JP2017022621A - 情報処理装置、情報処理方法、コンピュータプログラム - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法、コンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 原稿画像を撮影することで得られた画像から影成分を除去する際、影成分に応じた補正率で画像の影除去処理を行うと、画像の紙白領域は適正な影除去処理が行われるが、画像のオブジェクト領域が影除去処理により明るく補正されてしまう。【解決手段】 原稿画像を撮影することで得られた入力画像の注目画素の画素値と、前記入力画像に写り込んでいる撮影環境における影成分を示す画像において前記注目画素と同一座標にある画素値との差分値を算出し、少なくとも、前記入力画像の前記注目画素における前記差分値に応じた補正率に基づき、前記入力画像の前記注目画素の画素値から前記注目画素における影成分を補正する。【選択図】 図6

Description

本発明は、撮影された画像に写り込んだ影を除去するための技術に関する。
近年、スマートフォンやタブレットPCといった高度な情報処理機能を持つ携帯端末が普及してきている。これらの携帯端末は、カメラを備え、撮影機能を有している。このような携帯端末のカメラ機能を用いて紙媒体の原稿を撮影し、携帯端末のメモリ上に画像データとして保存することが行われるようになってきた。それに伴い、撮影した画像データをプリンタへ送信してプリントするといったように、原稿を複写するために携帯端末とプリンタを組み合わせて使用する機会が増えてきた。このように、ユーザがスキャナ機能とプリント機能を備えた複合機を持っていなくても、携帯端末とプリンタがあれば、原稿の複写ができるようになってきている。
携帯端末のカメラ機能を用いて原稿の撮影を行う場合、周囲の物体や撮影者の影が原稿に写り込み、影が写り込んだ原稿を撮影することで、撮影画像に影が写りこむことがある。写り込んだ影による撮影画像上の明るさのムラ全般のことを以降「影」と表記することとする。画像に影がある状態では、撮影された原稿の可読性は低く、プリントした際の画質も低下する。
カメラによって原稿を撮影した際の影を補正する技術として、特許文献1がある。特許文献1では、撮影した画像内の影成分を推定し、その推定した影成分情報にもとづき、撮影した画像から影成分を除去する。特許文献1の方法は、撮影した画像から影成分を補正する際、撮影画像に含まれる彩度と明度が小さい領域を文字として検出し、文字は補正量を少なくすることで、文字が明るく補正されることを抑制している。
特開2012−95002号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、文字として検出されなかった領域にあるオブジェクトに対しては、オブジェクトの色を考慮することなく影成分を除去する補正が行われるため、影成分を除去する補正が多くかかりオブジェクトの色が明るくなってしまう。
本発明の情報処理方法は、原稿画像を撮影することで得られた入力画像の注目画素の画素値と、前記入力画像に写り込んでいる撮影環境における影成分を示す画像において前記注目画素と同一座標にある画素値との差分値を算出する算出ステップと、少なくとも、前記入力画像の前記注目画素における前記差分値に応じた補正率に基づき、前記入力画像の前記注目画素の画素値から前記注目画素における影成分を補正する補正ステップとを有することを特徴とする。
本発明によれば、撮影した画像から影成分を補正する際、撮影した画像に含まれるオブジェクトに写り込んだ影成分の過補正を防ぐことができる。
本発明の一実施形態としてのシステム構成図 携帯端末101の外観の例 携帯端末101の構成図の例 プリンタ103の構成図の例 本発明における処理の例を示す図 実施例1の全体フローチャート 実施例1の縮小画像補正処理のフローチャート 補正率調整LUTの例 実施例1における特異値画素の補正処理の例 実施例2の処理のフローチャート 実施例2における補正率調整LUTの例 実施例3の処理のフローチャート 実施例3におけるゲイン調整値を示すグラフの例
〔実施例1〕
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
図1に本実施例で利用するシステムの全体構成を示す。無線ルータ102、プリンタ103が、LAN110に接続されている。携帯端末101は無線ルータ102およびLAN110を介して、プリンタ103に接続することができる。なお、本実施例では、情報処理装置として、携帯端末101を例に挙げて説明するが、情報処理装置は、PC(パーソナルコンピュータ)、プリンタ、複写機などでもよい。ただし、複写機では、カメラの代わりに、スキャナを用いて原稿をスキャンすることで画像を取得する。
<携帯端末の構成>
図2は、本実施例で利用する携帯端末101の外観を示す。携帯端末101は様々な種類が存在するが、図2(a)は、携帯端末101の表面である。表面には、タッチパネルディスプレイ201、操作ボタン202を持つ。タッチパネルディスプレイ201は、詳細には、操作に必要な情報やボタン、画像などを表示するための表示装置と、人体の指などで触れることにより位置入力をする装置とが組み合わされた装置である。図2(b)は携帯端末101の裏面である。裏面には撮影部203が配置されている。なお、本実施例は撮影部203を含むカメラ機能を持つ端末装置ならば利用が可能である。すわなち、適用されるのはカメラ機能を持ったスマートフォンや携帯電話でも、通信機能を持ったデジタルカメラでも構わない。また、原稿を非接触に撮影可能な書画カメラにも適用可能である。
図3は、携帯端末101の内部の構成を示す図である。但し、この構成図は本実施例を実施するための構成の一例である。図3において、CPU301、RAM302、ROM303がデータバス311を介してプログラムやデータを送受信する。また、データバス311には、記憶部304、データ送受信部305、撮像部306、表示部307、操作部308、画像処理部309、モーションセンサ310が接続される。記憶部304、データ送受信部305、撮像部306、表示部307、操作部308、画像処理部309、モーションセンサ310は、CPU301、RAM302、ROM303と併せて、互いにプログラムやデータの送受信を行っている。
記憶部304は、フラッシュメモリであり、画像データや各種プログラムを格納する。データ送受信部305は、無線LANコントローラを有し、無線ルータ102を介して、プリンタ103とのデータの送受信を実現する。撮像部306は、前述のカメラ203であり、原稿の撮影を行って撮影画像を取得する。取得された撮影画像のデータは、記憶部304やRAM302を介して、画像処理部309やCPU301で処理される。処理された画像データは、CPU301により、表示部307での表示、記憶部304への保存、データ送受信部305を介した外部への送信等の後処理が施される。
表示部307は、前述のタッチパネルディスプレイ201を構成するディスプレイであり、カメラ機能を用いて原稿を撮影する際のライブビューによる表示のほか、本実施例の画像処理結果の表示、処理過程の通知や操作に必要な情報などを表示する。操作部308は、前述のタッチパネルディスプレイ201を構成するタッチパネルや操作ボタン202であり、ユーザからの操作を受け付けて各部へ該操作の情報を送信する。モーションセンサ310は、3軸加速度センサ、電子コンパス、3軸角速度センサを搭載しており、公知の技術を利用することにより、携帯端末101の姿勢や移動を検知することが可能である。
なお、CPU301がROM303や記憶部304が保持するプログラムを実行することで、これらの携帯端末101内の構成要素の制御を行う。
<プリンタの構成>
図4は本実施例で用いるプリンタ103の構成を説明する図である。プリンタ103は、コントローラ部400、操作部409、外部メモリ410、プリンタ部411からなる。コントローラ部400は、CPU405は制御プログラム等に基づいて、システムバス408に接続されるプリンタI/F部404を介し、プリンタ部411に画像信号を出力する。なお、制御プログラムはROM407や外部メモリ410に記憶される。また、このROM407は、CPU405の制御プログラム等を記憶する。CPU405は、ネットワークI/F部401およびLAN110を介して、携帯端末101との通信処理が可能となっている。これにより、プリンタ内の情報や、携帯端末101で撮影された画像データなどを携帯端末101と送受信可能に構成されている。RAM406は、CPU405の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
携帯端末101から送信された処理済みの撮影画像データは、ネットワークI/F部401を介してコントローラ部400へ送られる。続いてPDL(ページ記述言語)データ処理部402が、PDL解釈、レンダリングを行って、画像処理部403がプリント出力用画像処理を行い、プリンタ部411が処理済み画像データをプリントする。
<処理の流れの詳細説明>
図6(a)、(b)、(c)は本実施例における入力画像を補正する処理を説明するフローチャートである。図6(a)、(b)、(c)の処理は、携帯端末101(情報処理装置)で実行される。図6(a)、(b)、(c)の処理を実行するプログラムをROM303に格納しておき、CPU301が前記格納されたプログラムをRAM302に読み出して実行することで、図6(a)、(b)、(c)のフローチャートが実行される。
図6(a)は入力画像の補正処理の全体の流れを表している。携帯端末101を用いて撮影部203を含むカメラ機能によって原稿を撮影した画像や、記憶部304に保存されている画像、または外部装置から受信した画像などを入力画像として取得すると処理が開始される。入力画像は原稿画像が含まれていることが前提となる。入力画像に原稿以外の背景領域が含まれている場合は、原稿領域を検出し、検出した原稿領域が矩形領域になるように射影変換を行ったものを入力画像とすればよい。図5(a)は、入力画像の例である。文字列の背景に影があることが分かる。
ステップS610で画像処理部309が入力画像を処理して、入力画像に写り込んでいる撮影環境における影の成分を推定する。この影推定処理の詳細は図6(b)および図7のフローチャートにより後述する。図5(b)は、入力画像図5(a)から推定された影の成分の例である。文字領域以外の影成分だけが推定されていることが分かる。
次に推定された影成分情報を利用して、ステップS620で画像処理部309が入力画像から影成分を除去する処理を実施する。この影除去処理の詳細は図6(c)のフローチャートにより後述する。図5(c)は、入力画像図5(a)から推定された影成分情報(図5(b))を利用して、影成分を除去した例である。正確に影成分が推定されているので、影が問題なく除去されていることが分かる。
図6(b)は影推定処理を説明するフローチャートである。
まず、ステップS611で画像処理部309が入力画像を複数のブロックに分割する。その際、1ブロックの形状や1ブロックに含まれる入力画素数に制限は無いが、例えば1ブロックは縦横同数の入力画素を含む正方形とし、縦横の分割数をそれぞれ8から64程度となるよう決定する。分割数は固定でも、入力画像の条件に従って可変としてもよい。
次にステップS612で画像処理部309が、分割後の各ブロックの代表画素値を算出する。代表画素値はRGB信号(Red、Green、Blueの3チャンネルで表される画像データ)の画素値となる。代表画素値は、ブロックに含まれる複数の入力画素のうち輝度値の高い画素を選択し、それらを利用して決定する。ここでの輝度値は、例えば、RGB色空間をYCbCr色空間に変換した際のY信号である。輝度値としては、L*a*b*色空間のL信号やYUV色空間のY信号を利用してもよい。ここで、原稿の余白領域である、原稿の中で白紙の下地がそのまま残っている領域のことを紙白領域と呼称することとする。代表画素値は、ブロック内に紙白領域が含まれている場合には、影成分の推定値となる。紙白領域は白(8bit信号であればR=255、G=255、B=255)であることが理想的な領域である。カメラで原稿を撮影した入力画像は、その紙白領域に影成分が載ることにより白では無くなっている。つまり、紙白領域の画素値は影成分と考えられる。紙白以外の領域は影が載ることにより、紙白領域よりも暗くなっている。よって、紙白領域がブロック内にある場合は、ブロック内の比較的輝度値の高い領域が紙白領域と推定され、その領域から代表画素値を算出することは、そのブロックの影成分を推定していることになる。ブロック内に、紙白領域がない場合には、代表画素値は最も明るいオブジェクト領域に影が載った際の画素値となる。
各ブロックの代表画素値の算出方法としては、例えば、入力画素各々の輝度値を算出し、ブロック内での最大輝度値をもつ画素の値を代表画素値とする方法がある。また、ブロック内で輝度値の高いほうから既定数画素を選択しそれらの画素値の平均値を算出して代表画素値とする方法などがある。また、ブロック内最大輝度値から既定範囲内の輝度値を持つ画素のみを選択する、または、輝度値ヒストグラムを利用して画素を選択することにより、それらの画素値の平均値を算出し代表画素値とする方法もある。ブロック内の影成分の推定方法としては、計算量が多くなるが、ブロック内のRGB信号をクラスタリングして、各々のクラスタ代表値を算出して、もっとも輝度値の高いクラスタ代表値を代表画素値とする方法も考えられる。
このようにして全ブロックの代表画素値を求めた結果を受けて、ステップS613で、画像処理部309が各ブロックの代表画素値のみで構成されるRGB画像を生成する。各ブロックの代表画素値のみで構成される画像は、入力画像を前述の分割数で規定される画素数を持つ画像に縮小したものであり、この後続く影推定処理の起点画像となる。次にステップS700で画像処理部309が、前記起点画像である縮小画像から影成分のみを残すための補正処理を実施する。この縮小画像補正処理の詳細は図7を用いて後述する。次に、ステップS614で画像処理部309が補正処理済みの縮小画像を拡大することで入力画像と同一サイズの影マップを生成し、影推定処理が終了する。
図6(c)は前記影マップを利用して入力画像から影を除去する処理を説明するフローチャートである。
ステップS621で画像処理部309が入力画像の明るさ成分として代表輝度値を算出する。代表輝度値の決定方法は、前記縮小画像の各画素から算出した輝度値の平均値または中央値とする。なお、代表輝度値は、画像の下地の推定値であるため、入力画像よりもオブジェクトの影響が少ない縮小画像から算出するほうが高精度に求めることができ、演算量も少なくて済む。
ステップS622で画像処理部309が、記憶部304に保持しているテーブルを参照し、前記代表輝度値に対応する補正率Aを決定する。この補正率Aは画像全体に一律に適用される数値である。代表輝度値が暗い場合は、原稿のオブジェクトや下地の影響で、影成分以上に暗く、原稿の紙白領域が存在しない、または、少ないことが想定さる。そのような場合には、下地や原稿のオブジェクトの画素値が影成分の推定値として利用されてしまい、影成分の推定精度が低下し、影成分(影マップ)が暗く推定される。そのような場合に、補正をそのまま行うと、過補正になってしまうため、代表輝度値が暗い場合には補正率を下げる。こうすることにより、過補正を防ぐことが可能となる。
図8(a)は、ステップS622で参照されるテーブルを、グラフに表した例を示す。グラフ縦軸の補正率は、影除去処理における推定影成分の適用率を示しており、例えば入力画像の代表輝度値が32すなわち非常に暗い入力画像であった場合には補正率0%であるので、前記影マップの状態によらず補正(影除去)は一切行わないことを表している。このように、代表輝度値が非常に暗い場合は、推定した影成分(影マップ)が暗い下地の影成分も含んでいる可能性が高く、影除去補正を行わないことにより、暗い下地が白になるような補正がかかることを防ぐことができる。
次に、ステップS623で、画像処理部309が入力画像に含まれる注目画素の値と前記注目画素と同一座標にある前記影マップの画素の値との差分を、入力画像の各画素に対して算出する。本実施例では、差分算出時の入力画像と影マップの形式としてRGB画像を想定しているため、R、G、Bチャンネルごとの差分を求める。例えば、入力画像のある座標(注目画素)の画素値が(Rin(赤成分)、Gin(緑成分)、Bin(青成分))、前記座標と同一の座標にある影マップの画素値が(Rmap(赤成分)、Gmap(緑成分)、Bmap(青成分))であるとする。求められる差分は|Rin−Rmap|、|Gin−Gmap|、|Bin−Bmap|である。ここで|*|は絶対値を表す。使用する差分値は1つであるため、例えば、ここでは、R、G、Bの差分値のうち最大値を選択し、選択された差分値を、この画素の差分値とする。差分値の求め方としては、計算量が多くなるが、入力画像と影マップのRGB値をL*a*b*に変換して、各画素において色差ΔEを求めても良い。
次にステップS624で、画像処理部309が記憶部304に保持しているテーブルを参照し、差分値に対応する補正率Bをこの画素における補正率Bと決定する。この補正率Bは、画素毎に求められた差分値に応じて、画素毎にそれぞれ適用される数値である。図8(b)にここで参照されるテーブルをグラフに表した例を示す。図8(a)同様、グラフ縦軸の補正率は影除去処理における推定影成分の適用率を示している。例えばある画素における入力画像と影マップの差分値が128である場合には補正率80%である。入力画像と影マップの差分値が128の場合、入力画像の画素値が、推定された影の画素値と大きく異なるため、原稿上の何らかのオブジェクト上の画素であると推測される。そのため推定された影成分をそのまま補正するとオブジェクトの色が損なわれる可能性が高い。よって、影成分の補正率を80%にしている。同様に、例えば、入力画像における画素と影マップにおける対応する画素との差分値が0である場合、補正率は100%にしている。この場合、入力画像の画素値と対応する推定された影の画素値の差分が無い、すなわち原稿上の紙白部分の画素であると推測されるため、影成分の補正率を100%にしている。
なお、図8(b)は、入力画像の画素値と対応する影マップの画素値の差分値が大きいほど、補正率は小さくなっている関係を示しているが、差分値が大きくなるほど、線形に補正率が小さくなる関係を示す直線でもよい。
ステップS625で画像処理部309は入力画像、影マップ、補正率A、補正率Bを使って、入力画像の各画素の影成分を除去する(白にする)補正を行う。影成分を除去する補正は、入力画像の各画素の補正率と、影マップの画素値を用いて、入力画像の画素値を補正する。入力画像に含まれる画素kにおける補正率を考慮した影マップの画素値は、1つのチャンネルにつき8bitの画像データに対して算出する場合、下記の式(1)と式(2)で表される。
Figure 2017022621

これを利用してある画素kの画素値は下式のように変換される。
Figure 2017022621

上記式の処理により、R’map(k)、G’map(k)、B’map(k)より明るい画素値が255になるため、入力画像の各画素に対して上記の処理を行うと影除去済みの画像が出力される。
図7は縮小画像補正処理(S700)の詳細を説明するフローチャートである。
ステップS701では画像処理部309が、縮小画像の画素の中で、第1の色範囲に入る画素値を持つ画素の有無を判断する。第1の色範囲とは、白紙を様々な条件下で撮影した場合に得られる画素値として想定される色の範囲である。つまり、紙白部分と想定される色の範囲である。その色範囲の設定方法として例えば、YCbCr色空間を利用する場合は無彩色を表す(Cb,Cr)=(0,0)からある閾値で定義される一定の距離以内を第1の色範囲とする。ステップS701での判断では第1の色範囲に入る画素(無彩色から閾値距離以内にあるCb、Cr値を持つ画素)が1つでもあればYes、無い場合にはNoと判断する。
ステップS702では画像処理部309が縮小画像から色成分代表値を算出する。色成分代表値とは、白紙を撮影した場合に得られる色成分値を入力画像から推定した値を意味する。この値は、影の色成分であり、この後の影除去処理により白に変換されるべき色である。上記第1の色範囲内の画素値を利用して算出するが、ここでは第1の色範囲内の色成分値の平均を色成分代表値として定義する。
続いてステップS704では、ステップS702で算出された色成分代表値を基準に、縮小画像の画素値が、第1の閾値以上離れた色成分値を持つ画素の割合を算出する。ここでは入力画像中の紙白領域ではない領域の割合を求めていることになる。色成分の距離はCb、Cr空間における距離を用いればよい。
ステップS705で、ステップS704で算出された割合が第2の閾値以上であるか否かを画像処理部309が判定する。判定の結果Noである、すなわち入力画像中の紙白領域が一定割合を超えている場合には、白紙をベースとする原稿が撮影されて得られた画像が入力画像であると推測できるため、画像処理部309は入力画像の基本色を白と決定する(S706)。判定の結果Yesである、入力画像中の紙白領域が一定以上の場合には、撮影された原稿が色紙や有彩色のオブジェクトが広範囲に存在するなど、白紙がベースの原稿ではないと推測できるため、画像処理部309が基本色は白ではないと決定する(S707)。
ここで一旦ステップS701の判断がNoの場合に戻る。ステップS703では画像処理部309が色成分代表値を無彩色((Cb,Cr)=(0,0))と定義する。これは、白紙を撮影した場合に得られる色成分値を入力画像から推定することができないため、影除去処理による色成分の変換は行わないためである。また、このとき入力画像に紙白領域はないため、ステップS707で画像処理部309が基本色は白ではないと決定する。
次に、ステップS708では、画像処理部309が縮小画像の全画素について色成分値を参照し、ステップS702で算出した色成分代表値から所定の閾値(第3の閾値)よりも大きい色成分値をもつ画素を、特異画素と判定する。特異画素とは縮小画像内で紙白領域以外を表す画素のことであり、この後、周囲の紙白領域と推定される画素を利用して値が置換されるべき画素である。ここでは、色成分値が代表値から大きく離れている、すなわち白紙とは明らかに色が異なる領域が、特異画素として特定されることを意味する。
ステップS709では、この時点での縮小画像の平均輝度値を画像処理部309が算出する。
ステップS710で、画像処理部309が縮小画像の全画素について輝度成分値を参照し、ステップS709で算出された平均輝度値から、第4の閾値以上に輝度値が離れた画素について、エッジを構成する画素であるか否かを判断する。エッジを構成する画素であるか否かの判断方法は、公知のいかなるエッジ判定手法を適用しても良い。ただし、ここでのエッジ画素は周囲の画素より暗いためにエッジと判定(暗エッジ判定)される画素(暗エッジ)である。周囲より明るいためにエッジ画素判定(明エッジ判定)される画素(明エッジ)については無視をする。これは紙白領域である可能性が低い領域は紙白領域よりも暗いことが想定されるからである。平均輝度値から第4の閾値以上離れた輝度値でありかつ暗エッジ画素であると判断された画素は特異画素と判定される。ステップS710における特異画素は、平均輝度と差異があり、周囲の画素と輝度値が異なるエッジ画素であり、紙白領域である可能性が低い画素である。これは、紙白領域は平均輝度との差分が小さい可能性が高く、影成分しか存在しないため急激な輝度変化がない可能性が高い領域であるためである。なお、第4の閾値を0として、エッジだけに基づいて、特異画素を判定するようにしてもよい。
ステップS711で、画像処理部309がステップS708およびステップS710で特異画素と判定された画素があるか否かを判断し、Yesすなわち特異画素が存在する場合にはステップS712に進む。
ステップS712では、画像処理部309が特異画素の輝度値を周辺画素から求めた輝度値に置換する処理を行う。この処理は、紙白領域ではないと判定された特異画素を、紙白領域と推測される周辺画素から算出した輝度値で置換することを意味している。実際の処理として、隣接する複数の画素のうち、処理対象画素よりも所定以上輝度が明るくかつ特異画素では無い画素を選択し、それらの画素群の輝度値の平均値を算出して、処理対象画素の輝度値として決定する方法などが適用される。選択される隣接画素が存在しない場合には未置換の特異画素が残るため、この処理を未置換の特異画素が無くなるまで繰り返す(ステップS713)。なお、条件によっては特異画素が無くならない場合があるため、そのような場合は一定回数ループしたら、隣接する画素すべての輝度値の平均値を処理対象画素の輝度値にするなど特異画素が無くなるように置換条件を変更すればよい。
ここまでの処理で、色が白紙とは明らかに異なる領域と、エッジ領域の画素の輝度値の置換が完了するが、比較的大きな面積を占めるオブジェクトが含まれていた場合には、その外周のみが置換されて内部が残されているためステップS709に戻る。ステップS709、S710では再度エッジ部の特異画素判定を行い、ステップS712でその特異画素の輝度値の置換処理が行われる。これを繰り返すことで、オブジェクトの領域に相当する画素が、周囲の紙白領域の情報で置換される。ステップS710における特異画素判定は、置換すべき特異画素が無くなるとステップS711でNoと判断され、ステップS714へと進む。なお特異画素が一定数を下回った場合に、ステップS711でNoと判断するようにしてもよい。
また、既に特異画素判定がされた画素領域のうち紙白領域の可能性が高い領域については、ステップS710における特異値画素判定の対象外とすることにより、処理の高速化を図ってもよい。紙白領域の可能性が高い領域というのは、置換した結果の輝度値が平均輝度値から一定の範囲内になったような正しい置換が行われた可能性が高い領域である。この処理には、処理の高速化だけではなく、ノイズ画素の影響による影推定の誤差が、繰り返し処理のために広範囲に広がるのを防ぐ効果もある。
この処理フローの例を図9に示す。図9(a)はステップS709への最初に入力される画像である。矩形のオブジェクト領域があり、この領域では画素値が正しい影成分の推定値となっていない。色がついていない部分は紙白領域であり、正しい影成分が推定されている。ステップS709およびステップS710で特異値判定された結果が、図9(b)である。斜線部が特異画素と判定された部分であり、矩形領域のエッジ部分が特異画素として判定されている。ステップS712において、この特異画素を周囲の紙白領域の画素で置換した結果が図9(c)である。矩形のオブジェクト領域は残っているものの、矩形領域の大きさが減少していることが分かる。図9(c)は、ステップS709への2回目の入力となる。2回目のステップS709およびステップS710で特異値判定された結果が、図9(d)である。続いて、2回目のステップS712において、この特異画素を周囲の紙白領域の画素で置換した結果が図9(e)である。さらに、矩形領域が減少していることが分かる。図9(e)は、ステップS709への3回目の入力となる。3回目のステップS709およびステップS710で特異値判定された結果が、図9(f)である。続いて、3回目のステップS712において、この特異画素を周囲の紙白領域の画素で置換した結果が図9(g)である。矩形領域が消滅していることが分かる。図9(g)はステップS709への4回目の入力となるがステップS709およびステップS710で特異値判定がされず、ステップS711で特異画素数が0と判定され、ステップS714へ分岐し、繰り返し処理が終了する。このような繰り返し処理により、大きなオブジェクト領域があっても、問題なく周囲の画素で置換が可能であることが分かる。
ステップS714では画像処理部309が、基本色情報に基づいて輝度成分のゲイン調整値を決定する。例えば、基本色が白である場合、紙白領域が多いため、影推定を入力画像に基づいて高精度で行うことができる。ただし、推定した影成分はブロックごとの代表値であるため、ブロック内には、より暗い影がある可能性もある。そのため、影の輝度成分分布に従った影除去を強めに(より明るくするように)実施するためのゲイン調整値に決定する。基本色が白でない場合には、紙白領域が存在しない、もしくは少ないために、影推定精度が低く、推定した影成分に下地やオブジェクト色が含まれている可能性が高い。そのために、推定された影成分をそのまま除去してしまうと過補正になってしまう。そこで、影の輝度成分分布に従った影除去を弱めに実施して過度の変換を防止するためのゲイン調整値に決定する。ステップS715で画像処理部309が、縮小画像に含まれるすべての画素について、ステップS714で決定されたゲイン調整値を輝度値に乗算することにより、全画素の輝度成分値を変換する。
次にステップS716で画像処理部309が全画素の色成分値を一律にステップS702またはステップS703で決定された色成分代表値に置換する。
以上の処理により、縮小画像からオブジェクトの要素を除去して、影成分の分布に変換された画像が生成される。なお、最終的に生成される画像は、RGB画像となる。途中の処理において輝度成分や色成分の修正・置換があるため、図7のフロー処理を行う際には、一旦、YCbCr画像に変換して、そのYCbCr画像に対して処理を行って、最後にRGB画像に変換してもよい。または、各ステップで画素単位にRGB値からYCbCr値を計算し、YCbCr値が修正された場合には、その値をRGB値に戻すようにしてもよい。
実施例1によれば、入力画像と影成分画像(影マップ)との対応する画素の値の差分値が大きいほど影成分を除去する補正量を小さくするため、撮影した画像に含まれるオブジェクトに写り込んだ影成分の過補正を防ぐことができる。
〔実施例2〕
実施例1では、影マップと入力画像との画素の差分値に応じた補正量調整により、影除去時の過補正を防止する方法を説明した。実施例1の影除去では、入力画像の影を適切に明るくする処理を行っている。それに対して本実施例ではさらに、入力画像に含まれる原稿上の黒い文字の可読性を高めるために、無彩色付近の色成分を有する画素値の補正率を調整し、入力画素値よりも暗く変換する方法を説明する。なお、実施例1と共通の構成については説明を省略する。
図10は本実施例の処理の流れを説明するフローチャートで、実施例1における影除去処理(図6(c))に代わる処理である。
まず、ステップS1001で画像処理部309がRGB入力画像をL*a*b*画像に変換する。ステップS1002で画像処理部309が入力画像の代表輝度値を算出する。ここではステップS1001でL*a*b*に変換した結果から算出しても構わないが、実施例1と同様に縮小画像から算出しても構わない。ステップS1003で画像処理部309が、ステップS1002で算出された代表輝度値に対応する補正率Aを決定する。これは実施例1と同様で例えば図8(a)のグラフで表されるテーブルに基づいて決められる。
ステップS1004で画像処理部309がRGB影マップをL*a*b*画像に変換する。ステップS1005以降は画素ごとの処理であり、未処理画素が無くなるまで繰り返される。ステップS1005で画像処理部309は未処理画素の有無を判断し、未処理画素が無ければ処理を終了し、未処理画素が有れば、以降の未処理画素の変換処理に進む。
ステップS1006で画像処理部309が、入力画像のある座標における画素値(Lin,ain、bin)と、前記座標と同一座標にある影マップ画像の画素値(Lmap,amap,bmap)との色差ΔEを下記の式(3)により算出する。
Figure 2017022621

ステップS1007で画像処理部309が、処理対象の画素値から彩度C*を、下記の式(4)により算出する。
Figure 2017022621

ステップS1008で画像処理部309が、ステップS1006およびステップS1007で算出された色差ΔEと彩度C*とに基づいて、補正率Bを決定する。補正率Bは実施例1で示した図8(b)を基準とし、処理対象画素の彩度C*に応じたオフセット値で調整される。図11(a)は彩度C*とオフセット値との関係をグラフに表したものである。彩度C*が低いほど(無彩色に近いほど)マイナスのオフセット値が多い、つまり補正率を低下させる調整を行うことを示している。図11(b)は3種類の彩度に対応する補正率Bを表したグラフである。「通常時の画素別補正率」は図8(b)と同様であり、彩度C*の値が充分大きい場合に適用される補正率である。「無彩色に近い画素に適用する画素別補正率」は彩度C*=16の場合に適用される補正率を表している。「無彩色の画素に適用する画素別補正率」は彩度C*=0つまり無彩色の場合に適用される補正率である。
ステップS1009で画像処理部309が、ステップS1003とステップS1008で決定された補正率を利用してダイナミックレンジ補正を行う。ここで、処理対象画素が無彩色であり、かつ、補正率Bがマイナスである場合、入力画素値よりも出力画素値のほうが小さく(濃く)補正される理由を説明する。実施例1での変換式のうちRチャンネルのみを例にすると、画素kにおける補正率適用後の影マップの値は、
Figure 2017022621

であるが、B(k)がマイナスであるためR’map(k)は必ず255よりも大きな値となる。この値を使って入力画像の画素kの画素値を、
Figure 2017022621

式(6)で算出すると、Rout(k)<Rin(k)となり、入力画素値よりも出力画素値のほうが濃い変換となる。
以上のような処理を行うことにより、入力画素値の彩度に応じて補正量を調整できるため、原稿上の黒い文字などの過補正を防ぎ、可読性を損なうことのない影除去処理を行うことができる。
〔実施例3〕
実施例1では、縮小画像の輝度成分の特異画素を補正した後に行う、影除去の強さを調整するためのゲイン調整値として既定の2つの係数を持ち、基本色が白であるか否かでそれらの係数を使い分けていた。本実施例ではゲイン調整値の設定をより細かく行うことで影を除去する精度を向上する方法を説明する。なお、実施例1と共通の構成については説明を省略する。
図12は本実施例の処理の流れを説明するフローチャートで、実施例1における基本色情報に基づいてゲイン調整値を決定する処理(S714)に相当する。S714以外の処理については、図7のフローチャートの処理と同様である。
ゲイン調整値とは、S713までに縮小画像の輝度値を操作することで求めた影の分布を表す画像(輝度成分分布画像)の明るさを調整する値である。ゲイン調整値が1であれば、輝度成分分布画像は変化しない。ゲイン調整値を1未満とした場合、輝度成分分布画像は暗くなり、その後の影除去処理でゲイン調整値が1のときと比較して、入力画像が明るく変換される。ゲイン調整値を1より大きい値とした場合には輝度成分分布画像は明るくなり、その後の影成分処理でゲイン調整値が1のときと比較して入力画像が暗く変換される。
ステップS1201で画像処理部309が基本色情報を参照、基本色情報に従って処理を分岐する。基本色が白である場合、ステップS1202に進み画像処理部309が通常用ゲイン調整値をセットする。通常用ゲイン調整値は、白紙を撮影したときの影に相当する画像が正しく推定されていると仮定して、調整しないすなわちゲイン調整値=1と定義された値である。ただし、ここで推定されている影成分はブロック単位で求めた値であるため、ブロック内に存在し得る、より暗い影にも対応するため1よりごく小さい値、例えば0.95が適用される。
基本色が白ではなく、かつ色成分代表値が算出されていない場合にはステップS1204に進み、画像処理部309が無白領域用ゲイン調整値をセットする。無白領域用ゲイン調整値は、入力画像に原稿上の白い領域と推測される領域が存在しない場合に適用する値である。白領域が存在しないため、ここまでに生成された輝度成分分布画像には本来影として除去してはならない色に対応する輝度成分が含まれている。しかし撮影時に生じた影による輝度成分と除去してはならない色に対応する輝度成分を分離することは困難であるため、既定のゲイン調整値により輝度成分分布画像を調整して影除去の強度を弱める。この既定ゲイン調整値として、例えば1.10を適用する。
基本色が白ではなく、かつ色成分代表値が算出されている場合にはステップS1203に進み、画像処理部309が少白領域用ゲイン調整値をセットする。このとき、入力画像に原稿上の白い領域と推測される領域がわずかに存在するため、その場所における影による輝度成分の推定精度は高い。しかし、その他の多くの領域では本来影として除去してはならない色に対応する輝度成分が含まれている。そのため無白領域用ゲイン調整値に固定する方法もあるが、わずかに存在する白い領域の輝度成分情報を利用してゲイン調整値を入力画像の画素値に応じて変化させることで、より適切な影除去強度の調整を行う。
図13はこのときのゲイン調整値を示すグラフである。Lwは上記のわずかな白い領域の輝度成分情報から算出した輝度成分の代表値であり、例えば白い領域と判断された画素の輝度成分平均値などで定義する。より詳細には図7ステップS701で利用した第1の色範囲内かつ白紙を撮影したときの通常の影の濃さと考えられる輝度値を満たす画素の輝度値の平均値で定義する。これに対しLcは白い領域外から算出した輝度成分の代表値である。例えば、上記第1の色範囲外の画素の輝度値を利用するが、その中で明るい側から既定割合(例えば30%)の画素数分のみの画素の輝度値を選択しそれらの平均値をこの代表値と定義する。白領域の代表値Lwより明るい画素は、その場所の影を正しく推定できていると仮定し、ゲイン調整値は通常用と同等の0.95とする。白領域外の代表値Lcより暗いい画素は、影ではない色に対応する輝度成分が含まれていると仮定できるため、無白領域用と同等の1.10を適用することができる。または、場所が異なるもののわずかに存在する白領域の代表値Lwが求められているため、LcをLw相当まで明るく調整するために、ゲイン調整値をLw/Lcと定義してもよい。LcからLwの間の輝度値を持つ画素は、その値に応じてゲイン調整値を0.95からLw/Lcの間で変化させる。図13の例では線形に変化させていて、例えば輝度値Lxの場合のゲイン調整値Gxは下記の式(7)で求められる。
Figure 2017022621

以上のように、入力画像に白領域が多く含まれている場合、白領域が少ない場合、白領域が無い場合に分けて、推定された影成分の明るさを調整することにより、その後の影成分を除去する強度を適切に調整できる。その結果、入力画像から撮影時に生じた影の除去精度が向上する。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

Claims (10)

  1. 原稿画像を撮影することで得られた入力画像の注目画素の画素値と、前記入力画像に写り込んでいる撮影環境における影成分を示す画像において前記注目画素と同一座標にある画素値との差分値を算出する算出ステップと、
    少なくとも、前記入力画像の前記注目画素における前記差分値に応じた補正率に基づき、前記入力画像の前記注目画素の画素値から前記注目画素における影成分を補正する補正ステップとを有することを特徴とする情報処理方法。
  2. 前記差分値が大きいほど前記補正率が低くなることを特徴とする請求項1に記載の情報処理方法。
  3. 前記算出ステップは、前記入力画像の前記注目画素の赤成分と前記影成分を示す画像の前記注目画素と同一座標にある画素の赤成分との差分値と、前記入力画像の前記注目画素の緑成分と前記影成分を示す画像の前記注目画素と同一座標にある画素の緑成分との差分値と、前記入力画像の前記注目画素の青成分と前記影成分を示す画像の前記注目画素と同一座標にある画素の青成分との差分値とを算出することを特徴とする請求項1乃至2のいずれか一項に記載の情報処理方法。
  4. 前記補正ステップは、前記算出ステップにおいて算出された赤成分と緑成分と青成分の差分値の中で、差分値が最大である色成分の差分値に応じた補正率に基づき、前記入力画像における前記注目画素の画素値の補正を行なうことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理方法。
  5. 前記補正ステップは、前記影成分が白になるように前記入力画像の影成分を補正することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理方法。
  6. 前記補正ステップは、さらに、前記入力画像の明るさに応じた補正率に基づき、前記影成分を補正することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理方法。
  7. 前記入力画像の明るさが小さいほど前記補正率が低くなることを特徴とする請求項6に記載の情報処理方法。
  8. 前記入力画像の画素値は、撮影環境における影成分を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理方法。
  9. 原稿画像を撮影することで得られた入力画像の注目画素の画素値と、前記入力画像に写り込んでいる撮影環境における影成分を示す画像において前記注目画素と同一座標にある画素値との差分値を算出する算出手段と、
    少なくとも、前記入力画像の前記注目画素における前記差分値に応じた補正率に基づき、前記入力画像の前記注目画素の画素値から前記注目画素における影成分を補正する補正手段とを有することを特徴とする情報処理装置。
  10. コンピュータに、請求項1から8のいずれか一項に記載の情報処理方法の各ステップを実行させるためのプログラム。
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