JP2019130251A - 医療用液体容器作製用筒状プリフォームおよび医療用液体収納容器体の製造方法 - Google Patents

医療用液体容器作製用筒状プリフォームおよび医療用液体収納容器体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ブロー成形により形成される拡張扁平筒状部が全周的にほぼ均一な肉厚を備える医療用液体収納容器体の製造が可能な筒状プリフォームを提供する。【解決手段】筒状プリフォーム1は、排出部21と、上端にて閉塞した拡張扁平筒状部20とを有する医療用液体収納容器体10を二軸延伸ブロー成形により作製するためのものである。プリフォーム1は、閉塞した上端部6と、排出部21を形成する下端部4と、上端部と下端部間を連結する筒状本体部3とを備える。筒状本体部3は、軸方向直交断面の外縁がほぼ真円である円筒部31を有する。円筒部は、その内面に形成され、所定長軸方向に延びかつ向かい合う2つの肉厚部31a,31bと、2つの肉厚部間に形成された向かい合う2つの肉薄部31c,31dを備える。【選択図】図9

Description

本発明は、医療用液体容器作製用筒状プリフォームおよび医療用液体収納容器体の製造方法に関する。
医療用容器、例えば、輸液用容器としては、2枚のシートを貼り合わせて作製したもの、筒状のパリソンをブロー成形することにより作製したもの、有底筒状のプリフォームをブロー成形により扁平筒状の立体形状を有するように作製したものなど各種のものがある。
ブロー成形による医療用容器としては、特許第3013200号公報(特許文献1)のものがある。特許文献1の薬液用プラスチック容器は、胴部と、該胴部の上端及び下端に連なる上方肩側部及び下方肩側部と、該上方肩側部を介して形成した吊具と、該下方肩側部を介して形成した口部からなり、円周方向で平坦面と側端面とにより略楕円形状を構成するブロー成形した合成樹脂製の薬液用プラスチック容器において、容器は引張弾性率が100〜4000Kg/cmの合成樹脂にて構成し、側端面を薄肉に形成し、且つ、上方肩側部から胴部上端近傍にかけての平坦面と下方肩側部から胴部下端近傍にかけての平坦面とを厚肉に形成し、胴部の上下方向中央部の平坦面を薄肉に形成したものとなっている。
ブロー成形による容器の製造としては、例えば、特開2015−189027号公報(特許文献2)がある。特許文献2には、金型4に装着された樹脂製容器3成形用のプリフォーム1をストレッチロッド9により縦延伸し、かつブローエア14により横延伸する樹脂製容器の成形方法であって、プリフォームは、全体として上下に延びる筒状を呈し、上下両側に形成される口部10,12の間に本体部15を有し、本体部の肉厚は、上下方向における中央部から上下に向かって徐々に減少し、中央部の前後部の肉厚よりも左右部の肉厚が大きく、中央部から上下に向かうに従って前後部の肉厚と左右部の肉厚の差が小さくなっていて、縦延伸が横延伸に先行するようにプリフォームを二軸延伸することにより、本体部を、前後の幅よりも左右の幅の大きい扁平状にすることが開示されている。
また、本願出願人は、WO2015/146338(特許文献3)を提案している。特許文献3では、医療用液体容器作製用筒状プリフォーム1として、熱可塑性樹脂を射出成形することにより形成され、閉塞上端部3と、排出部44を形成する下端部4と、閉塞上端部3と下端部4間を連結する筒状本体部2とを備え、閉塞上端部3は、医療用液体容器10の内方変形可能部を形成するために、上方に向かって肉厚が漸減する肉厚変化部31を備える。肉厚変化部31は、肉厚変化部31の上端における肉厚aが、1.3〜1.6mmであり、肉厚変化部の下端における肉厚bが、肉厚aの2.5〜4倍となっているものを開示している。
また、プリフォームの加熱方法に関し、特開2005−153181号公報(特許文献4)がある。特許文献4は、プリフォームの加熱に際し、延出部を効率良く保護しつつ、プリフォームの底部も十分に加熱できるようにし、延出部の熱変形や、底部の成形不良が抑制された延出部付き容器の成形方法に関する。そして、特許文献4には、有底筒状のプリフォーム本体21と、当該プリフォーム本体21の底部22から外方へ延出する延出部23とを有し、加熱後、二軸延伸ブロー成形によって延出部付き容器10に成形されるプリフォーム20の加熱方法であって、前記延出部23ごとにカバー90で覆いながら、前記プリフォーム本体21を加熱する。カバーは、開閉自在なチャック式のカバーとすることに関する開示がある。
特許3013200号公報 特開2015−189027号公報 WO2015/146338 特開2005−153181号公報
上記のようなブロー成形を検討したところ、扁平筒状の立体状に形成した場合、扁平筒状の長軸部側が肉薄となり、強度不足を生じる可能性があることがわかった。特許文献2では、プリフォームは、全体として上下に延びる筒状を呈し、上下両側に形成される口部の間に本体部を有し、本体部の肉厚は、上下方向における中央部から上下に向かって徐々に減少し、中央部の前後部の肉厚よりも左右部の肉厚が大きく、中央部から上下に向かうに従って前後部の肉厚と左右部の肉厚の差が小さくなっていて、縦延伸が横延伸に先行するようにプリフォームを二軸延伸することにより、前記本体部を、前後の幅よりも左右の幅の大きい扁平状に成形している。このため、成形後の樹脂製容器の壁肉厚分布の均一化を図ることができるものとなっている。
しかし、本件発明者が検討したところ、特許文献2では、その図1(C)に示されているように、プリフォームとして、横断面が楕円形であるものを用いている。このため、プリフォームの均一な加熱ができず、成形物が、必ずしも壁肉厚分布が均一なものとならない可能性があることがわかった。
そこで、本発明の目的は、形成される医療用液体収納容器体の拡張扁平筒状部の本体部分の長軸側部に肉薄部が形成されず、拡張扁平筒状部の本体部分が、全周的にほぼ均一な肉厚を備える医療用液体収納容器体を容易かつ確実に作製することができる医療用液体容器作製用筒状プリフォームおよび医療用液体収納容器体の製造方法を提供するものである。
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 内部に薬剤を充填するための医療用液体容器であり、かつ、下端に開口部を有する筒状の排出部と、前記排出部から上方に連続し、上端にて閉塞した拡張扁平筒状部とを有する医療用液体収納容器体を二軸延伸ブロー成形により作製するための筒状プリフォームであって、
前記筒状プリフォームは、熱可塑性樹脂を射出成形することにより形成され、閉塞した上端部と、前記排出部を形成する下端部と、前記上端部と前記下端部間を連結する筒状本体部とを備え、
前記筒状本体部は、軸方向直交断面の外縁がほぼ真円である円筒部を有し、前記円筒部は、前記円筒部の内面に形成され、所定長軸方向に延びかつ向かい合う2つの肉厚部と、前記向かい合う2つの肉厚部間に形成された向かい合う2つの肉薄部とを備える医療用液体容器作製用筒状プリフォーム。
(2) 前記肉厚部の内面は、周方向中央部が若干窪んだ湾曲面となっている上記(1)に記載の医療用液体容器作製用筒状プリフォーム。
(3) 前記肉厚部は、周方向の両端部に向かって徐々に肉薄となっている上記(1)または(2)に記載の医療用液体容器作製用筒状プリフォーム。
(4) 前記肉厚部の周方向中央部における肉厚は、前記肉薄部の1.03〜1.15倍である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の医療用液体容器作製用筒状プリフォーム。
(5) 前記各肉厚部は、前記筒状本体部の中心軸に対して、20〜160度の範囲に形成されている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の医療用液体容器作製用筒状プリフォーム。
(6) 前記筒状プリフォームは、前記上端部から上方に突出した把持用突出部を有し、前記筒状プリフォームは、二軸延伸ブロー時に前記把持用突出部を摘まんで引き上げることにより、前記プリフォームの軸方向に延伸されるものである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の医療用液体容器作製用筒状プリフォーム。
また、上記目的を達成するものは、以下のものである。
(7) 下端に開口部を有する筒状の排出部と、前記排出部と連続し、かつ上方に延び、上端にて閉塞した拡張扁平筒状部とを有する医療用液体収納容器体の製造方法であって、
上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の医療用液体容器作製用筒状プリフォームを準備するプリフォーム準備工程と、
前記プリフォームの軸延伸方向と直交し、かつ、互いに直交する長軸と短軸とを有する拡張扁平筒状部形成部を備える成形装置を準備する成形装置準備工程と、
前記筒状プリフォームを加熱するプリフォーム加熱工程と、
加熱された前記筒状プリフォームを、前記プリフォームの中心軸方向に延伸する軸延伸と前記筒状プリフォーム内に空気を送り込む拡張延伸とを行い、前記向かい合う2つの肉厚部により形成される向かい合う肉厚側部と、前記向かい合う2つの肉薄部により形成される向かい合う肉薄側部とを有するプリフォーム拡張体を形成するプリフォーム拡張体作製工程と、
前記拡張扁平筒状部形成部の前記長軸側に前記プリフォーム拡張体の前記肉厚側部が位置し、前記拡張扁平筒状部形成部の短軸側に前記プリフォーム拡張体の前記肉薄側部が位置するように、前記プリフォーム拡張体を前記成形装置内に配置した後、前記プリフォーム拡張体に空気を送り込み、前記プリフォーム拡張体を拡張させ、前記成形装置の前記拡張扁平筒状部形成部の内面に当接させて前記拡張扁平筒状部を成形する拡張扁平筒状部成形工程とを行う医療用液体収納容器体の製造方法。
(8) 前記医療用液体収納容器体の前記拡張扁平筒状部は、前記排出部と連続し、かつ上方に延びる筒状下部と、前記筒状下部と連続し、かつ上方に延びる扁平筒状胴部と、前記扁平筒状胴部と連続し、かつ上方に延びる筒状上部とを備え、前記扁平筒状胴部は、水平断面において長軸と短軸とを有する扁平形状を備え、かつ、全周においてほぼ均一な肉厚を有するものとなっている上記(7)に記載の医療用液体収納容器体の製造方法。
(9) 前記プリフォーム加熱工程は、加熱装置内に前記プリフォームを配置し、前記プリフォームを回転させて加熱することにより行う上記(7)または(8)に記載の医療用液体収納容器体の製造方法。
(10) 前記プリフォーム拡張体作製工程は、前記加熱された筒状プリフォームの前記筒状本体部の全長が、前記医療用液体収納容器体の前記拡張扁平筒状部の全長となるまで中心軸方向に延伸するものである上記(7)ないし(9)のいずれかに記載の医療用液体収納容器体の製造方法。
(11) 前記拡張扁平筒状部成形工程では、前記プリフォーム拡張体の前記肉薄側部に由来する部分の外面が、前記プリフォーム拡張体の前記肉厚側部に由来する部分の外面よりも先に前記拡張扁平筒状部形成部の内面に当接して冷却される上記(7)ないし(10)のいずれかに記載の医療用液体収納容器体の製造方法。
(12) 前記拡張扁平筒状部成形工程では、前記プリフォーム拡張体を前記成形装置内に配置した際に、前記プリフォーム拡張体の前記肉薄側部に由来する部分の外面が、前記拡張扁平筒状部形成部の内面により押しつぶされるとともに冷却される上記(11)に記載の医療用液体収納容器体の製造方法。
本発明の医療用液体容器作製用筒状プリフォームは、内部に薬剤を充填するための医療用液体容器であり、かつ、下端に開口部を有する筒状の排出部と、排出部から上方に連続し、上端にて閉塞した拡張扁平筒状部とを有する医療用液体収納容器体を二軸延伸ブロー成形により作製するための筒状プリフォームである。筒状プリフォームは、熱可塑性樹脂を射出成形することにより形成され、閉塞した上端部と、排出部を形成する下端部と、上端部と下端部間を連結する筒状本体部とを備え、筒状本体部は、軸方向直交断面の外縁がほぼ真円である円筒部を有し、円筒部は、円筒部の内面に形成され、所定長軸方向に延びかつ向かい合う2つの肉厚部と、向かい合う2つの肉厚部間に形成された向かい合う2つの肉薄部とを備える。
この筒状プリフォームを用いることにより、一次延伸ブローにおいて、向かい合う2つの肉厚部により形成される向かい合う肉厚側部と、向かい合う2つの肉薄部により形成される向かい合う肉薄側部とを有するプリフォーム拡張体を容易に形成でき、このプリフォーム拡張体を用いてさらにブロー成形することにより、全周的にほぼ均一な肉厚となった拡張扁平筒状部を備える医療用液体収納容器体を容易に作製できる。
本発明の医療用液体収納容器体の製造方法は、下端に開口部を有する筒状の排出部と、排出部と連続し、かつ上方に延び、上端にて閉塞した拡張扁平筒状部とを有する医療用液体収納容器体の製造方法である。本発明の製造方法は、上記の記載の医療用液体容器作製用筒状プリフォームを準備するプリフォーム準備工程と、プリフォームの軸延伸方向と直交し、かつ、互いに直交する長軸と短軸とを有する拡張扁平筒状部形成部を備える成形装置を準備する成形装置準備工程と、筒状プリフォームを加熱するプリフォーム加熱工程と、加熱された筒状プリフォームを、プリフォームの中心軸方向に延伸する軸延伸と筒状プリフォーム内に空気を送り込む拡張延伸とを行い、向かい合う2つの肉厚部により形成される向かい合う肉厚側部と、向かい合う2つの肉薄部により形成される向かい合う肉薄側部とを有するプリフォーム拡張体を形成するプリフォーム拡張体作製工程と、拡張扁平筒状部形成部の長軸側にプリフォーム拡張体の肉厚側部が位置し、拡張扁平筒状部形成部の短軸側にプリフォーム拡張体の肉薄側部が位置するように、プリフォーム拡張体を成形装置内に配置した後、プリフォーム拡張体に空気を送り込み、プリフォーム拡張体を拡張させ、成形装置の拡張扁平筒状部形成部の内面に当接させて拡張扁平筒状部を成形する拡張扁平筒状部成形工程とを行うものである。
この製造法によれば、筒状プリフォームの筒状本体部は、軸方向直交断面の外縁がほぼ真円である円筒状であるため、プリフォーム加熱工程において、筒状本体部の側部に過剰加熱部分が形成されることがない。このため、プリフォーム拡張体作製工程において、筒状プリフォームの筒状本体部が有する向かい合う2つの肉厚部から向かい合う肉厚側部を形成することおよび向かい合う2つの肉薄部から向かい合う肉薄側部を形成することが容易である。そして、本発明では、成形装置内に、拡張扁平筒状部形成部の長軸側にプリフォーム拡張体の肉厚側部が位置し、かつ、拡張扁平筒状部形成部の短軸側にプリフォーム拡張体の肉薄側部が位置した状態にて、プリフォーム拡張体の再拡張を行う。再拡張時において、肉薄側部は、拡張扁平筒状部形成部の短軸側内面に早期に当接するため、実質的に拡張しないもしくは低拡張のため、成形時の肉厚をほぼ維持する。これに対して、肉厚側部は、拡張扁平筒状部形成部の内面の長軸側端部に当接するまで、拡張されることにより、肉厚が減少する。これにより、形成される医療用液体収納容器体の拡張扁平筒状部の本体部分は、全周的にほぼ均一な肉厚を備えるものとなる。
図1は、本発明の医療用液体容器作製用筒状プリフォームにより製造される医療用液体収納容器体の一例の正面図である。 図2は、図1に示した医療用液体収納容器体の縦断面図である。 図3は、図1に示した医療用液体収納容器体のA−A線断面図である。 図4は、図1のB−B線断面図である。 図5は、本発明の医療用液体容器作製用筒状プリフォームの一例の正面図である。 図6は、図5に示した筒状プリフォームの平面図である。 図7は、図5に示した筒状プリフォームの底面図である。 図8は、図5に示した筒状プリフォームの縦断面図である。 図9は、図5のC−C線断面図である。 図10は、図5のD−D線断面図である。 図11は、図5に示した筒状プリフォームの斜視図である。 図12は、本発明の医療用液体収納容器体の製造方法におけるプリフォーム加熱工程を説明するための説明図である。 図13は、本発明の医療用液体収納容器体の製造方法におけるプリフォーム拡張体の成形工程を説明するための説明図である。 図14は、本発明の医療用液体収納容器体の製造方法におけるプリフォーム拡張体の成形工程を説明するための説明図である。 図15は、本発明の医療用液体収納容器体の製造方法におけるプリフォーム拡張体の成形工程を説明するための説明図である。 図16は、図15におけるプリフォーム拡張体のE−E線断面図である。 図17は、本発明の他の実施例の医療用液体収納容器体の製造方法におけるプリフォーム拡張体の成形工程を説明するための説明図である。 図18は、本発明の医療用液体収納容器体の製造方法を説明するための説明図である。 図19は、本発明の医療用液体収納容器体の製造方法を説明するための説明図である。 図20は、本発明の医療用液体収納容器体の製造方法を説明するための説明図である。 図21は、本発明の医療用液体収納容器体の製造方法を説明するための説明図である。
本願発明の医療用液体容器作製用筒状プリフォームおよび医療用液体収納容器体の製造方法を図面を用いて説明する。
本発明の医療用液体容器作製用筒状プリフォーム1は、内部に薬剤を充填するための医療用液体容器体10であり、かつ、下端に開口部を有する筒状の排出部21と、排出部21から上方に連続し、上端にて閉塞した拡張扁平筒状部20とを有するものを二軸延伸ブロー成形により作製するための筒状プリフォームである。本発明の筒状プリフォーム1は、熱可塑性樹脂を射出成形することにより形成され、閉塞した上端部と、排出部21を形成する下端部4と、上端部と下端部間を連結する筒状本体部3とを備え、筒状本体部3は、軸方向直交断面の外縁がほぼ真円である円筒部(本体円筒部)31を有し、かつ、本体円筒部31の内面に形成され、所定長軸方向に延び、向かい合う2つの肉厚部31a,31bと、向かい合う2つの肉厚部31a,31b間に形成された向かい合う2つの肉薄部31c,31dとを備える。
本発明の医療用液体容器作製用筒状プリフォームおよび医療用液体収納容器体の製造方法により製造される一例の医療用液体収納容器体は、図1ないし図4に示すような形態を備えている。
容器体10は、下端に開口部を有する筒状の排出部21と、排出部21と連続し、かつ上方に延び、上端にて閉塞した拡張扁平筒状部20とを備える。拡張扁平筒状部20の内部には、扁平状の薬剤収納室20aが形成されている。容器体10は、射出成形された樹脂製の筒状プリフォームを二軸延伸ブローすることにより成形されている。二軸延伸ブロー成形は、試験管状のプリフォームを成形し、このプリフォームを成形樹脂のガラス転移点(Tg)以上の温度にて延伸ブロー成形する成形法である。
図1ないし図4に示す医療用液体収納容器体10は、下端に開口部を有する筒状の排出部21と、排出部21と連続し、かつ上方に延びる筒状下部22と、筒状下部22と連続し、かつ上方に延びる扁平筒状胴部23と、扁平筒状胴部23と連続し、かつ上方に延びる筒状上部24とを備える。扁平筒状胴部23は、水平断面において長軸と短軸とを有する扁平形状を備える。さらに、扁平筒状胴部23は、図4に示すように、全周においてほぼ均一な肉厚を有するものとなっている。
具体的には、容器体10は、下端に開口部を有するほぼ円筒状の排出部21と、この円筒状排出部21と連続し、かつ上方に延びる拡張扁平筒状部20を備える。拡張扁平筒状部20は、円筒状排出部21と連続する扁平筒状下部22と、筒状下部22と連続し、かつ上方に延びる扁平筒状胴部23と、筒状胴部23と連続し、かつ上方に延びる扁平筒状上部24とを備える。そして、図4に示すように、筒状胴部23は、水平断面において長軸と短軸とを有する扁平形状となっている。同様に、筒状下部22、筒状上部24も水平断面において長軸と短軸とを有する扁平形状となっている。
円筒状排出部21は、ほぼ同一内径にて所定長延びる筒状部であり、また、非延伸部であり、筒状プリフォームの形成形態を維持している。このため、容器体10の下端部は、非延伸部となっている。また、排出部21は、下端開口と、ポート部材接合用のフランジ21aとフランジ21aより上方に形成された補強用フランジ21bを備えている。また、容器体10(拡張扁平筒状部20)は、閉塞した上面部28を有しており、この上面部28には、上方に突出する突出部29が形成されている。突出部29は、吊下用部材(図示せず)の装着保持部として機能する。
容器体10は、排出部21と連続し、かつ上方に延びる扁平筒状下部22を備えている。扁平筒状下部22は、図1ないし図4に示すように、下端部(排出部の上端)では、ほぼ円筒形であるものが、上方に向かって幅が急激に広がるとともに、厚さも徐々に広くなるように形成されている。このため、扁平筒状下部22は、上方に向かって長軸長が急激に長くなる方向に変化し、短軸長も徐々に長くなる方向に変化している。しかし、長軸長の変化量が、短軸長の変化量よりかなり多いため、変形筒状下部22は、下端から上端に向かって、急激に扁平化が進行するものとなっている。
そして、容器体10は、扁平筒状下部22の長軸側の両端部に設けられた2つの下部側部27a,27bを備えている。2つの下部側部27a,27bは、排出部21に向かって急激に近接するものとなっている。また、下部側部27a,27bは、外方に向かって略円弧状に突出する湾曲部となっている。
さらに、容器体10は、筒状下部22の長軸側(長軸を挟んで対向する)の正面および裏面にそれぞれ設けられた下部中央部22a、22bを備え、下部中央部は、下端から上端に向かって肉厚が徐々に薄くなっている。
また、容器体10は、扁平筒状下部22の上端と連続し、かつ上方に延びる扁平筒状胴部23を備える。また、扁平筒状胴部23は、下部側部27a,27bの上端と連続し、上方に延びる2つの胴部側部26a,26bを備えている。胴部側部26a,26bは、外方に向かって略円弧状に突出する湾曲部となっている。扁平筒状胴部23は、図4に示す中央部位が最も長軸長が長い(幅が広い)最長長軸部位となっている。なお、扁平筒状胴部23は、所定長軸方向に延びるものの長軸長(幅)および短軸長(厚さ)の変化が少ないものとなっている。
そして、この容器体10では、胴部側部26a,26bを含め、扁平筒状胴部23の全周方向の肉厚(上下方向の直交断面における肉厚)は、ほぼ均一なものとなっている。また、図2および図3に示すように、筒状胴部23は、肉厚変化が少ない部分となっている。また、筒状下部22および筒状上部24は、筒状胴部23に向かって、徐々に肉薄となっている。
また、容器体10は、扁平筒状胴部23の上端と連続し、かつ上方に延びる扁平筒状上部24を備える。また、扁平筒状上部24は扁平筒状上部24の長軸の両端に設けられた2つの肩側部25a,25bと連続し、肩側部25a,25bは胴部側部26a,26bの上端と連続し、閉塞した上面部28まで延びるものとなっている。扁平筒状上部24は、図1ないし図3に示すように、上方(上面部28)に向かって幅が減少するとともに、厚さも徐々に薄くなるように形成されている。このため、扁平筒状上部24は、上方に向かって長軸長、短軸長ともに減少方向に変化している。肩側部25a,25bは、外方に向かって略円弧状に突出する湾曲部となっている。
容器体10の内容積としては、50〜1600mlが好ましく、突出部29の直径は2〜5mm程度が好ましい。また、容器体10の拡張扁平筒状部20の厚さは、0.1〜0.5mmが好ましく、拡張扁平筒状部20の長軸幅は、60〜150mm、拡張扁平筒状部20の短軸幅は、長軸幅の1/4〜1/2倍、拡張扁平筒状部20の軸方向長さは110〜250mmであることが好ましい。容器体10は、熱可塑性樹脂により形成されている。
次に、本発明の筒状プリフォーム1について、図5ないし図11を用いて説明する。
本発明の筒状プリフォーム1は、熱可塑性樹脂を射出成形することにより形成され、閉塞した上端部6と、排出部21を形成する下端部4と、上端部と下端部間を連結する筒状本体部3とを備える。筒状本体部3は、軸方向直交断面の外縁がほぼ真円である円筒部(本体円筒部)31を有する。円筒部31は、その内面に形成され、所定長軸方向に延び、向かい合う2つの肉厚部31a,31bと、向かい合う2つの肉厚部31a,31b間に形成された向かい合う2つの肉薄部31c,31dを有する。
この実施例のプリフォーム1では、閉塞上端部6は、医療用液体容器体10の内方変形可能部を形成するために、上方に向かって肉厚が漸減する肉厚変化部33を備える。肉厚変化部33は、肉厚変化部33の上端における肉厚aが、1.3〜1.6mmであり、肉厚変化部の下端における肉厚bが、肉厚aの2.5〜4倍となっている。
また、この実施例のプリフォーム1では、上方に突出する把持用突出部5を有する閉塞上端部6と、容器体10の下端に開口部を有する筒状の排出部21を形成する下端部4と、閉塞上端部6と下端部4間を形成する筒状本体部3と、下端より上端までほぼ同一内径にて延びる内腔7と、閉塞上端部6の把持用突出部5の下端近傍から筒状本体部の下端間により形成された被二軸延伸部8を有している。被二軸延伸部20は、被二軸延伸部20の下部の内径と、被二軸延伸部における内腔長との比が、1:3.5〜5.6となっている。
閉塞上端部6は、外面および内面が、半球状に形成されており、その外面の中心に、外方に延びる把持用突出部5が形成されている。二軸延伸ブロー時に、この把持用突出部5を摘まんで引き上げることにより、プリフォームの軸方向に延伸することが容易なものとなっている。把持用突出部5は、柱状体であり、若干先端に向かって縮径するテーパー状のものとなっている。把持用突出部5の外径は、3〜8mmが好適であり、特に、3.5〜6mmであることが好ましい。これにより、把持用突出部5を摘んで引き上げる引上延伸する際に、把持用突出部5が途中で切れることがない。把持用突出部5の長さ(高さ)は、5〜20mmが好適であり、特に、6〜10mmであることが好ましい。これにより、把持用突出部5を摘んで引き上げる引上延伸する際に、把持用突出部5を確実に摘まむことができる。また、把持用突出部5を除く閉塞上端部6の長さ(高さ)は、8〜15mmが好適である。
下端部4は、このプリフォームを用いて製造される医療用容器体10の排出部21を形成するための部位である。そして、この実施例のプリフォーム1では、製造される医療用容器体10に下端部4の形態がほぼそのまま移行し、排出部21となるように形成されている。このため、下端部4は、下端に開口部41を有するほぼ同一内径にて延びる筒状部となっており、さらに、排出部21に取り付けられるポート部材接合用のフランジ43、フランジ43より上方に形成された補強用フランジ42と、フランジ43より下方に延びるポート部材装着部44を備えている。フランジ42は、製造時に用いる製造用フランジでもある。
筒状本体部3は、閉塞上端部6と下端部4間に位置し、それらを接続する筒状部である。筒状本体部3は、閉塞上端部6の下端より下方に延びる円筒部31と、円筒部31の下端と下端部4間に位置するテーパー部32とを備える。
円筒部31は、軸方向直交断面の外縁がほぼ真円であり、同一外径にて所定長軸方向に延びる筒状部である。そして、円筒部31は、図8ないし図10に示すように、内面に形成され、所定長軸方向に延び、向かい合う2つの肉厚部31a,31bと、向かい合う2つの肉厚部31a,31b間に形成された向かい合う2つの肉薄部31c,31dを有している。このため、円筒部31の内部は、同一内径にて延びるものとはなっていない。向かい合う肉厚部31a,31b間の距離Yは、向かい合う肉薄部31c,31d間の距離Xより、短いものとなっている。
そして、この実施例のプリフォーム1では、向かい合う2つの肉厚部31a,31bは、円筒部31の全長に渡り形成されている。さらに、この実施例のプリフォーム1では、肉厚部31a,31bの内面は、周方向中央部が若干窪んだ湾曲面となっている。なお、肉厚部31a,31bの内面は、直線状であってもよい。また、肉厚部31a,31bは、周方向の両端部(言い換えれば、肉厚部の長手方向側部)に向かって徐々に肉薄となっている。
肉厚部31a,31bの周方向中央部における肉厚(T1)は、肉薄部31c,31dの肉厚(T2)の1.03〜1.15倍であることが好ましく、特に、1.05〜1.10倍であることが好ましい。また、プリフォーム1の肉薄部31c,31dは、医療用液体収納容器体10の拡張扁平筒状部20の扁平筒状胴部23の短軸側の向かい合う部分を形成する。プリフォーム1の肉厚部31a,31bは、医療用液体収納容器体10の拡張扁平筒状部20の扁平筒状胴部23の長軸側の側部26a,26bを形成する。
具体的には、肉薄部31c,31dの肉厚T2は、3.25〜5.2mmが好適であり、特に、3.5〜4.5mmであることが好ましい。また、肉厚部31a,31bの周方向中央部の肉厚T1は、3.5〜5.5mmが好適であり、特に、3.8〜4.8mmであることが好ましい。
また、プリフォーム1の肉厚部31a,31bの扁平筒状胴部23の長軸側の側面部の形成時における延伸倍率S1にてプリフォーム1の肉厚部31a,31bの肉厚(T1)を除した値K1(肉厚T1/延伸倍率S1)が、プリフォーム1の肉薄部31c,31dの扁平筒状胴部23の短軸側の平面部の形成時における延伸倍率S2にてプリフォーム1の肉薄部31c,31dの肉厚(T2)を除した値K2(肉厚T2/延伸倍率S2)が、ほぼ同じもしくは、K1:K2=1:0.9〜1.1の範囲内であることが好ましい。
また、各肉厚部31a,31bは、筒状本体部3の中心軸に対して、20〜160度の範囲に形成されていることが好ましく、特に、70〜150度の範囲に形成されていることが好ましい。また、各肉薄部31c,31dは、筒状本体部の中心軸に対して、20〜140度の範囲に形成されていることが好ましい。また、向かい合う肉厚部31a,31b間の距離Yは、向かい合う肉薄部31c,31d間の距離Xの90〜99%であることが好ましく、特に、95〜98%であることが好ましい。
また、円筒部(同一外径部)31の長さ(高さ)は、40〜70mmが好適であり、特に、45〜65mmであることが好ましい。円筒部31の外径は、20〜40mmが好適であり、円筒部31の肉薄部31a,31bにおける内径は、 10〜29mmが好適であり、特に、15〜24mmであることが好ましい。
テーパー部32は、上述した円筒部31の下端と下端部4を接続している。テーパー部32は、円筒部31と同様に、軸方向直交断面の外縁がほぼ真円である。また、テーパー部32は、下方に向かって外径が、徐々に縮径している。さらに、この実施例のプリフォーム1では、図9に示すように、テーパー部32は、向かい合う2つの肉厚部32a,32bと、向かい合う2つの肉厚部32a,32b間に形成された向かい合う2つの肉薄部を有している。テーパー部32の肉厚部32a,32bは、上述した円筒部31の肉厚部31a,31bの下端と連続し、下方に延びている。
また、各肉厚部32a,32bは、図9に示すように、下端部4(テーパー部の下端)に向かって徐々に肉薄となり、下端部4の上端にて消失している。また、各肉厚部32a,32bは、筒状本体部3の中心軸に対して、20〜160度の範囲に形成されていることが好ましく、特に、70〜150度の範囲に形成されていることが好ましい。テーパー部32の長さ(高さ)は、10〜20mmが好適であり、テーパー部32の最小径部(下端部の上端)の外径は、13〜30mmが好適であり、特に、18〜25mmであることが好ましい。また、テーパー部32の最小径部(下端部の上端)の肉厚は、1〜3mmが好適である。
そして、筒状プリフォーム1の下端部4は、円筒部31の肉薄部31c,31dより肉薄に形成されている。具体的には、上述のように、下端部4のフランジ部分以外は、テーパー部32の最小肉厚部と同じ肉厚のものとなっている。
そして、筒状プリフォーム1の形成材料としては、熱可塑性合成樹脂が使用される。樹脂材料としては、特に制限されないが、成形性の観点から、ポリオレフィン樹脂が好ましい。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などのポリエチレン樹脂;プロピレン単独重合体(ホモPP)、プロピレン−エチレンランダム共重合体(ランダムコポリマーPP)、プロピレン−エチレンブロック共重合体(ブロックコポリマーPP)、またはプロピレンと1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチル−ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1、および4−メチル−ヘキセン−1からなる群より選択される少なくとも1種のα−オレフィンとのランダム共重合体、ブロック共重合体、もしくはグラフト共重合体等のポリプロピレン樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート(EMA)共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(E−EA−MAH)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)等のエチレン系共重合体;エチレン−アクリル酸共重合体のアイオノマー、エチレン−メタクリル酸共重合体のアイオノマー;環状オレフィンコポリマー(COC)、環状オレフィンポリマー(COP)などが挙げられる。これらポリオレフィン樹脂は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
上記のポリオレフィン樹脂の中でも、成形性の観点から、ホモPP、ランダムコポリマーPP、ブロックコポリマーPP、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、環状オレフィンコポリマー(COC)、環状オレフィンポリマー(COP)が好ましい。また、上記ポリオレフィン樹脂は、合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。これらのポリオレフィン樹脂を合成するための重合方法は特に制限されず、公知の方法を用いることができ、例えば、高圧ラジカル重合法、中低圧重合法、溶液重合法、スラリー重合法塊状重合法、気相重合法等を挙げることができる。また、重合に使用される触媒も特に制限はなく、例えば、過酸化物触媒、チーグラー−ナッタ触媒、メタロセン触媒等が挙げられる。ポリオレフィン樹脂の市販品の例としては、例えば、ノバテック(登録商標)PP、ウィンテック(登録商標)、ウェルネクス(登録商標)(以上、日本ポリプロ株式会社製)、ゼラス(登録商標)(三菱化学株式会社製)などが挙げられる。
また、上記のようなポリオレフィン樹脂とゴム成分とが混合されている樹脂材料(以下、単にブレンド物とも称する)も好適に用いることができる。
上記のゴム成分としては、例えば、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)等のオレフィン系エラストマー、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SB)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SI)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、水素添加スチレンブタジエンゴム(HSBR)等のスチレン系エラストマー、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリブタジエン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等が挙げられる。これらゴム成分は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
なお、これらゴム成分の中でも、耐衝撃性の改良効果の観点から、EPM、EPDMが好ましい。また、ブレンド物中の前記ゴム成分の含有量は、ブレンド物全体の質量を100質量%として、好ましくは5〜70質量%、より好ましくは10〜60質量%である。上記ブレンド物は、合成品を用いてもよいし市販品を用いてもよい。これらのブレンド物を得るためのブレンド方法に特に制限されず、公知のブレンド方法を用いることができる。
公知のブレンド方法としては、ポリオレフィン樹脂とゴム成分と必要に応じて添加剤などの他の成分とを、ブレンドする方法等が挙げられる。ブレンドする方法としては、例えば、ヘンシェルミキサー、タンブラーミキサー、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、熱ロール等の各種ミキサーを用いてブレンドする方法などを挙げることができる。また、ブレンド物として、エチレンおよびプロピレンを直接反応させることによって製造される重合型のポリオレフィン系熱可塑性エラストマーも好適に用いることができる。上記ブレンド物の市販品の例としては、例えば、日本ポリプロ株式会社製の軟質ポリオレフィン、重合型のポリオレフィン系熱可塑性エラストマーであるゼラス(登録商標、三菱化学株式会社製)などが挙げられる。
また、使用する樹脂材料としては、容器排出口の耐針刺通性の観点から、曲げ弾性率が、200〜1600MPaであることが好ましく、特に好ましくは、220〜1100MPaであり、さらに好ましくは240〜700MPaである。このようなものであれば、耐針刺通に必要な強度を有しつつ、好適な柔軟性を有する薬液容器を得ることができる。なお、曲げ弾性率の測定は、JIS K7171 「プラスチック−曲げ特性の求め方」(2008年)に記載の方法により行う。
さらに、筒状プリフォーム1の形成樹脂材料は、DSC測定により観測される最も高温側の吸熱ピークのピーク温度(Tm)が120〜180℃の温度範囲にあることが好ましい。高温側の吸熱ピークのピーク温度が120℃以上であれば、オートクレーブ滅菌時に容器が溶融したり、容器の変形が生じることがない。また、ピーク温度が180℃以下であれば、材料中の硬質成分が多くなく、成形後の容器としての十分な柔軟性を有するものとなる。ピーク温度は、好ましくは125〜170℃、より好ましくは130〜165℃である。
なお、ピーク温度は、約10mgの樹脂材料を、室温(23℃)から230℃まで10℃/分の速度で昇温し、その後40℃まで−10℃/分の速度で冷却し、再度230℃まで10℃/分の速度で昇温した時に得られるDSC特性における吸熱のピーク温度を表す。また、「最も高温側の吸熱ピーク」とは、吸熱ピークが複数ある場合は最も高温側の吸熱ピークを指し、吸熱ピークが1つの場合は、その1つの吸熱ピークを指す。
さらに、筒状プリフォーム1の形成樹脂材料は、230℃、荷重21.2N(約2.16kgf)の条件下で測定したMFRが、0.3〜10g/10分の範囲であるものが好ましい。樹脂材料のMFRが0.3g/10分以上であれば、射出または延伸ブローによる成形が困難となることがない。また、10g/10分以下であれば、プリフォームを加熱した際のある程度の溶融張力を維持するため、射出延伸ブロー成形時に局所的な伸びが生じたり、PFの変形および倒れが生じることもない。なお、前記MFRは、好ましくは0.5〜8g/10分であり、より好ましくは1〜6g/10分である。なお、本明細書において、MFRの測定は、JIS K7210 「熱可塑性プラスチックの流れ試験方法」(1999年)に記載の方法により行う。
本発明の医療用液体収納容器体の製造方法は、下端に開口部を有する筒状の排出部と、排出部と連続し、かつ上方に延び、上端にて閉塞した拡張扁平筒状部とを有する医療用液体収納容器体の製造方法である。
本発明の医療用液体収納容器体の製造方法は、下端に開口部を有する筒状の排出部と、排出部と連続し、かつ上方に延び、上端にて閉塞した拡張扁平筒状部とを有する医療用液体収納容器体の製造方法である。
本発明の製造方法は、上記の記載の医療用液体容器作製用筒状プリフォームを準備するプリフォーム準備工程と、プリフォームの軸延伸方向と直交し、かつ、互いに直交する長軸と短軸とを有する拡張扁平筒状部形成部を備える成形装置を準備する成形装置準備工程と、筒状プリフォームを加熱するプリフォーム加熱工程と、加熱された筒状プリフォームを、プリフォームの中心軸方向に延伸する軸延伸と筒状プリフォーム内に空気を送り込む拡張延伸とを行い、向かい合う2つの肉厚部により形成される向かい合う肉厚側部と、向かい合う2つの肉薄部により形成される向かい合う肉薄側部とを有するプリフォーム拡張体を形成するプリフォーム拡張体作製工程と、拡張扁平筒状部形成部の長軸側にプリフォーム拡張体の肉厚側部が位置し、拡張扁平筒状部形成部の短軸側にプリフォーム拡張体の肉薄側部が位置するように、プリフォーム拡張体を成形装置内に配置した後、プリフォーム拡張体に空気を送り込み、プリフォーム拡張体を拡張させ、成形装置の拡張扁平筒状部形成部の内面に当接させて拡張扁平筒状部を成形する拡張扁平筒状部成形工程とを行うものである。
本発明の医療用液体収納容器体の製造方法を実施例を用いて説明する。
この実施例の製造方法により、上述した医療用液体収納容器体10が製造される。
この実施例の医療用液体収納容器体の製造方法では、プリフォーム準備工程と、成形装置準備工程と、プリフォーム加熱工程と、プリフォーム拡張体作製工程と、拡張扁平筒状部成形工程が行われる。プリフォーム準備工程では、上述した筒状プリフォーム1を準備する。
成形装置準備工程では、内面にプリフォームの軸延伸方向と直交し、かつ、互いに直交する長軸と短軸とを有する扁平状筒状部成形部を備える成形装置を準備する。成形装置80としては、例えば、図13ないし図15、図19ないし図21に示すようなものが準備される。この例の成形装置80は、二つ割りの金型81,82を備えており、それぞれの金型81,82の内面には、容器体10の扁平側面の半部を形成するための凹部81a,82aを備えている。また、成形装置80は、プリフォーム起立載置部84と、起立載置部84に起立状態にて載置されたプリフォーム内に空気を圧入するため空気注入部85と、プリフォーム1の突出部5を把持し、上方に引き上げるためのプリフォーム引き上げ部83を備えている。
そして、使用される金型81,82は、排出部を成形する排出部成形部と、2つの肩側部を有する筒状上部を成形する筒状上部成形部と、扁平筒状胴部を成形する胴部成形部と、排出部の上端と連続する筒状下部を成形する筒状下部成形部と、容器の上下方向の中心軸と一致する成形装置中心軸とを備えている。
次に、プリフォーム加熱工程について説明する。
このプリフォーム加熱工程では、筒状プリフォームの筒状本体部の全体を均一にある程度加熱する。具体的には、図12に示すように、筒状プリフォーム1の筒状本体部3(円筒部31,テーパー部32)および上端閉塞部6を加熱装置70付近に配置し、プリフォーム1を回転させて加熱する。これにより、プリフォーム1の筒状本体部3および上端閉塞部6が、ほぼ均一に加熱される。プリフォームの加熱方法(加熱装置)は、特に制限されず、例えば、赤外線ヒーター、加熱板、高温オーブン、誘電加熱等の加熱装置を用いることができる。
次に、プリフォーム拡張体作製工程について説明する。
プリフォーム拡張体作製工程では、側部が十分に加熱された筒状プリフォームを、プリフォームの中心軸方向に延伸する軸延伸と筒状プリフォーム内に空気を送り込む拡張延伸とを行う。
この工程では、最初に、加熱されたプリフォーム1を図13に示すように、成形装置80内に配置する加熱プリフォーム配置工程を行う。具体的には、加熱プリフォーム1を図13に示すように、成形装置80内に、下端部4(排出部形成部)を起立載置部84上に配置し、突出部5をプリフォーム引き上げ部83により把持させた状態とする。また、プリフォーム1は、図14に示すように、プリフォーム1の筒状本体部3の肉厚部31a,31bが、拡張扁平筒状部形成部(金型81、82の凹部81a,82a)の長軸側となり、プリフォーム1の筒状本体部3の肉薄部31c,31dが拡張扁平筒状部形成部(凹部81a,82a)の短軸側(言い換えれば、凹部81a,82aの中央部)となるように、成形装置80内に配置することが好ましい。
次に、筒状プリフォームの把持用突出部を摘んで引き上げる引上延伸とプリフォーム内に空気を送り込む拡張延伸とにより延伸物を作製し、かつ成形装置の内面に押し当てる延伸物成形工程を行う。
延伸成形工程では、軸方向延伸と軸に直交する方向への横方向延伸が行われる。具体的には、図15に示すように、加熱プリフォーム1内に空気を送り込みながら、突出部5を把持したプリフォーム引き上げ部83を上方に移動させて、プリフォーム1を軸方向(縦方向)に延伸する。また、この工程では、加熱筒状プリフォーム1の筒状本体部3の全長が、医療用液体収納容器体10の拡張扁平筒状部20の全長となるまで中心軸方向に延伸する。
これにより、プリフォーム1は、医療用液体収納容器体10の全長と同じ長さに引き伸ばされたプリフォーム軸延伸物となる。プリフォーム軸延伸物では、加熱された本体部が伸ばされ、延伸本体部となる。また、プリフォームを成形装置中心軸方向に延伸する軸延伸と、プリフォーム内に空気を送り込む拡張延伸とがほぼ同時に開始されるため、加熱プリフォームは横方向にもある程度延伸されながら軸方向に延伸される。このため、延伸本体部は、横方向にもある程度延伸され、かつ、下端および上端から中央に向けて拡径した円筒状となったプリフォーム拡張体1aが形成される。また、プリフォーム拡張体1a内には、図16に示すように、拡張空間7aが形成される。プリフォーム拡張体1aにおける肉厚側部51a、51bの肉厚は、肉薄側部51c,51dの肉厚の1.5〜4.0倍であることが好ましく、特に、1.8〜3.0倍であることが好ましい。また、肉厚側部51a、51bの肉厚は、肉薄側部51c,51dの肉厚よりも、0.05〜0.3mm大きいことが好ましく、特に、0.08〜0.2mm大きいことが好ましい。
この工程における軸方向の延伸倍率は、好ましくは1〜7倍、より好ましくは2〜5倍である。また、横方向(周方向)の延伸倍率は、好ましくは、1〜5倍、より好ましくは、2〜4倍である。延伸倍率は、プリフォーム引き上げ部83の上方への移動距離、プリフォーム軸延伸物内へのエアーなどの流体の吹き込み圧等により制御される。延伸ブロー成形初期における流体の圧力は、0.01〜0.3MPaの範囲であることが好ましい。
そして、拡張延伸(一次延伸ブロー成形)により、図16に示すように、筒状本体部3の肉厚部31a,31bにより形成される向かい合う肉厚側部51a、51bと、プリフォーム1の筒状本体部3の肉薄部31c,31dにより形成される向かい合う肉薄側部51c,51dとを有し、断面が楕円形となったプリフォーム拡張体1aが形成される。また、この実施例では、筒状プリフォーム1のテーパー部32が拡張した部分にも、肉厚部32a,32bに起因する向かい合う肉厚側部が形成され、同様に、筒状プリフォーム1の閉塞上端部6にも、肉厚部61a,61bに起因する向かい合う肉厚側部が形成される。
なお、プリフォーム拡張体作製工程は、図17に示すような、プリフォーム拡張体作製用成形型90を用いて行ってもよい。成形型90は、二つ割りの金型91,92を備えており、それぞれの金型91,92の内面には、プリフォーム拡張体作の外面形状を形成するための凹部91a,92aを備えている。金型91,92の凹部91a,92aにより形成される空間は、図17に示すように、軸方向に直交する断面が、楕円状に形成されている。そして、この成形型90を用いる場合には、プリフォーム1の筒状本体部3の肉薄部31c,31dが、凹部91a,92aの中央部に向かい合うように、加熱されたプリフォーム1が配置される。そして、その状態において、上述した加熱筒状プリフォームを成形型中心軸方向に延伸する軸延伸と、加熱筒状プリフォーム内に空気を送り込む拡張延伸を行うことにより、図17に示すような筒状本体部3の肉厚部31a,31bにより形成される向かい合う肉厚側部51a、51bと、プリフォーム1の筒状本体部3の肉薄部31c,31dにより形成される向かい合う肉薄側部51c,51dとを有し、断面が楕円形となったプリフォーム拡張体1aを形成することができる。
次に、拡張扁平筒状部成形工程について説明する。
拡張扁平筒状部成形工程では、成形装置内に、拡張扁平筒状部形成部の長軸側にプリフォーム拡張体の肉厚側部が位置し、拡張扁平筒状部形成部の短軸側にプリフォーム拡張体の肉薄側部が位置する状態であり、かつ、肉薄部が、成形装置の内面により押しつぶされた状態となるようにプリフォーム拡張体を配置した後、プリフォーム拡張体に空気を送り込み、プリフォーム拡張体を拡張させ、成形装置の扁平成型用内面部の内面に当接させて拡張扁平筒状部を成形する。
この実施例では、図14に示すように、プリフォーム1の筒状本体部3の肉厚部31a,31bが、拡張扁平筒状部形成部(金型81、82の凹部81a,82a)の長軸側となり、プリフォーム1の筒状本体部3の肉薄部31c,31dが拡張扁平筒状部形成部(凹部81a,82a)の短軸側(言い換えれば、凹部81a,82aの中央部)となるように、成形装置80内に配置されている場合には、プリフォーム拡張体作製工程の終了時において、図18に示すような状態となっているので、その状態のまま、拡張扁平筒状部成形工程が行われる。
なお、プリフォーム1が、図14に示すような状態に配置されていない場合には、拡張扁平筒状部成形工程を行うにあたり、プリフォーム拡張体の成形装置への配置を行う。具体的には、図18に示すように、成形装置80内に、拡張扁平筒状部形成部(金型81、82の凹部81a,82a)の長軸側に、プリフォーム拡張体1aの肉厚側部51a、51bが位置し、拡張扁平筒状部形成部(凹部81a,82a)の短軸側(言い換えれば、凹部81a,82aの中央部)に、プリフォーム拡張体1aの肉薄側部51c,51dを配置する。
そして、図19に示すように、成形装置80の2つの金型81,82を閉じ、成形装置の内面(凹部81a,82aの内面)により、プリフォーム拡張体1aの肉薄側部51c,51dを押圧し、肉薄側部51c,51d側(プリフォーム拡張体1aの楕円部の長軸側)を押しつぶした状態とする。
これにより、成形装置80内において、プリフォーム拡張体は、図19に示すように、プリフォーム拡張体1aの肉薄側部51c,51dは、ある程度の長さをもって、金型81、82の凹部81a,82aに当接したものとなる。また、プリフォーム拡張体1aの肉厚側部51a、51bは、ある程度の長さをもって、金型81、82の凹部81a,82aと離間したものとなる。すなわち、プリフォーム拡張体の肉薄側部51c,51dに由来する部分の外面が、プリフォーム拡張体の肉厚側部51a,51bに由来する部分の外面よりも先に、成形装置の内面(凹部81a,82aの内面)に当接した状態となる。
このように、拡張扁平筒状部成形工程では、プリフォーム拡張体の肉薄側部51c,51dに由来する部分の外面が、プリフォーム拡張体の肉厚側部51a,51bに由来する部分の外面よりも先に拡張扁平筒状部成形部の内面に当接して冷却されるものとすることが好ましい。
特に、図19に示すように、拡張扁平筒状部成形工程では、プリフォーム拡張体を成形装置内に配置した際に、プリフォーム拡張体の肉薄側部51c,51dに由来する部分の外面が、拡張扁平筒状部成形部の内面により押しつぶされるとともに冷却されることが好ましい。
次に、プリフォーム拡張体を再拡張(二次ブロー成形)させて拡張扁平筒状部を成形する。
この工程では、プリフォーム拡張体に空気を送り込み、プリフォーム拡張体を拡張させ、成形装置の扁平成型用内面部の内面に当接させて拡張扁平筒状部を成形する。
具体的には、図19および図20に示す状態において、プリフォーム拡張体1a内に高い圧力で空気を送り込み、図21に示すように、プリフォーム拡張体の外面全体を金型81,82の内面(凹部)81a,82aに密着させる。これにより、プリフォーム拡張体の筒状本体部は、軸に直交する方向に完全に横延伸され、拡張扁平筒状部を有する容器体1b(10)となる。容器体1b(10)は、拡張空間7b(20a)を有する。
また、プリフォーム拡張体の筒状本体部の軸に直交する方向への横延伸により、プリフォーム拡張体1aの肉厚側部51a、51bは、薄肉化した側部51e,51fとなる。プリフォーム拡張体1aの肉薄側部51c,51dは、この工程における延伸度が低いので、ほぼそのままの肉厚を保持する。これにより、図21に示すように、形成される拡張扁平筒状部は、全周において、ほぼ均一な肉厚を有するものとなる。
この工程における横方向(周方向)の延伸倍率は、好ましくは1〜6倍、より好ましくは2〜5倍である。また、この工程における流体の圧力は、0.1〜1.0MPaの範囲であることが好ましい。
なお、拡張扁平筒状部成形工程において、成型装置80の2つの金型81,82を閉じた際に、プリフォーム拡張体の肉薄側部51c,51dが、成形装置の内面(凹部81a,82aの内面)から離間していてもよい。この場合、プリフォーム拡張体5aの肉厚側部51a,51bは、プリフォーム拡張体の肉薄側部51c,51dよりも、成形装置の内面(凹部81a,82aの内面)から離間しているものとなる。さらに、プリフォーム拡張体を再拡張させた際には、プリフォーム拡張体の肉薄側部51c,51dに由来する部分の外面が、プリフォーム拡張体の肉厚側部51a,51bに由来する部分の外面よりも先に、成形装置の内面(凹部81a,82aの内面)に当接して冷却される。これにより、プリフォーム拡張体5aの肉薄側部51c,51dは、肉厚側部51a,51bよりも延伸されず、図16に示すような、全周においてほぼ均一な肉厚を有する拡張扁平筒状部が形成される。
1 筒状プリフォーム
1a プリフォーム拡張体
3 筒状本体部
4 下端部
5 把持用突出部
6 上端部
10 医療用液体収納容器体
20 拡張扁平筒状部
21 排出部
31 円筒部
31a,31b 肉厚部
31c,31d 肉薄部
32 テーパー部
80 成形装置

Claims (12)

  1. 内部に薬剤を充填するための医療用液体容器であり、かつ、下端に開口部を有する筒状の排出部と、前記排出部から上方に連続し、上端にて閉塞した拡張扁平筒状部とを有する医療用液体収納容器体を二軸延伸ブロー成形により作製するための筒状プリフォームであって、
    前記筒状プリフォームは、熱可塑性樹脂を射出成形することにより形成され、閉塞した上端部と、前記排出部を形成する下端部と、前記上端部と前記下端部間を連結する筒状本体部とを備え、
    前記筒状本体部は、軸方向直交断面の外縁がほぼ真円である円筒部を有し、前記円筒部は、前記円筒部の内面に形成され、所定長軸方向に延びかつ向かい合う2つの肉厚部と、前記向かい合う2つの肉厚部間に形成された向かい合う2つの肉薄部とを備えることを特徴とする医療用液体容器作製用筒状プリフォーム。
  2. 前記肉厚部の内面は、周方向中央部が若干窪んだ湾曲面となっている請求項1に記載の医療用液体容器作製用筒状プリフォーム。
  3. 前記肉厚部は、周方向の両端部に向かって徐々に肉薄となっている請求項1または2に記載の医療用液体容器作製用筒状プリフォーム。
  4. 前記肉厚部の周方向中央部における肉厚は、前記肉薄部の1.03〜1.15倍である請求項1ないし3のいずれかに記載の医療用液体容器作製用筒状プリフォーム。
  5. 前記各肉厚部は、前記筒状本体部の中心軸に対して、20〜160度の範囲に形成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の医療用液体容器作製用筒状プリフォーム。
  6. 前記筒状プリフォームは、前記上端部から上方に突出した把持用突出部を有し、前記筒状プリフォームは、二軸延伸ブロー時に前記把持用突出部を摘まんで引き上げることにより、前記プリフォームの軸方向に延伸されるものである請求項1ないし5のいずれかに記載の医療用液体容器作製用筒状プリフォーム。
  7. 下端に開口部を有する筒状の排出部と、前記排出部と連続し、かつ上方に延び、上端にて閉塞した拡張扁平筒状部とを有する医療用液体収納容器体の製造方法であって、
    請求項1ないし6のいずれかに記載の医療用液体容器作製用筒状プリフォームを準備するプリフォーム準備工程と、
    前記プリフォームの軸延伸方向と直交し、かつ、互いに直交する長軸と短軸とを有する拡張扁平筒状部形成部を備える成形装置を準備する成形装置準備工程と、
    前記筒状プリフォームを加熱するプリフォーム加熱工程と、
    加熱された前記筒状プリフォームを、前記プリフォームの中心軸方向に延伸する軸延伸と前記筒状プリフォーム内に空気を送り込む拡張延伸とを行い、前記向かい合う2つの肉厚部により形成される向かい合う肉厚側部と、前記向かい合う2つの肉薄部により形成される向かい合う肉薄側部とを有するプリフォーム拡張体を形成するプリフォーム拡張体作製工程と、
    前記拡張扁平筒状部形成部の前記長軸側に前記プリフォーム拡張体の前記肉厚側部が位置し、前記拡張扁平筒状部形成部の短軸側に前記プリフォーム拡張体の前記肉薄側部が位置するように、前記プリフォーム拡張体を前記成形装置内に配置した後、前記プリフォーム拡張体に空気を送り込み、前記プリフォーム拡張体を拡張させ、前記成形装置の前記拡張扁平筒状部形成部の内面に当接させて前記拡張扁平筒状部を成形する拡張扁平筒状部成形工程とを行うことを特徴とする医療用液体収納容器体の製造方法。
  8. 前記医療用液体収納容器体の前記拡張扁平筒状部は、前記排出部と連続し、かつ上方に延びる筒状下部と、前記筒状下部と連続し、かつ上方に延びる扁平筒状胴部と、前記扁平筒状胴部と連続し、かつ上方に延びる筒状上部とを備え、前記扁平筒状胴部は、水平断面において長軸と短軸とを有する扁平形状を備え、かつ、全周においてほぼ均一な肉厚を有するものとなっている請求項7に記載の医療用液体収納容器体の製造方法。
  9. 前記プリフォーム加熱工程は、加熱装置内に前記プリフォームを配置し、前記プリフォームを回転させて加熱することにより行う請求項7または8に記載の医療用液体収納容器体の製造方法。
  10. 前記プリフォーム拡張体作製工程は、前記加熱された筒状プリフォームの前記筒状本体部の全長が、前記医療用液体収納容器体の前記拡張扁平筒状部の全長となるまで中心軸方向に延伸するものである請求項7ないし9のいずれかに記載の医療用液体収納容器体の製造方法。
  11. 前記拡張扁平筒状部成形工程では、前記プリフォーム拡張体の前記肉薄側部に由来する部分の外面が、前記プリフォーム拡張体の前記肉厚側部に由来する部分の外面よりも先に前記拡張扁平筒状部形成部の内面に当接して冷却される請求項7ないし10のいずれかに記載の医療用液体収納容器体の製造方法。
  12. 前記拡張扁平筒状部成形工程では、前記プリフォーム拡張体を前記成形装置内に配置した際に、前記プリフォーム拡張体の前記肉薄側部に由来する部分の外面が、前記拡張扁平筒状部形成部の内面により押しつぶされるとともに冷却される請求項11に記載の医療用液体収納容器体の製造方法。
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