JP2017014305A - 画像表示装置用粘着剤及びその製造方法、画像表示装置用粘着シート、並びに、画像表示装置 - Google Patents
画像表示装置用粘着剤及びその製造方法、画像表示装置用粘着シート、並びに、画像表示装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017014305A JP2017014305A JP2015128701A JP2015128701A JP2017014305A JP 2017014305 A JP2017014305 A JP 2017014305A JP 2015128701 A JP2015128701 A JP 2015128701A JP 2015128701 A JP2015128701 A JP 2015128701A JP 2017014305 A JP2017014305 A JP 2017014305A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- meth
- image display
- adhesive
- acrylate
- display device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】比誘電率が高く、かつ、段差吸収性に優れる画像表示装置用粘着剤を提供する。【解決手段】下記一般式(1)で表されるアルコキシアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位を有する重合体を含有する画像表示装置用粘着剤であって、前記粘着剤に含まれる前記アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、及び、前記重合体の前記構造単位の合計量が前記重合体の全構造単位を基準として70〜100質量%である、画像表示装置用粘着剤。[化1][式(1)中、R1は、水素原子又はメチル基を示し、R2は、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、R3は、炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、nは、1以上の整数である。]【選択図】なし
Description
本発明は、画像表示装置用粘着剤及びその製造方法、画像表示装置用粘着シート、並びに、画像表示装置に関する。
近年、画像表示装置における透明保護板若しくは情報入力装置(例えばタッチパネル等)と画像表示ユニットの表示面との間の空隙、又は、透明保護板と情報入力装置との間の空隙を、空気と比較して、屈折率が透明保護板、情報入力装置及び画像表示ユニットの表示面に近い透明材料で置換することにより、光透過性を向上させ、画像表示装置の輝度及びコントラストの低下を抑える方法が提案されている(例えば特許文献1)。画像表示装置の例として液晶表示装置の断面図を図1に示す。タッチパネルを内蔵した液晶表示装置は、透明保護板(ガラス又はプラスチック基板等)D1、タッチパネルD2、偏光板D3及び液晶表示セルD4で構成されており、液晶表示装置の割れ防止、応力及び衝撃の緩和、並びに、視認性の向上のために、透明保護板とタッチパネルとの間に粘着層(透明樹脂層)D5が設けられ、さらに、タッチパネルと偏光板との間に粘着層(透明樹脂層)D6が設けられる場合もある。
ところで、情報入力装置及び画像表示ユニットには、その周縁部分に入出力の配線を設ける必要がある。透明保護板側からこれらの配線が見えないように、一般に、透明保護板の周縁部分に印刷等で枠状の装飾部が設けられる(特許文献1の図1における符号19(枠パターン)等)。これらの装飾部により生じる段差を解消するため、透明保護板を貼り合わせる粘着剤として、例えば、フィルム状の粘着剤が用いられる場合があるが、この段差近傍を隙間無く埋め込むためには、フィルム状の粘着剤に対して段差への優れた埋め込み性が求められる。近年、このような段差への埋め込み性を改善するためのフィルム状の粘着剤が種々検討されている(例えば特許文献2)。
一方、情報入力装置として、例えば静電容量方式タッチパネルは、トップパネルとして用いられるガラス板や、ハードコート層、透明導電膜等の各種積層体材料がLCDモジュール上に積層されてなる積層体を備え、透明導電膜に微弱な電圧を印加すると、透明導電膜の表面に電荷が蓄えられ電界を形成する。このタッチパネルの表面に指やタッチペン等の導体が接触すると、この形成した電界の状態が変化して放電され、微弱な電流が流れる。そして、透明導電膜の四隅に流れるこの微弱な電流の変化を計算処理することで、接触位置の検出を行うことができる。
このように静電容量方式タッチパネルの検出感度は、電界の変化の大きさに依存している。そのため、静電容量方式タッチパネルを構成する積層体材料としては、電界を形成し易い高静電容量の材料が求められている。
特許文献2に記載されているフィルム状の粘着剤は、2−エチルヘキシルアクリレートを主成分とするものである。本発明者らの検討によれば、このようなフィルム状の粘着剤は、23℃、100kHzにおける比誘電率が4.3程度であり、画像表示装置のタッチ感度の低下、すなわち、静電容量の低下の要因となる。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、比誘電率が高く、かつ、段差吸収性に優れる画像表示装置用粘着剤及びその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、このような画像表示装置用粘着剤を用いた画像表示装置用粘着シート及び画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、特定のアルコキシアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位を有する重合体を用いる画像表示装置用粘着剤が、比誘電率が高く、かつ、段差吸収性に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明に係る画像表示装置用粘着剤の第1実施形態は、下記一般式(1)で表されるアルコキシアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位を有する重合体を含有する画像表示装置用粘着剤であって、前記粘着剤に含まれる前記アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、及び、前記重合体の前記構造単位の合計量が前記重合体の全構造単位を基準として70〜100質量%である。
本発明に係る画像表示装置用粘着剤の第2実施形態は、下記一般式(1)で表されるアルコキシアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位を70〜100質量%有する重合体を含有する。
本発明に係る画像表示装置用粘着剤は、比誘電率が高く、かつ、段差吸収性に優れる。また、本発明に係る画像表示装置用粘着剤は、優れた高温環境信頼性及び透明性を有する。
本発明に係る画像表示装置用粘着剤は、前記アルコキシアルキル(メタ)アクリレートの前記R2の炭素数が2であり、前記R3の炭素数が1又は2である態様であってもよい。これにより、粘着剤の比誘電率を更に向上させることができる。
前記アルコキシアルキル(メタ)アクリレートは、メトキシエチル(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。これにより、粘着剤の比誘電率及び加工性を更に向上させることができる。
前記アルコキシアルキル(メタ)アクリレートにおけるメトキシエチル(メタ)アクリレートの割合は、50〜100質量%であることが好ましい。これにより、粘着剤の比誘電率及び加工性を更に向上させることができると共に、貼り合わせ後の高温環境下において気泡や浮きが発生しにくくなる。
本発明に係る画像表示装置用粘着剤に含まれるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、及び、前記重合体におけるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位の合計量は、前記重合体の全構造単位を基準として30質量%以下であることが好ましい。前記重合体におけるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位の含有量は、前記重合体の全構造単位を基準として30質量%以下であることが好ましい。これらにより、粘着剤の比誘電率及び段差吸収性を更に向上させることができる。
前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのアルキル基は、炭素数2〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であることが好ましい。これにより、粘着剤の比誘電率を更に向上させることができる。
前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。これにより、粘着剤の比誘電率及び加工性を更に向上させることができる。
本発明に係る画像表示装置用粘着剤は、(メタ)アクリルアミド及び(メタ)アクリルアミド誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種を該粘着剤の全質量を基準として1〜20質量%含有することが好ましい。これにより、粘着剤の粘着性を向上させることができる。
本発明に係る画像表示装置用粘着剤の製造方法は、前記アルコキシアルキル(メタ)アクリレートを含む組成物に活性エネルギー線を照射することにより前記粘着剤を得る工程を備え、前記活性エネルギー線の光源が、メタルハライドランプ、ケミカルランプ及びブラックランプからなる群より選ばれる少なくとも一種である。
本発明に係る画像表示装置用粘着シートは、基材と、該基材上に配置された粘着層と、を備え、前記粘着層が前記画像表示装置用粘着剤を含む。
本発明に係る画像表示装置は、透明保護板と、表示パネルと、前記透明保護板及び前記表示パネルの間に配置された粘着層と、を備え、前記粘着層が前記画像表示装置用粘着剤を含む。これにより、視認性、操作性、信頼性等に優れる画像表示装置を得ることができる。
本発明によれば、比誘電率が高く、かつ、段差吸収性、高温環境信頼性及び透明性に優れる画像表示装置用粘着剤及びその製造方法を提供することができる。また、本発明は、その画像表示装置用粘着剤を用いた画像表示装置用粘着シート及び画像表示装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定させるものではない。また、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」又はそれに対応する「メタクリレート」を意味する。
<画像表示装置用粘着剤及び画像表示装置用粘着シート>
本実施形態に係る画像表示装置用粘着シートは、基材層(基材)と、該基材層上に配置された粘着層と、を備え、前記粘着層が本実施形態に係る画像表示装置用粘着剤を含む。本実施形態に係る画像表示装置用粘着シートは、例えば、粘着層と、粘着層を挟むように積層された一対の基材層と、を備えている。上記基材層の外縁は、粘着層の外縁よりも外側に張り出していてもよい。
本実施形態に係る画像表示装置用粘着シートは、基材層(基材)と、該基材層上に配置された粘着層と、を備え、前記粘着層が本実施形態に係る画像表示装置用粘着剤を含む。本実施形態に係る画像表示装置用粘着シートは、例えば、粘着層と、粘着層を挟むように積層された一対の基材層と、を備えている。上記基材層の外縁は、粘着層の外縁よりも外側に張り出していてもよい。
すなわち、図2及び図3に示されるように、本実施形態に係る粘着シート1は、透明なフィルム状の粘着層2と、粘着層2を挟むように積層された重剥離セパレータ(第1の基材層)3及び軽剥離セパレータ(第2の基材層)4とを備えている。重剥離セパレータ3及び軽剥離セパレータ4の外縁は、粘着層2の外縁よりも張り出している。この粘着層2は、例えば、携帯端末用のタッチパネル式ディスプレイ等の画像表示装置において、透明保護板とタッチパネルとの間、又は、タッチパネルと液晶表示ユニットとの間に配置される透明なフィルム(透明樹脂層)として用いることができる。
画像表示装置に用いるため、通常、粘着層2のヘイズ(Haze)は、1.5%以下である。視認性の観点から、ヘイズは、1.0%以下、0.8%以下又は0.5%以下であってもよい。ヘイズの下限値については0%に近いことが好ましいが、通常は0%より大きく、実用的な観点からは0.1%であってよい。
ヘイズ(Haze)とは、濁度を表わす値(%)であり、ランプにより照射され、試料中を透過した光の全透過率Ttと、試料中で拡散され散乱した光の透過率Tdより、(Td/Tt)×100として求められる。これらはJIS K 7136により規定されており、市販の濁度計、例えば、日本電色工業社製NDH−4000により容易に測定可能である。
粘着層2の厚さは、使用用途及び方法により適宜調整されるため特に限定されないが、例えば、50〜500μm、75〜300μm又は100〜200μmであってもよい。粘着層の厚さがこれら範囲内であることにより、ディスプレイ上に光学部材を貼り合わせるための透明な粘着シートとして特に優れた効果が発揮され、さらには静電容量が向上する。
粘着層2の可視光領域(波長:380nm〜780nm)の光線に対する光透過率の最小値は、80%以上、90%以上又は95%以上であってもよい。
粘着層2は、本実施形態に係る画像表示装置用粘着剤を含む。第1実施形態に係る画像表示装置用粘着剤は、後述する式(1)で表されるアルコキシアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位を有するアルコキシアルキル(メタ)アクリレート重合体を含有する画像表示装置用粘着剤であって、前記粘着剤に含まれる前記アルコキシアルキル(メタ)アクリレート(未反応モノマ)、及び、前記重合体の前記構造単位の合計量が前記重合体の全構造単位を基準として70〜100質量%である。第2実施形態に係る画像表示装置用粘着剤は、式(1)で表されるアルコキシアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位を70〜100質量%有する重合体を含有する。
粘着層2は、(A)アルコキシアルキル(メタ)アクリレート重合体、(B)(メタ)アクリルアミド又は(メタ)アクリルアミド誘導体、及び、(C)光重合開始剤を含有する粘着性樹脂組成物の硬化物からなることが好ましい。本実施形態の粘着層は、該粘着性樹脂組成物をシート状に加工して硬化させたものであることが好ましい。
アルコキシアルキル(メタ)アクリレート重合体としては、例えば、アルコキシアルキル(メタ)アクリレートの単独重合体、アルコキシアルキル(メタ)アクリレートとヒドロキシアクリル(メタ)アクリレートとの共重合体等が挙げられる。「(A)アルコキシアルキル(メタ)アクリレートの単独重合体」、又は、「アルコキシアルキル(メタ)アクリレートとヒドロキシアクリル(メタ)アクリレートとの共重合体」とは、アルコキシアルキル(メタ)アクリレートを1種で重合するか、又は、アルコキシアルキル(メタ)アクリレートとヒドロキシアクリル(メタ)アクリレートとを組み合わせて共重合したものをいう。なお、本実施形態の効果を損なわない範囲であれば、(A)成分は、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアクリル(メタ)アクリレート等と、重合性化合物(例えばアクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン等の、重合性不飽和結合を分子内に1個有する化合物、又は、ジビニルベンゼン等の、重合性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物)と、を重合させたものであってもよい。
(A)成分は、(A−1)式(1)で表されるアルコキシアルキル(メタ)アクリレートと、(A−2)ヒドロキシアクリル(メタ)アクリレートとを、少なくともモノマー成分を重合させて得られるポリマーであることが好ましい。
(A−1)アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、又は、該アルコキシアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位は、比誘電率を向上させる機能がある。これらは、通常、粘着層2又は粘着性樹脂組成物における主成分である。本明細書において「主成分」とは、粘着層2又は粘着性樹脂組成物を構成するモノマー及び構造単位中で、含有量が最も多い成分を意味する。すなわち、モノマーとしてのアルコキシアルキル(メタ)アクリレートと、アルコキシアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位との合計の含有量が、粘着層2を構成する全ての重合性モノマー及び構造単位の中で最も大きい。
上記一般式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を示す。
また、R2は、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、好ましくは炭素数2〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、より好ましくは炭素数2〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基である。R2の炭素数は、2であることが更に好ましい。R2が示す炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、1,4−ブチレン基、1,3−ブチレン基等が挙げられる。
また、R2は、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、好ましくは炭素数2〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、より好ましくは炭素数2〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基である。R2の炭素数は、2であることが更に好ましい。R2が示す炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、1,4−ブチレン基、1,3−ブチレン基等が挙げられる。
また、R3は、炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜3の直鎖のアルキル基である。R3の炭素数は、1又は2であることが更に好ましい。R3が示す炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。
また、上記一般式(1)中、nの値は、アルキレンオキサイド鎖の構造単位数を示し、1以上の整数である。nの値は、好ましくは1〜12の整数、より好ましくは1〜9の整数である。このような値とするモノマーを用いることにより、得られる粘着剤が高い比誘電率を維持しつつ、粘着剤の粘着力の低下を抑えることができる。
以上のアルコキシアルキル(メタ)アクリレートの中でも、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、又は、メトキシポリエチレングリコール#400(メタ)アクリレートが好ましく、メトキシエチル(メタ)アクリレートがより好ましい。なお、これらのモノマーは、単独で又は2種以上併用して用いてもよい。前記アルコキシアルキル(メタ)アクリレートにおけるメトキシエチル(メタ)アクリレートの割合は、50〜100質量%であることが好ましい。
第1実施形態において、粘着層2の粘着剤に含まれる前記アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、及び、前記アルコキシアルキル(メタ)アクリレート重合体における式(1)で表されるアルコキシアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位の合計量は、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート重合体の全構造単位を基準として、70〜100質量%である。第2実施形態において、式(1)で表されるアルコキシアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位の含有量は、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート重合体の全構造単位を基準として、70〜100質量%である。これらは、好ましくは75〜90質量%であり、より好ましくは80〜90質量%である。
特に、80質量%以上であると、得られる粘着剤から形成される粘着層の比誘電率がより高くなる。一方、90質量%以下であると、粘着力の低下を更に抑えることができ得る。
(A−2)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、粘着層の加工性及び粘着性を向上させる機能がある。ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基(エステル結合に結合するアルキル基)を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、より好ましくは炭素数2〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、更に好ましくはヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。なお、これらのモノマーは、単独で又は2種以上併用して用いてもよい。
粘着層2の粘着剤に含まれるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、及び、前記アルコキシアルキル(メタ)アクリレート重合体におけるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位の合計量は、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート重合体の全構造単位を基準として、30質量%以下(0〜30質量%)であることが好ましい。また、前記アルコキシアルキル(メタ)アクリレート重合体におけるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位の含有量は、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート重合体の全構造単位を基準として、30質量%以下(0〜30質量%)であることが好ましい。これらは、好ましくは3〜20質量%であり、より好ましくは5〜10質量%である。
5質量%以上であると、得られる粘着剤から形成される粘着層の比誘電率がより高くなり、又は、粘着性が高くなり得る。一方、10質量%以下であると、段差追従性を損なわずに加工性を向上し得る。
(A)成分の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより標準ポリスチレンの検量線を用いて換算した値とする。重量平均分子量の測定条件は、本明細書の実施例と同一の測定条件とする。
また、(A)成分の重合方法は、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等の既知の重合方法を用いることができる。
重合開始剤としては、熱によりラジカルを発生する化合物を用いることができる。具体的には、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキサイド等のような有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のようなアゾ系化合物などが挙げられる。
((B)成分:(メタ)アクリルアミド又は(メタ)アクリルアミド誘導体)
(B)成分である(メタ)アクリルアミド又は(メタ)アクリルアミド誘導体は、粘着力を向上する機能がある。(メタ)アクリルアミド又はその誘導体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
(B)成分である(メタ)アクリルアミド又は(メタ)アクリルアミド誘導体は、粘着力を向上する機能がある。(メタ)アクリルアミド又はその誘導体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
(B)成分は、ジメチルアクリルアミドを含むことが好ましい。ジメチルアクリルアミドは、少ない添加量で粘着力の向上が可能である。ジメチルアクリルアミドを用いる場合の含有量は、粘着性樹脂組成物の全質量に対して、1〜20質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましく、3〜8質量%が更に好ましい。
[(C)成分:光重合開始剤]
(C)光重合開始剤は、活性エネルギー線の照射により硬化反応が進むものである。ここで、「活性エネルギー線」とは、紫外線、電子線、α線、β線、γ線等をいう。
(C)光重合開始剤は、活性エネルギー線の照射により硬化反応が進むものである。ここで、「活性エネルギー線」とは、紫外線、電子線、α線、β線、γ線等をいう。
(C)成分は、特に限定されるものではなく、ベンゾフェノン系、アントラキノン系、ベンゾイル系、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、オニウム塩等の公知の開始剤を使用することが可能である。
具体的には、ベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−(ジメチルアミノ)−4’−メトキシベンゾフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2−エチルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロロ−2−メチルアントラキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等の芳香族ケトン化合物;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンジル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、β−(アクリジン−9−イル)(メタ)アクリル酸等のエステル化合物;9−フェニルアクリジン、9−ピリジルアクリジン、1,7−ジアクリジノヘプタン等のアクリジン化合物;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モリホリノフェニル)−1−ブタノン;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパン;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド;オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)などが挙げられる。
特に、粘着性樹脂組成物を着色させないためには、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等のα−ヒドロキシアルキルフェノン系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系化合物;オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)などの化合物及びこれらを組み合わせたものが好ましい。
特に、厚いシートを作製するためには、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系化合物が好ましい。
特に、シートの臭気を減らすためには、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)が好ましい。
これらの光重合開始剤は、単独で又は2種以上併用して用いてもよい。
(C)成分の含有量は、粘着性樹脂組成物の全質量に対して、0.1〜5質量%であることが好ましい。5質量%以下とすることで、得られた粘着剤の透過率が充分に高く、また色相が黄味を帯びることもない。以上の観点から、含有量は、3質量%以下が更に好ましい。
[その他の添加剤]
本実施形態の粘着性樹脂組成物には、必要に応じて上記の(A)、(B)及び(C)成分とは別に、各種添加剤を含有させてもよい。含有可能な各種添加剤としては、例えば、(A)、(B)及び(C)成分を配合して得られた粘着性樹脂組成物の保存安定性を高める目的でパラメトキシフェノール等の重合禁止剤、粘着性樹脂組成物を光により硬化させて得られた粘着剤の耐熱性を高める目的でトリフェニルホスファイト等の酸化防止剤、紫外線等の光に対する耐性を高める目的でHALS(Hindered Amine Light Stabilizer)等の光安定化剤、ガラス等への密着性を高める目的でシランカップリング剤などが挙げられる。
本実施形態の粘着性樹脂組成物には、必要に応じて上記の(A)、(B)及び(C)成分とは別に、各種添加剤を含有させてもよい。含有可能な各種添加剤としては、例えば、(A)、(B)及び(C)成分を配合して得られた粘着性樹脂組成物の保存安定性を高める目的でパラメトキシフェノール等の重合禁止剤、粘着性樹脂組成物を光により硬化させて得られた粘着剤の耐熱性を高める目的でトリフェニルホスファイト等の酸化防止剤、紫外線等の光に対する耐性を高める目的でHALS(Hindered Amine Light Stabilizer)等の光安定化剤、ガラス等への密着性を高める目的でシランカップリング剤などが挙げられる。
また、粘着性樹脂組成物を用いて粘着シートを得る際に、粘着シートは一時的にポリエチレンテレフタレートフィルム等に挟まれる場合がある。そのため、粘着シートとポリエチレンテレフタレートフィルム等の基材との剥離性を制御するために、ポリジメチルシロキサン系、フッ素系等の界面活性剤を配合することができる。
上記添加剤は、単独で用いてもよく、また、複数の添加剤を組み合わせて用いてもよい。なお、これらのその他の添加剤の含有量は、通常、上記の(A)、(B)及び(C)成分の合計含有量と比較すると小さく、好ましくは一般に粘着性樹脂組成物の全質量に対して0.01〜5質量%程度である。
重剥離セパレータ(第1の基材層)3は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)などの重合体フィルムであってもよい。中でも、重剥離セパレータ3は、ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PETフィルム」という場合がある。)であることができる。重剥離セパレータ3の厚さは、作業性の観点から、50μm以上200μm以下、60μm以上150μm以下又は70μm以上130μm以下であってもよい。
重剥離セパレータ3の主面は、粘着層2の主面よりも大きく、重剥離セパレータ3の外縁は、粘着層2の外縁よりも外側に張り出していてもよい。粘着層2の外縁よりも張り出している部分の重剥離セパレータ3の幅は、取り扱い易さ、剥がし易さ、埃等の付着をより低減できる観点から、2mm以上20mm以下、又は、4mm以上10mm以下であってもよい。粘着層2及び重剥離セパレータ3の主面が長方形等の矩形である場合、粘着層2の外縁よりも張り出している部分の重剥離セパレータ3の幅は、少なくとも1つの辺において2mm以上20mm以下又は4mm以上10mm以下であってもよく、全ての辺において2mm以上20mm以下又は4mm以上10mm以下であってもよい。
軽剥離セパレータ4(第2の基材層)は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)などの重合体フィルムであってもよい。中でも、軽剥離セパレータ4は、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることができる。軽剥離セパレータ4の厚さは、作業性の観点から、25μm以上150μm以下、30μm以上100μm以下又は40μm以上75μm以下であってもよい。
軽剥離セパレータ4の主面は、粘着層2の主面よりも大きく、軽剥離セパレータ4の外縁は粘着層2の外縁よりも外側に張り出していてもよい。粘着層2の外縁よりも張り出している部分の軽剥離セパレータ4の幅は、取り扱い易さ、剥がし易さ、埃等の付着をより低減できる観点から、2mm以上20mm以下、又は、4mm以上10mm以下であってもよい。粘着層2及び軽剥離セパレータ4の主面が長方形等の矩形である場合、粘着層2の外縁よりも張り出している部分の軽剥離セパレータ4の幅は、少なくとも1つの辺において2mm以上20mm以下又は4mm以上10mm以下であってもよく、全ての辺において2mm以上20mm以下又は4mm以上10mm以下であってもよい。
軽剥離セパレータ4と粘着層2との間のピール強度は、重剥離セパレータ3と粘着層2との間のピール強度よりも低くてもよい。これにより、重剥離セパレータ3は軽剥離セパレータ4よりも粘着層2から剥離し難くなる。また、後述するように、粘着層2に重剥離セパレータ3側に向かってブレードが通される際、粘着層2の外縁部が重剥離セパレータ3に押し付けられる。これにより、重剥離セパレータ3は軽剥離セパレータ4よりも更に粘着層2から剥離し難くなり、重剥離セパレータ3に剥離が生じる前に軽剥離セパレータ4を剥離させることがより容易となる。従って、重剥離セパレータ3及び軽剥離セパレータ4を片方ずつ剥離させることができ、重剥離セパレータ3及び軽剥離セパレータ4を剥離して粘着層2を別々の被着物に貼り付ける作業を、片方ずつ確実に行うことができる。重剥離セパレータ3と粘着層2、及び、軽剥離セパレータ4と粘着層2とのピール強度は、例えば、重剥離セパレータ3及び軽剥離セパレータ4に対して表面処理を施すことによって調整することができる。表面処理方法としては、例えば、シリコーン系化合物又はフッ素系化合物で離型処理する方法が挙げられる。
<画像表示装置用粘着剤及び画像表示装置用粘着シートの製造方法>
本実施形態に係る画像表示装置用粘着剤の製造方法は、例えば、式(1)で表されるアルコキシアルキル(メタ)アクリレートを含む組成物に活性エネルギー線を照射することにより前記粘着剤を得る工程を備える。前記活性エネルギー線の光源は、メタルハライドランプ、ケミカルランプ及びブラックランプからなる群より選ばれる少なくとも一種であってもよい。
本実施形態に係る画像表示装置用粘着剤の製造方法は、例えば、式(1)で表されるアルコキシアルキル(メタ)アクリレートを含む組成物に活性エネルギー線を照射することにより前記粘着剤を得る工程を備える。前記活性エネルギー線の光源は、メタルハライドランプ、ケミカルランプ及びブラックランプからなる群より選ばれる少なくとも一種であってもよい。
例えば、アルコキシアルキル(メタ)アクリレートを含む粘着性樹脂組成物を重剥離セパレータ3上に塗工し、塗工された粘着性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射することにより粘着層2が形成される。活性エネルギーの照射により、アルコキシアルキル(メタ)アクリレートモノマーの重合反応が進行して重合体が生成し、粘着層2が形成される。粘着層2は、その後必要に応じて所望の大きさに切断することができる。活性エネルギー線の光源としては、波長400nm以下に発光分布を有するものであってよく、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、メタルハライドランプ及びマイクロウェーブ励起水銀灯が使用できる。また、照射エネルギーは、上記光源を単独又は併用使用してもよい。
粘着シート1は、例えば、次のような方法により製造することができる。まず、図4に示されるように、重剥離セパレータ3と、重剥離セパレータ3上に設けられた粘着層2と、粘着層2上に設けられた仮セパレータ6とを有する母材フィルム10を準備する。仮セパレータ6は、例えば、軽剥離セパレータ4と同じ素材からなる層である。
続いて、図5に示されるように、打抜装置に備えられたブレードBにより、仮セパレータ6及び粘着層2を所望の形状に切断する。打抜装置は、クランク式の打抜装置であってもよいし、レシプロ式の打抜装置であってもよいし、ロータリー式の打抜装置であってもよい。各基材の剥離性の観点からは、ロータリー式の打抜装置が好ましい。この工程では、重剥離セパレータ3に到達する深さまでブレードBを仮セパレータ6及び粘着層2に通し、仮セパレータ6及び粘着層2を切断することができる。これにより、重剥離セパレータ3には切込部3cが形成され、粘着層2からの重剥離セパレータ3の剥離が容易になる。
続いて、図6に示されるように仮セパレータ6及び粘着層2の外側部分を除去し、図7に示されるように粘着層2から仮セパレータ6を剥離し、図8に示されるように粘着層2に軽剥離セパレータ4を積層する。以上の工程で粘着シート1が完成する。
<画像表示装置>
次に、粘着シート1を用いて作製される画像表示装置について説明する。粘着シート1が備える粘着層2は、各種画像表示装置に適用することができる。画像表示装置としては、プラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、陰極線管(CRT)、電界放出ディスプレイ(FED)、有機ELディスプレイ(OELD)、3Dディスプレイ、電子ペーパー(EP)等が挙げられる。本実施形態の粘着層2は、画像表示装置の反射防止層、防汚層、色素層、ハードコート層等の機能性を有する機能層と、透明保護板とを組み合わせて貼り合わせるために使用することもできる。
次に、粘着シート1を用いて作製される画像表示装置について説明する。粘着シート1が備える粘着層2は、各種画像表示装置に適用することができる。画像表示装置としては、プラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、陰極線管(CRT)、電界放出ディスプレイ(FED)、有機ELディスプレイ(OELD)、3Dディスプレイ、電子ペーパー(EP)等が挙げられる。本実施形態の粘着層2は、画像表示装置の反射防止層、防汚層、色素層、ハードコート層等の機能性を有する機能層と、透明保護板とを組み合わせて貼り合わせるために使用することもできる。
反射防止層は、可視光反射率が5%以下となる反射防止性を有している層であればよい。透明なプラスチックフィルム等の透明な基材が既知の反射防止方法で処理されてなる層を反射防止層として用いることができる。
防汚層は、表面に汚れがつきにくくするためのものであり、表面張力を下げるためにフッ素系樹脂やシリコーン系樹脂で構成される既知の層を防汚層として用いることができる。
色素層は、色純度を高めるために使用されるものであり、液晶表示ユニット等の画像表示ユニットから発する光の色純度が低い場合に不要な波長の光を低減するために使用される。色素層は、不要な波長の光を吸収する色素を樹脂に溶解させ、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム等の基材フィルムに製膜又は積層して得ることができる。
ハードコート層は、表面硬度を高くするために使用される。ハードコート層としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等のアクリル樹脂;エポキシ樹脂などをポリエチレンフィルム等の基材フィルムに製膜又は積層したものを使用することができる。同様に表面硬度を高めるために、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート等の透明保護板にハードコート層を製膜又は積層したものを使用することもできる。
粘着層2は、偏光板に積層して使用することができる。このとき、粘着層2は、偏光板の視認側(視認面側)に積層することもでき、その反対側に積層することもできる。
偏光板の視認側に積層された粘着層2の更に視認側に、反射防止層、防汚層又はハードコート層等を積層することができる。偏光板と液晶セルの間に粘着層2を設ける場合には、偏光板の視認側に、機能性を有する層を積層することができる。
このような積層体は、粘着層2を、ロールラミネート、真空貼合機又は枚葉貼合機等を用いて積層することで得られる。
粘着層2は、画像表示装置の画像表示ユニットと、画像表示ユニットよりも視認側に設けられた透明保護板との間における適切な位置に配置されてもよい。具体的には、画像表示ユニットと透明保護板との間に設けられる透明樹脂層として粘着層2が応用されてもよい。
タッチパネルと画像表示ユニットとの組み合わせを含む画像表示装置においては、タッチパネルと画像表示ユニットとの間、及び/又は、タッチパネルと透明保護板との間に設けられる透明樹脂層として粘着層2が応用されてもよい。ただし、画像表示装置の構成上、本実施形態の粘着層2が適用可能であれば、粘着層2が設けられる位置は限られない。
以下、画像表示装置の一つである液晶表示装置を例として、図9及び図10を用いて詳細に説明する。
図9は、液晶表示装置の一実施形態を模式的に示す側面断面図である。図9に示す液晶表示装置は、バックライトシステム50、偏光板22、液晶表示セル12及び偏光板20を有し、これらが液晶表示装置の視認側に向けてこの順で積層されている画像表示ユニット(表示パネル)7と、偏光板20の視認側の面上に設けられた透明樹脂層32と、透明樹脂層32を間に挟んで画像表示ユニット7と対向する透明保護板(保護パネル)40とから構成される。透明保護板40の透明樹脂層32側の面の周縁部上には、段差部60が設けられている。段差部60は、例えば装飾部として用いられる。段差部60と透明保護板40とで段差が形成されており、この段差は、透明樹脂層32により埋め込まれている。
透明樹脂層32は、上述の実施形態に係る粘着層又はその硬化物に相当する。段差部60による段差は、液晶表示装置の大きさ等により異なるが、この段差が25〜40μmである場合、本実施形態の粘着層を用いることが特に有用である。
図10は、液晶表示装置の一実施形態である、タッチパネルを搭載した液晶表示装置を模式的に示す側面断面図である。図10に示す液晶表示装置は、バックライトシステム50、偏光板22、液晶表示セル12及び偏光板20を有し、これらが液晶表示装置の視認側に向けてこの順で積層されている画像表示ユニット7と、偏光板20の視認側の面上に設けられた透明樹脂層32と、透明樹脂層32を間に挟んで画像表示ユニット7と対向するタッチパネル30と、タッチパネル30の視認側の面上に設けられた透明樹脂層31と、透明樹脂層31を間に挟んでタッチパネル30と対向する透明保護板40とから構成される。透明保護板40の透明樹脂層31側の面の周縁部上には、段差部60が設けられている。段差部60と透明保護板40とで段差が形成されており、この段差は、透明樹脂層31により埋め込まれている。透明樹脂層31及び透明樹脂層32が、上述の実施形態に係る粘着層又はその硬化物に相当し得る。
図10の液晶表示装置においては、画像表示ユニット7とタッチパネル30との間、及び、タッチパネル30と透明保護板40との間の両方に透明樹脂層が介在している。しかしながら、透明樹脂層はこれらの少なくとも一方に介在していればよく、特に、本実施形態の粘着層を透明樹脂層として用いる場合、タッチパネル30と、段差を形成している透明保護板40との間に透明樹脂層に介在していることが好ましい。また、タッチパネルがオンセルとなる場合は、タッチパネルと液晶表示セルが一体化される。その具体例としては、図9の液晶表示装置の液晶表示セル12が、オンセルで置き換えられたものが挙げられる。
近年、インセル型タッチパネルと呼ばれる、タッチパネル機能が組み込まれた液晶表示セルの開発が進んでいる。このような液晶表示セルを備えた液晶表示装置は、例えば、透明保護板、偏光板及び液晶表示セル(タッチパネル機能付き液晶表示セル)から構成される。本実施形態に係る粘着剤及び粘着シートは、このようなインセル型タッチパネルを採用している液晶表示装置にも用いることができる。
図9及び図10に示す液晶表示装置によれば、本実施形態の粘着層を透明樹脂層31又は透明樹脂層32として備えるので、耐衝撃性を有し、二重映りがなく鮮明でコントラストの高い画像を得ることが可能である。
液晶表示セル12としては、当技術分野で周知の液晶材料から構成されるものを使用することができる。液晶表示セルは、液晶材料の制御方法によって、TN(Twisted Nematic)方式、STN(Super−Twisted Nematic)方式、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In−Place−Switching)方式等に分類されるが、本実施形態に係る液晶表示装置では、いずれの制御方法を使用した液晶表示セルであってもよい。
偏光板20及び偏光板22としては、当技術分野で一般的な偏光板を使用することができる。それら偏光板の片面又は両面に対して、反射防止、防汚、ハードコート等の処理がなされていてもよい。
タッチパネル30としては、当技術分野で一般的に用いられているものを使用することができる。
透明樹脂層31又は透明樹脂層32の厚さは、例えば0.02〜3mm又は100〜500μmであってもよい。特に、本実施形態の粘着層を用いる場合、透明樹脂層が厚いことでより一層優れた効果を発揮させることができる。
透明保護板40としては、一般的な光学用透明基板を使用することができる。その具体例としては、ガラス基板、石英板等の無機物の板;アクリル樹脂基板、ポリカーボネート板、シクロオレフィンポリマー板等のプラスチック基板;厚手のポリエステルシート等の樹脂シートが挙げられる。高い表面硬度が必要とされる場合には、透明保護板はガラス基板又はアクリル樹脂基板であってもよく、ガラス基板であってもよい。これらの透明保護板の片面又は両面に対して、反射防止、防汚、ハードコート等のための処理がなされていてもよい。透明保護板は、その複数枚を組み合わせて使用することもできる。
バックライトシステム50は、代表的には反射板等の反射手段と、ランプ等の照明手段とから構成される。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(重量平均分子量の測定)
重量平均分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を使用して測定し、下記の装置及び測定条件を用いて標準ポリスチレンの検量線を使用して換算することによって決定した値である。検量線の作成にあたっては、標準ポリスチレンとして5サンプルセット(PStQuick MP−H,PStQuick B[東ソー株式会社製、商品名])を用いた。
装置:高速GPC装置 HLC−8320GPC(検出器:示差屈折計)(東ソー株式会社製、商品名)
使用溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
カラム:カラムTSKGEL SuperMultipore HZ−H(東ソー株式会社製、商品名)
カラムサイズ:カラム長が15cm、カラム内径が4.6mm
測定温度:40℃
流量:0.35mL/分
試料濃度:10mg/THF5mL
注入量:20μL
重量平均分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を使用して測定し、下記の装置及び測定条件を用いて標準ポリスチレンの検量線を使用して換算することによって決定した値である。検量線の作成にあたっては、標準ポリスチレンとして5サンプルセット(PStQuick MP−H,PStQuick B[東ソー株式会社製、商品名])を用いた。
装置:高速GPC装置 HLC−8320GPC(検出器:示差屈折計)(東ソー株式会社製、商品名)
使用溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
カラム:カラムTSKGEL SuperMultipore HZ−H(東ソー株式会社製、商品名)
カラムサイズ:カラム長が15cm、カラム内径が4.6mm
測定温度:40℃
流量:0.35mL/分
試料濃度:10mg/THF5mL
注入量:20μL
(粘着シートの作製)
[実施例1]
AME(アルコキシメチルメタクリレート)/HEA(ヒドロキシエチルアクリレート)(90/10)ポリマー100質量部、重合開始剤としてアルキルフェノン系光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGACURE184」)0.5質量部、及び、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(シプロ化成社製、商品名「SEESORB709」)0.05質量部を攪拌混合して、粘着性樹脂組成物を調製した。
[実施例1]
AME(アルコキシメチルメタクリレート)/HEA(ヒドロキシエチルアクリレート)(90/10)ポリマー100質量部、重合開始剤としてアルキルフェノン系光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGACURE184」)0.5質量部、及び、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(シプロ化成社製、商品名「SEESORB709」)0.05質量部を攪拌混合して、粘着性樹脂組成物を調製した。
そして、上記で得られた粘着性樹脂組成物をポリエチレンテレフタレートフィルムに滴下し、さらに、ポリエチレンテレフタレートフィルムをその上から被せ、ローラーにて粘着性樹脂組成物をシート状に成形し、紫外線照射装置としてメタルハライドランプで80mW/cm2で4秒照射し、次いで、ケミカルランプで2.0mW/cm2で20秒照射し、次いで、ブラックランプで0.6mW/cm2で25秒照射して透明な粘着シートを得た。また、作製した粘着シートのシート厚はマイクロメーターにより測定し、表1に示すとおりであった。
[実施例2]
AME/HEA(90/10)ポリマー95質量部、ジメチルアクリルアミド(DMAA)5質量部、重合開始剤としてアルキルフェノン系光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGACURE184」)0.5質量部、及び、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(シプロ化成社製、商品名「SEESORB709」)0.05質量部とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
AME/HEA(90/10)ポリマー95質量部、ジメチルアクリルアミド(DMAA)5質量部、重合開始剤としてアルキルフェノン系光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGACURE184」)0.5質量部、及び、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(シプロ化成社製、商品名「SEESORB709」)0.05質量部とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
[実施例3]
AME/HEA(90/10)ポリマー95質量部、アクリロイルモルホリン(ACMO)5質量部、重合開始剤としてアルキルフェノン系光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGACURE184」)0.5質量部、及び、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(シプロ化成社製、商品名「SEESORB709」)0.05質量部とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
AME/HEA(90/10)ポリマー95質量部、アクリロイルモルホリン(ACMO)5質量部、重合開始剤としてアルキルフェノン系光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGACURE184」)0.5質量部、及び、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(シプロ化成社製、商品名「SEESORB709」)0.05質量部とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
[実施例4]
AME/HEA(90/10)ポリマー73質量部、ジメチルアクリルアミド(DMAA)5質量部、エトキシジエチレングリコールアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名「ビスコート#190」)22質量部、重合開始剤としてアルキルフェノン系光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGACURE184」)0.5質量部、及び、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(シプロ化成社製、商品名「SEESORB709」)0.05質量部とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
AME/HEA(90/10)ポリマー73質量部、ジメチルアクリルアミド(DMAA)5質量部、エトキシジエチレングリコールアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名「ビスコート#190」)22質量部、重合開始剤としてアルキルフェノン系光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGACURE184」)0.5質量部、及び、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(シプロ化成社製、商品名「SEESORB709」)0.05質量部とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
[実施例5]
AME/HEA(90/10)ポリマー73質量部、ジメチルアクリルアミド(DMAA)5質量部、メトキシポリエチレングリコール#400アクリレート(日立化成社製、商品名「FA−400A」)22質量部、重合開始剤としてアルキルフェノン系光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGACURE184」)0.5質量部、及び、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(シプロ化成社製、商品名「SEESORB709」)0.05質量部とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
AME/HEA(90/10)ポリマー73質量部、ジメチルアクリルアミド(DMAA)5質量部、メトキシポリエチレングリコール#400アクリレート(日立化成社製、商品名「FA−400A」)22質量部、重合開始剤としてアルキルフェノン系光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGACURE184」)0.5質量部、及び、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(シプロ化成社製、商品名「SEESORB709」)0.05質量部とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
[比較例1]
2EHA/HEA/ACMO(70/23/7)ポリマー100質量部、重合開始剤としてアルキルフェノン系光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGACURE184」)0.5質量部、及び、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(シプロ化成社製、商品名「SEESORB709」)0.05質量部を攪拌混合して、粘着性樹脂組成物を調製した。
2EHA/HEA/ACMO(70/23/7)ポリマー100質量部、重合開始剤としてアルキルフェノン系光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGACURE184」)0.5質量部、及び、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(シプロ化成社製、商品名「SEESORB709」)0.05質量部を攪拌混合して、粘着性樹脂組成物を調製した。
そして、上記で得られた粘着性樹脂組成物をポリエチレンテレフタレートフィルムに滴下し、さらに、ポリエチレンテレフタレートフィルムをその上から被せ、ローラーにて粘着性樹脂組成物をシート状に成形し、紫外線照射装置としてメタルハライドランプで80mW/cm2で4秒照射し、次いで、ケミカルランプで2.0mW/cm2で20秒照射し、次いで、ブラックランプで0.6mW/cm2で25秒照射して透明な粘着シートを得た。
[比較例2]
2EHA/HEA/DMAA(85/10/5)ポリマー100質量部、重合開始剤としてアルキルフェノン系光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGACURE184」)0.5質量部を攪拌混合して、粘着性樹脂組成物を調製した。
2EHA/HEA/DMAA(85/10/5)ポリマー100質量部、重合開始剤としてアルキルフェノン系光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGACURE184」)0.5質量部を攪拌混合して、粘着性樹脂組成物を調製した。
そして、ポリエチレンテレフタレートフィルムに上記で得られた粘着性樹脂組成物を滴下し、さらに、ポリエチレンテレフタレートフィルムをその上から被せ、ローラーにて粘着性樹脂組成物をシート状に成形し、紫外線照射装置としてメタルハライドランプで80mW/cm2で4秒照射し、次いで、ケミカルランプで2.0mW/cm2で20秒照射し、次いで、ブラックランプで0.6mW/cm2で25秒照射して透明な粘着シートを得た。
[比較例3]
2EHA/HEA(75/25)ポリマー100質量部、重合開始剤としてアルキルフェノン系光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGACURE184」)0.5質量部とした以外は比較例2と同様にして粘着シートを得た。
2EHA/HEA(75/25)ポリマー100質量部、重合開始剤としてアルキルフェノン系光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「IRGACURE184」)0.5質量部とした以外は比較例2と同様にして粘着シートを得た。
(比誘電率の測定)
実施例及び比較例で作製した粘着シートを45□mmに切り出し、メタルハライドランプからの紫外線を2000mJ/cm2照射した。一方のフィルムを剥がして、50□mm、厚さ485μmのSUS板にラミネートした。さらに、もう片方のフィルムを剥がして直径36mm、厚さ85μmの円形銅箔電極をラミネートして、測定サンプルを作製した。
実施例及び比較例で作製した粘着シートを45□mmに切り出し、メタルハライドランプからの紫外線を2000mJ/cm2照射した。一方のフィルムを剥がして、50□mm、厚さ485μmのSUS板にラミネートした。さらに、もう片方のフィルムを剥がして直径36mm、厚さ85μmの円形銅箔電極をラミネートして、測定サンプルを作製した。
そして、LCR/レジスタンスメータ(キーサイト・テクノロジー社製、商品名「2MHzプレシジョンLCRメータ E4980A」)に、「16451誘電体テストフィクスチャー」(商品名、キーサイト・テクノロジー社製)を接続して、周波数100kHzにおける測定サンプルの静電容量C(単位:F)を測定した。
上記測定より得たC(単位:F)、粘着シートの厚さd(単位:μm)、円形銅箔電極の直径L=36(単位:mm)、真空の誘電率ε0=8.854×10−12(単位:F/m)として、粘着シートの比誘電率εrを以下の計算式により算出した。結果を表1に示す。
計算式
C=ε0εrS/d=ε0εr(π×(L/2)2)/d ⇔
εr=C×d/(π×(L/2)2)×ε0
C=ε0εrS/d=ε0εr(π×(L/2)2)/d ⇔
εr=C×d/(π×(L/2)2)×ε0
(濁度(ヘイズ)の測定)
実施例及び比較例で作製した粘着シートを50□mmのサイズに切り出し、一方のフィルムを剥がして、80mm×60mm×t0.7mmのガラス基板にラミネートし、測定サンプルを作製した。
実施例及び比較例で作製した粘着シートを50□mmのサイズに切り出し、一方のフィルムを剥がして、80mm×60mm×t0.7mmのガラス基板にラミネートし、測定サンプルを作製した。
そして、もう片方のフィルムを剥がして、ヘイズメーター(日本電色工業社製、商品名「NDH−4000」)を使用して、JIS K 7136に準じて測定した。結果を表1に示す。
(段差追従性及び信頼性の測定)
86mm×56mm×t0.7mmのガラス板の周縁部5mmに、25μm厚の黒色印刷を施したガラス基板(以下、「段差付ガラス基板」という)を用意した。また、80mm×60mm×t0.7mmの寸法のガラス基板に80mm×60mm×t0.14mmのサイズで切り出した偏光板(日東電工社製、商品名「RO2−CAT−AG485」)を、ローラーを用いて貼り合わせた偏光板付ガラス基板を用意した。
86mm×56mm×t0.7mmのガラス板の周縁部5mmに、25μm厚の黒色印刷を施したガラス基板(以下、「段差付ガラス基板」という)を用意した。また、80mm×60mm×t0.7mmの寸法のガラス基板に80mm×60mm×t0.14mmのサイズで切り出した偏光板(日東電工社製、商品名「RO2−CAT−AG485」)を、ローラーを用いて貼り合わせた偏光板付ガラス基板を用意した。
実施例及び比較例で作製した粘着シートを長さ86mm、幅56mmのサイズに切り出し、段差付ガラス基板にローラーを用いて貼り合わせた。次いで、真空プレス(北川精機社製、商品名「KVHC−PRESS」)を使用して、偏光板付ガラス基板に真空度:500Pa、貼付加圧:400〜600kPa、貼付時間:10秒の条件で貼り合わせた後、オートクレーブ処理(50℃、0.5MPa)を30分間行った。さらに、メタルハライドランプからの紫外線を2000mJ/cm2照射し、評価サンプルとした。
段差追従性は、気泡及び剥がれの有無を以て評価した。具体的には、目視にて気泡及び剥がれが発生しなかった場合はA、周辺部にのみ少量気泡が発生した場合はB、全面に気泡ないしは剥がれが発生した場合はCとした。結果を表1に示す。
次に、評価サンプルを85℃の環境下で24時間放置し、取り出した後、信頼性評価(気泡、剥がれの有無)を行った。評価基準は、目視にて気泡及び剥がれが発生しなかった場合はA、周辺部にのみ少量気泡が発生した場合はB、全面に気泡ないしは剥がれが発生した場合はCとした。結果を表1に示す。
(剥離接着力の測定)
実施例及び比較例で作製した粘着シートを長さ50mm、幅25mmのサイズに切り出し、長さ120mm、幅25mm、厚さ75μmのPETフィルム(帝人デュポン社製A4100)にローラーを用いて貼付した。これを厚さ3mmのガラス基板にローラーを用いて貼付し、メタルハライドランプからの紫外線を2000mJ/cm2照射した。さらに、60分間室温で養生し、剥離接着力を測定した。剥離接着力は引張試験機(島津製作所社製、商品名「AGS−1kNG」)を用い、180度剥離によって測定した。剥離速度は200mm/min、測定温度は25℃の条件で行った。結果を表1に示す。
実施例及び比較例で作製した粘着シートを長さ50mm、幅25mmのサイズに切り出し、長さ120mm、幅25mm、厚さ75μmのPETフィルム(帝人デュポン社製A4100)にローラーを用いて貼付した。これを厚さ3mmのガラス基板にローラーを用いて貼付し、メタルハライドランプからの紫外線を2000mJ/cm2照射した。さらに、60分間室温で養生し、剥離接着力を測定した。剥離接着力は引張試験機(島津製作所社製、商品名「AGS−1kNG」)を用い、180度剥離によって測定した。剥離速度は200mm/min、測定温度は25℃の条件で行った。結果を表1に示す。
表1の結果より、実施例では、比誘電率が高く、段差追従性及び信頼性に優れている。一方、比較例では、比誘電率、段差追従性及び信頼性を全て満足する結果は得られなかった。
1…粘着シート、2,D5,D6…粘着層、3…重剥離セパレータ、3c…切込部、4…軽剥離セパレータ、6…仮セパレータ、7…画像表示ユニット、10…母材フィルム、12,D4…液晶表示セル、20,22,D3…偏光板、30,D2…タッチパネル、31,32…透明樹脂層、40…透明保護板、50…バックライトシステム、60…段差部、B…ブレード、D1…透明保護板。
Claims (13)
- 前記アルコキシアルキル(メタ)アクリレートの前記R2の炭素数が2であり、前記R3の炭素数が1又は2である、請求項1又は2に記載の画像表示装置用粘着剤。
- 前記アルコキシアルキル(メタ)アクリレートがメトキシエチル(メタ)アクリレートを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像表示装置用粘着剤。
- 前記アルコキシアルキル(メタ)アクリレートにおけるメトキシエチル(メタ)アクリレートの割合が50〜100質量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像表示装置用粘着剤。
- 前記粘着剤に含まれるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、及び、前記重合体におけるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位の合計量が前記重合体の全構造単位を基準として30質量%以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像表示装置用粘着剤。
- 前記重合体におけるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位の含有量が30質量%以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像表示装置用粘着剤。
- 前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのアルキル基が、炭素数2〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である、請求項6又は7に記載の画像表示装置用粘着剤。
- 前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートがヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを含む、請求項6〜8のいずれか一項に記載の画像表示装置用粘着剤。
- (メタ)アクリルアミド及び(メタ)アクリルアミド誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種を該粘着剤の全質量を基準として1〜20質量%含有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の画像表示装置用粘着剤。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の画像表示装置用粘着剤の製造方法であって、
前記アルコキシアルキル(メタ)アクリレートを含む組成物に活性エネルギー線を照射することにより前記粘着剤を得る工程を備え、
前記活性エネルギー線の光源が、メタルハライドランプ、ケミカルランプ及びブラックランプからなる群より選ばれる少なくとも一種である、画像表示装置用粘着剤の製造方法。 - 基材と、該基材上に配置された粘着層と、を備え、
前記粘着層が、請求項1〜10のいずれか一項に記載の画像表示装置用粘着剤を含む、画像表示装置用粘着シート。 - 透明保護板と、表示パネルと、前記透明保護板及び前記表示パネルの間に配置された粘着層と、を備え、
前記粘着層が、請求項1〜10のいずれか一項に記載の画像表示装置用粘着剤を含む、画像表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015128701A JP2017014305A (ja) | 2015-06-26 | 2015-06-26 | 画像表示装置用粘着剤及びその製造方法、画像表示装置用粘着シート、並びに、画像表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015128701A JP2017014305A (ja) | 2015-06-26 | 2015-06-26 | 画像表示装置用粘着剤及びその製造方法、画像表示装置用粘着シート、並びに、画像表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017014305A true JP2017014305A (ja) | 2017-01-19 |
Family
ID=57827891
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015128701A Pending JP2017014305A (ja) | 2015-06-26 | 2015-06-26 | 画像表示装置用粘着剤及びその製造方法、画像表示装置用粘着シート、並びに、画像表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017014305A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019004046A1 (ja) * | 2017-06-27 | 2019-01-03 | 住友化学株式会社 | 粘着剤組成物及び粘着剤層付フィルム |
JP2020033417A (ja) * | 2018-08-28 | 2020-03-05 | 王子ホールディングス株式会社 | 粘着シート、剥離シート付き粘着シート、積層体及び積層体の製造方法 |
JP6958703B1 (ja) * | 2020-10-13 | 2021-11-02 | 王子ホールディングス株式会社 | 粘着シート及び積層体 |
WO2023224004A1 (ja) * | 2022-05-20 | 2023-11-23 | 綜研化学株式会社 | インセル型液晶パネル |
-
2015
- 2015-06-26 JP JP2015128701A patent/JP2017014305A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019004046A1 (ja) * | 2017-06-27 | 2019-01-03 | 住友化学株式会社 | 粘着剤組成物及び粘着剤層付フィルム |
JP2020033417A (ja) * | 2018-08-28 | 2020-03-05 | 王子ホールディングス株式会社 | 粘着シート、剥離シート付き粘着シート、積層体及び積層体の製造方法 |
JP7251073B2 (ja) | 2018-08-28 | 2023-04-04 | 王子ホールディングス株式会社 | 粘着シート、剥離シート付き粘着シート、積層体及び積層体の製造方法 |
JP6958703B1 (ja) * | 2020-10-13 | 2021-11-02 | 王子ホールディングス株式会社 | 粘着シート及び積層体 |
JP2022063963A (ja) * | 2020-10-13 | 2022-04-25 | 王子ホールディングス株式会社 | 粘着シート及び積層体 |
WO2023224004A1 (ja) * | 2022-05-20 | 2023-11-23 | 綜研化学株式会社 | インセル型液晶パネル |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6197899B2 (ja) | 光学用粘着材樹脂組成物、光学用粘着材シート、画像表示装置、光学用粘着材シートの製造方法及び画像表示装置の製造方法 | |
JP6246469B2 (ja) | 画像表示装置用粘着シート、画像表示装置の製造方法及び画像表示装置 | |
US20150299520A1 (en) | Adhesive sheet for image display device, method for manufacturing image display device, and image display device | |
KR102144325B1 (ko) | 경화된 접착제 시트를 포함하는 라미네이트의 제조 방법 | |
JP5870933B2 (ja) | 画像表示装置用粘着シート、画像表示装置及び粘着性樹脂組成物 | |
KR20150005563A (ko) | 화상 표시 장치용 점착 시트, 화상 표시 장치의 제조 방법 및 화상 표시 장치 | |
JP6003200B2 (ja) | 画像表示装置用粘着シート、画像表示装置の製造方法及び画像表示装置 | |
KR20140012623A (ko) | 광학용 점착재 수지 조성물, 그것을 사용한 광학용 점착재 시트 및 화상 표시 장치 | |
JP5991531B2 (ja) | 画像表示装置用粘着シートの製造方法 | |
JP6048137B2 (ja) | 画像表示装置用粘着シート及び画像表示装置 | |
JP2017014305A (ja) | 画像表示装置用粘着剤及びその製造方法、画像表示装置用粘着シート、並びに、画像表示装置 | |
JP2014224179A (ja) | 画像表示装置用粘着剤、画像表示装置用粘着シート、及びこれらを用いた画像表示装置の製造方法 | |
JP2014125524A (ja) | 画像表示装置用粘着シート、画像表示装置の製造方法及び画像表示装置 | |
KR20160130092A (ko) | 점착 필름 및 이를 포함하는 플렉시블 디스플레이 장치 | |
JP2016069529A (ja) | 画像表示装置用粘着シート、画像表示装置の製造方法及び画像表示装置 | |
JP2017122154A (ja) | 光硬化性樹脂組成物、画像表示装置用粘着シート、画像表示装置の製造方法及び画像表示装置 | |
WO2016148208A1 (ja) | 画像表示装置用粘着シート、画像表示装置用粘着積層体及び画像表示装置 | |
WO2015140900A1 (ja) | 画像表示装置用粘着シート、それを用いた画像表示装置の製造方法及び画像表示装置 | |
JP2016071161A (ja) | 画像表示装置用粘着シート、画像表示装置の製造方法及び画像表示装置 | |
JP2014094977A (ja) | 画像表示装置用粘着シート、画像表示装置の製造方法及び画像表示装置 | |
JP2017002260A (ja) | 画像表示装置用粘着シート、画像表示装置の製造方法及び画像表示装置 | |
JP2015229687A (ja) | 画像表示装置用粘着シート、画像表示装置の製造方法及び画像表示装置 | |
JP6155793B2 (ja) | 画像表示装置用粘着剤組成物、画像表示装置用粘着シート及びそれを用いた画像表示装置 | |
JP2016035027A (ja) | 画像表示装置用粘着シート、画像表示装置の製造方法及び画像表示装置 | |
JP2019196284A (ja) | 合わせガラス中間膜用の樹脂組成物とフィルム及び合わせガラスとその製造方法 |