JP2017013409A - 記録ヘッド、及び、その記録ヘッドを用いた記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造上のばらつきにより、ノズル毎に吐出量の変化が発生し、形成される画像にムラが発生する場合がある。
【解決手段】ノズル列毎に記録素子に与えるヒートパルス信号のパルス幅を変化させ、隣接するノズルからのインク吐出量を分散させることにより、ノズル列の製造上のばらつきによる吐出量の変化を目立たなくする。
【選択図】 図7
【解決手段】ノズル列毎に記録素子に与えるヒートパルス信号のパルス幅を変化させ、隣接するノズルからのインク吐出量を分散させることにより、ノズル列の製造上のばらつきによる吐出量の変化を目立たなくする。
【選択図】 図7
Description
本発明は記録ヘッド、及び、その記録ヘッドを用いた記録装置に関し、特に、例えば、インクを吐出して記録媒体に文字等の画像を記録するインクジェット記録ヘッド、及び、その記録ヘッドを用いた記録装置に関する。
インクを吐出して記録を行うインクジェット記録方式を採用した記録装置は、低騒音、低ランニングコストであることや、装置の小型化や記録画像のカラー化が容易等の利点を有することから、プリンタ、複写機、ファクシミリ等に広く利用されている。インクジェット記録方式を採用した記録ヘッドの一例として、複数のノズルを有するマルチノズルインクジェットヘッドがある。この記録ヘッドは、シリコン等の基板上に電気熱変換素子(ヒータ)を配線と共に等間隔に配列し、その電気熱変換素子と電気熱変換素子との間には樹脂層を積層して隔壁を形成し、各隔壁の上に板状の液路形成部材を接合することにより吐出口を形成している。
さて、記録画像の階調制御や記録の最適化を図るための信号を記録ヘッドに伝送するための技術としては、例えば、引用文献1に開示のものが挙げられる。
引用文献1によれば、記録ヘッドのアクチュエータに対して駆動パルスを出力する駆動回路とこの駆動回路に対して複数のアクチュエータ毎に選択データを含む駆動信号を伝送する本体回路と複数種類の記録波形信号を生成する波形発生回路とが備えられる。その駆動回路は、波形発生回路が生成した複数の記録波形信号の中から選択データに基づいて所定の記録波形信号を選択する選択手段を備え、選択された波形を持つ駆動パルス信号を出力することを特徴としている。
図8は引用文献1に開示された従来の記録ヘッドを駆動するための駆動回路を示すブロック図である。
図8には、記録ヘッドのインク室が64室設けられている64チャンネル(ch0〜ch63)・マルチノズルヘッドを駆動する場合のヘッドドライバ21が例示されている。ヘッドドライバ21は、シリアル−パラレル変換器31、ラッチ回路32、セレクタ33、ドライバ34を備えている。シリアル−パラレル変換器31は、64ビット長のシフトレジスタから構成され、ゲートアレイ(不図示)から転送クロックと同期してシリアル転送されてくる印字データを入力する。そして、転送クロックの立ち上がりに従って、印字データを各パラレルデータに変換することにより、印字データのシリアル−パラレル変換を行い、各チャンネル毎に選択信号seli-0, seli-1が設定される。ここで、i=0〜63である。各印字データは、例えば、2ビットで構成され、そのビットの組合わせで非印字を含む印字波形の選択する選択信号を含んでいる。
ラッチ回路32は、ゲートアレイから転送されてくるラッチ信号の立ち上がりに従って、各パラレルデータをそれぞれラッチする。各チャンネル毎に設けられた64個のセレクタ33はそれぞれ、ラッチ回路32から出力される各パラレル印字データに基づき、ゲートアレイから転送されてくる複数種類の印字波形信号の中の一つを選択し出力する。
セレクタ33にゲートアレイから入力される印字波形信号は、本体回路側において任意に設定可能であり、ここではパルス数が相互に異なる印字波形A、B、Cの3種類が用意されている。これら複数種類の各信号は常に一定の周期で繰り返し出力されており、これ自身が噴射タイミング信号でもある。かくして、2ビットの選択信号を付加するだけで、ノズル単位で非印字を含んで4つの階調を得ることができる。
64個のドライバ34はそれぞれ、セレクタ33から出力された波形信号に基づいて、印字ヘッドに適した電圧のパルス波形を生成し、その各パルス波形を印字ヘッドの各インク室の電極へ出力する。
図9は従来の記録ヘッドの記録素子を駆動するため用いられる時分割駆動の駆動順を示す図である。
図9に示す例では、N個の記録素子(0seg〜(N−1)seg)をm(=4)ブロックに分割して時分割駆動する際の駆動順を示している。また、この図では記録ヘッドを搭載したキャリッジを移動させる方向に記録されるドットの並びを1〜5カラム目まで図示している。その際に、駆動される記録素子には同じ幅HPのヒートパルスが投入される。図9において、記録されるドットは“○”で示されており、その中の数値は時分割駆動における駆動順番i(i=1〜4)を特定する数値である。
図9に示されるように、隣り合う4つの記録素子が1グループとして構成され、各駆動タイミングでは各グループから1つの記録素子が選択される。この図によれば、いずれのカラムにおいても、4セグメント(seg)ごとに同じ記録素子が選択され、時分割駆動される。
しかしながら特許文献1では、ノズル毎のインク吐出量の変化に対応する方法は明記されていないので、製造上のばらつきによりノズル毎にインク吐出量の変化が発生し、形成される画像にムラが発生する場合に対応することができない。そして、複数の記録波形信号をそれぞれ別の信号として供給しており、複数の記録波形信号の中から所望の記録波形信号を選択するため、記録波形信号を選択する選択データを記録データに付加する必要が有った。
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、簡単な構成で製造上のばらつきを吸収したむらのない記録が可能な記録ヘッド、及び、その記録ヘッドを用いた記録装置とを提供すること目的とする。
上記目的を達成するために本発明の記録ヘッドは次のような構成からなる。
即ち、複数の記録素子を配列して構成する記録素子列と、前記複数の記録素子により記録を行わせるための記録データと前記複数の記録素子を時分割駆動するためのブロックを選択するブロックデータを入力するシフトレジスタと、入力されるラッチ信号に従って前記ブロックデータをラッチする第1のラッチ回路と、前記ラッチ信号に従って前記記録データをラッチする第2のラッチ回路と、前記記録データと、前記ブロックデータと、前記ラッチ信号のパルスをカウントして得られるカウント信号と前記複数の記録素子を駆動するための基準となるパルス幅をもった通電時間指定信号とに基づいて生成される異なるパルス幅の複数のヒートパルス信号のいずれかとに基づいて、前記複数の記録素子を駆動する駆動回路とを有し、前記時分割駆動における分割駆動数より前記複数のヒートパルス信号の数は多いことを特徴とする。
また本発明を別の側面から見れば、上記構成の記録ヘッドを用いた記録装置を備える。
従って本発明によれば、製造上のばらつきによって生じる記録むらを目立たなくすることができるという効果がある。
以下に、図面を参照しながら本発明の実施例について詳細に説明する。なお、この明細書において、「記録」(以下、「プリント」とも称する)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、又は媒体の加工を行う場合も表すものとする。また、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わない。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
また、「インク」とは、上記「記録」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成又は記録媒体の加工、或いはインクの処理に供され得る液体を表すものとする。インクの処理としては、例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固又は不溶化させることが挙げられる。
またさらに、「記録要素(又はノズル)」とは、特にことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路およびインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して言うものとする。
以下に用いる記録ヘッド用基板(ヘッド基板)とは、シリコン半導体からなる単なる基体を指し示すものではなく、各素子や配線等が設けられた構成を差し示すものである。
さらに、基板上とは、単に素子基板の上を指し示すだけでなく、素子基板の表面、表面近傍の素子基板内部側をも示すものである。また、本発明でいう「作り込み(built-in)」とは、別体の各素子を単に基体表面上に別体として配置することを指し示している言葉ではなく、各素子を半導体回路の製造工程等によって素子板上に一体的に形成、製造することを示すものである。
<記録装置の概要説明(図1〜図2)>
図1は本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッド)を用いて記録を行なう記録装置の構成の概要を示す外観斜視図である。
図1は本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッド)を用いて記録を行なう記録装置の構成の概要を示す外観斜視図である。
図1に示すようにインクジェット記録装置(以下、記録装置)1はインクジェット方式に従ってインクを吐出して記録を行なうインクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッド)3をキャリッジ2に搭載し、キャリッジ2を矢印A方向に往復移動させて記録を行う。記録紙などの記録媒体Pを給紙機構5を介して給紙し、記録位置まで搬送し、その記録位置において記録ヘッド3から記録媒体Pにインクを吐出することで記録を行なう。
記録装置1のキャリッジ2には記録ヘッド3を搭載するのみならず、記録ヘッド3に供給するインクを貯留するインクタンク6を装着する。インクタンク6はキャリッジ2に対して着脱自在になっている。
図1に示した記録装置1はカラー記録が可能であり、そのためにキャリッジ2にはマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロ(Y)、ブラック(K)のインクを夫々、収容した4つのインクカートリッジを搭載している。これら4つのインクカートリッジは夫々独立に着脱可能である。
この実施例の記録ヘッド3は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット方式を採用している。このため、電気熱変換体を備えている。この電気熱変換体は各吐出口のそれぞれに対応して設けられ、記録信号に応じて対応する電気熱変換体にパルス電圧を印加することによって対応する吐出口からインクを吐出する。なお、記録装置は、上述したシリアルタイプの記録装置に限定するものではなく、記録媒体の幅方向に吐出口を配列した記録ヘッド(ラインヘッド)を記録媒体の搬送方向に配置するいわゆるフルラインタイプの記録装置にも適用できる。
図2は図1に示した記録装置の制御構成を示すブロック図である。
図2において、1700は記録信号を入力するインタフェース、1701はMPU、1702はMPU1701が実行する制御プログラムを格納するROM、1703は各種データ(記録信号や記録ヘッドに供給される記録データ等)を保存するDRAMである。1704は記録ヘッド3に対する記録データの供給制御を行うゲートアレイ(G.A.)であり、インタフェース1700、MPU1701、RAM1703間のデータ転送制御も行う。1710は記録ヘッド3を搬送するためのキャリッジモータ、1709は記録紙を搬送するための搬送モータである。1705は記録ヘッド3を駆動するヘッドドライバ、1706〜1707はそれぞれ搬送モータ1709、キャリッジモータ1710を駆動するためのモータドライバである。
上記制御構成の動作を説明すると、インタフェース1700に画像データが入力されるとゲートアレイ1704とMPU1701との間で記録信号が記録データ信号に変換される。そして、モータドライバ1706、1707が駆動されると共に、ヘッドドライバ1705に送られた記録データ信号に従って記録ヘッド3が駆動され、記録が行われる。
記録ヘッド3は、複数の電気熱変換体(ヒータ)を有し、記録に用いる画像データに対応して電気熱変換体に選択的に電流を通電することにより吐出エネルギーを発生させて、そのエネルギーによりインクを吐出する。そして、記録ヘッド3は1サイクルで画像データの転送入力を完了させ、さらにブロックラッチ信号を入力することにより、ヒータを分割駆動制御を行う駆動回路を備えている。
図3は記録ヘッドの構成を示す部分破断斜視図である。
図3に示されるように、記録ヘッド3は通電に応じて発熱し、インクに発泡を生じさせてインク吐出を行わせるためのN個の1−n(n=1〜N)電気熱変換体として作用する発熱抵抗体が配線と共に基板20上に半導体製造工程を経て形成されている。また、発熱抵抗体1−nに対応して吐出口22およびこれに連通した液路23を形成するための液路形成部材25が備えられ、その上部に天板26が設けられる。さらに、各液路23の後部には共通液室24は形成され、インクタンクから供給されたインクを貯留する。
図4は図3に示した記録ヘッド3に含まれるヘッド駆動回路の構成を示す図である。このヘッド駆動回路は半導体製造工程を用いて基板(素子基板)20上に形成される。
最初に記録データ供給部130(破線)について説明する。
記録データ供給部130(破線)はMビットシフトレジスタ104とラッチ回路103とにより形成される。Mビットシフトレジスタ104は転送クロックDCLKに同期して記録データIDATAを格納する。ラッチ回路103はデータラッチ信号LATCH−Pに応答して、Mビットシフトレジスタ104の同一ビットデータ(Mビットデータ)を一時的に保持する。
次に記録ブロック選択部150(破線)について説明する。
記録ブロック選択部(破線)150はLビットシフトレジスタ106とラッチ回路105とにより形成される。Lビットシフトレジスタ106は転送クロックDCLKに同期してブロックデータBDATAを格納する。ラッチ回路105は入力されるデータラッチ信号LATCH−Pに応答して、Lビットシフトレジスタ106の同一ビットデータ(L(=4)ビットデータ)を一時的に保持する。
ANDゲート群102はN個のANDゲート102−1、102−2、……、102−Nから形成される。ANDゲート102−1〜Nには記録ブロック選択部150からのブロック選択信号BE−0〜3のうちのいずれか1つと、記録データ供給部130からの記録ドットに対応する記録データ選択信号HD1〜Mと、通電時間選択信号HPとが入力される。ANDゲート102−1〜Nの各出力は、当該ANDゲートに対応するスイッチングトランジスタTr1〜Nをオン/オフさせる。そして、オンさせたトランジスタTr1〜Nに対応するヒータ{0seg、1seg、……、(L×M)−1seg}が加熱されてインク液滴が吐出される。
図5はヘッド駆動回路とヘッド制御回路との関係を示すブロック図である。
ヘッド駆動回路は記録ヘッド3から吐出されるマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロ(Y)、ブラック(K)のインクに対応して同じ構成の回路が4つ設けられる。従って、図5に示されるように、4つのヘッド駆動回路3K、3C、3M、3Yは記録装置の本体部側に設けられたヘッド制御回路(ヘッドドライバ)1705に接続され、ヘッド制御回路によりその動作が制御される。
さて、ヘッド駆動回路によりブロック時分割駆動を行う際には、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロの各インク毎に設けられたBK、C、M、Yヘッド駆動回路毎に、Aビットカウンタ回路107とヒートパルス発生回路108とを動作させる。即ち、Aビットカウンタ回路107はデータラッチ信号LATCH−Pをカウントしたカウント信号COUNT0〜2Aを出力する。ヒートパルス発生回路108は記録装置本体部から入力した通電時間指定信号HCとカウント信号COUNT0〜2Aを入力して、そのカウント信号に対応したヒートパルス信号HPを生成する。
また、この実施例では、ブロックデータBDATAをシリアルデータで駆動ブロック指定用のLビットシフトレジスタ106で受け取り、Lビットシフトレジスタ106からの出力をブロックデータラッチ回路105に保持する。このため、Lビットシフトレジスタ106に入力するデータを変えることでブロック駆動順を変えることができる。
なお、図5には、各インク色毎に設けられたBK、C、M、Yヘッド駆動回路3K、3C、3M、3Yに入力される信号線として、記録データIDATA、ブロックデータBDATA、通電時間指定信号HCに、−BK、−C、−M、−Yを付して示している。
次に、ヘッド駆動回路の動作について説明する。
図6はヘッド駆動回路の動作に関係する各信号のタイムチャートである。
なお、図6では各色毎の信号として識別していないが、各色毎に設けられたヘッド駆動回路は、それぞれ各色毎に生成される信号により動作するものとする。また、この例では記録ヘッドの複数の記録素子を配列して構成される記録素子列(ノズル列)4つのブロックに分割して時分割駆動する例について説明している。
まず、時間区間S1ではMビットの記録データIDATAとLビットのブロックデータBDATAは、転送クロックDCLKに同期して、シフトレジスタ106、シフトレジスタ104に順番に読み込まれる。
そして、ヘッド制御回路1705は、記録データIDATAとブロックデータBDATAの転送が完了すると、時間区間S2のタイミングでデータラッチ信号LATCH−Pを出力する。これに応じて、各インクの対応するヘッド駆動回路は、最初のブロックの記録データをラッチ回路103に、最初のブロックのブロックデータをラッチ回路105に保持する。このタイミングで最初のブロックに属する記録素子を駆動するためのヒートイネーブル信号BE−0がラッチ回路105から出力される。
ヘッド制御回路1705はデータラッチ信号LATCH−Pを出力すると、時間区間S3では次の駆動ブロックの転送を開始する。これにより、次の駆動ブロックのMビットの記録データIDATAとLビットのブロックデータBDATAが転送クロックDCLKに同期して、ヘッド駆動回路のシフトレジスタ106、シフトレジスタ104に順番に読み込まれる。ヒートイネーブル信号BE−0は時間区間S3の終わりまで出力される。
ヘッド制御回路1705は、最初のブロックの駆動時間が終了すると、時間区間S4ではデータラッチ信号LATCH−Pを出力し、次のブロックへの駆動の切り替えを行う。時間区間S4では、第2のブロックのブロックデータをラッチ回路105に保持するタイミングで次のブロックに属する記録素子を駆動するためのヒートイネーブル信号BE−1がラッチ回路105から出力される。
このようにして最後のブロックの駆動時間が終了するまで、時間区間S5〜S9で繰り返し記録データとブロックデータの転送が行われる。同様に、時間区間S6、S8のタイミングでそれぞれ、第3のブロック、第4のブロックに属する記録素子を駆動するためのヒートイネーブル信号BE−2、BE−3がラッチ回路105から出力される。
このようにして、図6に示したように、データラッチ信号LATCH−Pの入力に対応して、ブロック時分割駆動を実現している。
一方、図4に示す構成によれば、Aビットカウンタ回路107はデータラッチ信号LATCH−Pを計数し、カウント値2A+1まで計数してCOUNT0〜4を出力することができる。このため、ヒートパルス発生回路108は、(2A+1)通りのヒートパルス信号を生成することができる。ここでは、A=2として、5通りのヒートパルス信号HP1〜HP5が生成されるとする。
図6からも分かるように、基準となる所定のパルス幅の通電時間指定信号HCをヒートパルス発生回路108は入力し、カウント信号COUNT0〜2Aに応じて異なるパルス幅のヒートパルス信号を生成する。
ヒートパルス信号HP1〜HP5は図6に示されているように、そのパルス幅が異なるので、たとえ、同じ記録素子が駆動される場合でも異なるヒートパルス信号が投入されるとその記録素子(ノズル)から吐出されるインク量が変化する。
図7は記録ヘッドの記録素子を時分割駆動する際に用いるヒートパルスの長さとヘッド駆動回路で生成されるヒートパルスを示す図である。ここでは、4セグメント(seg)単位で4ブロック時分割駆動を行うとして、1〜5カラム目までの記録を行うとして説明する。また、ヒートパルス信号はそのパルス幅が異なる5つのヒートパルス信号HP1〜HP5が用いられる。具体的には、N個の記録素子(セグメント)を配列して形成される記録素子列において、連続する4つずつの記録素子が1つのグループを構成し各グループ内の記録素子に対しては、異なるパルス幅のヒートパルス信号が与えられるようにする。
図7において、記録されるドットは“○”で示されており、その中の数値はヒートパルス信号HPi(i=1〜5)を特定する数値である。また、図7における時分割駆動の駆動順番は図9にしめしたそれと同じである。
図7と図9によれば、最初の連続する4つのセグメント(1グループ)を例にとれば、1カラム目は時分割駆動としては0seg→2seg→1seg→3segの順に駆動されインク吐出がなされる。一方、その順に合わせて用いられるヒートパルス信号はHP1→HP2→HP3→HP4となる。このように駆動順にヒートパルス幅が変化する。2カラム目も0seg→2seg→1seg→3segの順に駆動されインク吐出がなされるが、その順に合わせて用いられるヒートパルス信号はHP5→HP1→HP2→HP3となり、駆動順にヒートパルス幅が変化する。
また3カラム目は0seg→2seg→1seg→3segの順に駆動されインク吐出がなされるが、その順に合わせて用いられるヒートパルス信号はHP4→HP5→HP1→HP2となり、駆動順にヒートパルス幅が変化する。さらに4カラム目は0seg→2seg→1seg→3segの順に駆動されインク吐出がなされるが、その順に合わせて用いられるヒートパルス信号はHP3→HP4→HP5→HP1となり、駆動順にヒートパルス幅が変化する。またさらに、5カラム目は0seg→2seg→1seg→3segの順に駆動されインク吐出がなされるが、その順に合わせて用いられるヒートパルス信号はHP2→HP3→HP4→HP5となり、駆動順にヒートパルス幅が変化する。
このため図7に示すように4時分割駆動でパルス幅の異なる5つのヒートパルス信号を用いる場合、同じ記録素子(セグメント:seg)が連続する5カラムの記録ではインク吐出量が異なるように制御される。
このようにブロック時分割駆動数よりも多い数でヒートパルス信号のパルス幅を変化させることで、時分割駆動において同じブロック駆動順番となる同じ記録素子に対して複数カラムにわたり異なるパルス幅のヒートパルス信号が供給される。これにより、同じブロック駆動順番となる同じ記録素子からのインク吐出量を異なる記録カラムでは変化させることができる。
従って以上説明した実施例に従えば、記録ヘッドを時分割駆動する場合にブロック分割駆動数よりもヒートパルス信号のパルス幅の変化の数を多くすることにより、隣接するノズルから吐出されるインク量を変化させることができる。このようにして隣接するノズルからのインク吐出量が分散され、記録ヘッドの基板製造上のばらつきが原因となるインク吐出量の変化を目立たないようにすることができる。
なお、図4に示した構成のヘッド駆動回路において、Aビットカウンタ回路107とヒートパルス発生回路108と、生成されたヒートパルス信号を記録ヘッドに出力する出力回路とを記録装置本体部側のヘッド制御回路に備えても良い。
また、以上説明した実施例では、ブロック分割駆動数を“4”とした例について説明したがこれを“8”、“16”、“32”などとしても良い。この場合には、例えば、異なるパルス幅のヒートパルス信号の数を、“5”、“17”、“32”などとすることができる。
なお、以上の実施例において、記録ヘッドから吐出される液滴はインクであるとして説明し、さらにインクタンクに収容される液体はインクであるとして説明したが、その収容物はインクに限定されるものではない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対して吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容されていてもよい。
また、以上説明した実施例で用いた記録装置は単機能の装置であったが本発明はこれによって限定されるものではない。例えば、スキャナ機能や複写機能やファクシミリ機能などを搭載した多機能プリンタ装置(MFP)を用いても良い。
1−1〜n 発熱抵抗体(ヒータ)、3 記録ヘッド、
102−1〜n ANDゲート、103 Mビットラッチ、
104 Mビットシフトレジスタ、105 Lビットラッチ、
106 Lビットシフトレジスタ、107 Aビットカウンタ回路、
108 ヒートパルス発生回路、20 基板(素子基板)
102−1〜n ANDゲート、103 Mビットラッチ、
104 Mビットシフトレジスタ、105 Lビットラッチ、
106 Lビットシフトレジスタ、107 Aビットカウンタ回路、
108 ヒートパルス発生回路、20 基板(素子基板)
Claims (10)
- 複数の記録素子を配列して構成する記録素子列と、
前記複数の記録素子により記録を行わせるための記録データと前記複数の記録素子を時分割駆動するためのブロックを選択するブロックデータを入力するシフトレジスタと、
入力されるラッチ信号に従って前記ブロックデータをラッチする第1のラッチ回路と、
前記ラッチ信号に従って前記記録データをラッチする第2のラッチ回路と、
前記記録データと、前記ブロックデータと、前記ラッチ信号のパルスをカウントして得られるカウント信号と前記複数の記録素子を駆動するための基準となるパルス幅をもった通電時間指定信号とに基づいて生成される異なるパルス幅の複数のヒートパルス信号のいずれかとに基づいて、前記複数の記録素子を駆動する駆動回路とを有し、
前記時分割駆動における分割駆動数より前記複数のヒートパルス信号の数は多いことを特徴とする記録ヘッド。 - 前記ラッチ信号のパルスをカウントするカウンタ回路と、
前記カウンタ回路から出力される前記カウント信号と前記通電時間指定信号とに基づいて、異なるパルス幅の前記複数のヒートパルス信号を生成するヒートパルス発生回路とをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド。 - 前記複数の記録素子は、それぞれが前記分割駆動数、連続する複数の記録素子からなるグループへと分割され、該グループに含まれる前記連続する複数の記録素子においては、前記時分割駆動の駆動順に従って異なるパルス幅のヒートパルス信号が用いられることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録ヘッド。
- 同じ駆動順で駆動される同じ記録素子に対しては隣接するカラムにわたり異なるパルス幅のヒートパルス信号が用いられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の記録ヘッド。
- 前記記録素子列と、前記シフトレジスタと、前記第1のラッチ回路と、前記第2のラッチ回路と、前記駆動回路とは素子基板に形成されることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の記録ヘッド。
- 前記カウンタ回路と前記ヒートパルス発生回路もさらに前記素子基板に形成されることを特徴とする請求項5に記載の記録ヘッド。
- 前記記録ヘッドはインクジェット記録ヘッドであり、
前記複数の記録素子はそれぞれ、
インクを吐出する吐出口と、
前記インクに熱エネルギーを付与する電気熱変換体とを含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の記録ヘッド。 - 前記インクは、マゼンタ、シアン、イエロ、ブラックのインクを含み、
複数のインクに対応して前記素子基板は備えられることを特徴とする請求項7に記載の記録ヘッド。 - 請求項2乃至8のいずれか1項に記載の記録ヘッドを用いた記録装置。
- 請求項1に記載の記録ヘッドを用いた記録装置であって、
前記ラッチ信号のパルスをカウントするカウンタ回路と、
前記カウンタ回路から出力される前記カウント信号と前記通電時間指定信号とに基づいて、異なるパルス幅の前記複数のヒートパルス信号を生成するヒートパルス発生回路と、
前記異なるパルス幅のヒートパルス信号を出力する出力回路とを有することを特徴とする記録装置。
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2015
- 2015-07-02 JP JP2015133917A patent/JP2017013409A/ja active Pending
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