JP2017022272A - アクティブシールド設置位置決定方法及びアクティブシールド設置位置決定装置 - Google Patents

アクティブシールド設置位置決定方法及びアクティブシールド設置位置決定装置 Download PDF

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卓 笹川
佳仁 加藤
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Abstract

【課題】磁気シールドによる重量増を低減させつつ磁気シールドの効果を高める。【解決手段】アクティブシールド設置位置決定方法が、磁界を低減させたい対象空間を囲む遮蔽境界面を決定する遮蔽境界面決定ステップと、磁界の測定データに基づいて前記遮蔽境界面の磁界を打ち消す磁界を算出する磁界算出ステップと、磁気シールドとして流す電流の面密度である遮蔽電流面密度を、前記磁界算出ステップで算出した磁界に基づいて算出する遮蔽電流面密度算出ステップと、前記遮蔽電流面密度に応じて電流を流すようにアクティブシールド部材の設置位置を決定する部材設置位置決定ステップと、を含む。【選択図】図8

Description

本発明は、アクティブシールド設置位置決定方法及びアクティブシールド設置位置決定装置に関する。
電気鉄道におけるフィルタリアクトル上部や、磁気浮上式列車における超電導磁石など、比較的磁気が強い部分から客室内への磁気を遮蔽するために、強磁性体の磁気シールド板を用いた磁気シールドが行われている(特許文献1参照)。
特許第5694582号公報
強磁性体の磁気シールド板(例えば鉄板)を用いて鉄道車両に磁気シールドを施す場合、磁気シールド板の重量により鉄道車両の重量が増し、鉄道車両の軽量化が望まれる場合がある。特に、磁気シールドの効果を高めるために磁気シールド板を厚くすると磁気シールド板の重量が増してしまう。
本発明は、磁気シールドによる重量増を低減させつつ磁気シールドの効果を高めることができるアクティブシールド設置位置決定方法、アクティブシールド設置位置決定装置、アクティブシールド設置方法及びアクティブシールド電流算出装置を提供する。
本発明の第1の態様によれば、アクティブシールド設置位置決定方法は、磁界を低減させたい対象空間を囲む遮蔽境界面を決定する遮蔽境界面決定ステップと、磁界の測定データに基づいて前記遮蔽境界面の磁界を打ち消す磁界を算出する磁界算出ステップと、磁気シールドとして流す電流の面密度である遮蔽電流面密度を、前記磁界算出ステップで算出した磁界に基づいて算出する遮蔽電流面密度算出ステップと、前記遮蔽電流面密度に応じて電流を流すようにアクティブシールド部材の設置位置を決定する部材設置位置決定ステップと、を含む。
パッシブシールドを構成する磁性体に囲まれている領域内における前記磁性体の隙間に対応する部分に電線を配置する電線配置ステップと、前記隙間における磁界、及び、前記隙間の幅に基づいて、前記電線に流す直流電流の大きさを算出する電流算出ステップと、を含み、前記磁界算出ステップでは、前記電線配置ステップで配置した電線に、前記電流算出ステップで算出した電流を流した場合の、前記遮蔽境界面の磁界を打ち消す磁界を算出する、ようにしてもよい。
パッシブシールドを構成する磁性体に囲まれている領域内における前記磁性体の隙間に対応する部分に電線を配置する電線配置ステップと、前記パッシブシールドを構成する磁性体に囲まれている領域内の点の磁界と、前記隙間から前記点までの距離とに基づいて、前記電線に流す直流電流の大きさを算出する電流算出ステップと、を含み、前記磁界算出ステップでは、前記電線配置ステップで配置した電線に、前記電流算出ステップで算出した電流を流した場合の、前記遮蔽境界面の磁界を打ち消す磁界を算出する、ようにしてもよい。
本発明の第2の態様によれば、アクティブシールド設置位置決定装置は、磁界を低減させたい対象空間を囲む遮蔽境界面の磁界を打ち消す磁界を磁界の測定データに基づいて算出する磁界算出部と、磁気シールドとして流す電流の面密度である遮蔽電流面密度を、前記磁界算出部が算出した磁界に基づいて算出する遮蔽電流面密度算出部と、前記遮蔽電流面密度に応じて電流を流すようにアクティブシールド部材の設置位置を決定する部材設置位置決定部と、を備える。
パッシブシールドを構成する磁性体に囲まれている領域内における前記磁性体の隙間に対応する部分に配置された電線に流す直流電流の大きさを、前記隙間における磁界、及び、前記隙間の幅に基づいて算出する電流算出部を備え、前記磁界算出部は、前記電流算出部が算出した電流を前記電線に流した場合の、前記遮蔽境界面の磁界を打ち消す磁界を算出する、ようにしてもよい。
パッシブシールドを構成する磁性体に囲まれている領域内における前記磁性体の隙間に対応する部分に配置された電線に流す直流電流の大きさを、前記パッシブシールドを構成する磁性体に囲まれている領域内の点の磁界と、前記隙間から前記点までの距離とに基づいて算出する電流算出部を備え、前記磁界算出部は、前記電流算出部が算出した電流を前記電線に流した場合の、前記遮蔽境界面の磁界を打ち消す磁界を算出する、ようにしてもよい。
本発明によれば、磁気シールドによる重量増を低減させつつ磁気シールドの効果を高めることができる。
本発明の第1の実施形態におけるアクティブシールド(Active Shield)の局所的な設置例を示す説明図である。 同実施形態にて強磁性体シールドの隙間から漏れる磁界の強度のモデルの例を示す説明図である。 同実施形態にて強磁性体シールドの隙間に対してアクティブシールドを設置する処理手順の例を示す説明図である。 同実施形態におけるアクティブシールド電流算出装置の機能構成の例を示す概略ブロック図である。 本発明の第2の実施形態での磁気シールドを施したい空間を囲む面の決定例を示す説明図である。 同実施形態における遮蔽電流面密度の向きの例を示す説明図である。 2つの超電導体を隣接して配置した場合の電流の向きの例を示す説明図である。 同実施形態にて遮蔽境界面に遮蔽電流面密度を算出してアクティブシールド部材の設置位置を決定する処理手順の例を示す説明図である。 同実施形態にて得られる遮蔽電流面密度の例を示す説明図である。 同実施形態のアクティブシールドを設置する効果の例を示す説明図である。 同実施形態におけるアクティブシールド設置位置決定装置の機能構成を示す概略ブロック図である。 同実施形態にてフィルタリアクトルからの磁力を低減させるシールドの構成例を示す説明図である。 同実施形態におけるシールドをフィルタリアクトルの妻面側から見た例を示す説明図である。 同実施形態における補助巻き線が無い場合の磁界の例を示す説明図である。 同実施形態における補助巻き線がある場合の磁界の例を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態におけるアクティブシールド(Active Shield)の局所的な設置例を示す説明図である。ここでいうアクティブシールドは、超電導体又は常伝導体に電流を流して用いられる磁気シールドである。図1では、車両の断面図を車両の長手方向側(車両進行方向側)から見た例が示されている。
図1の例では、車両100の左右にコイルが設けられている。以下では、図に向かって右側のコイルを右側コイル121と称し、左側のコイルを左側コイル122と称する。右側コイル121から左側コイル122へ、矢印B11で示される磁界が発生している。
このように発生している磁界に対し、車両100内部の磁界を軽減させるために、車両100の底面、左右の側面の下方部分の各々に強磁性体シールド(パッシブシールド、Passive Shield)が設けられている。以下では、車両100の底面の強磁性体シールドを底部強磁性体シールド111と称する。また、図に向かって右側の側面の強磁性体シールドを右側部強磁性体シールド112と称し、図に向かって左側の側面の強磁性体シールドを左側部強磁性体シールド113と称する。強磁性体シールドは、例えば鉄板又はフェライト板など、強磁性体の板(磁気シールド板)を用いて構成される。
底部強磁性体シールド111と右側部強磁性体シールド112との間には意図せざる隙間(Gap)G11が生じる場合がある。この隙間G11からの磁界(漏れ磁界)による車両100内部の磁界上昇を低減させるため、隙間G11の箇所(底部強磁性体シールド111と右側強磁性体シールド112との角部)に電線2を配線し、電線2に電流を流すことでアクティブシールドを設ける。同様に、底部強磁性体シールド111と左側部強磁性体シールド113との間には隙間G12が生じる場合がある。この隙間G12により車両100内部の磁界が上昇するのを防止するため、隙間G12の箇所(底部強磁性体シールド111と左側強磁性体シールド113との角部)に電線2を配線し、電線2に電流を流すことでアクティブシールドを設ける。なお、電線2の配線箇所は完全に隙間G11またはG12に一致している必要はなく、隙間G11またはG12の近傍(例えば所定の距離以内)であればよい。
配線した電線2に流す電流は、例えばモデル計算にて求める。
図2は、強磁性体シールドの隙間から漏れる磁界の強度のモデルの例を示す説明図である。同図の例では、x軸、y軸それぞれに強磁性体シールドS1、S2が設けられており、これら2枚の強磁性体シールドS1、S2が接合する角部に隙間GPが生じている。この隙間GPからの磁界によりシールド対象領域A1の磁界が上昇するのを防止するため、隙間GPの箇所に電線2が配線されている。
ここで、隙間部分の磁界をHgとし、隙間GPの幅をlとする。この場合、電線2に流す直流電流Iを式(1)により決定する。
ここで「・」はスカラー積を示す。
例えば、代表的な値μHg=0.343テスラ(T)、l=0.001メートル(m)を用いると、直流電流Iは273アンペア(A)となる。ここで、μは真空の透磁率を示す。
あるいは、隙間からの距離(2枚の強磁性体シールドの接合部分からの距離)rの箇所で漏れ磁界強度Hを測定し、直流電流Iを式(2)により決定するようにしてもよい。
図2の強磁性体シールドS1、強磁性体シールドS2、隙間GPは、それぞれ、図1の右側部強磁性体シールド112、底部強磁性体シールド111、隙間G11に対応付けることができる。また、図2の強磁性体シールドS1、強磁性体シールドS2、隙間GPは、それぞれ、図1の左側部強磁性体シールド113、底部強磁性体シールド111、隙間G12に対応付けることもできる。
次に、図3を参照して、強磁性体シールドの隙間に対してアクティブシールドを設置する処理手順について説明する。
図3は、強磁性体シールドの隙間に対してアクティブシールドを設置する処理手順の例を示す説明図である。
同図の処理にて、アクティブシールドの設置者(以下、単に設置者と称する)は、強磁性体シールドの隙間の磁界Hgと、隙間の幅lとを測定する(ステップS101)。
また、設置者は、アクティブシールドのための電線の配線場所を、強磁性体シールドの隙間の箇所またはその近傍に決定する(ステップS102)。
次に、設置者は、アクティブシールドのために電線に流す直流電流Iを、ステップS101での測定値及び式(1)に基づいて算出する(ステップS103)。
そして、設置者は、ステップS102で決定した配置に電線を設置し、ステップS103で算出した直流電流Iを供給する電流供給部を電線に接続して、電線に直流電流を流す(ステップS104)。
ステップS104の後、図3の処理を終了する。
なお、図2を参照して説明したように、ステップS101で、強磁性体シールドの隙間の磁界Hg及び隙間の幅lに代えて、隙間からの距離rの箇所で漏れ磁界強度Hを測定するようにしてもよい。
なお、ステップS104の後、電線に直流電流Iを流した状態で磁界を測定し、電線に流す直流電流Iを磁界測定結果に基づいて調整するようにしてもよい。
なお、電線に流す直流電流の大きさを装置が算出するようにしてもよい。
図4は、本実施形態におけるアクティブシールド電流算出装置の機能構成の例を示す概略ブロック図である。同図に示すように、アクティブシールド電流算出装置10は、入力部11と、電流算出部12とを備える。アクティブシールド電流算出装置10は、例えばコンピュータにて実現される。
入力部11は、パッシブシールドを構成する磁性体の隙間における磁界の測定値、及び、隙間の幅の測定値の入力を受ける。入力部11は、アクティブシールド電流算出装置10が備える入力デバイスにて実現される。
電流算出部12は、パッシブシールドを構成する磁性体に囲まれている領域内における磁性体の隙間に対応する部分に配置される電線に流す直流電流の大きさを算出する。具体的には、電流算出部12は、入力部11が取得した磁界の測定値、及び、幅の測定値に基づいて直流電流の大きさを算出する。電流算出部12は、例えばアクティブシールド電流算出装置10の備えるCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)が、アクティブシールド電流算出装置10の備える記憶デバイスからプログラムを読み出して実行することで実現される。
あるいは、入力部11が、パッシブシールドを構成する磁性体に囲まれている領域内の点の磁界の測定値、及び、当該磁性体の隙間から当該点までの距離の測定値の入力を受けるようにしてもよい。そして、電流算出部12が、入力部11が取得した磁界の測定値、及び、距離の測定値に基づいて直流電流の大きさを算出するようにしてもよい。
以上のように、本実施形態におけるアクティブシールド設置方法は、パッシブシールドを構成する磁性体に囲まれている領域内における磁性体の隙間に対応する部分に電線を配置する電線配置ステップと、隙間における磁界、及び、当該隙間の幅に基づいて、電線に流す直流電流の大きさを算出する電流算出ステップと、を含む。
これにより、本実施形態におけるアクティブシールド設置方法によれば、パッシブシールドを構成する磁性体の隙間からの漏れ磁界を低減させるために適切な大きさの電流を流すことができ、磁気の遮蔽を効率よく行うことができる。また、アクティブシールドを用いることで、パッシブシールドを用いる場合よりも重量の増加を低減させて漏れ磁界の低減効果を得ることができる。この点で、本実施形態におけるアクティブシールド設置方法によれば、磁気シールドによる重量増を低減させつつ磁気シールドの効果を高めることができるという効果を得られる。
あるいは、電流算出ステップでは、パッシブシールドを構成する磁性体に囲まれている領域内の点の磁界と、隙間から当該点までの距離とに基づいて、電線に流す直流電流の大きさを算出するようにしてもよい。
これにより、本実施形態におけるアクティブシールド設置方法によれば、上記の場合と同様、磁気シールドによる重量増を低減させつつ磁気シールドの効果を高めることができるという効果を得られる。
ここで、磁気シールド板を用いたパッシブシールドでは、磁気シールド板の接合部(例えば角部)で磁気シールド板の隙間が生じて磁界が上昇し易いと考えられる。これに対し、本実施形態のアクティブシールド設置方法によれば、磁界が上昇しやすい磁気シールド板の接合部にて効果的に磁界の上昇を低減させることができる。
また、本実施形態のアクティブシールド設置方法にて適切な電流の大きさを算出することで、アクティブシールドの電線に銅線又はアルミニウム線などの常伝導体を用いた場合でも、必要な電力量が実現可能な電力量となることが期待される。超電導体を用いる必要がない点で、アクティブシールドによる重量増を低減させることができる。
なお、人感センサ等を用いて、磁気シールドの対象となる空間に人がいるか否かを検知し、人がいない場合にはアクティブシールドの電流をオフにするようにしてもよい。これにより、消費電力を低減させることができる。
なお、本実施形態におけるアクティブシールド設置方法は、鉄道車両に限らず色々な対象に適用することができる。例えば、停車中に用いられる乗降装置、又は、乗降装置と車両との間の磁気シールドに、本実施形態におけるアクティブシールド設置方法を適用するようにしてもよい。この場合、アクティブシールド用の電力を車両からではなく地上側から供給するようにしてもよい。これにより、車両の電源容量を増加させる必要無しにアクティブシールドを施すことができる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、磁気シールドを施したい空間(磁界を低減させたい空間)を囲む面を決定し、決定した面における電流の面密度を求めてアクティブシールドを設置する。
図5は、本発明の第2の実施形態での磁気シールドを施したい空間を囲む面の決定例を示す説明図である。図5では、車両の断面図を車両の長手方向側(車両進行方向側)から見た例が示されている。図5に示される各部のうち、図1の各部と同様の部分には同一の符号(100、111、112、113、121、122、B11、G11、G12)を付して説明を省略する。
また、強磁性体シールド(底部強磁性体シールド111、右側部強磁性体シールド112、及び、左側部強磁性体シールド113)の内側に、磁気シールドを施したい空間を囲む面が設定(決定)されている。以下では、磁気シールドを施したい空間を囲んで決定された面を遮蔽境界面と称する。遮蔽境界面は、磁気シールドを施したい領域と、その外部の領域との境界面である。
ここで、磁気シールドのために流す電流の遮蔽境界面P11での面密度(以下、遮蔽電流面密度と称する)は、電磁学の教科書に記されているように遮蔽境界面P11に対する磁界接線成分に大きさが比例し、この磁界接線成分に直交する向きになる。遮蔽境界面P11に対する磁界接線成分をHtとし、遮蔽境界面P11に対する法線単位ベクトルをnとすると、遮蔽電流面密度Jは、式(3)のように示される。
ここで、「×」はベクトルの外積を示す。
図6は、遮蔽電流面密度の向きの例を示す説明図である。同図の例では、遮蔽境界面P11に対する磁界接線成分Htと、遮蔽境界面P11に対する法線単位ベクトルnとが示されている。法線単位ベクトルnは、図6の奥側から手前側へ向かうベクトルである。この場合、遮蔽電流面密度Jの方向は、同図に示すように、磁界接線成分Ht、法線単位ベクトルnのいずれとも直交する方向となる。
このように電流分布(電流面密度)を算出して電流を流すことで、流した電流が有効に磁気遮蔽に寄与する。
図7は、2つの超電導体(バルク超電導体又は超電導コイル)を隣接して配置した場合の電流の向きの例を示す説明図である。同図の例では、超電導体W11とW12とが隣接して配置されている。また、超電導体W11、W12それぞれを流れる電流が矢印で示されている。この場合、矢印B21で示される電流及び矢印B22で示される電流のように、互いに逆向きで隣接する電流は磁界を打ち消し合う。この点で、アクティブシールドの電流利用効率が悪い。
これに対し、遮蔽境界面について算出する遮蔽電流面密度は、電流の差分(矢印B21で示す電流と矢印B22で示す電流との差)そのものを予め計算して設定することに相当し、アクティブシールドを効率よく生成することができる。
次に、図8を参照して、遮蔽境界面の遮蔽電流面密度を算出してアクティブシールド部材の設置位置を決定する処理手順について説明する。
図8は、遮蔽境界面の遮蔽電流面密度を算出してアクティブシールドの設置位置を決定する処理手順の例を示す説明図である。
同図の処理にて、アクティブシールドの設計者(以下、単に設計者と称する)は、シールドを施したい空間を囲む面(遮蔽境界面)を決定する(ステップS201)。
次に、設計者は、遮蔽境界面の磁界を打ち消すために生じさせるべき磁界を算出する(ステップS202)。具体的には、設計者は、遮蔽境界面の磁界を排除する境界条件を、遮蔽境界面P11に沿って設定して磁界を評価する。この磁界の評価には、有限要素法や差分法を用いた数値的方法や、解析解を用いた方法など、一般的な解析手法を用いることができる。あるいは、磁界の実測値を近似的に用いて磁界の評価を行うようにしてもよい。
そして、設計者は、ステップS202で算出した磁界に基づき遮蔽電流面密度を算出する(ステップS203)。具体的には、設計者は、ステップS202で算出した磁界の遮蔽境界面に対する接線成分と、遮蔽境界面に対する法線方向単位ベクトルとの外積を取り、遮蔽境界面における電流の面密度を算出する。
そして、設計者は、得られた遮蔽電流面密度を近似的に実現するための離散的な電流線路を求め、配線する(ステップS204)。
ステップS204の後、図8の処理を終了する。
図9は、ステップS203で得られた遮蔽電流面密度の例を示す説明図である。同図の横軸は、車両の長手方向(車両の進行方向)を示し、縦軸は、車両側面部の高さ方向に底部(床)及び天井を加えた、車両における縦の断面の周方向を示す。この解析例は磁気スカラーポテンシャル法での計算値(磁気スカラーポテンシャル値)を遮蔽境界面P11に沿って示したものであり、この等高線図の微分(勾配)が遮蔽境界面P11に沿う磁界接線成分(接線方向の磁束密度)Htとなる。従って、この等高線に沿った方向は紙面に対する法線単位ベクトルnに対しても等高線の勾配である磁界接線成分Htに対しても直交するので、この磁気スカラーポテンシャル値の等高線に沿った方向がその点における遮蔽電流面密度の方向となる。
結局、ステップS204にて設計者は、例えば図9に示される等高線に沿ってアクティブシールド部材(電線またはコイル)を配置する。また、電線またはコイルに流す電流は、等高線の密度(勾配)に比例した大きさの直流電流とする。以上では、本発明におけるアクティブシールド部材の設計に、磁気スカラーポテンシャル法を用いた計算法を適用する場合を例に説明したが、磁気スカラーポテンシャル法以外の色々な磁界解析手法を適用することも可能であるし、磁界測定値そのものを用いることも可能である。
なお、アクティブシールドとして常伝導体、超電導体のいずれを用いるようにしてもよい。
なお、ステップS204の後、設置したアクティブシールド部材(電線又はコイル)に直流電流Iを流した状態で磁界を測定し、電線又はコイルに流す直流電流Iを磁界測定結果に基づいて調整するようにしてもよい。
図10は、アクティブシールドを設置する効果の例を示す説明図である。同図では、強磁性体シールドを設置していない場合、設置した場合のそれぞれについて、アクティブシールドコイルを設置したとき、設置していないときそれぞれの磁界の計算値を示している。
強磁界シールドとしては、図5に示す例で床と、床から高さ1メートルまでの側面とに強磁性体シールドを設置した場合を想定している。また、アクティブシールドとしては、図5〜図9を参照して説明した、遮蔽境界面の遮蔽電流密度を算出する方法でアクティブシールドを設置した場合を想定している。
また、磁界の計算値としては、遮蔽境界面で囲まれた領域について3次元計算で求めた磁界の平均値を、強磁性体シールド、アクティブシールドのいずれもない場合の値を基準(1)とした相対値で示している。
図10を参照すると、磁性体シールドがある場合、磁性体シールドがない場合のいずれも、アクティブシールドを設けることで磁界が大幅に低減されている。
なお、以上ではアクティブシールドの設計者がアクティブシールドの設置位置を決定する場合を例に説明したが、装置がアクティブシールドの設置位置を決定するようにしてもよい。
図11は、本実施形態におけるアクティブシールド設置位置決定装置の機能構成を示す概略ブロック図である。同図に示すように、アクティブシールド設置位置決定装置20は、入力部21と、演算部22とを備える。演算部22は、磁界算出部23と、遮蔽電流面密度算出部24と、部材設置位置決定部25とを備える。アクティブシールド設置位置決定装置20は、例えばコンピュータにて実現される。
入力部21は、磁界を低減させたい対象空間及びその周辺空間の磁界測定データと、磁界を低減させたい対象空間を囲む遮蔽境界面の位置情報とを取得する。入力部21は、アクティブシールド設置位置決定装置20が備える入力デバイスにて実現される。
演算部22は、入力部21が取得したデータに基づいて、アクティブシールド部材の設置位置を決定する。演算部22は、例えばアクティブシールド設置位置決定装置20の備えるCPUが、アクティブシールド設置位置決定装置20の備える記憶デバイスからプログラムを読み出して実行することで実現される。
磁界算出部23は、遮蔽境界面の磁界を打ち消す磁界を磁界の測定データに基づいて算出する。
遮蔽電流面密度算出部24は、遮蔽電流面密度(磁気シールドとして流す電流の面密度)を、磁界算出部23が算出した磁界に基づいて算出する。
部材設置位置決定部25は、遮蔽電流面密度の等高線に沿って電流を流すようにアクティブシールド部材の設置位置を決定する。
以上のように、本実施形態におけるアクティブシールド設置位置決定方法は、磁界を低減させたい対象空間を囲んで遮蔽境界面を決定する遮蔽境界面決定ステップと、決定した遮蔽境界面の磁界を打ち消す磁界を算出する磁界算出ステップと、アクティブシールドとして流す電流の面密度である遮蔽電流面密度を、磁界算出ステップで算出した磁界に基づいて算出する遮蔽電流面密度算出ステップと、連続的な遮蔽電流面密度を離散的な電気回路に電流を流すことにより近似的に実現するアクティブシールド部材の設置位置を決定する部材設置位置決定ステップとを含む。
このように遮蔽境界面に流す電流の面密度を算出して電流を流す方向を決定することで、流した電流が有効に磁気の遮蔽に寄与し、磁気の遮蔽を効率よく行うことができる。特に、パッシブシールドに加えてアクティブシールドを施す際、どの方向に電流を流せば磁気の遮蔽を効率よく行えるかを把握することができる。また、アクティブシールドを用いることで、パッシブシールドのみで磁気の遮蔽の効果を得る場合よりも重量を低減させることができる。
例えば、磁気を遮蔽したい空間の寸法が2倍になると、アクティブシールドによる重量の増加に比べパッシブシールドによる重量の増加は2倍になる。従って、扱う対象の基本寸法が大きくなるほどアクティブシールドの方が重量面で有利になる。
この点で、磁気シールドによる重量増を低減させつつ磁気シールドの効果を高めることができるという効果を得られる。
ここで、磁気シールド板を用いたパッシブシールドでは、磁気シールド板の接合部(例えば角部)で磁気シールド板の隙間が生じて磁界が上昇し易いと考えられる。また、鉄道車両にパッシブシールドを施す場合、重量増を低減させるため、図5のように車両の周囲の一部(図5の例では天井部分及び側面の上側)にパッシブシールドを設けないことが考えられる。この場合、磁気シールド板の切れ目(端部)で磁界が上昇し易いと考えられる。これに対し、本実施形態のアクティブシールド設置位置決定方法によれば、磁界に応じた電流を流すので、磁界が上昇しやすい磁気シールド板の接合部及び磁気シールド板の切れ目にて効果的に磁界の上昇を低減させることができる。
また、従来の超電導体を用いたアクティブシールドの場合、図7のように隣接するコイル電流(またはバルク体を流れる電流)の差分が実質的なアクティブシールド電流になっているものが多いが、本発明は差分に相当する電流を直接設計して流しているので遮蔽電流が有効に利用されており、例え常伝導体を用いても軽量なアクティブシールド重量と現実的な消費電力を達成できる。このように本実施形態のアクティブシールド設置位置決定方法にて適切な電流の大きさを算出することで、アクティブシールドの電線に常伝導体を用いた場合でも、必要な電力量が実現可能な範囲となることが期待される。超電導体を用いる必要がない点で、アクティブシールドによる重量増を低減させることができる。なお本発明において、アクティブシールドを構成するコイルの選択肢としての超電導コイルを排除するものではない。
本構成のもう一つのメリットについて述べる。磁気シールド効果を高め磁界を低減させる方法として、パッシブシールドを2重にする方法がある。この場合、外側の磁性体(通常の鉄材)に比べてより高透磁率を有する磁性体(パーマロイ等)を内側の磁気シールドとして用いるのが通例である。この場合、外側の磁気シールドと内側の磁気シールドを十分離さないと、高透磁率材を用いた内側の磁気シールドが先に飽和してしまい磁界低減効果が損なわれる可能性がある。しかしながら、外側の磁気シールドと内側の磁気シールドの離隔を十分取ることは、旅客スペースの確保が重要な鉄道車両に取っては好ましいことでない。これに対し、本発明の第2の実施形態に係る磁気シールドでは、外側のパッシブシールドと内側のアクティブシールドとを離す必要性が少ない。従来の磁気シールドと比較して本実施形態の磁気シールドの有効性を示すもう一つの特徴である。
なお、人感センサ等を用いて、磁気シールドの対象となる空間に人がいるか否かを検知し、人がいない場合にはアクティブシールドの電流をオフにするようにしてもよい。これにより、消費電力をさらに低減させることができる。
なお、本実施形態におけるアクティブシールド設置位置決定方法は、鉄道車両に限らず色々な対象に適用することができる。例えば、停車中に用いられる乗降装置、又は、乗降装置と車両との間の磁気シールドに、本実施形態におけるアクティブシールド設置位置決定方法を適用するようにしてもよい。この場合、アクティブシールド用の電力を車両からではなく地上側から供給するようにしてもよい。これにより、車両の電源容量を増加させる必要無しにアクティブシールドを施すことができる。
<第3の実施形態>
本実施形態では、鉄道用フィルタリアクトルからの磁気を低減させる磁気シールドとしてパッシブシールドとアクティブシールドとを併用する例について説明する。ここでいうフィルタリアクトルは、高調波等の電気的ノイズを除去するためのコイルである。鉄道用フィルタリアクトルは、車載の制御装置等から生じる電気的ノイズを架線に流さないといった目的で直流電車(直流電力の供給を受ける電車)に設置されている。一般的には、鉄道用フィルタリアクトルは車両の底面に(従って、車両の外側に)設けられる。
従来はパッシブシールドのみで鉄道用フィルタリアクトル(以下、単にフィルタリアクトルと称する)を磁気シールドする手法が用いられてきた。パッシブシールドのみでフィルタリアクトルを磁気シールドする場合、フィルタリアクトル全体を強磁性体で覆い、かつ、かつ十分な磁気シールド厚みを確保すれば、高い磁気遮蔽性能を得ることができる。しかしながら、通常、フィルタリアクトルは大気による通風で適度に冷却されており、フィルタリアクトル全体を鉄板等の強磁性体で覆うと、通風による冷却を行えなくなる点で問題がある。
そこで、本実施形態では、パッシブシールドにアクティブシールドを組み合わせて、フィルタリアクトルを冷却するための通風を確保しながら磁気遮蔽性能の向上を図る。
例えば、フィルタリアクトルを覆う面のうち、天井面及び側面をパッシブシールドで磁気遮蔽する。妻面については大部分をアクティブシールドにし、部分的にパッシブシールドを併用する。
ここでいう天井面は、フィルタリアクトルの上側に位置する面である。側面は、フィルタリアクトルの側方に位置する面(フィルタリアクトルの長手方向に沿う面)である。妻面は、フィルタリアクトルの前後に位置する面(フィルタリアクトルの長手方向と直交する面)である。
但し、フィルタリアクトルからの磁気を低減させる磁気シールドは、上記のように天井面、側面及び妻面に設けられるものに限らず、フィルタリアクトルの少なくとも一部を覆ういろいろな構成とすることができる。
フィルタリアクトルの場合アクティブシールドに流す電流はフィルタリアクトル本体に流す電流に比例させることが必要である。そこで例えばアクティブシールドとして通電するコイルをフィルタリアクトルの本体のコイルに直列に接続して実現する。
本実施形態では、磁気シールドを施す面(上述したフィルタリアクトルの例では、底面を除く5つの面)のうち、天井及び側面にパッシブシールドを設け、妻面の大部分にはアクティブシールドを設けて妻面の一部にパッシブシールドを設ける。このように、本実施形態では磁気シールドを施す場所毎にパッシブシールドとアクティブシールドとを使い分ける。この点で、第1の実施形態及び第2の実施形態で、磁気シールドを施す同一の場所の外側と内側等にアクティブシールドとパッシブシールドとを設けたのと異なる。
磁気シールドを施す場所毎にパッシブシールドとアクティブシールドとを使い分けることで、フィルタリアクトルからの磁気を低減させることができるという効果に加えて、次の効果も見込まれる。妻面に設置したアクティブシールドにより強磁性体(鉄板)に入る磁束が排除されて減少する。この点で、アクティブシールドを設置したことでパッシブシールド用の鉄板を薄くすることができる。
図12は、フィルタリアクトルからの磁力を低減させるシールドの構成例を示す説明図である。同図の例に示すシールド600は、パッシブシールドを構成する鉄板610と、アクティブシールドを構成する補助巻き線620とを備える。また、シールド600にはフィルタリアクトル700が設置されており、フィルタリアクトル700は主巻き線710を備える。
図12は、シールド600を下から見た図を示している。図12の例では、鉄板610は鉄道車両の底面外側に設置され、鉄板610の下面に補助巻き線620及びフィルタリアクトル700が設けられている。また、矢印B31は、鉄板610の長さ方向(長手方向)を示す。フィルタリアクトル700は、フィルタリアクトル700の長手方向が鉄板610の長さ方向(従って、矢印31の方向)に沿うように設置される。矢印B32は、鉄板610の幅方向を示す。
鉄板610の長さは1000ミリメートル(mm)、幅は700ミリメートルである。
主巻き線710の巻き数は12巻きである。補助巻き線620として1巻きのコイルが2つ設けられており、補助巻き線620の巻き数は合計2巻きである。主巻き線の12巻きで1つのコイルを構成する。一方、主巻き線と補助巻き線とは別個のコイルを構成する。
主巻き線710、補助巻き線620共に、鉄板610の幅方向(矢印B32方向)の長さは475ミリメートルである。
主巻き線710は鉄板610の中央に設けられている。主巻き線710の巻き線間の間
は約50ミリメートルである。フィルタリアクトル700の長辺(矢印B31の方向の辺)の長さは約600ミリメートルである。また、主巻き線710と補助巻き線620との間隔は100ミリメートルである。
図13は、シールド600をフィルタリアクトル700の妻面側(図12の矢印B21の方向)から見た例を示す説明図である。同図の矢印B32は、図12の場合と同様、鉄板610の幅方向を示す。矢印B33は、鉄板610の高さ方向を示す。
鉄板610の上面には、厚さ25ミリメートルの磁気シールド平板部がある。鉄板610の厚さは、磁気シールド平板部を除いて100ミリメートル、磁気シールド平板部を含めると125ミリメートルとなる。また、鉄板610の側面および底面には、磁気シールド折り曲げ部がある。
フィルタリアクトル700の妻面側から見ると、主巻き線710、補助巻き線620のいずれも1辺の長さが475ミリメートルの正方形の形状を有している。主巻き線、副巻き線のいずれも、磁気シールド折り曲げ部の厚さ分(25ミリメートル程度)、鉄板610に埋まって設置されている。
補助巻き線620には、主巻き線710に流す電流と反対向きの電流を流す。
図14は、補助巻き線620が無い場合の磁界の例を示す説明図である。同図では、鉄板610の上面(図12に示す面の反対面)から上方100ミリメートルの面における磁界の強度の計算値を、基準値を1とした相対値で示している。なお、図14では、図12に示す鉄板610の上面の対称性により、鉄板610の上面(図12に示す面の反対面)から上100ミリメートルの面の一部のみを示している。図14の点P21は、図12に示す鉄板610の中心の真上に位置する点である。また、矢印B31にて示されるように図12の横方向と図14の横方向とが対応し、矢印B32にて示されるように図12の縦方向と図14の縦方向とが対応している。
図15は、補助巻き線620がある場合の磁界の例を示す説明図である。図14の場合と同様、図15では、鉄板610の上面(図12に示す面の反対面)から上100ミリメートルの面における磁界の強度の計算値を、基準値を1とした相対値で示している。また、図14の場合と同様、図15では、図12に示す鉄板610の上面の対称性により、鉄板610の上面(図12に示す面の反対面)から上方100ミリメートルの面の一部のみを示している。図15の点P31は、図12に示す鉄板610の中心の真上に位置する点である。また、矢印B31にて示されるように図12の横方向と図15の横方向とが対応し、矢印B32にて示されるように図12の縦方向と図15の縦方向とが対応している。
図15は、主巻き線710に流す電流と同じ大きさかつ逆向きの電流を補助巻き線620に流した場合の例を示している。
図14に示す磁界の強度と図15に示す磁界の強度とを比較すると、図15の例のほうが図14の例の場合よりも磁界が低減されている。図15の例では、アクティブシールドコイル(補助巻き線620)の配置により、フィルタリアクトル全体を鉄板で覆うことなく、最大磁界強度を図15の場合の約3分の2に低減させることができた。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、第2の実施形態で説明した図5において強磁気体シールド111、112、113が無い場合、すなわち本発明で提案するアクティブシールドのみを用いて磁界源である右側コイル121と左側コイル122の磁気遮蔽を行ってもよい。
また、上記した第1〜第3の実施形態のうち2つまたは3つを組み合わせて実施するようにしてもよい。例えば、第1の実施形態で説明したように、アクティブシールドを構成する磁性体の隙間に電線を配置し、電線に流す直流電流の大きさを算出し、第2の実施形態における処理では、算出した電流を当該電線に流した場合の遮蔽境界面の磁界を打ち消す磁界を算出するようにしてもよい。
また、図11を参照して説明したアクティブシールド設置位置決定装置が、図4を参照して説明した電流算出部を備えて、上記のように第1の実施形態で説明した処理と第2の実施形態で説明した処理とを組み合わせて実行するようにしてもよい。
10 アクティブシールド電流算出装置
11、21 入力部
12 電流算出部
20 アクティブシールド設置位置決定装置
22 演算部
23 磁界算出部
24 遮蔽電流面密度算出部
25 部材設置位置決定部
600 磁気シールド
610 鉄板
620 補助巻き線
700 フィルタリアクトル
710 主巻き線

Claims (6)

  1. 磁界を低減させたい対象空間を囲む遮蔽境界面を決定する遮蔽境界面決定ステップと、
    磁界の測定データに基づいて前記遮蔽境界面の磁界を打ち消す磁界を算出する磁界算出ステップと、
    磁気シールドとして流す電流の面密度である遮蔽電流面密度を、前記磁界算出ステップで算出した磁界に基づいて算出する遮蔽電流面密度算出ステップと、
    前記遮蔽電流面密度に応じて電流を流すようにアクティブシールド部材の設置位置を決定する部材設置位置決定ステップと、
    を含むアクティブシールド設置位置決定方法。
  2. パッシブシールドを構成する磁性体に囲まれている領域内における前記磁性体の隙間に対応する部分に電線を配置する電線配置ステップと、
    前記隙間における磁界、及び、前記隙間の幅に基づいて、前記電線に流す直流電流の大きさを算出する電流算出ステップと、を含み、
    前記磁界算出ステップでは、前記電線配置ステップで配置した電線に、前記電流算出ステップで算出した電流を流した場合の、前記遮蔽境界面の磁界を打ち消す磁界を算出する、請求項1に記載のアクティブシールド設置位置決定方法。
  3. パッシブシールドを構成する磁性体に囲まれている領域内における前記磁性体の隙間に対応する部分に電線を配置する電線配置ステップと、
    前記パッシブシールドを構成する磁性体に囲まれている領域内の点の磁界と、前記隙間から前記点までの距離とに基づいて、前記電線に流す直流電流の大きさを算出する電流算出ステップと、を含み、
    前記磁界算出ステップでは、前記電線配置ステップで配置した電線に、前記電流算出ステップで算出した電流を流した場合の、前記遮蔽境界面の磁界を打ち消す磁界を算出する、請求項1に記載のアクティブシールド設置位置決定方法。
  4. 磁界を低減させたい対象空間を囲む遮蔽境界面の磁界を打ち消す磁界を磁界の測定データに基づいて算出する磁界算出部と、
    磁気シールドとして流す電流の面密度である遮蔽電流面密度を、前記磁界算出部が算出した磁界に基づいて算出する遮蔽電流面密度算出部と、
    前記遮蔽電流面密度に応じて電流を流すようにアクティブシールド部材の設置位置を決定する部材設置位置決定部と、
    を備えるアクティブシールド設置位置決定装置。
  5. パッシブシールドを構成する磁性体に囲まれている領域内における前記磁性体の隙間に対応する部分に配置された電線に流す直流電流の大きさを、前記隙間における磁界、及び、前記隙間の幅に基づいて算出する電流算出部を備え、
    前記磁界算出部は、前記電流算出部が算出した電流を前記電線に流した場合の、前記遮蔽境界面の磁界を打ち消す磁界を算出する、請求項4に記載のアクティブシールド設置位置決定装置。
  6. パッシブシールドを構成する磁性体に囲まれている領域内における前記磁性体の隙間に対応する部分に配置された電線に流す直流電流の大きさを、前記パッシブシールドを構成する磁性体に囲まれている領域内の点の磁界と、前記隙間から前記点までの距離とに基づいて算出する電流算出部を備え、
    前記磁界算出部は、前記電流算出部が算出した電流を前記電線に流した場合の、前記遮蔽境界面の磁界を打ち消す磁界を算出する、請求項4に記載のアクティブシールド設置位置決定装置。
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