以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明では、「車線変更」という用語は、一の車線から他の車線に移動する行為とともに、高速道路などの合流ポイントにおいて合流車線(加速車線)から本線車線に移動する行為も含むものとする。
<1.第1の実施の形態>
<1−1.構成>
図1は、第1の実施の形態の画像表示システム10の構成を示すブロック図である。この画像表示システム10は、車両(本実施の形態では、自動車)に搭載されるものであり、車線変更が可能か否かの判断を支援するサポート画像を生成して車室内に表示する機能を有している。画像表示システム10のユーザとなる車両のドライバは、このようなサポート画像を確認することで車線変更を行うか否かの判断を容易に行うことができる。以下、この画像表示システム10が搭載される車両を「自車両」という。
図に示すように、画像表示システム10は、複数のカメラ5、画像処理装置2、及び、2つのディスプレイ31,32を備えている。複数のカメラ5はそれぞれ、自車両の周辺を撮影して自車両の周辺を示す撮影画像を取得し、取得した撮影画像を画像処理装置2に入力する。画像処理装置2は、撮影画像を用いて各種の画像処理を実行し、ディスプレイ31,32に表示するための画像を生成する。また、2つのディスプレイ31,32はそれぞれ、画像処理装置2から出力された画像を表示する。
複数のカメラ5はそれぞれ、レンズと撮像素子とを備えており、自車両の周辺を示す撮影画像を電子的に取得する。複数のカメラ5は、フロントカメラ5F、リアカメラ5B、左サイドカメラ5L、及び、右サイドカメラ5Rを含んでいる。これら4つのカメラ5F,5B,5L,5Rは、自車両9において互いに異なる位置に配置され、自車両9の周辺の異なる方向を撮影する。
図2は、4つのカメラ5がそれぞれ撮影する方向を示す図である。フロントカメラ5Fは、自車両9の前端に設けられ、その光軸5Faは自車両9の前後方向に沿って前方に向けられる。リアカメラ5Bは、自車両9の後端に設けられ、その光軸5Baは自車両9の前後方向に沿って後方に向けられる。左サイドカメラ5Lは、左側の左サイドミラー90Lに設けられ、その光軸5Laは自車両9の左右方向に沿って左方に向けられる。また、右サイドカメラ5Rは、右側の右サイドミラー90Rに設けられ、その光軸5Raは自車両9の左右方向に沿って右方に向けられる。
これらのカメラ5のレンズには魚眼レンズなどの広角レンズが採用され、各カメラ5は180度以上の画角θを有している。このため、4つのカメラ5を利用することで、自車両9の全周囲を撮影することが可能である。
図1に戻り、2つのディスプレイ31,32は、各種の画像を表示する液晶などの表示パネルを備えた表示装置である。これらの2つのディスプレイ31,32は、自車両9の車室内に配置される。
図3は、ディスプレイ31,32が配置された自車両9の車室内の様子を示す図である。図に示すように、車室内には自車両9のドライバが確認するメーターパネル97が配置される。このメーターパネル97の左側に左ディスプレイ31が配置され、メーターパネル97の右側に右ディスプレイ32が配置されている。これにより、ドライバは、運転席に着座した状態で視線を大きく動かすこと無く、2つのディスプレイ31,32の画面を視認できる。
左ディスプレイ31は左サイドミラー90Lに映る領域に対応する自車両9の周辺領域を示す周辺画像を表示し、右ディスプレイ32は右サイドミラー90Rに映る領域に対応する自車両9の周辺領域を示す周辺画像を表示する。以下、サイドミラー90L,90Rに映る領域に対応する自車両9の周辺領域を示す周辺画像を「サイドミラー画像」という。自車両9のドライバは、左右のディスプレイ31,32が表示するサイドミラー画像を、左右のサイドミラー90L,90Rと同様の感覚で、自車両9の周辺領域の確認に利用できる。
図1に戻り、画像処理装置2は、各種の画像処理が可能な電子装置であり、画像取得部21と、画像生成部22と、指標重畳部23と、画像出力部24とを備えている。
画像取得部21は、4つのカメラ5F,5B,5L,5Rでそれぞれ得られた撮影画像を取得する。画像取得部21は、取得した撮影画像を画像生成部22に入力する。
画像生成部22は、入力された撮影画像を処理して自車両9の周辺領域を示す周辺画像を生成する。画像生成部22は、上述したサイドミラー画像などの周辺画像を生成する。
指標重畳部23は、画像生成部22で生成されたサイドミラー画像などの周辺画像に対してドライバに提供する情報を示す指標を重畳する。指標重畳部23は、例えば、車線変更に係る情報を示す安全指標をサイドミラー画像に対して重畳する。これにより、指標重畳部23は、サイドミラー画像と安全指標とを含むサポート画像を生成する。
画像出力部24は、サポート画像をディスプレイ31,32に出力する。これにより、ディスプレイ31,32において、サポート画像が表示される。
また、画像処理装置2は、制御部20と、記憶部25と、情報取得部26とをさらに備えている。制御部20は、例えば、マイクロコンピュータであり、画像処理装置2の全体を統括的に制御する。
記憶部25は、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリであり、各種の情報を記憶する。記憶部25は、ファームウェアとしてのプログラムや、制御部20の制御に用いる各種のデータを記憶する。
情報取得部26は、自車両9に設けられる他の装置から各種の情報を取得する。情報取得部26は、他の装置から信号を受信することで情報を取得し、取得した情報を制御部20に入力する。図に示すように、情報取得部26は、前方レーダ91、後方レーダ92、ナビゲーション装置93、GPS装置94、車速センサ95及び方向指示器96などと車内ネットワークを介して接続され、それぞれの装置から情報を取得する。
2つのレーダ91,92はそれぞれ、自車両9の周辺に存在する他車両に関する車両情報を検出する。これらのレーダ91,92は、送信波を送信し、他車両で反射した反射波を受信して得られる信号に基づいて他車両の車両情報を検出する。
レーダ91,92が検出する他車両の車両情報には、進行方向に沿った自車両9から他車両までの距離である縦距離、左右方向に沿った自車両9から他車両までの距離である横距離、及び、自車両9に対する他車両の相対速度などが含まれる。画像処理装置2の情報取得部26は、このような他車両の車両情報を2つのレーダ91,92からそれぞれ取得する。
図4に示すように、2つのレーダ91,92のうち前方レーダ91は、自車両9の前端に設けられる。このため、前方レーダ91は、自車両9の前方を走行する他車両の車両情報を検出できる。前方レーダ91の対象となる他車両には、自車両9が走行する走行車線Laに隣接する隣接車線Lbを自車両9の前方において走行する他車両(以下、「前側方車両」という。)81が含まれる。
一方、後方レーダ92は、自車両9の後端に設けられる。このため、後方レーダ92は、自車両9の後方を走行する他車両の車両情報を検出できる。後方レーダ92の対象となる他車両には、自車両9が走行する走行車線Laに隣接する隣接車線Lbを自車両9の後方において走行する他車両(以下、「後側方車両」という。)82が含まれる。
図1に戻り、ナビゲーション装置93は、目的地までのルート等を示す地図画像を表示する装置である。ナビゲーション装置93の表示部は、2つのディスプレイ31,32とは別に、車室内の左右中央のセンターコンソール98に設けられる(図3参照。)。画像処理装置2の情報取得部26は、自車両9の周辺の道路情報をナビゲーション装置93から取得する。
GPS装置94は、複数の衛星からの信号を受信して自車両9の位置を検出する。画像処理装置2の情報取得部26は、自車両9の位置をGPS装置94から取得する。なお、情報取得部26は、自車両9の位置をナビゲーション装置93から取得してもよい。
車速センサ95は、自車両9の車軸の回転数などに基づいて、自車両9が走行する絶対速度である走行速度を検出する。画像処理装置2の情報取得部26は、自車両9の走行速度を車速センサ95から取得する。
方向指示器96は、ドライバがレバー96a(図3参照。)を操作して入力した方向を自車両9の周辺に示す装置である。画像処理装置2の情報取得部26は、方向指示器96の操作状態を方向指示器96から取得する。すなわち、情報取得部26は、方向指示器96の操作の有無(オン/オフ)、及び、方向指示器96が操作された方向を取得する。
また、制御部20は、CPU、RAM及びROMなどを備えている。制御部20の各種の機能は、記憶部25に記憶されたプログラムに従ってCPUが演算処理を行うことで実現される。図中に示す意志判定部20a、安全指標生成部20b及び表示制御部20cは、プログラムに従ってCPUが演算処理を行うことで実現される機能の一部である。
意志判定部20aは、後側方車両82の運転主体であるドライバの意志を判定する。意志判定部20aは、後側方車両82の車両情報に基づいて、後側方車両82のドライバにおける後側方車両82の前方への自車両9の車線変更を容認する意志の有無を判定する。
安全指標生成部20bは、車線変更を行った場合の安全性の目安となる安全指標を生成する。安全指標生成部20bは、意志判定部20aの判定結果に応じた安全指標を生成する。
また、表示制御部20cは、ディスプレイ31,32に表示する画像を制御する。表示制御部20cは、画像生成部22及び指標重畳部23を制御してディスプレイ31,32に表示すべきサポート画像を生成させ、画像出力部24を制御して適切なディスプレイ31,32にサポート画像を表示させる。
<1−2.サポート画像>
次に、ディスプレイ31,32に表示されるサポート画像についてより詳細に説明する。図5及び図6は、サポート画像6の一例を示す図である。サポート画像6は、自車両9のドライバが車線変更が可能か否かを判断する際にドライバを支援するための画像であり、サイドミラー画像61と安全指標62とを含んでいる。
前述のように、サイドミラー画像61は、ドライバの視点からみてサイドミラー90L,90Rに映る領域に対応する自車両9の周辺領域を示す周辺画像である。サイドミラー画像61には、右サイドミラー90Rに映る領域を示す「右サイドミラー画像」と、左サイドミラー90Rに映る領域を示す「左サイドミラー画像」とがある。右サイドミラー画像61は右ディスプレイ32に表示され、左サイドミラー画像61は左ディスプレイ31に表示される。図5及び図6の例に示すサイドミラー画像61は、右サイドミラー画像である。
このようなサイドミラー画像61は、画像生成部22によって生成される。画像生成部22は、右サイドカメラ5Rで得られた撮影画像に対して歪み補正を行った後、右サイドミラー90Rに映る領域に対応する一部の領域を切り出すことで右サイドミラー画像61を生成する。同様に、画像生成部22は、左サイドカメラ5Lで得られた撮影画像に対して歪み補正を行った後、左サイドミラー90Lに映る領域に対応する一部の領域を切り出すことで左サイドミラー画像61を生成する。
右側の隣接車線に後側方車両82が存在する場合は、図5及び図6に示すように、この右側の後側方車両82の車両像82aが右サイドミラー画像61に含まれる。同様に、左側の隣接車線に後側方車両82が存在する場合は、この左側の後側方車両82の車両像82aが左サイドミラー画像61に含まれる。
サイドミラー画像61に含まれる後側方車両82の車両像82aの位置は、自車両9に対する後側方車両82の相対的な位置を表している。したがって、サイドミラー画像61は、後側方車両82の位置を示す車両画像であるともいえる。自車両9のドライバは、サイドミラー画像61を確認することで、サイドミラー90L,90Rと同様の感覚で、見慣れた視点から後側方車両82の位置を把握することができる。
一方、安全指標62は、特定の色を表現する矩形の枠状の画像である。図5及び図6に示すように、安全指標62は、サイドミラー画像61の周縁に沿って配置される。このように安全指標62は、サイドミラー画像61の周縁に沿って配置されるため、サイドミラー画像61に含まれる車両像82aなどの被写体像が安全指標62の影響で見難くなることを防止できる。サポート画像6は、このような枠状の安全指標62をサイドミラー画像61に重畳することで生成される。なお、サイドミラー画像61の周縁の外側に安全指標62を配置することでサポート画像6が生成されてもよい。
安全指標62は、車線変更を行った場合の安全性を色で表しており、「青色」「赤色」及び「黄色」の3色の安全指標62がある。例えば、図5は「青色」の安全指標62を示しており、図6は「赤色」の安全指標62を示している。
このような安全指標62の色は、後側方車両82のドライバにおける後側方車両82の前方への自車両9の車線変更を容認する意志(以下、「容認意志」という。)に応じて変更される。右サイドミラー画像61に重畳される安全指標62は右側の後側方車両82のドライバの容認意志に応じて変更され、左サイドミラー画像61に重畳される安全指標62は左側の後側方車両82のドライバの容認意志に応じて変更される。
後側方車両82のドライバの容認意志がある場合は、安全指標62の色は「青色」とされる。一方で、後側方車両82のドライバの容認意志がない場合は、安全指標62の色は「赤色」とされる。また、後側方車両82のドライバの容認意志の有無が判定できない場合は、安全指標62の色は「黄色」とされる。自車両9のドライバは、このような安全指標62の色を確認することで、後側方車両82のドライバの容認意志を把握できる。
サポート画像6は、このようなサイドミラー画像61と安全指標62とを含んでいる。このため、このサポート画像6がディスプレイ31,32において表示されると、サイドミラー画像61と安全指標62とが併せて表示される。したがって、自車両9のドライバは、このようなサポート画像6を確認することで、後側方車両82の位置と後側方車両82のドライバの容認意志とを同時に把握でき、車線変更が可能か否かを容易に判断できる。自車両9のドライバは、サイドミラー画像61に基づいて後側方車両82の位置が自車両9から十分離れていることを把握でき、かつ、安全指標62に基づいて後側方車両82のドライバの容認意志があることを把握できる。その結果、自車両9のドライバは安心して車線変更を行うことができる。
右側の後側方車両82の位置とそのドライバの容認意志とを表すサポート画像(以下、「右サポート画像」という。)6は、右ディスプレイ32に表示される。また、左側の後側方車両82の位置とそのドライバの容認意志とを表すサポート画像(以下、「左サポート画像」という。)6は、左ディスプレイ31に表示される。自車両9のドライバは、右側の隣接車線に車線変更する場合は右サポート画像6を確認し、左側の隣接車線に車線変更する場合は左サポート画像6を確認する。
<1−3.サポート画像生成処理>
次に、画像処理装置2がこのようなサポート画像6を生成するサポート画像生成処理の流れについて説明する。図7は、サポート画像生成処理の流れを示す図である。このサポート画像生成処理は、表示制御部20cの制御により、所定の周期(例えば、1/30秒周期)で繰り返される。また、サポート画像生成処理は、表示制御部20cの制御により、右サポート画像6及び左サポート画像6のそれぞれに関して個別に実行される。以下では、右サポート画像6を生成するサポート画像生成処理について代表的に説明するが、左右が逆となる以外は左サポート画像6を生成するサポート画像生成処理も同様である。
まず、画像取得部21が、右サイドカメラ5Rから撮影画像を取得する(ステップS11)。この撮影画像には、自車両9の右側の領域に存在する物体の被写体像が含まれている。画像取得部21は、取得した右サイドカメラ5Rの撮影画像を画像生成部22に入力する。
次に、画像生成部22が、入力された右サイドカメラ5Rの撮影画像を用いて右サイドミラー画像61を生成する(ステップS12)。画像生成部22は、撮影画像に対して歪み補正を行い、さらに、右サイドミラー90Rに映る領域に対応する一部の領域を切り出すことで、右サイドミラー画像61を生成する。
次に、情報取得部26が、右側の後側方車両82の車両情報を取得する(ステップS13)。情報取得部26は、後方レーダ92からの信号を受信して、右側の後側方車両82の縦距離、横距離及び相対速度などの車両情報を取得する。さらに、情報取得部26は、車速センサ95からの信号を受信して、自車両9の走行速度を取得する。情報取得部26は、取得した車両情報、及び、自車両9の走行速度を制御部20に入力する。なお、情報取得部26が取得した車両情報が、自車両9と同一の走行車線を走行する他車両の車両情報であるか、後側方車両82の車両情報であるかは横距離に基づいて区別できる。
次に、意志判定部20aが、情報取得部26が取得した右側の後側方車両82の車両情報に基づいて、右側の後側方車両82のドライバの容認意志の有無を判定する(ステップS14)。意志判定部20aは、右側の後側方車両82の車両情報に含まれる相対速度と、自車両9の走行速度とに基づいて、後側方車両82の絶対速度を導出する。さらに、意志判定部20aは、周期的にサポート画像生成処理で導出される絶対速度を時間微分し、後側方車両82の加速度を導出する。
そして、意志判定部20aは、導出した加速度を考慮し、後側方車両82が減速している場合は(加速度<0)、右側の後側方車両82のドライバの容認意志があると判定する。一方、意志判定部20aは、後側方車両82が加速している場合は(加速度>0)、右側の後側方車両82のドライバの容認意志がないと判定する。また、意志判定部20aは、後側方車両82が走行速度をおよそ維持している場合(加速度≒0)は、右側の後側方車両82のドライバの容認意志の有無を判定できず、容認意志が不明と判定する。
次に、安全指標生成部20bが、安全指標生成処理を行って、右側の後側方車両82に係る安全指標62を生成する(ステップS15)。図8は、安全指標生成処理の詳細な流れを示す図である。安全指標生成処理では、安全指標生成部20bは、意志判定部20aの判定結果に応じた安全指標62を生成する。
具体的には、意志判定部20aが容認意志があると判定した場合は(ステップS101にてYes)、安全指標生成部20bは「青色」の安全指標62を生成する(ステップS103)。一方、意志判定部20aが容認意志がないと判定した場合は(ステップS102にてYes)、安全指標生成部20bは「赤色」の安全指標62を生成する(ステップS104)。また、意志判定部20aが容認意志の有無を判定できない場合は(ステップS101及びS102の双方にてNo)、安全指標生成部20bは「黄色」の安全指標62を生成する(ステップS105)。
図7に戻り、次に、指標重畳部23が、安全指標生成部20bが生成した安全指標62を、画像生成部22が生成した右サイドミラー画像61に重畳する(ステップS16)。これにより、指標重畳部23が、右サポート画像6を生成する。
次に、画像出力部24が、生成された右サポート画像6を右ディスプレイ32に出力する(ステップS17)。右サポート画像6は右サイドミラー画像61と安全指標62とを含むため、画像出力部24は右サイドミラー画像61と安全指標62とを併せて右ディスプレイ32に出力する。これにより、右サポート画像6が、右ディスプレイ32に表示される。すなわち、右サイドミラー画像61と、右側の後側方車両82に係る安全指標62とが併せて右ディスプレイ32に表示される。
前述のように、このサポート画像生成処理は、左サポート画像6に関しても並行して実行される。これにより、安全指標生成部20bは、左側の後側方車両82に係る安全指標62を生成し、この安全指標62を含む左サポート画像6が左ディスプレイ31に表示される。すなわち、左サイドミラー画像61と、左側の後側方車両82に係る安全指標62とが併せて左ディスプレイ31に表示される。
以上のように、本実施の形態の画像処理装置2においては、情報取得部26が自車両9が走行する走行車線に隣接する隣接車線を自車両9の後方において走行する後側方車両82に関する車両情報を取得する。意志判定部20aは、後側方車両82の車両情報に基づいて、後側方車両82のドライバにおける後側方車両82の前方への自車両9の車線変更を容認する容認意志の有無を判定する。また、画像生成部22が後側方車両82の位置を示すサイドミラー画像61を生成するとともに、安全指標生成部20bが意志判定部20aの判定結果に応じた安全指標62を生成する。そして、画像出力部24は、サイドミラー画像61と安全指標62とを含むサポート画像6をディスプレイ31,32に出力して、サイドミラー画像61と安全指標62とを併せてディスプレイ31,32に表示させる。
このようにサイドミラー画像61と安全指標62とが併せてディスプレイ31,32に表示されるため、自車両9のドライバは後側方車両82の位置と後側方車両82のドライバの容認意志とを同時に把握することができる。その結果、自車両9のドライバは、安心して車線変更することができる。
また、安全指標62は、サイドミラー画像61の周縁に沿って配置される。このため、サイドミラー画像61に含まれる被写体像が安全指標62の影響で見難くなることを防止できる。
なお、上記実施の形態では、安全指標62はサイドミラー画像61の周囲を囲むように配置されていたが、安全指標はサイドミラー画像61の周囲の一部のみに配置されるものであってもよい。例えば、安全指標は、サイドミラー画像61の上下の辺のみに沿って配置されてもよく、サイドミラー画像61の左右の辺のみに沿って配置されてもよい。
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態の画像表示システム10の構成や処理は第1の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。第1の実施の形態では、メーターパネル97の左右にあるディスプレイ31,32にサポート画像6が表示されていた。これに対して、第2の実施の形態では、バックミラーと同様の機能を電子的に提供する電子バックミラーにおいてサポート画像6が表示される。
図9は、第2の実施の形態の画像表示システム10の構成を示すブロック図である。第2の実施の形態の画像表示システム10は、左右のディスプレイ31,32に代えて電子バックミラー33を備える点で第1の実施の形態と異なっている。第2の実施の形態の画像表示システム10のその他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
電子バックミラー33は、横長の液晶などの表示パネルを備えた表示装置である。電子バックミラー33は、一般的なバックミラーの位置に配置される。電子バックミラー33は、自車両9の後方の周辺領域を示す周辺画像を表示することで、バックミラーと同様に機能する。
図10は、通常時において、電子バックミラー33に表示される表示画像7の一例を示す図である。図10に示すように、通常時において、電子バックミラー33は、一般的なバックミラーに映る領域に対応する自車両9の後方の周辺領域を示す周辺画像(以下、「バックミラー画像」という。)71のみを表示画像7として表示する。
画像生成部22は、リアカメラ5Bで得られた撮影画像に対して歪み補正を行った後、バックミラーに映る領域に対応する一部の領域を切り出すことで、このようなバックミラー画像71を生成する。自車両9のドライバは、電子バックミラー33が表示するバックミラー画像71を、バックミラーと同様の感覚で自車両9の周辺領域の確認に利用できる。
また、自車両9の方向指示器96が操作された場合は、電子バックミラー33はサポート画像6を表示する。図11は、方向指示器96が操作された場合において、電子バックミラー33に表示される表示画像7の一例を示す図である。図11に示すように、方向指示器96が操作された場合は、電子バックミラー33は、バックミラー画像71とサポート画像6とを合成した表示画像7を表示する。
サポート画像6は、第1の実施の形態で説明したサポート画像6と同一であり、サイドミラー画像61と安全指標62とを含んでいる。このため、サポート画像6を含む表示画像7が電子バックミラー33において表示されることで、サイドミラー画像61と安全指標62とが併せて表示される。したがって、自車両9のドライバは、サポート画像6を確認することで、後側方車両82の位置と後側方車両82のドライバの容認意志とを同時に把握することができる。
方向指示器96が右方向に操作された場合は、図11の例のように、右サイドミラー画像61と右側の後側方車両82に係る安全指標62とを含む右サポート画像6が、バックミラー画像71の右側に配置されて電子バックミラー33に表示される。一方、方向指示器96が左方向に操作された場合は、左サイドミラー画像61と左側の後側方車両82に係る安全指標62とを含む左サポート画像6が、バックミラー画像71の左側に配置されて電子バックミラー33に表示される。このため、自車両9のドライバは、電子バックミラー33に表示されたサポート画像6が、左右いずれの後側方車両82の情報を表しているかを直感的に把握できる。
図12は、第2の実施の形態のサポート画像生成処理の流れを示す図である。このサポート画像生成処理も、表示制御部20cの制御により、右サポート画像6及び左サポート画像6のそれぞれに関して個別に実行される。以下では、右サポート画像6を生成するサポート画像生成処理について代表的に説明するが、左右が逆となる以外は左サポート画像6を生成するサポート画像生成処理も同様である。また、このサポート画像生成処理と並行して、バックミラー画像71を生成する処理も所定の周期(例えば、1/30秒周期)で繰り返されている。
まず、表示制御部20cが、方向指示器96が右方向に操作されているか否かを判定する(ステップS21)。表示制御部20cは、情報取得部26が取得する方向指示器96の操作状態に基づいて、方向指示器96が右方向に操作されているか否かを判定する。方向指示器96が操作されていない場合(オフ)、または、方向指示器96が左方向に操作されている場合は(ステップS21にてNo)、サポート画像生成処理が終了する。
一方、方向指示器96が右方向に操作されている場合は(ステップS21にてYes)、右サポート画像6が生成される(ステップS22〜S27)。右サポート画像6を生成するステップS22〜S27の処理は、第1の実施の形態におけるステップS11〜S16の処理(図7参照。)と同様である。
表示制御部20cは、このようにして生成された右サポート画像6と、並行する他の処理で生成されたバックミラー画像71とを合成して表示画像7を生成する(ステップS28)。そして、画像出力部24が、生成された表示画像7を電子バックミラー33に出力する。これにより、右サポート画像6が電子バックミラー33においてバックミラー画像71の右側に表示される。
前述のように、このサポート画像生成処理は、左サポート画像6に関しても並行して実行される。左サポート画像6を生成するサポート画像生成処理では、ステップS21において、表示制御部20cが、方向指示器96が左方向に操作されているか否かを判定する。したがって、方向指示器96が右方向に操作されている場合は右サポート画像6が表示され、方向指示器96が左方向に操作されている場合は左サポート画像6が表示される。
なお、第1の実施の形態のように、左右のディスプレイ31,32に左右のサポート画像6をそれぞれ表示させる場合においても、方向指示器96が右方向に操作されている場合は右サポート画像6のみが表示され、方向指示器96が左方向に操作されている場合は左サポート画像6のみが表示されるようにしてもよい。
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態の画像表示システム10の構成や処理は第2の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第2の実施の形態との相違点を中心に説明する。第2の実施の形態では、サポート画像6は、サイドミラー画像61を含んでいた。これに対して、第3の実施の形態では、サポート画像は、サイドミラー画像61ではなく、自車両9と後側方車両82とを位置関係を図式化した図式化画像を含んでいる。
図13は、第3の実施の形態の画像表示システム10の構成を示すブロック図である。第3の実施の形態の画像表示システム10は、プログラムに従って制御部20のCPUが演算処理を行うことで実現される機能として、図式化画像生成部20dを備えている。第3の実施の形態の画像表示システム10のその他の構成は、第2の実施の形態と同様である。
図式化画像生成部20dは、図式化画像を生成する。図式化画像生成部20dは、後側方車両82の車両情報に基づいて、自車両9に対する後側方車両82の相対的な位置を導出し、その位置を表す図式化画像を生成する。本実施の形態では、この図式化画像に対して安全指標が重畳されてサポート画像が生成される。
図14は、第3の実施の形態のサポート画像60の一例を示す図である。サポート画像60は、図式化画像65と安全指標66とを含んでいる。
図14に示すように、図式化画像65は、自車両9と後側方車両82との相対的な位置関係を俯瞰視点から図式化して示すイラスト調の画像である。図式化画像65は、後側方車両82の位置を示す車両画像であるともいえる。自車両9のドライバは、このような図式化画像65を確認することで、後側方車両82の位置を客観的な視点から把握できる。
図式化画像65は、自車両9の位置を表すアイコンである車両図形9bと、後側方車両82の位置を表すアイコンである車両図形82bと、自車両9の周辺の道路の形状を示す道路図形とを含んでいる。このような車両図形9b,82b及び道路図形に用いる図形データ等は、予め記憶部25などに記憶されている。
図式化画像生成部20dは、実際の自車両9と後側方車両82との位置関係を、図式化画像65に含まれる2つの車両図形9b,82bの位置関係に反映する。例えば、図14の場合と比較して自車両9と後側方車両82との間の後方車間距離が長くなった場合は、図式化画像生成部20dは、図15に示すように、その後方車間距離を反映した図式化画像65を生成する。この際、図式化画像生成部20dは、一定サイズの図式化画像65に2つの車両図形9b,82bが含まれるように、車両図形9b,82b及び道路図形のサイズを調整する。
また、安全指標66は、向きを示す矢印状の図形である。安全指標66は、図式化画像65に含まれる後側方車両82の車両図形82bの近傍に重畳される。そして、安全指標66の色及び向きは、後側方車両82のドライバの容認意志に応じて変更される。このような安全指標66に用いる図形データ等は、予め記憶部25などに記憶されている。
後側方車両82のドライバの容認意志がある場合は、図14に示すように、安全指標66の色は「青色」とされ、かつ、安全指標66は後側方車両82(車両図形82b)の後方の向きを示す。一方で、後側方車両82のドライバの容認意志がない場合は、図16に示すように、安全指標66の色は「赤色」とされ、かつ、安全指標66は後側方車両82(車両図形82b)の前方の向きを示す。また、後側方車両82のドライバの容認意志の有無が判定できない場合は、図17に示すように、安全指標66の色は「黄色」とされ、かつ、安全指標66は後側方車両82(車両図形82b)の前方及び後方の双方の向きを示す。
このような安全指標66が後側方車両82を示す車両図形82bの近傍に重畳されるため、自車両9のドライバは、安全指標66が後側方車両82のドライバの容認意志を表していることを直感的に把握できる。そして、自車両9のドライバは、安全指標66の色及び向きを確認することで、後側方車両82のドライバの容認意志を直感的に把握できる。
本実施の形態のサポート画像60は、このような図式化画像65と安全指標66とを含んでいる。このため、このサポート画像60が電子バックミラー33において表示されると、図式化画像65と安全指標66とが併せて表示される。したがって、自車両9のドライバは、サポート画像60を確認することで、後側方車両82の位置と後側方車両82のドライバの容認意志とを同時に把握することができる。その結果、自車両9のドライバは安心して車線変更を行うことができる。
このようなサポート画像60には、右側の後側方車両82の位置とそのドライバの容認意志とを表す右サポート画像60と、左側の後側方車両82の位置とそのドライバの容認意志とを表す左サポート画像60とがある。図14ないし図17の例に示すサポート画像60は、右サポート画像60である。
右サポート画像60は、図18の例のように、バックミラー画像71の右側に配置されて電子バックミラー33において表示される。また、左サポート画像60は、バックミラー画像71の左側に配置されて電子バックミラー33において表示される。本実施の形態においても、方向指示器96が右方向に操作されている場合は右サポート画像60が表示され、方向指示器96が左方向に操作されている場合は左サポート画像60が表示される。
図19は、第3の実施の形態のサポート画像生成処理の流れを示す図である。このサポート画像生成処理も、表示制御部20cの制御により、右サポート画像60及び左サポート画像60のそれぞれに関して個別に実行される。以下では、右サポート画像60を生成するサポート画像生成処理について代表的に説明するが、左右が逆となる以外は左サポート画像60を生成するサポート画像生成処理も同様である。
まず、表示制御部20cが、方向指示器96が右方向に操作されているか否かを判定する(ステップS31)。方向指示器96が操作されていない場合(オフ)、または、方向指示器96が左方向に操作されている場合は(ステップS31にてNo)、サポート画像生成処理が終了する。
一方、方向指示器96が右方向に操作されている場合は(ステップS31にてYes)、右サポート画像60が生成される。まず、情報取得部26が、右側の後側方車両82の車両情報を取得するとともに、自車両9の走行速度を取得する(ステップS32)。
次に、図式化画像生成部20dが、図式化画像65を生成する(ステップS33)。図式化画像生成部20dは、実際の自車両9と後側方車両82との位置関係を、情報取得部26が取得した右側の後側方車両82の車両情報に含まれる縦距離及び横位置などに基づいて導出する。そして、図式化画像生成部20dは、記憶部25に記憶された図形データを用いて、実際の自車両9と後側方車両82との位置関係を反映した図式化画像65を生成する。
次に、意志判定部20aが、情報取得部26が取得した車両情報に基づいて、右側の後側方車両82のドライバの容認意志の有無を判定する(ステップS34)。この判定手法は、第1の実施の形態と同様である。
次に、安全指標生成部20bが、安全指標生成処理を行って安全指標66を生成する(ステップS35)。安全指標生成部20bは、意志判定部20aの判定結果を参照して、意志判定部20aの判定結果に応じた安全指標66を生成する。後側方車両82のドライバの容認意志と、安全指標生成部20bが生成する安全指標66との関係は既述のとおりである。
次に、指標重畳部23が、安全指標生成部20bが生成した安全指標66を、図式化画像生成部20dが生成した図式化画像65に重畳する(ステップS36)。指標重畳部23は、安全指標66が後側方車両82の車両図形82bの近傍に重畳する。これにより、指標重畳部23が、右サポート画像60を生成する。
表示制御部20cは、このようにして生成された右サポート画像60と、並行する他の処理で生成されたバックミラー画像71とを合成して表示画像7を生成する(ステップS37)。そして、画像出力部24が、生成された表示画像7を電子バックミラー33に出力する。これにより、右サポート画像60が電子バックミラー33においてバックミラー画像71の右側に表示される。
以上のように、本実施の形態の画像処理装置2においては、サポート画像60に含まれる図式化画像65は、自車両9と後側方車両82とを位置関係を図式化して示す。このため、自車両9のドライバは、このような図式化画像65を確認することで、後側方車両82の位置を客観的な視点から把握できる。
また、サポート画像60に含まれる安全指標66は、図式化画像65に含まれる後側方車両82を示す車両図形82bの近傍に重畳される。そして、後側方車両82のドライバの容認意志がある場合は安全指標66は後側方車両82の後方の向きを示し、後側方車両82のドライバの容認意志がない場合は安全指標66は後側方車両82の前方の向きを示す。このような安全指標66の向きにより、自車両9のドライバは後側方車両82のドライバの容認意志を直感的に把握できる。
なお、サポート画像60は、矢印状の安全指標66とともに、第1の実施の形態と同様の枠状の安全指標62を含んでいてもよい。また、第1の実施の形態のように左右のディスプレイ31,32に左右のサポート画像をそれぞれ表示させる場合においても、本実施の形態と同様の図式化画像65を含むサポート画像60を表示させてもよい。
<4.第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態の画像表示システム10の構成や処理は第1の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。第1の実施の形態では、サポート画像6に含まれる安全指標62の態様は方向指示器96の操作状態とは無関係であった。これに対して、第4の実施の形態では、方向指示器96の操作状態に応じて、安全指標62の態様が変更される。
図20は、第4の実施の形態のサポート画像6の態様の変化を示す図である。本実施の形態においても、サポート画像6は、サイドミラー画像61と枠状の安全指標62とを含んでいる。ただし、安全指標62の太さは、方向指示器96の操作状態に応じて変更される。
図20の右側に示すように、方向指示器96が操作されている場合は、安全指標62の太さは相対的に太くなっている。一方、図20の左側に示すように、方向指示器96が操作されていない場合は、安全指標62の太さは相対的に細くなっている。したがって、方向指示器96が操作されている場合は、方向指示器96が操作されていない場合と比較して、安全指標62は強調される。
このように方向指示器96が操作されている場合は、安全指標62が強調されるため、自車両9のドライバは安全指標62を十分に確認することができ、安心して車線変更を行うことができる。一方で、方向指示器96が操作されていない場合は、安全指標62が目立たないため、自車両9のドライバが安全指標62を邪魔に感じることを防止できる。
本実施の形態の安全指標生成部20bは、安全指標生成処理(図7のステップS15)においてこのような安全指標62を生成する。図21は、第4の実施の形態の安全指標生成処理の詳細な流れを示す図である。以下では、右サポート画像6のための安全指標62を生成する安全指標生成処理について代表的に説明するが、左右が逆となる以外は左サポート画像6のための安全指標62を生成する安全指標生成処理も同様である。
まず、第1の実施の形態(図8参照。)と同様に、安全指標生成部20bは、意志判定部20aの判定結果を参照して、意志判定部20aの判定結果に応じた安全指標62を生成する(ステップS101〜S105)。。
次に、安全指標生成部20bは、方向指示器96が右方向に操作されているか否かを判定する(ステップS106)。安全指標生成部20bは、情報取得部26が取得する方向指示器96の操作状態に基づいて、方向指示器96が右方向に操作されているか否かを判定する。
方向指示器96が操作されていない場合(オフ)、または、方向指示器96が左方向に操作されている場合は(ステップS106にてNo)、安全指標生成部20bは、安全指標62の太さを細くする(ステップS108)。これにより、安全指標生成部20bは、目立たない安全指標62を生成する。
一方、方向指示器96が右方向に操作されている場合は(ステップS106にてYes)、安全指標生成部20bは、安全指標62の太さを太くする(ステップS107)。これにより、安全指標生成部20bは、安全指標62を強調して生成する。
このような安全指標生成処理は、左サポート画像6に関しても実行される。したがって、安全指標生成部20bは、方向指示器96が操作された場合は、その方向指示器96が操作された方向の後側方車両82に関する安全指標62を強調して生成する。すなわち、方向指示器96が右方向に操作されている場合は、右側の後側方車両82に関する安全指標62を強調して生成する。一方で、方向指示器96が左方向に操作されている場合は、左側の後側方車両82に関する安全指標62を強調して生成する。
以上のように、本実施の形態の画像処理装置2においては、安全指標生成部20bは、方向指示器96が操作されている場合は、方向指示器96が操作されていない場合と比較して安全指標62を強調した生成する。したがって、方向指示器96が操作されている場合は安全指標62が強調されるため、自車両9のドライバが安全指標62を十分に確認できる。また、方向指示器96が操作されていない場合でも安全指標62は表示されるため、自車両9のドライバは、方向指示器96の操作前であっても後側方車両82のドライバの容認意志を把握できる。自車両9のドライバが車線変更の意図がない場合(方向指示器96が操作されていない場合)でも安全指標62が目立たないため、自車両9のドライバが安全指標62を邪魔に感じることを防止できる。
なお、点滅する安全指標62など他の態様の安全指標62を生成することにより、安全指標62を強調してもよい。また、方向指示器96が操作されていない場合は、安全指標62が表示されないようにしてもよい。
<5.第5の実施の形態>
次に、第5の実施の形態について説明する。第5の実施の形態の画像表示システム10の構成や処理は第1の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。第1の実施の形態では、左右双方の安全指標62が常に表示されていた。これに対して、第5の実施の形態では、隣接車線の存在に応じて選択的に安全指標62が表示される。
図22は、第5の実施の形態の画像表示システム10の構成を示すブロック図である。第5の実施の形態の画像表示システム10は、プログラムに従って制御部20のCPUが演算処理を行うことで実現される機能として、車線判断部20eを備えている。第5の実施の形態の画像表示システム10のその他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
車線判断部20eは、自車両9が走行する走行車線に隣接する隣接車線の存在を判断する。車線判断部20eは、情報取得部26が取得する情報に基づいて、走行車線の左側及び右側それぞれの隣接車線が存在するか否かを判断する。
本実施の形態のディスプレイ31,32においては、この車線判断部20eの判断結果に基づいて安全指標62が表示される。左右のディスプレイ31,32のうち隣接車線が存在する側のディスプレイにおいては、安全指標62を含むサポート画像6が表示される。一方で、隣接車線が存在しない側のディスプレイにおいては、安全指標62が表示されずにサイドミラー画像61のみが表示される。また、左右双方の隣接車線が存在しない場合は、左右双方のディスプレイ31,32において、安全指標62が表示されずにサイドミラー画像61のみが表示される。
例えば、図23に示すように、自車両9が片側二車線の道路の左側の走行車線L1を走行している場合を想定する。この場合は、自車両9が走行する走行車線L1の右側には隣接車線L2が存在し、左側には隣接車線が存在しない。このため、右ディスプレイ32においては、安全指標62を含むサポート画像6が表示される。一方で、左ディスプレイ31においては、安全指標62が表示されずに左サイドミラー画像61のみが表示される。
また、図24に示すように、自車両9が片側三車線の道路の中央の走行車線L4を走行している場合を想定する。この場合は、自車両9が走行する走行車線L4の左右双方に隣接車線L3,L5が存在している。このため、左右のディスプレイ31,32の双方において、安全指標62を含むサポート画像6が表示される。
また、図25に示すように、自車両9が片側一車線の道路を走行している場合を想定する。この場合は、自車両9が走行する走行車線L6の左右双方に隣接車線が存在しない。このため、左右のディスプレイ31,32の双方において、安全指標62が表示されずにサイドミラー画像61のみが表示される。
また、図26に示すように、自車両9が高速道路などの合流ポイントの左側の合流車線L7を走行している場合を想定する。この場合は、自車両9が走行する合流車線L7の右側には隣接車線として本線車線L8が存在する。このため、右ディスプレイ32においては、安全指標62を含むサポート画像6が表示される。一方で、左ディスプレイ31においては、安全指標62が表示されず、左サイドミラー画像61のみが表示される。
図27は、第5の実施の形態のサポート画像生成処理の流れを示す図である。このサポート画像生成処理も、表示制御部20cの制御により、右サポート画像6及び左サポート画像6のそれぞれに関して個別に実行される。以下では、右サポート画像6を生成するサポート画像生成処理について代表的に説明するが、左右が逆となる以外は左サポート画像6を生成するサポート画像生成処理も同様である。
まず、画像取得部21が、右サイドカメラ5Rから撮影画像を取得する(ステップS41)。次に、画像生成部22が、右サイドカメラ5Rの撮影画像を用いて右サイドミラー画像61を生成する(ステップS42)。
次に、車線判断部20eは、自車両9が走行する走行車線の右側の隣接車線の存在を判断する(ステップS43)。情報取得部26がナビゲーション装置93から取得する道路情報とGPS装置94から取得する自車両9の位置とに基づいて、隣接車線が存在するか否かを判断する。なお、車線判断部20eは、フロントカメラ5Fまたはリアカメラ5Rの撮影画像に対する白線の認識結果に基づいて隣接車線の存在を判断するなど、他の手法で隣接車線の存在を判断してもよい。
右側の隣接車線が存在する場合は(ステップS44にてYes)、情報取得部26が右側の後側方車両82の車両情報を取得し(ステップS45)、その車両情報に基づいて、意志判定部20aが右側の後側方車両82のドライバの容認意志の有無を判定する(ステップS46)。次に、安全指標生成部20bは、安全指標生成処理を行って、意志判定部20aの判定結果に応じた安全指標62を生成する(ステップS47)。そして、指標重畳部23が、安全指標生成部20bが生成した安全指標62を画像生成部22が生成した右サイドミラー画像61に重畳して、右サポート画像6を生成する(ステップS48)。
次に、画像出力部24が、生成された右サポート画像6を右ディスプレイ32に出力する(ステップS49)。これにより、右側の後側方車両82に関する安全指標62を含む右サポート画像6が右ディスプレイ32に表示される。
一方、右側の隣接車線が存在しない場合は(ステップS44にてNo)、画像出力部24が、画像生成部22が生成した右サイドミラー画像61をそのまま右ディスプレイ32に出力する(ステップS50)。これにより、安全指標62が表示されずに右サイドミラー画像61が右ディスプレイ32に表示される。
前述のように、このサポート画像生成処理は、左サポート画像6に関しても並行して実行される。左サポート画像6を生成するサポート画像生成処理では、ステップS43において、車線判断部20eは、自車両9が走行する走行車線の左側の隣接車線の存在を判断する。したがって、左側及び右側のうち隣接車線が存在する側の後側方車両82に関する安全指標62のみがディスプレイ31,32に表示される。これとともに、隣接車線が存在しない側の後側方車両82に関する安全指標62はディスプレイ31,32に表示されない。
以上のように、本実施の形態の画像処理装置2においては、車線判断部20eは、自車両9が走行する走行車線に隣接する隣接車線の存在を判断する。そして、画像出力部24は、隣接車線が存在しない場合は、安全指標62をディスプレイ31,32に表示させない。このように隣接車線が存在しない場合は安全指標62がディスプレイ31,32に表示されないため、自車両9のドライバに不要な情報を与えることを防止できる。
また、車線判断部20eは、自車両9が走行する走行車線の左側及び右側それぞれの隣接車線の存在を判断する。そして、画像出力部24は、左側及び右側のうち隣接車線が存在する側の後側方車両82に関する安全指標62をディスプレイ31,32に表示させ、隣接車線が存在しない側の後側方車両82に関する安全指標62をディスプレイ31,32に表示させない。このため、自車両のドライバに不要な情報を与えることをさらに防止できる。
<6.第6の実施の形態>
次に、第6の実施の形態について説明する。第6の実施の形態の画像表示システム10の構成や処理は第1の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。第1の実施の形態では、意志判定部20aが容認意志の有無を判定できない場合(容認意志が不明の場合)は、安全指標62の色は一律に「黄色」とされていた。これに対して、第6の実施の形態では、意志判定部20aが容認意志の有無を判定できない場合は、他のパラメータを考慮して安全指標62の色が決定される。
図28は、第6の実施の形態の画像表示システム10の構成を示すブロック図である。第6の実施の形態の画像表示システム10は、プログラムに従って制御部20のCPUが演算処理を行うことで実現される機能として、パラメータ導出部20fを備えている。第6の実施の形態の画像表示システム10のその他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
パラメータ導出部20fは、安全指標62の色の決定に用いるパラメータを導出する。本実施の形態においてパラメータ導出部20fは、自車両9と後側方車両82との間の後方車間距離D2(図4参照。)を導出する。
本実施の形態の安全指標生成部20bは、安全指標生成処理(図7のステップS15)において、この後方車間距離D2を考慮して安全指標62を生成する。図29は、第6の実施の形態の安全指標生成処理の詳細な流れを示す図である。以下では、右サポート画像6のための安全指標62を生成する安全指標生成処理について代表的に説明するが、左右が逆となる以外は左サポート画像6のための安全指標62を生成する安全指標生成処理も同様である。
第1の実施の形態と同様に、意志判定部20aが容認意志があると判定した場合は(ステップS101にてYes)、安全指標生成部20bは「青色」の安全指標62を生成する(ステップS103)。一方、意志判定部20aが容認意志がないと判定した場合は(ステップS102にてYes)、安全指標生成部20bは「赤色」の安全指標62を生成する(ステップS104)。
また、意志判定部20aが容認意志の有無が判定できない場合は(ステップS101及びS102の双方にてNo)、パラメータ導出部20fが後方車間距離D2を導出する(ステップS115)。パラメータ導出部20fは、情報取得部26が取得した右側の後側方車両82の車両情報に基づいて、後方車間距離D2を導出する。パラメータ導出部20fは、例えば、後側方車両82の縦距離に基づいて後方車間距離D2を導出できる。
次に、安全指標生成部20bは、この後方車間距離D2に基づいて安全指標62を生成する(ステップS116)。具体的には、安全指標生成部20bは、後方車間距離D2が閾値となる所定距離より大きい場合は「青色」の安全指標62を生成する。一方、後方車間距離D2が閾値となる所定距離より小さい場合は「黄色」の安全指標62を生成する。
後方車間距離D2が所定距離より大きい場合とは、自車両9に対して十分に離れた状態で後側方車両82が走行している場合に相当する。このため、車線変更を安全に行うことが可能であるため、安全指標生成部20bは「青色」の安全指標62を生成する。後方車間距離D2と比較する閾値となる所定距離は、例えば、後側方車両82が停止可能な距離(安全車間距離)とすればよい。
以上のように、本実施の形態の画像処理装置2においては、パラメータ導出部20fが後方車間距離D2を導出し、安全指標生成部20bは、意志判定部20aが容認意志の有無を判定できない場合は、後方車間距離D2に基づいて安全指標62を生成する。このため、意志判定部20aが容認意志の有無を判定できない場合でも、「黄色」の安全指標62が表示されることが少なくなるため、自車両9のドライバは安心して車線変更することができる。
<7.第7の実施の形態>
次に、第7の実施の形態について説明する。第7の実施の形態の画像表示システム10の構成や処理は第1の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。第1の実施の形態では、意志判定部20aが容認意志があると判定した場合は、安全指標62の色は一律に「青色」とされていた。これに対して、第7の実施の形態では、意志判定部20aが容認意志があると判定した場合であっても、他のパラメータをさらに考慮して安全指標62の色が決定される。
第7の実施の形態の画像表示システム10の構成は、図28に示すパラメータ導出部20fを備える第6の実施の形態の構成と同様である。本実施の形態においてパラメータ導出部20fは、前側方車両81に対する後側方車両82の相対速度(以下、「前後相対速度」という。)Vfrを導出する。この前後相対速度Vfrは、前側方車両81と後側方車両82との間の前後車間距離D3(図4参照。)の変化を表す。
本実施の形態の安全指標生成部20bは、安全指標生成処理(図7のステップS15)において、この前後相対速度Vfrに基づき、前後車間距離D3の変化を考慮して安全指標62を生成する。図30は、第7の実施の形態の安全指標生成処理の詳細な流れを示す図である。以下では、右サポート画像6のための安全指標62を生成する安全指標生成処理について代表的に説明するが、左右が逆となる以外は左サポート画像6のための安全指標62を生成する安全指標生成処理も同様である。
第1の実施の形態と同様に、意志判定部20aが容認意志がないと判定した場合は(ステップS102にてYes)、安全指標生成部20bは「赤色」の安全指標62を生成する(ステップS104)。また、意志判定部20aが容認意志の有無を判定できない場合は(ステップS101及びS102の双方にてNo)、安全指標生成部20bは「黄色」の安全指標62を生成する(ステップS105)。
また、意志判定部20aが容認意志があると判定した場合は(ステップS101にてYes)、パラメータ導出部20fが前後相対速度Vfrを導出する(ステップS113)。パラメータ導出部20fは、情報取得部26が取得した右側の前側方車両81の車両情報、及び、右側の後側方車両82の車両情報に基づいて、前後相対速度Vfrを導出する。パラメータ導出部20fは、例えば、自車両9に対する前側方車両81及び後側方車両82の双方の相対速度に基づいて前後相対速度Vfrを導出できる。
次に、安全指標生成部20bは、この前後相対速度Vfrに基づいて、前後車間距離D3の変化を考慮した安全指標62を生成する(ステップS114)。
具体的には、前後相対速度Vfrが正の場合は(Vfr>0)、安全指標生成部20bは「赤色」の安全指標62を生成する。前後相対速度Vfrが正の場合は、前側方車両81が後側方車両82よりも減速しており、前後車間距離D3が縮小する傾向にある。すなわち、自車両9の移動対象となる空間が縮小する傾向にある。このため、車線変更を安全に行うことが難しいため、安全指標生成部20bは「赤色」の安全指標62を生成する。
また、前後相対速度Vfrが負の場合は(Vfr<0)、安全指標生成部20bは「青色」の安全指標62を生成する。前後相対速度Vfrが負の場合は、前後車間距離D3が拡大する傾向にある。すなわち、自車両9の移動対象となる空間が拡大する傾向にある。このため、車線変更を安全に行うことが可能であるため、安全指標生成部20bは「青色」の安全指標62を生成する。
また、前後相対速度Vfrがほぼ無い場合は(Vfr≒0)、安全指標生成部20bは「黄色」の安全指標62を生成する。前後相対速度Vfrがほぼ無い場合は、前側方車両81と後側方車両82とが同等に減速しており、前後車間距離D3が維持される状態にある。一方で、自車両9と前側方車両81との間の前方車間距離D1(図4参照。)は縮小する傾向にあることから、車線変更を行うために注意を要する。このため、安全指標生成部20bは「黄色」の安全指標62を生成する。
以上のように、本実施の形態の画像処理装置2においては、パラメータ導出部20fが前後相対速度Vfrを導出し、安全指標生成部20bは、意志判定部20aが容認意志があると判定した場合は、前後相対速度Vfrに基づいて安全指標62を生成する。このため、意志判定部20aが容認意志があると判定した場合でも、前側方車両81と後側方車両82との間の前後車間距離D3を考慮した安全指標62が表示されるため、安全指標62の信頼性をさらに高くすることができる。
なお、前後相対速度Vfrが正の場合(Vfr>0)、または、ほぼ無い場合(Vfr≒0)であっても、自車両9と前側方車両81との間の前方車間距離D1が十分に長い場合は、車線変更を安全に行うことが可能であるため、安全指標生成部20bが「青色」の安全指標62を生成してもよい。
<8.第8の実施の形態>
次に、第8の実施の形態について説明する。第8の実施の形態の画像表示システム10の構成や処理は第1の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。第1の実施の形態では、意志判定部20aの判定結果のみに応じて安全指標62の色が決定されていた。これに対して、第8の実施の形態では、意志判定部20aの判定結果とともに、各種のパラメータを考慮して安全指標62の色が決定される。
第8の実施の形態の画像表示システム10の構成は、図28に示すパラメータ導出部20fを備える第6の実施の形態の構成と同様である。本実施の形態においてパラメータ導出部20fは、自車両9と前側方車両81との間の前方車間距離D1、自車両9と後側方車両82との間の後方車間距離D2、及び、自車両9に対する前側方車両81の相対速度(以下、「前車相対速度」という。)Vofを導出する。さらに、パラメータ導出部20fは、自車両9が停止可能な距離(以下、「自車安全車間距離」という。)Dos、及び、後側方車両82が停止可能な距離(以下、「後車安全車間距離」という。)Drsを導出する。
本実施の形態の安全指標生成部20bは、安全指標生成処理(図7のステップS15)において、意志判定部20aの判定結果とともに、これらのパラメータに基づいて安全指標62を生成する。図31は、第8の実施の形態の安全指標生成処理の詳細な流れを示す図である。以下では、右サポート画像6のための安全指標62を生成する安全指標生成処理について代表的に説明するが、左右が逆となる以外は左サポート画像6のための安全指標62を生成する安全指標生成処理も同様である。
まず、パラメータ導出部20fが、安全指標生成処理において考慮するパラメータを導出する(ステップS120)。パラメータ導出部20fは、前方車間距離D1、後方車間距離D2、前車相対速度Vof、自車安全車間距離Dos、及び、後車安全車間距離Drsのパラメータを導出する。
パラメータ導出部20fは、情報取得部26が取得した右側の前側方車両81の車両情報、及び、右側の後側方車両82の車両情報、及び、自車両9の絶対速度に基づいて、これらのパラメータを導出する。パラメータ導出部20fは、前側方車両81の車両情報に基づいて、前方車間距離D1及び前車相対速度Vofを導出できる。また、パラメータ導出部20fは、後側方車両82の車両情報に基づいて、後方車間距離D2及び後車安全車間距離Drsを導出できる。さらに、パラメータ導出部20fは、自車両9の絶対速度に基づいて、自車安全車間距離Dosを導出できる。
次に、安全指標生成部20bは、意志判定部20aの判定結果に応じた生成処理を行って、安全指標62を生成する。意志判定部20aが容認意志があると判定した場合は(ステップS121にてYes)、安全指標生成部20bは第1生成処理を行う(ステップS123)。意志判定部20aが容認意志がないと判定した場合は(ステップS122にてYes)、安全指標生成部20bは第2生成処理を行う(ステップS124)。また、意志判定部20aが容認意志の有無を判定できない場合は(ステップS121及びS122の双方にてNo)、安全指標生成部20bは第3生成処理を行う(ステップS125)。以下、第1ないし第3生成処理のそれぞれについて詳細に説明する。
(8−1.第1生成処理)
まず、意志判定部20aが容認意志があると判定した場合の第1生成処理(ステップS123)について説明する。この場合は、車線変更に際して後側方車両82の状態は問題ないため、前側方車両81の状態のみが考慮される。安全指標生成部20bは、まず、前車相対速度Vofを考慮する。
(8−1−1.前車相対速度が正)
前車相対速度Vofが正の場合は(Vof>0)、前側方車両81が自車両9から離れる傾向がある。このため、車線変更を安全に行うことが可能であるため、安全指標生成部20bは「青色」の安全指標62を生成する。
(8−1−2.前車相対速度が負)
前車相対速度Vofが負の場合は(Vof<0)、前側方車両81に対して自車両9が近づく傾向がある。
この場合において、前方車間距離D1が自車安全車間距離Dosより大きい場合は(D1>Dos)、前側方車両81に対して十分に離れた状態で自車両9が走行している。このため、車線変更を安全に行うことが可能であるため、安全指標生成部20bは「青色」の安全指標62を生成する。
一方、前方車間距離D1が自車安全車間距離Dosより小さい場合は(D1<Dos)、前側方車両81に比較的近い位置で自車両9が走行している。このため、車線変更を行うために前側方車両81に関して注意を要することから、安全指標生成部20bは「黄色」の安全指標62を生成する。
(8−2.第2生成処理)
次に、意志判定部20aが容認意志がないと判定した場合の第2生成処理(ステップS124)について説明する。この場合は、後側方車両82が加速しているため、後側方車両82の状態が十分に考慮されるとともに、前側方車両81の状態も考慮される。安全指標生成部20bは、まず、後方車間距離D2を考慮する。この際、安全指標生成部20bは、後車安全車間距離Drsにマージンαを加算した結果となる安全余裕距離(Drs+α)を比較に用いる。
(8−2−1.後方車間距離が長い)
後方車間距離D2が安全余裕距離より長い場合は(D2>Drs+α)、自車両9に対して十分に離れた状態で後側方車両82が走行している。したがって、車線変更に際して後側方車両82の状態は問題ない。
このため、安全指標生成部20bは、上述した第1生成処理と同様に、前側方車両81の状態を考慮して安全指標62を生成する。すなわち、前車相対速度Vofが正の場合は(Vof>0)、安全指標生成部20bは「青色」の安全指標62を生成する。
また、前車相対速度Vofが負の場合(Vof<0)において、前方車間距離D1が自車安全車間距離Dosより大きい場合は(D1>Dos)、安全指標生成部20bは「青色」の安全指標62を生成する。さらに、前車相対速度Vofが負の場合(Vof<0)において、前方車間距離D1が自車安全車間距離Dosより小さい場合は(D1<Dos)、安全指標生成部20bは「黄色」の安全指標62を生成する。
(8−2−2.後方車間距離が短い)
後方車間距離D2が安全余裕距離より短い場合は(D2<Drs+α)、自車両9に比較的近い位置で後側方車両82が加速した状態で走行している。このため、車線変更を安全に行うことが難しいため、安全指標生成部20bは「赤色」の安全指標62を生成する。
(8−3.第3生成処理)
次に、意志判定部20aが容認意志の有無を判定できない場合の第3生成処理(ステップS125)について説明する。この場合は、前側方車両81及び後側方車両82の双方の状態が考慮される。安全指標生成部20bは、まず、前車相対速度Vofを考慮する。
(8−3−1.前車相対速度が正)
前車相対速度Vofが正の場合は(Vof>0)、前側方車両81が自車両9から離れる傾向がある。したがって、車線変更に際して前側方車両81の状態は問題ない。安全指標生成部20bは、次に、後方車間距離D2を考慮する。
(8−3−1−a.後方車間距離が長い)
後方車間距離D2が後車安全車間距離Drsより長い場合は(D2>Drs)、自車両9に対して十分に離れた状態で後側方車両82が走行している。このため、車線変更を安全に行うことが可能であるため、安全指標生成部20bは「青色」の安全指標62を生成する。
(8−3−1−b.後方車間距離が短い)
後方車間距離D2が後車安全車間距離Drsより短い場合は(D2<Drs)、自車両9に比較的近い位置で後側方車両82が走行している。このため、車線変更を行うために後側方車両82に関して注意を要することから、安全指標生成部20bは「黄色」の安全指標62を生成する。
(8−3−2.前車相対速度が負)
前車相対速度Vofが負の場合は(Vof<0)、前側方車両81に対して自車両9が近づく傾向がある。安全指標生成部20bは、次に、前方車間距離D1を考慮する。
(8−3−2−a.前方車間距離が長い)
前方車間距離D1が自車安全車間距離Dosより長い場合は(D1>Dos)、前側方車両81に対して十分に離れた状態で自車両9が走行している。
この場合に、後方車間距離D2が後車安全車間距離Drsより長い場合は(D2>Drs)、自車両9に対して十分に離れた状態で後側方車両82が走行している。すなわち、前側方車両81及び後側方車両82の双方が自車両9に対して十分に離れた状態であることから、車線変更を安全に行うことが可能であるため、安全指標生成部20bは「青色」の安全指標62を生成する。
一方、後方車間距離D2が後車安全車間距離Drsより短い場合は(D2<Drs)、自車両9に比較的近い位置で後側方車両82が走行している。この場合は、車線変更を行うために後側方車両82に関して注意を要することから、安全指標生成部20bは「黄色」の安全指標62を生成する。
(8−3−2−b.前方車間距離が短い)
前方車間距離D1が自車安全車間距離Dosより短い場合は(D1<Dos)、前側方車両81に比較的近い位置で自車両9が走行している。
この場合に、後方車間距離D2が後車安全車間距離Drsより長い場合は(D2>Drs)、自車両9に対して十分に離れた状態で後側方車両82が走行している。このため、車線変更を行うために前側方車両81に関して注意を要することから、安全指標生成部20bは「黄色」の安全指標62を生成する。
一方、後方車間距離D2が後車安全車間距離Drsより短い場合は(D2<Drs)、自車両9に比較的近い位置で後側方車両82が走行している。すなわち、前側方車両81及び後側方車両82の双方が自車両9に対して近い状態であることから、車線変更を安全に行うことが難しいため、安全指標生成部20bは「赤色」の安全指標62を生成する。
以上のように、本実施の形態の画像処理装置2においては、パラメータ導出部20fが前方車間距離D1、後方車間距離D2、及び、前車相対速度Vofを導出する。そして、安全指標生成部20bは、意志判定部20aの判定結果とともに、前方車間距離D1、後方車間距離D2、及び、前車相対速度Vofに基づいて安全指標62を生成する。このため、容認意志の有無とともに、前側方車両81及び後側方車両82の双方の状態を総合的に考慮した安全指標62が表示されるため、安全指標62の信頼性をさらに高くすることができる。
<9.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施の形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
上記実施の形態では、画像処理装置2は、レーダ91,92から前側方車両81及び後側方車両82の車両情報を取得していたが、他の手法で前側方車両81及び後側方車両82の車両情報を取得してもよい。例えば、画像処理装置2は、フロントカメラ5F及びリアカメラ5Rの撮影画像から前側方車両81及び後側方車両82の車両像を抽出し、撮影画像における当該車両像の位置、及び、その位置の時間的変化に基づいて車両情報を取得してもよい。
また、上記実施の形態においては、意志判定部20aは、後側方車両82の加速度に基づいて後側方車両82のドライバの容認意志の有無を判定していたが、他の手法で容認意志の有無を判定してもよい。例えば、後側方車両82に容認意志を明示する操作部を設けておき、当該操作部を後側方車両82のドライバが操作した場合に後側方車両82が送出する信号に基づいて、意志判定部20aが容認意志の有無を判定してもよい。
また、上記実施の形態において後側方車両82の運転主体は人間のドライバであるとして説明したが、自動運転機能を有する電子装置であってもよい。この場合において、意志判定部20aは、電子装置が送出する信号に基づいて容認意志の有無を判定すればよい。
また、上記実施の形態において一つのブロックとして説明した機能は必ずしも単一の物理的要素によって実現される必要はなく、分散した物理的要素によって実現されてよい。また、上記実施の形態で複数のブロックとして説明した機能は単一の物理的要素によって実現されてもよい。また、車両内の装置と車両外の装置とに任意の一つの機能に係る処理を分担させ、これら装置間において通信によって情報の交換を行うことで、全体として当該一つの機能が実現されてもよい。
また、上記実施の形態においてプログラムの実行によってソフトウェア的に実現されると説明した機能の全部又は一部は電気的なハードウェア回路により実現されてもよく、ハードウェア回路によって実現されると説明した機能の全部又は一部はソフトウェア的に実現されてもよい。また、上記実施の形態において一つのブロックとして説明した機能が、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。