図1は、本発明の一実施形態にかかる部品実装機の部分的構成を模式的に示す平面図である。図2は、図1の部品実装機が備える電気的構成を部分的に示すブロック図である。図1および以下に示す図では、基板搬送方向X、幅方向Yおよび鉛直方向ZからなるXYZ直交座標系を適宜示す。また、各座標軸の矢印側を一方側と称し、各座標軸の矢印の反対側を他方側と適宜称する。
部品実装機1は、装置全体を制御する制御ユニット100(図2)を備える。制御ユニット100は、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access
Memory)等で構成された主制御部110と、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置で構成された記憶部120を有する。そして、制御ユニット100に設けられた駆動制御部130、画像処理部140、圧力制御部150、ブロー制御部160および入出力制御部170を、主制御部110が記憶部120に記憶されたプログラムに基づき制御することで、部品が実装された基板Sを生産する。
図1に示すように、部品実装機1は、搬送レーン2が搬入した基板Sに対して、部品供給部3が供給する部品をヘッドユニット4により移載する概略構成を具備する。より具体的には、基板搬送方向Xに並行して延設された2本の搬送レーン2と、これら搬送レーン2の幅方向Yの両側それぞれに2個ずつ設けられた部品供給部3と、4個のヘッドユニット4とを部品実装機1は備える。
2本の搬送レーン2それぞれは共通の構成を具備しており、基板Sを基板搬送方向Xの上流側から搬入して所定の停止位置20で停止させる基板搬入動作と、停止位置20で部品実装を受けた基板Sを基板搬送方向Xの下流側へ搬出する基板搬出動作とを実行する。この際、各搬送レーン2は、例えば基板搬送方向Xにおいて異なる2つの停止位置20それぞれに基板Sを停止できる構成を具備する。2本の搬送レーン2のそれぞれは基板搬送方向Xに並行に延設された2本の搬送コンベア21で構成され、部品実装機1では4本の搬送コンベア21が幅方向Yへ並ぶ。4本の搬送コンベア21のうち、外側の2本は幅方向Yに固定された固定コンベアであり、内側の2本は幅方向Yに移動自在な可動コンベアである。したがって、可動コンベア21の幅方向Yへ移動させることで、搬送レーン2の幅を基板Sの幅に応じて調整することができる。
ちなみに、2本の搬送レーン2における基板搬送の態様は、図1に例示したものに限られない。つまり、図1では、2本の搬送レーン2それぞれに2つずつ停止位置20を設定して、合計4つの停止位置20を設定しつつ基板搬送を行う場合が例示されているが、2本の搬送レーン2について、一方は右側、他方は左側に1つずつ停止位置20を設定して、合計2つの停止位置20を設定することもできる。また、基板Sの幅が広いために2本の搬送レーン2で同時に基板搬送を実行できないような場合には、2本の搬送レーンのうちの一方でのみ基板搬送を実行して、他方では基板搬送を実行しなくても構わない。
これら搬送レーン2の幅方向Yの両側それぞれでは、2個の部品供給部3が基板搬送方向Xに並んでおり、部品実装機1では、合計4個の部品供給部3が設けられている。各部品供給部3は、複数のテープフィーダー31を基板搬送方向Xに配列した構成を具備する。各テープフィーダー31は、集積回路(IC)、トランジスタ、コンデンサ等の小片状の電子部品を収納するテープをリールに巻き回した概略構成を具備し、リールから電子部品を間欠的に搬送レーン2側端部へ送り出すことで、電子部品を供給する。なお、部品供給部3を構成するフィーダーの種類としては、テープ型のフィーダーに限られず、トレイに載置された状態で電子部品を供給するトレイ型のフィーダーであっても良い。
そして、4個の部品供給部3のそれぞれに対して1個のヘッドユニット4が設けられ、合計4個のヘッドユニット4が具備される。4個のヘッドユニット4のそれぞれは、X方向に等間隔で配列された3本の実装ヘッド41を有する。そして、各実装ヘッド41に対しては、Z軸サーボモーター42およびR軸サーボモーター43が取り付けられている。したがって、Z軸サーボモーター42により実装ヘッド41を鉛直方向Zに駆動することで、実装ヘッド41を昇降させることができる。また、R軸サーボモーター43により実装ヘッド41を回転方向に駆動することで、実装ヘッド41を回転させることができる。
さらに、各実装ヘッド41には圧力切換機構44が連通している。圧力切換機構44は、部品実装機1が設置される工場に設けられた正圧源や負圧源といった用力に接続されており、圧力制御部150が圧力切換機構44を制御することで、実装ヘッド41の先端に装着されたノズル45(図3)内に正圧、負圧あるいは大気圧を与えることができる。
したがって、部品供給部3から部品をピックアップする際には、駆動制御部130がZ軸サーボモーター42を制御することで、実装ヘッド41を下降させて、実装ヘッド41の先端のノズル45を部品供給部3が供給する部品に当接させる。続いて、圧力制御部150が圧力切換機構44を制御することで、実装ヘッド41の先端のノズル45内に負圧を与えて、部品をノズル45に吸着する。この状態から、駆動制御部130がZ軸サーボモーター42を制御して、実装ヘッド41を上昇させることで、部品をピックアップできる。
また、ピックアップした部品を基板Sに実装する際には、駆動制御部130がZ軸サーボモーター42を制御することで、実装ヘッド41を下降させて、実装ヘッド41の先端のノズル45に吸着された部品を基板Sに当接させる。そして、圧力制御部150が圧力切換機構44を制御することで、実装ヘッド41の先端のノズル45内に正圧を与える。これによって、部品がノズル45から離脱して基板Sに実装される。
このようにして、各ヘッドユニット4は実装ヘッド41の先端のノズル45により、対応するテープフィーダー31から部品をピックアップして、停止位置20に停止する基板Sへ実装する。
また、各ヘッドユニット4には、図3を用いて後述する撮像部5が搭載されている。そして、撮像部5が対応するヘッドユニット4に設けられた実装ヘッド41のノズル45の先端近傍を撮像した結果に基づき、画像処理部140が当該実装ヘッド41による部品の吸着状態の良否を判断する。実装ヘッド41による部品の吸着状態が不適切である場合(例えば、吸着された部品の姿勢が傾いている等の場合)には、当該部品が第1部品廃棄部6あるいは第2部品廃棄部7に廃棄される。
第1部品廃棄部6は、各部品供給部3に対して1個ずつ設けられている。各第1部品廃棄部6は対応する部品供給部3と搬送レーン2との間に配置されており、例えば長辺の長さが0.2mm〜0.4mmといった極小部品P2、および極小部品P2より大きな通常部品P1の両方の部品P(図3)を廃棄可能である。なお、本実施形態では、極小部品P2とは後述するノズル挿入孔71に挿入できるサイズを有する部品であり、通常部品P1とはノズル挿入孔71に挿入できないサイズを有する部品である。第1部品廃棄部6は、平面視においてヘッドユニット4に並ぶ3本の実装ヘッド41の全てを内包できる広さの単一の開口を有する箱型の容器である。
そして、部品廃棄の必要がある場合は、ヘッドユニット4は廃棄対象の部品を供給した部品供給部3に対応する第1部品廃棄部6の上方へ移動して、3本の実装ヘッド41を第1部品廃棄部6の開口の真上に位置させる。続いて、圧力制御部150が圧力切換機構44を制御して実装ヘッド41の先端のノズル45に正圧(第1正圧)を与えることで、当該ノズル45からエアブローを行い、廃棄対象の部品を実装ヘッド41から離脱させる。こうして離脱した部品は、実装ヘッド41から落下して、第1部品廃棄部6へ廃棄される。
第2部品廃棄部7は、幅方向Yに互いに対向する2個の部品供給部3のペアに対して1個ずつ設けられている。各第2部品廃棄部7は、対応するペアを構成する2個の部品供給部3の間に配置されており、より具体的には、対応する2個の部品供給部3のうち幅方向Yの一方側の部品供給部3と搬送レーン2との間に配置されている。この第2部品廃棄部7は、極小部品P2の廃棄に専用に構成されており、通常部品P1は廃棄できず極小部品P2のみを廃棄できる。第2部品廃棄部7では4個のノズル45挿入孔71が基板搬送方向Xに並んでおり、各ノズル45挿入孔71に対しては単一の実装ヘッド41のノズル45を挿脱自在である。これら4個のノズル挿入孔71のうち、基板搬送方向Xの一方側の3個のノズル挿入孔71が並ぶ間隔は、ヘッドユニット4の3本の実装ヘッド41が並ぶ間隔と等しく、これら3個のノズル挿入孔71に対してヘッドユニット4の3本の実装ヘッド41を同時に挿入することができる。なお、第2部品廃棄部7の構成の詳細については、図4および図5を用いて後述する。
そして、部品廃棄の必要がある場合は、ヘッドユニット4は廃棄対象の極小部品P2を供給した部品供給部3に対応する第2部品廃棄部7の上方へ移動して、当該極小部品P2を吸着する実装ヘッド41をノズル挿入孔71の真上に位置させる。続いて、駆動制御部130がZ軸サーボモーター42を制御することで実装ヘッド41を下降させて、廃棄対象の極小部品P2を吸着するノズル45を当該極小部品P2とともにノズル挿入孔71に挿入する。この状態において、圧力制御部150が圧力切換機構44を制御してノズル挿入孔71に挿入されたノズル45に正圧(第2正圧)を与えることで、当該ノズル45からエアブローを行い、廃棄対象の極小部品P2を実装ヘッド41から離脱させる。こうして離脱した極小部品P2は、実装ヘッド41から落下して搬送レーン2内に廃棄される。ちなみに、第2部品廃棄部7での部品廃棄の際にノズル45に与える第2正圧は、第1部品廃棄部6での部品廃棄の際にノズル45に与える第1正圧よりも大きい。また、第2部品廃棄部7での部品廃棄の際にノズル45に第2正圧を与える時間は、第1部品廃棄部6での部品廃棄の際にノズル45に第1正圧を与える時間よりも長い。
また、部品実装機1では、上述のようにヘッドユニット4を移動させるために、ヘッド駆動機構8が設けられている。具体的には、4個のヘッド駆動機構8が4個の部品供給部3に対応して設けられている。そして、4個のヘッド駆動機構8がそれぞれ1個のヘッドユニット4の駆動を担う。
各ヘッド駆動機構8は、X方向へ移動自在にヘッドユニット4を支持しつつX方向に延びるX軸ビーム81を、Y方向へ移動自在に支持した構成を具備する。X軸ビーム81には、ヘッドユニット4に取り付けられてX方向に延びるX軸ボールネジ82と、X軸ボールネジ82を回転駆動するX軸サーボモーター83とが取り付けられている。そして、X軸サーボモーター83がX軸ボールネジ82を回転駆動すると、X軸ボールネジ82に螺合する不図示のナットが固定されたヘッドユニット4がX軸ビーム81に沿ってX方向へ移動する。また、各ヘッド駆動機構8は、X軸ビーム81の一方の端部が取り付けられて搬送レーン2の上方をY方向に延びるY軸ボールネジ84と、Y軸ボールネジ84を回転駆動するY軸サーボモーター85とを有する。そして、Y軸サーボモーター85がY軸ボールネジ84を回転駆動すると、Y軸ボールネジ84に螺合する不図示のナットが固定されたX軸ビーム81がヘッドユニット4を伴ってY方向へ移動する。X軸ビーム81の他方の端部は、2本の搬送レーン2のX方向中央部の上方をY方向に跨ぐ2本のレール86のいずれかに摺動可能に支持されている。
このように構成された各ヘッド駆動機構8は、X軸サーボモーター83とY軸サーボモーター85とを適宜回転させることで、対応する部品供給部3上方と停止位置20の基板S上方との間で、担当するヘッドユニット4を移動させることができる。これによって、ヘッドユニット4は、部品供給部3が供給する部品を実装ヘッド41で吸着して、停止位置20に停止する基板Sへ移載することができる。
ちなみに、図1において幅方向Yの一方側(下側)の各ヘッド駆動機構5のY軸ボールネジ84は、幅方向Yにおいて一方側の部品供給部3から2つの搬送レーン2の間までの長さを有する。したがって、これらヘッド駆動機構8により駆動されるヘッドユニット4は、幅方向Yにおいて一方側の部品供給部3から2つの搬送レーン2の間までの範囲を移動することができる。
これに対して、図1において幅方向Yの他方側(上側)の各ヘッド駆動機構8のY軸ボールネジ84は、幅方向Yにおいて他方側の部品供給部3から両搬送レーン2を超えて、一方側の部品供給部3の手前まで延びる長さを有する。したがって、これらヘッド駆動機構8により駆動されるヘッドユニット4は、幅方向Yにおいて他方側の部品供給部3から両搬送レーン2を超えて一方側の部品供給部3の手前までの範囲を移動することができる。このように、幅方向Yの他方側の各ヘッドユニット4の移動範囲が、幅方向Yの一方側の各ヘッドユニット4の移動範囲より広く設定されているのは、幅方向Yの他方側の各ヘッドユニット4が第2部品廃棄部7にアクセスできるようにするためである。
図3は、図1の部品実装機が備えるヘッドユニットおよび撮像部の部分的構成を模式的に示す側面図である。なお、部品実装機1ではヘッドユニット4および撮像部5のペアは4つ設けられているが、各ペアで構成は共通するため、ここでは1つのペアについて説明する。ヘッドユニット4は下方に延びる実装ヘッド41を具備し、実装ヘッド41の下端にノズル45が着脱自在に装着されている。また、ヘッドユニット4には、基板搬送方向Xに延びるボールネジ46と、ボールネジ46を駆動する撮像部駆動モーター47とが取り付けられている。そして、このボールネジ46に撮像部5が螺合する。
撮像部5は、ボールネジ46に螺合するフレーム51、照明52およびカメラ53を有し、フレーム51に照明52およびカメラ53を固定した構成を具備する。フレーム51はヘッドユニット4から下方に延びた形状を有し、図3の側面視においてノズル42の先端を挟んで幅方向Yから互いに正対する照明52とカメラ53とを支持する。したがって、撮像部駆動モーター47によりボールネジ46を回転させることで、フレーム51と一体的に照明52およびカメラ53を基板搬送方向Xに駆動することができる。
そして、部品の吸着状態を判断する際には、駆動制御部130が撮像部駆動モーター47を制御することで、ヘッドユニット4が有する3本の実装ヘッド41のうち撮影対象の一の実装ヘッド41のノズル45にカメラ53を幅方向Yから対向させる。続いて、照明52からノズル45に光を照射しつつ、カメラ53によりノズル45を撮像することで、ノズル45の先端近傍の画像を取得する。こうして得られた画像は画像処理部140に送信され、画像処理部140が当該画像に基づきノズル45による部品の吸着状態の良否を判断する。一方、部品の吸着状態の判断時以外は、駆動制御部130が撮像部駆動モーター47を制御して撮像部5の位置を調整することで、ヘッドユニット4が有する3本の実装ヘッド41から基板搬送方向Xに外れた退避位置に、撮像部5を退避させる(例えば図の左下のヘッドユニット4において、撮像部5は退避位置にある)。
図4は、第2部品廃棄部の外観構成を示す斜視図である。図5は、図4の第2部品廃棄部の断面を部分的に示す断面図である。第2部品廃棄部7は、鉛直方向Zに立設された支持フレーム72、支持フレーム72の上部に取り付けられたノズル挿入部73、支持フレーム72の下部に取り付けられた部品回収容器74、ノズル挿入部73と部品回収容器74とを接続する部品回収管75およびエアブロー機構76(気体ブロー部)を有する。
ノズル挿入部73には、基板搬送方向Xに並ぶ4個のノズル挿入孔71がそれぞれ鉛直方向Zに延設されている。ノズル挿入孔71の上端の開口71Aは円形状を有し、平面状のノズル挿入部73の上面において上方を向いて開いている。ノズル挿入孔71に対しては極小部品P2のみが挿入でき、通常部品P1は挿入できない。このノズル挿入孔71は、上側のノズル導入空間77と下側のブロー空間78とで構成される。
ノズル導入空間77は、開口71Aから下方へ延びる円柱形状を有する円柱部771と、円柱部771の下端から下方に向かうに連れて狭くなる円錐台形状を有するくびれ部772とで構成されており、ノズル導入空間77の下端の口の径は開口71Aの径よりも短い。こうして、ノズル導入空間77の内壁はその下端部において、開口71Aから離れるに連れて先細りとなるくびれ形状773を有する。ちなみに、ノズル導入空間77は、ノズル挿入孔71に対するノズル45の挿脱方向、すなわち鉛直方向Zにおいてノズル挿入孔71へのノズル45の挿入長よりも短い。そのため、図5に示すようにノズル挿入孔71に挿入されたノズル45の先端部分は、ノズル導入空間77からブロー空間78へ突出する。
ブロー空間78は、くびれ部772の下端から下方に向かうに連れて広くなる拡張部781と、拡張部781の下端から下方に延びる円柱形状を有する円柱部782と、円柱部782の下端から下方に向かうに連れて狭くなる円錐台形状を有する縮小部783とを有する。そして、拡張部781の内壁に、エアブロー機構76の吹き出し口761が水平方向を向いて開いている。このエアブロー機構76は、部品実装機1が設置される工場に設けられた用力である正圧源に接続されており、ブロー制御部160(図2)がエアブロー機構76を制御することで、正圧源からの正圧を利用して吹き出し口761から拡張部781内部にエア(気体)をブローすることができる。
さらに、拡張部781の内壁には、吹き出し口761に水平方向から対向する部分に気流制御面784が形成されている。この気流制御面784は、ノズル挿入孔71に対するノズル45の挿脱方向、すなわち鉛直方向Zにおいてノズル導入空間77の逆側を向いた斜面であり、吹き出し口761からブロー空間78に吹き出された気流をノズル導入空間77から離れる方向へ変える機能を果たす。
かかるブロー空間78では、ノズル挿入孔71に挿入されてノズル導入空間77から拡張部781に突出するノズル45の先端を挟んで、吹き出し口761と気流制御面784が水平方向に対向する。そして、吹き出し口761から水平方向に吹き出された気流は、ノズル45の先端に付着した部品を吹き飛ばした後に、気流制御面784に当たって下方へ向きを変える。その結果、ブロー空間78では下方へ向かう気流が発生し、エアブローによりノズル45から離脱した部品は、この気流に乗って下方の円柱部782および縮小部783へと向かう。
ちなみに、上述のとおり、第2部品廃棄部7での部品廃棄の際は、ノズル45からもエアブローが行われる。つまり、ノズル45から下方へブローされる気流と、吹き出し口761から水平方向へブローされる気流とを受けて、部品はノズル45から離脱する。
円柱部782および縮小部783は、それぞれの中心線がノズル導入空間77の中心線に対して水平方向に偏るように配置されている。また、縮小部783は上述のとおり円錐台形状を有しており、縮小部783の下端部が部品回収管75内の中空通路に接続される。こうして、ブロー空間78の内壁はその下端部において、部品回収管75側へ向かうに連れて滑らかに先細りとなる形状785を有する。
そして、縮小部783の下端にまで到達した部品は、気流に乗って部品回収管75の中空通路を通り抜けて部品回収容器74に回収される。なお、上述のとおり、ノズル挿入部73では4個のノズル挿入孔71が設けられている。これに対応して、部品回収管75は4個のノズル挿入孔71のそれぞれに取り付けられており、各ノズル挿入孔71はそれぞれの部品回収管75を介して共通の部品回収容器74に連通している。部品回収容器74には、メッシュフィルター741が設けられており、ノズル挿入孔71から部品回収管75を抜けてきた気流はメッシュフィルター741から外部へ抜ける。また、部品回収容器74は、ラッチ機構あるいはボルトやナット等の締結部材によって支持フレーム72に対して着脱自在に構成されており、部品回収容器74は、支持フレーム72から取り外されるのに伴って、部品回収管75からも外れる。
図6は、図1の部品実装機で実行される実装ターンの一例を示すフローチャートである。図7は、図6のフローチャートで実行される廃棄シーケンスの動作の一例を示すフローチャートである。図6および図7の各ステップは、記憶部120に記憶されるプログラムに基づいた主制御部110の制御により実行される。つまり、主制御部110は、ヘッドユニット4に図6の実装ターンを繰り返し実行させることで所定の部品を基板Sに実装しつつ、部品廃棄の必要が生じた場合は図7の廃棄シーケンスを適宜実行する。
ステップS101では、ヘッドユニット4は、対応する部品供給部3の上方に移動して、実装ヘッド41に部品をピックアップさせる。この際、例えばヘッドユニット4が具備する3本の実装ヘッド41の全てに、部品をピックアップさせることができる。ステップS102では、各実装ヘッド41のノズル45先端の画像を撮像部5により取得し、その結果に基づき各実装ヘッド41のノズル45による部品の吸着状態の良否を確認する。ステップS103では、吸着不良を起こした廃棄の必要がある部品、すなわち廃棄対象部品がヘッドユニット4に吸着される部品のうちに有るか否かを、ステップS102での確認結果に基づき判断する。そして、廃棄対象部品が存在しない場合(ステップS103で「NO」の場合)は、ヘッドユニット4は基板Sの上方へ移動して、吸着する各部品を基板Sに実装して、実装ターンを終了する。
一方、廃棄対象部品が存在する場合(ステップS103で「YES」の場合)は、ステップS105に進んで廃棄シーケンスを実行する(図7)。ステップS201では、ヘッドユニット4に付着する部品を第1部品廃棄部6に廃棄するための第1廃棄動作を実行する。具体的には、駆動制御部130がヘッドユニット4を第1部品廃棄部6の上方へ移動させる。続いて、圧力制御部150がヘッドユニット4の3本の実装ヘッド41のうち、廃棄対象部品を吸着する実装ヘッド41のノズル45に選択的に正圧(第1正圧)を与えて、当該ノズル45からのエアブローを実行する。
ステップS202では、ステップS201での第1廃棄動作によって、全ての廃棄対象部品の廃棄が成功したか否かを確認する。具体的には、撮像部5が廃棄対象部品を吸着していたノズル45の先端近傍の画像を撮像する。そして、画像処理部140が撮像部5の撮像結果に基づき、ノズル45から部品が離脱しているか否かを判断する。全ての廃棄対象部品の廃棄が成功した場合(ステップS202で「YES」の場合)は、ステップS207に進む一方、ノズル45に付着したまま廃棄に失敗した廃棄対象部品が存在する場合(ステップS202で「NO」の場合)は、ステップS203に進む。
ステップS203では、廃棄に失敗した廃棄対象部品が付着するノズル45が、第2部品廃棄部7のノズル挿入孔71に挿入可能なサイズを有するか否かを判断する。つまり、記憶部120には、実装ヘッド41に装着されたノズル45のサイズを記録したノズルデータ121が記憶されており、主制御部110はノズルデータ121に基づき、該当のノズル45のノズル挿入孔71への挿入の可否を判断する。そして、該当のノズル45がノズル挿入孔71に挿入できないと判断される場合(ステップS203で「NO」の場合)は、ステップS209に進む。なお、複数の廃棄対象部品が廃棄に失敗した場合は、廃棄対象部品が付着した複数のノズル45のうち、ノズル挿入孔71に挿入できないノズル45が1つでもあれば、ステップS203において「NO」と判断する。一方、該当のノズル45がノズル挿入孔71に挿入できると判断される場合(ステップS203で「YES」の場合)は、ステップS204に進む。なお、複数の廃棄対象部品が廃棄に失敗した場合は、廃棄対象部品が付着した複数のノズル45の全てがノズル挿入孔71に挿入できる場合に限り、ステップS203において「YES」と判断する。
ステップS204では、廃棄に失敗した廃棄対象部品が、第2部品廃棄部7のノズル挿入孔71に挿入可能なサイズを有するか、すなわち極小部品P2であるか否かを判断する。つまり、記憶部120には、各部品のサイズを記録した部品データ122が記憶されており、主制御部110は部品データ122に基づき、廃棄に失敗した廃棄対象部品のノズル挿入孔71への挿入の可否を判断する。そして、該当の廃棄対象部品がノズル挿入孔71に挿入できないと判断される場合(ステップS204で「NO」の場合)は、ステップS209に進む。なお、複数の廃棄対象部品が廃棄に失敗した場合は、これら廃棄対象部品のうち、ノズル挿入孔71に挿入できない部品が1つでもあれば、ステップS204において「NO」と判断する。一方、該当の廃棄対象部品がノズル挿入孔71に挿入できると判断される場合(ステップS204で「YES」の場合)は、ステップS205に進む。なお、複数の廃棄対象部品が廃棄に失敗した場合は、廃棄対象部品の全てがノズル挿入孔71に挿入できる場合に限り、ステップS204で「YES」と判断する。
ステップS205では、ヘッドユニット4に付着する部品を第2部品廃棄部7に廃棄するための第2廃棄動作を実行する。具体的には、駆動制御部130が、廃棄対象部品が付着するノズル45を第2部品廃棄部7のノズル挿入孔71に挿入する。続いて、圧力制御部150がヘッドユニット4の3本の実装ヘッド41のうち、廃棄対象部品が付着した実装ヘッド41のノズル45に選択的に正圧(第2正圧)を与えて、当該ノズル45からエアブローを実行するととともに、ブロー制御部160が吹き出し口761からエアブローを実行する。なお、第2廃棄動作においてノズル45からエアブローを行う時間は、第1廃棄動作でノズル45からエアブローを行う時間より長い。
ステップS206では、ステップS205での第2廃棄動作によって、全ての廃棄対象部品の廃棄が成功したか否かを、ステップS202と同様にして確認する。全ての廃棄対象部品の廃棄が成功した場合(ステップS206で「YES」の場合)は、ステップS207に進む一方、ノズル45に付着したまま廃棄に失敗した廃棄対象部品が存在する場合(ステップS206で「NO」の場合)は、ステップS209に進む。
こうして、ステップS202で「YES」と判断され、あるいはステップS203、S204、S206の全てで「YES」と判断されて、ヘッドユニット4に廃棄対象部品が付着してないことが確認されると、ステップS207が実行される。このステップS207では、ヘッドユニット4が有する3本の実装ヘッド41のうち、実装対象部品を吸着する実装ヘッド41が存在するか否かを確認する。そして、実装対象部品が存在しない場合(ステップS207で「NO」の場合)は図7の廃棄シーケンスを終了する一方、実装対象部品が存在する場合(ステップS207で「YES」の場合)は、ステップS208でこの実装対象部品を基板Sに実装してから図7の廃棄シーケンスを終了する。
一方、ステップS202で「NO」と判断され、さらにステップS203、S204、S206のいずれかで「NO」と判断されて、ヘッドユニット4に付着した廃棄対象部品が廃棄できないことが確認されると、ステップS209、S210を実行した後に図7の廃棄シーケンスを終了する。つまり、主制御部110は、実行中の実装ターンを停止し(ステップS209)、入出力制御部170を介してディスプレイ9を制御することで、部品廃棄に失敗したことをディスプレイ9(報知手段)に表示して、作業者に報知する。
以上に説明したように本実施形態では、通常部品P1(第1品種の部品)および通常部品P1より小さい極小部品P2(第2品種の部品)の両方が廃棄できる第1部品廃棄部6が具備されている。そして、ヘッドユニット4に付着する部品の廃棄が必要になると、ヘッドユニット4に付着する部品を第1部品廃棄部6へ廃棄するための第1廃棄動作が廃棄対象の部品に対して実行される(ステップS201)。つまり、通常部品P1および極小部品P2の大小両方の部品を廃棄できるといった第1部品廃棄部6の利点を活かして、部品廃棄が必要になると、先ずは第1部品廃棄部6へ廃棄対象の部品を廃棄するための第1廃棄動作を実行する。こうして、部品のサイズを特に考慮することなく第1廃棄動作を実行するといった簡単な制御で、廃棄対象の部品を廃棄できる。
ちなみに、極小部品P2については、第1廃棄動作を行っても廃棄に失敗する場合がある。そこで、廃棄対象の部品に極小部品P2が含まれる場合は第1廃棄動作の実行後に廃棄対象の極小部品P2がヘッドユニット4に付着しているかを確認する(ステップS202、S204)。そして、廃棄対象の極小部品P2がヘッドユニット4に付着している判断すると、極小部品P2に専用の第2部品廃棄部7に部品を廃棄するための第2廃棄動作を、ヘッドユニット4に付着する極小部品P2に対して実行する(ステップS205)。これによって、ヘッドユニット4が付着する極小部品P2を確実に廃棄することが可能となっている。
また、上記のようにヘッドユニット4が複数の部品を同時に吸着可能である構成を具備する部品実装機1に対しては、本実施形態の構成は特に好適である。つまり、かかる部品実装機1では、ヘッドユニット4は通常部品P1および極小部品P2の大小両方の部品を同時に吸着することができるため、廃棄対象に大小両方の部品が混在する場合がある。これに対して、上記の特許文献1の技術では、部品のサイズに応じて第1部品回収ステーションと第2部品回収ステーションとを使い分けるため、廃棄対象に大小両方の部品が混在する場合は、大きな部品を廃棄するために第1部品回収ステーションで廃棄動作を行うとともに、小さな部品を廃棄するために第2部品回収ステーションで廃棄動作を行う必要がある。すなわち、2箇所の部品回収ステーションのそれぞれで廃棄動作を実行する必要が生じてしまう。
これに対して、本実施形態では、通常部品P1および極小部品P2の大小両方の部品を廃棄できるといった第1部品廃棄部6の利点を活かして、部品廃棄が必要になると、先ずは第1部品廃棄部6へ廃棄対象の部品を廃棄するための第1廃棄動作を実行する。そのため、当該第1廃棄動作において第1部品廃棄部6への極小部品P2の廃棄が成功すれば、第1部品廃棄部6を1回行うだけで大小両方の部品の廃棄を完了でき、第2部品廃棄部7への部品の廃棄のための第2廃棄動作を実行する必要が無い。その結果、部品廃棄に要する時間の短縮化を図ることが可能となる。
さらに言えば、第1廃棄動作において極小部品P2の廃棄が失敗した場合にのみ、第2廃棄動作が実行されるため、第2廃棄動作の実行頻度は少なく抑えられている。一方、上述したように、第2廃棄動作においてノズル45からエアブローを行う時間は、第1廃棄動作でノズル45からエアブローを行う時間より長く、第2廃棄動作の完了には長時間を要する。そこで、サイクルタイム短縮の観点からは、第2廃棄動作を度々行うことは好ましくない。これに対して、本実施形態は第2廃棄動作の実行頻度が少なく抑えられており、サイクルタイム短縮を図ることができるといった利点を有する。
また、本実施形態では、制御ユニット100は、第1廃棄動作の実行後に廃棄対象の極小部品P2がヘッドユニット4に付着していると判断し(ステップS202で「NO」)、なおかつ廃棄対象の極小部品P2が付着するノズル45がノズル挿入孔71に挿入できるサイズを有する場合に(ステップS203で「YES」)、第2廃棄動作を実行する。このような構成では、廃棄対象の極小部品P2が付着するノズル45を第2部品廃棄部7のノズル挿入孔71に適切に挿入して第2部品廃棄部7を実行することができ、廃棄対象の極小部品P2をより確実に廃棄することができる。
また、制御ユニット100は、第1廃棄動作の実行後に廃棄対象の極小部品P2がヘッドユニット4に付着していると判断しても、廃棄対象の極小部品P2が付着するノズル45がノズル挿入孔71に挿入できないサイズを有する場合には、第2廃棄動作を実行せずに、部品の廃棄に失敗したことを作業者に報知する(ステップS210)。これによって、サイズの合わないノズル45を無理にノズル挿入孔71に挿入してノズル45やノズル挿入孔71に損傷を与えることが防止されるとともに、作業者は、部品廃棄の失敗に対応するための保守作業を速やかに行うことができる。
また、ヘッドユニット4に並ぶ複数のノズル45を、第2部品廃棄部7に並ぶ複数のノズル挿入孔71に同時に挿入可能であるように構成されている。かかる構成では、複数の極小部品P2に対して同時に第2廃棄動作を実行することができ、部品廃棄に要する時間の短縮化を図ることが可能となる。
また、制御ユニット100は、第2廃棄動作の実行後に廃棄対象の極小部品P2がヘッドユニット4に付着しているかを確認し(ステップS206)、極小部品P2がヘッドユニット4に付着していると判断すると(ステップS206で「NO」)、部品の廃棄に失敗したことを作業者に報知する(ステップS210)。これによって、作業者は、部品廃棄の失敗に対応するための保守作業を速やかに行うことができる。
また、制御ユニット100は、第1廃棄動作の実行後に廃棄対象の通常部品P1がヘッドユニット4に付着しているかを確認し(ステップS204)、廃棄対象の通常部品P1がヘッドユニット4に付着していると判断すると(ステップS204で「NO」)、部品の廃棄に失敗したことを作業者に報知する(ステップS210)。これによって、作業者は、部品廃棄の失敗に対応するための保守作業を速やかに行うことができる。
また、ヘッドユニット4に取り付けられてヘッドユニット4に付着する部品を撮像可能な撮像部5が具備されており、制御ユニット100は、撮像部5の撮像結果に基づいて、廃棄対象の極小部品P2がヘッドユニット4に付着しているかを確認する。かかる構成では、ヘッドユニット4に取り付けられた撮像部5がヘッドユニット4に伴って移動する。そのため、ヘッドユニット4の場所に拘わらず、ヘッドユニット4に付着する部品を速やかに撮像部5により撮像することができ、制御ユニット100はこの撮像結果に基づき、廃棄対象の極小部品P2がヘッドユニット4に付着しているかを迅速に確認することができる。
また、第2部品廃棄部7(部品廃棄装置)では、ノズル挿入孔71の内壁に開いた吹き出し口761を有し、ノズル挿入孔71に挿入されたノズル45の先端に付着する部品へ向けて吹き出し口761からエアをブローする。しかも、ノズル挿入孔71の内壁のうち吹き出し口761に対向する部分に気流制御面784が設けられ、吹き出し口761から出て気流制御面784に当たった気流の向きは開口71Aから離れる方向へ変えられる。その結果、ノズル挿入孔71内には、開口71Aから離れる方向への気流が生成される。したがって、ノズル45から外れた部品をこの気流に乗せて、開口71Aから離れる方向へ吹き飛ばすことができる。よって、エアブローに伴う気流によって巻き上げられた極小部品P2がノズル45とノズル挿入孔71との間に生じる隙間から飛び出すといった状況の発生を抑制でき、ヘッドユニット4が吸着する極小部品P2を廃棄するのに好適となっている。
また、ノズル挿入孔71の内壁には、ノズル45が挿脱される方向、すなわち鉛直方向Zにおける開口71Aと吹き出し口761との間に、開口71Aから離れるに連れて先細りとなるくびれ形状773が設けられている。したがって、ブロー空間78からノズル導入空間77への極小部品P2の通過を、このくびれ形状773により妨げることができる。その結果、エアブローに伴う気流によって巻き上げられた極小部品P2がノズル45とノズル挿入孔71との間に生じる隙間から飛び出すといった状況の発生を抑制でき、ヘッドユニット4が吸着する極小部品P2を廃棄するのに好適となっている。
ちなみに、エアブローによりノズル45から外れた極小部品P2は、部品回収管75を介して部品回収容器74に回収される。これに対して、ノズル挿入孔71の内壁は、部品回収管75側の端において、部品回収管75へ向かうに連れて滑らかに先細りとなる形状785を有する。そのため、ノズル挿入孔71から部品回収管75へ極小部品P2をスムーズに流して、部品回収容器74に回収することができ、ヘッドユニット4が吸着する極小部品P2を廃棄するのに好適となっている。
また、部品回収容器74は、部品回収管75に対して着脱自在に構成されている。そのため、部品回収容器74が極小部品P2で満杯となった際には、部品回収容器74を部品回収管75から取り外して、部品回収容器74内の極小部品P2を取り除くことができ、ヘッドユニット4が吸着する極小部品P2を部品回収容器74に回収する第2部品廃棄部7にとって好適な構成と言える。
以上に説明したように本実施形態では、部品実装機1が本発明の「部品実装機」の一例に相当し、部品供給部3が本発明の「部品供給部」の一例に相当し、搬送レーン2が本発明の「基板保持部」の一例に相当し、ヘッドユニット4が本発明の「ヘッドユニット」の一例に相当し、ノズル45が本発明の「ノズル」の一例に相当し、第1部品廃棄部6が本発明の「第1部品廃棄部」の一例に相当し、第2部品廃棄部7が本発明の「第2部品廃棄部」の一例に相当し、ノズル挿入孔71が本発明の「ノズル挿入孔」の一例に相当し、撮像部5が本発明の「撮像部」の一例に相当し、制御ユニット100が本発明の「制御部」の一例に相当し、通常部品P1が本発明の「第1品種の部品」の一例に相当し、極小部品P2が本発明の「第2品種の部品」の一例に相当する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記実施形態では、第1廃棄動作において極小部品P2の廃棄が失敗した場合にのみ、第2廃棄動作が実行されて、第2部品廃棄部7が使用されるため、第2部品廃棄部7の使用頻度は比較的少なく抑えられている。そこで、幅方向Yに対向する2台のヘッドユニット4で1台の第2部品廃棄部7を共用している。これによって、第2部品廃棄部7の台数を抑えて、部品実装機1の省スペース化あるいは低コスト化を図ることが可能となっている。
この際、制御ユニット100は、複数のヘッドユニット4のうち一のヘッドユニット4が第2廃棄動作のために第2部品廃棄部7に位置する間は、第2部品廃棄部7を含む所定範囲への進入を他のヘッドユニット4に禁止しても良い。これによって、2以上のヘッドユニット4について第2廃棄動作の必要性が同時に生じた場合であっても、これらが同時に第2部品廃棄部7に位置しようとして互いに干渉するといったことが防止される。
ちなみに、かかる構成では、2台のヘッドユニット4について第2廃棄動作の必要性が同時に生じた場合には、一のヘッドユニット4が第2廃棄動作のために第2部品廃棄部7に位置する間は他のヘッドユニット4は待機することとなる。しかしながら、上記実施形態によれば、第1廃棄動作において極小部品P2の廃棄が失敗した場合にのみ、第2廃棄動作が実行されて、第2部品廃棄部7が使用されるため、第2部品廃棄部7の使用頻度は比較的少なく抑えられている。よって、かかるヘッドユニット4の待機が発生する頻度は比較的少なく、ヘッドユニット4の待機による時間のロスを抑えることが可能となっている。
ただし、複数のヘッドユニット4で1台の第2部品廃棄部7を共用する必要は必ずしも無い。したがって、各ヘッドユニット4に対して1台の第2部品廃棄部7を配置することもできる。
また、第1部品廃棄部6と第2部品廃棄部7とを一体的に構成することもできる。かかる構成では、第1部品廃棄部6と第2部品廃棄部7とが比較的近接して配置されることとなるため、第1廃棄動作から第2廃棄動作への移行を速やかに行うことができ、効率的と言える。
また、部品の吸着状態の撮像は、ヘッドユニット4に搭載された撮像部5によって実行されていた。しかしながら、例えばヘッドユニット4とは別体でヘッドユニット4の下方に設けられたカメラによりヘッドユニット4を下側から撮像することで、ノズル45への部品の吸着状態を撮像するように構成しても良い。
また、上記実施形態では、部品廃棄に失敗した旨をディスプレイ9に表示することで、作業者に報知していた。しかしながら、警告灯あるいは警報音等の各種報知手段により作業者への報知を行うこともできる。
ところで、上記実施形態は、部品廃棄が必要になると、先ずは第1廃棄動作を実行し、第1廃棄動作による極小部品P2の廃棄に失敗した場合に第2廃棄動作を実行するといった制御を行う。これによって、ヘッドユニット4が吸着する極小部品P2の廃棄に好適な技術を実現している。しかしながら、上記実施形態には、ヘッドユニット4が吸着する極小部品P2の廃棄に好適な技術を、当該制御に依らずとも実現できる構成が具備されている。この点について詳述すると、次の通りである。
例えば、特許文献1では、小さな部品の廃棄に専用に部品回収ステーションが設けられている。この部品回収ステーションは、ノズルが挿脱自在な挿入孔を有し、挿入孔に挿入されたノズルの先端に気体をブローすることで、ノズルの先端に付着した部品を廃棄する。しかしながら、このような構成では、気体のブローに伴う気流によって巻き上げられた小さな部品が、ノズルと挿入孔との間に生じる隙間から飛び出してしまう場合があった。
これに対して上記の部品廃棄装置は、外部に向けて開いた開口を有し、当該開口を介してノズルが外部から挿脱自在なノズル挿入孔が設けられたノズル挿入部と、ノズル挿入孔の内壁に開いた吹き出し口を有し、ノズル挿入孔に挿入されたノズルの先端に付着する部品へ向けて吹き出し口から気体をブローする気体ブロー部とを備え、ノズル挿入部は、ノズル挿入孔の内壁のうち吹き出し口に対向する部分に気流制御面を有し、吹き出し口から出て気流制御面に当たった気流の向きを開口から離れる方向へ変える。
このような部品廃棄装置では、ノズル挿入孔の内壁に開いた吹き出し口を有し、ノズル挿入孔に挿入されたノズルの先端に付着する部品へ向けて吹き出し口から気体をブローする。しかも、ノズル挿入孔の内壁のうち吹き出し口に対向する部分に気流制御面が設けられ、吹き出し口から出て気流制御面に当たった気流の向きは開口から離れる方向へ変えられる。その結果、ノズル挿入孔内には、開口から離れる方向への気流が生成される。したがって、ノズルから外れた部品をこの気流に乗せて、開口から離れる方向へ吹き飛ばすことができる。よって、気体のブローに伴う気流によって巻き上げられた小さな部品がノズルとノズル挿入孔との間に生じる隙間から飛び出すといった状況の発生を抑制でき、ヘッドユニットが吸着する小さな部品を廃棄するのに好適となっている。
また、上記の部品廃棄装置は、外部に向けて開いた開口を有し、当該開口を介してノズルが外部から挿脱自在なノズル挿入孔が設けられたノズル挿入部と、ノズル挿入孔の内壁に開いた吹き出し口を有し、ノズル挿入孔に挿入されたノズルの先端に付着する部品へ向けて吹き出し口から気体をブローする気体ブロー部とを備え、ノズル挿入孔の内壁には、ノズルが挿脱される方向における開口と吹き出し口との間に、開口から離れるに連れて先細りとなるくびれ形状を有する。
このような部品廃棄装置では、ノズル挿入孔の内壁に開いた吹き出し口を有し、ノズル挿入孔に挿入されたノズルの先端に付着する部品へ向けて吹き出し口から気体をブローする。しかも、ノズル挿入孔の内壁には、ノズルが挿脱される方向における開口と吹き出し口との間に、開口から離れるに連れて先細りとなるくびれ形状が設けられている。よって、気体のブローに伴う気流によって巻き上げられた小さな部品がノズルとノズル挿入孔との間に生じる隙間から飛び出すといった状況の発生を抑制でき、ヘッドユニットが吸着する小さな部品を廃棄するのに好適となっている。
ところで、特許文献1では、気体のブローによりノズルから外れた小さな部品は、ガイド管を介して部品フィルタに回収される。このような部品回収ステーションでは、部品が小さいために、ガイド管に到る前に部品が壁面の段差で跳ね返されて、ノズルと挿入孔との間に生じる隙間から飛び出してしまう場合があった。したがって、ノズルから外れた部品をスムーズにガイド管にまで流して、部品フィルタに回収することが好適となる。
これに対して上記の部品廃棄装置は、外部に向けて開いた開口を有し、当該開口介してノズルが外部から挿脱自在なノズル挿入孔が設けられたノズル挿入部と、ノズル挿入孔の内壁に開いた吹き出し口を有し、ノズル挿入孔に挿入されたノズルの先端に付着する部品へ向けて吹き出し口から気体をブローする気体ブロー部と、ノズル挿入孔に接続され、ノズル挿入孔に挿入されたノズルから離脱した部品を部品回収容器に導く部品回収管とを備え、ノズル挿入孔の内壁は、部品回収管側の端において、部品回収管側へ向かうに連れて滑らかに先細りとなる形状を有する。
このような部品廃棄装置では、ノズル挿入孔の内壁に開いた吹き出し口を有し、ノズル挿入孔に挿入されたノズルの先端に付着する部品へ向けて吹き出し口から気体をブローする。そして、この気体のブローによりノズルから外れた部品は、部品回収管を介して部品回収容器に回収される。しかも、ノズル挿入孔の内壁は、部品回収管側の端において、部品回収管側へ向かうに連れて滑らかに先細りとなる形状を有する。そのため、ノズル挿入孔から部品回収管へ部品をスムーズに流して、部品回収容器に回収することができ、ヘッドユニットが吸着する小さな部品を廃棄するのに好適となっている。
ところで、特許文献1では、気体のブローによりノズルから外れた小さな部品は、ガイド管を介して部品フィルタに回収される。かかる構成は、ノズルから外れた小さな部品を外部に飛散させることなく部品フィルタに回収できるといった利点がある一方、廃棄済みの部品の増大に伴って、部品フィルタが部品で満杯になるといった課題がある。
これに対して上記の部品廃棄装置は、外部に向けて開いた開口を有し、当該開口を介してノズルが外部から挿脱自在なノズル挿入孔が設けられたノズル挿入部と、ノズル挿入孔の内壁に開いた吹き出し口を有し、ノズル挿入孔に挿入されたノズルの先端に付着する部品へ向けて吹き出し口から気体をブローする気体ブロー部と、部品回収容器と、ノズル挿入孔と部品回収容器とを接続し、ノズル挿入孔に挿入されたノズルから離脱した部品を部品回収容器に導く部品回収管とを備え、部品回収容器は、ノズル挿入孔に対して着脱自在に構成されている。
このような部品廃棄装置では、ノズル挿入孔の内壁に開いた吹き出し口を有し、ノズル挿入孔に挿入されたノズルの先端に付着する部品へ向けて吹き出し口から気体をブローする。そして、この気体のブローによりノズルから外れた部品は、部品回収管を介して部品回収容器に回収される。これによって、ノズルから外れた小さな部品を外部に飛散させることなく部品回収容器に回収できるといった利点がある。しかも、部品回収容器が部品回収管に対して着脱自在に構成されている。そのため、部品回収容器が部品で満杯となった際には、部品回収容器を部品回収管から取り外して、部品回収容器内の部品を取り除くことができ、ヘッドユニットが吸着する小さな部品を部品回収容器に回収する部品廃棄装置にとって好適な構成と言える。