JP2017016796A - 全固体電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】全固体電池の温度が作動温度超となったときに、正極活物質層と負極活物質層との間のイオン伝導を低減し、昇温を抑制することができる、全固体電池を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の全固体電池100は、正極集電体層110、正極活物質層120、固体電解質粒子131を含有している固体電解質層130、負極活物質層140、及び負極集電体層150が積層されている。また、本発明の全固体電池100では、固体電解質層130が、エチルビニルアセテートを、固体電解質層130の質量に対して70質量%以上で含有し、エチルビニルアセテートが、固体電解質粒子同士が接触している接触面の近傍を含む固体電解質粒子の表面全体に存在している。【選択図】図1

Description

本発明は、正極集電体層、正極活物質層、固体電解質粒子を含有している固体電解質層、負極活物質層、及び負極集電体層が積層されている全固体電池に関する。さらに詳しくは、本発明は、全固体電池が作動温度超となったときに、正極活物質層と負極活物質層との間のイオン伝導を低減し、昇温を抑制することができる、全固体電池に関する。
近年、電解液を固体電解質粒子に置換した全固体電池が注目されている。電解液を用いる二次電池と比較して、全固体電池は、電解液を用いないことから、過充電に起因する電解液の分解等を生じることなく、更に、高いサイクル耐久性及びエネルギー密度を有している。
しかしながら、従来の全固体電池は、その過充電、放電、又は損壊等によって発熱する可能性がある。そのため、かかる課題の解決が望まれている。
特許文献1の固体電解質二次電池は、正極集電体層、正極活物質層、電解質層(特に固体電解質層)、負極活物質層、及び負極集電体層が積層された積層構造を有し、この電解質層は、所定の温度で気体を発生させる発泡性材料を含有している。この特許文献1では、電池の短絡又は過充電等によって発熱が生じたときに上記の発泡性材料が気体を生じ、この気体が電解質層中に空洞を形成し、これによって、正極活物質層及び負極活物質層の間の電気化学的反応を妨げる技術が開示されている。
なお、特許文献2のリチウムイオン電池は、正極、電解液に浸潤されたセパレーター、及び負極を有し、この電解液中には、熱膨張カプセルが添加されている。この特許文献2では、この熱膨張カプセルが、過充電等による電池温度上昇時に膨張し、正極活物質層と負極活物質層との間に配されたセパレーター内で電解液のない空間を形成し、そしてリチウムイオンの移動を物理的にシャットアウトすることによって、電池の過剰な反応を抑制する技術が開示されている。
特開平11−67275号公報 特開2009−26674号公報
特許文献1の固体電解質二次電池では、固体電解質層内において、気体が発生した部分に空洞が形成されるが、気体が発生していない部分で電気化学的反応が進行する可能性がある。
したがって、本発明は、全固体電池が作動温度超となったときに、正極活物質層と負極活物質層との間のイオン伝導を低減し、昇温を抑制することができる、全固体電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、以下の手段により、上記課題を解決できることを見出した。
〈1〉正極集電体層、正極活物質層、固体電解質粒子を含有している固体電解質層、負極活物質層、及び負極集電体層が積層されている全固体電池であって、
上記固体電解質層が、エチルビニルアセテートを、上記固体電解質層の質量に対して70質量%以上で含有し、
上記エチルビニルアセテートが、上記固体電解質粒子同士が接触している接触面の近傍を含む上記固体電解質粒子の表面全体に存在している、
全固体電池。
本発明によれば、全固体電池が作動温度超となったときに、全固体電池内部において正極活物質層と負極活物質層との間のイオン伝導を低減し、昇温を抑制することができる。
図1(a)は、本発明の全固体電池の一実施形態を示す図であり、図1(b)は、図1(a)の固体電解質層の第一の実施形態を示す図であり、図1(c)は、図1(a)の固体電解質層の第二の実施形態を示す図である。 図2(a)は、本発明の全固体電池の温度が作動温度であるときの固体電解質層の状態を示した図であり、図2(b)は、本発明の全固体電池の温度が作動温度超であるときの固体電解質層の状態を示した図である。 図3は、実施例並びに比較例1及び2の固体電解質層の積層体に対して交流インピーダンス測定をした際の、1000/T(1/K)及びLogσ(S/cm)に関するアレニウスプロットである。 図4は、比較例3の固体電解質層の積層体に対して交流インピーダンス測定をした際の、1000/T(1/K)及びLogσ(S/cm)に関するアレニウスプロットである。 図5は、比較例4〜6の固体電解質層の積層体に対して交流インピーダンス測定をした際の、1000/T(1/K)及びLogσ(S/cm)に関するアレニウスプロットである。 図6は、比較例7〜8の固体電解質層の積層体に対して交流インピーダンス測定をした際の、1000/T(1/K)及びLogσ(S/cm)に関するアレニウスプロットである。 図7は、比較例9〜11の固体電解質層の積層体に対して交流インピーダンス測定をした際の、1000/T(1/K)及びLogσ(S/cm)に関するアレニウスプロットである。 図8は、比較例12〜14の固体電解質層の積層体に対して交流インピーダンス測定をした際の、1000/T(1/K)及びLogσ(S/cm)に関するアレニウスプロットである。 図9は、比較例15〜16の固体電解質層の積層体に対して交流インピーダンス測定をした際の、1000/T(1/K)及びLogσ(S/cm)に関するアレニウスプロットである。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々変形して実施できる。また、図面の寸法比率は、説明の都合上変更されており、実際の比率とは異なる場合がある。
《全固体電池》
本発明の全固体電池では、正極集電体層、正極活物質層、固体電解質粒子を含有している固体電解質層、負極活物質層、及び負極集電体層が積層されている。
全固体電池は、その全体がフィルム状のパッケージ又はケース等で包装されていてよい。このようなフィルム状のパッケージ又はケースは、ポリマーフィルム、特にアルミニウム等の金属箔を積層したポリマーフィルムで形成されていてよい。
また、本発明の全固体電池では、固体電解質層が、エチルビニルアセテートを、固体電解質層の質量に対して70質量%以上で含有し、エチルビニルアセテートが、固体電解質粒子同士が接触している接触面の近傍を含む固体電解質粒子の表面全体に存在している。
したがって、本発明の全固体電池が、その過充電、放電、又は損壊等によって、発熱し、かつ作動温度超となった場合には、固体電解質粒子同士が接触している接触面の近傍に存在しているエチルビニルアセテートが膨張することによって、固体電解質粒子同士を引き離すことができる。このため、本発明の全固体電池では、全固体電池が作動温度超となったときに、正極活物質層と負極活物質層との間のイオン伝導を低減し、昇温を抑制することができる。
固体電解質粒子同士が接触している接触面の近傍に存在しているエチルビニルアセテートの形態としては、特に限定されないが、例えば、微粒子状若しくは膜状の形態又はこれらを組み合わせた形態を挙げることができる。
エチルビニルアセテートの形態が微粒子状である場合には、固体電解質粒子同士が接触している接触面の近傍のエチルビニルアセテート微粒子が固体電解質粒子同士を引き離すことが容易な粒径であれば、この微粒子の粒径は特に限定されない。
本発明の全固体電池の作動温度としては、200℃以下、160℃以下、140℃以下、120℃以下、又は100℃以下を挙げることができる。
固体電解質層が含有しているエチルビニルアセテートの含有量としては、固体電解質層の質量に対して、70質量%以上、72質量%以上、75質量%以上、80質量%以上、85質量%以上、又は90質量%以上を挙げることができる。
図1(a)を参照して、本発明の全固体電池の一実施形態を説明する。図1(a)の全固体電池100では、正極集電体層110、正極活物質層120、固体電解質層130、負極活物質層140、及び負極集電体層150が積層されている。また、固体電解質層130は、固体電解質粒子131を含有している。
図1(b)を参照して、図1(a)の固体電解質層130の第一の実施形態を説明する。図1(b)では、固体電解質粒子131同士が接触している接触面の近傍を含む固体電解質粒子131の表面全体に、エチルビニルアセテート微粒子132が存在している。
図1(c)を参照して、図1(a)の固体電解質層130の第二の実施形態を説明する。図1(c)では、固体電解質粒子131同士が接触している接触面の近傍を含む固体電解質粒子131の表面全体に、エチルビニルアセテート膜133が存在している。
図2(a)を参照して、本発明の全固体電池の温度が作動温度であるときの固体電解質層の状態を説明する。図2(a)中の矢印は、固体電解質粒子131が連結して形成された経路をリチウムイオンが伝導している状態を示している。
図2(b)を参照して、本発明の全固体電池の温度が作動温度超であるときの固体電解質層の状態を説明する。図2(b)中において、矢印は、固体電解質粒子131が連結して形成された経路をリチウムイオンが伝導している状態を示し、X印は、固体電解質粒子131同士の間の接触不良及び/又は断絶によってリチウムイオンの伝導が抑制されている状態を示している。すなわち、図2(b)では、固体電解質粒子131同士が接触している接触面の近傍に存在しているエチルビニルアセテートが膨張することによって、固体電解質粒子131同士を引き離している。
〈固体電解質層〉
固体電解質層は、固体電解質粒子及びエチルビニルアセテート、並びに任意選択的なバインダーを含有している。
固体電解質粒子としては、特に限定されないが、固体電解質粒子として利用可能な原材料を用いることができる。固体電解質粒子としては、硫化物系非晶質固体電解質粒子、例えば、75LiS−25P、8LiO・67LiS・25P、LiS、P、LiS−SiS若しくはLiI−LiS−B等;酸化物系非晶質固体電解質粒子、例えば、LiO−SiO等;若しくは、結晶質酸化物粒子、例えば、Li1.3Al0.3Ti0.7(PO等、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。硫化物系非晶質固体電解質粒子が、優れたリチウムイオン伝導性を有する点で好ましく用いられる。
固体電解質粒子の平均粒径としては、例えば0.1μm〜20μmの範囲、0.1μm〜10μmの範囲、0.3μm〜6μmの範囲、又は0.5μm〜3μmの範囲を挙げることができる。
なお、本発明において「平均粒径」とは、特に断りのない限り、走査型電子顕微鏡(SEM)、及び走査透過電子顕微鏡(STEM)等の手段を用い、かつ無作為に選択した10個以上の粒子の円相当径(Heywood径)を測定した際に、それらの測定値の算術平均値をいうものである。
バインダーとしては、特に限定されることなく、ポリマー樹脂、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。なお、本発明のエチルビニルアセテートは、バインダーとしての機能を有してよい。
〈正極集電体層及び負極集電体層〉
集電体層としては、正極集電体層又は負極集電体層を挙げることができる。正極集電体層又は負極集電体層としては、特に限定されることなく、各種金属、例えば、銀、銅、金、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、若しくはチタン等、又はこれらの合金の集電体層を用いることができる。化学的安定性の観点から、正極集電体層としては、アルミニウムの集電体層が好ましく、かつ負極集電体層としては、銅の集電体層が好ましい。
〈正極活物質層〉
正極活物質層は、正極活物質、並びに任意選択的に導電助剤、バインダー、及び固体電解質粒子を含有している。
正極活物質としては、マンガン、コバルト、ニッケル及びチタンから選ばれる少なくとも1種の遷移金属及びリチウムを含む金属酸化物、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、若しくはニッケルコバルトマンガン酸リチウム(Li1+xNi1/3Co1/3Mn1/3)等、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
正極活物質の形態は、好ましくは粉体である。正極活物質の平均粒径としては、特に限定されないが、例えば1μm以上、3μm以上、5μm以上、又は10μm以上を挙げることができ、かつ100μm以下、50μm以下、30μm以下、又は20μm以下を挙げることができる。
導電助剤としては、炭素材、例えば、VGCF(気相成長法炭素繊維、Vapor Grown Carbon Fiber)、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、若しくはカーボンナノ繊維等、若しくは金属材等、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
バインダー及び固体電解質粒子としては、固体電解質層に関して挙げた原材料を用いることができる。
〈負極活物質層〉
負極活物質層は、負極活物質並びに任意選択的に導電助剤、バインダー、及び固体電解質粒子を含有している。
負極活物質としては、金属イオン、例えば、リチウムイオン等を吸蔵・放出可能であれば特に限定されないが、金属、例えば、Li、Sn、Si、若しくはIn等、リチウムとチタン、マグネシウム若しくはアルミニウムとの合金、若しくは炭素原材料、例えば、ハードカーボン、ソフトカーボン若しくはグラファイト等、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
負極活物質層の導電助剤としては、正極活物質層に関して挙げた原材料を用いることができる。負極活物質層のバインダー及び固体電解質粒子としては、固体電解質層に関して挙げた原材料を用いることができる。
本発明の全固体電池を製造する方法等に関しては、下記の全固体電池の製造方法を参照することができる。
《全固体電池の製造方法》
正極集電体層、正極活物質層、固体電解質粒子を含有している固体電解質層、負極活物質層、及び負極集電体層が積層されている全固体電池を製造する本発明の方法は、固体電解質スラリーを塗工して固体電解質スラリー層を形成する工程を含む。また、全固体電池を製造する本発明の方法では、固体電解質スラリーが、固体電解質粒子及びエチルビニルアセテート溶解溶液を含有し、エチルビニルアセテート溶解溶液の量が、エチルビニルアセテートが固体電解質スラリーの乾燥質量に対して70質量%以上となる量である。
また、好ましくは、全固体電池を製造する本発明の方法では、固体電解質スラリー層を、エチルビニルアセテートの融点以上の温度で加熱プレスする工程をさらに含む。
全固体電池を製造する本発明の方法では、上記の固体電解質スラリー層の加熱プレスによって、固体電解質スラリー層に含有されているエチルビニルアセテートが軟化し、これが固体電解質粒子同士が接触している接触面の近傍を含む固体電解質粒子の表面全体に行き渡り易くなる。
これによれば、本発明の方法で製造された全固体電池が作動温度超となった場合に、固体電解質粒子同士が接触している接触面の近傍に存在しているエチルビニルアセテートが膨張し、それによって固体電解質粒子同士を引き離し易くなる。
〈加熱プレス工程〉
加熱プレス工程では、固体電解質粒子及びエチルビニルアセテート溶解溶液を含有している固体電解質スラリー層を加熱プレスする。
加熱プレスの温度としては、エチルビニルアセテートの融点以上の温度であれば特に限定されないが、200℃以下、180℃以下、170℃以下、160℃以下、150℃以下の温度を挙げることができる。
なお、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂に対応するエチルビニルアセテート(EVA)では、その重合度によって融点が変動し、かつこの重合度の決定は周知技術であることに留意されたい。
〈その他〉
固体電解質スラリー及び固体電解質スラリー層は、固体電解質粒子及びエチルビニルアセテート溶解溶液並びに任意選択的にバインダー及び分散媒を含有している。
エチルビニルアセテート溶解溶液としては、エチルビニルアセテートが溶解した溶液であれば特に限定されない。
分散媒としては、活物質層中で安定的に存在することが可能であれば、特に限定されることなく、無極性溶媒若しくは極性溶媒又はこれらの組み合わせ等を挙げることができる。分散媒としては、無極性溶媒、例えば、ヘプタン、キシレン、若しくはトルエン等、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
固体電解質スラリー及び固体電解質スラリー層の固体電解質粒子及びバインダーについては、上記の本発明の全固体電池についての記載を参照することができる。
その他、本発明の方法で製造される全固体電池に関して、上記の本発明の全固体電池の記載を参照することができる。
以下に示す実施例を参照して本発明を更に詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例によって限定されるものでないことは、言うまでもない。
《実施例》
〈固体電解質層の積層体の作製〉
固体電解質層の原材料としての電解質合剤を、ポリプロピレン(PP)製の容器に入れた。これを、超音波ホモジナイザー(エスエムテー社製、型式:UH−50)で30秒間にわたって撹拌し、かつ振盪器(柴田科学株式会社製、型式:TTM−1)で5分間にわたって振盪することによって、固体電解質スラリーを調製した。
この固体電解質スラリーを、剥離シートとしてのAl箔上に塗工し、固体電解質スラリー層を形成した。これを、グローブボックス内でAr雰囲気下、30分間にわたって100℃で乾燥させ、Al箔上に形成されている固体電解質層を得た。
このAl箔上に形成されている固体電解質層をさらに4つ準備し、これら(全部で5つ)を、剥離シートとしてのAl箔を剥がしつつ積層することによって、固体電解質層の積層体を作製した。この積層体、すなわち、Al箔、5つの固体電解質層、及びAl箔の順で積層された積層体を6N/cmの圧力でプレスし、かつこの積層体の厚さを測定した。
なお、電解質合剤の構成を下記に示している:
・固体電解質としての、LiIを含有しているLiS−P系ガラスセラミックス(平均粒径2.0μm);
・エチルビニルアセテートを加熱トルエンに溶解させたエチルビニルアセテート溶解溶液;
・分散媒としてのヘプタン;
・バインダーとしてのPVdF系バインダーの酪酸ブチル(5質量%)。
《比較例1〜16》
〈固体電解質層の積層体の作製〉
比較例1〜16の固体電解質層の積層体は、エチルビニルアセテート溶解溶液の濃度を変更したこと、この溶液を別の原材料に変更したこと、又はこの溶液を添加しなかったことを除いて、実施例1の固体電解質層の積層体と同様にして作製した。これらの変更点を下記の表1に示している。
Figure 2017016796
なお、表1中の「質量%」は、固体電解質層の質量に対し、その固体電解質層に含有されている膨張性材料の質量の割合を意味する。
《評価》
実施例及び比較例1〜16の固体電解質層の積層体に関して、温度とイオン伝導度との間の関係を評価した。
具体的には、実施例及び比較例1〜16の固体電解質層の積層体の両端に、それぞれ、熱電対を取り付け、この積層体をホットプレート上に配置し、放熱を抑制するためのSUS蓋を取り付け、データロガーによって積層体が所定の温度に到達したことを確認し、電気化学測定装置(Solartron社製、型式SI1260)によって交流インピーダンス測定(10Hz〜10−1Hz)を実施した。この測定では、応答スペクトルの実部の切片又は10HzにおけるZを抵抗値として読み取った。抵抗値及び積層体の厚さから、積層体のイオン伝導度(S/cm)を算出した。結果を図3〜図9に示している。
図3は、実施例並びに比較例1及び2の固体電解質層の積層体に対してインピーダンス測定をした際の、1000/T(1/K)及びLogσ(S/cm)に関するアレニウスプロットである。
図3からは、温度が上昇するにつれて、実施例(EVA:70質量%)の固体電解質層の積層体のイオン伝導度(Logσ(S/cm))が、上昇しているが、160℃を境にして、イオン伝導度が、下降していることが分かる。これは、固体電解質粒子同士が接触している接触面の近傍に存在しているエチルビニルアセテートが膨張し、かつ固体電解質粒子同士を引き離したためと考えられる。
なお、全固体電池では、一般的に、その温度が上昇するにつれて、イオン伝導度が上昇する。これは、温度の上昇によって、イオンの伝導速度が上昇するためと考えられる。
また、図3からは、温度が上昇するにつれて、比較例1(EVA:50質量%)及び2(EVA:10質量%)の固体電解質層の積層体のイオン伝導度が、上昇していることが分かる。これは、固体電解質層に含有されているエチルビニルアセテートの含有量が70質量%未満であることによって、固体電解質粒子同士が接触している接触面の近傍に、エチルビニルアセテートが十分に存在していないため、及び/又は固体電解質粒子同士が接触している接触面の近傍に存在しているエチルビニルアセテートが、その充填が不十分である空隙部に押し出されたため、と考えられる。
図4は、比較例3の固体電解質層の積層体に対してインピーダンス測定をした際の、1000/T(1/K)及びLogσ(S/cm)に関するアレニウスプロットである。
図4からは、温度が上昇するにつれて、比較例3の固体電解質層の積層体のイオン伝導度が、上昇していることが分かる。
図5は、比較例4〜6の固体電解質層の積層体に対してインピーダンス測定をした際の、1000/T(1/K)及びLogσ(S/cm)に関するアレニウスプロットである。
図5からは、温度が上昇するにつれて、比較例4〜6の固体電解質層の積層体のイオン伝導度が、上昇していることが分かる。これは、固体電解質材料に含有されている膨張性材料としてのPEの形態が粉体状であることにより、固体電解質粒子同士が接触している接触面の近傍にPEの粒子が存在できなかったためと考えられる。
図6〜9は、それぞれ、比較例7〜8、比較例9〜11、比較例12〜14、及び比較例15〜16の固体電解質層の積層体に対してインピーダンス測定をした際の、1000/T(1/K)及びLogσ(S/cm)に関するアレニウスプロットである。
図6〜9からは、温度が上昇するにつれて、比較例7〜16の固体電解質層の積層体のイオン伝導度が、上昇していることが分かる。これは、上記の図5について説明した原理と同様であると考えられる。
本発明の好ましい実施形態を詳細に記載したが、特許請求の範囲から逸脱することなく、本発明で使用される全固体電池、正極及び負極集電体層、正極及び負極活物質層、並びに固体電解質層の配置及びタイプについて変更が可能であることを当業者は理解する。
100 全固体電池
110 正極集電体層
120 正極活物質層
130 固体電解質層
131 固体電解質粒子
132 エチルビニルアセテート微粒子
133 エチルビニルアセテート膜
140 負極活物質層
150 負極集電体層

Claims (1)

  1. 正極集電体層、正極活物質層、固体電解質粒子を含有している固体電解質層、負極活物質層、及び負極集電体層が積層されている全固体電池であって、
    前記固体電解質層が、エチルビニルアセテートを、前記固体電解質層の質量に対して70質量%以上で含有し、
    前記エチルビニルアセテートが、前記固体電解質粒子同士が接触している接触面の近傍を含む前記固体電解質粒子の表面全体に存在している、
    全固体電池。
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