JP2017019309A - ウェビング巻取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ストッパのベースに対する回転角を小さくする。
【解決手段】ウェビング巻取装置は、乗員に装着されるウェビングが巻取られるスプールと、回転力が伝達されることで回転されるベースと、ベースに支持されていると共に係合部184,186を有し、ベースが回転されることで回転径方向外側に移動して該ベースに入力された回転力がスプールに伝達可能にされるクラッチウェイト170,172と、を備えている。ウェビング巻取装置は、ベースに対して相対回転可能とされていると共に、ベースが一方側へ回転された際に係合部184,186の回転径方向外側への移動を許容する許容部212と、ベースが他方側へ回転された際に係合部184,186の回転径方向外側への移動を規制すると共に許容部212と一体に形成された規制部208と、を有する被係合孔204,206を備えたストッパを備えている。
【選択図】図10

Description

本発明は、ウェビング巻取装置に関する。
下記特許文献1には、モータとスプールとの間に設けられたクラッチがモータによって回転されることで、モータの回転をスプールに伝達することが可能とされたウェビング巻取装置が開示されている。また、クラッチは、ベースと、ベースに支持された一対のウェイトと、ベースに回動可能に支持されたストッパと、を含んで構成されている。そして、クラッチがモータによって一方側へ回転された際に、ウェイトがベースの回転径方向外側へ移動されることで、モータの一方側への回転がスプールに伝達される。また、クラッチがモータによって他方側へ回転された際に、ウェイトの回転径方向外側への移動がストッパにより規制されることで、モータの他方側への回転がスプールに伝達されないようになっている。
特開2014−4852号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されたウェビング巻取装置では、ストッパがベースに対して略180°回転されることで、当該ストッパがウェイトの径方向外側への移動を許容する位置から規制する位置まで変位されるようになっている。すなわち、上記特許文献1に記載されたウェビング巻取装置には、ストッパのベースに対する回転角(作動角)を小さくするという観点で改善の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、ストッパのベースに対する回転角を小さくすることができるウェビング巻取装置を得ることが目的である。
請求項1記載の本発明に係るウェビング巻取装置は、乗員に装着されるウェビングが巻取られるスプールと、回転力が伝達されることで回転されるベースと、前記ベースに支持されていると共に係合部を有し、前記ベースが回転されることで該ベースの回転径方向外側に移動して該ベースに入力された回転力が前記スプールに伝達可能にされるウェイトと、前記ベースに対して相対回転可能とされていると共に、前記ベースが一方側へ回転された際に前記係合部の前記ベースの回転径方向外側への移動を許容する許容部と、前記ベースが他方側へ回転された際に前記係合部の前記ベースの回転径方向外側への移動を規制すると共に前記許容部と一体に形成された規制部と、を有する被係合部を備えたストッパと、を備えている。
請求項2記載の本発明に係るウェビング巻取装置は、請求項1記載のウェビング巻取装置において、前記ストッパの回転径方向外側の部位には、該ストッパの回転径方向に弾性変形可能とされた当接部が設けられており、前記当接部が、前記ストッパの回転径方向に弾性変形された状態で、前記当接部が、前記ストッパが配置される部材に設けられた被当接部に当接している。
請求項3記載の本発明に係るウェビング巻取装置は、請求項1又は請求項2記載のウェビング巻取装置において、前記被係合部は、前記許容部と前記規制部とが前記ストッパの回転周方向に隣合って配置された被係合孔とされており、前記ストッパの前記ベースに対する回転角度が所定の回転角度に制限されることで、前記係合部が、前記被係合孔の内周縁部における前記ストッパの回転周方向の端に当接しないように構成されている。
請求項4記載の本発明に係るウェビング巻取装置は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のウェビング巻取装置において、前記ウェイトが、前記ベースと前記ストッパとの間に配置されることで、前記ウェイトの前記ベースに対する回転軸方向への移動が規制される。
請求項1記載のウェビング巻取装置では、乗員に装着されるウェビングがスプールに巻取られており、ウェビングがスプールから引出されることで当該ウェビングを車両の乗員に装着させることが可能となっている。ここで、本発明では、ベースに支持されたウェイトの係合部が、ストッパに設けられた被係合部に係合している。そして、ベースが一方側へ回転される際には、被係合部の許容部がウェイトの係合部の径方向外側(ベースの回転径方向外側)への移動を許容する。これにより、ウェイトが径方向外側(ベースの回転径方向外側)に移動されて、ベースに入力された回転力がスプールに伝達される。一方、ベースが他方側へ回転される際には、被係合部の規制部がウェイトの係合部の径方向外側への移動を規制する。これにより、ウェイトの径方向外側への移動が規制されて、ベースに入力された回転力はスプールに伝達されない。以上説明したように、本発明のウェビング巻取装置では、ウェイトの係合部を許容部及び規制部が一体とされた被係合部に係合させている。これにより、ストッパのベースに対する回動角(作動角)が増加することを抑制しつつ、ウェイトの径方向外側への移動を許容又は規制することができる。
請求項2記載のウェビング巻取装置では、ストッパの当接部が、当該ストッパの径方向に弾性変形された状態で、ストッパが配置される部材に設けられた被当接部に当接している。これにより、ストッパの当接部と被当接部との間に摩擦力が生じ、ベースが回転された際に、ストッパをベースに対して相対的により確実に回転させることが可能となる。また、本発明では、ストッパの当接部が当該ストッパの回転軸方向に弾性変形可能とされた場合に比して、ストッパの回転軸方向への寸法の小型化を図ることができる。これにより、本発明では、ウェビング巻取装置の軸方向への小型化を図ることができる。
請求項3記載のウェビング巻取装置では、ストッパのベースに対する回転角度が所定の回転角度に制限されている。これにより、ウェイトの係合部が、ストッパの被係合孔の内周縁部における周方向の端に当接しないようになっている。これにより、ウェイトの係合部とストッパの被係合孔の内周縁部における回転周方向の端との摩擦力の影響を受けることなく、ウェイトの係合部の径方向外側への移動を許容又は規制することができる。
請求項4記載のウェビング巻取装置では、ウェイトのベースに対する軸方向への移動を規制する機能をストッパに持たせている。これにより、ウェイトのベースに対する軸方向への移動を規制する部材をストッパとは別に設けた場合に比して、ウェビング巻取装置を構成する部品の点数を削減することができる。
本実施形態に係るウェビング巻取装置を分解して示す分解斜視図である。 第1クラッチをフレームの脚片側から見た側面図であり、ロックバーがラチェットに係合された状態を示している。 第1クラッチをフレームの脚片側から見た図2に対応する側面図であり、ロックバーがラチェットに係合されていない状態を示している。 OLギヤを分解して示す分解斜視図である。 OLギヤを径方向に沿って切断した断面を示す断面図である。 第2クラッチを分解して示す分解斜視図である。 第2クラッチを分解して示す図6とは反対側から見た分解斜視図である。 第2クラッチを軸方向に沿って切断した断面を示す断面図である。 第2クラッチの部分的な構成を示し、(A)はクラッチスプリングの通常の状態を示す側面図であり、(B)はクラッチスプリングの巻回部の外径寸法が拡大された状態を示す側面図である。 ウェビング巻取装置の構成部材である第2のクラッチの部分的な構成を示し、(A)は一対のクラッチウェイトがベースの径方向外側へ拡開された状態を示す側面図であり、(B)は一対のクラッチウェイトがベースの径方向内側に保持された状態を示す側面図である。 フィッティングアシスト時及びプリテンショナ時のモータの出力軸の回転の第1の伝達経路を説明するための説明図である。 巻取アシスト時のモータの出力軸の回転の第2の伝達経路を説明するための説明図である。 巻取アシスト時のモータの出力軸の回転の第1の伝達経路を説明するための説明図である。
図1〜図10を用いて、本実施形態のウェビング巻取装置について説明する。
図1には、本発明の実施形態に係るウェビング巻取装置10の分解斜視図が示されている。この図に示されるように、ウェビング巻取装置10は、フレーム12を備えている。フレーム12は略板状の背板14を備えており、この背板14がボルト等の図示しない締結手段によって車体に固定されることで、本ウェビング巻取装置10が車体に固定されるようになっている。背板14の幅方向両端からは一対の脚片16、18が互いに平行に延設されており、これらの脚片16、18間にダイカスト等によって製作されたスプール20が回転可能に配置されている。なお、脚片16と脚片18との間には、接続片32が架渡されている。
スプール20は略円筒状に形成されている。このスプール20には、長尺帯状に形成された図示しないウェビングの基端部が固定されており、スプール20をその軸線周り一方(以下、この方向を「巻取方向」という)へ回転させると、ウェビングがその基端側からスプール20の外周部に層状に巻取られる。また、ウェビングをその先端側から引張れば、スプール20の外周部に巻取られたウェビングが引出され、これに伴い、ウェビングを巻取る際の回転方向とは反対にスプール20が回転する(以下、ウェビングを引出す際のスプール20の回転方向を「引出方向」という)。
また、スプール20における脚片16側の端部の軸心部には、支軸部29が立設されている。支軸部29は、脚片16に形成された円孔30を略同軸的に貫通してフレーム12の外部に突出している。また、支軸部29の突出方向の基端側には後述するラチェット64が固定されている。これにより、ラチェット64がスプール20と共に回転することが可能となっている。
また、後述するギヤハウジング52には、モータカバー34及びスクリュー36を介してモータ38が固定されている。モータ38は、フレーム12の一対の脚片16、18間におけるスプール20の下方に配置されている。このモータ38の出力軸には、複数の外歯41が外周部に形成されたAギヤ40が固定されている。
一方、スプール20における脚片18側の端部には、図示しない支軸部が立設されている。この支軸部は、脚片18に形成された図示しないラチェット孔を略同軸的に貫通してフレーム12の外部に突出している。また、支軸部には、ロック機構の一部を構成するロックプレートが支持されたロックベースが固定されている。そして、車両の緊急時に(車両が急減速した際等に)ロックプレートがロックベースから突出して脚片18に形成されたラチェット孔の内周部に噛合い、スプール20の引出方向の回転が阻止されるようになっている。また、脚片18には、上記ロック機構等を覆うカバー42が固定されている。
脚片16には、第1クラッチ44、Bギヤ46、OLギヤ48及びCギヤ50が収容されるギヤハウジング52がスクリュー54を介して固定されている。
図2に示されるように、第1クラッチ44は、リング状に形成されたクラッチギヤ56と、クラッチギヤ56に取付けられたロックバー58及びリターンスプリング60と、フリクションスプリング62と、スプール20に固定されたラチェット64と、を含んで構成されている。
具体的には、クラッチギヤ56の外周部には、複数の外歯57が形成されており、図1に示されるように、クラッチギヤ56の内周部には、スプール20の支軸部29が挿通される円形の挿通孔56Aが形成されている。また、図2に示されるように、クラッチギヤ56の径方向の中間部には、脚片16側に向けて突出すると共に当該クラッチギヤ56の周方向に間隔を空けて配置されたロックバー支持軸56B及びリターンスプリング支持軸56Cが立設されている。さらに、クラッチギヤ56の周方向の中間部には、フリクションスプリング62の一部が挿通されるフリクションスプリング挿通孔56Dが形成されている。図1に示されるように、以上説明したクラッチギヤ56は、ギヤハウジング52における脚片16側に形成された収容凹部内に収容されている。また、第1シート66がギヤハウジング52に取付けられることで、クラッチギヤ56の脚片16側への移動が規制されるようになっている。
図2に示されるように、ロックバー58は、クラッチギヤ56の軸方向視で略半月状に形成されており、このロックバー58は、クラッチギヤ56に設けられたロックバー支持軸56Bに支持されることで傾動可能とされている。また、ロックバー58の一端部は、ラチェット64に係合するラチェット係合部58Aとされており、ロックバー58の他端部は、リターンスプリング60が当接するリターンスプリング当接部58Bとされている。
リターンスプリング60は、環状に巻回されていると共にクラッチギヤ56に設けられたリターンスプリング支持軸56Cに支持される巻回部60Aを備えている。また、リターンスプリング60の一端部は、巻回部60Aから延出していると共にクラッチギヤ56の一部に係止される係止部60Bとされている。さらに、リターンスプリング60の他端部は、巻回部60Aから延出していると共にロックバー58のリターンスプリング当接部58Bに当接する当接部60Cとされている。そして、リターンスプリング60の付勢力が、ロックバー58のリターンスプリング当接部58Bに入力されることで、ロックバー58のラチェット係合部58Aがラチェット64と離間するようになっている。
図1に示されるように、フリクションスプリング62は、クラッチギヤ56とギヤハウジング52との間に設けられており、このフリクションスプリング62は、クラッチギヤ56が回転された際にギヤハウジング52と摺接する摺接部62Aと、摺接部62Aからクラッチギヤ56側に向けて延出すると共に当該クラッチギヤ56に形成されたフリクションスプリング挿通孔56Dに挿通される押圧部62Bと、を備えている。そして、図2に示されるように、クラッチギヤ56が軸方向一方側(矢印E1方向側)へ回転された際には、フリクションスプリング62の押圧部62Bがロックバー58のラチェット係合部58Aを押圧する。そしてさらに、フリクションスプリング62の押圧部62Bからロックバー58のラチェット係合部58Aに入力される力がリターンスプリング60の付勢力を超えると、ロックバー58が傾動されて、当該ロックバー58のラチェット係合部58Aがラチェット64に係合する。これにより、クラッチギヤ56に入力された回転力がロックバー58を介してラチェット64に入力されて、スプール20がラチェット64と共に巻取方向へ回転されるようになっている。これに対して、図3に示されるように、クラッチギヤ56が軸方向他方側(矢印E2方向側)へ回転された際には、フリクションスプリング62の押圧部62Bからロックバー58のラチェット係合部58Aに入力される力がリターンスプリング60の付勢力を超えないため、ロックバー58のラチェット係合部58Aはラチェット64に係合しない。これにより、クラッチギヤ56に入力された回転力がロックバー58を介してラチェット64に入力されないようなっている。
ラチェット64は、ロックバー58のラチェット係合部58Aが係合する複数の被係合外歯64Aが外周部に形成された円板状に形成されている。そして、図1に示されるように、ラチェット64は、スプール20の支軸部29に圧入等により固定されている。
Bギヤ46は、Aギヤ40の外歯41が噛合う複数の外歯47Tが外周部に形成された大径部46Tと、当該大径部46Tと同軸上に配置されていると共に当該大径部46Tと一体に形成された小径部46Sと、を備えている。また、小径部46Sの外径は大径部46Tの外径よりも小径に設定されており、また小径部46Sの外周部には、後述するOLギヤ48が噛合う複数の外歯47Sが形成されている。
図4に示されるように、OLギヤ48は、Bギヤ46(図1参照)の回転力が伝達されることで回転される入力ギヤ68と、入力ギヤ68と同軸上に配置されたロータ70と、入力ギヤ68とロータ70との間に設けられたクラッチスプリング72と、ロータ70に当該ロータ70と一体回転可能に係合される出力ギヤ74と、を含んで構成されている。
入力ギヤ68は、Bギヤ46の小径部46Sに形成された外歯47Sが噛合う複数の外歯69が外周部に形成された円板状に形成されている。また、図5に示されるように、入力ギヤ68には、ロータ70側が開放されていると共に後述するクラッチスプリング72及びロータ70の巻付部70Bが配置される窪み部68Aが形成されている。さらに、この窪み部68Aにおける入力ギヤ68の径方向外側の部位には、入力ギヤ68の周方向に沿って複数のクラッチスプリング係合凹部68Bが形成されている。
図4に示されるように、ロータ70は、円板状に形成された円板部70Aと、円板部70Aの径方向内側の部位から入力ギヤ68側に向けて突出する円柱状に形成された巻付部70Bと、を備えている。また、ロータ70の軸心部には、すなわち、巻付部70Bの軸心部には、出力ギヤ74が係合されるスプライン状の係合孔70Cが形成されている。
クラッチスプリング72は、環状に湾曲された湾曲部72Aを備えている。またクラッチスプリング72がロータ70の巻付部70Bに取付けられる前の状態では、湾曲部72Aの内径は、ロータ70の巻付部70Bの外径に比してやや小さな外径とされている。そして、湾曲部72Aの内径が拡径されて当該湾曲部72Aがロータ70の巻付部70Bの外周面に係合されることで、湾曲部72Aがロータ70の巻付部70Bに圧着されるようになっている。また、図5に示されるように、クラッチスプリング72の一端部は、入力ギヤ68のクラッチスプリング係合凹部68Bに係合される係合部72Bとされている。そして、入力ギヤ68が一方側へ(矢印C1方向へ)回転されることで、当該入力ギヤ68のクラッチスプリング係合凹部68Bの一部が、係合部72Bの端72Cを押圧するようになっている。これにより、入力ギヤ68に入力された回転力がクラッチスプリング72を介してロータ70及び出力ギヤ74に伝達されるようになっている。これに対して、入力ギヤ68が他方側へ(矢印C2方向へ)回転される方向への回転力が当該入力ギヤ68に作用すると、当該入力ギヤ68のクラッチスプリング係合凹部68Bの他の一部が、クラッチスプリング72の係合部72Bをロータ70の巻付部70B側に向けて押圧する。これにより、クラッチスプリング72の係合部72Bとクラッチスプリング係合凹部68Bとの係合が浅くなる。そして、入力ギヤ68に作用する矢印C4方向への回転力が所定値を超えると、クラッチスプリング72の係合部72Bとクラッチスプリング係合凹部68Bとの係合が外れるようになっている。その結果、OLギヤ48は、所定の値を超える矢印C2方向への回転力を伝達しないようになっている。これにより、後述するプリテンショナ時に、ウェビングに生じる張力が所定値以上となることが抑制されるようになっている。
出力ギヤ74は、Cギヤ50と噛合う複数の外歯76が外周部に形成された出力ギヤ本体部74Aと、出力ギヤ本体部74Aと一体に形成されていると共にロータ70に形成された係合孔70Cに係合されるスプライン状の係合部74Bと、を備えている。そして、出力ギヤ74の係合部74Bが、ロータ70に形成された係合孔70Cに係合されることで、出力ギヤ74とロータ70とが一体回転可能に結合されるようになっている。
図1に示されるように、Cギヤ50は、OLギヤ48の一部を構成する出力ギヤ74の外歯76(図4参照)及び第1クラッチ44の一部を構成するクラッチギヤ56の外歯57と噛合う複数の外歯51が形成された円板状に形成されている。そして、Cギヤ50がOLギヤ48の出力ギヤ74によって回転されることで、Cギヤ50がクラッチギヤ56を回転させるようになっている。
以上説明したBギヤ46、OLギヤ48及びCギヤ50は、ギヤハウジング52に形成された収容凹部52A内に収容された状態で当該収容凹部52A内に立設された軸部に回転可能に支持されている。
また、ギヤハウジング52には、アイドルギヤ78、スプールギヤ80、リトラクタスプリング82及び第2クラッチ116が支持されるスプリングホルダ84が固定されている。
アイドルギヤ78は、後述するスプールギヤ80及び第2クラッチ116と噛合う複数の外歯79が外周部に形成された円板状に形成されている。このアイドルギヤ78は、スプリングホルダ84におけるギヤハウジング52側の部位に形成された収容凹部内に収容された状態で、当該収容凹部内に立設された軸部に回転可能に支持されている。また、第2シート86がスプリングホルダ84に取付けられることで、アイドルギヤ78のギヤハウジング52側への移動が規制されている。
スプールギヤ80は、アイドルギヤ78の外歯79と噛合う複数の外歯81が外周部に形成されていると共にアイドルギヤ78よりも大径に設定された円板状に形成されている。また、スプールギヤ80の軸心部には、リトラクタスプリング82側に向けて突出するアダプタ固定部80Aが形成されている。さらに、スプールギヤ80の軸心部におけるスプール20側の部位には、スプール20の支軸部29に係合される図示しない係合孔が形成されている。そして、スプールギヤ80の係合孔がスプール20の支軸部29に係合されることで、スプールギヤ80とスプール20とが一体回転可能に結合されるようになっている。また、スプールギヤ80は、スプリングホルダ84におけるギヤハウジング52側の部位に形成された収容凹部内に収容されている。そして、スプールギヤ80が当該収容凹部内に収容された状態では、スプールギヤ80のアダプタ固定部80Aが当該収容凹部の底壁に形成された挿通孔84Aを通じてリトラクタスプリング82側へ突出するようになっている。
リトラクタスプリング82は、渦巻状に形成されており、このリトラクタスプリング82は、スプリングホルダ84においてスプールギヤ80が収容された側とは反対側に形成されたスプリング収容部84B内に収容されている。また、リトラクタスプリング82の内端部は、スプールギヤ80のアダプタ固定部80Aに固定されたアダプタ88に係止されており、リトラクタスプリング82の外端部は、スプリング収容部84B内に形成された図示しない係止部に係止されている。そして、このリトラクタスプリング82の付勢力が、アダプタ88及びスプールギヤ80を介してスプール20に伝達されることで、スプール20が巻取方向に回転付勢されるようになっている。なお、リトラクタスプリング82の付勢力(に基づくウェビングの巻取力)は、乗員が装着したウェビングの弛みを解消する程度に、比較的弱く設定されている。換言すれば、リトラクタスプリング82の付勢力は、ウェビングの装着状態で乗員非圧迫性に対応した強さとなるように設定され、スプール20から引出されたウェビングを当該ウェビングに作用する摩擦力等に抗して最後まで巻取る強さは要求されていない。
また、スプリングホルダ84には、スプリングカバー90が取付けられている。これにより、スプリング収容部84B内に収容されたリトラクタスプリング82がスプリングカバー90に覆われるようになっている。
ここで、図6及び図7には、第2クラッチ116の構成が分解斜視図にて示されている。また、図8には、第2クラッチ116の構成が断面図にて示されている。この図に示されるように、第2クラッチ116は、ベース118と、当該ベース118に取付けられることで当該ベース118と一体回転するロータ128と、を備えている。また、第2クラッチ116は、クラッチギヤ136と、ベース118とクラッチギヤ136との間に設けられたクラッチスプリング140と、ベース118に回動可能に支持されたレバー148と、を備えている。さらに、第2クラッチ116は、ベース118に支持されたウェイトとしての一対のクラッチウェイト170,172と、ベース118に回転可能に取付けられるストッパ200と、を備えている。なお、以下、単に軸方向、径方向、周方向を示す場合は、特に断りのない限り、第2クラッチ116の回転軸方向、回転径方向、回転周方向を示すものとする。また、第2クラッチ116の回転軸方向、回転径方向、回転周方向は、ベース118、ロータ128、クラッチギヤ136、レバー148、ストッパ200の回転軸方向、回転径方向、回転周方向と一致している。
ベース118は、円盤状に形成された円盤部120と、円盤部120の軸心部において円盤部120の軸線方向一側へ向けて突設された円柱状の支軸部122と、支軸部122の周囲に同軸的に形成された断面略C字状の側壁部124と、を備えている。また、ベース118は、クラッチスプリング140の一方側の端部が係止される第1スプリング係止溝125Aが形成されていると共に支軸部122の突出方向と同一方向に突設されたブロック状の第1スプリング係止部125を備えている。この第1スプリング係止部125の径方向外側の面は、側壁部124の外周面と同一の曲率変形とされた円筒面状に形成されている。
ここで、図9(A)に示されるように、第1スプリング係止部125に形成された第1スプリング係止溝125Aは、ベース118の径方向外側及び軸方向一方側(ロータ128側)が開放された溝状に形成されている。この第1スプリング係止溝125Aは、互いに間隔を空けて平行に配置された側壁部K1,K2と、第1スプリング係止溝125Aの深さ方法の終端面を形成する底壁部K3と、を有して構成されている。また、側壁部K1,K2は、ベース118の軸方向視で、ベース118の軸線周り他方(矢印F2方向)側に向かうにつれてベース118の径方向内側に傾斜されている。また、第1スプリング係止溝125Aの溝幅W1は、すなわち、側壁部K1と側壁部K2との間のクリアランスは、後述するクラッチスプリング140の第1係止部142の線径よりも若干大きな幅に設定されている。なお、第1スプリング係止溝125Aにおけるベース118の軸方向一方側の開放端は、後述するロータ128の円盤部130によって閉止されるようになっている。
また、図6及び図7に示されるように、ベース118は、円盤部120において支持部122が設けられた側とは反対側に向けて突設された円筒状の支軸部123を備えている。さらに、ベース118は、円盤部120における支軸部123の径方向外側においてクラッチウェイト170,172側に向けて突出する支軸176,178を備えている。この支軸176,178は、ベース118の周方向に沿って等間隔に配置されている。また、ベース118の円盤部120における支持部122、123の径方向外側の部位には、一対の長孔160,162がベース118の周方向に沿って形成されている。この長孔160,162には、後述するレバー148の連結突起156,158が係合されており、この連結突起156,158が、円盤部120の周方向に沿って各長孔160、162内を移動できるようになっている。また、円盤部120には、後述するリターンスプリング164の一端部が当接する係止壁127が立設されている。
図8に示されるように、以上説明したベース118は、スプリングホルダ84に形成された収容凹部84C内に配置されると共に当該収容凹部84Cに立設された軸部84Dに回転可能に支持されている。
図6及び図7に示されるように、ベース118の支軸部122の軸線方向一端側(図6及び図7では右側)には、ロータ128が設けられている。このロータ128は、円板状に形成された円盤部130と、円盤部130の軸心部からベース118とは反対側に向けて突出する筒状に形成された筒状部131と、を備えている。また、ロータ128は、ベース118の側壁部124に設けられた爪部が円盤部130に係合されることで、ベース118と一体回転可能に固定されている。さらに、筒状部131の外周部には、平歯の外歯132が形成されており、この外歯132は、前述したOLギヤ48の一部を構成する入力ギヤ68の外歯69(図4参照)と噛合うようになっている。
ベース118の側壁部124の径方向外側には、クラッチギヤ136がベース118に対して同軸的でかつ相対回転可能に設けられている。クラッチギヤ136の外周部には、複数の外歯138が形成されており、この外歯138は、前述したアイドルギヤ78の外歯79(図1参照)と噛合うようになっている。また、クラッチギヤ136の内径寸法は、ベース118の側壁部124の外径寸法よりも充分に大きく、クラッチギヤ136の内周面と側壁部124の外周面との間には環状の隙間が形成されている。この環状の隙間には、捩りコイルスプリングであるクラッチスプリング140が同軸的に配置されている。
クラッチスプリング140は、ベース118の側壁部124の外周面とクラッチギヤ136の内周面との間において環状に巻回された巻回部141を備えている。また、クラッチスプリング140の一方側の端部は、巻回部141の径方向内側へ向けて折曲げられた第1係止部142とされている。また、図9(A)に示されるように、第1係止部142は、前述の第1スプリング係止溝125Aに対応して巻回部141の径方向に対して傾斜されている。クラッチスプリング140の他方側の端部は、巻回部141の径方向内側へ向けて折曲げられた第2係止部146とされている。また、第2係止部146は、後述するレバー148に形成された第2スプリング係止溝153Aに対応して巻回部141の径方向に沿って伸びている。さらに、第1係止部142と第2係止部146とは、巻回部141の周方向に沿って所定の間隔を空けて配置されている。また、自然状態における巻回部141の内径寸法は、ベース118の側壁部124の外径寸法よりも小さな寸法に設定されている。これにより、巻回部141がベース118の側壁部124に組付けられた際に、当該巻回部141は、自らの弾性力によりが縮径する方向に付勢されている。また、これにより、巻回部141がベース118の側壁部124に組付けられた状態では、当該巻回部141は、ベース118の側壁部124の外周面に密着している。さらに、巻回部141がベース118の側壁部124に組付けられた状態では、当該巻回部141とクラッチギヤ136の内周面と間にクリアランスが設けられるようになっている。
また、クラッチスプリング140の第1係止部142は、ベース118の第1スプリング係止部125に形成された第1スプリング係止溝125Aに嵌込んで係止されている。さらに、クラッチスプリング140の第2係止部146は、後述するレバー148の第2スプリング係止部153に形成された第2スプリング係止溝153Aに嵌込んで係止されている。
レバー148は、円筒状の軸受部150を備えている。軸受部150の筒内には、ベース118の支軸部122が貫通しており、これにより、レバー148は、支軸部122(ベース118)に対して軸線周りに相対回転可能に支持されている。また、軸受部150の外周部には、径方向に沿って突出する一対の連結部152及び連結部154が、互いに周方向に沿って反対側(180度反対側)に設けられている。
図7に示されるように、これら一対の連結部152、154には、それぞれベース118の円盤部120側へ向けて突出する円柱状の連結突起156及び連結突起158が突設されている。また、各連結突起156、158は、後述する一対のクラッチウェイト170及びクラッチウェイト172に設けられた係合爪180,182がそれぞれ係合している。
図9(A)及び(B)に示されるように、レバー148の一方の連結部152には、捩りコイルスプリングであるリターンスプリング164の一端部が当接されており、このリターンスプリング164の他端部は、ベース118の円盤部120に立設された係止壁127に当接している。このリターンスプリング164は、レバー148を常にベース118の軸線周り一方(図6及び図7では矢印F1方向)へ付勢しており、レバー148は、通常は一対の連結突起156、158が、本体部120の一対の長孔160、162の各長手方向一端部(図6及び図7では矢印F1方向側の端部)に当接した状態に保持されている。
また、図9(A)に示されるように、レバー148の他方の連結部154は、クラッチスプリング140の第2係止部146が係止される第2スプリング係止部153とされている。この第2スプリング係止部153には、クラッチスプリング140の第2係止部146が嵌込む第2スプリング係止溝153Aが形成されている。これにより、図9(A)及び図9(B)に示されるように、レバー148がリターンスプリング164の弾性力に抗してベース118に対して軸線周り他方(図9(A)及び(B)では矢印F2方向)へ回動されると、クラッチスプリング140の第2係止部146が、クラッチスプリング140の巻き方向一方(図9(A)及び(B)では矢印F2方向)へ移動され、クラッチスプリング140の巻回部141の外径寸法が拡大するようになっている。また、第2スプリング係止溝153Aは、前述の第1スプリング係止溝125Aと同様に、側壁部K4,K5と、底壁部K6と、を有して構成されている。また、本実施形態では、レバー148がベース118に支持された状態において、側壁部K4,K5が、ベース118の径方向と略平行となっている。また、第2スプリング係止溝153Aの溝幅W2は、すなわち、側壁部K4と側壁部K5との間のクリアランスは、クラッチスプリング140の第2係止部146の線径に対して充分に広い幅に設定されている。これにより、クラッチスプリング140のベース118及びレバー148に対する組付け性が良好になっている。
しかも、このようにクラッチスプリング140の巻回部141の外径寸法が拡大されると、クラッチスプリング140の巻回部141は、クラッチギヤ136の内周面に圧着される。この状態では、クラッチスプリング140の外周部とクラッチギヤ136の内周面との間には所定の摩擦力が生じるため、クラッチスプリング140とクラッチギヤ136とは、この摩擦力によって一体的に連結されるようになっている。
一方、図6〜図8に示されるように、ベース118の軸線方向他側(ロータ128とは反対側)には、それぞれ略半円形の板状に形成された一対のクラッチウェイト170、172が配置されている。これら一対のクラッチウェイト170、172は、同じ重量に設定されており、互いに円盤部120の周方向に沿って反対側(180度反対側)に設けられている。これら一対のクラッチウェイト170、172の各周方向一端側には、円形の軸受孔174、175が形成されている。これらの軸受孔174、175には、ベース118の円盤部120に突設された円柱状の支軸176又は支軸178が回転自在に嵌合している。これにより、各クラッチウェイト170、172は、それぞれ支軸176、178(軸受孔174、175)周りにベース118の径方向へ回動可能(傾動可能)にベース118に支持されている。
また、一方のクラッチウェイト170は、前述したレバー148の連結突起158に係合する略U字状の係合爪180を備えており、他方のクラッチウェイト172は、同様にレバー148の連結突起156に係合する略U字状の係合爪182を備えている。これにより、一対のクラッチウェイト170及びクラッチウェイト172は、レバー148を介して同期(連動)するようになっており、通常は、レバー148に作用するリターンスプリング164の付勢力によって、ベース118の径方向内側に保持されている。
また、一対のクラッチウェイト170、172は、後述するストッパ200側に向けて突出する円柱状の係合部184,186を備えている。
図6及び図7に示されるように、一対のクラッチウェイト170、172を介してベース118とは反対側には、円盤状に形成されたストッパ200が配置されている。また、このストッパ200の軸心部には、スプリングホルダ84に形成された収容凹部84Cに立設された軸部84D(図8参照)が挿通されると共にベース118の支軸部123の外周部に嵌合される円形の開口部202が形成されている。このストッパ200は、一対のクラッチウェイト170、172のベース118からの脱落を防止すると共に、一対のクラッチウェイト170及びクラッチウェイト172が、スプリングホルダ84に形成された収容凹部84Cの底壁に干渉することを防止するスペーサとしても機能する。
また、ストッパ200の径方向の中間部には、クラッチウェイト170の係合部184及びクラッチウェイト172の係合部186がそれぞれ係合する一対の被係合部としての被係合孔204,206が形成されている。被係合孔204と被係合孔206とは、ストッパ200の周方向に沿って等間隔に配置されている。
図10(A)及び(B)に示されるように、被係合孔204,206におけるストッパ200の周方向一方側(矢印F2方向側)の部位は、その幅寸法W1(ストッパ200の径方向への寸法)がクラッチウェイト170,172の係合部184,186の外径よりもやや大きな寸法とされた規制部208とされている。そして、図10(B)に示されるように、クラッチウェイト170,172の係合部184,186が被係合孔204,206内における規制部208内に位置している際には、係合部184,186が規制部208の内周縁部210における径方向外側の部位210Bに当接することで、一対のクラッチウェイト170,172が、ベース118の径方向内側に保持された状態から径方向外側へ移動することが規制されるようになっている。
また、図10(A)及び(B)に示されるように、被係合孔204,206におけるストッパ200の周方向他方側(矢印F1方向)の部位は、その幅寸法W2(ストッパ200の径方向への寸法)がクラッチウェイト170,172の係合部184,186の外径よりも充分に大きな寸法とされた許容部212とされている。この許容部212の内周縁部214における径方向内側の部位214Aは、規制部208の内周縁部210における径方向内側の部位210Aと径方向の同位置に位置している。また、許容部212の内周縁部214における径方向外側の部位214Bは、規制部208の内周縁部210における径方向外側の部位210Bよりも径方向外側に位置している。そして、図10(A)に示されるように、クラッチウェイト170,172の係合部184,186が被係合孔204,206内における許容部212内に位置している際には、係合部184,186が許容部212の内周縁部214における径方向外側の部位214Bに当接する位置まで移動することが可能となっている。すなわち、一対のクラッチウェイト170,172が、ベース118の径方向内側に保持された状態から径方向外側へ移動することが可能となっている。
また、本実施形態では、ストッパ200のベース118に対する回転角を所定の角度に制限する図示しない制限部が設けられている。これにより、クラッチウェイト170,172の係合部184,186が、被係合孔204,206の内周縁部における周方向の両端に当接しないようになっている。すなわち、クラッチウェイト170,172の係合部184,186が、規制部208の内周縁部210における矢印F2方向側の端部210Cに当接しないようになっていると共に、許容部212の内周縁部214における矢印F1方向側の端部214Cに当接しないようになっている。
図6及び図7に示されるように、ストッパ200の外周部には、径方向外側へ向けて凸状に形成された4つの当接部216が設けられており、この4つの当接部216は周方向に沿って等間隔に配置されている。この当接部216は、その径方向内側の部位に肉抜孔が形成されていることで径方向内側へ向けて弾性変形することが可能となっている。また、図8に示されるように、ストッパ200がスプリングホルダ84に形成された収容凹部84C内に配置された状態では、当該ストッパ200の当接部216が、径方向内側に弾性変形された状態で収容凹部84Cの被当接部としての内周面84Eに当接するようになっている。
ここで、本実施形態の第2クラッチ116では、ロータ128がその軸線周り他方(図6及び図7の矢印F1方向)へ回転されると、ロータ128に一体的に連結されたベース118が、ロータ128と共にその軸線周り他方へ回転するようになっている。このため、ベース118に支持された一対のクラッチウェイト170及びクラッチウェイト172が、ベース118に追従してベース118の軸線周りに回転する。このとき、一対のクラッチウェイト170及びクラッチウェイト172には遠心力が作用し、クラッチウェイト170には支軸176周りの回転トルクが作用すると共に、クラッチウェイト172には支軸178周りの回転トルクが作用する。
したがって、これらの回転トルクの大きさが所定値以上の場合、すなわち、一対のクラッチウェイト170及びクラッチウェイト172の回転速度が所定値以上の場合には、一対のクラッチウェイト170及びクラッチウェイト172は、レバー148に作用するリターンスプリング164の付勢力に抗してベース118の径方向外側へ支軸176又は支軸178周りに回動するようになっている。これにより、クラッチウェイト170の係合爪180に連結突起158が係合しかつクラッチウェイト172の係合爪182に連結突起156が係合したレバー148は、ベース118に対して軸線周り他方(図9(A)及び(B)では矢印F2方向)へ回動される構成である。
また、本実施形態では、モータ38の出力軸の回転力がAギヤ40、Bギヤ46及びOLギヤ48を介してロータ128に伝達される構成となっている。
(本実施形態の作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
図1に示されるように、上記構成のウェビング巻取装置10では、スプール20にウェビングが層状に巻取られた収納状態で、図示しないタングプレートを引張りつつウェビングを引張ると、スプール20を巻取方向に付勢するリトラクタスプリング82の付勢力に抗してスプール20を引出方向へ回転させながらウェビングが引出される。
このように、ウェビングが引出された状態で、ウェビングを座席に着座した乗員の身体の前方に掛回しつつタングプレートをバックル装置に差込み、バックル装置にタングプレートを保持させることで、ウェビングが乗員の身体に装着される。
ここで、タングプレートがバックル装置に差込まれたことが、図示しないスイッチ等により検出されると、図示しないモータ制御装置が、モータ38の出力軸を正方向へ回転させる。そして、このモータ38の出力軸の回転は、図11に示された第1の伝達経路を介してスプール20に伝達される。具体的には、モータ38の出力軸がAギヤ40を矢印A1方向へ回転させる。また、Aギヤ40が矢印A1方向へ回転されると、当該Aギヤ40によりBギヤ46が矢印B1方向へ回転され、さらにBギヤ46によりOLギヤ48が矢印C1方向へ回転される。そしてさらに、OLギヤ48によりCギヤ50が矢印D1方向へ回転され、またCギヤ50により第1クラッチ44のクラッチギヤ56が矢印E1方向に回転される。ここで、クラッチギヤ56が矢印E1方向に回転される際には、ロックバー58がラチェット64に係合される。その結果、クラッチギヤ56の回転がラチェット64に伝達され、スプール20がラチェット64と共に巻取方向へ回転される。これにより、ウェビングがスプール20に巻取られて、乗員に装着されたウェビングの弛みが取除かれる(所謂「フィッティングアシスト」)。そして、モータ38の出力軸の回転が停止された状態では、ウェビングがリトラクタスプリング82の付勢力によって比較的弱い力で乗員を拘束するようになっている。
一方、車両が走行している状態において、車両が急減速したこと等が図示しない検出装置によって検出されると、図示しないモータ制御装置が、モータ38の出力軸を正方向へ回転させる。また、この時のモータ38の出力軸の回転力は、上記フィッティングアシスト時の回転力よりも高くなるように設定されている。そして、モータ38の出力軸の正方向への回転が、図11に示された第1の伝達経路を介してスプール20に伝達されることで、ウェビングがスプール20に巻取られて、乗員に装着されたウェビングの弛みが取除かれる(所謂「プリテンショナ」)。
一方、乗員が車両を停車させてバックル装置からタングプレートを外すと、スプール20はリトラクタスプリング82の付勢力により巻取方向へ回転する。但し、このリトラクタスプリング82の付勢力は比較的弱く設定されているため、スプール20は、このリトラクタスプリング82の付勢力に対応した比較的弱い回転力で巻取方向へ回転する。
またこのとき、図示しないモータ制御装置は、モータ38の出力軸を逆方向へ回転させる。そして、このモータ38の出力軸の回転は、図12に示された第2の伝達経路を介してスプール20に伝達される。なお、第2の伝達経路の減速比は前述の第1の伝達経路の減速比に比して高く設定されている。
モータ38の出力軸が逆方向へ回転されると、モータ38の出力軸がAギヤ40を矢印A2方向へ回転させる。また、Aギヤ40が矢印A2方向へ回転されると、当該Aギヤ40によりBギヤ46が矢印B2方向へ回転され、さらにBギヤ46によりOLギヤ48が矢印C2方向へ回転される。そしてさらに、OLギヤ48により第2クラッチ116のベース118がロータ128を介して矢印F1方向へ回転される。
ところで、図8に示されるように、ストッパ200は、当該ストッパ200の当接部216が収容凹部84Cの内周面84Eに当接した状態で当該収容凹部84C内に配置されている。そのため、ベース118が、矢印F1方向へ回転し始める際においては、ストッパ200はベース118に対して遅れて回転し始める。すなわち、ストッパ200はベース118に対して矢印F2方向へ相対回転する。これにより、図10(A)に示されるように、クラッチウェイト170,172の係合部184,186が、ストッパ200の被係合孔204,206の許容部212内に配置される。
また、ベース118の回転は、支軸176及び軸受孔174を介してクラッチウェイト170に伝達されると共に、支軸178及び軸受孔175を介してクラッチウェイト172に伝達され、クラッチウェイト170及びクラッチウェイト172が、ベース118に追従して該ベース118の軸線周りに回転される。これにより、クラッチウェイト170及びクラッチウェイト172には、遠心力が作用する。その結果、クラッチウェイト170及びクラッチウェイト172が、レバー148に作用するリターンスプリング164の付勢力に抗してベース118の径方向外側へ支軸176,178回りに回動する(傾動する)。
このため、クラッチウェイト170の係止爪180に連結突起158が係合しかつクラッチウェイト172の係止爪182に連結突起156が係合したレバー148が、ベース118に対して軸線周り他方(図9(A)及び(B)の矢印F1方向)へ回動される。
レバー148が、ベース118に対して軸線周り他方へ回動されると、クラッチスプリング140の第2係止部146は、レバー148によってクラッチスプリング140の巻き方向一方(図9(A)及び図9(B)の矢印F2方向)へ移動される。その結果、クラッチスプリング140の巻回部141の外径寸法が拡大し、クラッチスプリング140の巻回部141の外周部が、クラッチギヤ136の内周面に密着される。これにより、クラッチスプリング140の回転がクラッチギヤ136に伝達され、クラッチギヤ136が矢印F1方向へ回転される。このクラッチギヤ136の外歯138には、図12に示されるように、アイドルギヤ78の外歯79が噛合っているため、アイドルギヤ78が矢印G1方向へ回転される。また、アイドルギヤ78によりスプールギヤ80が矢印H1方向へ回転され、スプール20がスプールギヤ80と共に巻取方向へ回転される。このスプール20の回転により、リトラクタスプリング82の付勢力不足が補われ、ウェビングがスプール20に層状に巻取られて収納される(所謂「巻取アシスト」)。
しかもこの場合、スプール20は前述のフィッティングアシスト時よりも低トルクで回転されるので、ウェビングを安全にスプール20に巻取って収納することができる。また、本実施形態では、上記巻取アシストがなされている場合においても、ウェビングをスプール20から容易に引出すことができるようになっている。すなわち、巻取アシストトルクに抗してスプール20を容易に引出方向へ回転させることが可能となっている。
ウェビングがスプール20に最後まで巻取られると、モータ制御装置によりモータ38への給電が遮断され、モータ38の出力軸の回転が停止される。
モータ38の回転が停止されると、クラッチウェイト170及びクラッチウェイト172は、レバー148に作用するクラッチスプリング140の弾性力及びリターンスプリング164の弾性力によってベース118の径方向内側へ回動される。このため、クラッチスプリング140は再び自然状態に戻り、巻回部141の外周部がクラッチギヤ136の内周面から離間し、上述したクラッチスプリング140とクラッチギヤ136との連結が直ちに解除される。これにより、第2クラッチ116によるスプール20とモータ38の出力軸との連結が解除され、スプール20に巻取られたウェビングの再度の引出しが可能となる。
ところで、図13に示されるように、巻取アシスト時のモータ38の出力軸の逆方向への回転は、Aギヤ40、Bギヤ46、OLギヤ48及びCギヤ50を介して第1クラッチ44のクラッチギヤ56に伝達され、クラッチギヤ56が矢印E2方向に回転される。この場合、クラッチギヤ56に支持されたロックバー58はラチェット64に係合されない。その結果、巻取アシスト時のモータ38の出力軸の逆方向への回転が、第1の伝達経路を介して(Aギヤ40、Bギヤ46、OLギヤ48、Cギヤ50及び第1クラッチ44を介して)スプール20に伝達されないようになっている。
また、図12に示されるように、フィッティングアシスト時及びプリテンショナ時のモータ38の出力軸の正方向への回転は、Aギヤ40、Bギヤ46及びOLギヤ48を介して第2クラッチ116のベース118に伝達され、当該ベース118が矢印F2方向へ回転される。また、ベース118が、矢印F2へ回転し始める際においては、ストッパ200はベース118に対して遅れて回転し始める。すなわち、ストッパ200はベース118に対して矢印F1方向へ相対回転する。これにより、図10(B)に示されるように、クラッチウェイト170,172の係合部184,186が、ストッパ200の被係合孔204,206の規制部208内に配置され、クラッチウェイト170,172の径方向外側への移動が規制される。このため、モータ38の出力軸が正方向へ回転する場合にあっては、第2のクラッチ116を構成するクラッチギヤ136とクラッチスプリング140とが係合しない。その結果、第2のクラッチ116を構成するクラッチギヤ136とクラッチスプリング140との係合の回数が低減され、ひいては第2のクラッチ116の耐久性を向上させることができる。
また、本実施形態では、クラッチウェイト170,172の係合部184,186を許容部212及び規制部208が一体とされた被係合孔204,206に係合させている。これにより、ストッパ200のベース118に対する回動角(作動角)が増加することを抑制しつつ、クラッチウェイト170,172の径方向外側への移動を許容又は規制することができる。
さらに、本実施形態では、図8に示されるように、ストッパ200が、当該ストッパ200の当接部216が収容凹部84Cの内周面84Eに当接した状態で当該収容凹部84C内に配置されている。これにより、ストッパ200の当接部216と収容凹部84Cの内周面84Eとの間に摩擦力が生じ、ベース118が回転された際に、ストッパ200をベース118に対して相対的により確実に回転させることが可能となる。また、本実施形態では、ストッパ200の当接部が当該ストッパ200の軸方向に弾性変形可能とされた場合に比して、ストッパ200の軸方向への寸法の小型化を図ることができる。これにより、本実施形態では、ウェビング巻取装置10の軸方向への小型化を図ることができる。
また、本実施形態では、ストッパ200のベース118に対する回転角を所定の角度に制限する図示しない制限部が設けられていることにより、クラッチウェイト170,172の係合部184,186が、図10(A)及び(B)に示された被係合孔204,206の内周縁部における周方向の両端に当接しないようになっている。これにより、クラッチウェイト170,172の係合部184,186とストッパ200の被係合孔204,206の内周縁部における周方向の両端との摩擦力の影響を受けることなく、クラッチウェイト170,172の係合部184,186の径方向外側への移動を許容又は規制することができる。
さらに、本実施形態では、クラッチウェイト170,172のベース118に対する軸方向への移動を規制する機能をストッパ200に持たせている。これにより、クラッチウェイト170,172のベース118に対する軸方向への移動を規制する部材をストッパ200とは別に設けた場合に比して、ウェビング巻取装置10を構成する部品の点数を削減することができる。
なお、本実施形態では、クラッチウェイト170,172のベース118に対する軸方向への移動を規制する機能をストッパ200に持たせた例について説明したが、本発明はこれに限定されない。クラッチウェイト170,172のベース118に対する軸方向への移動を規制する機能をストッパ200に持たせるか否かについては、ストッパ200が配置されるスペース等を考慮して適宜設定すればよい。
また、本実施形態では、クラッチウェイト170,172の係合部184,186が、被係合孔204,206の内周縁部における周方向の両端に当接しないように構成した例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、クラッチウェイト170,172の係合部184,186を、被係合孔204,206の内周縁部における周方向の両端に当接させてもよい。
さらに、本実施形態では、ストッパ200の当接部216を径方向に弾性変形させた状態で収容凹部84Cの内周面84Eに当接させた例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、軸方向に弾性変形可能な当接部をストッパ200に設けた構成としてもよい。また、当接部216に対応する部分をストッパ200に設けない構成とすることもできる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
10 ウェビング巻取装置
20 スプール
84E 内周面(被当接部)
118 ベース
170 クラッチウェイト(ウェイト)
172 クラッチウェイト(ウェイト)
184 係合部
186 係合部
200 ストッパ
204 被係合孔(被係合部)
206 被係合孔(被係合部)
208 規制部
212 許容部
216 当接部

Claims (4)

  1. 乗員に装着されるウェビングが巻取られるスプールと、
    回転力が伝達されることで回転されるベースと、
    前記ベースに支持されていると共に係合部を有し、前記ベースが回転されることで該ベースの回転径方向外側に移動して該ベースに入力された回転力が前記スプールに伝達可能にされるウェイトと、
    前記ベースに対して相対回転可能とされていると共に、前記ベースが一方側へ回転された際に前記係合部の前記ベースの回転径方向外側への移動を許容する許容部と、前記ベースが他方側へ回転された際に前記係合部の前記ベースの回転径方向外側への移動を規制すると共に前記許容部と一体に形成された規制部と、を有する被係合部を備えたストッパと、
    を備えたウェビング巻取装置。
  2. 前記ストッパの回転径方向外側の部位には、該ストッパの回転径方向に弾性変形可能とされた当接部が設けられており、
    前記当接部が、前記ストッパの回転径方向に弾性変形された状態で、前記当接部が、前記ストッパが配置される部材に設けられた被当接部に当接している請求項1記載のウェビング巻取装置。
  3. 前記被係合部は、前記許容部と前記規制部とが前記ストッパの回転周方向に隣合って配置された被係合孔とされており、
    前記ストッパの前記ベースに対する回転角度が所定の回転角度に制限されることで、前記係合部が、前記被係合孔の内周縁部における前記ストッパの回転周方向の端に当接しないように構成されている請求項1又は請求項2記載のウェビング巻取装置。
  4. 前記ウェイトが、前記ベースと前記ストッパとの間に配置されることで、前記ウェイトの前記ベースに対する回転軸方向への移動が規制される請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のウェビング巻取装置。
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