複数の上段熱電対14aと下段熱電対14bは、設置位置における鋳型14の温度を凝固シェル20(鋳片21)の温度として検出する。
ここで、鋳型14内では、溶融状態となったモールドパウダーの潤滑作用等によって凝固シェル20が鋳型14の内壁面に焼き付くことを防止すると共に、凝固シェル20の引き抜き抵抗を低下させている。しかしながら、このモールドパウダーの流入不足等が原因となって潤滑作用に異常が発生すると、凝固シェル20が鋳型14の内壁面に焼き付き、その状態のまま溶鋼Mが冷却によって凝固し、鋳型14に固着される。一方、鋳片21は、この焼き付き部分を除き、所定の引き抜き速度で引き抜き方向Aに移動するため、焼き付き部分は焼き付き部分の拘束によって他の部分に対して遅い速度で移動する。この結果、図1に示すように、焼き付き部分の上部に、正常な凝固シェル20とは引き抜き方向Aに対して厚みが逆となる逆凝固シェル20aが形成され、この逆凝固シェル20aと凝固シェル20との境界部分に破断部24が形成され、溶鋼Mが鋳片21の外部に流出する拘束性ブレークアウトBOが発生する。
コントローラ16は、マイクロコンピュータ等の情報処理装置によって構成されている。コントローラ16は、複数の上段熱電対14aが検出した凝固シェル20の上段温度及び複数の下段熱電対14bが検出した凝固シェル20の下段温度に基づいて、拘束性ブレークアウトBOの発生を予知する拘束性ブレークアウト予知処理を行い、拘束性ブレークアウトBOが発生する旨を拘束性ブレークアウト発生前の早期に、入出力部17を介して警報出力等を行い、さらには、ブレークアウト対応処理の制御を行う。
ブレークアウト対応処理は、鋳片21の引き抜き速度を低下、又は、停止させ、鋳型14内で、破断部の溶鋼Mを再凝固させて十分な厚さの凝固シェル20を形成させ、その後、鋳片21の引き抜きを再開させることである。なお、拘束性ブレークアウトBOが発生してしまうと、連続鋳造設備1の操業を停止させ、その後復旧させるために、溶鋼Mが凝固した大量の地金の除去、地金が付着したロール群等の交換作業が必要になるため、連続鋳造設備1の生産性及び歩留まりが大幅に低下する。
入出力部17は、入力情報をコントローラ16に伝達すると共に、コントローラ16からの制御信号に各種情報を出力する。
〔拘束性ブレークアウト予知処理〕
次に、図4,図5を参照して、本発明の一実施形態である拘束性ブレークアウト予知処理を行う際のコントローラ16の動作について説明する。図4は、本発明の一実施形態である拘束性ブレークアウト予知処理の流れを示すフローチャートである。図5は、本発明の一実施形態である拘束性ブレークアウト予知処理を説明するための図である。図5中、実線L1は上段熱電対14a及び下段熱電対14bによって検出された凝固シェル20の温度の時間変化量を示し、破線L2は時間変化量の平均値を示し、破線L3は時間変化量の標準偏差に所定の係数を乗算した値を示している。
図4に示すフローチャートは、連続鋳造設備1の操業が開始され、入出力部17を介してコントローラ16に対して拘束性ブレークアウト予知処理の実行指示が入力されたタイミングで開始となり、拘束性ブレークアウト予知処理はステップS1の処理に進む。なお、拘束性ブレークアウト予知処理は、連続鋳造設備1が操業されている間、所定の制御周期(例えば1秒)毎に繰り返し実行される。
ステップS1の処理では、コントローラ16が、複数の上段熱電対14a及び下段熱電対14bを介して上段熱電対14a及び下段熱電対14bの各設置位置における凝固シェル20の温度(上段温度及び下段温度)をサンプリングする。これにより、ステップS1の処理は完了し、拘束性ブレークアウト予知処理はステップS2の処理に進む。
ステップS2の処理では、コントローラ16が、ステップS1の処理においてサンプリングされた凝固シェル20の上段温度及び下段温度の前回の拘束性ブレークアウト予知処理からの時間変化量ΔT(図5に示す実線L1)を算出する。ここで、ΔTの添え字のnは拘束性ブレークアウト処理の実行回数を示し、nの値は連続鋳造設備の操業毎にゼロにリセットされる。これにより、ステップS2の処理は完了し、拘束性ブレークアウト予知処理はステップS3の処理に進む。
ステップS3の処理では、コントローラ16が、ステップS2の処理において算出された凝固シェル20の温度の時間変化量ΔTが所定値以上になった熱電対が存在するか否かを判別する。判別の結果、時間変化量ΔTが所定値以上になった熱電対が存在しない場合、コントローラ16は、拘束性ブレークアウト予知処理をステップS4の処理に進める。一方、時間変化量ΔTが所定値以上になった熱電対が存在する場合には、コントローラ16は、拘束性ブレークアウト予知処理をステップS5の処理に進める。
ステップS4の処理では、コントローラ16が、現在の時間(時間t=t)から所定時間Δt前(時間t=t、例えば30秒前)迄に算出された時間変化量ΔTの標準偏差σを事前計算し、事前計算された標準偏差σのデータを記憶する。これにより、ステップS4の処理は完了し、一連の拘束性ブレークアウト予知処理は終了する。
ステップS5の処理では、コントローラ16が、時間変化量ΔTが所定値以上である熱電対について、以前の拘束性ブレークアウト予知処理において算出された時間変化量ΔTの標準偏差σの事前計算結果を利用して、現在の時間から所定時間前迄に算出された時間変化量ΔTの標準偏差σを算出する。詳しくは、コントローラ16は、以下の数式(1),(2)に示すように、標準偏差σの計算式を展開及び整理し、標準偏差σを求めるための新たな変数αを定義することによって、標準偏差σを算出する。数式(1),(2)を用いて標準偏差σを算出することにより、標準偏差σの計算量を削減し、標準偏差σの計算負荷を低減することができる。これにより、ステップS5の処理は完了し、拘束性ブレークアウト予知処理はステップS6の処理に進む。
Figure 2017024047
Figure 2017024047
ステップS6の処理では、コントローラ16が、ステップS3の処理において算出された時間変化量ΔTと現在の時間から所定時間前迄に算出された時間変化量ΔTの平均値ΔT(図5に示す破線L2)との差分値(ΔT−ΔT)を算出する。そして、コントローラ16は、以下の数式(3)に示すように、算出された差分値(ΔT−ΔT)がステップS5の処理において算出された標準偏差σのk倍(例えば3倍)の値(k×σ)(図5に示す破線L3)以上であるか否かを判別する。判別の結果、差分値(ΔT−ΔT)が値(k×σ)以上である場合、コントローラ16は、拘束性ブレークアウト予知処理をステップS7の処理に進める。一方、差分値(ΔT−ΔT)が値(k×σ)未満である場合には、コントローラ16は、拘束性ブレークアウト予知処理を終了する。コントローラ16は、時間変化量ΔTが所定値以上である全ての熱電対について上記処理を実行する。
Figure 2017024047
ステップS7の処理では、コントローラ16が、時間変化量ΔTが所定値以上である熱電対について、設置位置の上下方向及び左右方向において隣接する正常な熱電対を検索する。そして、コントローラ16は、検索された左右上下方向に隣接する少なくとも2つ以上の正常な熱電対において差分値(ΔT−ΔT)が値(k×σ)以上になっているか否かを判別する。判別の結果、左右上下方向の少なくとも2つ以上の正常な熱電対において差分値(ΔT−ΔT)が値(k×σ)以上になっている場合、コントローラ16は、拘束性ブレークアウト予知処理をステップS8の処理に進める。一方、左右上下方向の少なくとも2つ以上の正常な熱電対において差分値(ΔT−ΔT)が値(k×σ)以上になっていない場合には、コントローラ16は、拘束性ブレークアウト予知処理を終了する。熱電対が正常であるか否かは、例えば熱電対の検出信号レベルが所定の範囲内にあるか否かを判別することによって判別できる。
ステップS8の処理では、コントローラ16が、凝固シェル20の破断が発生したと判断し、入出力部17を介して拘束性ブレークアウトBOの発生を報知する警告情報を出力する。これにより、ステップS8の処理は完了し、一連の拘束性ブレークアウト予知処理は終了する。
以上の説明から明らかなように、本発明の一実施形態である拘束性ブレークアウト予知処理では、コントローラ16が、凝固シェル20の温度の時間変化量が乗算値より大きいと判別された上段熱電対及び下段熱電対の各設置位置について、設置位置の上下方向及び左右方向において隣接する正常な熱電対を検索し、少なくとも2つ以上の他の熱電対の設置位置において、凝固シェル20の温度の時間変化量が乗算値より大きいか否かを判別し、少なくとも2つ以上の他の熱電対の設置位置において凝固シェル20の温度の時間変化量が乗算値より大きいと判別された場合、凝固シェルが破断したと判定する。これにより、隣接する温度センサが故障している場合であっても拘束性ブレークアウトBOの発生を予知することができる。
また、本発明の一実施形態である拘束性ブレークアウト予知処理では、コントローラ16が、上段熱電対及び下段熱電対の各設置位置について、現在時刻における凝固シェル20の温度の時間変化量が所定値以上であるか否かを判別し、現在時刻における凝固シェル20の温度の時間変化量が所定値未満である場合、現在時刻から所定時間前までの凝固シェル20の温度の時間変化量の標準偏差を事前計算し、現在時刻における凝固シェル20の温度の時間変化量が所定値未満である場合には、事前計算の結果を利用して現在時刻から所定時間前までの凝固シェル20の温度の時間変化量の標準偏差を算出する。これにより、凝固シェル20の温度の時間変化量の標準偏差を算出する際の計算負荷を削減し、拘束性ブレークアウトBOの発生の予知を正常に行うことができる。
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例、及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
1 連続鋳造設備
11 タンディッシュ
12 スライディングノズル機構
13 浸漬ノズル
14 鋳型
14a 上段熱電対
14b 下段熱電対
15 ロール群
16 コントローラ
17 入出力部

Claims (3)

  1. 連続鋳造設備の鋳型に設置された複数の温度センサにより該温度センサの設置位置における鋳型の温度を検出する検出ステップと、
    前記検出ステップにおいて検出された鋳型の温度に基づいて、前記温度センサの各設置位置について、前記鋳型の温度の時間変化量が現在時刻から所定時間前までの該時間変化量の標準偏差に所定の係数を乗算した乗算値より大きいか否かを判別する判別ステップと、
    前記判別ステップにおいて前記鋳型の温度の時間変化量が前記乗算値より大きいと判別された前記温度センサの各設置位置について、該設置位置の上下方向及び左右方向において隣接する正常な温度センサを検索し、少なくとも2つ以上の他の温度センサの設置位置において、前記鋳型の温度の時間変化量が現在時刻から所定時間前までの該時間変化量の標準偏差に所定の係数を乗算した乗算値より大きいか否かを判別し、少なくとも2つ以上の他の温度センサの設置位置において前記鋳型の温度の時間変化量が前記乗算値より大きいと判別された場合、凝固シェルが破断したと判定する判定ステップと、
    を含むことを特徴とする拘束性ブレークアウトの予知方法。
  2. 前記温度センサの各設置位置について、現在時刻における前記鋳型の温度の時間変化量が所定値以上であるか否かを判別し、現在時刻における前記鋳型の温度の時間変化量が所定値未満である場合、現在時刻から所定時間前までの前記鋳型の温度の時間変化量の標準偏差を事前計算し、現在時刻における前記鋳型の温度の時間変化量が所定値未満である場合には、前記事前計算の結果を利用して現在時刻から所定時間前までの前記鋳型の温度の時間変化量の標準偏差を算出するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の拘束性ブレークアウトの予知方法。
  3. 連続鋳造設備の鋳型に設置された複数の温度センサにより該温度センサの設置位置における鋳型の温度を検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出された鋳型の温度に基づいて、前記温度センサの各設置位置について、前記鋳型の温度の時間変化量が現在時刻から所定時間前までの該時間変化量の標準偏差に所定の係数を乗算した乗算値より大きいか否かを判別する判別手段と、
    前記判別手段によって前記鋳型の温度の時間変化量が前記乗算値より大きいと判別された前記温度センサの各設置位置について、該設置位置の上下方向及び左右方向において隣接する正常な温度センサを検索し、少なくとも2つ以上の他の温度センサの設置位置において、前記鋳型の温度の時間変化量が現在時刻から所定時間前までの該時間変化量の標準偏差に所定の係数を乗算した乗算値より大きいか否かを判別し、少なくとも2つ以上の他の温度センサの設置位置において前記鋳型の温度の時間変化量が前記乗算値より大きいと判別された場合、凝固シェルが破断したと判定する判定手段と、
    を備えることを特徴とする拘束性ブレークアウトの予知装置。
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