JP2008253126A - 磁気浮上機構 - Google Patents

磁気浮上機構 Download PDF

Info

Publication number
JP2008253126A
JP2008253126A JP2007313171A JP2007313171A JP2008253126A JP 2008253126 A JP2008253126 A JP 2008253126A JP 2007313171 A JP2007313171 A JP 2007313171A JP 2007313171 A JP2007313171 A JP 2007313171A JP 2008253126 A JP2008253126 A JP 2008253126A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
levitation
track
traveling
side wall
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007313171A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5009138B2 (ja
Inventor
Taku Sasagawa
卓 笹川
Masao Urabe
正男 浦部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Railway Technical Research Institute
Original Assignee
Railway Technical Research Institute
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Railway Technical Research Institute filed Critical Railway Technical Research Institute
Priority to JP2007313171A priority Critical patent/JP5009138B2/ja
Publication of JP2008253126A publication Critical patent/JP2008253126A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5009138B2 publication Critical patent/JP5009138B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Vehicles With Linear Motors And Vehicles That Are Magnetically Levitated (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、浮上力を付加的に付与し、走行体を浮上させるための浮上コイルの負荷を低減させることができる磁気浮上機構を提供する。
【解決手段】本発明は、軌道1の側壁2の上部に、浮上走行体4の走行方向に沿うように超電導磁石8との間に吸引力を発生させる磁性体12を配置する。そして、この磁性体12により生じる吸引力によって、浮上走行体4に対する浮上力を付加的に増加させ、走行体4を浮上させるための浮上コイル10の負荷を低減する。
【選択図】図1

Description

本発明は浮上走行体(車体)の浮上力の向上を図ることが可能な誘導反発式の磁気浮上機構に関する。
従来、この種の誘導反発式の磁気浮上機構として、下記の特許文献1に示される技術が知られている。この公報に示される磁気浮上機構は、両側に側壁を有しこれら側壁間にU字溝を形成する軌道と、この軌道のU字溝に沿って走行される浮上走行体と、この浮上走行体の両側部に設けられた超電導磁石と、軌道の側壁内側に浮上走行体の超電導磁石と対向しかつ該浮上走行体の走行方向に沿うように配置された複数の浮上案内兼用電気コイルと、を有するものであって、これら浮上案内兼用電気コイル間に生じる誘導電流によって浮上走行体に浮上力を発生させる。また、それぞれの浮上案内兼用電気コイルは、軌道の両側壁にそれぞれ2つづつ上下に取付け、かつその巻線の端部が電気的に接続されているものであって、浮上走行体が走行する際に、浮上走行体上の磁石によって作られた磁束、及び浮上案内兼用電気コイルを貫通することによって発生する電圧の互いの相殺により、側壁面に取付けた浮上案内兼用電気コイルのみで浮上走行体の浮上ならびに走行案内を可能とする。
特公平7−55003号公報
ところで、上記公報に示される磁気浮上機構では、浮上案内兼用電気コイルによって軌道内の浮上走行体に対して浮上力が付与されるものであるが、その際、浮上走行体は、浮上案内兼用電気コイルから得た浮上力によって全ての浮上がなされるものであるので、浮上案内兼用電気コイルに負担がかかり、該コイルの耐久性を低下させるという問題があった。また、浮上案内兼用電気コイルに電流が流れることにより、該コイルが必要以上に加熱して温度上昇が生じ、浮上走行体の走行に対して余計な抵抗が生じるという問題があった。
更に、前述の浮上案内兼用電気コイルに負担がかかり、該コイルの耐久性を低下させるという問題、コイルが必要以上に加熱して温度上昇が生じ、浮上走行体の走行に対して余計な抵抗が生じるという問題を解決する際、できるだけ低コストで実現できること、更なる走行抵抗の低減を実現できることが好ましい。
更にまた、この種の磁気浮上走行体において、複線区間を想定した場合、対向車線側の磁界が、隣接する他の車線側の浮上走行体に影響を及ぼすことが懸念されている。
本発明は、従来の有していた問題を解決しようとするものであって、軌道の側壁に設けた磁性体により浮上力を付加的に付与し、走行体を浮上させるための浮上コイルの負荷を低減させることができる磁気浮上機構の提供を目的とする。
また、本発明は、走行体を浮上させるための浮上コイルの負荷を低減させることをできる限り低コストで実現し、浮上力補助の実現を図るとともに、複線区間における対向車線側の磁界の影響を排除することができる軸浮上機構の提供を目的とする。
そして、上記目的を達成するために本発明の課題解決手段では、両側に側壁を有しこれら側壁間にU字溝を形成する軌道と、この軌道のU字溝に沿って走行する浮上走行体と、この浮上走行体の両側部に設けられた超電導磁石と、軌道の側壁内側にて浮上走行体の超電導磁石と対向しかつ該浮上走行体の走行方向に沿うように配置された浮上・推進コイルと、を有する磁気浮上機構であって、前記軌道の側壁の上部でかつ前記浮上コイルの上方位置には、前記浮上走行体の走行方向に沿うように、超電導磁石との間に吸引力を発生させる磁性体が配置されていることを特徴とする。
本発明の課題解決手段では、前記磁性体は、複数の鉄線の周囲を絶縁体で被覆してなる鉄線束により形成されていることを特徴とする。
本発明の課題解決手段では、前記磁性体は、複数の鉄線が撚り合わされて前記軌道の側壁の鉄筋を形成するプレストレス鋼線であることを特徴とする。
本発明の課題解決手段では、前記磁性体は、磁性体基板を複数、フラックスバリア層となる非磁性体層を介して積層してなる積層鉄心により形成されていることを特徴とする。
本発明の課題解決手段では、前記磁性体は、磁性体基板と非磁性体層の面方向を浮上走行体の進行方向に沿わせ、前記側壁の厚さ方向に積層方向を向けて前記側壁に配置されてなることを特徴とする。
本発明の課題解決手段では、前記磁性体基板が、磁性粉末の焼結合金板からなることを特徴とする。
本発明の課題解決手段では、前記浮上走行体の側部には、垂直軸を中心として回転自在なガイドローラが設けられており、前記磁性線状体は、側壁内面に沿って設けられて、前記走行浮上体が揺動した際に、ガイドローラと接触するガイドレールであることを特徴とする。
本発明の磁気浮上機構では、軌道の側壁の上部でかつ前記浮上コイルの上方位置に、浮上走行体の走行方向に沿うように超電導磁石との間に吸引力を発生させる磁性体を配置したので、この磁性体により生じる吸引力によって、浮上走行体に対する浮上力を付加的に増加させることができる。これによって走行体を浮上させるための浮上コイルの負荷を低減させ、浮上コイルの耐久性が低下すること、浮上コイルが必要以上に加熱して抵抗が生じることを防止できる効果がある。
また、本発明の磁気浮上機構では、複数の鉄線の周囲を絶縁体で被覆してなる鉄線束により磁性体を構成したので、鉄線束内の磁束により生じる渦電流が個々の鉄線内に限定され、複数の鉄線間を跨って流れる渦電流が抑止されるため、過大な磁気抗力を生じさせることなく、これによって磁性体と超電導磁石との間にて、吸収力を効率よく発生させることができる。また、絶縁体により鉄線を個々に被覆しているので、鉄線に対する防錆効果も得られる。
また、本発明の磁気浮上機構では、複数の鉄線が撚り合わされかつ軌道の側壁の鉄筋を形成するプレストレス鋼線を、磁性体として用いることも可とする。すなわち、軌道の側壁の鉄筋を形成するプレストレス鋼線を、浮上走行体に対して補助的な浮上力を与える磁性体に兼用して構成を共通化することで、全体の構造を簡素化することが可能となる。
本発明の磁気浮上機構では、磁性体基板を複数、非磁性体層を介して積層してなる積層鉄心により磁性体を形成したので、複数の鉄線の周囲を絶縁体で被覆してなる鉄線束により磁性体を構成する場合に比較し低コストで目的を実現できる効果を奏する。即ち、1本1本の鉄線を個々に絶縁して撚り合わせて製造するよりも、磁性体基板と非磁性体層を交互積層する方が製造が容易にでき、安価に提供できる。
また、積層鉄心により磁性体を構成する場合、磁性体基板と非磁性体層の面方向を浮上走行体の進行方向に沿わせ、前記側壁の厚さ方向に積層方向を向けて前記側壁に配置することにより、磁性体基板を用いていても、渦電流損失を抑制しつつ必要な吸引力を効率良く発生させ、目的を達成できる。即ち、浮上走行体の超電導磁石からの磁界が積層鉄心に作用した場合であっても、積層面に入る磁界成分をできるだけ小さくできるので、渦電流損失を小さくしながら目的を達成できる。
また、浮上走行体の側部に、垂直軸を中心として回転自在で前記軌道の側壁内面に接触するガイドローラを設け、前記走行浮上体が揺動した際に、このガイドローラに、側壁内面に沿って設けたガイドレールを接触させるものにおいて、本発明では、ガイドレールを磁性体で構成した。つまり、本発明では、磁性体をガイドレールと兼用させており、これにより、上記と同様に全体の構造を簡素化することが可能となる。
以下に本発明の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。
図1は本発明に係わる磁気浮上機構の正面概略図であって、この図において符号1は軌道である。この軌道1は、両側に側壁2を有しこれら側壁2間にU字溝3を形成するものであって、この軌道1のU字溝3に沿って浮上走行体4が走行する(図1では紙面と直交する方向に走行する)。この浮上走行体4は、台車5と、この台車5の上方に空気バネ6を介して連結された車体7とを具備するものであって、台車5の下部には、U字溝3上の車輪走行路3Aを走行する車輪(図示略)、補助車輪(図示略)が設けられている。
この浮上走行体4の両側には超電導磁石8が設けられている。また、浮上走行体4には超電導磁石8にヘリウムを供給するヘリウムタンクが設けられているが、図面上では省略されている。一方、軌道1の側壁2内側には、浮上走行体4の超電導磁石8と対向しかつ該浮上走行体4の走行方向に沿うように浮上コイル10及び推進コイル11が設けられている。浮上コイル10は側壁2に上下に配置されているものであって、超電導磁石8との間に吸引力を発生させ、この吸引力から、軌道1のU字溝3内にて浮上走行体4を浮上させる浮上力を発生させる。また、推進コイル11は、U字溝3内にて浮上した浮上走行体4を軌道1に沿って走行させる推進力を与えるものである。なお、これら浮上コイル10及び推進コイル11については、「背景技術」に示した特公平7−55003号公報の他、特開平8−205315号公報、特開2006−14420号公報等に詳細に示される。また、本実施形態では、浮上コイル10及び推進コイル11を別体にしたが、背景技術の特許文献1に示されるような一体型のものを使用しても良い。
一方、軌道1の側壁2の上部でかつ浮上コイル10の直上位置には、浮上走行体4の走行方向に沿うように超電導磁石8との間に吸引力を発生させる磁性体(磁性線状体)12が配置されている。この磁性線状体12は、例えば、図2に示されるように、複数の鉄線13の周囲を絶縁体14で被覆してなる鉄線束により形成されているものであって、各鉄線束内には、矢印Aで示すような磁束が形成され、この磁束によって、超電導磁石8との間に浮上走行体4を浮上させるための浮上力となる吸引力(図1に符号Bで示す)が発生する。また、このような磁性線状体12では、複数の鉄線13の周囲を被覆した絶縁体14が設けられているので、図2に符号Cで示すような渦電流が発生したとしても、これら鉄線束内の磁束により生じる渦電流が個々の鉄線13内に限定され、複数の鉄線13間を跨って流れる渦電流が抑止されるため、過大な磁気抗力を生じさせることなく、これによって磁性線状体と超電導磁石との間にて、吸収力を効率良く発生させることができる。
以上詳細に説明した本実施形態に示される磁気浮上機構では、軌道1の側壁2の上部でかつ浮上コイル10の直上位置に、浮上走行体4の走行方向に沿うように超電導磁石8との間に吸引力を発生させる磁性線状体12を配置したので、この磁性線状体12により生じる吸引力によって、浮上走行体4に対する浮上力を付加的に増加させることができる。
これによって、走行体4を浮上させるための浮上コイル10の負荷を低減させ、浮上コイル10の使用過多により耐久性が低下すること、浮上コイル10が必要以上に加熱して走行抵抗が生じることを防止できる効果がある。
また、上記の磁気浮上機構では、複数の鉄線13の周囲を絶縁体14で被覆してなる鉄線束により磁性線状体12を構成したので、鉄線束内の磁束により生じる渦電流が個々の鉄線13内に限定され、複数の鉄線13間を跨って流れる渦電流が抑止されるため、過大な磁気抗力を生じさせることなく、これによって磁性線状体と超電導磁石との間にて、吸収力を効率よく発生させることができる。
なお、浮上コイル10の上方に配置した磁性線状体12は、付加浮上力を可能な限り大きくするため、浮上コイル10の上方位置でかつ該浮上コイル10に近接した位置(すなわち直上位置)に設置し、かつ超電導磁石8に近接した位置に設置することが好ましい。
また、上記磁性線状体12として上述した複数の鉄線13の周囲を絶縁体14で被覆してなる鉄線束を使用せず、軌道1の側壁2を形成するコンクリート内の鉄筋に磁性を帯びさせたものを、上述した磁性線状体12として使用し、このような磁性線状体12によって浮上走行体4に対して付加的な浮上力を付与しても良い。また、このような軌道1の側壁2を形成する鉄筋を使用した場合に、この鉄筋として、複数の鉄線が撚り合わされて側壁2に対してプレストレス(圧縮力)を与えるプレストレス鋼線を使用しても良い。すなわち、軌道1の側壁2内にある鉄筋を、浮上走行体4に対して補助的な浮上力を与える磁性線状体12に兼用することで構成を共通化しかつ全体の構造を簡素化することができる。
また、上述した磁性線状体として、複数の鉄線13の周囲を絶縁体14で被覆してなる鉄線束、又は軌道1の側壁2の鉄筋を使用することに限定されず、軌道1の側壁2の内面に浮上走行体4の走行方向に沿うように設けられた図3に示す構成のガイドレール20を使用しても良い。
このガイドレール20は、図3に示されるように、浮上走行体4の側部にある垂直軸21を中心として回転自在なガイドローラ22に接触されるものであって、その接触は、ガイドローラ22が、例えば進行方向と直交する方向に浮上走行体4が揺動した場合になされる。そして、このようなガイドレール20を磁性体で構成する、すなわち、軌道1の側壁2の内面に、浮上走行体4のガイドローラ22に接触する線状磁性体からなるガイドレール20を設けることにより、付加的に浮上力を与えるための手段を、ガイドローラ22のレールと兼用して構成を共通化することができ、上記と同様に全体の構造を簡素化することが可能となる。
また、側壁2に沿って配置される磁性線状体12は、側壁2の継ぎ目部分において切れ目が生じ、この部分において補助的な浮上力が弱まり走行浮上体4に振動が生じることになるが、これを防止するために、このような継ぎ目部分に追加的に磁力を付与する磁力発生装置を設け、浮上力を連続して維持することが好ましい。
図4は、先の図1に示す実施の形態における磁気浮上機構において、磁性線状体(磁性体)12に代えて積層鉄心からなる磁性体30を設けた例について示す正面概略図であり、図4に磁性体30を部分的に拡大してその斜視状態を示す。図4に示す形態の磁気浮上機構において、図1に示す磁気浮上機構と同等の構成部分には同一符号を付してそれら構成部分の説明は略する。
図4に示す形態においては、磁性線状体12が設けられていた部分に積層鉄心30として、磁性体基板31をフラックスバリアとなるべき樹脂などの非磁性体層32を介して複数積層してなる積層構造の鉄心を用いた点に特徴を有する。
前記積層鉄心30の磁性体基板31は、鉄板、珪素鋼板、あるいはFe系の強磁性体合金材料からなる磁性体基板から、あるいは強磁性体合金粉末を絶縁層で被覆してなる強磁性体粉末複合体を焼結した焼結材料製の磁性体基板などから形成されている。磁性体基板31を構成する材料として、その他、一般的には飽和磁束密度が大きく、かつ、ヒステリシス損失が小さく、電気伝導率の小さい磁性材料などを適用することが好ましい。
前記フラックスバリアとなるべき非磁性体層32は樹脂などの絶縁性の非磁性体基板などからなる磁気的絶縁層であることが好ましい。そのためには、FRP(ガラス繊維強化樹脂)などのように強度的に高く絶縁性に優れた樹脂が好ましく、この他には、鉄系の合金材料のうち、非磁性体からなる材料など、前述の磁性体と線膨張係数の近い材料からなることが好ましい。
この形態に示す積層鉄心30を先の形態の磁性線状体12の代わりに設けることで先の形態と同様に超電導磁石8との間に浮上走行体4を浮上させるための浮上力となる吸引力(図4に符号Bで示す)を発生させることができ、先の形態と同等の効果を得ることができる。
また、この形態では積層構造の磁性体基板31と非磁性体層32をそれらの面を縦方向(垂直方向)にしてそれらの面方向を台車5の走行方向に向け、側壁2の厚さ方向(枕木方向)に磁性体基板31と非磁性体層32の積層方向を向けることが好ましい。(図4の矢印で示す積層鉄心30の拡大図とその方向参照)
これは、図4の積層鉄心30に対して超電導磁石8からの磁界が矢印Eに示す如く作用することを考慮すると、この磁界Eに沿って磁性体基板31の面方向が揃っている方が渦電流損失が生じ難いためである。これに対して図4に対する積層方向と直交方向に積層方向が向いていると、換言すると、上下方向に積層方向が向いていると、磁界Eの向きに沿って磁性体基板31と非磁性体層32とが交互に存在する領域が大きくなるので、換言すると、積層面に垂直に入る磁界成分が大きくなるので、渦電流損失が大きくなるおそれがある。
また、強磁性体合金粉末を絶縁層で被覆してなる強磁性体粉末複合体を焼結した焼結材料製の磁性体基板であるならば、強磁性体合金粉末自体が個々に絶縁層により被覆されていて、渦電流損失を低減できるので、渦電流損失の低減の面において好ましい。
更に、前記の各実施形態において採用した磁性体12、30を図1、図4に示す如く配置する磁気浮上機構を採用した場合、複線区間を想定すると、隣接する隣の区間に自車両の超電導磁石8の磁界が作用しようとした場合、磁性体12、30が磁気シールドの効果を奏するので、複線区間においては隣接する区間の対向車両に対して不要な磁界を作用させるおそれを低減できる特徴を有する。
図5に示す如く、Xを車両進行方向、Yを軌道の幅方向、Zを上下方向として、上下幅500mmの直立配置した超電導磁石8に対し、超電導磁石8からY方向に160mm離間し、超電導磁石8の中心高さから530mm高い位置にアスペクト比2の磁性体(図5の高さ125mm、幅250mm、奥行き無限大に設定した磁性体)を配置した場合の対向車窓側磁界をシミュレーションした。磁性体の構造は、ここでは電気伝導率が0の塊状鉄心とした。
対向車窓側磁界とは、図5に示す超電導磁石8を備えた浮上走行体4に対し、図7、図8に示す如くY方向に5.8m離れた位置に他の斜線区間の浮上走行体4の中央部が位置した場合を想定し、Y方向4.3m、Z方向0.5m〜2.5mの位置における磁界強度を計算した結果を図6に示す。なお、浮上走行車両4においては車両の外殻4aはAl合金製、その客室を囲むようにFe製のシールド部材4bが配置されている構造を図8に略記し、相手側浮上走行体の超電導磁石8の相対位置も示した。
図6に示す如く、自車両の側壁(ガイドウエイ)に2箇所ずつ、対向車両用側壁に2箇所ずつ、合計4箇所に磁性体を設けた場合の結果である。
図6に示す如く磁性体を設けた場合の対向車窓側磁界の強度は磁性体を設けない場合の磁界強度に対して1/2程度となった。
このことから、側壁に本発明に係る磁性体を設置することで、2車線区間において隣接する他の車線区間に存在する車両に対しての磁界の影響を1/2程度に削減できることが判明した。
次に、図4に示す如く電気伝導率が0の塊状鉄心について、磁性体内の案内方向中心位置における磁束分布状態を磁束密度方向に表示した結果を図9に示す。
図9に示す結果から、進行方向磁界(Bx成分)に次いで上下方向磁束密度(Bz成分)が大きい。従って、図9においては渦電流損失を低減する観点からは、積層構造の磁性体を適用する場合は図4に示す配置「積層面に対する垂線が枕木方向に一致する」ことが望ましいと考えられる。
本発明に係わる磁気浮上機構の概略を示す正面図。 磁性線状体12の具体的構成を示す図。 磁気浮上機構の磁性線状体の他形態を示す概略正面図。 本発明に係わる磁気浮上機構の第2の例を示す正面図。 実施例において行った磁界測定の試験条件を示す説明図。 図5に示す条件において計算された磁気シールド効果の計算結果を示す図。 実施例において測定した条件において車線区間を説明するための平面図。 同測定条件を説明するためにX方向、Y方向、Z方向に沿って対向車両位置と磁性体の配置関係を示す説明図。 磁性体内部の3方向に沿う磁性体内部の磁束密度分布の計算結果を示す図。
符号の説明
1…軌道、2…側壁、3…U字溝、4…浮上走行体、8…超電導磁石、10…浮上コイル、11…推進コイル、12…磁性線状体(磁性体)、13…鉄線、14…絶縁体、20…ガイドレール(磁性線状体)、22…ガイドローラ、30…磁性体、31…磁性体基板、32…非磁性体基板。

Claims (7)

  1. 両側に側壁を有しこれら側壁間にU字溝を形成する軌道と、この軌道のU字溝に沿って走行する浮上走行体と、この浮上走行体の両側部に設けられた超電導磁石と、軌道の側壁内側にて浮上走行体の超電導磁石と対向しかつ該浮上走行体の走行方向に沿うように配置された浮上・推進コイルと、を有する磁気浮上機構であって、
    前記軌道の側壁の上部でかつ前記浮上コイルの上方位置には、前記浮上走行体の走行方向に沿うように、超電導磁石との間に吸引力を発生させる磁性体が配置されていることを特徴とする磁気浮上機構。
  2. 前記磁性体は、複数の鉄線の周囲を絶縁体で被覆してなる鉄線束により形成されていることを特徴とする請求項1記載の磁気浮上機構。
  3. 前記磁性体は、複数の鉄線が撚り合わされて前記軌道の側壁の鉄筋を形成するプレストレス鋼線であることを特徴とする請求項1記載の磁気浮上機構。
  4. 前記磁性体は、磁性体基板を複数、フラックスバリア層となる非磁性体層を介して積層してなる積層鉄心により形成されていることを特徴とする請求項1記載の磁気浮上機構。
  5. 前記磁性体は、磁性体基板と非磁性体層の面方向を浮上走行体の進行方向に沿わせ、前記側壁の厚さ方向に積層方向を向けて前記側壁に配置されてなることを特徴とする請求項4に記載の磁気浮上機構。
  6. 前記磁性体基板が、磁性粉末の焼結合金板からなることを特徴とする請求項4に記載の磁気浮上機構。
  7. 前記浮上走行体の側部には、垂直軸を中心として回転自在なガイドローラが設けられており、
    前記磁性体は、側壁内面に沿って設けられて、前記走行浮上体が揺動した際に、ガイドローラと接触するガイドレールであることを特徴とする請求項1記載の磁気浮上機構。
JP2007313171A 2007-03-07 2007-12-04 磁気浮上機構 Expired - Fee Related JP5009138B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007313171A JP5009138B2 (ja) 2007-03-07 2007-12-04 磁気浮上機構

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007057044 2007-03-07
JP2007057044 2007-03-07
JP2007313171A JP5009138B2 (ja) 2007-03-07 2007-12-04 磁気浮上機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008253126A true JP2008253126A (ja) 2008-10-16
JP5009138B2 JP5009138B2 (ja) 2012-08-22

Family

ID=39977416

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007313171A Expired - Fee Related JP5009138B2 (ja) 2007-03-07 2007-12-04 磁気浮上機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5009138B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010190691A (ja) * 2009-02-18 2010-09-02 Railway Technical Res Inst 超電導磁気浮上式鉄道における地上コイル導体の渦電流損失の模擬測定方法およびその装置
JP4735772B1 (ja) * 2010-05-18 2011-07-27 有限会社クラ技術研究所 磁石励磁回転電機システム
CN108973767A (zh) * 2018-08-06 2018-12-11 江西理工大学 悬挂式磁悬浮列车的悬浮控制方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60172802U (ja) * 1984-04-26 1985-11-15 株式会社 富士電機総合研究所 吸引形磁気浮上式鉄道の磁気レ−ル
JPH08251720A (ja) * 1995-03-07 1996-09-27 Railway Technical Res Inst 超電導磁気浮上式鉄道用磁性体混入コンクリート体

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60172802U (ja) * 1984-04-26 1985-11-15 株式会社 富士電機総合研究所 吸引形磁気浮上式鉄道の磁気レ−ル
JPH08251720A (ja) * 1995-03-07 1996-09-27 Railway Technical Res Inst 超電導磁気浮上式鉄道用磁性体混入コンクリート体

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010190691A (ja) * 2009-02-18 2010-09-02 Railway Technical Res Inst 超電導磁気浮上式鉄道における地上コイル導体の渦電流損失の模擬測定方法およびその装置
JP4735772B1 (ja) * 2010-05-18 2011-07-27 有限会社クラ技術研究所 磁石励磁回転電機システム
JP2012070608A (ja) * 2010-05-18 2012-04-05 Kura Gijutsu Kenkyusho:Kk 磁石励磁回転電機システム
CN108973767A (zh) * 2018-08-06 2018-12-11 江西理工大学 悬挂式磁悬浮列车的悬浮控制方法
CN108973767B (zh) * 2018-08-06 2020-10-02 江西理工大学 悬挂式磁悬浮列车的悬浮控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5009138B2 (ja) 2012-08-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6523650B1 (en) Permanent magnet eddy brake with flux-steering poles
US6758146B2 (en) Laminated track design for inductrack maglev systems
EP1268233B1 (en) Eddy current braking apparatus
JP3920358B2 (ja) 磁気浮上車両の走行システム
CN111373097B (zh) 采用无源低频电磁稳定化的永磁磁悬浮列车
KR101137968B1 (ko) 초전도부재를 이용한 자기부상시스템 및 자기부상열차시스템
US10604898B2 (en) Rail-bound maglev train
JP7438562B2 (ja) 磁気的に浮遊状態で吊られる乗り物用の制御装置、乗り物及び輸送インフラストラクチャ
CN106926743A (zh) 涡流阻尼器及磁悬浮车
CN111201384A (zh) 增强型永磁铁系统
Abel et al. Contactless power transfer--An exercise in topology
JP5009138B2 (ja) 磁気浮上機構
JP4838271B2 (ja) 磁気浮上機構
JP2013050018A (ja) 磁気浮上式鉄道の軌道用コイル及び軌道用コイルセット
CN105788803A (zh) 电磁道岔用电磁铁、电磁道岔及转辙方法
CN115276473A (zh) 一种电动悬浮装置
EP0224617A1 (en) Rail for use in magnetic propulsive levitation apparatus
JPS60229664A (ja) 吸引形磁気浮上式鉄道の磁気浮上推進装置
JP3147985B2 (ja) 推進コイル及び推進コイルの取りつけ方法
KR102605147B1 (ko) 가이드웨이 지지구조물
CN118056703A (zh) 磁悬浮电磁推进一体化装置
WO2009072636A1 (ja) 磁気浮上推進装置
JP3151512B2 (ja) 磁気浮上列車用超電導磁石
WO2020249850A1 (en) A linear electric machine
JP2007166812A (ja) 磁気浮上推進システムおよび磁気浮上式鉄道

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100312

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110823

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111024

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120508

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120530

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150608

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees