JP2017013592A - インホイールモータ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ケーシングを効率良く冷却することのできるインホイールモータ駆動装置を提供する。【解決手段】インホイールモータ駆動装置(21)のケーシング(22)の外表面には、車両の進行方向に沿って延在する複数の放熱フィン(65)が設けられている。放熱フィン(65)は、たとえばモータリヤカバー(22t)の外側表面(221)に設けられている。複数の放熱フィン(65)の延在方向に沿って放熱板(70)を配置することにより、隣り合う放熱フィン(65)間に、前方領域から後方領域まで走行風が通過する空気通路(80)を形成する。これにより、放熱フィン(65)の風下側にも走行風を接触させることができるため、放熱フィン(65)の放熱効率が向上する。【選択図】図4

Description

本発明は、インホイールモータ駆動装置であって、特に、ケーシングの外表面に複数の放熱フィンが設けられたインホイールモータ駆動装置に関する。
インホイールモータ駆動装置は、ケーシング内に設けられたオイルポンプによって強制的に潤滑油を循環させることにより、減速部の内部を安定して潤滑する。潤滑油は、モータ部の発熱部分から熱を受け取るが、循環中、ケーシングに熱伝達することで冷却される。
潤滑油の冷却性を向上させるべく、たとえば特開2011−240772号公報(特許文献1)では、ケーシングのうち、モータケーシングの外周表面およびモータリヤカバーの外側表面の少なくとも一方に、複数の放熱フィン(冷却フィン)を設けたインホイールモータ駆動装置の冷却構造が提案されている。
特開2011−240772号公報
図11に示すように、車両のホイール10の内側に設けられた公知のインホイールモータ駆動装置121は、モータ部および減速部を収容するケーシング22を備えている。ケーシング22のうち、筒状のモータケーシング22aとモータケーシング22aの軸線方向一方側開口を覆うモータリヤカバー22tとは、外気に晒される。
インホイールモータ駆動装置121においては、ケーシング22内を循環する潤滑油の冷却性を向上させるべく、モータリヤカバー22tの外側表面221とモータケーシング22aの外周表面222とに複数の放熱フィン65,66がそれぞれ設けられている。
放熱フィン65,66は、車両の進行方向(矢印A1方向)に沿って延在しており、車両の走行時に受ける風(走行風)によって放熱が促される。この場合、走行風の流線は図12に示すようなものとなり、モータケーシング22aの外周表面222の前方領域(風上側)に当たる走行風は、モータケーシング22aの外周表面222の上端部側と下端部側とに分岐する。そのため、モータケーシング22aの全周に亘り放熱フィン66を設けたとしても、直接的には、モータケーシング22aの外周表面222の後方領域(風下側)に位置する放熱フィン66に走行風が当たらない。モータリヤカバー22tの外側表面221に設けた放熱フィン65も同様であり、前方領域に比べて後方領域には走行風が当たり難い。
したがって、モータケーシング22aの外周表面222およびモータリヤカバー22tの外側表面221のいずれに放熱フィンを設けたとしても、放熱フィンの放熱効率は前後方向位置(風上側、風下側)によって偏りが生じる。そのため、ケーシング22の温度は、前方部分FAに比べて後方部分BAの方が高くなる傾向があり、ケーシング22を効率良く冷却することが困難であった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ケーシングを効率良く冷却することのできるインホイールモータ駆動装置を提供することである。
この発明のある局面に従うインホイールモータ駆動装置は、車両用のインホイールモータ駆動装置であって、ケーシングと、ケーシング内に配置されたモータ部と、ケーシング内に配置され、モータ部から入力される回転を減速して出力する減速部とを備える。このインホイールモータ駆動装置は、さらに、ケーシングの外表面に設けられ、車両の進行方向に沿って延在する複数の放熱フィンと、複数の放熱フィンの延在方向に沿って配置され、隣り合う放熱フィン間に、前方領域から後方領域まで走行風が通過する空気通路を形成する放熱板とを備える。
このインホイールモータ駆動装置によれば、放熱フィンの風下側にも走行風を接触させることができるため、放熱フィンの放熱効率が向上する。したがって、ケーシングを効率良く冷却することができる。
好ましくは、放熱板の風上側端部の位置に、空気通路に走行風を取り入れるための空気取入れ口が形成されている。
放熱フィンは、たとえばケーシングに含まれるモータリヤカバーの外側表面に設けられている。この場合、放熱板には、放熱板を貫通し、空気通路に連通する吸気口が設けられていることが望ましい。
吸気口は前後方向に間隔をあけて複数個設けられていてもよい。この場合、吸気口の開口幅は、後方側へいくにつれて大きくなっていることが望ましい。
複数の放熱フィンがモータリヤカバーの外側表面に設けられている場合、放熱板は、その風下側に位置する風向調整板を含んでもよい。風向調整板は、走行風をケーシングの外周表面側に向けて案内する。
好ましくは、放熱板は、複数の放熱フィンに接して設けられている。この場合、空気通路への走行風の流入を案内するための傾斜案内部を含むことが望ましい。
本発明によれば、ケーシングを効率良く冷却することができる。
本発明の実施の形態1に係るインホイールモータ駆動装置を示す縦断面図である。 図1のII−II線に沿って切断したインホイールモータ駆動装置の横断面図である。 図1中の減速部を拡大して示す縦断面図である。 本発明の実施の形態1において、ケーシングのモータリヤカバーに放熱板が取り付けられた状態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1における放熱板を示す斜視図である。 図4のVI−VI線に沿う断面図であり、本発明の実施の形態1において隣り合う放熱フィン間に空気通路が形成された状態を示す図である。 図4のVII−VII線に沿う断面図であり、本発明の実施の形態1において各空気通路への走行風の流入経路を示す図である。 本発明の実施の形態1の変形例における放熱板がモータリヤカバーに取付けられた状態を示す斜視図である。 図8のIX−IX線に沿う断面図であり、本発明の実施の形態1の変形例において空気通路を通過した走行風の流出経路を示す図である。 本発明の実施の形態2において、ケーシングのモータケーシングに放熱板が取り付けられた状態を示す斜視図である。 公知のモータケーシングを模式的に示す斜視図である。 モータケーシング周辺の走行風の流路を概念的に示す図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
<実施の形態1>
本実施の形態に係る車両用モータ駆動装置は、インホイールモータ駆動装置であり、例えば電気自動車などの車両の駆動輪におけるホイールの内側に取付けられる。
(基本構成について)
はじめに、インホイールモータ駆動装置の基本構成について説明する。図1を参照して、インホイールモータ駆動装置21は、駆動力を発生させるモータ部Aと、モータ部Aの回転を減速して出力する減速部Bと、減速部Bからの出力を駆動輪に伝える車輪ハブ軸受部Cとを備える。モータ部Aおよび減速部Bは、ケーシング22内に組み込まれている。
ケーシング22は、モータ部Aを取り囲むように配置されるモータケーシング22a、ポンプケーシング22p、およびモータリヤカバー22tと、減速部Bを取り囲むように配置される減速部ケーシング22bとを有する。これらは、ボルト等により、あるいは一体形成により、相互に結合して1個のケーシング22を構成する。ケーシング22には、車輪ハブ軸受部Cの外輪部材33aが取付固定される。
モータ部Aは、円筒形状のモータケーシング22a内周に固定されるステータ23と、ステータ23の内側に径方向に開いた隙間を介して対面する位置に配置されるロータ24と、ロータ24の内側に連結固定されてロータ24と一体回転するモータ回転軸35とを備えるラジアルギャップモータである。あるいは図示はしなかったが、モータ部Aはアキシャルギャップモータであってもよい。
モータケーシング22aは、モータ回転軸35の軸線Oを中心とし、この軸線方向に延びる。ケーシング22の一部であるポンプケーシング22pは、略円板形状の隔壁であって、モータ部Aの軸線O方向一方端で減速部Bとの境界を形成するとともに、転がり軸受37を介してモータ回転軸35の一方端部を回転自在に支持する。さらにポンプケーシング22pは、オイルポンプ51を備える。ケーシング22の一部であるモータリヤカバー22tは、略円板形状であって、モータ部Aの軸線O方向他方端でモータ部Aの端面を形成するとともに、転がり軸受36を介してモータ回転軸35の他方端部を回転自在に支持する。モータリヤカバー22tはモータ部Aの端部であるとともに、インホイールモータ駆動装置21の端部でもある。
モータ回転軸35の一端は、減速部Bの内部に回転自在に設けられた減速部入力軸25と結合する。この結合はスプライン嵌合(セレーション嵌合も含む。以下同じ)であり、管状に形成されたモータ回転軸35の端部開口に、先細に形成された減速部入力軸25が挿入固定される。
減速部Bは、モータ部Aの軸線O方向一方側に同軸配置されたサイクロイド減速機であり、円筒形状の減速部ケーシング22b内に収容されている。減速部Bは、軸線Oに沿って延びる減速部入力軸25と、減速部入力軸25に形成された一対の偏心部25a,25bと、それぞれの偏心部25a,25bに回転自在に保持される公転部材としての一対の曲線板26a,26bと、曲線板26a,26bの外周部に係合する外周係合部材としての複数の外ピン27と、軸線Oに沿って延びる減速部出力軸28と、減速部出力軸28と結合し、曲線板26a,26bの自転運動を取り出す内側係合部材としての内ピン31と、一対の曲線板26a,26b間の隙間に取り付けられてこれら曲線板26a,26bの端面に当接して曲線板の傾きを防止するセンターカラー29と、補強部材61とを有する。複数の外ピン27は、外ピン保持部45に保持されている。減速部Bは、さらに、複数の外ピン27を保持する外ピン保持部45を有している。外ピン保持部45は、減速部Bの外郭を形成し、ケーシング22内に嵌め入れられる減速部ハウジングである。
減速部入力軸25は、モータ回転軸35の軸線Oに沿って延び、その両端部のうちモータ部Aに近い側にある減速部入力軸25の端部がモータ回転軸35の一端と結合する。モータ部Aから遠い側にある減速部入力軸25の端部は、転がり軸受39を介して、後述する減速部出力軸28の端部に回転自在に支持される。減速部入力軸25の外周には、一対の偏心部25a,25bが軸線Oから偏心して形成される。減速部入力軸25は、偏心部25a,25bよりもモータ部Aに近い側で、転がり軸受38によって回転自在に支持される。
2個で一対の偏心部25a,25bは、円板形状であり、軸線O方向に離隔して配置され、偏心運動による遠心力で発生する振動を互いに打ち消し合うために、周方向180°位相を変えて設けられている。モータ回転軸35および減速部入力軸25は、モータ部Aの駆動力を減速部Bに伝達するモータ側回転部材を構成する。
図2を参照して、曲線板26bは円板形状であり、その外周部を波形に形成される。具体的には曲線板26bの外周部は、エピトロコイド等のトロコイド系曲線で構成されて径方向に窪んだ複数の曲線凹部であり、外ピン27と噛合する。また曲線板26bは、一方側端面から他方側端面に貫通する複数の貫通孔30a,30bを有する。貫通孔30aは、曲線板26bの自転軸心Xを中心とする円周上に等間隔に複数個設けられており、内ピン31を受入れる。また、貫通孔30bは、曲線板26bの自転軸心Xに設けられており、曲線板26bの内周になる。曲線板26bは、偏心部25bの外周に相対回転可能に取り付けられる。内ピン31は、針状ころ軸受を含み、内ピン本体31aと、複数の針状ころ31bと、軸受外輪31cを有する。内ピン本体31aは軸受外輪31cを貫通し、針状ころ31bは内ピン本体31aおよび軸受外輪31c間の環状空間に配置される。軸受外輪31cの外周面は、貫通孔31aの孔壁面と転がり接触する。
曲線板26bは、転がり軸受41によって偏心部25bに対して回転自在に支持されている。理解を容易にするため図2では転がり軸受41の周方向一部を破断して示す。この転がり軸受41は、外径面に内側軌道面42aを有する環状の内輪部材42と、内側軌道面42aと外側軌道面になる貫通孔30bの孔壁面との間に配置される複数のころ44と、周方向で隣り合うころ44の間隔を保持する保持器(図示省略)とを備える円筒ころ軸受である。あるいは深溝玉軸受であってもよい。内輪部材42の内径面は偏心部25bの外径面に嵌合する。内輪部材42は内側軌道面42aに位置し径方向に貫通する孔43および内側軌道面42aを挟んで向かい合う一対の鍔部42bをさらに有する。孔43は、偏心部25b内部を軸線O直角方向に延びる分岐油路58bと接続する。曲線板26aについても同様である。
外ピン27は、モータ側回転部材の軸線Oを中心とする円周軌道上に等間隔に複数設けられ(図2参照)、軸線Oと平行に延びる。そして、2個で一対の曲線板26a,26bが軸線Oを中心として公転運動すると、曲線板26a,26b外周の曲線凹部と外ピン27とが係合して、曲線板26a,26bに自転運動を生じさせる。
外ピン27は、上述のように外ピン保持部45に保持されている。より具体的には、図3に示すように、外ピン27の軸線方向両端部が、外ピン保持部45に取り付けられた針状ころ軸受27a(転がり軸受)によって回転自在に支持されている。このように、外ピン27を転がり軸受を介して外ピン保持部45に転がり回転自在に取り付けることにより、曲線板26a,26bとの係合による接触抵抗を低減することができる。
インホイールモータ駆動装置21の軽量化の観点から、減速部ケーシング22bを含めて、ケーシング22は、アルミ合金やマグネシウム合金等の軽金属で形成されている。一方、高い強度が求められる外ピン保持部45は、炭素鋼で形成されていることが望ましい。
図3を参照して、外ピン保持部45は円筒形状であり、外ピン保持部45の軸方向中央部45cが両端側の軸方向端部45a,45bよりも大径にされる。そして小径の軸方向端部45a,45bと大径の軸方向中央部45cとの間の環状空間に、外ピン27が配置される。また外ピン保持部45は、軸方向端部45a,45bよりも内径側に曲線板26a,26b、減速部出力軸28の端部、内ピン31、偏心部25a,25b、減速部入力軸25の端部を収容する。2枚の曲線板26a,26b間には環状のセンターカラー29が配置される。センターカラー29は曲線板26a,26bが軸線Oに対して傾くことを防止する。
減速部ケーシング22bからみて外ピン保持部45はフローティング状態にされ、外ピン保持部45の外周面は減速部ケーシング22bの内壁面から離隔する。ただし、外ピン保持部45は、ケーシング22に対して相対回転不能に取付けされている。
減速部出力軸28は、モータ部A側の端部に位置する大径フランジ部28bと、車輪ハブ軸受部C側に位置する軸部28dとを有する。大径フランジ部28bと軸部28dとの接続箇所には小径フランジ部28cが形成される。大径フランジ部28bの中心には減速部入力軸25の一端を受け入れる円形凹部34が形成され、円形凹部34の内周面に転がり軸受39が配置される。
大径フランジ部28bの外縁部には、減速部出力軸28の軸線Oを中心とする円周上の等間隔に内ピン31の一端部を固定する穴が形成されている。軸部28dの外周面には、車輪ハブ軸受部Cの車輪ハブ32が連結固定されている(図1参照)。
図3に示すように、大径フランジ部28bから離れた側にある内ピン31の他端部には、補強部材61が設けられている。補強部材61は、減速部B内部で複数の内ピン31先端と結合固定するフランジ形状の大径円板部61bと、大径円板部61bに隣接して同軸に形成され、大径円板部61bよりも小径の小径円板部61cと、小径円板部61cの内周縁からモータ部Aへ延びるさらに小径の円筒部61dとを含む。円筒部61dは軸線Oに沿って延びる形状であるのに対し、大径円板部61bおよび小径円板部61cは、互いに一体形成されて軸線O直角方向に広がる円板部である。
2枚の曲線板26a、26bから一部の内ピン31に負荷される荷重は補強部材61の大径円板部61bおよび減速部出力軸28の大径フランジ部28bを介して全ての内ピン31によって支持されるため、内ピン31に作用する応力を低減させ耐久性を向上させることができる。円筒部61dの先端は、オイルポンプ51に差し込まれて、オイルポンプ51を駆動する(図1参照)。小径円板部61cの内周面には転がり軸受38が配置され、転がり軸受38は減速部入力軸25を回転自在に支持する。
補強部材61は、内ピン31を介して減速部出力軸28と連結することから、減速部出力軸28と一体に回転する。減速部出力軸28、補強部材61、および車輪ハブ32は、図1に示すように、減速部Bの駆動力を駆動輪(ボルト32cと連結する図示しない駆動輪)に伝達する車輪側回転部材を構成する。
モータ回転軸35とスプライン嵌合する減速部入力軸25の端部を除き、減速部入力軸25の大部分は、環状の補強部材61から減速部出力軸28の小径フランジ部28cまでの軸線方向位置と一致する。そして減速部入力軸25は、補強部材61の内部および円形凹部34に配置されて、一方端側で転がり軸受39を介して減速部出力軸28に回転自在に支持され、他方端側で転がり軸受38を介して補強部材61に回転自在に支持される。
外ピン保持部45の両端部には金属製の転がり軸受62,64が配置される。転がり軸受62,64は車輪側回転部材を回転自在に支持する。転がり軸受62はモータ部Aに近い側に配置され、転がり軸受64は車輪ハブ軸受部Cに近い側に配置される。
図3に示すように、転がり軸受62の外輪62aは外ピン保持部45における軸方向端部45aの内周面に相対回転不能に取り付けられ、転がり軸受62の内輪62bは補強部材61の小径円板部61cの外周面に相対回転不能に取り付けられる。複数の転動体62cは外輪62aおよび内輪62b間の環状空間に配置される。複数の転動体62cは図示しない保持器によって円周方向等間隔に保持されている。大径円板部61bの外周面および小径円板部61cの外周面は環状段差を構成する。そして転がり軸受62は、これら大径円板部61bと小径円板部61cの環状段差に収納され、内ピン31と同じ径方向位置に配置される。
転がり軸受64の外輪64aは外ピン保持部45における軸方向端部45bの内周面に相対回転不能に取り付けられ、転がり軸受64の内輪64bは減速部出力軸28の小径フランジ部28cの外周面に相対回転不能に取り付けられる。複数の転動体64cは、外輪64aおよび内輪64b間の環状空間に配置される。複数の転動体62cは図示しない保持器によって円周方向等間隔に保持されている。大径フランジ部28bの外周面および小径フランジ部28cの外周面は環状段差を構成する。そして転がり軸受64は、これら大径フランジ部28bと小径フランジ部28cの環状段差に収納され、内ピン31と同じ径方向位置に配置される。
図1を参照して、オイルポンプ51は、ポンプケーシング22pの壁内部に設けられた吸入油路52および吐出油路54と接続し、減速部Bの下部に設けられたオイルタンク53から吸入油路52を経て潤滑油を吸い込み、吐出油路54から潤滑油を吐き出す。吐出油路54は、モータ部Aに設けられて潤滑油を冷却する冷却油路55(モータケーシング22aの壁内部)と、モータリヤカバー22tの壁内部に設けられた連絡油路56と、管状のモータ回転軸35および減速部入力軸25の内部に設けられて軸線Oに沿って延びる軸線油路57と、減速部Bで、軸線Oから偏心部25a内を径方向外側に向かって延びる分岐油路58aおよび偏心部25b内を同様に延びる分岐油路58bと、偏心部25a,25bの外周にそれぞれ嵌合する内輪部材42に穿設された孔43(図2参照)および軸線油路57の先端に開口する油路58cと順次接続する。
そしてオイルポンプ51から吐出した潤滑油は、これら油路54,55,56,57,58a(58b)、58cおよび孔43を順次流れて、減速部B内部(転がり軸受38,39,41,62,64、曲線板26a,26b、内ピン31、および外ピン27等)を潤滑する。潤滑後の潤滑油は落下してオイルタンク53に集まる。そしてオイルポンプ51によって再び吸入されて、インホイールモータ駆動装置21の内部を循環する。
このように本実施形態のインホイールモータ駆動装置21は、軸心給油方式の潤滑油回路を備え、減速部入力軸25から潤滑油を噴射する。そして潤滑油は、減速部入力軸25から径方向外側に流れて減速部Bを潤滑する。また潤滑油は、軸線油路57から分岐して、ロータ24に形成されたロータ油路59を流れ、モータ部A内部を冷却するとともに、転がり軸受36,37を潤滑する。
潤滑油はモータ部Aの発熱部分などから熱を受けるが、潤滑油がケーシング22の外縁部に形成された油路55,56を通過する際に、潤滑油の熱がケーシング22に熱伝達される。モータリヤカバー22tに設けられた連絡油路56は、概天地方向(鉛直方向)に沿って、モータリヤカバー22tの外縁から中心部まで径方向に延びている。モータケーシング22aの上部に設けられた冷却油路55は、軸線方向に沿って延びている。このように、潤滑油の熱をケーシング22に熱伝達することにより、潤滑油の温度を低下させる。なお、モータ室(モータ部A内部)の下部に流れた潤滑油の熱もケーシング22に熱伝達される。
ケーシング22(より特定的には、モータケーシング22aおよびモータリヤカバー22t)に伝達された熱は、ケーシング22の外表面に設けられた複数の放熱フィンによって放熱が促される。本実施の形態では、モータリヤカバー22tの外側表面221に複数の放熱フィン65が設けられ、モータケーシング22aの外周表面222に複数の放熱フィン66が設けられる。放熱フィン65,66は、いずれも車両の進行方向(矢印A1方向)に沿って延在している。放熱フィン65はモータリヤカバー22tと一体結合し、放熱フィン66はモータケーシング22aと一体結合する。
放熱フィン65は、モータリヤカバー22tの外側表面222から外方へ突出する。車両の進行方向を前方とした場合、放熱フィン65は前後方向に延び、路面に対して平行に延在する。つまり、放熱フィン65は、連絡油路56に交差する方向(上下方向)に延在している。モータリヤカバー22tは、ホイール10からはみ出るため、その前方領域には外気が強く当たる。
複数の放熱フィン65は、上下方向に互いに間隔をあけて平行に配置されている。放熱フィン65は、モータリヤカバー22tの外側表面221の略全体に配置されている。なお、放熱フィン65は、外側表面221の全体に配置されていなくてもよく、たとえば、外側表面221の中心部を除く環状領域にのみ設けられていてもよい。
放熱フィン66は、モータケーシング22aの周方向に沿って延在し、モータケーシング22aの外周表面222から外方へ突出する。つまり、放熱フィン66は、モータケーシング22aの冷却油路55に交差する方向(上下方向)に延在している。複数の放熱フィン66は、軸線方向に互いに間隔をあけて配置されている。各放熱フィン66は、モータケーシング22aの全周に亘って環状に形成されている。
本実施の形態では、モータリヤカバー22tの放熱フィン65に放熱板70が被せられている。放熱板70については後に詳述する。
車輪ハブ軸受部Cは、内輪33c、回転軸としての車輪ハブ32、転動体33、外輪部材33aを有する転がり軸受である。車輪ハブ32は図1に示すように減速部出力軸28の軸線O方向一方側に同軸配置され、減速部出力軸28に連結固定される。外輪部材33aは減速部ケーシング22bの一端にボルト33bで固定され、内輪33cは車輪ハブ32の外周面に嵌合固定される。車輪ハブ軸受部Cは多数の転動体33を複列に有する複列アンギュラ玉軸受であって、第1列の転動体33が減速部Bに近い側で、外輪部材33aおよび内輪33c間に配置され、第2列の転動体33が減速部Bから遠い側で、外輪部材33aおよび車輪ハブ32間に配置される。
車輪ハブ32は、円筒形状の中空部32aと、中空部32aの一端から外径方向に突出する車輪取付けフランジ部32bとを有する。中空部32aの中央孔には軸部28dが嵌合する。また中空部32aの外周面には第2列の転動体33と転がり接触する内側軌道面が形成される。車輪取付けフランジ部32bにはボルト32cによって図示しない駆動輪のロードホイールが連結固定される。
(作動原理について)
次に、上記構成のインホイールモータ駆動装置21の作動原理について説明する。
モータ部Aは、例えば、ステータ23のコイルに交流電流を供給することによって生じる電磁力を受けて、永久磁石または磁性体によって構成されるロータ24が回転する。これにより、ロータ24に接続されたモータ回転軸35が回転すると、曲線板26a,26bはモータ側回転部材の軸線Oを中心として公転運動する。このとき、外ピン27が、曲線板26a,26bの外周に形成された曲線凹部と転がりながら接触しつつ係合して、曲線板26a,26bをモータ側回転部材の回転とは逆向きに自転運動させる。
各貫通孔30aに挿通される内ピン31は、貫通孔30aの内径よりも十分に細く、曲線板26a,26bの自転運動に伴って貫通孔30aの孔壁面と当接する(図2参照)。これにより、曲線板26a,26bの公転運動が内ピン31に伝わらず、曲線板26a,26bの自転運動のみが減速部出力軸28を介して車輪ハブ軸受部Cに伝達される。なお内ピン31の軸受外輪31cは、貫通孔30aの孔壁面に沿って転がる。このとき、軸受外輪31cの一部が貫通孔30aの孔壁面と接触しつつ軸受外輪31cの残部が貫通孔30aの孔壁面と非接触となる。
このとき、軸線Oと同軸に配置された減速部出力軸28は、減速部Bの出力軸として曲線板26a,26bの自転を取り出す。これにより、減速部入力軸25の回転が減速部Bによって減速されて減速部出力軸28に伝達されるので、低トルク、高回転型のモータ部Aを採用した場合でも、駆動輪に必要なトルクを伝達することが可能となる。
なお、上記構成の減速部Bの減速比は、外ピン27の数をZA、曲線板26a,26bの波形の数をZBとすると、(ZA−ZB)/ZBで算出される。図2に示す実施形態では、ZA=12、ZB=11であるので、減速比は1/11と、非常に大きな減速比を得ることができる。このように、多段構成とすることなく大きな減速比を得ることができる減速部Bを採用することにより、コンパクトで高減速比のインホイールモータ駆動装置21を得ることができる。本実施形態に係るインホイールモータ駆動装置21を電気自動車に採用することにより、バネ下重量を抑えることができる。その結果、走行安定性に優れた電気自動車を得ることができる。
また、本実施形態においては、減速部Bの曲線板26a,26bを180°位相を変えて2枚設けたが、この曲線板の枚数は任意に設定することができ、例えば、曲線板を3枚設ける場合は、120°位相を変えて設けるとよい。そして本実施形態のセンターカラー29を2枚準備しておき、隣り合う曲線板間にそれぞれ設けるとよい。
また、本実施形態における運動変換機構は、減速部出力軸28に固定された内ピン31と、曲線板26a,26bに設けられた貫通孔30aとで構成される例を示したが、これに限ることなく、減速部Bの回転を車輪ハブ32に伝達可能な任意の構成とすることができる。例えば、曲線板に固定された内ピンと、車輪側回転部材に形成された穴とで構成される運動変換機構であってもよい。
なお、本実施形態における作動の説明は、各部材の回転に着目して行ったが、実際にはトルクを含む動力がモータ部Aから駆動輪に伝達される。したがって、上述のように減速された動力は高トルクに変換されたものとなっている。
また、本実施例における作動の説明では、モータ部Aに電力を供給してモータ部Aを駆動させ、モータ部Aからの動力を駆動輪に伝達させたが、これとは逆に、車両が減速したり坂を下ったりするような場合には、駆動輪側からの動力を減速部Bで高回転低トルクの回転に変換してモータ部Aに伝達し、モータ部Aで発電しても良い。さらに、ここで発電した電力は、バッテリーに蓄電しておき、後でモータ部Aを駆動させてもよいし、車両に備えられた他の電動機器等の作動に用いてもよい。
(放熱板について)
ここで、本実施の形態のインホイールモータ駆動装置21に備えられた放熱板70について、図4〜図7を参照して具体的に説明する。図4は、ケーシング22のモータリヤカバー22tに放熱板70が取り付けられた状態を示す斜視図である。図5は、放熱板70を示す斜視図である。図6は、図4のVI−VI線に沿う断面図であり、図7は、図4のVII−VII線に沿う断面図である。なお、図4においては、モータケーシング22aの外周表面222に設けられた放熱フィン66の図示が省略されている。
放熱板70は、モータリヤカバー22tの放熱フィン65の延在方向に沿って配置されている。具体的には、放熱板70は、全てまたは一部の放熱フィン65の前端から後端までを覆うように、放熱フィン65の先端部に蓋状に取り付けられている。放熱板70とモータリヤカバー22tの外側表面221の平坦部(放熱フィン65のない部分)とは略平行である。本実施の形態では、放熱板70は、モータリヤカバー22tと同様に円板形状であって、放熱フィン65の全てを覆っている。
放熱板70は、薄板であり、たとえば銅またはアルミニウムなど、熱伝導性の高い材質で形成されていることが望ましい。なお、放熱板70のケーシング22への取付け方法は、特に問わない。
放熱板70は、各放熱フィン65の先端部に接して配置される。これにより、モータリヤカバー22tの外側表面221の平坦部と放熱板70との間に、放熱フィン65に隣接する複数の空気通路80が形成される。つまり、各空気通路80は、隣り合う放熱フィン65間に設けられ、前後方向に延在する。
空気通路80の風上側(前方側)端部および風下側(後方側)端部は開放されている。そのため、放熱板70の風上側端部の位置に、走行風を空気通路80に取り入れるための空気取入れ口81が形成され、放熱板70の風下側端部の位置に、走行風を空気通路80から流出させるための空気流出口82が形成されている。したがって、走行風は、空気取入れ口81から空気通路80に取り込まれ、空気流出口82から流出する。これにより、放熱フィン65の前方領域から後方領域まで走行風が通過し、放熱フィン65の側面全体に外気を当てることができる。その結果、放熱フィン65の放熱効果が高められ、モータリヤカバー22tの外側表面221全体を冷却することができる。
また、本実施の形態では、放熱板70が放熱フィン65に接するため、放熱面積が増加する。したがって、放熱フィン65と放熱板70との相乗効果により、簡易な構造でモータリヤカバー22tの冷却性能を向上させることができる。このように、ケーシング22の側端面を構成するモータリヤカバー22tが効率良く冷やされることにより、ケーシング22の後方部分の温度も低下させることができる。
また、上述のように、モータリヤカバー22tには潤滑油の油路56が設けられているため、モータリヤカバー22tの熱を効率良く放熱することにより、潤滑油も冷やすことができる。その結果、インホイールモータ駆動装置21全体の冷却性を向上させることができる。
放熱板70には、空気通路80に連通する貫通孔71が設けられている。貫通孔71は、放熱板70の外表面701側から空気通路80へ外気を流入させるための吸気口である。貫通孔71は、複数の空気通路80に跨って、上下方向に延びていることが望ましい。
本実施の形態では、たとえば3つ(複数)の貫通孔71a,71b,71cが前後方向に互いに間隔をあけて配置されている。貫通孔71aは放熱板70の前方領域に設けられ、貫通孔71bは前後方向中央領域に設けられ、貫通孔71cは後方領域に設けられている。貫通孔71bは全ての空気通路80に連通している。貫通孔71の開口幅は、後方側(風下側)へいくにつれて大きくなっていてもよい。
これにより、空気取入れ口81からだけでなく、各貫通孔71からも空気通路80に外気を流入させることが可能となる。したがって、空気通路80を通過する外気の流量が増加し、流速が上がるため、モータリヤカバー22tの冷却性能をさらに向上させることができる。なお、図4においては、貫通孔71を通過する走行風の流線は図示していない。
放熱板70は、空気通路80への走行風の流入を案内するための傾斜案内部72を含むことが望ましい。本実施の形態における傾斜案内部72は、貫通孔71を介した走行風の流入を案内する。傾斜案内部72は、上下方向に長さを有する板状部材であって、各貫通孔71の後端縁に沿って設けられている。より具体的には、貫通孔71aの後端縁に傾斜案内部72aが取付けられ、貫通孔71bの後端縁に傾斜案内部72bが取付けられ、貫通孔71cの後端縁に傾斜案内部72cが取付けられている。
各傾斜案内部72は、風上側へ向かって傾斜した状態で外方に突出している。これにより、傾斜案内部72に当たる走行風を、貫通孔71から空気通路80に導き入れることができる。
図7に示されるように、傾斜案内部72の突出度合は、後方側(風下側)へいくにつれて大きくなっていてもよい。この場合、全ての貫通孔71に、効果的に走行風を導き入れることができる。したがって、モータリヤカバー22tの外側表面221の後方領域の温度を効果的に下げることができる。その結果、モータリヤカバー22tの外側表面221全体を万遍なく冷却することができるため、ケーシング22の後方部分の温度上昇を効果的に抑えることができる。
なお、傾斜案内部72の突出度合の大小は、傾斜案内部72の突出長さを変えることで実現してもよいし、傾斜案内部72の傾斜角度を変えることで実現してもよい。
以上説明したように、本実施の形態によれば、モータリヤカバー22tに設けられた複数の放熱フィン65とその上に被せられた放熱板70との相乗効果により、ケーシング22の後方部分も効率良く冷却することができる。したがって、インホイールモータ駆動装置21の冷却性能を向上させることができる。
なお、放熱板70は、多数本の放熱フィン65のうち一部にのみ被せられてもよい。また、放熱板70の形状は円板形状でなくてもよい。
(変形例)
図8は、本実施の形態の変形例における放熱板70Aがモータリヤカバー22tに取付けられた状態を示す斜視図である。図8を参照して、放熱板70Aは風向調整板73を有している。風向調整板73は、放熱板70Aの風下側に位置し、走行風をケーシング22の外周表面(モータケーシング22aの外周表面222およびモータリヤカバー22tの外周端面を含む)側に向けて案内する。
本変形例における放熱板70Aは、モータリヤカバー22tよりも大きく、円板形状の本体部は、全体的にモータリヤカバー22tよりも径方向に突出している。風向調整板73は、放熱板70Aの本体部の後方側端縁に連結されたフードであり、軸線方向他方側(ホイール10側)へ向かってフランジ状に延びている。風向調整板73は、本体部と一体形成される。
風向調整板73は、モータリヤカバー22tの外周端面に沿って湾曲しており、当該面との間に間隔をあけて配置されている。この場合、風向調整板73の端部の位置に、空気流出口82が設けられる。つまり、本変形例では、空気流出口82は、ケーシング22の外周表面と放熱板70Aの風向調整板73との間に形成され、ホイール10側を向いている。
図9に示すように、空気通路80を通過した外気は風向調整板73に当たるため、風向き(進路)がホイール10側に変更され、空気流出口82から流出する。流出した外気は、モータケーシング22aの外周表面222を含むケーシング22の外周表面に接触する。このように、本変形例によれば、ケーシング22の外周表面の後方領域(走行風が直接当たり難い領域)にも外気を当てることができるため、ケーシング22の後方部分を効率的に冷却することができる。
なお、風向調整板73は、放熱板70Aの本体部の前後方向中央位置を基準として後方側に位置する端縁部分に設けられていればよく、当該部分の全体に設けられていてもよいし、一部分にのみ設けられていてもよい。あるいは、当該部分に、複数個の風向調整板73が設けられてもよい。
<実施の形態2>
上記実施の形態1では、放熱板がモータリヤカバーの外側表面に取付けられた。これに対し、本実施の形態では、モータケーシングの外周表面に放熱板が取付けられる。図10は、ケーシング22のモータケーシング22aに放熱板70Bが取り付けられた状態を示す斜視図である。
モータケーシング22aの外周表面222には、環状の放熱フィン66が複数本設けられている。放熱板70Bは、周方向における一部分においてのみ放熱フィン66上に被せられている。放熱板70Bはたとえば矩形形状であり、モータケーシング22aの外周表面222に沿って湾曲している。モータケーシング22aの外周表面222に設けられた放熱フィン65のうち、放熱板70Bが被せられた部分においてのみ、隣り合う放熱フィン65間に空気通路90が形成される。なお、図10に示されるように、複数の放熱板70Bが互いに接することなく設けられていてもよい。
放熱板70Bの風上側端部の位置に、各空気通路90への空気取入れ口91が形成され、放熱板70Bの風下側端部の位置に、走行風を空気通路90から流出させるための空気流出口92が形成されている。
放熱板70Bもまた、空気通路90への走行風の流入を案内するための傾斜案内部を含むことが望ましい。本実施の形態における傾斜案内部74は、空気取入れ口91を介した走行風の流入を案内する。
傾斜案内部74は、放熱板70Bの風上側の端縁部分に沿って設けられている。傾斜案内部74は、風上側へ向かって傾斜しているため、傾斜案内部74に当たる走行風を効率良く空気通路90に流入させることができる。
このように、空気取入れ口91が風上側に向いて露出し、空気流出口92がモータケーシング22aの外周表面222の後方領域に位置するように放熱板70Bを取付けることにより、風下側に位置する放熱フィン66にも走行風を接触させることができる。したがって、放熱フィン66全体の放熱効率を高めることができる。その結果、ケーシング22を効率良く冷却することができる。
なお、上記各実施の形態では、放熱板が放熱フィンに接して設けられることとしたが、放熱板と放熱フィンの先端部との間に隙間があってもよい。このような場合においても、放熱フィンを取り囲むように空気通路が形成されるため、ケーシングの冷却性能を向上させることができる。
また、上記した各実施の形態を組み合わせてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 ホイール、21,121 インホイールモータ駆動装置、22 ケーシング、22a モータケーシング、22b 減速部ケーシング、22p ポンプケーシング、22t モータカバー、23 ステータ、24 ロータ、25 減速部入力軸、25a,25b 偏心部、26a,26b 曲線板、27 外ピン、28 減速部出力軸、29 センターカラー、31 内ピン、32 車輪ハブ、34 円形凹部、35 モータ回転軸、45 外ピン保持部、51 オイルポンプ、52 吸入油路、53 オイルタンク、54 吐出油路、55 冷却油路、56 連絡油路、57 軸線油路、58a,58b 分岐油路、59 ロータ油路、61 補強部材、65,66 放熱フィン、70,70A,70B 放熱板、72,72a,72b,72c,74 傾斜案内部、73 風向調整板、80,90 空気通路、81,91 空気取入れ口、82,92 空気流出口、A モータ部、B 減速部、C 車輪ハブ軸受部、O 軸線、X 自転軸心。

Claims (6)

  1. 車両用のインホイールモータ駆動装置であって、
    ケーシングと、
    前記ケーシング内に配置されたモータ部と、
    前記ケーシング内に配置され、前記モータ部から入力される回転を減速して出力する減速部と、
    前記ケーシングの外表面に設けられ、車両の進行方向に沿って延在する複数の放熱フィンと、
    前記複数の放熱フィンの延在方向に沿って配置され、隣り合う前記放熱フィン間に、前方領域から後方領域まで走行風が通過する空気通路を形成する放熱板とを備える、インホイールモータ駆動装置。
  2. 前記放熱板の風上側端部の位置に、前記空気通路に走行風を取り入れるための空気取入れ口が形成されている、請求項1に記載のインホイールモータ駆動装置。
  3. 前記放熱フィンは、前記ケーシングに含まれるモータリヤカバーの外側表面に設けられており、
    前記放熱板には、前記放熱板を貫通し、前記空気通路に連通する吸気口が設けられている、請求項1または2に記載のインホイールモータ駆動装置。
  4. 前記吸気口は、前後方向に間隔をあけて複数個設けられており、
    前記吸気口の開口幅は、後方側へいくにつれて大きくなっている、請求項3に記載のインホイールモータ駆動装置。
  5. 前記複数の放熱フィンは、前記ケーシングに含まれるモータリヤカバーの外側表面に設けられており、
    前記放熱板は、その風下側に位置し、かつ、走行風を前記ケーシングの外周表面側に向けて案内する風向調整板を含む、請求項1または2に記載のインホイールモータ駆動装置。
  6. 前記放熱板は、前記複数の放熱フィンに接して設けられており、
    前記空気通路への走行風の流入を案内するための傾斜案内部を含む、請求項1〜5のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置。
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