JP2017022843A - 多相dcdcコンバータ - Google Patents
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Abstract
【課題】スイッチング損失の増大を抑えやすく、設定されたデューティ比に適した制御を行い得る多相DCDCコンバータを提供する。【解決手段】多相DCDCコンバータ1は、デューティ比決定部によって決定可能なデューティ比の範囲において各デューティ比にそれぞれ対応する対応相数が予め定められている。そして、制御部2は、PWM信号を出力する際に、デューティ比決定部で決定したデューティ比に対応付けられている対応相数を選択し、選択した数(対応相数)の電圧変換部に対して、そのデューティ比のPWM信号を出力する。これにより、選択した数(対応相数)の電圧変換部においてスイッチング素子を駆動する。【選択図】図1
Description
本発明は、多相DCDCコンバータに関するものである。
スイッチング素子の駆動によって直流電圧を昇圧又は降圧するDCDCコンバータでは、高出力、高効率を実現する手段の一つとして、複数の電圧変換部を並列に接続した構成の多相DCDCコンバータが知られている。この種の多相DCDCコンバータの例としては、例えば特許文献1のような技術が存在する。
ところで、多相DCDCコンバータは、単相式のDCDCコンバータと比較して利用する部品点数が多くなり、装置サイズが大型化しやすいという問題がある。特許文献1の技術では、この問題を解消する方法として、各相の位相をずらし、且つ駆動相数に応じてスイッチング周波数を変化させる方法を採用しており、この方法によりリップル電流を低減している。このようなリップル電流の低減効果によってフィルタ用コンデンサの必要容量を抑え、コンデンサの小型化、ひいては装置サイズの小型化を図っている。しかしながら、特許文献1で開示される多相コンバータは、動作相数が少ない場合にスイッチング周波数を相対的に高くしなければならず、スイッチング周波数の増加に伴うスイッチング損失の増大が避けられない。
本発明は上述した事情に基づいてなされたものであり、スイッチング損失の増大を抑え、設定されたデューティ比に適した制御を行う多相DCDCコンバータを提供することを目的とするものである。
本発明の多相DCDCコンバータは、
スイッチング素子を備える電圧変換部が、直流電源に接続される入力側導電路と出力側導電路との間に複数設けられ、各々の前記電圧変換部が、前記入力側導電路に印加された電圧を変換して前記出力側導電路に出力する構成をなす多相変換部と、
前記スイッチング素子に与えるPWM信号のデューティ比を決定するデューティ比決定部と、
前記デューティ比決定部によって決定可能なデューティ比の範囲において各デューティ比にそれぞれ対応する対応相数が予め定められ、前記デューティ比決定部によって決定したデューティ比に基づき、その決定したデューティ比に対応付けられている対応相数を選択する相数選択部と、
前記デューティ比決定部で決定されたデューティ比のPWM信号を、前記相数選択部によって選択された前記対応相数の前記電圧変換部に出力し、前記対応相数の前記電圧変換部を構成する前記スイッチング素子を駆動する駆動部を有する。
スイッチング素子を備える電圧変換部が、直流電源に接続される入力側導電路と出力側導電路との間に複数設けられ、各々の前記電圧変換部が、前記入力側導電路に印加された電圧を変換して前記出力側導電路に出力する構成をなす多相変換部と、
前記スイッチング素子に与えるPWM信号のデューティ比を決定するデューティ比決定部と、
前記デューティ比決定部によって決定可能なデューティ比の範囲において各デューティ比にそれぞれ対応する対応相数が予め定められ、前記デューティ比決定部によって決定したデューティ比に基づき、その決定したデューティ比に対応付けられている対応相数を選択する相数選択部と、
前記デューティ比決定部で決定されたデューティ比のPWM信号を、前記相数選択部によって選択された前記対応相数の前記電圧変換部に出力し、前記対応相数の前記電圧変換部を構成する前記スイッチング素子を駆動する駆動部を有する。
本発明は、デューティ比決定部によって決定可能なデューティ比の範囲において各デューティ比にそれぞれ対応する対応相数が予め定められ、相数選択部は、デューティ比決定部で決定したデューティ比に対応付けられている対応相数を選択する。そして、駆動部は、デューティ比決定部で決定されたデューティ比のPWM信号を、相数選択部によって選択された数(対応相数)の電圧変換部に出力し、その数(対応相数)の電圧変換部においてスイッチング素子を駆動する。
この構成によれば、駆動部がPWM信号によって多相変換部を駆動する際に、そのPWM信号のデューティ比に予め対応付けられている数(対応相数)の電圧変換部を選択して駆動することができる。つまり、予め各デューティ比に適した相数をそれぞれ定めておけば、実際に駆動部がPWM信号を出力して多相変換部を駆動する際に、全ての相数を一律に駆動するのではなく、PWM信号のデューティ比に適した相数を選択して駆動することが可能となる。しかも、デューティ比に適した制御を行う上でスッチング周波数を増大させる必要がなく、スイッチング損失も抑えやすくなる。
特に、車載用のDCDCコンバータでは、自動車特有の事情として、入力電圧及び出力電圧がいずれも変動するという事情があり、入力電圧及び出力電圧の変動幅がある程度決まっているという事情がある。このような事情があるため、「デューティ比に合わせて相数を選択する」という上述の方式を適用することができ、この方式が有効となる。
本発明は、前記相数選択部において予め各々のデューティ比に対応付けられる各々の前記対応相数が、各々のデューティ比のときに前記駆動部が所定の駆動方式で前記多相変換部を駆動する場合において前記出力側導電路で生じるリップル電流の実効電流値が最も小さくなる相数であってもよい。
この構成によれば、スイッチング周波数を増大させずに入力及び出力側導電路で生じるリップル電流を効果的に低減することができ、このようなリップル電流の低減効果により、フィルタ用コンデンサの必要容量を抑えやすくなる。よって、スイッチング損失の増大を抑えて、コンデンサの小型化、ひいては装置サイズの小型化を図ることができる。
本発明において、前記駆動部による前記所定の駆動方式は、当該駆動部で発生するPWM信号の周期がTであり、前記多相変換部において駆動する相数がXである場合、X個の前記電圧変換部をT/Xずつ時間をずらして駆動する方式であることが望ましい。
この構成によれば、多相変換部において高出力、高効率を実現しながらも、相数の適正化によってリップル電流を低減しやすくなる。
本発明において、前記相数選択部は、前記デューティ比決定部で決定したデューティ比が前記多相変換部の最大相数以下のいずれかの自然数Yによって定まる1/Yとなる場合に、Z/Yが自然数である条件を満たすZを前記対応相数として選択する構成であることが望ましい。
デューティ比決定部で決定したデューティ比が1/Yとなる場合において、Z/Yが自然数であるという条件を満たすZを対応相数として選択すれば、出力側において、リップル電流の打ち消し合いの効果がより一層高くなり、リップルをより一層効果的に低減することができる。
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1について説明する。
図1で示すDCDCコンバータ1は、例えば、車載用の降圧型DCDCコンバータとして構成されており、入力側の電源ライン(入力側導電路31)に印加された直流電圧を降圧して出力側の電源ライン(出力側導電路32)に出力する構成をなすものである。
以下、本発明を具体化した実施例1について説明する。
図1で示すDCDCコンバータ1は、例えば、車載用の降圧型DCDCコンバータとして構成されており、入力側の電源ライン(入力側導電路31)に印加された直流電圧を降圧して出力側の電源ライン(出力側導電路32)に出力する構成をなすものである。
入力側導電路31は、相対的に高い電圧が印加される一次側(高圧側)の電源ラインとして構成されている。この入力側導電路31は、直流電源10に導通するように接続され、その直流電源10から所定の直流電圧が印加される構成をなす。なお、入力側導電路31には、入力側導電路31に印加された直流電圧(入力電圧)に重畳するノイズを除去するための公知構成のノイズフィルタ12が設けられている。
直流電源10は、例えば、リチウムイオン電池、電気二重層キャパシタ等の蓄電手段によって構成され、第1の所定電圧を発生させるものである。この直流電源10の正極は所定電圧(例えば48V±12V等)に保たれ、負極はグラウンドに接続されてグラウンド電位(0V)に保たれている。このように、ある程度の範囲で入力側の電圧が変動し得る構成となっている。また、出力側導電路32に印加される出力電圧も、所定範囲(例えば12V±2V等)で変動し得る構成となっている。
入力側導電路31において、ノイズフィルタ12と多相変換部40との間には、入力コンデンサ18の一端が接続されている。この入力コンデンサ18の他端はグランドに接続されている。
出力側導電路32は、相対的に低い電圧が印加される二次側(低圧側)の電源ラインとして構成されている。この出力側導電路32は、出力電圧が印加される出力側の導電路であり、この出力側導電路32には、負荷16が接続されている。負荷16は、出力側導電路32に出力された出力電圧を受けて動作する電気部品であり、例えばモータなどの車載用電子部品である。なお、出力側導電路32にも、出力側導電路32に印加された出力電圧に重畳するノイズを除去するための公知構成のノイズフィルタ14が設けられている。
また、出力側導電路32において、多相変換部40とノイズフィルタ14の間には、出力コンデンサ20の一端が接続されている。この出力コンデンサ20の他端はグランドに接続されている。
電圧検知部6は、入力側導電路31に印加される直流電圧(入力電圧)を検知する回路である。また、電圧検知部8は、出力側導電路32に印加される出力電圧を検知する回路である。これらの電圧検知部6,8は、例えば、公知の電圧検知回路によって構成されており、電圧検知部6が検知した入力電圧Vinと、電圧検知部8が検知した出力電圧Voutは、いずれも処理部4に入力される。
入力側導電路31と出力側導電路32との間には、入力側導電路31に印加された直流電圧(入力電圧)を降圧して出力側導電路32に印加する出力電圧を生成す多相変換部40が設けられている。この多相変換部40は、入力側導電路31と出力側導電路32との間に複数の電圧変換部41A,41B・・・41Nが並列に接続されてなるものである。多相変換部40を構成する複数の電圧変換部41A,41B・・・41Nの各々はそれぞれ独立して降圧動作が可能とされており、いずれの変換部も、入力側導電路31に印加された電圧を変換して出力側導電路(出力側導電路32)に出力し得る構成をなす。なお、図1の例では、駆動可能な最大相数がnとなっている。例えば、n=4であれば、4個の電圧変換部が並列に接続された構成であり、n=6であれば6個の電圧変換部が並列に接続された構成である。
電圧変換部41A,41B・・・41Nは、同期整流方式の降圧型コンバータとして機能し、いずれの変換部も基本構成は同様である。電圧変換部41Aは、MOSFETとして構成されるハイサイド側のスイッチング素子51A及びローサイド側のスイッチング素子52Aと、これらスイッチング素子51A,52Aの間に一端側が接続されるコイル54Aとを備える。ハイサイド側のスイッチング素子51Aは、入力側導電路31にドレインが接続され、ソースがローサイド側のスイッチング素子52Aのドレイン及びコイル54Aの一端に接続される。ローサイド側のスイッチング素子51Bは、ソースがグラウンドに接続されている。コイル54Aは、他端側が出力側導電路32に接続されている。
このように構成される電圧変換部41Aは、スイッチング素子51A,52Aの各ゲートに対して制御部2からPWM信号が入力されるようになっており、ハイサイド側のスイッチング素子51Aのオン動作及びオフ動作の切り替えを、ローサイド側のスイッチング素子52Aのオフ動作及びオン動作とそれぞれ同期させて行うことで、入力側導電路31に印加された直流電圧を降圧し、出力側導電路32に出力する。
電圧変換部41Bは、電圧変換部41Aと同様の回路構成をなし、同様に機能する。この電圧変換部41Bを構成するスイッチング素子51B,52B、コイル54Bは、電圧変換部41Aのスイッチング素子51A,52A、コイル54Aと同様に機能する。また、電圧変換部41Nも、電圧変換部41Aと同様の回路構成をなし、同様に機能する。この電圧変換部41Nを構成するスイッチング素子51N,52N、コイル54Nも、電圧変換部41Aのスイッチング素子51A,52A、コイル54Aと同様に機能する。なお、図1の構成では、最大相数がnである例を簡略的に示しており、例えば最大相数nが4の構成であれば、第3相が省略されていることになる。また、最大相数nが6の構成であれば、第3〜第5相が省略されていることになる。
制御部2は、PWM信号を発生し得るPWM駆動回路として構成され、多相変換部40を構成する電圧変換部41A,41B・・・41Nの各々に対して予め定められた固定周期TのPWM信号を出力する。なお、制御部2から出力されるPWM信号は、デューティ比が処理部4によって決定された値となるように調整される。また、制御部2からPWM信号を出力する対象は、全ての電圧変換部41A,41B・・・41Nのうち、処理部4によって決定された数の変換部である。
制御部2は、多相変換部40を「所定の駆動方式」で駆動する構成をなす。この「所定の駆動方式」は、多相変換部40において駆動対象となる相数(駆動相数)がXである場合、複数の電圧変換部41A,41B・・・41NのうちのX個を、T/Xずつ時間をずらして駆動する方式である。つまり、X個の電圧変換部の各相に与えられるオン信号の駆動タイミングがT/Xずつ時間がずれることになる。
例えば、駆動相数が2である場合には、複数の電圧変換部41A,41B・・・41Nのうちの2つを、T/2ずつ時間をずらして駆動する。この場合、1番目の相へのオン信号の出力タイミングと、2番目の相へのオン信号の出力タイミングはT/2ずれることになる。また、駆動相数が4である場合には、複数の電圧変換部41A,41B・・・41Nのうちの4つを、T/4ずつ時間をずらして駆動する。つまり、各相のオン信号の駆動タイミングがT/4ずつ時間がずれることになる。
DCDCコンバータ1では、多相変換部40を上述した「所定の駆動方式」で駆動する場合、駆動相数X=nのときの、第j相の動作によって生じる入力コンデンサ18での導通電流波形は図2のようになる。なお、以下の説明において、Ioutは、出力電流であり、Iinは、入力電流である。nは相数であり、選択された駆動相数がXであればn=Xである。ΔILはリップル電流であり、ΔIL=1/L×(Vin−Vout)×Tonである。また、kは、時刻t以前の周期数であり、k=[(t−δ)/T]である(但し、[ ]はガウス記号)。Tは周期であり、T=1/f(fは周波数)である。δは初期位相であり、δ=(T/n)×(j−1)である。Tonは、各電圧変換部におけるハイサイド側のスイッチング素子のオン時間であり、Ton=(Vout/Vin)×Tである。
また、第j相の動作での入力コンデンサ18における導通電流値は、時間tの関数である以下の式で表され、tが0≦t−k・T−δ<Tonであれば、以下の数1の式で表される。
また、駆動相数X=nのときの、第j相の動作によって生じる出力コンデンサ20での導通電流波形は図3のようになる。
以上のような関係があるため、駆動相数Xがnである場合、入力コンデンサ18での電流の波形は、1相〜n相までの各相の動作によって生じる入力コンデンサでの電流波形を合成した波形となる。図4では、各相の動作によって生じる入力コンデンサ18での電流波形と、それを合成した波形(入力コンデンサ18に流れる導通電流Icinの波形)とを概念的に示している。なお、図4では、所定のデューティ比のときの波形を示し、第1相、第2相以外の各相の動作によって生じる入力コンデンサでの電流波形は省略している。
また、駆動相数Xがnである場合、出力コンデンサ20での電流の波形は、1相〜n相までの各相の動作によって生じる出力コンデンサ20での電流波形を合成した波形となる。図5では、各相の動作によって生じる出力コンデンサ20での電流波形と、それを合成した波形(出力コンデンサ20に流れる導通電流Icoutの波形)とを概念的に示している。なお、図5では、所定のデューティ比のときの波形を示し、第1相、第2相以外の各相の動作によって生じる出力コンデンサ20での電流波形は省略している。
ここで、図1の多相DCDCコンバータ1で行われる駆動制御について説明する。なお、以下では、多相変換部40に4つの電圧変換部が設けられ、多相変換部40で駆動し得る最大相数が4である場合を代表例として説明する。
図1で示す多相DCDCコンバータ1では、電圧検知部6,8によって入力電圧Vinと出力電圧Voutとを検出している。そして、検知された入力電圧Vinと出力電圧Voutとに基づき、出力電圧Voutを目標電圧に近づけるように処理部4によってデューティ比を決定する。出力電圧Voutと目標電圧とに基づいてデューティ比を決定する方法は公知の様々なフィードバック演算方法を用いることができる。なお、処理部4は、デューティ比決定部の一例に相当し、スイッチング素子に与えるPWM信号のデューティ比を決定する機能を有する。
このように多相DCDCコンバータ1では、処理部4がデューティ比決定部として機能し、所定の短時間毎にデューティ比を決定している。更に、処理部4は、相数選択部としても機能し、検知電圧(入力電圧Vin、出力電圧Vout)と目標電圧とに基づいてデューティ比が決定する毎に、決定したデューティ比に対応付けられた相数を決定する。なお、図1では、処理部4が備える「デューティ比決定部」「相数選択部」としての機能を、機能ブロックにて概念的に示している。
例えば、処理部4が選択し得るデューティ比の範囲(即ち、デューティ比決定部によって決定可能なデューティ比の範囲であり、例えば0〜1(0%〜100%)の範囲)において各デューティ比にそれぞれ対応する対応相数が予め定められ、処理部4に設けられた図示しない記憶部には、その対応関係を特定する情報が記憶されている。
図6には、デューティ比の範囲毎に駆動相数を対応付けたデータを概念的に示しており、このような情報がデータテーブルとして、或いはプログラムとして記憶部に記憶されている。図6の例では、デューティ比DuがD0の場合には、駆動相数(対応相数)がA1と定められ、D0より大きく且つD1未満の範囲では、駆動相数(対応相数)がA2と定められ、D1の場合には、駆動相数(対応相数)がA3と定められるといった具合に、デューティ比毎に対応付けられた駆動相数が特定できるようになっている。
このように処理部4において各々のデューティ比に予め対応付けられる各々の駆動相数(対応相数)は、各々のデューティ比のときに制御部2(駆動部)が上述した所定の駆動方式(PWM信号の周期が固定値Tであり、多相変換部40において駆動する相数がXである場合、X個の電圧変換部をT/Xずつ時間をずらして駆動する方式)で多相変換部40を駆動する場合において出力側導電路32で生じるリップル電流の実効電流値が最も小さくなる相数である。
例えば、代表例となる4相式(多相変換部40の最大駆動相数が4である構成)では、多相変換部40において駆動する相数が2である場合、2個の電圧変換部をT/2ずつ時間をずらして駆動する。同様に、駆動する相数が3である場合、3個の電圧変換部をT/3ずつ時間をずらして駆動し、駆動する相数が4である場合、4個の電圧変換部をT/4ずつ時間をずらして駆動することになる。1個の電圧変換部のみを駆動する場合には、単相式と同様に駆動することになる。このような4種類の駆動相数が想定される場合、各デューティ比に対応付けて、4種類の駆動相数のうちのリップル電流の実効電流値が最も小さくなる相数を定めておく。
具体的には、図7のように対応関係を定める。図7は、上述した「所定の駆動方式」で多相変換部40を駆動する場合の、リップル電流の実効電流(実効電流値)とデューティ比との関係を、駆動相数毎に示したものである。このグラフでは、駆動相数が1であるときに上述の「所定の駆動方式」で駆動したときの実効電流値とデューティ比との関係を太線E1で示し、駆動相数が2であるときに上述の「所定の駆動方式」で駆動したときの実効電流値とデューティ比との関係を破線E2で示している。更に、駆動相数が3であるときに上述の「所定の駆動方式」で駆動したときの実効電流値とデューティ比との関係を破線E3で示し、駆動相数が4であるときに上述の「所定の駆動方式」で駆動したときの実効電流値とデューティ比との関係を破線E4で示している。
この例では、リップル電流の実効電流値が最も小さくなる相数は、デューティ比がD0より大きくD1未満の範囲1では4相であり、D1より大きくD2未満の範囲2では3相であり、D2より大きくD3未満の範囲3、及びD3より大きくD4未満の範囲4では4相であり、D4より大きくD5未満の範囲5では3相であり、D5より大きくD6未満の範囲6では4相である。
従って、上記範囲1では駆動相数(対応相数)を4とし、範囲2では駆動相数を3とし、範囲3,4では駆動相数を4とし、範囲5では駆動相数を3とし、範囲6では駆動相数を4とする。また、デューティ比がD0,D1,D2,D3,D4,D5,D6のときにはリップル電流の実効電流値が最も小さくなる相数が2以上になるが、これらのデューティ比については、リップル電流の実効電流値が最も小さくなるいずれか一つの相数を対応付けておけばよい。
以上のように、処理部4において、デューティ比毎に駆動相数(対応相数)が対応付けられているため、処理部4は、デューティ比が決定する毎に、その対応関係に基づいて決定したデューティ比に対応する駆動相数(対応相数)を選択する。
このように処理部4によって決定されたデューティ比、及び駆動相数(対応相数)は、処理部4から制御部2に伝達される。そして、駆動部に相当する制御部2は、多相変換部40を構成する全ての電圧変換部41A,41B・・・41Nのうち、処理部4から伝達された駆動相数(対応相数)の数だけを駆動対象とし、これらの電圧変換部を構成するスイッチング素子対し、処理部4から伝達されたデューティ比で定められたPWM信号を出力する。具体的には、処理部4から伝達された駆動相数(対応相数)がXであれば、上述した所定の駆動方式(PWM信号の周期が固定値Tであり、X個の電圧変換部をT/Xずつ時間をずらして駆動する方式)で多相変換部40を駆動する。
以上のような構成によれば、制御部2(駆動部)がPWM信号によって多相変換部40を駆動する際に、そのPWM信号のデューティ比に予め対応付けられている数(対応相数)の電圧変換部を選択して駆動することができる。つまり、予め各デューティ比に適した相数をそれぞれ定めておけば、実際に制御部2(駆動部)がPWM信号を出力して多相変換部40を駆動する際に、全ての相数を一律に駆動するのではなく、PWM信号のデューティ比に適した相数を選択して駆動することが可能となる。しかも、デューティ比に適した制御を行う上でスイッチング周波数を増大させる必要がなく、スイッチング損失も抑えやすくなる。
特に、多相変換部40において高出力、高効率を実現しながらも、スイッチング周波数を増大させずに出力側導電路32で生じるリップル電流を効果的に低減することができ、このようなリップル電流の低減効果により、フィルタ用コンデンサの必要容量を抑えやすくなる。よって、スイッチング損失の増大を抑えて、コンデンサの小型化、ひいては装置サイズの小型化を図ることができる。
また、相数選択部に相当する処理部4は、決定したデューティ比が多相変換部40の最大相数以下のいずれかの自然数Yによって定まる1/Yとなる場合に、Z/Yが自然数である条件を満たすZを対応相数として選択する構成となっている。例えば、代表例のように最大相数が4である場合、デューティ比が1/2(50%)の場合(即ち、Y=2)、Z/2が自然数である条件を満たす2又は4を対応相数Z(駆動相数)として選択する。また、デューティ比が1/3(約33%)の場合(即ち、Y=3)、Z/3が自然数である条件を満たす3を対応相数Z(駆動相数)として選択し、デューティ比が1/4(25%)の場合(即ち、Y=4)、Z/4が自然数である条件を満たす4を対応相数Z(駆動相数)として選択する。このような関係であれば、出力側において、リップル電流の打ち消し合いの効果がより一層高くなり、リップルをより一層効果的に低減することができる。
例えば、デューティ比が1/2(50%)の場合、対応相数(駆動相数)を2として、上述した「所定の駆動方式」で駆動すれば、一方の相の駆動では、出力側のリップル電流が符号61のような波形となり、他方の相の駆動では、出力側のリップル電流が符号62のような波形となるため、図8のように打ち消し合いの効果が生じ、リップル電流を効果的に抑えることができる。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施例1では、図7のような関係に基づき、最大相数が4である場合においてデューティ比毎に実効電流値が最も低くなる相数を定める例を代表例として示したが、最大相数がこれ以外の数であってもよい。例えば、図9のような関係に基づき、最大相数が6である場合においてデューティ比毎に実効電流値が最も低くなる相数を定めてもよい。
(2)上述した実施例では、降圧型の多相DCDCコンバータの例を示したが、予めデューティ比毎に相数を対応付けておき、決定したデューティ比に対応付けられた相数で駆動するという思想は、昇圧型の多相DCDCコンバータや、昇降圧型の多相DCDCコンバータに適用してもよい。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施例1では、図7のような関係に基づき、最大相数が4である場合においてデューティ比毎に実効電流値が最も低くなる相数を定める例を代表例として示したが、最大相数がこれ以外の数であってもよい。例えば、図9のような関係に基づき、最大相数が6である場合においてデューティ比毎に実効電流値が最も低くなる相数を定めてもよい。
(2)上述した実施例では、降圧型の多相DCDCコンバータの例を示したが、予めデューティ比毎に相数を対応付けておき、決定したデューティ比に対応付けられた相数で駆動するという思想は、昇圧型の多相DCDCコンバータや、昇降圧型の多相DCDCコンバータに適用してもよい。
1…多相DCDCコンバータ
2…制御部(駆動部)
4…処理部(デューティ比決定部、相数選択部)
10…直流電源
31…入力側導電路
32…出力側導電路
40…多相変換部
41A,41B,41N…電圧変換部
51A,51B,51N,52A,52B,52N…スイッチング素子
2…制御部(駆動部)
4…処理部(デューティ比決定部、相数選択部)
10…直流電源
31…入力側導電路
32…出力側導電路
40…多相変換部
41A,41B,41N…電圧変換部
51A,51B,51N,52A,52B,52N…スイッチング素子
Claims (4)
- スイッチング素子を備える電圧変換部が、直流電源に接続される入力側導電路と出力側導電路との間に複数設けられ、各々の前記電圧変換部が、前記入力側導電路に印加された電圧を変換して前記出力側導電路に出力する構成をなす多相変換部と、
前記スイッチング素子に与えるPWM信号のデューティ比を決定するデューティ比決定部と、
前記デューティ比決定部によって決定可能なデューティ比の範囲において各デューティ比にそれぞれ対応する対応相数が予め定められ、前記デューティ比決定部によって決定したデューティ比に基づき、その決定したデューティ比に対応付けられている対応相数を選択する相数選択部と、
前記デューティ比決定部で決定されたデューティ比のPWM信号を、前記相数選択部によって選択された前記対応相数の前記電圧変換部に出力し、前記対応相数の前記電圧変換部を構成する前記スイッチング素子を駆動する駆動部を有する多相DCDCコンバータ。 - 前記相数選択部において予め各々のデューティ比に対応付けられる各々の前記対応相数は、各々のデューティ比のときに前記駆動部が所定の駆動方式で前記多相変換部を駆動する場合において前記出力側導電路で生じるリップル電流の実効電流値が最も小さくなる相数である請求項1に記載の多相DCDCコンバータ。
- 前記駆動部による前記所定の駆動方式は、当該駆動部で発生するPWM信号の周期がTであり、前記多相変換部において駆動する相数がXである場合、X個の前記電圧変換部をT/Xずつ時間をずらして駆動する方式である請求項2に記載の多相DCDCコンバータ。
- 前記相数選択部は、前記デューティ比決定部で決定したデューティ比が前記多相変換部の最大相数以下のいずれかの自然数Yによって定まる1/Yとなる場合に、Z/Yが自然数である条件を満たすZを前記対応相数として選択する請求項3に記載の多相DCDCコンバータ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2015137505A JP2017022843A (ja) | 2015-07-09 | 2015-07-09 | 多相dcdcコンバータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015137505A JP2017022843A (ja) | 2015-07-09 | 2015-07-09 | 多相dcdcコンバータ |
Publications (1)
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JP2017022843A true JP2017022843A (ja) | 2017-01-26 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020058189A (ja) * | 2018-10-03 | 2020-04-09 | 株式会社Soken | 駆動システム |
JP2021103907A (ja) * | 2019-12-24 | 2021-07-15 | トヨタ自動車株式会社 | 多相コンバータの制御装置、多相コンバータシステム、及び電源システム |
CN113315376A (zh) * | 2021-06-21 | 2021-08-27 | 哈尔滨工业大学 | 基于电流纹波优化的可变重数dcdc变换器 |
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2015
- 2015-07-09 JP JP2015137505A patent/JP2017022843A/ja active Pending
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