JP6958703B1 - 粘着シート及び積層体 - Google Patents
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Abstract
Description
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
光重合開始剤の波長405nmの吸光係数は10mL/(g・cm)未満であり、
粘着シートのゲル分率は5%以下であり、かつ活性エネルギー線硬化能を有する、粘着シート。
[2] 引張伸び率2000%における引張応力が0.30N/mm2以下であり、
引張弾性率が150〜300kPaであり、
粘着シートの引張弾性率をaとし、粘着シートに、波長365nmにおける照度が150mW/cm2の紫外線を積算光量5000mJ/cm2となるように照射し光架橋させた際の光架橋後の粘着シートの引張弾性率をbとした場合、b/aが3.0未満である、[1]に記載の粘着シート。
[3] 光重合開始剤が、水素引抜型光重合開始剤である、[1]又は[2]に記載の粘着シート。
[4] 粘着シートの厚みを150μmとした場合のb*の絶対値が1未満である、[1]〜[3]のいずれかに記載の粘着シート。
[5] 粘着シートに、波長365nmにおける照度が150mW/cm2の紫外線を積算光量5000mJ/cm2となるように照射し光架橋させた場合、光架橋後の粘着シートの波長360nmにおける光透過率が5.0%以下となる、[1]〜[3]のいずれかに記載の粘着シート。
[6] (メタ)アクリル系共重合体100質量部に対する、多官能モノマーの含有量が6質量部以下であり、光重合開始剤の含有量が0.1〜10質量部である、[1]〜[5]のいずれかに記載の粘着シート。
[7] 紫外線吸収剤が23℃で油状もしくは液状である化合物を少なくとも1種含有し、紫外線吸収剤の含有量は(メタ)アクリル系共重合体100質量部に対して0.1〜1質量部である、[1]〜[6]のいずれかに記載の粘着シート。
[8] 紫外線吸収剤がベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤もしくはベンゾトリアジン系紫外線吸収剤である、[1]〜[7]のいずれかに記載の粘着シート。
[9] (メタ)アクリル系共重合体のガラス転移温度(Tg)が−50℃〜−25℃であり、重量平均分子量が25万〜55万である、[1]〜[8]のいずれかに記載の粘着シート。
[10] 凸部を有する第1の被着体と、凸部および凹部から選択される少なくとも1種を有する第2の被着体への貼合用である、[1]〜[9]のいずれかに記載の粘着シート。
[11] [1]〜[10]のいずれかに記載の粘着シートからなる粘着剤層と、粘着剤層のいずれか一方の面側に積層された凸部を有する第1の被着体と、粘着剤層の他方の面側に積層された凸部および凹部から選択される少なくとも1種を有する第2の被着体との積層体。
本発明は、(メタ)アクリル系共重合体、溶剤、光重合開始剤及び紫外線吸収剤を含有し、実質的に熱架橋剤を含まない粘着剤組成物を熱乾燥することにより得られる粘着シートに関する。ここで、光重合開始剤の波長405nmの吸光係数は10mL/(g・cm)未満であり、粘着シートのゲル分率は5%以下である。また、本発明の粘着シートは活性エネルギー線硬化能を有するものであり、より具体的には、紫外線硬化能を有するものであることが好ましい。
まず、粘着シート(粘着剤層)約0.1gをサンプル瓶に採取し、酢酸エチル30mlを加えて24時間振とうする。その後、このサンプル瓶の内容物を150メッシュのステンレス製金網でろ別し、金網上の残留物を100℃で1時間乾燥して乾燥重量W(g)を測定する。得られた乾燥重量から下記式1によりゲル分率を求める。
ゲル分率(質量%)=(乾燥重量W/粘着シートの採取重量)×100・・・式1
なお、本明細書における引張伸び率とは、以下の式で算出される率である。
引張伸び率(%)=(引張後のチャック間距離−引張前のチャック間距離(30mm))/引張前のチャック間距離(30mm)×100
本実施形態の粘着シートは(メタ)アクリル系共重合体を含む。(メタ)アクリル系共重合体は、粘着シートに含まれる主ポリマーであり、このようなポリマーをベースポリマーと呼ぶこともある。
ヒドロキシ基含有アクリル系単量体単位は、ヒドロキシ基含有アクリル系単量体に由来するものである。ヒドロキシ基含有アクリル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、(メタ)アクリル酸モノ(ジエチレングリコール)などの(メタ)アクリル酸[(モノ、ジ又はポリ)アルキレングリコール]、(メタ)アクリル酸モノカプロラクトンなどの(メタ)アクリル酸ラクトンが挙げられる。
グリシジル基含有アクリル系単量体単位は、(メタ)アクリル酸グリシジル等のグリシジル基含有アクリル系単量体に由来するものが挙げられる。
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)の測定条件は以下のとおりである。
溶媒:テトラヒドロフラン
カラム:Shodex KF801、KF803L、KF800L、KF800D(昭和電工(株)製を4本接続して使用した)
カラム温度:40℃
試料濃度:0.5質量%
検出器:RI−2031plus(JASCO製)
ポンプ:RI−2080plus(JASCO製)
流量(流速):0.8ml/min
注入量:10μl
校正曲線:標準ポリスチレンShodex standard ポリスチレン(昭和電工(株)製)Mw=1320〜2500000迄の10サンプルによる校正曲線を使用した。
本実施形態の粘着シートを構成する粘着剤組成物は溶剤を含む。この場合、溶剤は、粘着剤組成物の塗工適性の向上のために用いられる。
本実施形態の粘着シートを構成する粘着剤組成物は光重合開始剤を含む。ここで、光重合開始剤は、380nm〜700nmの波長の光によって、(メタ)アクリル系共重合体の重合反応を促進するものである。但し、本実施形態において用いられる光重合開始剤の波長405nmの吸光係数は10mL/(g・cm)未満である。なお、波長405nmの吸光係数は光重合開始剤を濃度1g/Lのメタノール溶液としたときの、光路長1cmにおける吸光度である。
本実施形態の粘着シートを構成する粘着剤組成物は紫外線吸収剤を含む。紫外線吸収剤は、紫外領域に極大吸収波長を有するものの中から選択することができる。本実施形態では、特に波長350nm以上に極大吸収波長を有する紫外線吸収剤を用いることが好ましい。波長350nm以上に極大吸収波長を有する紫外線吸収剤として、例えばベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤もしくはベンゾトリアジン系紫外線吸収剤を挙げることができる。また、紫外線吸収剤としては、下記一般式(1)または(2)で示される化合物を挙げることができる。
本実施形態の粘着シートは、多官能モノマーを含んでもよい。多官能モノマーは、分子内に反応性二重結合を2つ以上有するモノマーである。
本実施形態の粘着シートは、単官能モノマーを含んでもよい。単官能モノマーは、分子内に反応性二重結合を1つ有するモノマーである。
本実施形態の粘着シートは、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の他の成分を含有してもよい。他の成分としては、粘着剤用の添加剤として公知の成分を挙げることができる。例えば、可塑剤、酸化防止剤、金属腐食防止剤、粘着付与剤、シランカップリング剤、ヒンダードアミン系化合物等の光安定剤等の中から必要に応じて選択できる。
アクリレート基以外の官能基を有しないアクリル系単量体単位としては、例えば非架橋性(メタ)アクリル酸エステル単位と同様のものが挙げられる。
官能基を有しない非アクリル系単量体単位としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、安息香酸ビニルのようなカルボン酸ビニルエステル類やスチレン等が挙げられる。
金属腐食防止剤としては、ベンゾリアゾール系樹脂を挙げることができる。
粘着付与剤として、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、クマロンインデン系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂、フェノール系樹脂、石油樹脂などが挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、メルカプト系シランカップリング剤、(メタ)アクリル系シランカップリング剤、イソシアネート系シランカップリング剤、エポキシ系シランカップリング剤、アミノ系シランカップリング剤などが挙げられる。
本発明は、上述した粘着シートの両面に剥離シートを備える剥離シート付き粘着シートに関するものであってもよい。
シリコーン系剥離剤としては、具体的には、東レ・ダウコーニングシリコーン社製のBY24−4527、SD−7220等や、信越化学工業(株)製のKS−3600、KS−774、X62−2600などが挙げられる。また、シリコーン系剥離剤中にSiO2単位と(CH3)3SiO1/2単位あるいはCH2=CH(CH3)SiO1/2単位を有する有機珪素化合物であるシリコーンレジンを含有することが好ましい。シリコーンレジンの具体例としては、東レ・ダウコーニングシリコーン社製のBY24−843、SD−7292、SHR−1404等や、信越化学工業(株)製のKS−3800、X92−183等が挙げられる。
剥離性積層シートとして、市販品を用いてもよい。例えば、帝人デュポンフィルム(株)製の離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムである重セパレータフィルムや、帝人デュポンフィルム(株)製の離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムである軽セパレータフィルムを挙げることができる。
本発明の粘着シートは、(メタ)アクリル系共重合体、溶剤、光重合開始剤及び紫外線吸収剤を含有し、実質的に熱架橋剤を含まない粘着剤組成物を熱乾燥することにより得られる。すなわち、粘着シートの製造方法は、剥離シート上に(メタ)アクリル系共重合体、溶剤、光重合開始剤及び紫外線吸収剤を含有し、実質的に熱架橋剤を含まない粘着剤組成物を塗工して塗膜を形成した後に、熱乾燥する工程を含むことが好ましい。
本実施形態の粘着シートを使用する際には、粘着シートを被着体の表面に接触させる。そして、粘着シートを被着体表面に接触させた後には、光照射を行う工程を含むことが好ましい。すなわち、積層体の製造方法は、粘着シートを被着体表面に接触させる貼合工程と、光照射工程と、を含むことが好ましい。
(a工程)貼合工程において加熱処理を行う。
(b工程)貼合工程の後工程であって、光照射工程の前工程において脱泡工程を含み、該脱泡工程で加熱処理を行う。
紫外線の光源としては、例えば、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、UV LEDランプ、カーボンアーク、キセノンアーク、無電極紫外線ランプ等を使用できる。
電子線としては、例えば、コックロフトワルト型、バンデクラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種類の電子線加速器から放出される電子線を使用できる。
紫外線の照射出力は、積算光量が100〜10000mJ/cm2となるようにすることが好ましく、500〜5000mJ/cm2となるようにすることがより好ましい。
上述した製造方法で製造された積層体は、後硬化した粘着シートからなる粘着剤層と被着体を備える。ここで、被着体は凸部及び/又は凹部を有していてもよい。例えば、本実施形態の積層体は、後硬化した粘着シートからなる粘着剤層と、粘着剤層のいずれか一方の面側に積層された凸部を有する第1の被着体と、粘着剤層の他方の面側に積層された凸部および凹部から選択される少なくとも1種を有する第2の被着体との積層体であってもよい。
タッチパネルの構成部材としては、例えば透明樹脂フィルムにITO膜が設けられたITOフィルム、ガラス板の表面にITO膜が設けられたITOガラス、透明樹脂フィルムに導電性ポリマーをコーティングした透明導電性フィルム、ハードコートフィルム、耐指紋性フィルムなどが挙げられる。本実施形態の粘着シートは、タッチパネルのセンサー積層用であることが好ましく、タッチペンを用いるタッチパネルのセンサー積層用であることがより好ましい。この観点から、本実施形態の粘着シートの被着体としては、透明樹脂フィルムにITO膜が設けられたITOフィルム、ガラス板の表面にITO膜が設けられたITOガラス、透明樹脂フィルムに導電性ポリマーをコーティングした透明導電性フィルムが好ましい。
画像表示装置の構成部材としては、例えば液晶表示装置に用いられる反射防止フィルム、配向フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、輝度向上フィルムなどが挙げられる。
これらの部材に用いられる材料としては、ガラス、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンナフタレート、シクロオレフィンポリマー、トリアセチルセルロース、ポリイミド、セルロースアシレートなどが挙げられる。
中でも、第1の被着体はガラスもしくはポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートを使用したタッチパネルであり、第2の被着体は偏光板や有機ELディスプレイ等の画像表示装置であることが好ましい。
(粘着剤組成物の作製)
(メタ)アクリル系共重合体溶液(アイカ工業社製:OP−9200−23(溶剤として酢酸エチルを60質量%含む))250質量部、多官能モノマーとしてペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学社製:ATM−4PL)0.3質量部、光重合開始剤(ランブソン社製:4MBP)1.5質量部、紫外線吸収剤(BASF社製:Tinuvin384−2)0.3質量部を混合し、攪拌機(SHASHIN KAGAKU社製:SK−200TVS)を用い大気圧下で3分間攪拌し、粘着剤組成物を作製した。
上記のように作製した粘着剤組成物を、シリコーン系剥離剤で処理された剥離剤層を備えた厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(第1の剥離シート)(王子エフテックス社製:38RL−07(2))の表面に、乾燥後の塗工膜厚が150μmになるようにアプリケーターで均一に塗工した。その後、100℃の空気循環式恒温オーブンで10分間乾燥し、第1の剥離シートの表面に粘着剤層を形成した。次いで、この粘着剤層の表面に厚さ38μmの第2の剥離シート(王子エフテックス社製:38RL−07(L))を貼合して、粘着剤層が剥離力差のある1対の剥離シートに挟まれた第1の剥離シート/粘着剤層/第2の剥離シートの構成を備える剥離シート付き粘着シートを得た。
多官能モノマーを添加せず、さらに紫外線吸収剤(BASF社製:Tinuvin384−2)の添加量を0.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物及び剥離シート付き粘着シートを得た。
光重合開始剤をIGMレジン社製のTZTに変更し、紫外線吸収剤(BASF社製:Tinuvin384−2)の添加量を0.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物及び剥離シート付き粘着シートを得た。
多官能モノマーを添加せず、さらに紫外線吸収剤をBASF社製のTinuvin477に変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物及び剥離シート付き粘着シートを得た。
(メタ)アクリル系共重合体溶液(サイデン化学社製:TPO3232(溶剤として酢酸エチルを65質量%含む))286質量部、光重合開始剤(IGMレジン社製:TZT)1.5質量部、紫外線吸収剤(BASF社製:Tinuvin384−2)0.5質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物及び剥離シート付き粘着シートを得た。
多官能モノマーの配合量を7質量部に変更した以外は、実施例3と同様にして粘着剤組成物及び剥離シート付き粘着シートを得た。
(メタ)アクリル系共重合体溶液(アイカ工業社製:OP−9200−23(溶剤として酢酸エチルを60質量%含む))250質量部、熱架橋剤(東ソー社製:コロネートL−55E)0.2質量部、光重合開始剤(ランブソン社製:4MBP)1.5質量部、紫外線吸収剤(BASF社製:Tinuvin384−2)0.5質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物及び剥離シート付き粘着シートを得た。
(メタ)アクリル系共重合体溶液(サイデン化学社製:TPO3232(溶剤として酢酸エチルを65質量%含む))286質量部、熱架橋剤(東ソー社製:コロネートL−55E)0.2質量部、光重合開始剤(IGMレジン社製:TZT)1.5質量部、紫外線吸収剤(BASF社製:Tinuvin384−2)0.5質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物及び剥離シート付き粘着シートを得た。
(メタ)アクリル系共重合体溶液(サイデン化学社製:TPO3232(溶剤として酢酸エチルを65質量%含む))286質量部、熱架橋剤(東ソー社製:コロネートL−55E)0.2質量部、多官能モノマーとしてペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学社製:ATM−4PL)0.3質量部、光重合開始剤(BASF社製:Omnirad.184)1質量部、紫外線吸収剤(BASF社製:Tinuvin384−2)0.5質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物及び剥離シート付き粘着シートを得た。
光重合開始剤として4MBP 1.5質量部に加えて、BASF社製のOmnirad.819をさらに0.5質量部用いた以外は、実施例2と同様にして粘着剤組成物及び剥離シート付き粘着シートを得た。
光重合開始剤として4MBPを用いずに、BASF社製のOmnirad.819を0.5質量部用いた以外は、比較例5と同様にして粘着剤組成物及び剥離シート付き粘着シートを得た。
光重合開始剤としてTZT 1.5質量部に加えて、BASFのOmnirad.819をさらに0.5質量部用いた以外は、実施例3と同様にして粘着剤組成物及び剥離シート付き粘着シートを得た。
紫外線吸収剤を配合しなかった以外は、実施例2と同様にして粘着剤組成物及び剥離シート付き粘着シートを得た。
(吸光係数)
光重合開始剤をメタノールに溶解させて、0.1g/1Lのメタノール溶液とし、波長405nm、光路長1cmにおける吸光係数を分光色差計(日本分光:SE7700)を用いて測定した。なお、比較例4〜6において、二種以上の光重合開始剤を使用した場合は、配合比を保った状態でメタノールに溶解させて、0.1g/1Lのメタノール溶液とし、同様に吸光係数を測定した。
光架橋前後(紫外線照射前後)における粘着シート約0.1gをそれぞれサンプル瓶に採取し、酢酸エチル30mlを加えて24時間振とうした。その後、このサンプル瓶の内容物を150メッシュのステンレス製金網でろ別し、金網上の残留物を100℃で1時間乾燥して乾燥重量W(g)を測定した。得られた乾燥重量から下記式1によりゲル分率を求めた。なお、紫外線照射後の粘着シートのゲル分率は、粘着シートに波長365nmにおける照度が150mW/cm2の紫外線を積算光量が5000mJ/cm2となるように照射した後に測定した。
ゲル分率(質量%)=(乾燥重量W/粘着シートの採取重量)×100・・・式1
粘着シートの光架橋前(紫外線照射前)の引張応力は以下のようにして測定した。まず、実施例及び比較例で得た剥離シート付き粘着シートを縦50mm、横(幅方向)Ammとなるように切り出した。この際、横(幅方向)のAの値は、粘着シートの厚み(mm)×Amm=6mm2となるように決定した。次いで、第1の剥離シートを剥離し、粘着シートのみを幅方向に丸め、円の直径2.8mm、高さ50mmの円柱状サンプルとした。円柱状サンプルの上端及び下端のそれぞれ10mmまでの領域を、厚み188μm、縦25mm、横50mmのPETフィルム2枚(合計4枚)で挟みこみ、この領域を引張試験機のチャック部分とし、チャック間距離が30mmとなるように固定した。その後、測定温度23℃、相対湿度50%の環境下で引張速度300mm/分の条件で引張伸び率が2000%となるまで引っ張った。この際の応力値を引張応力とした。
粘着シートの光架橋後の引張応力は、切り出した剥離シート付き粘着シートの第1の剥離シート側から波長365nmにおける照度が150mW/cm2の紫外線を積算光量が5000mJ/cm2となるように照射した後に、円柱状サンプルを得て、同様の方法で測定した。
なお、表中において(*)印の付いている値は、円柱状サンプルの引張伸び率が2000%に達する前に破断したものであり、破断時の応力を記録したものである。
粘着シートの引張弾性率は、(引張応力・引張最大伸び率)の測定において得られる応力−ひずみ曲線(SSカーブ)から算出した。具体的には、0%と5%の引張伸び率と応力値から傾きを算出し、引張弾性率とした。
5cm角に裁断した剥離シート付き粘着シートの第2の剥離シートを剥離した後、松浪スライドガラスS9112に貼合し、第1の剥離シートを剥離した。その後、分光色差計(日本分光社製:SE7700)を用いてb*値を測定した
5cm角に裁断した剥離シート付き粘着シートの第2の剥離シートを剥離した後、松浪スライドガラスS9112に貼合し、波長365nmにおける照度が150mW/cm2の紫外線を積算光量が5000mJ/cm2となるように照射した後、第1の剥離シートを剥離した。その後、分光透過率計(島津製作所製:Solid Spec 3700)を用いて波長360nmにおける透過率を測定した。
<積層体の作製方法>
ガラス板(縦90mm×横50mm×厚み0.5mm)の表面に、紫外線硬化型インクを塗布厚が5μmになるように額縁状(縦90mm×横50mm、幅5mm)にスクリーン印刷した。次いで、紫外線を照射して印刷した上記紫外線硬化型インクを硬化させた。この工程を所定の回数繰り返し、50μmの厚みの段差部を有する印刷段差ガラスを得た。
実施例及び比較例で得られた剥離シート付き粘着シートを、縦90mm×横50mmの形状に裁断し、第2の剥離シートを剥離し、ラミネーター(株式会社ユーボン製、IKO−650EMT)を用いて、粘着シート(粘着剤層)が印刷段差ガラスの額縁状の印刷全面を覆うように貼合した。その後、第1の剥離シートを剥離し、表出した粘着シート(粘着剤層)に、真空貼合機(常陽工学社製:真空重ね合せ装置(JE2020B−MVH))を用いてガラス板(縦90mm×横50mm×厚み0.5mm)を貼合した。この際の貼合条件は、25℃、弱加圧力0.6kN、強加圧力1.2kN、真空圧100Pa、加圧保持時間10秒とした。次いで、脱泡処理(オートクレーブ処理:60℃、0.5MPa、30分間)を実施し、その後、印刷段差ガラス側から高圧水銀灯(アイグラフィックス(株)製、ECS−301G1)にて波長365nmにおける照度が150mW/cm2の紫外線を積算光量が5000mJ/cm2となるように紫外線を照射し、積層体を得た。
上記で得られた積層体をQUV試験機(Q−LAB社製)に仕掛け、0.8W/m2、80℃で4時間の処理と、0.53W/m2、50℃で4時間の処理を1サイクルとした場合、1サイクル×12回となるように紫外線(UV−A)を照射した。
耐久性試験前後の積層体の印刷段差部をマイクロスコープ(倍率:25倍)で観察し、以下の基準で評価した。
○:段差貼合面に気泡が見られない、完全に埋まっている状態である
△:印刷貼合面の額縁の角の部分に限定して気泡が見られるが、他は埋まっている状態である
×:段差貼合面全体に気泡が見られ、段差が埋まっていない状態である
TZT:4MBPと2,4,6−トリメチルベンゾフェノンの20:80共晶物
ATM−4PL:ペンタエリスリトールトリアクリレート
Omnirad.184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
Omnirad.819:フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド
11 粘着シート(粘着剤層)
12a 剥離シート
12b 剥離シート
30 積層体
31 第1の被着体
32 第2の被着体
31a 段差部(凸部)
32b 段差部(凹部)
Claims (10)
- (メタ)アクリル系共重合体、溶剤、光重合開始剤及び紫外線吸収剤を含有し、実質的に熱架橋剤を含まない粘着剤組成物を熱乾燥することにより得られる粘着シートであって、
前記光重合開始剤の波長405nmの吸光係数は10mL/(g・cm)未満であり、
前記粘着シートのゲル分率は5%以下であり、かつ活性エネルギー線硬化能を有し、
前記粘着シートの引張伸び率2000%における引張応力が0.30N/mm 2 以下であり、
引張弾性率が150〜300kPaであり、
前記粘着シートの引張弾性率をaとし、前記粘着シートに、波長365nmにおける照度が150mW/cm 2 の紫外線を積算光量5000mJ/cm 2 となるように照射し光架橋させた際の光架橋後の粘着シートの引張弾性率をbとした場合、b/aが3.0未満である、粘着シート。 - 前記光重合開始剤が、水素引抜型光重合開始剤である、請求項1に記載の粘着シート。
- 前記粘着シートの厚みを150μmとした場合のb*の絶対値が1未満である、請求項1又は2に記載の粘着シート。
- 前記粘着シートに、波長365nmにおける照度が150mW/cm2の紫外線を積算光量5000mJ/cm2となるように照射し光架橋させた場合、光架橋後の粘着シートの波長360nmにおける光透過率が5.0%以下となる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着シート。
- 前記(メタ)アクリル系共重合体100質量部に対する、多官能モノマーの含有量が6質量部以下であり、前記光重合開始剤の含有量が0.1〜10質量部である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着シート。
- 前記紫外線吸収剤が23℃で油状もしくは液状である化合物を少なくとも1種含有し、前記紫外線吸収剤の含有量は前記(メタ)アクリル系共重合体100質量部に対して0.1〜1質量部である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の粘着シート。
- 前記紫外線吸収剤がベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤もしくはベンゾトリアジン系紫外線吸収剤である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の粘着シート。
- 前記(メタ)アクリル系共重合体のガラス転移温度(Tg)が−50℃〜−25℃であり、重量平均分子量が25万〜55万である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の粘着シート。
- 凸部を有する第1の被着体と、凸部および凹部から選択される少なくとも1種を有する第2の被着体への貼合用である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の粘着シート。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の粘着シートからなる粘着剤層と、前記粘着剤層のいずれか一方の面側に積層された凸部を有する第1の被着体と、前記粘着剤層の他方の面側に積層された凸部および凹部から選択される少なくとも1種を有する第2の被着体との積層体。
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