JP2017012420A - 医療用液体収納容器体、薬剤充填済み医療用容器、医療用液体収納容器体の製造方法および薬剤充填済み医療用容器の製造方法 - Google Patents

医療用液体収納容器体、薬剤充填済み医療用容器、医療用液体収納容器体の製造方法および薬剤充填済み医療用容器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】薄肉であっても十分な強度を有し、かつ、つぶれやすく、排液速度の低下も少ない医療用液体収納容器体を提供する。
【解決手段】医療用液体収納容器体は、プロピレン系樹脂組成物の延伸ブロー形成物であり、かつ、扁平形状の筒状胴部を有する。プロピレン系樹脂組成物は、所定の条件を満たすプロピレン−エチレンランダム共重合体(A)28〜48重量%、所定の条件を満たすプロピレン−エチレンランダムブロック共重合体(B)20〜40重量%、所定の条件を満たすエチレン−α−オレフィン共重合体成分(C)10〜30重量%、ホモポリプロピレン(D)5〜20重量%、SEBS[ポリスチレン−ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック−ポリスチレン共重合体](E)0.5〜5重量%からなるものである。
【選択図】図7

Description

本発明は、医療用液体収納容器体、薬剤充填済み医療用容器、医療用液体収納容器体の製造方法および薬剤充填済み医療用容器の製造方法に関する。
医療用容器、例えば、輸液用容器としては、2枚もしくは筒状のシートを貼り合わせて作製したもの、筒状のパリソンをブロー成形することにより作製したもの、有底筒状のプリフォームをブロー成形により扁平筒状の立体形状を有するように作製したものなど各種のものがある。
2枚もしくは筒状のシートを貼り合わせて作製したものとしては、特開2010−229256(特許文献1)がある。ブロー成形による医療用容器としては、特許第3013200号公報(特許文献2)のものがある。特許文献2の薬液用プラスチック容器は、胴部と、胴部の上端及び下端に連なる上方肩側部及び下方肩側部と、上方肩側部を介して形成した吊具と、下方肩側部を介して形成した口部からなり、円周方向で平坦面と側端面とにより略楕円形状を構成するブロー成形した合成樹脂製の薬液用プラスチック容器において、容器は引張弾性率が100〜4000Kg/cmの合成樹脂にて構成し、側端面を薄肉に形成し、且つ、上方肩側部から胴部上端近傍にかけての平坦面と下方肩側部から胴部下端近傍にかけての平坦面とを厚肉に形成し、胴部の上下方向中央部の平坦面を薄肉に形成したものとなっており、この構成によって容器内に空気を供給することなく投与を行うことができる所謂自然滴下タイプの容器となるとしている。
特開2010−229256号公報 特許3013200号公報 特開2011−79243号
複室の医療用容器としては、特許文献1のようなシートからなるものであり、立体的形状にはなりにくいが、剥離可能な仕切部を形成することができ、複室容器には有効である。また、単室の医療用容器においては、ブロー成形による容器の方が、立体的形状に形成しやすく、容器として良好である。ブロー成形による容器の製造は、例えば、特開2011−79243号(特許文献3)にあるように、樹脂製の有底筒状プリフォームを作製し、このプリフォームを加熱し、軸方向に引き延ばし、かつ、内部にエアーを吹き込むことにより、径方向にも延伸することにより製造することが、良好な性状の容器を形成する点より望ましい。
しかし、上記のようなブロー成形を検討したところ、扁平筒状の立体状に容器形成した場合において、薄肉に形成すると、落下強度が低くなること、ある程度の肉厚に容器形成した場合、外気を導入する通気針を使用しない自然落下法による薬液投与時につぶれにくく、排液速度低下が生じること本発明者が知見した。また、特許文献3のように、肩側部の形態の工夫では過剰な薄肉化を抑制することは困難であった。また、特許文献2のような内側に凹部を形成する平坦部を設けることは、容器体の容量を減少させるものであり、容器体の大型化を招き、望ましいものではなない。
そこで、本発明者は、ブロー成形を用いて容器を形成するものとし、容器形成用樹脂について鋭意検討し、特定の樹脂を用いて、ブロー成形により容器を作成することにより、薄肉であっても十分な強度を有し、かつ、排液に伴ってつぶれやすく、排液速度の低下も少ない容器となることを知見した。
本発明の目的は、薄肉であっても十分な強度を有し、かつ、つぶれやすく、排液速度の低下も少ない医療用液体収納容器体、薬剤充填済み医療用容器、医療用液体収納容器体の製造方法および薬剤充填済み医療用容器の製造方法を提供するものである。
上記目的を達成するものは以下のものである。
(1) プロピレン系樹脂組成物の延伸ブロー形成物であり、かつ、扁平形状の筒状胴部と筒状の排出部とを有する医療用液体収納容器体であって、
前記プロピレン系樹脂組成物は、条件(A−i)〜(A−iii)を満たすプロピレン−エチレンランダム共重合体(A)28〜48重量%、条件(B−i)〜(B−iii)を満たすプロピレン−エチレンランダムブロック共重合体(B)20〜40重量%、条件(C−i)〜(C−ii)を満たすエチレン−α−オレフィン共重合体成分(C)10〜30重量%、ホモポリプロピレン(D)5〜20重量%、SEBS[ポリスチレン−ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック−ポリスチレン共重合体](E)0.5〜5重量%からなる医療用液体収納容器体。
・前記プロピレン−エチレンランダム共重合体(A)の条件(A−i)〜(A−iii)
(A−i)メタロセン系触媒を用いて製造されたプロピレン−エチレンランダム共重合体であること
(A−ii)温度230℃、荷重が2.16kgの条件で測定したメルトフローレート1〜30g/10分であること
(A−iii)エチレン含有量が1〜6重量%であること
・前記プロピレン−エチレンランダムブロック共重合体(B)の条件(B−i)〜(B−iii)
(B−i)メタロセン系触媒を用いて、第1工程でDSC測定における融解ピーク温度が125〜135℃、エチレン含量が1.5〜3.0重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B1)を50〜60重量%、第2工程でエチレン含有量が8〜14重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B2)を50〜40重量%逐次重合することで得られたプロピレン−エチレンランダムブロック共重合体であること
(B−ii)メルトフローレート(JIS K7210 A法 条件M、230℃ 2.16kg)が4〜10g/10minの範囲にあること
(B−iii)固体粘弾性測定により得られる温度−損失正接(tanδ)曲線において、−60〜20℃の範囲において観測されるガラス転移を表す温度−損失正接(tanδ)曲線が単一のピークを持ち、かつ前記単一のピークであるガラス転移温度が0℃以下であること
・前記エチレン−α−オレフィン共重合体成分(C)の条件(C−i)〜(C−ii)
(C−i)温度が190℃、荷重が2.16kgの条件で測定したメルトフローレートが0.1〜50g/10分であること
(C−ii)密度が0.899〜0.930g/cmであること
(2) 前記医療用液体収納容器体は、前記プロピレン系樹脂組成物により形成されたプリフォームを二軸延伸ブローすることにより成形されたものである上記(1)に記載の医療用液体収納容器体。
(3) 前記扁平形状の筒状胴部は、向かい合う2つの胴部平坦部と、前記2つの胴部平坦部を接続し、かつ湾曲した2つの胴部側部とを備え、前記胴部側部の肉厚は、前記胴部平坦部の肉厚より薄いものとなっている上記(1)または(2)に記載の医療用液体収納容器体。
(4) 前記筒状胴部は、水平断面において厚み方向となる短軸Sと幅方向となる長軸Lとを有する扁平形状となっており、かつ、短軸Sの長さと長軸Lの長さの比は、1:1.5〜5となっている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の医療用液体収納容器体。
(5) 前記医療用液体収納容器体は、下端に開口部を有する筒状の前記排出部と、前記排出部と連続し、かつ上方に延びる筒状下部と、前記筒状下部と連続し、かつ上方に延びる前記筒状胴部と、前記筒状胴部と連続し、かつ上方に延びる筒状上部とを備え、かつ前記筒状下部、前記筒状胴部および前記筒状上部は、水平断面において長軸と短軸とを有する扁平形状を有している上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の医療用液体収納容器体。
(6) 前記容器体は、前記筒状上部の前記長軸の両端に設けられた2つの肩側部を備え、前記胴部側部は、前記肩側部と連続し、かつ下方に延びている上記(5)に記載の医療用液体収納容器体。
(7) 前記容器体は、上端部に吊下用部材装着部もしくは吊下可能部を備えている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の医療用液体収納容器体。
また、上記目的を達成するものは以下のものである。
(8) 上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の医療用液体収納容器体と、前記排出部の前記開口部を封止するとともに、薬剤排出用針の接続が可能な排出ポートと、前記医療用液体収納容器体内に充填された薬剤とを備える薬剤充填済み医療用容器。
また、上記目的を達成するものは以下のものである。
(9) プロピレン系樹脂組成物の延伸ブロー形成物であり、かつ、扁平形状の筒状胴部と筒状の排出部とを有する医療用液体収納容器体の製造方法であって、
前記プロピレン系樹脂組成物は、条件(A−i)〜(A−iii)を満たすプロピレン−エチレンランダム共重合体(A)28〜48重量%、条件(B−i)〜(B−iii)を満たすプロピレン−エチレンランダムブロック共重合体(B)20〜40重量%、条件(C−i)〜(C−ii)を満たすエチレン−α−オレフィン共重合体成分(C)10〜30重量%、ホモポリプロピレン(D)5〜20重量%、SEBS[ポリスチレン−ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック−ポリスチレン共重合体](E)0.5〜5重量%からなるプロピレン系樹脂組成物を射出成形することにより筒状プリフォームを準備するプリフォーム準備工程と、
・前記プロピレン−エチレンランダム共重合体(A)の条件(A−i)〜(A−iii)
(A−i)メタロセン系触媒を用いて製造されたプロピレン−エチレンランダム共重合体であること
(A−ii)温度230℃、荷重が2.16kgの条件で測定したメルトフローレート1〜30g/10分であること
(A−iii)エチレン含有量が1〜6重量%であること
・前記プロピレン−エチレンランダムブロック共重合体(B)の条件(B−i)〜(B−iii)
(B−i)メタロセン系触媒を用いて、第1工程でDSC測定における融解ピーク温度が125〜135℃、エチレン含量が1.5〜3.0重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B1)を50〜60重量%、第2工程でエチレン含有量が8〜14重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B2)を50〜40重量%逐次重合することで得られたプロピレン−エチレンランダムブロック共重合体であること
(B−ii)メルトフローレート(JIS K7210 A法 条件M、230℃ 2.16kg)が4〜10g/10minの範囲にあること
(B−iii)固体粘弾性測定により得られる温度−損失正接(tanδ)曲線において、−60〜20℃の範囲において観測されるガラス転移を表す温度−損失正接(tanδ)曲線が単一のピークを持ち、かつ前記単一のピークであるガラス転移温度が0℃以下であること
・前記エチレン−α−オレフィン共重合体成分(C)の条件(C−i)〜(C−ii)
(C−i)温度が190℃、荷重が2.16kgの条件で測定したメルトフローレートが0.1〜50g/10分であること
(C−ii)密度が0.899〜0.930g/cmであること
前記扁平形状の筒状胴部を形成するための筒状胴部形成部を有する成形型を準備する成形型準備工程と、
前記成形型内に、前記筒状プリフォームの加熱物を配置する加熱筒状プリフォーム配置工程と、
前記加熱筒状プリフォームを軸方向に延伸する軸延伸と前記筒状プリフォーム内に空気を送り込む拡張延伸とを行い延伸物を形成し、かつ、前記延伸物を前記成形型の内面に当接させて前記容器体を成形する延伸成形工程とを行う医療用液体収納容器体の製造方法。
また、上記目的を達成するものは以下のものである。
(10) 薬剤充填済み医療用容器の製造方法であって、上記(9)に記載の医療用液体収納容器体の製造方法により医療用液体収納容器体を製造する医療用液体収納容器体製造工程と、前記容器体内に前記薬剤を充填する薬剤工程と、前記容器体の前記排出部の開口部を薬剤排出用針が接続可能な封止部材にて封止する排出ポート形成工程とを行う薬剤充填済み医療用容器の製造方法。
本発明の医療用液体収納容器体は、プロピレン系樹脂組成物の延伸ブロー形成物であり、かつ、扁平形状の筒状胴部を有する。プロピレン系樹脂組成物は、条件(A−i)〜(A−iii)を満たすプロピレン−エチレンランダム共重合体(A)28〜48重量%、条件(B−i)〜(B−iii)を満たすプロピレン−エチレンランダムブロック共重合体(B)20〜40重量%、条件(C−i)〜(C−iii)を満たすエチレン−α−オレフィン共重合体成分(C)10〜30重量%、ホモポリプロピレン(D)5〜20重量%、SEBS[ポリスチレン−ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック−ポリスチレン共重合体](E)0.5〜5重量%からなるものである。
・前記プロピレン−エチレンランダム共重合体(A)の条件(A−i)〜(A−iii)
(A−i)メタロセン系触媒を用いて製造されたプロピレン−エチレンランダム共重合体であること
(A−ii)温度230℃、荷重が2.16kgの条件で測定したメルトフローレート1〜30g/10分であること
(A−iii)エチレン含有量が1〜6重量%であること
・前記プロピレン−エチレンランダムブロック共重合体(B)の条件(B−i)〜(B−iii)
(B−i)メタロセン系触媒を用いて、第1工程でDSC測定における融解ピーク温度が125〜135℃、エチレン含量が1.5〜3.0重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B1)を50〜60重量%、第2工程でエチレン含有量が8〜14重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B2)を50〜40重量%逐次重合することで得られたプロピレン−エチレンランダムブロック共重合体であること
(B−ii)メルトフローレート(JIS K7210 A法 条件M、230℃ 2.16kg)が4〜10g/10minの範囲にあること
(B−iii)固体粘弾性測定により得られる温度−損失正接(tanδ)曲線において、−60〜20℃の範囲において観測されるガラス転移を表す温度−損失正接(tanδ)曲線が単一のピークを持ち、かつ前記単一のピークである
ガラス転移温度が0℃以下であること
・前記エチレン−α−オレフィン共重合体成分(C)の条件(C−i)〜(C−ii)
(C−i)温度が190℃、荷重が2.16kgの条件で測定したメルトフローレートが0.1〜50g/10分であること
(C−ii)密度が0.899〜0.930g/cmであること
本発明の医療用液体収納容器体は、上記のプロピレン系樹脂組成物の延伸ブロー形成物であり、かつ、扁平形状の筒状胴部を有するため、薄肉に形成しても、十分な強度を有し、かつ、通気針を使わない自然落下法による投与時に排液に対応して容器体がつぶれるため、薬液投与時における排液速度の低下も少ない。
図1は、本発明の医療用液体収納容器体を用いた薬剤充填済み医療用容器の一実施例の正面図である。 図2は、図1に示した薬剤充填済み容器体の左側面図である。 図3は、図1に示した薬剤充填済み容器体の平面図である。 図4は、図1のA−A線断面図である。 図5は、図2のB−B線断面図である。 図6は、図1のC−C線断面図である。 図7は、本発明の医療用液体収納容器体の一実施例の正面図である。 図8は、本発明の医療用液体収納容器体の製造方法を説明するための説明図である。 図9は、本発明の医療用液体収納容器体の製造方法を説明するための説明図である。 図10は、本発明の医療用液体収納容器体の製造方法を説明するための説明図である。
本発明の医療用液体収納容器体および薬剤充填済み医療用容器を図面に示す実施例を用いて説明する。
本発明の薬剤充填済み医療用容器10は、医療用液体収納容器体1と、容器体1の排出部21の開口部を封止するとともに、薬剤排出用針の接続が可能な排出ポート3と、医療用液体収納容器体1内に充填された薬剤7とを備える。なお、薬剤7に他の薬剤を混注する場合は、排出ポート3に薬剤混注用針が接続される。
また、本発明の医療用液体収納容器体1は、プロピレン系樹脂組成物の延伸ブロー形成物であり、かつ、扁平形状の筒状胴部を有する。プロピレン系樹脂組成物は、条件(A−i)〜(A−iii)を満たすプロピレン−エチレンランダム共重合体(A)28〜48重量%、条件(B−i)〜(B−iii)を満たすプロピレン−エチレンランダムブロック共重合体(B)20〜40重量%、条件(C−i)〜(C−ii)を満たすエチレン−α−オレフィン共重合体成分(C)10〜30重量%、ホモポリプロピレン(D)5〜20重量%、SEBS[ポリスチレン−ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック−ポリスチレン共重合体](E)0.5〜5重量%からなるものである。
このようなプロピレン系樹脂組成物を用いることにより、プリフォームを良好に射出成形により形成でき、かつ、プリフォームを用いた二軸延伸ブロー成形による扁平形状の筒状胴部を有する容器体の形成も容易である。そして、形成された医療用液体収納容器体は、薄肉に形成しても、十分な強度を有し、かつ、薬液投与時における排液速度の低下も少ない。
また、図示する実施例の医療用液体収納容器体1は、射出成形された樹脂製の筒状プリフォームを二軸延伸ブローすることにより成形されている。また、この実施例の医療用液体収納容器体1は、下端に開口部を有する筒状の排出部21と、排出部21と連続し、かつ上方に延びる筒状下部(扁平筒状下部)22と、筒状下部と連続し、かつ上方に延びる筒状胴部(扁平筒状胴部)23と、筒状胴部と連続し、かつ上方に延びる筒状上部(扁平筒状上部)24とを備え、かつ筒状下部、筒状胴部および筒状上部は、水平断面において長軸と短軸とを有する扁平形状を有する。
そして、この実施例の医療用液体収納容器体1では、図1ないし図5に示すように、容器体1の上面部に、回動可能に取り付けられた吊下用部材4を備えている。
容器体1は、図1ないし図7に示すように、扁平状の外形を有し、内部に薬剤収納室20を有する扁平筒状体である。
容器体1は、射出成形された樹脂製の筒状プリフォームを二軸延伸ブローすることにより成形されている。二軸延伸ブロー成形は、試験管状のプリフォームを成形し、このプリフォームを成形樹脂のガラス転移点(Tg)以上の温度にて延伸ブロー成形する成形法である。射出成形されたPFの熱履歴の違いにより、大きく分けてホットパリソン法およびコールドパリソン法の2つに分類される。
ホットパリソン法とは、プリフォームが完全に冷却しない状態で温調工程に移し、その後に延伸ブロー成形を行う方法であり、プリフォーム射出成形と延伸ブロー成形とが連続的に同じ成形機で行われる。一方、コールドパリソン法とは、プリフォームを作製した後、一度室温まで冷却し延伸ブロー成形機で再加熱し延伸ブロー成形を行う方法である。コールドパリソン法、ホットパリソン法のいずれを用いるものであってもよいが、コールドパリソン法は、リフォームを予め成形し保管することが出来るため生産性の点において有利である。
従来の輸液バッグ等の医療用液体収納容器では、ホットパリソン法およびコールドパリソン法のいずれの延伸ブロー成形方法を用いて作成しても、程度の差はあるものの延伸ブロー成形時に生じた応力を保有化する。そして、成形後にオートクレーブ滅菌等によって一定以上の熱が加えられた場合に、応力が解放し、容器体の変形、収縮等容積変化が生じることがある。これを解消するためには、ヒートセットが有効であり、成形後にオートクレーブ滅菌を行う場合においては、このヒートセットが行われていた。しかし、本発明の容器では、上述した構成を備えることにより、ヒートセットしなくとも、オートクレーブ滅菌後の変形や容積変化を十分に小さいものとすることができた。
容器体1は、下端に開口部を有するほぼ円筒状の排出部21と、この円筒状排出部21より上方に位置する扁平形状の筒状胴部23を備える。扁平形状の筒状胴部23は、向かい合う2つの胴部平坦部23a、23b(図に加入します)と、2つの胴部平坦部を接続し、かつ湾曲した2つの胴部側部26a,26bとを備え、胴部側部26a,26bの肉厚は、胴部平坦部23a、23bの肉厚より薄いものとなっている。
具体的には、この容器体1は、円筒状排出部21と連続し、かつ上方に延びる扁平筒状下部22と、筒状下部22と連続し、かつ上方に延びる扁平筒状胴部23と、筒状胴部23と連続し、かつ上方に延びる扁平筒状上部24とを備える。そして、図6に示すように、筒状胴部23は、水平断面において長軸Lと短軸Sとを有する扁平形状となっている。同様に、筒状下部22、筒状上部24も水平断面において長軸Lと短軸Sとを有する扁平形状となっている。
そして、筒状胴部23における短軸Sの長さと長軸Lの長さの比は、1:1.5〜5であることが好ましい。特に、1:2〜4が好ましい。
円筒状排出部21は、ほぼ同一内径にて所定長延びる筒状部であり、また、非延伸部であり、筒状プリフォームの形成形態を維持している。このため、容器体1の下端部は、非延伸部となっている。また、排出部21は、下端開口と、ポート部材接合用のフランジ21aとフランジ21aより上方に形成された補強用フランジ21bを備えている。
また、容器体1は、閉塞した上面部28を有しており、この上面部28には、上方に突出する突出部29が形成されている。突出部29は、吊下用部材4の装着保持部として機能する。
容器体1は、排出部21と連続し、かつ上方に延びる扁平筒状下部22を備えている。扁平筒状下部22は、図1ないし図7に示すように、下端部(排出部の上端)では、ほぼ円筒形であるものが、上方に向かって幅が急激に広がるとともに、厚さも徐々に広くなるように形成されている。このため、扁平筒状下部22は、上方に向かって長軸長が急激に長くなる方向に変化し、短軸長も徐々に長くなる方向に変化している。しかし、長軸長の変化量が、短軸長の変化量よりかなり多いため、変形筒状下部22は、下端から上端に向かって、急激に扁平化が進行するものとなっている。
そして、容器体1は、扁平筒状下部22の長軸側の両端部に設けられた2つの下部側部27a,27bを備えている。2つの下部側部27a,27bは、排出部21に向かって急激に近接するものとなっている。また、下部側部27a,27bは、外方に向かって略円弧状に突出する湾曲部となっている。
さらに、容器体1は、筒状下部22の長軸側(長軸を挟んで対向する)の正面および裏面にそれぞれ設けられた下部中央部22a、22bを備え、下部中央部は、下端から上端に向かって肉厚が徐々に薄くなっている。
また、容器体1は、扁平筒状下部22の上端と連続し、かつ上方に延びる扁平筒状胴部23を備える。また、扁平筒状胴部23は、下部側部27a,27bの上端と連続し、上方にのびる2つの胴部側部26a,26bを備えている。胴部側部26a,26bは、外方に向かって略円弧状に突出する湾曲部となっている。扁平筒状胴部23は、図7に示す中央部位52がもっと長軸長が長い(幅が広い)最長長軸部位となっている。なお、扁平筒状胴部23は、所定長軸方向に延びるものの長軸長(幅)および短軸長(厚さ)の変化が少ないものとなっている。
また、容器体1は、扁平筒状胴部23の上端と連続し、かつ上方に延びる扁平筒状上部24を備える。また、扁平筒状上部24は扁平筒状上部24の長軸の両端に設けられた2つの肩側部25a,25bと連続し、肩側部25a,25bは胴部側部26a,26bの上端と連続し、閉塞した上面部28まで延びるものとなっている。扁平筒状上部24は、図1ないし図7に示すように、上方(上面部28)に向かって幅が減少するとともに、厚さも徐々に薄くなるように形成されている。このため、扁平筒状上部24は、上方に向かって長軸長、短軸長ともに減少方向に変化している。肩側部25a,25bは、外方に向かって略円弧状に突出する湾曲部となっている。
そして、容器体1は、長軸の両端に位置する長軸部位が、容器体の上下方向の中心軸から容器体の外縁までの距離の最大値部位となっている。具体的には、筒状胴部23は、水平断面において長軸Lと短軸Sとを有する扁平形状となっており、かつ、図6に示すように、長軸部位52が、容器体1の上下方向の中心軸から容器体の外縁までの距離の最大値部位となっている。そして、筒状胴部23の全体かつ胴部側部26a,26bにおいて、長軸部位52が最も肉薄部となっている。このため、筒状胴部23は、2つの長軸部位52を屈曲点として、容易につぶれるものとなっている。
また、同様に、筒状下部22、筒状上部24においても、容器体の上下方向の中心軸から容器体の外縁までの距離の最大値部位となっている。このため、胴部側部26a,26bが長軸部位52を屈曲点としてつぶれることを支持するとともに、それらの部位におけるつぶれも良好なものとなっている。
また、図4には、筒状下部22、筒状胴部23および筒状上部24の長軸側の中心断面(扁平面中心断面)が図示されている。図4に示すように、筒状胴部23は、肉厚変化が少ない部分となっている。また、筒状下部22および筒状上部24は、筒状胴部23に向かって、徐々に肉薄となっている。しかし、筒状下部22の上部と筒状胴部23の下部間における肉厚変化は、大きなものとはなっていない。同様に、筒状上部24の上部と筒状胴部23の上部間における肉厚変化は、大きなものとはなっていない。
また、図5には、筒状下部22、筒状胴部23および筒状上部24の短軸側の中心断面(扁平側部中心断面)が図示されている。図5に示すように、筒状胴部23は、他の部位よりも薄い薄肉部となっている。また、筒状胴部23は、肉厚変化が少ない部分となっている。そして、筒状下部22および筒状上部24は、筒状胴部23に向かって、徐々に肉薄となっている。さらに、筒状下部22の上部と筒状胴部23の下部間における肉厚変化は、図4に示す扁平面中心断面における肉厚変化よりも大きなものとなっている。同様に、筒状上部24の上部と筒状胴部23の上部間における肉厚変化も、図4に示す扁平面中心断面における肉厚変化よりも大きなものとなっている。
そして、図7に示すように、容器体1は、容器体に大気圧の空気を導入した状態において、長軸長が最大となる筒状胴部23の中央部位52において、最大距離W1(b)を有している。言い換えれば、2つの中央部位52間が、最大距離W1(X)となっている。そして、筒状上部24は、2つの肩側部25a,25b間の距離が、胴部側部の最大距離W1(X)の90%となる肩側部部位51を備えている。この肩側部部位51は、筒状上部24の下端より若干上方に位置している。そして、肩側部部位51の水平断面における長軸の長さである肩側部長軸長W2は、0.9Xとなっている。
さらに、この容器体1では、上記の肩側部長軸長W2が、筒状上部24の上端から肩側部部位51間の上下方向における長さである肩側部上下方向長H1の2〜8倍となっている。さらに、肩側部部位51の水平断面における容器体の外周の長さである肩側部外周長が、肩側部長軸長W2の2.1〜2.7倍となっている。
肩側部25a,25bを含む筒状上部24を上記のような形態することにより、2つの肩側部を十分に肉薄でありかつ過剰な薄肉化がないものとすることができる。なお、肩側部部位51の水平断面における肩側部長軸長W2は、肩側部上下方向長H1の3〜6倍であることが好ましい。また、肩側部部位51の水平断面における肩側部外周長は、肩側部長軸長W2の2.2〜2.5倍であることが好ましい。
また、容器体1は、筒状上部24の長軸側(長軸を挟んで対向する)の正面および裏面にそれぞれ設けられた上部中央部24a,24bを備え、上部中央部24a,24bは、上端から下端に向かって肉厚が徐々に薄くなっている。具体的には、上部中央部24a,24bは、下部から閉塞した上面部28に向かって急激に肉厚となるものとなっている。
また、容器体1の肩側部25a,25bの上下方向の外縁(図1、図5および図7における肩側部25a,25bの外縁)は、曲率半径30〜60mmの略円弧状外縁となっていることが好ましい。特に、曲率半径が、40〜55mmであることが好ましい。
4隅は最も延伸倍率が大きくなってしまう部分(外側にいけばいくほど薄くなる)であり、曲率半径が30mm以上であれば、極度に薄肉化することを防止でき、曲率半径が60mm以下であれば、容積の減少もない。
また、肩側部25a,25bの水平方向の外縁は、曲率半径10〜25mmの略円弧状縁となっていることが好ましい。特に、曲率半径が、20〜25mmであることが好ましい。これも上記と同様であり、曲率半径が10mm以上であれば、極度に薄肉化することを防止でき、曲率半径が25mm以下であれば、容積の減少もない。
そして、この実施例の容器体1では、筒状下部22は、2つの下部側部27a,27b間の距離が、胴部側部の最大距離W1(X)の90%となる下部側部部位53を備えている。この下部側部部位53は、筒状上部24の下端より若干下方に位置している。そして、下部側部部位53の水平断面における長軸の長さである肩側部長軸長W3は、0.9Xとなっている。さらに、この容器体1では、上記の下部長軸長W3が、筒状下部22の下端(筒状排出部21の上端)から肩下部部位53間の上下方向における長さである筒状下部上下方向長H2の2〜8倍となっている。さらに、下部側部部位53の水平断面における容器体の外周の長さである肩側部外周長が、下部側部長軸長W3の2.1〜2.7倍となっている。
下部側部27a,27bを含む筒状下部22を上記のような形態することにより、2つの下部側部を十分に肉薄でありかつ過剰な薄肉化がないものとすることができる。なお、下部側部部位53の水平断面における肩側部長軸長W3は、筒状下部上下方向長H2の3〜6倍であることが好ましい。また、下部側部部位53の水平断面における肩側部外周長は、下部側部長軸長W3の2.2〜2.5倍であることが好ましい。
また、容器体1の下部側部27a,27bの上下方向の外縁(図1、図5および図7における下部側部27a,27bの外縁)は、曲率半径30〜60mmの略円弧状外縁となっていることが好ましい。特に、曲率半径が、40〜55mmであることが好ましい。また、下部側部27a,27bの水平方向の外縁は、曲率半径10〜25mmの略円弧状縁となっていることが好ましい。特に、曲率半径が、20〜25mmであることが好ましい。曲率半径が30mm以上であれば、極度に薄肉化することを防止でき、曲率半径が60mm以下であれば、容積の減少もない。
また、胴部側部26a,26bの水平方向の外縁(図3および図6における胴部側部26a,26bの外縁)は、曲率半径10〜25mmの略円弧状縁となっていることが好ましい。曲率半径が10mm以上であれば、極度に薄肉化することを防止でき、曲率半径が25mm以下であれば、容積の減少もない。
容器体1は、条件(A−i)〜(A−iii)を満たすプロピレン−エチレンランダム共重合体(A)42〜65重量%、条件(B−i)〜(B−iii)を満たすプロピレン−エチレンランダムブロック共重合体(B)20〜40重量%、条件(C−i)〜(C−iii)を満たすエチレン−α−オレフィン共重合体成分(C)10〜30重量%、ホモポリプロピレン(D)5〜20重量%、SEBS[ポリスチレン−ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック−ポリスチレン共重合体](E)0.5〜5重量%からなる熱可塑性樹脂により形成されている。
容器体1の内容積としては、50〜1600mlが好ましく、突出部29の直径は2〜5mm程度が好ましい。また、容器体本体2の厚さ(扁平筒状下部22、扁平筒状胴部23および扁平筒状上部24の厚さ)は、0.05〜0.5mmが好ましく、0.08〜0.45mmがより好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.4mmである。容器体本体2の幅は、60〜150mm、容器体本体2の長さは110〜250mmであることが好ましい。
次に、本発明において使用されるプロピレン系樹脂組成物に含有されるプロピレン−エチレンランダム共重合体(A)について説明する。
(1)このプロピレン−エチレンランダム共重合体(A)は、条件(A−i)〜(A−iii)を満たすものが用いられる。
・前記プロピレン−エチレンランダム共重合体(A)の条件(A−i)〜(A−iii)
(A−i)メタロセン系触媒を用いて製造されたプロピレン−エチレンランダム共重合体であること
メタロセン触媒としては、プロピレン−エチレンランダム共重合体の重合に用いられる公知の各種触媒を用いることが出来る。具体的には、特開昭58−19309号、特開昭59−95292号、特開昭60−35006号、特開平3−163088号、特開2005−248156号公報の各公報などに記載されているメタロセン系触媒を例示できる。プロピレン系樹脂組成物に、プロピレン−エチレンランダム共重合体(A)を含有させることにより、結晶性分布を付与すると同時に、分子量にも分布を持たせることができる。
メタロセン系触媒の具体例としては、代表的なメタロセン化合物である、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(アズレニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン1,2−ビス(4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシリレンビス{1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−ナフチル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリドなどが例示できる。なお、メタロセン系触媒は、上記のものに限定されるものではない。
(A−ii)温度230℃、荷重が2.16kgの条件で測定したメルトフローレート1〜30g/10分であること
本発明において用いる成分(A)は、適度な流動性を有することが必要である。流動性の尺度である上記条件でのメルトフローレートが1.0〜30g/10minの範囲にあることが必要である。メルトフローレートが1.0未満の場合には分散が悪化し、流れムラやゲル、フィッシュアイと呼ばれる外観不良を引き起こすことがある。一方、30以上の場合には、耐衝撃性や柔軟性の低下といった物性上の問題を生じる可能性がある。
(A−iii)エチレン含有量が1〜6重量%であること
プロピレン−エチレンランダム共重合体(A)としては、例えば、メタロセン触媒により重合したプロピレン−エチレン共重体(日本ポリプロ株式会社製、商品名「WINTEC WFX4」、融点:125℃、軟化点115℃、MFR:7g/10min)、メタロセン触媒により重合したプロピレン−エチレン共重合体(日本ポリプロ社製、商品名「WINTEC WMG03」、融点:142℃、軟化点:130℃、MFR:30g/10min)、メタロセン触媒により重合したプロピレン−エチレンランダム共重合体(日本ポリプロ社製、商品名「WINTEC WFW4」、MFR=7.0g/10min、エチレン含量1.9重量%)など、さらには、日本ポリプロピレン社製、商品名「WINTEC WMX03、WSX02、WFX4T、WFX4A、WFX4M、WFX5T)などが挙げられる。
(2) 組成物中の成分(A)の割合
上記の成分(A)が、プロピレン系樹脂組成物中に占める割合は、28〜48重量%であることが必要である。本発明において成分(A)は、成分(B)に結晶性分布を付与し、結晶の融解挙動を制御する。成分(A)の量が少なすぎると、成形性の低下を生じるおそれがある。一方で、成分(A)の量が多くなりすぎると、柔軟性や透明性等の物性低下が顕著になり、本発明の樹脂組成物に要求される品質を満たすことが出来ない。
本発明における組成物中の成分(A)の割合が、28重量%以上であれば、十分な成形性を有し、48重量%以下であれば物性の低下もない。好ましくは、プロピレン系樹脂組成物中に占める割合は、33〜43重量%である。
次に、本発明において使用されるプロピレン系樹脂組成物に含有されるプロピレン−エチレンランダムブロック共重合体(B)について説明する。
(1)このプロピレン−エチレンランダムブロック共重合体(B)は以下の要件を満たしている。
(B−i)メタロセン系触媒を用いて、第1工程でDSC測定における融解ピーク温度が125〜135℃、エチレン含量が1.5〜3.0重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B1)を50〜60重量%、第2工程でエチレン含有量が8〜14重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B2)を50〜40重量%逐次重合することで得られたプロピレン−エチレンランダムブロック共重合体であること
(B−ii)メルトフローレート(JIS K7210 A法 条件M、230℃ 2.16kg)が4〜10g/10minの範囲にあること
(B−iii)固体粘弾性測定により得られる温度−損失正接(tanδ)曲線において、−60〜20℃の範囲において観測されるガラス転移を表す温度−損失正接(tanδ)曲線が単一のピークを持ち、かつ前記単一のピークである
ガラス転移温度が0℃以下であること
(2)基本規定
プロピレン−エチレンランダムブロック共重合体(B)は、メタロセン系触媒を用いて、第1工程でDSC測定における融解ピーク温度Tm(B)が125〜135℃、エチレン含量が1.5〜3.0重量%の範囲にあるプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B1)を50〜60重量%、第2工程でエチレン含量が8〜14重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B2)を50〜40重量%逐次重合することで得られる。
(2)成分(B1)について
(2−1)成分(B1)の融解ピーク温度Tm
第1工程で製造される成分(B1)は、プロピレン−エチレンランダムブロック共重合体(B)において結晶性を決定する成分であり、成分(B)が耐熱性を発現するためには、成分(B1)の融解ピーク温度Tmが比較的高いことが必要である。
そこで、成分(B1)の融解ピーク温度Tmは、125〜135℃の範囲にあることが必要である。
すなわち、融解ピーク温度Tmが125℃以下の場合には、薬液充填条件下にて、高圧蒸気滅菌した際に、容器に変形が生じたり、融着を起こすといった問題を生じ易いため、Tmは125℃以上であることが必要であり、好ましくは128℃以上である。一方、Tmが高いと、耐熱性は良くなるが、柔軟性や透明性が阻害され易くなり、またブロー成形性も悪化するため、Tmは135℃以下であることが必要であり、好ましくは133℃以下である。
(2−2)成分(B1)のエチレン含有量E(B1)
成分(B1)の融解ピーク温度Tmは、エチレン含有量によって制御され、本発明における成分(B1)のエチレン含量E(B1)が1.5〜3.0重量%の範囲である。エチレン含有量が1.5重量%以下の場合には、Tmが高くなりすぎ、また、3.0重量%以上の場合には低くなりすぎる。
(2−3)プロピレン−エチレンランダムブロック共重合体(B)中に占める成分(B1)の割合W(B1)
プロピレン−エチレンランダムブロック共重合体(B)中に占める成分(B1)の割合W(B1)は、成分(B)に耐熱性を付与する成分であるが、W(B1)が多過ぎると柔軟性や耐衝撃性を十分に発揮することが出来ず、また、透明性が損なわれる恐れがある。そこで成分(B1)の割合は60重量%以下であることが必要である。一方、成分(B1)の割合が少なくなり過ぎると、融解ピーク温度Tmが十分であっても耐熱性が低下し、薬液充填条件下にて、高圧蒸気滅菌した際に、容器に変形が生じたり、融着を起こすといった問題を生じ易くなるため、成分(B1)の割合は50重量%以上でなければならない。
(3)成分(B2)について
(3−1)成分(B2)中のエチレン含量E(B2)
第2工程で製造されるプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B2)は、プロピレン−エチレンランダムブロック共重合体(B)の柔軟性と耐衝撃性及び透明性を向上させるのに必要な成分である。一般に、プロピレン−エチレンランダム共重合体においてエチレン含有量が増加することで結晶性は低下し、柔軟性向上効果は大きくなるため、成分(B2)中のエチレン含有量E(B2)は8重量%以上であることが必要である。E(B2)が8重量%以下の場合には十分な柔軟性を発揮することが出来ず、好ましくは10重量%以上である。
一方、成分(B2)の結晶性を下げるためにエチレン含量を増加させ過ぎると、成分(B1)と成分(B2)の相溶性が低下し、成分(B2)が(B1)と相溶化せずにドメインを形成するようになる。このような相分離構造において、マトリクスとドメインの屈折率が異なると透明性が急激に低下してしまう。そこで本発明に用いられるプロピレン−エチレンランダムブロック共重合体(B)中のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B2)のエチレン含有量は14重量%以下であることが必要であり、好ましくは12重量%以下である。
(3−2)プロピレン−エチレンランダムブロック共重合体(B)中に占める成分(B2)の割合W(B2)
成分(B2)の割合が多過ぎると耐熱性が低下するため、成分(B2)の割合W(B2)は50重量%以下に抑えることが必要である。
一方、成分(B2)の割合が少なくなり過ぎると柔軟性と耐衝撃性の改良効果が得られないため、成分(B2)の割合は40重量%以上であることが必要である。
(4)成分(B1)と(B2)の各成分のエチレン含量E(B1)とE(B2)及び各成分量W(B1)とW(B2)の特定
成分(B1)と(B2)の各エチレン含量及び成分量は、重合時の物質収支(マテリアルバランス)や、公知の各種分析法によって定量される。尚、本発明において用いた測定方法については、実施例においてその詳細を記載する。
(5)プロピレン−エチレンランダムブロック共重合体(B)のメルトフローレート(MFR)
プロピレン−エチレンランダムブロック共重合体(B)のMFRは、4〜10g/10minの範囲を取ることが必要である。
プロピレン−エチレンランダムブロック共重合体(B)全体のメルトフローレート MFR(B)は、各成分(B1)、(B2)各々のMFR(各々MFR(B1)、MFR(B2)とする)と比率によって決定されるが、本発明においては、全体のMFRが4〜10の範囲にあれば、各々のMFRは本発明の目的を損ねない範囲で任意である。しかし、両者のMFRが大きく異なる場合には外観不良等が生じることがあるため、各成分各々のMFR(B1)、MFR(B2)共に4〜10g/10minの範囲にあることが望ましい。
MFRが低いと、モータ負荷や先端圧力が上昇するばかりでなく、フィルムの表面が荒れることで外観を悪化させるといった問題が生じるため、MFRは4g/10min以上であることが必要であり、好ましくは5g/10min以上である。一方で、MFRが高すぎると、成形が不安定になりやすく、均一なフィルムを得ることが困難となるため、MFRは10g/10min以下であることが必要であり、好ましくは8g/10min以下である。なお、本発明における各樹脂のメルトフローレート(MFR)は、JIS K7210 A法 条件M に従い、試験温度:230℃ 公称加重:2.16kg ダイ形状:直径2.095mm 長さ8.00mmの条件で測定したものである。
(6)固体粘弾性測定によるガラス転移温度の特定
プロピレン−エチレンランダムブロック共重合体(B)においては、固体粘弾性測定(DMA)により得られる温度−損失正接(tanδ)曲線において、−60〜20℃の範囲において観測されるガラス転移を表すtanδ曲線のピークが0℃以下に単一のピークを示すことが必要である。
プロピレン−エチレンランダムブロック共重合体(B)が相分離構造を取る場合には、成分(B1)に含まれる非晶部のガラス転移温度と成分(B2)に含まれる非晶部のガラス転移温度が各々異なるため、ピークは複数となる。この場合には、透明性が顕著に悪化するという問題が生じる。通常プロピレン−エチレンランダム共重合体におけるガラス転移温度は−60〜20℃の範囲において観測され、相分離構造を取っているかどうかは、本範囲における固体粘弾性測定におけるtanδ曲線において判別可能であり、成形品の透明性を左右する相分離構造の回避は、0℃以下に単一のピークを有することによりもたらされる。固体粘弾性測定(DMA)の具体的な方法については実施例に記載する。
(7)プロピレン−エチレンランダムブロック共重合体(B)の製造方法
本発明に用いられるプロピレン−エチレンランダムブロック共重合体(B)の製造方法は、特開2005−248156号公報、特許4156491号公報に記載の方法を用いることが好ましい。また、メタロセン系触媒としては、上述したものが例示できる。なお、メタロセン系触媒は、上述のものに限定されるものではない。
(8) 組成物中の成分(B)の割合
上記の成分(B)が、プロピレン系樹脂組成物中に占める割合は、20〜40重量%であることが必要である。成分(B)の量が少なすぎると、柔軟性の低下による排液性悪化を生じるおそれがある。一方で、成分(B)の量が多くなりすぎると、容器強度が低下し製品品質を保てない。
本発明における組成物中の成分(B)の割合が、20重量%以上であれば、十分な成形性を有し、40重量%以下であれば物性の低下もない。好ましくは、プロピレン系樹脂組成物中に占める割合は、25〜35重量%である。
次に、本発明において使用されるプロピレン系樹脂組成物に含有されるエチレン−α−オレフィン共重合体成分(C)について説明する。
(1) エチレン−α−オレフィン共重合体成分(C)は、以下の条件(C−i)〜(C−ii)を具備するものである。
(C−i) 温度が190℃、荷重が2.16kgの条件で測定したメルトフローレートが0.1〜50g/10分であること
(C−ii) 密度が、0.899〜0.930g/cmであること
そして、本発明では、このエチレン−α−オレフィン共重合体成分(C)を含有させることにより、樹脂組成を用いて形成された容器に良好な耐衝撃性を付与している。なお、エチレン−α−オレフィン共重合体成分(C)は、(C−iii)を具備するものであってもよい。
(C−iii) エチレン由来の構成単位の含有量が50重量%以上であり、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとの共重合体であること。
成分(C)は組成物の低温における衝撃強度を改良する効果を有する。本発明における医療容器用プロピレン系樹脂組成物は、製品の保管や輸送時に冷蔵されることがあるため、このときに破壊が生じないよう低温での耐衝撃性が必要である。このとき成分(C)の量が少なすぎると、耐衝撃性が不足するという問題が生じる。
また、エチレン−α−オレフィン共重合体成分(C)の屈折率が成分(B)と大きく異なる場合には、組成物の透明性が悪化するため、屈折率をあわせることも重要である。これら融解温度や屈折率は密度によって制御可能であり、透明性を付与するには、密度を特定の範囲にすることが必要となる。
(2)メルトフローレート(JIS K7210 A法 条件D、190℃ 2.16kg)
本発明の樹脂組成物は、成形性を確保するために適度な流動性を持っていることが必要であり、成分(C)の粘度が高すぎると流動性が不足し、分散不良が生じたりすることで透明性や耐衝撃性が低下し易くなる。そこで本発明におけるエチレン−α−オレフィン共重合体成分(C)は、メルトフローレートが、0.1〜50g/10minであることが必要である。好ましくは2.50g/10min以上である。一方、メルトフローレートが高すぎると、成形時の安定性が低下し、フィルムの厚みムラが生じたり、耐衝撃性が低下するといった問題を生じ易くなり、また、ブロー成形性の点からも、メルトフローレートは、50g/10min以下であることが必要であり、好ましくは、10/10min以下である。
(3) 密度
以上の理由から、本発明に用いられるエチレン−α−オレフィン共重合体成分(C)は、密度が、0.899〜0.930g/cmの範囲にあることが必要である。密度が低くなりすぎると、屈折率差が大きくなり透明性が悪化するため、0.899未満の場合には、本発明に必要な透明性を確保することが出来ず、好ましくは0.910以上である。
一方、密度が高くなりすぎると、結晶性が高くなることで柔軟性、耐衝撃性や透明性が悪化し易くなるため、0.930以下であることが必要で、好ましくは0.920以下である。
(4) エチレン由来の構成単位の含有量
エチレン−α−オレフィン共重合体成分(C)は、エチレン由来の構成単位の含有量が50重量%以上でることが好ましい。また、エチレン−α−オレフィン共重合体成分(C)は、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとの共重合体であることが好ましい。
(5)樹脂組成物中の成分(C)の割合
成分(C)が樹脂組成物中に占める割合は、10〜30重量%の範囲であることが必要である。成分(C)の量が少なすぎると、耐衝撃性が不足し、製品が輸送時に破袋するといった問題を生じる。一方で、量が多くなりすぎると、耐熱性が低下する。
(6)エチレン−α−オレフィン共重合体成分(C)の製造方法
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体成分(C)は、成分(B)との屈折率差を小さくするためには密度を低くすることが必要であり、さらに、ベタツキやブリードアウトを抑制するためには結晶性及び分子量分布が狭いことが望ましい。そこで、成分(C)の製造には結晶性及び分子量分布の狭くできるメタロセン系触媒を用いることが望ましい。
(6−1)メタロセン系触媒
メタロセン触媒としては、エチレン−α−オレフィン共重合体の重合に用いられる公知の各種触媒を用いることが出来る。具体的には、特開昭58−19309号、特開昭59−95292号、特開昭60−35006号、特開平3−163088号の各公報などに記載されているメタロセン系触媒を例示できる。
(6−2)重合方法
具体的な重合方法としては、これらの触媒の存在下でのスラリー法、気相流動床法や溶液法、あるいは圧力が200kg/cm以上、重合温度が100℃以上での高圧バルク重合法などが挙げられる。好ましい製造法としては高圧バルク重合が挙げられる。エチレン−α−オレフィン共重合体成分(C)は、メタロセン系ポリエチレンとして市販されているものの中から適宜選択し使用することもできる。市販品としては、デュポンダウ社製アフィニティー(登録商標)及びエンゲージ(登録商標)、日本ポリエチレン社製カーネル(登録商標)、エクソン社製EXACT(登録商標)などが挙げられる。
これらの使用において、本発明の要件である密度と融解ピーク温度、MFRのグレードを選択すればよい。
また、エチレン−α−オレフィン共重合体は、前記条件(C−i)〜(C−ii)を満たす限りエチレンとエチレン以外の一種類のα−オレフィンからなる共重合体であっても、エチレンとエチレン以外の二種類以上のα−オレフィンからなる共重合体であっても良い。
(7) 組成物中の成分(C)の割合
上記の成分(C)が、プロピレン系樹脂組成物中に占める割合は、10〜30重量%であることが必要である。成分(C)の量が少なすぎると耐衝撃性の低下による容器破損を生じるおそれがある。一方で、成分(C)の量が多くなりすぎると、耐熱性が低下しオートクレーブ滅菌後の変形が大きく製品品質を損なうおそれがある。
本発明における組成物中の成分(C)の割合が、10重量%以上であれば、耐衝撃性を有し、30重量%以下であれば、耐熱性の低下もない。好ましくは、プロピレン系樹脂組成物中に占める割合は、15〜25重量%である。
次に、本発明において使用するプロピレン系樹脂組成物に含有されるホモポリプロピレン(D)について説明する。本発明において使用するプロピレン系樹脂組成物は、ホモポリプロピレンを5〜20重量%含有することにより、滅菌後における容器の変形、透明性の低下もなく、柔軟性、良好な耐落下性、耐低温衝撃性を有する。なお、本発明において使用するプロピレン系樹脂組成物において、ホモポリプロピレン(D)の含有量は、7〜15重量%が好ましい。
ホモポリプロピレン(D)としては、溶融温度が、155℃以上、好ましくは、160〜170℃であり、平均分子量が20万〜100万、メルトフローレート(JIS K7210 A法 条件M、230℃、2.16荷重)が4.0〜8.0g/10minであるものが好ましい。
成分(D)は、ポリプロピレン成分であり、結晶性が高い成分である。本成分は組成物中で成分(A)、(B)、(C)よりも溶融温度が高く、成分(A)、(B)、(C)が溶解する温度での融着を抑えることで滅菌後の容器変形を抑制している。従って、成分(D)は成分(A)、(B)、(C)よりも結晶性が高いことが必要であり、プロピレンのみからなるポリプロピレン成分である。
ホモポリプロピレン(D)としては、例えば、特開2013−18547に記載された方法で重合された樹脂を用いることができる。すなわち、メタロセン系触媒かチーグラーナッタ型触媒を用いて気相法にてプロピレンの単独重合にて製造されるものが使用可能である。具体的には、これらの触媒に、オレフィンを接触させて少量重合されることからなる予備重合処理に付されたものを用い、予備重合の温度と時間は各々−20℃〜100℃、5分〜24時間重合することにより製造される。予備重合量は、予備重合ポリマー量が、触媒成分1に対する重量比で、0.1〜50にて行うことが好ましい。重合温度は、50℃〜90℃の範囲にて行うことが好ましい。重合圧力は、大気に対する相対圧力として、2.0MPa〜2.5MPaの範囲で調整することが好ましい。
次に、本発明おいて使用するプロピレン系樹脂組成物に含有されるSEBS[ポリスチレン−ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック−ポリスチレン共重合体]について説明する。
本発明において使用するプロピレン系樹脂組成物は、SEBSを0.5〜5重量%含有している。SEBSは、スチレン系熱可塑性ブロックコポリマーのなかで最も強度が高く、ポリオレフィンとの高い相溶性を有する。SEBSは、ポリスチレン−ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック−ポリスチレン共重合体)である。具体的には、ポリスチレン―ブロック―ポリブタジエン―ブロック―ポリスチレン(SBS)を水素添加(水添)して得られる、ポリスチレン―ブロック―ポリ(エチレン―co―ブチレン)―ブロック―ポリスチレンである。
SEBSは、重量平均分子量が50,000〜500,000、好ましくは60,000〜400,000、特に好ましくは70,000〜300,000である。またスチレン含有量が5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%である。水素添加率が95%以上のものが好ましい。
SEBSの製造方法としては例えば、特公昭40−23798号公報に記載された方法により、リチウム触媒を用いて不活性溶媒中でスチレン・ブタジエンブロック共重合体を合成し、次いで、例えば、特公昭42−8704号、特公昭43−6636号、特開昭59−133203号、特開昭60−79005号各公報に記載された方法により、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下に水素添加する方法等を挙げることができる。
本発明において使用するプロピレン系樹脂組成物は、上記のSEBSを0.5〜5重量%含有する。これにより、容器体に柔軟性もしくは可撓性を付与する。プロピレン系樹脂組成物におけるSEBS含有量は、1〜4重量%であることが好ましい。
さらに、本発明において使用するプロピレン系樹脂組成物は、付加的成分(添加剤)を含有してもよい。添加剤としては、酸化防止剤、中和剤などが用いられる。
酸化防止剤は、樹脂組成物の成形加工時の熱安定性や、成形体の熱劣化を抑制するための添加剤であり、内容物に影響が小さいものを用いる必要があり、本発明において最も好適なのは、フェノール系酸化防止剤として、テトラキス[メチレン−3−(3´,5´−ジ−t−ブチル−4´−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、リン系酸化防止剤としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトであり、加水分解しやすいものはさけることが好ましい。添加量は、樹脂組成物の安定性を確保するために必要な最低限にとどめ、2000ppm以下に抑えることが好ましい。中和剤としては、ステアリン酸カルシウムを用いることが出来るが、内容物によって高圧蒸気滅菌後にも不溶性微粒子の発生原因になる場合があるので、添加量は200ppm以下であることが望ましい。
排出ポート3は、医療用液体収納容器体1の排出部21の開口を封止している。
排出ポート3は、公知のものが使用できる。図示する排出ポート3は、薬剤排出用針が接続可能な封止部材31を備えている。具体的には、排出ポート3は、開口を有する筒状部材32と、筒状部材32の開口端を閉塞し、かつ、薬剤排出用針の接続(例えば、穿刺)が可能な封止部材31を有している。そして、筒状部材32は、端部に設けられたフランジ33を備えており、この筒状部材32のフランジ33と容器体1の排出部22に設けられたフランジ21aとが液密状態に固着されている。
筒状部材32の形成材料である熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリプロピレンとポリエチレンもしくはポリブテンの混合物)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、 ポリフッ化ビニリデンなど等が挙げられる。
封止部材32としては、弾性封止部材が好適である。弾性封止部材の形成材料としては、シリコーンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、天然ゴム等の各種ゴム類、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、ポリブタジエン、軟質塩化ビニル等の各種樹脂が用いられる。
薬剤7としては、どのようなものでもよいが、輸液用の薬液、例えば、生理食塩水、電解質溶液、リンゲル液、高カロリー輸液、ブドウ糖液、注射用水、アミノ酸電解質溶液などが挙げられる。
次に、本発明の医療用液体収納容器体の製造方法について、図1ないし図10を用いて説明する。
本発明の医療用液体収納容器体の製造方法は、上述したプロピレン系樹脂組成物の延伸ブロー形成物であり、かつ、扁平形状の筒状胴部と筒状の排出部とを有する医療用液体収納容器体の製造方法である。
そして、本発明の医療用液体収納容器体の製造方法は、上述の条件(A−i)〜(A−iii)を満たすプロピレン−エチレンランダム共重合体(A)28〜48重量%、上述の条件(B−i)〜(B−iii)を満たすプロピレン−エチレンランダムブロック共重合体(B)20〜40重量%、上述の条件(C−i)〜(C−iii)を満たすエチレン−α−オレフィン共重合体成分(C)10〜30重量%、ホモポリプロピレン(D)5〜20重量%、SEBS[ポリスチレン−ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック−ポリスチレン共重合体](E)0.5〜5重量%からなるプロピレン系樹脂組成物を射出成形することにより筒状プリフォームを準備するプリフォーム準備工程と、扁平形状の筒状胴部を形成するための筒状胴部形成部を有する成形型を準備する成形型準備工程と、成形型内に、筒状プリフォームの加熱物を配置する加熱筒状プリフォーム配置工程と、加熱筒状プリフォームを軸方向に延伸する軸延伸と筒状プリフォーム内に空気を送り込む拡張延伸とを行い延伸物を形成し、かつ、延伸物を成形型の内面に当接させて前記容器体を成形する延伸成形工程とを行うものである。
また、本発明の薬剤充填済み医療用容器の製造方法は、上記の医療用液体収納容器体の製造方法により医療用液体収納容器体を製造する医療用液体収納容器体製造工程と、上記工程により形成された医療用液体収納容器体内に前記薬剤を充填する薬剤工程と、前記容器体の前記排出部の開口部を薬剤排出用針が接続可能な封止部材にて封止する排出ポート形成工程とを行うものである。
そして、本発明の医療用液体収納容器体の製造方法は、上述した医療用液体収納容器体の製造方法である。そして、以下に説明する実施例の製造方法は、下端に開口部を有する筒状の排出部21と、排出部21と連続し、かつ上方に延びる筒状下部22と、筒状下部22と連続し、かつ上方に延びる筒状胴部23と、筒状胴部23と連続し、かつ上方に延びる筒状上部24とを備え、かつ筒状下部22、筒状胴部23および筒状上部24は、水平断面において長軸と短軸とを有する扁平形状を備え、さらに、筒状上部24の長軸の両端に設けられた2つの肩側部25a,25bと、2つの肩側部25a,25bと連続し、かつ下方に延びる2つの胴部側部26a,26bと、2つの胴部側部26a,26bと連続し、かつ下方に延びる2つの下部側部27a、27bとを有する医療用液体収納容器体の製造方法である。
本発明の医療用液体収納容器体の製造方法では、射出成形された樹脂製の筒状プリフォーム8を準備するプリフォーム準備工程が行われる。
プリフォーム8としては、例えば、図8に示すような筒状体を準備する。図示するプリフォーム8は、筒状本体部81と、本体部81の下部に形成された排出部形成部82と、本体部81の上端に形成された突出部83とを有している。この実施例のプリフォーム8では、上端部は、半球状となった上端閉塞部となっており、その頂点部分に上方に突出する突出部83が形成されている。また、プリフォーム内には、排出部形成部82の下端開口から上端閉塞部まで、延びる内腔が形成されている。
プリフォーム8の形成材料としては、上述したプロピレン系樹脂組成物が用いられる。
また、本発明の医療用液体収納容器体の製造方法では、成形型を準備する成形型準備工程が行われる。
具体的には、排出部21を成形する排出部成形部と、2つの下部側部27a、27bを有す扁平筒状下部22を形成する筒状下部成形部と、2つの胴部側部26a,26bを有する扁平筒状胴部23を形成する筒状胴部成形部と、2つの肩側部25a,25bを有する扁平筒状上部を形成する筒状部成形部とを備えるものを準備する。特に、図8ないし図10に図示する成形装置60は、二つ割りの金型61,62を備えており、それぞれの金型61,62の内面には、医療用液体収納容器体1の各扁平面側全体を形成するための凹部61a,61bを備えている。また、成形装置60は、プリフォーム起立載置部64と、起立載置部64に起立状体にて載置されたプリフォーム内に空気を圧入するため空気注入部65と、プリフォーム8の突出部83を把持し、上方に引き上げるためのプリフォーム引き上げ部63を備えている。
そして、使用される金型61,62は、排出部を成形する排出部成形部と、2つの肩側部を有する筒状上部を成形する筒状上部成形部と、2つの胴部側部を有する筒状胴部を成形する胴部成形部と、排出部の上端と連続する筒状下部を成形する筒状下部成形部と、容器体の上下方向の中心軸と一致する成形型中心軸とを備えている。さらに、金型61,62としては、筒状上部成形部は、2つの肩側部成形部を備え、かつ、2つの肩側部成形部間の距離が2つの胴部側部成形部間の最大距離の90%となる肩側部部位成形部を有し、さらに、肩側部部位成形部は、成形型中心軸と直交する成形型肩側部断面における成形型内腔の長軸の長さである成形型肩側部長軸長が、成形型中心軸方向における上部成形部の上端部から肩側部下端部成形部までの長さである肩側部成形部軸長の3〜8倍であり、かつ、成形型肩側部断面における上部成形部の内周の長さである肩側部成形部内周長は、成形型肩側部長軸長の2.1〜2.7倍である成形型が用いられる。このような金型を用いることにより、上述した医療用液体収納容器体を容易に製造することができる。
そして、予め加熱した上記のプリフォーム8と成形装置60を準備した後、図8に示すように、プリフォーム8の加熱物を成形装置60内に配置する加熱筒状プリフォーム配置工程を行う。なお、このとき成形装置60の金型61,62とは離間した状態にある。
具体的には、筒状プリフォーム8を引き上げ(引き延ばし)可能な程度まで軟化するように加熱する。そして、加熱したプリフォーム8を図8に示すように、成形装置60内に、排出部形成部82を起立載置部64上に配置し、突出部83をプリフォーム引き上げ部63により把持させた状態とする。
次に、加熱した筒状プリフォーム8を成形型中心軸方向に延伸する軸延伸と筒状プリフォーム8内に空気を送り込む拡張延伸とを行い延伸物を形成し、かつ、延伸物を成形型の内面に当接させて容器体を成形する延伸成形工程が行われる。
延伸成形工程では、軸方向延伸と軸に直交する方向への横方向延伸が行われる。具体的には、図9に示すように、最初に、加熱した筒状プリフォーム8内に空気を送り込みながら、突出部83を把持したプリフォーム引き上げ部63を上方に移動させて、筒状プリフォーム8を軸方向(縦方向)に延伸する。これにより、プリフォーム8は、医療用液体収納容器体1の全長と同じ長さに引き伸ばされたプリフォーム軸延伸物8aとなる。プリフォーム軸延伸物8aでは、本体部が伸ばされ、延伸本体部81aとなる。また、加熱した筒状プリフォーム8を成形型中心軸方向に延伸する軸延伸と筒状プリフォーム8内に空気を送り込む拡張延伸とがほぼ同時に開始されるため、加熱した筒状プリフォーム8は横方向にもある程度延伸されながら軸方向に延伸される。このため、延伸本体部81aは、横方向にもある程度延伸され、かつ、下端および上端から中央に向けて拡径した円筒状になる。
続いて、図10に示すように、プリフォーム軸延伸物8a内に引き続き空気を送り込みながら、金型61,62を当接させ、その内部にプリフォーム軸延伸物8aが収納された状態とする。当接されるまでの間、横方向に延伸されている延伸本体部81aの中央部の外面は金型61,62の内面と接触し、容器体が扁平形状になるよう拡張延伸が規制される。その後、空気注入部65よりプリフォーム軸延伸物8a内にさらに高い圧力で空気を送り込み、プリフォーム軸延伸物8aの外面全体を金型61,62の内面(凹部)61a,62aに密着させる。これにより、プリフォーム軸延伸物8aの延伸本体部81aは、軸に直交する方向に完全に横延伸され、拡張延伸本体部81bとなり、金型内において、医療用液体収納容器体8bが製造される。
このように、延伸成形工程では、加熱した筒状プリフォーム8を成形型中心軸方向に延伸する軸延伸と筒状プリフォーム8内に空気を送り込む拡張延伸とがほぼ同時に開始され、軸延伸が終了した後も引き続き拡張延伸が行われることで、医療用液体収納容器体8bが製造される。
そして、金型61,62を離間させ、プリフォーム引き上げ部63、起立載置部64を成形物より離脱させることにより、医療用液体収納容器体8bを得ることができる。
なお、加熱した筒状プリフォーム8を成形型中心軸方向に延伸する軸延伸は、筒状プリフォーム8の排出部形成部82の下端開口から延伸棒を挿入し、上端閉塞部を上方に突き上げるように延伸する方法でもよい。なお、延伸成形工程は、予め金型61,62を当接させた状態で、軸延伸および拡張延伸をともなう延伸を行ってもよい。
なお、軸延伸の方法としては、前述した突出部83を把持したプリフォーム引き上げ部63を上方に移動させて、筒状プリフォーム8を軸方向(縦方向)に延伸するものが容器内面の異物防止の観点から好ましく、通常は成形性の観点から不利と考えられる方法ではあるが、本発明においては特定の樹脂組成物を用いていることにより成形性の問題が解消されることから、好適に使用することができる。
(実施例)
(1)プロピレン系樹脂組成物ペレットの作成
本発明の具体的な実施例について説明する。
(1−1)プロピレン−エチレンランダム共重合体(A)として、上述した条件(A−i)から(A−iii)を満たす下記のものを用いた。
メタロセン触媒により重合したプロピレン−エチレンランダム共重合体(日本ポリプロピレン社製、商品名ウィンテック、MFRが7g/10min、エチレン含有量が3.1重量%)を用いた。
(1−2) プロピレン−エチレンランダムブロック共重合体(B)として、上述した条件(B−i)から(B−iii)を満たす下記のものを用いた。
メタロセン系触媒を用いて、第1工程でDSC測定における融解ピーク温度Tmが133℃、エチレン含量が2.0wt%のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B1)を56wt%、第2工程でエチレン含量が12wt%のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B2)を44wt%逐次重合して得られ、固体粘弾性測定により得られる温度−損失正接(tanδ)曲線において、−60〜20℃の範囲において観測されるガラス転移を表す温度−損失正接(tanδ)曲線が単一のピークを持ち、かつ、ガラス転移温度が、−8.6℃、全体のMFRが、6g/10minのプロピレン−エチレンランダムブロック共重合体を用いた。
(1−3) エチレン・α−オレフィン共重合体(C)として、上述した条件(C−i)から(C−ii)を満たす下記のものを用いた。
エチレンとヘキセン−1の共重合体を製造した。触媒の調製は、特表平7−508545号公報に記載された方法で実施した。即ち、錯体ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ハフニウムジメチル2.0ミリモルに、トリペンタフルオロフェニルホウ素を上記錯体に対して等倍モル加え、トルエンで10リットルに希釈して触媒溶液を調製した。
内容積1.5リットルの撹拌式オートクレーブ型連続反応器にエチレンと1−ヘキセンとの混合物を供給し、反応を行うことにより作成されたエチレン・α−オレフィン共重合体[商品名:カーネルKM262、日本ポリエチレン株式会社製、密度0.90gcm、メルトフローレート2.2g/10min、曲げ弾性率60MPa、融点90℃(DSC法、JISK7121]を用いた。
(1−4) ホモポリプロピレン成分(D)として、商品名:ノバテック、日本ポリプロ株式会社製、ZN触媒のプロピレン単独重合体)を用いた。

(1−5) SEBS[ポリスチレン−ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック−ポリスチレン共重合体]を用いた。
(1−6)上記成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)および成分(E)を、各々38、30、20、10、2wt%となるように計量し、ヘンシェルミキサーに投入後、この成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)と成分(E)の混合物より、作成されたプロピレン系樹脂組成物原料ペレット(商品名 MTW0671A、日本ポリプロ株式会社製)を用いた。
(2)プリフォームの作製
上記のようにして準備したプロピレン系樹脂組成物原料ペレットを用いて、図8に示すような形状を有する上端が閉塞し、下端が開口した筒状のプリフォームを射出成形により作成した、作成された筒状プリフォームは、全長92mm、円筒部の外径24.5mm、円筒部の内径17mm、上端に小径の短い円柱部(長さ8mm、上端部直径4mm、下端部直径4.5mm)を有し、下端部に排出ポート形成部を有するものであった。
(3)容器本体の作製
予め加熱した上記の筒状プリフォームを図8に示すように、成形装置内に配置した後、図9に示すように、筒状プリフォームを成形型中心軸方向に延伸する軸延伸と筒状プリフォーム内に空気を送り込む拡張延伸とを行い延伸物を形成し、そして、図10に示すように、延伸物を成形型の内面に当接させて、図7に示すような扁平形状の筒状胴部を有する容器体を作成した。
そして、形成された容器体は、全長230mm、筒状胴部の平均肉厚0.18 mm、筒状胴部の平坦部の中央部の肉厚0.25mm、胴部側部の頂部の肉厚0.1mm、容量800mlであった。
そして、上記のようにして作成した容器体の頂点部に、図1ないし図3に示すような吊下用部材を取り付けた。
(4)薬剤充填済み容器体の作製
上記のようにして作成した容器体内に、生理食塩水525mlを充填した後、排出ポート形成部に排出ポートを装着し、封止した。このようにして薬液を充填した容器体を高圧蒸気滅菌機に入れ、窒素雰囲気中で、温度115℃、ゲージ圧 2.65kgf/cm2、時間15分の条件において滅菌し、室温まで冷却した。115℃による高圧蒸気滅菌を行っても容器の変形は見られなかった。
(比較例)
ホモポリプロピレン[商品名;ノバテック MA3、日本ポリプロ株式会社製、ZN触媒のプロピレン単独重合体、密度0.9g/cm、融解ピーク温度Tmが、164℃、MFR(温度230℃、荷重2.16kg)が、8/10min、曲げ弾性率(JISK7121)1500MPa、]のペレットを用いた。
そして、実施例と同様に、上記のようにして準備したホモポリプロピレンペレットを用いて、図8に示すような形状を有する上端が閉塞し、下端が開口した筒状のプリフォームを射出成形により作成した、作成された筒状プリフォームは、全長92mm、円筒部の外径24.5mm、円筒部の内径17mm、上端に小径の短い円柱部(長さ8mm、上端部直径4mm、下端部直径4.5mm)を有し、下端部に排出ポート形成部を有するものであった。
そして、実施例と同様に、予め加熱した上記の筒状プリフォームを図8に示すように、成形装置内に配置した後、図9に示すように、筒状プリフォームを成形型中心軸方向に延伸する軸延伸と筒状プリフォーム内に空気を送り込む拡張延伸とを行い延伸物を形成し、そして、図10に示すように、延伸物を成形型の内面に当接させて、図7に示すような扁平形状の筒状胴部を有する容器体を作成した。
形成された容器体は、全長230mm、筒状胴部の平均肉厚0.18mm、筒状胴部の平坦部の中央部の肉厚0.25mm、胴部側部の頂部の肉厚0.1mm、容量800mlであった。
そして、上記のようにして作成した容器体の頂点部に、図1ないし図3に示すような吊下用部材を取り付けた。
(実験1)透明性の評価
実施例および比較例の薬液入り医療用容器を窒素雰囲気中で48時間放置した後、容器体の筒状胴部の平坦部の一部(厚さ0.2mmの部分)を切り取り、破断片を採取し、波長450mmにおける水中透過率を島津ダブルビーム型自記分光光度計UV−300にて測定した。結果は以下の通りであった。
実施例 91% 比較例 67%
(実験2)重金属および溶出物試験
上記実験1と同様に、実施例および比較例の容器より採取した平坦部の破断片について、日本薬局方一般試験法「輸液用プラスチック試験法」に準じ、試験を行った。実施例および比較例ともに、異物、発泡などは観察されず、重金属および溶出物は日本薬局方に適合することが確認された。
(実験3)落下試験
実施例および比較例の薬剤充填済み容器各5個について、落下試験を行った。
落下試験1として、23℃にて、180cmの高さから、胴部平坦部方向と、胴部側部方向についての落下試験を行った。この試験では、実施例の医療用容器においては、破損は見られなかったが、比較例においては、5個中3個に破損が見られた。
落下試験2として、4℃にて24時間以上保管後、80cmの高さから、胴部平坦部方向と、胴部側部方向についての落下試験を行った。この試験では、実施例の医療用容器においては、破損は見られなかったが、比較例においては全数破損がみられた。
(実験4)排液速度実験
実施例および比較例の薬液入り医療用容器を輸液スタンドの高さ60cmにセットしたフックに懸架し、排出ポートに輸液セット(テルモ株式会社製)を接続し、排液速度を測定したところ、表1の通りであった。実施例の薬液入り医療用容器では、容器内残液量の減少に伴う排出速度の低下が少なく、良好に投与可能であることがわかった。
Figure 2017012420
1 医療用液体収納容器体
3 排出ポート
4 吊下用部材
21 排出部
22 筒状下部
25a,25b 肩側部
26a,26b 胴部側部
51 肩側部部位
10 薬剤充填済み医療用容器
60 医療用液体収納容器体成形装置

Claims (10)

  1. プロピレン系樹脂組成物の延伸ブロー形成物であり、かつ、扁平形状の筒状胴部と筒状の排出部とを有する医療用液体収納容器体であって、
    前記プロピレン系樹脂組成物は、条件(A−i)〜(A−iii)を満たすプロピレン−エチレンランダム共重合体(A)28〜48重量%、条件(B−i)〜(B−iii)を満たすプロピレン−エチレンランダムブロック共重合体(B)20〜40重量%、条件(C−i)〜(C−ii)を満たすエチレン−α−オレフィン共重合体成分(C)10〜30重量%、ホモポリプロピレン(D)5〜20重量%、SEBS[ポリスチレン−ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック−ポリスチレン共重合体](E)0.5〜5重量%からなることを特徴とする医療用液体収納容器体。
    ・前記プロピレン−エチレンランダム共重合体(A)の条件(A−i)〜(A−iii)
    (A−i)メタロセン系触媒を用いて製造されたプロピレン−エチレンランダム共重合体であること
    (A−ii)温度230℃、荷重が2.16kgの条件で測定したメルトフローレート1〜30g/10分であること
    (A−iii)エチレン含有量が1〜6重量%であること
    ・前記プロピレン−エチレンランダムブロック共重合体(B)の条件(B−i)〜(B−iii)
    (B−i)メタロセン系触媒を用いて、第1工程でDSC測定における融解ピーク温度が125〜135℃、エチレン含量が1.5〜3.0重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B1)を50〜60重量%、第2工程でエチレン含有量が8〜14重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B2)を50〜40重量%逐次重合することで得られたプロピレン−エチレンランダムブロック共重合体であること
    (B−ii)メルトフローレート(JIS K7210 A法 条件M、230℃ 2.16kg)が4〜10g/10minの範囲にあること
    (B−iii)固体粘弾性測定により得られる温度−損失正接(tanδ)曲線において、−60〜20℃の範囲において観測されるガラス転移を表す温度−損失正接(tanδ)曲線が単一のピークを持ち、かつ前記単一のピークであるガラス転移温度が0℃以下であること
    ・前記エチレン−α−オレフィン共重合体成分(C)の条件(C−i)〜(C−ii)
    (C−i)温度が190℃、荷重が2.16kgの条件で測定したメルトフローレートが0.1〜50g/10分であること
    (C−ii)密度が0.899〜0.930g/cmであること
  2. 前記医療用液体収納容器体は、前記プロピレン系樹脂組成物により形成されたプリフォームを二軸延伸ブローすることにより成形されたものである請求項1に記載の医療用液体収納容器体。
  3. 前記扁平形状の筒状胴部は、向かい合う2つの胴部平坦部と、前記2つの胴部平坦部を接続し、かつ湾曲した2つの胴部側部とを備え、前記胴部側部の肉厚は、前記胴部平坦部の肉厚より薄いものとなっている請求項1または2に記載の医療用液体収納容器体。
  4. 前記筒状胴部は、水平断面において厚み方向となる短軸Sと幅方向となる長軸Lとを有する扁平形状となっており、かつ、短軸Sの長さと長軸Lの長さの比は、1:1.5〜5となっている請求項1ないし3のいずれかに記載の医療用液体収納容器体。
  5. 前記医療用液体収納容器体は、下端に開口部を有する筒状の前記排出部と、前記排出部と連続し、かつ上方に延びる筒状下部と、前記筒状下部と連続し、かつ上方に延びる前記筒状胴部と、前記筒状胴部と連続し、かつ上方に延びる筒状上部とを備え、かつ前記筒状下部、前記筒状胴部および前記筒状上部は、水平断面において長軸と短軸とを有する扁平形状を有している請求項1ないし4のいずれかに記載の医療用液体収納容器体。
  6. 前記容器体は、前記筒状上部の前記長軸の両端に設けられた2つの肩側部を備え、前記胴部側部は、前記肩側部と連続し、かつ下方に延びている請求項5に記載の医療用液体収納容器体。
  7. 前記容器体は、上端部に吊下用部材装着部もしくは吊下可能部を備えている請求項1ないし6のいずれかに記載の医療用液体収納容器体。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の医療用液体収納容器体と、前記排出部の前記開口部を封止するとともに、薬剤排出用針の接続が可能な排出ポートと、前記医療用液体収納容器体内に充填された薬剤とを備えることを特徴とする薬剤充填済み医療用容器。
  9. プロピレン系樹脂組成物の延伸ブロー形成物であり、かつ、扁平形状の筒状胴部と筒状の排出部とを有する医療用液体収納容器体の製造方法であって、
    前記プロピレン系樹脂組成物は、条件(A−i)〜(A−iii)を満たすプロピレン−エチレンランダム共重合体(A)28〜48重量%、条件(B−i)〜(B−iii)を満たすプロピレン−エチレンランダムブロック共重合体(B)20〜40重量%、条件(C−i)〜(C−ii)を満たすエチレン−α−オレフィン共重合体成分(C)10〜30重量%、ホモポリプロピレン(D)5〜20重量%、SEBS[ポリスチレン−ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック−ポリスチレン共重合体](E)0.5〜5重量%からなるプロピレン系樹脂組成物を射出成形することにより筒状プリフォームを準備するプリフォーム準備工程と、
    ・前記プロピレン−エチレンランダム共重合体(A)の条件(A−i)〜(A−iii)
    (A−i)メタロセン系触媒を用いて製造されたプロピレン−エチレンランダム共重合体であること
    (A−ii)温度230℃、荷重が2.16kgの条件で測定したメルトフローレート1〜30g/10分であること
    (A−iii)エチレン含有量が1〜6重量%であること
    ・前記プロピレン−エチレンランダムブロック共重合体(B)の条件(B−i)〜(B−iii)
    (B−i)メタロセン系触媒を用いて、第1工程でDSC測定における融解ピーク温度が125〜135℃、エチレン含量が1.5〜3.0重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B1)を50〜60重量%、第2工程でエチレン含有量が8〜14重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B2)を50〜40重量%逐次重合することで得られたプロピレン−エチレンランダムブロック共重合体であること
    (B−ii)メルトフローレート(JIS K7210 A法 条件M、230℃ 2.16kg)が4〜10g/10minの範囲にあること
    (B−iii)固体粘弾性測定により得られる温度−損失正接(tanδ)曲線において、−60〜20℃の範囲において観測されるガラス転移を表す温度−損失正接(tanδ)曲線が単一のピークを持ち、かつ前記単一のピークであるガラス転移温度が0℃以下であること
    ・前記エチレン−α−オレフィン共重合体成分(C)の条件(C−i)〜(C−ii)
    (C−i)温度が190℃、荷重が2.16kgの条件で測定したメルトフローレートが0.1〜50g/10分であること
    (C−ii)密度が0.899〜0.930g/cmであること
    前記扁平形状の筒状胴部を形成するための筒状胴部形成部を有する成形型を準備する成形型準備工程と、
    前記成形型内に、前記筒状プリフォームの加熱物を配置する加熱筒状プリフォーム配置工程と、
    前記加熱筒状プリフォームを軸方向に延伸する軸延伸と前記筒状プリフォーム内に空気を送り込む拡張延伸とを行い延伸物を形成し、かつ、前記延伸物を前記成形型の内面に当接させて前記容器体を成形する延伸成形工程とを行うことを特徴とする医療用液体収納容器体の製造方法。
  10. 薬剤充填済み医療用容器の製造方法であって、請求項9に記載の医療用液体収納容器体の製造方法により医療用液体収納容器体を製造する医療用液体収納容器体製造工程と、前記容器体内に前記薬剤を充填する薬剤工程と、前記容器体の前記排出部の開口部を薬剤排出用針が接続可能な封止部材にて封止する排出ポート形成工程とを行うことを特徴とする薬剤充填済み医療用容器の製造方法。
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