JP2017017912A - 電動モータ - Google Patents

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Yusuke Asaumi
勇介 浅海
一農 田子
Kazuatsu Tago
一農 田子
北村 正司
Masashi Kitamura
正司 北村
裕司 辻
Yuji Tsuji
裕司 辻
金澤 宏至
Hiroshi Kanazawa
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Abstract

【課題】本発明の目的は、電磁加振力によるモータ振動を低減した電動モータを提供することである。【解決手段】本発明の電動モータは、第1固定子2と第1固定子2内に回転可能に配置された第1回転子1とを有する第1モータ部と、第2固定子4と第2固定子4内に回転可能に配置された第2回転子3とを有する第2モータ部と、第1回転子1及び第2回転子3について共通に設けられる駆動軸5と、第1固定子2を保持すると共に第2固定子4を保持するフレーム6と、を備え、前記第1モータ部における固定子巻線及び回転子磁石の周方向配置は、前記第2モータ部における固定子巻線及び回転子磁石の周方向配置を前記駆動軸について周方向に所定の角度θ回転させた周方向配置と等価であることを特徴とする。【選択図】図6

Description

本発明は、永久磁石式集中巻ブラシレスモータに関し、特に電動パワーステアリング装置などの自動車用電動補機システム用いられる電動モータに関する。
電動化による油圧の代替や、ハイブリッド自動車、電気自動車の市場拡大の流れを受けて、電気モータがステアリングホイール操作をアシストする電動パワーステアリング(以下、EPS)装置の装着率が急速に増大している。
EPS装置では、運転者はステアリングホイールを介して、モータのトルク脈動を手に感じることになる。このため、EPS用モータでは、コギングトルクをモータによるアシストトルクの1/1000程度に、トルク脈動をアシストトルクの1%程度に小さくする必要がある。さらに、近年、アイドリングストップ機能搭載車の普及を背景に、エンジンの静音化が進展している。この結果、車室内騒音の低減の観点から、EPS装置などの電装品に対して低振動、低騒音が強く求められている。
車室内の振動、騒音に繋がるモータ起因の加振源としては、モータによるトルクの変動成分(トルク脈動やコギングトルク)と、モータの固定子と回転子の間に発生する電磁加振力がある。前者は、モータの出力軸を介して、後者によるモータの振動エネルギーは、EPS装置の機械部品などを介して、それぞれ車室内へ伝搬する。これらが放射音として車室内で放射され、騒音になる。EPS装置以外の電装品に関しても同様のメカニズムで車室内の騒音が発生する。
コギングトルクやトルク脈動を低減する技術として、例えば特許文献1や特許文献2に記載のように、モータの極数とスロット数の比を10:12もしくは14:12となるようにし、スロット開口幅や磁石形状をある閾値に収める方法が知られている。また、特許文献3に記載のように、ティース先端に溝を設ける構造を形成することにより、コギングトルクを低減する方法も知られている。また、電磁加振力によるモータの振動を抑制する技術として、特許文献4に記載のように、回転子コアにスリットを設ける方法や、特許文献5に記載のように、ロータをスキューさせる方法などが知られている。
特開昭62−011048号公報 特開2009−171790号公報 特開2011−067090号公報 国際公開第08/102439号パンフレット 特開2006−087275号公報
上記の従来技術を適用したEPS装置用の永久磁石式集中巻ブラシレスモータの問題点を説明し、本発明が解決しようとする課題について述べる。
先ず、モータトルクの変動成分(コギングトルクやトルク脈動)を低減するには、特許文献1および特許文献2に記載のように、極数とスロット数を適切に選択し、モータの磁気回路を最適設計することで、コギングトルクやトルク脈動を極めて小さいレベルにまで押さえ込むことが可能である。一例として、上記モータのスロット数が12の場合を考えると、3相交流モータとして成立可能な極数は8、10、14、16のいずれかに限られる。これらの極数の内で、10極ないし14極の場合が、永久磁石による磁束の利用率を表す巻線係数が0.933と他の極数と比較して大きく、モータの高トルク密度化に好適である。また、コギングトルクについては、回転次数が極数とスロット数の最小公倍数で定まるが、これらのモータでは、60次、84次と比較的大きいことから、小さく抑えられることが知られている。さらに、トルク脈動については、回転次数が極対数に、6(3相交流電流の脈動)を乗じた値となるが、30次と比較的大きいことから、小さく抑えられることが知られている。したがって、モータのスロット数が12の場合には、高トルク密度化とトルク変動成分の低減の観点から、10極12スロットないし14極12スロットの集中巻ブラシレスモータが望ましい。
しかし、10極12スロットないし14極12スロットモータの欠点として、モータの振動が比較的大きくなりやすい点がある。以下、この理由を簡単に説明する。
モータ振動の主な原因は、固定子と回転子の間に作用する径方向の電磁加振力である。この電磁加振力は、固定子と回転子間のエアギャップに沿って周方向に分布を持ち、時間的に変化する。こうした加振源を分析する手法として、エアギャップ中の電磁加振力を空間的、時間的に変化する波として捉え、これを空間(周方向座標)と時間に関する高調波の重ね合わせ、即ち、二重フーリエ級数で展開して表わすことが有効である。このような手法で分析した高調波の中で、低次の空間次数を持つ電磁加振力の高調波がモータ振動に繋がりやすいことが知られている。これは、電磁加振力の空間的な次数が小さいほど、見かけ上のモータの剛性が低下し、この結果、電磁加振力によるモータの変形量が大きくなることに起因している。
詳しい説明は後述するが、集中巻によるブラシレスモータでは、上記電磁加振力に含まれる空間高調波の最低次の次数は、14極18スロットモータのような一部の例外もあるが、極数とスロット数の差の絶対値に一致することが知られている。10極12スロットないし14極12スロットモータの場合、空間高調波の最低次数は2である。これは、モータの径方向断面において固定子を楕円形に変形させる円環2次の加振力である。これに対して、巻線係数が劣る上述の8極12スロットないし16極12スロットモータの場合、空間高調波の最低次数は4である。これは、モータの径方向断面において固定子を四角形に変形させる円環4次の加振力である。よって、10極12スロットないし14極12スロットモータでは、8極12スロットないし16極12スロットモータと比べて、空間高調波の最低次数が小さく、電磁加振力によるモータ振動が比較的大きくなりやすい問題を持っている。電磁加振力の低減策としては、特許文献5のようにロータをスキューさせることが考えられるが、トルク低減、軸方向中央での漏れ磁束など、モータ性能低下が問題となる。
以上で説明したように、10極12スロットないし、14極12スロットモータは、高トルク密度、低コギングトルクおよび低トルク脈動を実現するが、電磁加振力によるモータ振動が大きくなりやすい問題を持っている。また、モータの振動加速度は、概ねモータの回転数の二乗に比例して増加することが知られている。EPS装置では、低速から高速までの広い範囲の、ステアリングホイールの転舵速度において、良好なアシスト性能を発揮すると同時に車室内の静粛性が求められるため、このモータ振動による騒音が課題となる。EPS装置以外の自動車補機用モータ、例えば、電動ブレーキ用モータ、さらには、低振動が要求される一般産業向けの永久磁石式ブラシレスモータにおいても同様の課題がある。
そこで、本発明の目的は、電磁加振力によるモータ振動を低減した電動モータを提供することである。
本発明の電動モータは、第1固定子と前記第1固定子内に回転可能に配置された第1回転子とを有する第1モータ部と、第2固定子と前記第2固定子内に回転可能に配置された第2回転子とを有する第2モータ部と、前記第1回転子及び前記第2回転子について共通に設けられる駆動軸と、前記第1固定子を保持すると共に前記第2固定子を保持するフレームと、を備え、前記第1モータ部における固定子巻線及び回転子磁石の周方向配置は、前記第2モータ部における固定子巻線及び回転子磁石の周方向配置を前記駆動軸について周方向に所定の角度θ回転させた周方向配置と等価であることを特徴とする。
本発明によれば、電動モータにおける電磁加振力を低減することができる。本発明のより好ましい実施例によれば、高アシストトルク、低コギングトルクおよび低トルク脈動、広い範囲の回転数領域におけるモータの低振動化を同時に達成することができる。したがって、本発明の電動モータを例えばEPS装置に適用した場合、滑らかなステアリングホイールの操舵感と、車室内の静粛性を同時に実現したEPS装置を提供できる効果がある。
第1の実施形態に係る電動モータの軸方向断面図である。 第1の実施形態に係る第1モータ部の径方向断面図である。 第1の実施形態における電磁加振力の円環次数、回転次数とその大きさを示すグラフである。 第1の実施形態に係る第2モータ部の径方向断面図である。 第1の実施形態に係る電動モータの上面図である。 第1の実施形態に係る電動モータの軸方向位置による固定子変形の大きさの差を示すグラフである。 比較例に係る電動モータの軸方向位置による固定子変形の大きさの差を示すグラフである。 第1の実施形態において両スキュー角度に対する、フレーム変形、トルク脈動、コギングトルクの低減率を示す図である。 第2の実施形態における電磁加振力の円環次数、回転次数とその大きさを示すグラフである。 第3の実施形態における電磁加振力の円環次数、回転次数とその大きさを示すグラフである。 第4の実施形態に係る電動モータの径方向断面図である。 第4の実施形態における電磁加振力の円環次数、回転次数とその大きさを示すグラフである。 アウターロータ型の実施例として示される電動モータの径方向断面図である。
以下、図面を参照して、本発明に係るEPS装置向け永久磁石式ブラシレスモータの実施の形態について説明する。本実施例のブラシレスモータは、その他の自動車用電動補機装置へも適用可能である。さらには、低振動化が好ましい産業用のブラシレスモータ全般にも適用可能である。なお、各図において同一要素については同一の符号を記し、重複する説明は省略する。
(第1の実施形態)
図1から図8を用いて、本発明の第1の実施形態である10極12スロットモータの構成を説明する。
図1は、本実施形態に係る電動モータの軸方向断面図である。図1に示すように、本実施形態の電動モータは、固定子2と固定子2内に回転可能に配置された回転子1を有する第1モータ部と、固定子4と固定子4内に回転可能に配置された回転子3を有する第2モータ部と、回転子1及び回転子3について共通に設けられる駆動軸5と、固定子2を保持すると共に固定子4を保持するフレーム6と、を備える。回転子1及び回転子3は、回転子鉄心10と、回転子鉄心10の外周に貼り付けられた複数の回転子磁石8と、を有する。固定子2及び固定子4は、固定子鉄9と、固定子鉄心9のティース部に巻回される固定子巻線11と、を有する。図1においては、固定子巻線11のコイルエンド部7が図示されている。
図2は、図1におけるA−A断面で切断したときの第1モータ部の径方向断面図である。10極12スロットモータである第1モータ部は、回転子1による10極回転磁場12と、固定子2による14極逆回転磁場13の相互作用で、回転子1の回転速度ωの5倍の速度で逆回転する電磁加振力が発生する。この電磁加振力は、ある対角線方向の吸引力14とこれと垂直方向の反発力15で成り立っており、楕円形状の固定子変形16を起こす円環2次の電磁加振力である。図示した固定子変形16はある時間の変形状態であり、回転速度ωの5倍の速度で逆回転する。
図3は、10極12スロットモータ(負荷時)に発生する径方向電磁加振力の回転次数、空間次数と、その大きさをまとめたグラフである。このグラフでは、回転次数がプラスであれば、加振力の回転方向がモータの回転方向と同じであること、回転次数がマイナスであれば、加振力の回転方向がモータの回転方向と逆であることを示している。
円環2次(回転10次)以外の加振力で、値が大きいものの影響について説明する。円環0次(回転0次)の加振力は、磁石全体による一様な吸引力であるため、フレームの振動を引き起こすことはない。また、円環10次(回転10次)の加振力は、円環次数が10次と大きいため、固定子の変形は小さく(十角形状の固定子変形)、フレームの変形も小さい。このように、10極12スロットモータにおいて、モータの振動を抑制するためには、円環2次加振力の低減を考えればよい。
図4は、図1におけるB−B断面で切断したときの第2モータ部の径方向断面図である。図2と図4は、図中における上下左右方向が同一であるとして図示されている。図4に示す第2モータ部は、図2に示す第1モータ部を反時計回りの方向に90度回転させたような構成となっている。このように、本実施形態においては、第2モータ部は、第1モータ部に対して、巻き線の配線および磁石の位置が同一となる配置から、反時計回りの方向に90度ずらした配置となっているが、時計周りの方向に90度でも良い。
言い換えれば、第1モータ部における固定子巻線7及び回転子磁石8の周方向配置は、第2モータ部における固定子巻線7及び回転子磁石8の周方向配置を駆動軸5について周方向に90度回転させた周方向配置と等価となっている。これによって、円環2次の電磁加振力による第2モータ部の固定子変形19は、第1モータ部の固定子変形16に対して、90度ずれる。
円環2次加振力は、円環360度で2周期であるため、90度は、円環2次加振力の位相の半周期分にあたる。図4で図示した固定子変形19は、ある時間における変形状態であり、回転速度ωの5倍の速度で逆回転する。第1モータ部における固定子巻線7及び回転子磁石8の周方向配置と、第2モータ部における固定子巻線7及び回転子磁石8の周方向配置とが、駆動軸5について周方向に90度ずれた周方向配置関係となっているため、固定子変形16と固定子変形19とが90度ずれた関係を保ちながら、逆回転する。
このように、第1モータ部における固定子巻線7及び回転子磁石8の周方向配置を、第2モータ部における固定子巻線7及び回転子磁石8の周方向配置に対して所定の角度θずらした配置を、以下では、両スキュー配置と呼ぶ。本実施形態は、90度の両スキュー配置である。
図5は、本実施例のモータの上面図を示す。第1モータ部の反発力15と第2モータ部の吸引力17は逆向きで同じ大きさの力であり、第1モータ部の吸引力14と第2モータ部の反発力18は逆向きで同じ大きさの力である。
図6は、図5中のX1−X2断面における加振力を示す断面模式図である。反発力15と吸引力17は、軸方向の中心部に近いほど、互いの作用が強くなるため、フレームの変形は小さくなる。一方、軸方向の端部に近いほど、反発力15と吸引力17の互いの作用が小さくなる。しかしながら、図示の通り、モータのフレーム6は、第1モータ部と第2モータ部が収まる内部は中空の円筒状で加振力に対して弱く、変形しやすいが、端部である上面と下面は、円筒の上下を塞ぐ、シャフトを通す穴の開いたドーナツ状の円盤であり、円筒部分と比べて変形しづらい。つまり、端部は支持されている状態であり、この断面では、第1モータ部の中心で膨らみ、第2モータ部の中心で潰れる変形がフレーム6に印加される。図示はしないが、図5中のX3−X4断面についても、吸引力14と反発力18により、同様の影響があり、この断面では第1モータ部の中心で潰れ、第2モータ部の中心で膨らむ変形がフレーム6に印加される。
以上から、図6で示すように、第1モータ部と第2モータ部を90度両スキュー配置したモータ20のフレーム6の変形について、軸方向で観ると、二つの腹の部分(振幅が最大となる部分)を持っており、これは両端単純支持梁の2次振動モードに近似される。
図7は、本実施形態の比較例として、両スキューをさせなかった場合における断面模式図である。図7において、第1モータ部と第2モータ部とは同じ位相で回転するため、第1モータ部の反発力15と第2モータ部の反発力18は同じ向きで同じ大きさの力であり、第1モータ部の吸引力14と第2モータ部の吸引力17は同じ向きで同じ大きさの力である。反発力15と反発力18が、軸方向の中心部から端部まで、一様に作用する。ただ、端部である上面と下面は、円筒の上下を塞ぐ、シャフトを通す穴の開いたドーナツ状の円盤であり、円筒部分と比べて変形しづらく、端部が支持されている状態であるのは、両スキューしたときと変わらない。よって、この断面ではモータ22の中心で膨らむ変形がフレーム6に印加される。図示はしないが、図5中のX3−X4断面についても、吸引力14と吸引力17により、同様の影響があり、この断面では、モータ22の中心で潰れる変形がフレーム6に印加される。
以上から、図7で示すように、第1モータ部と第2モータ部を、両スキューさせない配置としたモータ22のフレーム6の変形について、軸方向で観ると、一つの腹の部分を持っており、これは両端単純支持梁の1次振動モードに近似される。このモータ22について、第1モータ部と第2モータ部の二つのモータ部ではなく、一つのモータ部とした場合でも、同様に、フレーム6の変形は両端単純支持梁の1次振動モードに近似である。
両端単純支持梁の2次振動モードであるモータ20のフレーム6の変形と、両端単純支持梁の1次振動モードであるモータ22のフレーム6の変形について、変位評価点21と変位評価点23で比較すると、梁の運動方程式から、変位評価点21の振幅は変位評価点23の振幅の1/16である。以上が、10極12スロットモータについて、電磁加振力の位相が半周期分ずれる、90度の両スキュー構造とすることで、フレームの変形量が小さくなり、モータ振動が小さくなる原理である。
トルク脈動及び、コギングトルクについても、位相が半周期分ずれるように、両スキューさせれば、電磁加振力によるフレーム変形と同様に、それぞれ低減させることができる。以下で、10極12スロットモータのトルク脈動とコギングトルクを低減する構成について、説明する。また、電磁加振力によるフレーム変形、トルク脈動、コギングトルクはそれぞれが、モータ振動の原因であることから、これらの全影響を加味したモータ振動を低減するモータ構成についても説明する。
10極12スロットモータは、極対数が5、電源周波数の1周期当りのトルク脈動の次数が6であり、回転次数で、5×6=30次のトルク脈動を発生する。360度/30/2=6度の両スキューをしたときに、第1モータ部と第2モータ部でそれぞれ発生するトルク脈動の位相が半周期分ずれて、トルク脈動を低減する効果が最大となる。また、両スキューを6の奇数倍の角度としても、トルク脈動の位相が半周期分ずれて、トルク脈動を低減する効果が最大となる。
ここで、90度は6の15倍(奇数倍)の角度であることから、トルク脈動に関しては、90度の両スキューをしたときでも、第1モータ部と第2モータ部でそれぞれ発生するトルク脈動の位相が半周期分ずれて、トルク脈動を低減する効果が最大となる。
10極12スロットモータは、極数10とスロット数12の最小公倍数である、回転60次のコギングトルクを発生する。したがって、360度/60/2=3度の両スキューをしたときに、第1モータ部と第2モータ部でそれぞれ発生するコギングトルクの位相が半周期分ずれて、コギングトルクを低減する効果が最大となる。また、両スキューを3の奇数倍の角度としても、コギングトルクの位相が半周期分ずれて、コギングトルクを低減する効果が最大となる。
ここで、90度は3の30倍(偶数倍)であることから、コギングトルクに関しては、90度の両スキューをしたときは、第1モータ部と第2モータ部でそれぞれ発生するコギングトルクの位相はずれず、コギングトルクを低減する効果は無い。
図8に、両スキュー角度90度前後における、電磁加振力によるフレーム変形、トルク脈動、コギングトルクの低減率についてまとめる。低減効果が無いときの低減率を1としている。前記の通り、10極12スロットモータは、両スキューを90度としたときには、電磁加振力によるフレーム変形と、トルク脈動を低減する効果は最大となり、コギングトルクは低減しない。一方、90±3度の両スキューとしたときには、トルク脈動の低減効果は小さくなるが、コギングトルクの低減効果は最大となる。
両スキュー角度θが87≦θ≦93の範囲では、90度に近づくほどトルク脈動は低減し、コギングトルクは増加する。そして、90度から遠ざかるほど、トルク脈動は増加し、コギングトルクは減少する。また、81≦θ≦87及び、93≦θ≦99の範囲では、トルク脈動、コギングトルクはともに、84度及び、96度に近づくほど増加し、84度及び96度から遠ざかるほど減少する関係になっている。電磁加振力によるフレーム変形については、90度に近づくほど低減し、90度から遠ざかるほど増加し、0度で低減効果が無くなる。電磁加振力によるフレーム変形に関して、低減効果が無いときの低減率を1、低減効果が最大となるときを、前記の通り1/16とすると、両スキュー角度をθとして、低減率αは、以下の式(1)で表される。
(数1)
α=(1−1/16)|cosθ|+1/16 ・・・(1)
電磁加振力によるフレーム変形による低減率αを0.1以下とするには、88≦θ≦92であれば良いし、低減率αを0.2以下とするには、82≦θ≦98で有れば良い。
以上より、10極12スロットモータの両スキュー配置においては、電磁加振力によるフレーム変形による低減率αを0.1程度までに抑え、トルク脈動、コギングトルクを低減できる構成とするには、87≦θ≦93の範囲とすれば良く、この範囲に、電磁加振力によるフレーム変形、トルク脈動、コギングトルクの全影響を加味したモータ振動が最小となる構成が存在する。
また、電磁加振力によるフレーム変形による低減率αを0.2程度までに抑えるには、82≦θ≦98で良いが、トルク脈動、コギングトルクの低減を考慮すると、この範囲で、84度、96度から離れた角度のほうが良い。82≦θ<87、93<θ≦98の範囲でもモータ振動は十分に低減できる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態として、第1モータ部及び第2モータ部を14極12スロットモータとした場合について説明する。14極12スロットモータは、第1の実施形態に係る10極12スロットモータと電気的な相関性が高いモータであり、回転子による14極回転磁場と、固定子による10極逆回転磁場の相互作用で、回転子の回転速度ωの7倍の速度で同一方向に回転する電磁加振力が発生する。この電磁加振力は、ある対角線方向の吸引力とこれと垂直方向の反発力で成り立っており、楕円形状の固定子変形を起こす円環2次(回転14次)の電磁加振力である。14極12スロットモータは、360度/2/2=90度の両スキューをしたときに、第1モータ部と第2モータ部でそれぞれ発生する円環2次の電磁加振力の位相が半周期分ずれて、電磁加振力によるフレーム変形を低減する効果が最大となる。
図9は、14極12スロットモータ(負荷時)に発生する径方向電磁加振力の回転次数、空間次数と、その大きさをまとめたグラフである。14極12スロットモータは、円環0次(回転0次)の加振力も大きいが、磁石全体による一様な吸引力であり、これが原因で振動が発生することはない。
14極12スロットモータは、極対数が7、電源周波数の1周期当りのトルク脈動の次数が6であり、回転次数7×6=42次のトルク脈動を発生することから、360度/42/2=30/7度の両スキューをしたときに、第1モータ部と第2モータ部がそれぞれ発生するトルク脈動の位相が半波長分ずれて、トルク脈動を低減する効果が最大となる。また、両スキューを30/7の奇数倍の角度としても、トルク脈動の位相が半周期分ずれて、トルク脈動を低減する効果が最大となる。
ここで、90度は30/7の21倍(奇数倍)の角度であることから、トルク脈動に関しては、90度の両スキューをしたときでも、第1モータ部と第2モータ部でそれぞれ発生するトルク脈動の位相が半周期分ずれて、トルク脈動を低減する効果が最大となる。
14極12スロットモータは、極数14とスロット数12の最小公倍数である、空間84次のコギングトルクを発生する。したがって、360度/84/2=15/7度の両スキューをしたときに、第1モータ部と第2モータ部がそれぞれ発生するコギングトルクの位相が半波長分ずれて、コギングトルクを低減する効果が最大となる。また、両スキューを15/7の奇数倍の角度としても、コギングトルクの位相が半周期分ずれて、コギングトルクを低減する効果が最大となる。
ここで、90度は15/7の42倍(偶数倍)であることから、コギングトルクに関しては、90度の両スキューをしたときは、第1モータ部と第2モータ部でそれぞれ発生するコギングトルクの位相はずれず、コギングトルクを低減する効果は無い。
前記の通り、14極12スロットモータは、両スキューを90度としたときには、電磁加振力による固定子変形とトルク脈動を低減する効果は最大となり、コギングトルクは低減しない。一方、90±15/7度の両スキューとしたときには、トルク脈動の低減効果は小さくなるが、コギングトルクの低減効果は最大となる。両スキュー角度θが(90−15/7)≦θ≦(90+15/7)の範囲において、90度に近づくほどトルク脈動は低減し、コギングトルクは増加する。そして、90度から遠ざかるほど、トルク脈動は増加し、コギングトルクは減少する。
また、(90−45/7)≦θ≦(90−15/7)及び、(90+15/7)≦θ≦(90+45/7)の範囲では、トルク脈動、コギングトルクはともに(90−30/7)度及び、(90+30/7)度に近づくほど増加し、(90−30/7)度及び、(90+30/7)度から遠ざかるほど減少する関係になっている。
電磁加振力によるフレーム変形については、90度に近づくほど低減し、90度から遠ざかるほど増加し、0度で低減効果が無くなる。電磁加振力によるフレーム変形に関して、低減効果が無いときの低減率を1、低減効果が最大となるときを1/16とすると、両スキュー角度をθとして、低減率αは、以下の式(2)で表される。
(数2)
α=(1−1/16)|cosθ|+1/16 ・・・(2)
電磁加振力によるフレーム変形の低減率αを0.1以下とするには、88≦θ≦92であれば良いし、低減率αを0.2以下とするには、82≦θ≦98で有れば良い。
以上より、14極12スロットモータの両スキュー配置においては、電磁加振力によるフレーム変形による低減率αを0.1程度までに抑え、トルク脈動、コギングトルクを低減できる構成とするには、(90−15/7)≦θ≦(90+15/7)の範囲とすれば良く、この範囲に、電磁加振力によるフレーム変形、トルク脈動、コギングトルクの全影響を加味したモータ振動が最小となる構成が存在する。
また、電磁加振力によるフレーム変形の低減率αを0.2程度までに抑えるには、82≦θ≦98で良いが、トルク脈動、コギングトルクの低減を考慮すると、この範囲で、(90−30/7)度、(90+30/7)度から離れた角度のほうが良い。82≦θ<(90−15/7)、(90+15/7)<θ≦98の範囲でもモータ振動は十分に低減できる。
(第3の実施形態)
第3の実施例として、第1モータ部、及び第2モータ部を8極12スロットモータとした場合について説明する。8極12スロットモータは、回転子による8極回転磁場と、固定子による16極逆回転磁場の相互作用で、回転子の回転速度ωの2倍の速度で逆回転する電磁加振力が発生する。この電磁加振力は、90度ずつずれて4方向に作用する吸引力と、前記の吸引力と45度ずれて4方向に作用する反発力で成り立っており、四角形状の固定子変形を起こす円環4次(回転8次)の電磁加振力である。8極12スロットモータは、両スキューを45度としたときに、第1モータ部と第2モータ部でそれぞれ発生する円環4次の電磁加振力の位相が半周期分ずれて、電磁加振力によるフレーム変形を低減する効果が最大となる。
図10は、8極12スロットモータ(負荷時)に発生する径方向電磁加振力の回転次数、空間次数と、その大きさをまとめたグラフである。8極12スロットモータは、円環0次(回転0次)の加振力も大きいが、磁石全体による一様な吸引力であるため、これが原因で振動が発生することはない。また、円環8次(回転8次)の加振力及び、円環12次(回転0次)の加振力も大きいが、円環次数が8次、12次と大きいため、固定子の変形は小さく(八角形状及び十二角形状の固定子変形)、これによるフレームの変形は小さい。以上より、8極12スロットモータでは円環4次加振力によるフレーム変形の低減を考えればよい。
8極12スロットモータは、極対数が4、電源周波数の1周期当りのトルク脈動の次数が6であり、回転次数4×6=24次のトルク脈動を発生することから、360度/24/2=7.5度の両スキューをしたときに、第1モータ部と第2モータ部がそれぞれ発生するトルク脈動の位相が半周期分ずれて、トルク脈動を低減する効果が最大となる。また、両スキューを7.5の奇数倍の角度としても、トルク脈動の位相が半周期分ずれて、トルク脈動を低減する効果が最大となる。45度は7.5度の6倍で、偶数倍であることから、トルク脈動に関しては、45度の両スキューをしたときは、第1モータ部と第2モータ部でそれぞれ発生するトルク脈動の位相はずれず、トルク脈動を低減する効果は無い。
8極12スロットモータは、極数8とスロット数12の最小公倍数である、空間24次のコギングトルクを発生することから、360度/24/2=7.5度の両スキューをしたときに、第1モータ部と第2モータ部がそれぞれ発生するコギングトルクの位相が半波長分ずれて、コギングトルクを低減する効果が最大となる。また、両スキューを7.5の奇数倍の角度としても、コギングトルクの位相が半周期分ずれて、コギングトルクを低減する効果が最大となる。45度は7.5の6倍で、偶数倍であることから、コギングトルクに関しては、90度の両スキューをしたときは、第1モータ部と第2モータ部でそれぞれ発生するコギングトルクの位相はずれず、コギングトルクを低減する効果は無い。
上記の通り、8極12スロットモータは、両スキュー角度θを45度としたときには、電磁加振力によるフレーム変形を低減する効果は最大となるが、トルク脈動とコギングトルクは低減しない。一方、45±7.5度の両スキューとしたときには、トルク脈動及びコギングトルクの低減効果は最大となる。
両スキュー角度θが37.5≦θ≦52.5の範囲においては、45度に近づくほど、トルク脈動とコギングトルクは増加し、45度から遠ざかるほど、トルク脈動とコギングトルクは低減する。
また、22.5≦θ≦37.5及び、52.5≦θ≦67.5の範囲では、トルク脈動、コギングトルクはともに30度及び、60度に近づくほど増加し、30度及び、60度から遠ざかるほど減少する関係になっている。
電磁加振力によるフレーム変形については、45度に近づくほど低減し、45度から遠ざかるほど増加し、0度で低減効果が無くなる。電磁加振力によるフレーム変形に関して、低減効果が無いときの低減率を1、低減効果が最大となるときを1/16とすると、両スキュー角度をθとして、低減率αは、以下の式(3)で表される。
(数3)
α=(1−1/16)|cos2θ|+1/16 ・・・(3)
電磁加振力によるフレーム変形による低減率αを0.1以下とするには、44≦θ≦46であれば良いし、低減率αを0.3以下とするには、37.7≦θ≦52.3で有れば良い。
8極12スロットモータでは、電磁加振力は円環4次であり、フレーム変形は元々小さいことから、低減率αは0.3程度で十分であり、モータ振動の最小化のためには、トルク脈動、コギングトルクの低減を重視したほうが良い。
以上より、8極12スロットモータの両スキュー配置においては、電磁加振力によるフレーム変形による低減率αを0.3程度までに抑え、トルク脈動、コギングトルクを低減できる構成とするには、37.5≦θ≦52.5の範囲とすれば良く、この範囲に、磁加振力によるフレーム変形、トルク脈動、コギングトルクの全影響を加味したモータ振動が最小となる構成が存在する。
(第4の実施形態)
第4の実施例として、第1モータ部、及び第2モータ部を14極18スロットモータとした場合について説明する。14極18スロットモータは、回転子による14極回転磁場と、固定子による22極逆回転磁場の相互作用で、回転子の回転速度ωの3.5倍の速度で逆回転する電磁加振力が発生する。この電磁加振力は、図11に示すように、90度ずつずれて4方向に作用する吸引力24と、前記の吸引力24と45度ずれて4方向に作用する反発力25、26で成り立っており、四角形状の固定子変形を起こす円環4次(回転14次)の電磁加振力である。
ところが、図11はある時間における、吸引力24と、反発力25、26を示しているが、反発力25が1ティースに作用しているのに対して、反発力26は2ティースに作用しているため、反発力25と26による加振力に差異があり、これが円環2次(回転14次)の加振力として現れる。電磁加振力の大きさは円環4次の方が大きいが、円環4次の電磁加振力による固定子の変形は、四角形状であり、円環2次の電磁加振力による楕円形の変形の方が、固定子の変形が大きく、フレームの変形、ひいてはモータ振動に与える影響も大きくなる。よって、14極18スロットモータは、両スキューを90度としたとき、第1モータ部と第2モータ部でそれぞれ発生する円環2次の電磁加振力の位相が半周期分ずれて、電磁加振力によるフレーム変形を低減する効果が最大となる。
図12は、14極18スロットモータ(負荷時)に発生する径方向電磁加振力の回転次数、空間次数と、その大きさをまとめたグラフである。14極18スロットモータは、円環0次(回転0次)の加振力も大きいが、磁石全体による一様な吸引力であり、これが原因で振動が発生することはない。
14極18スロットモータは、極対数が7、電源周波数の1周期当りのトルク脈動の次数が6であり、回転次数7×6=42次のトルク脈動を発生することから、360度/42/2=30/7度の両スキューをしたときに、第1モータ部と第2モータ部がそれぞれ発生するトルク脈動の位相が半波長分ずれて、トルク脈動を低減する効果が最大となる。また、両スキューを30/7の奇数倍の角度としても、トルク脈動の位相が半周期分ずれて、トルク脈動を低減する効果が最大となる。
ここで、90度は30/7の21倍(奇数倍)の角度であることから、トルク脈動に関しては、90度の両スキューをしたときでも、第1モータ部と第2モータ部でそれぞれ発生するトルク脈動の位相が半周期分ずれて、トルク脈動を低減する効果が最大となっている。
14極18スロットモータは、極数14とスロット数18の最小公倍数である、空間126次のコギングトルクを発生することから、360度/126/2=10/7度の両スキューをしたときに、第1モータ部と第2モータ部がそれぞれ発生するコギングトルクの位相が半波長分ずれて、コギングトルクを低減する効果が最大となる。コギングトルクに関しては、また、両スキューを10/7の奇数倍の角度としても、コギングトルクの位相が半周期分ずれて、コギングトルクを低減する効果が最大となる。
ここで、90度は10/7の63倍(奇数倍)の角度であることから、コギングトルクに関しては、90度の両スキューをしたときでも、第1モータ部と第2モータ部でそれぞれ発生するコギングトルクの位相が半周期分ずれて、コギングトルクを低減する効果が最大となっている。
14極18スロットモータは、トルク脈動については、(90−30/7)≦θ≦90及び、90≦θ≦(90+30/7)の範囲では、90度に近づくほど減少し、90度から遠ざかるほど増加する関係になっている。
また、コギングトルクについては、(90−30/7)≦θ≦90及び、90≦θ≦(90+30/7)の範囲では、(90−30/7)度、(90−10/7)度、(90+10/7)度、(90+30/7)度に近づくほど増加するが、(90−20/7)度、90度、(90+20/7)度に近づくほど、減少する。
電磁加振力によるフレーム変形については、90度に近づくほど低減し、90度から遠ざかるほど増加し、0度で低減効果が無くなる。電磁加振力によるフレーム変形に関して、低減効果が無いときの低減率を1、低減効果が最大となるときを1/16とすると、両スキュー角度をθとして、低減率αは、以下の式(4)で表される。
(数4)
α=(1−1/16)|cosθ|+1/16 ・・・(4)
電磁加振力によるフレーム変形による低減率αを0.1以下とするには、88≦θ≦92であれば良いし、低減率αを0.2以下とするには、82≦θ≦98で有れば良い。
以上より、14極18スロットモータの両スキュー配置においては、電磁加振力によるフレーム変形による低減率αを0.1程度までに抑えるには88≦θ≦92の範囲とすれば良く、この範囲で、トルク脈動、コギングトルクについても低減させることができる。
また、電磁加振力によるフレーム変形による低減率αを0.2程度までに抑えられる、82≦θ<87、93<θ≦98の範囲でも、トルク脈動、コギングトルクを低減することができ、モータ振動は十分に低減できる。ただ、14極18スロットモータについて、電磁加振力によるフレームの変形、トルク脈動、コギングトルクを低減する効果が最大となるのは、前期の通り、両スキューを90度としたときである。
以上の第1〜第4の実施形態では、比較的極数が小さい場合(極数が14以下)について述べた。ここでは、極数がP、スロット数がSの一般の場合について述べる。|P−S|>1を満たす、P極Sスロットで、発生する加振力の円環次数の、0次を除く最小値がnの第1モータ部及び第2モータ部で電動モータを構成する場合を考える。
電磁加振力によるフレームの変形を低減するには、両スキューの角度θをθ=(360/n/2)とすれば良い。円環2次の電磁加振力によるフレーム変形を抑制する場合はθ=90度であり、円環4次の電磁加振力によるフレーム変形を抑制する場合はθ=45度である。
トルク脈動を低減するには、両スキューの角度θを、Aを奇数として、θ=A×(360/(P×3)/2)とすれば良い。例えば極数が10のモータの場合、両スキュー角度を6度の奇数倍の角度に設定すればよい。
コギングトルクを低減するには、両スキューの角度θを、Aを奇数として、θ=A×(360/M/2)とすれば良い。例えば10極12スロットの場合は第1の実施形態のように、両スキュー角度を3度の奇数倍に設定すればよい。
同一のモータで比較すると、θ>θ≧θが、主なモータで成り立つ。電磁加振力によるフレームの変形、トルク脈動、コギングトルクはそれぞれが、モータ振動の原因であることから、これらの全影響を加味したモータ振動を低減するには、両スキューの角度θを、{(360/n/2)−(360/(P×3)/2)}≦θ≦{(360/n/2)+(360/(P×3)/2)}の範囲とするのが好ましい。
10極12スロットモータの回転子の永久磁石は、磁石中心部が36度間隔になるように、ロータ外周方向にN極が向いた磁石と、ロータ外周方向にS極を向いた磁石が、交互に配置されている。よって回転子3を72の倍数の角度で周方向に回転させたとき、N極、S極の配置は回転前と同一となる。これは5回対称の回転対称性である。また、10極12スロットモータの固定子は回転対称性を持っていないが、他のモータ、例えば8極12スロットモータの固定子は4回の回転対称性を持っている。回転対称性を持つ回転子及び、回転対称性を持つ固定子については、第1モータ部と第2モータ部を角度θで両スキュー配置したときと、それぞれのモータ部において、巻き線の配線と磁石の配置が変わらなければ、何度に回転させていても、角度θでの両スキュー配置であるとする。
電磁加振力、トルク脈動、コギングトルクについては、極数やスロットなどからその位相、次数を予測することができるが、その他の影響、例えば分割コアの分割方法などに影響を受け、位相や次数が変化することがある。このような場合は、個々のモータで、最適な両スキューの角度を定めれば良い。
本発明のモータのフレームの材料としては、例えば鉄や、アルミ等を用いることが考えられる。鉄は、アルミと比べて、剛性に優れ、フレームは変形しづらくなり、モータ振動を低減できるが、加工性に劣り、重量も重い。前記の通り、本発明による両スキュー配置したモータのフレームの変形について、軸方向で観ると、二つの腹の部分を持っており、これは両端単純支持梁の2次振動モードに近似であるが、両端の支持力が強いほど、理想的な両端単純支持梁の2次振動モードに近づき、フレームの変形を、より低減することができる。フレームの円筒状の部分に関しては、加工しやすく、重量の軽いアルミのような素材とし、円筒の上下を塞ぐ、シャフトを通す穴の開いたドーナツ状の円盤の部分に関しては、両端の支持力を高めることができるように、剛性の強い鉄のような部材とすることで、生産性は高く、全体の重量は軽く、モータ振動は小さいモータを提供できる。
モータのフレームは、剛性が強い部分が多いほど、変形しづらくなる。例えば、第1モータ部と、第2モータ部の間に、ドーナツ状の円盤部位をフレーム内側に追加することで、よりモータの振動を抑制することができる。ドーナツ状の円盤部位は、モータの製作時の、第1モータ部及び第2モータ部の位置決めのための部位としても有効であり、生産性を向上できる。
本発明のモータを外部装置と固定する際の部位については、軸方向端部付近で固定しても良いが、軸方向中央付近で固定した方が良い。本発明において、軸方向中央付近は端部と比べて振動が小さいため、軸方向中央付近で固定することで外部装置に振動が伝わりづらくなる効果がある。
第1モータ部と第2モータ部は同一のインバータで駆動させても良いし、それぞれ別のインバータで駆動させても良い。別のインバータで駆動させた場合、片方のインバータが故障した際でも、もう片方のインバータで、片方のモータ部位だけを駆動させることができ、緊急時のフェールセーフの観点から有効である。
上記の実施例では、表面磁石型同期モータについて述べてきたが、埋込磁石内蔵型同期モータについても、両スキュー配置により、上記と同様の効果が得られる。
上記の実施例では、固定子内に回転可能に配置された回転子を有する、インナー回転子のモータについて述べてきたが、図13に示すような、固定子外に回転可能に配置された回転子を有するアウター回転子のモータについても、両スキュー配置により、上記と同様の効果が得られる。
上記の実施例と同様の効果が得られるように、さらに第3モータ部、第4モータ部など、複数のモータ部について、両スキュー配置させても良い。
1…回転子、2…固定子、3…回転子、4…固定子、5…駆動軸、6…フレーム、7…コイルエンド、8…回転子磁石、9…固定子鉄心、10…回転子鉄心、11…固定子巻線、12…10極回転磁場、13…14極逆回転磁場、14…吸引力、15…反発力、16…固定子変形、17…吸引力、18…反発力、19…固定子変形、20…モータ21…変位評価点、22…モータ、23…変位評価点、24…吸引力、25…反発力、26…反発力

Claims (12)

  1. 第1固定子と前記第1固定子内に回転可能に配置された第1回転子とを有する第1モータ部と、
    第2固定子と前記第2固定子内に回転可能に配置された第2回転子とを有する第2モータ部と、
    前記第1回転子及び前記第2回転子について共通に設けられる駆動軸と、
    前記第1固定子を保持すると共に前記第2固定子を保持するフレームと、を備え、
    前記第1モータ部における固定子巻線及び回転子磁石の周方向配置は、前記第2モータ部における固定子巻線及び回転子磁石の周方向配置を前記駆動軸について周方向に所定の角度θ回転させた周方向配置と等価であることを特徴とする電動モータ。
  2. 第1固定子と前記第1固定子外に回転可能に配置された第1回転子とを有する第1モータ部と、
    第2固定子と前記第2固定子外に回転可能に配置された第2回転子とを有する第2モータ部と、
    前記第1固定子及び前記第2固定子について共通に設けられる軸と、
    前記第1回転子を保持すると共に前記第2回転子を保持する駆動フレームと、を備え、
    前記第1モータ部における固定子巻線及び回転子磁石の周方向配置は、前記第2モータ部における固定子巻線及び回転子磁石の周方向配置を前記駆動軸について周方向に所定の角度θ回転させた周方向配置と等価であることを特徴とする電動モータ。
  3. 請求項1又は2のいずれかに記載の電動モータにおいて、
    前記第1モータ部及び前記第2モータ部は、ともに極数がPのモータであり、
    前記第1モータ部及び前記第2モータ部で発生する円環次数の加振力のうち、0次を除く最小次数をnとしたとき、前記所定の角度θは、機械角で{360/n/2−360/(P×3)/2}度以上でありかつ{360/n/2+360/(P×3)/2}度以下であることを特徴とする電動モータ。
  4. 請求項3に記載の電動モータにおいて、
    前記所定の角度は、機械角で(360/n/2)度であることを特徴とする電動モータ。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載の電動モータにおいて、
    前記第1モータ部及び前記第2モータ部は、ともに極数がPのモータであり、
    Aを奇数としたとき、前記所定の角度θは、機械角で[A×{360/(P×3)/2}]度であることを特徴とする電動モータ。
  6. 請求項1乃至3のいずれかに記載の電動モータにおいて、
    前記第1モータ部及び前記第2モータ部は、ともに極数がPでスロット数がSのモータであり、
    Aを奇数とし、極数Pとスロット数Sの最小公倍数をMとしたとき、前記所定の角度θは、機械角で(A×(360/M/2))度であることを特徴とする電動モータ。
  7. 請求項3に記載の電動モータにおいて、
    前記所定の角度θは、機械角で{360/n/2−360/(P×3)/2}度又は{360/n/2+360/(P×3)/2}度であることを特徴とする電動モータ。
  8. 請求項1又は2のいずれかに記載の電動モータであって、
    前記第1モータ部及び前記第2モータ部は、ともに極数がPでスロット数がSのモータであり、
    前記第1モータ部及び前記第2モータ部で発生する円環次数の加振力のうち、0次を除く最小次数をnとし、極数Pとスロット数Sの最小公倍数をMとしたとき、前記所定の角度θは、機械角で{360/n/2−360/(P×3)/2}度以上でありかつ{360/n/2+360/(P×3)/2}度以下であることを特徴とする電動モータ。
  9. 請求項1又は2のいずれかに記載の電動モータにおいて、
    前記第1モータ部及び前記第2モータ部は、ともに極数が10でスロット数が12のモータであり、
    前記所定の角度θは、機械角で87度以上でありかつ93度以下であることを特徴とする電動モータ。
  10. 請求項1又は2のいずれかに記載の電動モータにおいて、
    前記第1モータ部及び前記第2モータ部は、ともに極数が14でスロット数が12のモータであり、
    前記所定の角度θは、機械角で(90−15/7)度以上でありかつ(90+15/7)度以下であることを特徴とする電動モータ。
  11. 請求項1又は2のいずれかに記載の電動モータにおいて、
    前記第1モータ部及び前記第2モータ部は、ともに極数が8でスロット数が12のモータであり、
    前記所定の角度θは、機械角で37.5度以上でありかつ52.5度以下であることを特徴とする電動モータ。
  12. 請求項1又は2のいずれかに記載の電動モータにおいて、
    前記第1モータ部及び前記第2モータ部は、ともに極数が14でスロット数が18のモータであり、
    前記所定の角度θは、機械角で88度以上でありかつ92度以下であることを特徴とする電動モータ。
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