JP2017021649A - 衝突判定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】衝突判定処理の判定精度を向上させつつ、衝突判定処理にかかる演算量を減らすことのできる技術を提供する。【解決手段】レーダセンサによるレーダ波の受信結果に基づいて物標を検出する物標検出手段と、物標検出手段により検出される物標と自車両との衝突可能性を判定する衝突判定手段と、を備え、衝突判定手段は、自車両との衝突可能性が有ると判定された物標について、該自車両から物標までの距離が所定の再判断距離となるまでは衝突可能性を再判断せず、該再判断距離以下となったときに衝突可能性を再判断する。【選択図】図4
Description
本発明は、自車両と物体との衝突可能性を判断する衝突判定装置に関する。
従来より、PCS(Pre Crash Safety System)等のように、自車両と物体との衝突を回避するための衝突回避支援を実行する運転支援装置が提案されている。この運転支援装置には、自車両と物体との衝突可能性を判断する衝突判定装置が用いられる。衝突判定装置では、レーダセンサによるレーダ波の受信結果に基づいて物標を検出する物標検出処理と、検出した物標を用いて自車両との衝突可能性を判断する衝突判定処理とが実行される。物標との衝突可能性が有ると判定された場合、運転支援装置ではブレーキ装置に制動力を付与する等の衝突回避支援が実行される。
特許文献1には、レーダ波の受信強度の変化量に基づいて、自車両の前方の対象物(物標)がマンホールの蓋等の非障害物であるか否かを判定する識別装置が開示されている。
ところで、ミリ波レーダ等のレーダセンサは、左右方向の角度分解能に応じた精度で、複数の物体からの反射波を区別して検出できる。たとえば、角度分解能が3°の場合、レーダセンサからみて同じ距離にある複数の物体が3°以上の角度をずらした位置にあるときは各物体からの反射波を区別でき、3°未満の角度をずらした位置にあるときは各物体からの反射波を区別し難くなる。このため、レーダセンサからみて複数の物体が3°未満の範囲に存在している場合には、左右方向の角度分解能の不足により、複数の物体が一つの物標であると検出され、別々の物体を分離して認識できないケースがある。このケースでは、自車両の進路にある物体が衝突可能性が無いと判定され得るものであっても、近接した他物体の影響により衝突可能性が有ると誤判定されることで、衝突回避支援が不要に実行される可能性がある。
特許文献1の識別装置では、このような問題に対して何らの考慮がなされていない。また、この問題を解決するため、遠方で衝突可能性が有ると判定された物標に対して、自車両の接近中に衝突判定処理を繰り返し再実行する方法も取り得る。しかしながら、この方法では演算量が増大してしまうため、他の改善案が望まれる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、衝突判定処理の判定精度を向上させつつ、衝突判定処理にかかる演算量を減らすことのできる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の衝突判定装置は、レーダセンサによるレーダ波の受信結果に基づいて物標を検出する物標検出手段と、前記物標検出手段により検出される物標と自車両との衝突可能性を判断する衝突判定手段と、を備え、前記衝突判定手段は、自車両との衝突可能性が有ると判定された物標について、該自車両から物標までの距離が所定の再判断距離となるまでは衝突可能性を再判断せず、該再判断距離以下となったときに衝突可能性を再判断する、又は、衝突可能性が有ると判定されてからの経過時間が所定の再判断時間になるまでは衝突可能性を再判断せず、該再判断時間以上となったときに衝突可能性を再判断する。
この態様によると、自車両と物標の衝突可能性が有ると判定された場合、その後に繰り返し衝突可能性を判断し続けるのではなく、所定条件を満たすまで自車両が物体に近づいた後に衝突可能性を再判断する。よって、複数の物体の反射波を区別するのに左右方向の角度分解能が不十分な状況のもとで初回判断が実行された場合でも、複数の物体の反射波を区別するのに十分な角度分解能を得やすい状況のもとで再判断を実行できるようになる。このため、初回判断時において、複数の物体を一つの物標と検出したことに起因する衝突可能性の誤判定があるときでも、再判断時においては衝突可能性の誤判定を防止でき、衝突判定処理の判定精度を向上させることができる。また、自車両の接近中に衝突判定処理を繰り返し再実行するよりも、初回判断時から再判断時までの間で衝突判定処理にかかる演算量を減らすことができるようになる。
本発明によれば、衝突判定処理の判定精度を向上させつつ、衝突判定処理にかかる演算量を減らすことのできる技術を提供できる。
[第1の実施の形態]
図1は第1実施形態に係る衝突判定装置10が用いられる運転支援装置11の機能ブロックを示す構成図である。運転支援装置11は、PCS等であり、自車両と物体との衝突を回避するための衝突回避支援を実行する。「衝突回避支援」には、これらの衝突を事前に回避するための支援の他に、これらが衝突したときの被害を軽減するための支援が含まれる。
図1は第1実施形態に係る衝突判定装置10が用いられる運転支援装置11の機能ブロックを示す構成図である。運転支援装置11は、PCS等であり、自車両と物体との衝突を回避するための衝突回避支援を実行する。「衝突回避支援」には、これらの衝突を事前に回避するための支援の他に、これらが衝突したときの被害を軽減するための支援が含まれる。
運転支援装置11は、レーダ装置12と、車両情報取得装置18と、運転支援ECU(Electronic Control Unit)20と、回避支援機器22とを備える。運転支援ECU20は、CPU、ROM、RAM等からなる電子制御ユニットであり、運転支援装置11を統括的に制御する機能をもつ。運転支援ECU20は、衝突判定部24と、支援実行部26とを備える。衝突判定装置10は、運転支援装置11の構成要素のうち、レーダ装置12と、車両情報取得装置18と、運転支援ECU20の衝突判定部24とを備えるものとなる。
レーダ装置12は、レーダセンサ14と、物標検出部16とを備える。レーダセンサ14は、たとえば、レーダ波としてミリ波帯の電磁波を用いるミリ波レーダである。レーダセンサ14は、図示しないが、レーダ波を送信する送信アンテナと、レーダ波の反射波を受信する受信アンテナとを備える。レーダセンサ14は、送信したレーダ波を反射する物体に関するレーダ波情報を取得する。レーダセンサ14は自車両の前側の中央部分に取り付けられる。レーダセンサ14は、自車両に対する取付位置を中心位置として所定角度に広がる探査領域内の物体に関するレーダ波情報を取得する。レーダセンサ14は取得したレーダ波情報を物標検出部16に供給する。
物標検出部16は、レーダセンサ14によるレーダ波の受信結果に基づいて、つまり、レーダセンサ14から取得したレーダ波情報を用いて物標を検出する。レーダセンサ14及び物標検出部16は、レーダ波を送受信して物標を検出する物標検出処理を所定の処理周期(たとえば、0.5秒周期)ごとに実行する。
物標検出部16は、種々の物標認識アルゴリズムに従ってレーダ波情報を解析することにより物標を検出する。物標認識アルゴリズムは、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式等の公知の測距方式や、DBF(Digital Beam Forming)等の公知の測角方式の組み合わせにより実現される。このような測距方式、測角方式に従った解析により、物標となるレーダ波の反射点の相対距離及び方位が検出される。
以上の物標検出処理では、レーダセンサ14及び物標検出部16の左右方向の角度分解能θ以上の角度をずらして自車両から略同一の距離Laの位置に複数の物体が存在していれば、複数の物体に対応する別々の物標を検出できる。一方、角度分解能θ未満の角度をずらした位置に存在していると、複数の物体が一つの物標であると検出され易くなり、複数の物体を分離して検出し難くなる。ここでの左右方向とは自車両の進行方向に直交する水平方向をいう。この角度分解能θはレーダセンサ14の性能、物標検出アルゴリズムに応じて定められる。
なお、物標認識アルゴリズムには、前回の処理周期で検出した物標と、今回の処理周期で検出した物標との対応関係を特定するためのトラッキング処理が含まれる。トラッキング処理を実行することにより、今回の処理周期で検出した物標について、前回までの処理周期において、後述の衝突判定部24によりすでに衝突可能性の有無を判定したものか否かを判定できる。トラッキング処理はカルマンフィルタ方式、α−βフィルタリング方式等の公知の処理方式が用いられてもよい。
物標検出部16は、レーダ波情報を解析することにより、物標を検出するととともに物標に関する物標情報を生成する。物標情報には、自車両から物標までの相対距離、自車両に対する物標の相対速度、物標の左右方向の方位、物標からのレーダ波の受信強度が含まれる。物標検出部16は生成した物標情報を運転支援ECU20に供給する。
車両情報取得装置18は、自車両の走行状態を示す車両情報を取得する。車両情報取得装置18は、たとえば、車速センサ、ヨーレートセンサであり、車両情報として自車両の車速、ヨーレートを取得する。車両情報取得装置18は、取得した車両情報を運転支援ECU20に供給する。
回避支援機器22は、衝突回避支援を実行するために作動する機器である。本実施形態に係る回避支援機器22はブレーキ装置であり、自車両に制動力を付与することで衝突回避支援を実行する。
衝突判定部24は、物標検出部16により検出される物標と自車両との衝突可能性を判断する衝突判定処理を実行する。衝突判定処理には、自車両の予測される進路(以下、予測進路という)に物標が存在するか否かを判定する第1判定処理と、自車両の走行の障害となる高さを物標がもつか否かを判定する第2判定処理とが含まれる。
第1判定処理では、車両情報取得装置18から供給された車両情報に基づいて自車両の予測進路を検出し、自車両の予測経路に物標が存在するか否かを判定する。自車両の予測進路は、公知の方法により検出されてもよい。たとえば、自車両が現在の車速とヨーレートを維持したまま走行した場合の旋回半径を算出し、算出した旋回半径をもつ円弧部分を車幅中心として自車両が走行した場合の軌跡を予測進路として検出する。
第2判定処理では、物標からのレーダ波の受信強度の変化率が所定の判定範囲内か否かを判定することで、自車両の走行の障害となる高さを物標がもつか否かを判定する。このようにレーダ波の受信強度の変化率を指標とするのは以下の理由による。
物体から反射するレーダ波の経路には、物体から路面を反射せずにレーダセンサ14に直線的に至る直線経路の他に、物体から路面を反射してレーダセンサ14に至る反射経路が含まれる。車両、歩行者等の高位物体の場合、複数の経路を通るレーダ波の影響、つまり、マルチパスの影響が強くなり、時間変化に対して受信強度が大きく変動し易くなる。これに対して、高位物体と比べて高さが低く、自車両の走行の障害となり難い工事用敷鉄板、マンホール蓋、空き缶等の低位物体の場合、マルチパスの影響が弱くなり、時間変化に対して受信強度が変動し難くなる。
このように物体の高さにより受信強度の推移に違いがあるため、この推移の仕方を表すレーダ波の受信強度の変化率を指標とすることで、高位物体と低位物体を判別できる。この変化率は、単位時間あたりの受信強度の変化量や、受信強度の時間微分値等が用いられる。前述の判定範囲は変化率が正負の両方の値になり得ることから、正の値から負の値を含む範囲として設定される。判定範囲は、自車両の走行の障害とならない所定の高さ以下の高さをもつ物体から得られるレーダ波の受信強度の変化率を含むように設定される。
衝突判定部24は、以上の衝突判定処理を実行し、自車両の予測進路に物標が存在すると判定され、かつ、自車両の走行の障害となる高さを物標がもつと判定された場合、その物標との間で衝突可能性が有ると判定する。一方、自車両の予測進路に物標が存在しないと判定された場合、又は、自車両の走行の障害となる高さを物標がもたないと判定された場合、その物標との間で衝突可能性が無いと判定する。
支援実行部26は、衝突判定部24により物標との間で衝突可能性が有ると判定されたとき、下記の式(1)で表される衝突予測時間TTCを算出する。衝突予測時間TTCは、自車両に対する物標の相対速度が一定と仮定した場合に、自車両が物標に衝突するまでの時間を表す。衝突予測時間TTCは、物標検出部16から供給される物標情報に含まれる物標までの相対距離及び物標の相対速度を用いて算出される。
TTC(s)=自車両から物標までの相対距離(m)/自車両に対する物標の相対速度(m/s) ・・・(1)
TTC(s)=自車両から物標までの相対距離(m)/自車両に対する物標の相対速度(m/s) ・・・(1)
また、支援実行部26は、算出した衝突予測時間TTCに基づいて回避支援機器22を制御する支援機器制御処理を実行することにより、回避支援機器22を用いた衝突回避支援を実行する。詳しくは、支援実行部26は、回避支援機器22を作動させるべき時間としての支援開始時間を保持している。支援実行部26は、算出した衝突予測時間TTCを初期値として経過時間を減算するカウントダウンタイマーを用いて、タイマーから出力されるタイマー値が支援開始時間以下になったとき、回避支援機器22を作動させることにより衝突回避支援を実行する。なお、算出した衝突予測時間TTCが支援開始時間未満の場合は、緊急に衝突回避支援の必要があるとみなし、衝突予測時間TTCを算出した時点で回避支援機器22を作動させる。本実施形態では、衝突予測時間TTCが支援開始時間以下になったときに、回避支援機器22としてのブレーキ装置を作動させることにより自車両に制動力を付与する。
ここで、本実施形態の衝突判定装置10は衝突判定処理の実行タイミングを特徴とする。この詳細を具体例とともに説明する。図2は自車両100の前方の状況の一例を示す説明図である。本図では、自車両100の進路にある路面上に工事用敷鉄板102が配置されるとともに、敷鉄板102に対して左右方向の一方に近接した路側にガードレール104が配置される例を示す。
図2(a)に示すように、敷鉄板102及びガードレール104が、レーダセンサ14及び物標検出部16の角度分解能θ未満の角度をずらして自車両100から略同一の距離Laの位置Pa1、Pa2に存在する状況を考える。この状況において、レーダセンサ14によるレーダ波の受信結果に基づいて物標検出処理を実行することを想定する。この場合、レーダセンサ14及び物標検出部16の角度分解能θの不足により、距離Laにある敷鉄板102及びガードレール104それぞれからの反射波を区別できず、敷鉄板102及びガードレール104が一つの物標Pa1であると検出され易くなる。
敷鉄板102とガードレール104が一つの物標であると検出されてしまうと、ガードレール104からの反射波の影響により、その物標が低位物体ではなく高位物体であると判定され、その結果、その物標との間で衝突可能性が有ると誤判定されてしまう。つまり、別々の物体を一つの物標であると検出することに起因して、自車両の進路にある物体(敷鉄板102)が衝突可能性が無いと判定されるものであっても、近接する他物体(ガードレール104)の影響により衝突可能性が有ると誤判定されてしまう。この結果、衝突回避支援が不要に実行される可能性がある。
次に、図2(b)に示すように、敷鉄板102に対して距離Laより近い距離Lbの位置まで自車両が接近した結果、角度分解能θ以上の角度をずらした位置Pa1、Pa2に敷鉄板102及びガードレール104が存在するようになった状況を考える。この状況において物標検出処理を実行すると、距離Lbにある敷鉄板102及びガードレール104それぞれからの反射波を区別でき、敷鉄板102及びガードレール104を別々の物標Pa1,Pa3であると検出し易くなる。
このように、自車両の前方に複数の物体がある場合、自車両からの距離が遠いときには各物体からの反射波を区別できないものの、自車両からの距離が近づいたときには区別できるようになることで、複数の物標を分離して検出できるようになる。
そこで、本実施形態の衝突判定部24は、自車両との衝突可能性が有ると判定された物標について、自車両から物標までの距離が所定の再判断距離Lxとなるまでは衝突可能性を再判断せず、再判断距離Lx以下となったときに衝突可能性を再判断する。
図3は再判断距離Lxを説明するための図である。
角度分解能θが3°であり、左右距離Lyが3mの位置に複数の物体102、104(敷鉄板102及びガードレール104)それぞれの一部分が存在している状況を考える。ここでの左右距離Lyとは左右方向に沿った距離をいう。この状況の下で、複数の物体102それぞれに対応する別々の反射点(図中の白丸)を左右距離Lyの間隔で検出可能になるためには、レーダセンサ14から方位角0°の方向に沿って延びる仮想線L1と、方位角3°の方向に沿って延びる仮想線L2上に各物体106の一部分が存在していれば十分条件を満たすことになる。この十分条件を満たす自車両から進路上の物標までの相対距離をLx’とすると、距離Lx’は下記の式(2)から約57mとなることが算出される。従って、自車両から進路上の物標までの距離Lxが距離Lx’より小さい値(たとえば、55m)となれば、複数の物体それぞれに対応する別々の反射点を左右距離Ly以下の間隔で安定して検出可能になることが予測される。本実施形態においては、このような距離Lxを再判断距離Lxとして設定している。つまり、再判断距離Lxは、所定の左右距離Lyの位置に複数の物体それぞれの一部分が存在している場合に、複数の物体それぞれに対応する別々の反射点を左右距離Ly以下の間隔で検出可能になることが予測される距離をいう。
Lx’=Ly×(1/tanθ) ・・・(2)
角度分解能θが3°であり、左右距離Lyが3mの位置に複数の物体102、104(敷鉄板102及びガードレール104)それぞれの一部分が存在している状況を考える。ここでの左右距離Lyとは左右方向に沿った距離をいう。この状況の下で、複数の物体102それぞれに対応する別々の反射点(図中の白丸)を左右距離Lyの間隔で検出可能になるためには、レーダセンサ14から方位角0°の方向に沿って延びる仮想線L1と、方位角3°の方向に沿って延びる仮想線L2上に各物体106の一部分が存在していれば十分条件を満たすことになる。この十分条件を満たす自車両から進路上の物標までの相対距離をLx’とすると、距離Lx’は下記の式(2)から約57mとなることが算出される。従って、自車両から進路上の物標までの距離Lxが距離Lx’より小さい値(たとえば、55m)となれば、複数の物体それぞれに対応する別々の反射点を左右距離Ly以下の間隔で安定して検出可能になることが予測される。本実施形態においては、このような距離Lxを再判断距離Lxとして設定している。つまり、再判断距離Lxは、所定の左右距離Lyの位置に複数の物体それぞれの一部分が存在している場合に、複数の物体それぞれに対応する別々の反射点を左右距離Ly以下の間隔で検出可能になることが予測される距離をいう。
Lx’=Ly×(1/tanθ) ・・・(2)
これにより、複数の物体の反射波を区別するのに角度分解能θが不十分な状況のもとで初回判断が実行された場合でも、複数の物体の反射波を区別するのに十分な角度分解能を得やすい状況のもとで再判断を実行できるようになる。このため、初回判断時において、複数の物体を一つの物標と検出することに起因する衝突可能性の誤判定があるときでも、再判断時においては衝突可能性の誤判定を防止でき、衝突判定処理の判定精度を向上させることができる。この結果、衝突回避支援の不要な実行を防止できる。また、自車両の接近中に衝突判定処理を繰り返し再実行するよりも、初回判断時から再判断時までの間で衝突判定処理にかかる演算量を減らすことができる。
図4は第1実施形態に係る衝突回避支援方法を示すフローチャートである。本図に示す処理は所定の処理周期ごとに繰り返し実行する。
物標検出部16は、レーダセンサ14によるレーダ波の受信結果に基づいて、自車両の前方の物標を検出する物標検出処理を実行する(S10)。物標が検出されない場合(S10のN)、本図に示す処理を終了する。
物標が検出された場合(S10のY)、衝突判定部24は、その検出された物標が、すでに衝突可能性が有ると判定されたものであるか否かを判定する(S12)。衝突可能性が有ると判定されたものでなければ(S12のN)、衝突判定部24は、物標検出部16により検出された物標と自車両との衝突可能性を判断する衝突判定処理を実行する(S14)。衝突可能性が無いと判定された場合(S14のN)、本図に示す処理を終了する。衝突可能性が有ると判定された場合(S14のY)、支援実行部26は衝突予測時間TTCを算出し、算出した衝突予測時間TTCに基づいて回避支援機器22を制御する支援機器制御処理の実行を開始する(S16)。
一方、衝突可能性が有ると判定されたものであれば(S12のY)、衝突判定部24は、物標までの距離が再判断距離以内であるか否かを判定する(S18)。再判断距離以内でない場合(S18のN)、衝突判定部24は衝突判定処理を実行せず、支援実行部26は、S16において開始した支援機器制御処理を継続して実行する(S26)。
再判断距離以内である場合、複数の物体それぞれの一部分が左右距離Lyの位置に存在していれば、自車両の進路上の物標に対して左右距離Lyの範囲内に他の物標があると検出される可能性が高い。そこで、再判定距離以内である場合(S18のY)、衝突判定部24は、自車両の進路上の物標(第1物標)に対して左右距離Lyの範囲内で、かつ、前後距離Lyの範囲内に他の物標(第2物標)があるか否かを判定する。ここでの前後距離とは自車両の進行方向に沿った距離である。第1物標に対して前後距離Lyの範囲内に複数の物標があるか否かを判定するのは、第1物標に対して前後方向の狭い範囲内にある他の物標を問題の対象としているためである。進路上の物標に対して所定の範囲内に他の物標がない場合(S20のN)、衝突判定部24は衝突判定処理を実行せず、支援実行部26は、S16において開始した支援機器制御処理を継続して実行する(S26)。
進路上の物標に対して所定の範囲内に他の物標がある場合(S20のY)、衝突判定部24は、前述の衝突判定処理を実行することにより、物標検出部16により検出された物標と自車両との衝突可能性を再判断する(S22)。これにより、複数の物体を一つの物標であると検出することに起因して、S14において衝突可能性が有ると誤判定される場合でも、複数の物体を別々の物標であると検出し易くなり、自車両との衝突可能性の誤判定を防止できる。
再判断により衝突可能性が無いと判定された場合(S22のN)、衝突回避支援の必要がないため、支援実行部26はS16において開始した支援機器制御処理を中止する(S24)。再判断により衝突可能性が有ると判定された場合(S22のY)、支援実行部26は、S16において開始した支援機器制御処理を継続して実行する(S26)。
[第2の実施の形態]
図5は第2実施形態に係る衝突回避支援方法を示すフローチャートである。図4の例との相違点のみ説明する。図4の例でのS18の代わりに、図5の例ではS30を実行する点が相違する。
図5は第2実施形態に係る衝突回避支援方法を示すフローチャートである。図4の例との相違点のみ説明する。図4の例でのS18の代わりに、図5の例ではS30を実行する点が相違する。
図4では、自車両から物標までの距離が再判断距離Lx以下となったときに、自車両との衝突可能性を再判断する例を説明した。本図では、衝突可能性が有ると判定されてからの経過時間が再判断距離Lxになることが予測される再判断時間になるまでは衝突可能性を再判断せず、再判断時間以上になったときに衝突可能性を再判断する。
詳しくは、衝突判定部24は、検出された物標が、すでに衝突可能性が有ると判定されたものであれば(S12のY)、最初の衝突判定処理の実行時刻からの経過時間が所定の再判断時間に達しているか否かを判定する(S30)。再判断時間は、下記の式(3)に示すように、S14において衝突判定処理を実行したときの物標までの相対距離である初回判断距離、再判断距離、自車両の進路上の物標に対する相対速度に基づいて算出される。
再判断時間=(初回判断距離−再判断距離)/物標に対する相対速度・・・(3)
再判断時間=(初回判断距離−再判断距離)/物標に対する相対速度・・・(3)
経過時間が再判断時間以上でない場合(S30のN)、衝突判定部24は衝突判定処理を実行せず、支援実行部26は、S16において開始した支援機器制御処理を継続して実行する(S26)。経過時間が再判断時間以上である場合(S30のY)、衝突判定部24は衝突判定処理を実行することにより、物標検出部16により検出された物標と自車両との衝突可能性を再判断する(S22)。この後は第1実施形態と同様である。本実施形態においても第1実施形態と同様の作用効果を得られる。
以上、実施例をもとに本発明を説明した。実施例はあくまでも例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
10…衝突判定装置、11…運転支援装置、14…レーダセンサ、16…物標検出部(物標検出手段)、24…衝突判定部(衝突判定手段)。
Claims (1)
- レーダセンサによるレーダ波の受信結果に基づいて物標を検出する物標検出手段と、
前記物標検出手段により検出される物標と自車両との衝突可能性を判断する衝突判定手段と、を備え、
前記衝突判定手段は、自車両との衝突可能性が有ると判定された物標について、該自車両から物標までの距離が所定の再判断距離となるまでは衝突可能性を再判断せず、該再判断距離以下となったときに衝突可能性を再判断する、又は、衝突可能性が有ると判定されてからの経過時間が所定の再判断時間となるまでは衝突可能性を再判断せず、該再判断時間以上となったときに衝突可能性を再判断することを特徴とする衝突判定装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020119056A (ja) * | 2019-01-21 | 2020-08-06 | 株式会社Soken | 車両における対象物検出装置、対象物検出システムおよび対象物検出方法 |
-
2015
- 2015-07-13 JP JP2015139854A patent/JP2017021649A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020119056A (ja) * | 2019-01-21 | 2020-08-06 | 株式会社Soken | 車両における対象物検出装置、対象物検出システムおよび対象物検出方法 |
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