JP2017012165A - 餅様食感デザート - Google Patents

餅様食感デザート Download PDF

Info

Publication number
JP2017012165A
JP2017012165A JP2016131006A JP2016131006A JP2017012165A JP 2017012165 A JP2017012165 A JP 2017012165A JP 2016131006 A JP2016131006 A JP 2016131006A JP 2016131006 A JP2016131006 A JP 2016131006A JP 2017012165 A JP2017012165 A JP 2017012165A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
texture
dessert
starch
mass
viscosity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016131006A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6827725B2 (ja
Inventor
聖子 畠山
Seiko Hatakeyama
聖子 畠山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
San Ei Gen FFI Inc
Original Assignee
San Ei Gen FFI Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by San Ei Gen FFI Inc filed Critical San Ei Gen FFI Inc
Publication of JP2017012165A publication Critical patent/JP2017012165A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6827725B2 publication Critical patent/JP6827725B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】
澱粉やネイティブ型ジェランガムを含有しながらも、粘度の発現を押さえ、容器への充填が容易な状態で製造することができる餅様食感デザートを提供する。
【解決手段】
澱粉及び/又はネイティブ型ジェランガムを含有する餅様食感デザートに、発酵セルロース複合体を添加する。
【選択図】なし

Description

本発明は、餅の様な食感を有するデザートに関する。より詳細には、従来の製造方法よりも簡便に提供できる餅様食感を有するデザートに関する。
従来、大福、団子、牛肥、柏餅をはじめとする餅様の食感を有する食品がある。これらの餅様の食品は、もち米を蒸して臼などで搗いて作られている。或いは、うる米やアワ、キビ等の穀類を用いたものや、小麦粉や蕎麦粉、米粉、葛粉、わらび粉などから作られたものも、広く餅と呼ばれることがある。
これら餅の原料となる穀類には澱粉が含まれ、この澱粉が糊化(α化)することによって生じるねばりと弾力が食品に独特の食感を与えている。しかしながら、餅様食感デザートを調製する際に加熱して糊化させると、生地の粘度が急激に増加することがある。このときの粘度が500mPa・sを超えると、ゼリーを製造する際に使用するような製造装置による連続的な製造が困難になるといわれている。また、このような餅独特の食感は、澱粉の老化(β化)によって失われてしまうことも問題となっていた。
そこで、餅の製造の作業性を向上させるために、グルコマンナンとキサンタンガムを組み合わせた低粘性の弾性物質に、粘り成分として低粘性のゼラチンを組合せ、脂質及び/または結晶セルロースを添加する方法(特許文献1)、生地原料として澱粉を使用し、その10〜80重量%がα化澱粉であり、かつ容器に充填・密封後に加熱処理することを特徴とする容器に充填された餅様菓子(特許文献2)等の技術が開示されている。
一方では、餅の老化による食感の喪失を防止するため、様々な方法が検討されている。具体的には、油脂及びカゼインナトリウム水溶液からなる水中油滴型の乳化組成物又はその乾燥物を原料の一部として添加する方法(特許文献3)、澱粉分解酵素及びゲル化剤を添加する方法(特許文献4)、アミロペクチンを主成分とする澱粉と増粘多糖類を1:1〜5:1の比率で含有する餅様食品(特許文献5)等が開示されている。
さらには、餅様食感デザートの重い食感を改良する方法として、食感調整用糊料や粘性調整用糊料を配合した餅食感菓子(特許文献6)、ネイティブ型ジェランガムと水溶性カルシウム塩を使用した糊料製剤(特許文献7)等が提案されている。
しかしながら、餅様食感デザートの原料に澱粉を使用する場合には、加温すると粘度が発現し、加温しないと澱粉が沈殿してしまい、製造の作業が困難になっていた。また、最も餅に近い食感を付与できるネイティブ型ジェランガムを使用する場合でも、加温し溶解するとゲル化しないように高温状態を維持しなければならず、加温しなければゲル化しないため、こちらも作業性が良いとはいえなかった。餅様食感のデザートを簡便に製造するため、これらの課題に対する解決策が求められていた。
特開2005−160396号公報 特開2000−50808号公報 特開昭60−118155号公報 特開昭60−30651号公報 特開平11−75745号公報 特開2000−83590号公報 特開2006−42619号公報
これら従来の技術では、餅様食感デザートの原料を混合して調製する際に生じる粘度について、充分な対応が検討されてはいなかった。即ち、澱粉を主原料とする餅様食感デザートにおいては、生地に含まれる澱粉を加工する場合、予め加熱し糊化(α化)させる必要があった。これは加熱し糊化しなければ、澱粉が沈降してしまい、最終製品の上部と下部で固さが異なり、不均一な食感となる問題があった。一方で、予め加熱することで澱粉を均一に分散させることが可能になるが、その際に生地の粘度が高くなり、製造ライン上においての取扱いや容器への充填が困難になるといった問題が生じることとなった。また、製造後の洗浄にも時間がかかり、作業上の大きな問題点とされていた。
特許文献7では、製造中の粘度の発現を抑えることによって操作性を向上する方法が提案されている。ネイティブ型ジェランガムは、ゲル化剤や安定剤に使用される他の多糖類と異なり、溶解温度以下の溶媒に添加すると粉体が水を吸い膨潤状態となるため、撹拌不可能な状態となるという問題点が指摘されている。これを解決するために、水溶性カルシウム塩を共存させた状態で溶解することにより、当該溶液が粘度を発現せずサラサラの溶液として調製されること、更には、当該サラサラ状態の溶液を溶解温度(80℃)以上に加熱し、冷却することにより、速やかに増粘・ゲル化し、最終的なゲル化性や増粘性などの物性には大きく影響されず、所望のゾル状或いはゲル状食品を調製することができる旨開示されている。
しかしながら、上記方法ではネイティブ型ジェランガムを他の原料と混合し原料液を調製する際に、増粘・ゲル化させるためには溶解温度以上の温度で溶解し、その温度を維持する必要があり、また、加熱しなければネイティブ型ジェランガムが増粘せず沈殿してしまうという問題が生じていた。
また、α化澱粉を使用する特許文献2の方法では、α化していない澱粉を使用した場合より澱粉の沈降の抑制に効果は認められるが、予め澱粉をα化する必要があった。
餅様食感デザートの製造時に、澱粉を含むデザートを製造する場合、加熱すると増粘し充填が困難となり、加熱しなければ粘度は生じないものの澱粉が沈殿し、均一なデザートが製造できなかった。また、ネイティブ型ジェランガムを使用する場合では、溶解温度以上に加熱して溶解した場合は、当該温度を維持する必要があり、製造ラインの温度を維持する必要があった。一方で加温しない場合は増粘せず沈殿を生じることから不均一なデザートとなり、いずれにしてもその製造には困難が生じていた。
本発明はこれらの課題を解決し、澱粉やネイティブ型ジェランガムを含む原料を混合して生地を調製し、該生地を高温・高粘度状態で維持する必要のない、簡便な製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について検討を重ね、主原料が澱粉及び又はネイティブ型ジェランガムである餅様食感デザートに発酵セルロース複合体を添加することにより、製造時の作業性の悪さを改善し、簡便な方法にて餅様食感デザートを製造できるとの知見を得て、本発明を完成した。
本発明は、以下の態様を有する新規な餅様食感デザートの製造方法に関する;
項1 澱粉及び/又はネイティブ型ジェランガムと発酵セルロース複合体を含有することを特徴とする餅様食感デザート。
項2 餅様食感デザート100質量%に対する発酵セルロース複合体の添加量が、0.2〜1質量%である項1に記載の餅様食感デザート。
項3 澱粉及び/又はネイティブ型ジェランガムと発酵セルロース複合体を添加することを特徴とする餅様食感デザートの製造方法。
項4 澱粉及び/又はネイティブ型ジェランガムと発酵セルロース複合体を混合し、容器に充填後、80℃以上に加熱して溶解し、冷却して得る項3に記載の餅様食感デザートの製造方法。
項5 餅様食感デザート100質量%に対する発酵セルロース複合体の添加量が、0.2〜1質量%である項3又は4に記載の餅様食感デザートの製造方法。
本発明により、澱粉及び/またはネイティブ型ジェランガムを添加して調製した餅様食感デザートの原料溶液が、加温しない状態であっても溶液中の原料を均一に分散し、かつ低粘度の状態で容器に充填することができる。そのため、製造ライン上の原料溶液を該溶液の溶解温度以上、すなわち粘度が急激に上昇しないよう特定の温度に維持する必要がなく、ゲル化もしないため、作業性が改善されることとなった。
本発明によって製造可能な餅様食感デザートは、澱粉が糊化(α化)することによって生じる独特の食感を特徴とする食品、具体的には餅、大福、団子、牛肥、柏餅、わらび餅、白玉等が挙げられる。これらの餅様の食品は、もち米やうる米、アワ、キビ等の穀類を用いたものや、小麦粉や蕎麦粉、米粉、葛粉、わらび粉などから作られたものも含まれる。
本発明では、特に澱粉及び/又はネイティブ型ジェランガムを主原料とする餅様食感デザートにおいてその効果を発揮することができる。
本発明に使用する澱粉としては、一般に食品用途に使用できるものでα化されていないものであれば制限なく利用できる。具体的には、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、甘藷澱粉のほか、くず、わらび粉やこれらを化工処理したものを挙げることができる。好ましくはタピオカ澱粉である。
澱粉の化工処理としては、架橋処理やエステル化処理、エーテル化処理等が例示でき、天然澱粉に対しこれらの処理を行ったものや、市販されている化工澱粉を利用することもできる。化工澱粉を使用することで、長期間保存しても製造直後と同様の良好な食感等を保持することも可能である。
餅様食感デザートへの澱粉の添加量は、餅様食感デザート100質量%に対し5〜25質量%、好ましくは12〜18質量%を例示できる。澱粉の添加量が5質量%以下になると、餅食感が弱くべたっとした食感になり好ましくない。また、添加量が25質量%以上になると固い食感となるため好ましくない。
本発明で使用するネイティブ型ジェランガムは、Sphingomonas elodeaが産出する発酵多糖類であり、1−3結合したグルコース、1−4結合したグルクロン酸、1−4結合したグルコース及び1−4結合したラムノースの4分子を構成単位とする直鎖状の高分子多糖類の、1−3結合したグルコースに1構成単位当たりグリセリル基1残基とアセチル基が平均1/2残基結合したものである。
ネイティブ型ジェランガムの商業的に入手可能な製品として、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社のケルコゲル(商標:CPケルコ社)LT100、ケルコゲル(商標:CPケルコ社)HM、ゲルアップ(登録商標:三栄源エフ・エフ・アイ株式会社)MOT(D)などを挙げることができる。
ネイティブ型ジェランガムを食品に使用する場合、カルシウム塩を併用することが好ましい。本発明で使用できるカルシウム塩としては、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、塩化カルシウム、乳清カルシウム等の水溶性カルシウム塩が挙げられる。中でも乳酸カルシウムを使用するのが好ましい。
水溶性カルシウム塩の添加量の例として、ネイティブ型ジェランガム1質量部に対して、カルシウムとして0.001質量部以上、好ましくは、0.006質量部以上を使用すると良く、例えば、水溶性カルシウム塩として乳酸カルシウムを使用した場合、ネイティブ型ジェランガム1質量部に対して、乳酸カルシウムを0.005質量部以上使用するのが好ましい。なお、水溶性カルシウム塩の割合が多くなればなるほど、ネイティブ型ジェランガムを溶解時の粘度の発現を抑えることができるが、ネイティブ型ジェランガム1質量部に対して、カルシウムとして0.25質量部以上添加しても、これ以上の粘度発現抑制の向上効果は見られなくなる。
ネイティブ型ジェランガムの餅様食感デザートへの添加量は、餅様食感デザート100質量%に対して0.2〜2.5質量%、好ましくは0.6〜1.5質量%がよい。ネイティブ型ジェランガムの添加量が0.2質量%以下になると、充分な餅様食感が得られず、また添加量が2.5質量%以上になると固い食感となるため好ましくない。
本発明で使用する発酵セルロースは、セルロース生産菌(例:アセトバクター属、シュードモナス属、アグロバクテリウム属等に属する細菌)が産生するセルロースである。発酵セルロースは、植物由来の一般的なセルロース繊維の繊維径に比べて非常に微細な繊維径を有する。一方でその繊維長は長く、純粋な結晶領域のみを取得して得られる結晶セルロースとは大きく異なる。
本発明では発酵セルロースとして、当該発酵セルロースと他の高分子物質との複合化体である発酵セルロース複合体を使用する。当該複合体は、発酵セルロースと他の高分子物質とから実質的になり、好ましくは発酵セルロース繊維の表面に他の高分子物質が付着している。このような複合化に使用される「他の高分子物質」は、食品に使用可能な高分子物質であれば特に限定されない。例えば、ガラクトマンナン、カルボキシメチルセルロース(CMC)とその塩、キサンタンガム、タマリンド種子ガム、ペクチン、トラガントゴム、カラヤガム、カラギナン、寒天、アルギン酸とその塩、ジェランガム、カードラン、プルラン、サイリウムシードガム、グルコマンナン、キチン、キトサン等が挙げられる。
なかでも好ましくは、キサンタンガム、ガラクトマンナン、並びにカルボキシメチルセルロース(CMC)又はその塩が挙げられる。ガラクトマンナンとして好ましくはグァーガムが挙げられ、CMC又はその塩として好ましくはCMCナトリウムが挙げられる。本発明では特に、キサンタンガムとCMC又はその塩を用いて複合化された発酵セルロースを好適に使用できる。
発酵セルロース複合体は、例えば、発酵セルロースを含有する液体(所望により、本液体が含有し得る発酵セルロース生産菌体をアルカリ処理等によって溶解することが可能である)と他の高分子物質の溶液とを混合し、その後、イソプロピルアルコール等のアルコール沈殿又はスプレードライ等によって発酵セルロース複合体を取得する方法、発酵セルロースのゲルを他の高分子物質の溶液に浸漬させる方法、又は特開平09−121787号公報に開示されている方法、具体的には、発酵セルロース産生微生物の培養において、用いる培地中に他の高分子物質を添加する方法等を用いて、発酵セルロースの複合化が可能である。なお、所望により、発酵セルロース複合体を乾燥させて、乾燥粉末を得ることができる。
発酵セルロース複合体の乾燥粉末は商業上入手可能であり、例えば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製の「サンアーティスト[登録商標]PG(グァーガム、CMCナトリウム及び発酵セルロースの複合体製剤)」、「サンアーティスト[登録商標]PN(キサンタンガム、CMCナトリウム及び発酵セルロースの複合体製剤)」を例示できる。
発酵セルロース複合体の餅様食感デザートへの添加量は、餅様食感デザート100質量%に対して0.2〜1質量%、好ましくは0.3〜0.5質量%がよい。発酵セルロース複合体の添加量が0.1質量%以下になると、澱粉やネイティブ型ジェランガムの分散が不十分となり、不均一な餅様食感デザートとなり、また添加量が1質量%以上になると発酵セルロース複合体そのものの風味が餅様食感デザートに影響を与えるため好ましくない。
餅様食感デザートの一般的な製造方法を例示すると、主原料、副原料をともに水に混合、分散・膨潤させ、必要であれば均質化し、加熱した後に容器に充填する工程が必要である。しかし、本発明においては、主原料、副原料を水に混合、分散・膨潤させた後、或いはさせるために加熱する必要がなく、流動性が高く均一な状態のまま容器への充填が可能である。そして容器へ充填後に加熱することで、澱粉等を含む溶液に粘度が生じ、容器内で餅様食感デザートが完成する。これは餅様食感デザートの連続製造が可能であることを意味し、従来のような生地の高粘度化を防ぐために高温状態を維持する必要がない、改善された餅様食感デザートの製造方法を提供するものである。
また、本発明においては上述の澱粉、ネイティブ型ジェランガムに加え、副原料としての発酵セルロース複合体、その他各種甘味料、着色料、香料、酸味料、安定剤、乳化剤、酸化防止剤をはじめとする、餅類に一般的に使用される各種原料を、本発明の効果を妨げない範囲において使用することができる。また、澱粉など、もち様食品の物性に影響を与える原料であっても、本発明の目的が達成されれば適宜添加が可能で、チョコレートや果汁など通常食品に用いられる食材を組み合わせてもよい。
さらには、食感改良の目的で他の増粘多糖類を併用することも可能である。使用できる多糖類の例として、グルコマンナン、ガラクトマンナン(ローカストビーンガム、グァーガム、タラガム等)、タマリンドシードガム、カラギナン、トラガントガム、カラヤガム、キサンタンガム、脱アシル型ジェランガム、アラビアガム、ガティガム、マクロホモプシスガム、寒天、ゼラチン、ペクチン、カードラン、アルギン酸類(アルギン酸、アルギン酸塩)、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース、微小繊維状セルロース、大豆多糖類、グルテン分解物、乳化性澱粉等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、処方中、特に記載がない限り単位は「質量部」とし、文中「*」印のものは、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、文中「※」は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを示す。
試作例1 カップ入り餅様食感デザート
次の処方に基づき、カップ入り餅様食感デザートを調製した。
<製造方法A 容器充填前に加熱>
1 水を撹拌しながら処方中の各成分を添加し、80℃10分間撹拌溶解した。
2 1で得た溶液をプラスチック製の60g容量容器に充填し、121℃20分間レトルト殺菌した。
3 冷却し、試料として評価を行った。
<製造方法B 容器充填後に加熱(レトルト殺菌と兼ねて)>
1 水を撹拌しながら2を添加し、室温で10分間撹拌後、ホモゲナイザーにて均質化処理(14.7MPa(150kgf/cm2))を行った。
2 1の溶液に2以外の成分の粉体混合物を添加し、室温にて10分間撹拌した。
3 プラスチック製の容器(口径71mm60g容量)に満了充填後、121℃20分間レトルト殺菌を行った。
<粘度の測定条件>
80℃で10分間撹拌溶解した後の粘度・・・製造方法A
容器充填前、室温で10分間撹拌した後の粘度・・・製造方法B
測定条件:TVB−10型粘度計/東機産業(株)製 60rpm
<評価>
実施例1〜3は、澱粉と発酵セルロース複合体(添加量0.3質量%、0.5質量%及び1質量%)の組合せによる処方であり、この処方で得られた原料液は低粘度の状態で調製でき、溶液の温度管理をする必要がなく、そのまま容器への充填が可能であった。溶液は充填されるまで均一な状態が保たれており、得られた餅様食感デザートも均一な状態で仕上がっていた。
ネイティブ型ジェランガムと発酵セルロース複合体の組合せによる処方である実施例4及び5でも同様に、加温状態を必要とせず低粘度の状態で均一なまま容器への充填が可能であった。得られた餅様食感デザートも、均一でもちもちとした弾力の食感を有していた。
実施例5では、実施例4の固形分(糖アルコール)を増したものであるが、こちらも同様に低粘度で均一な溶液を容器へ充填でき、仕上がった餅様食感デザートは、より餅らしいねっちりした食感を増していた。
実施例6、7では、澱粉とネイティブ型ジェランガム、発酵セルロース複合体の組合せによるものであるが、これらも同様に低粘度で均一な溶液を容器へ充填でき、仕上がった餅様食感デザートは、もち米を半分潰した様な粒感と、弾力を併せ持つ食感を呈していた。
更に実施例7では、実施例6の固形分(糖アルコール)を増したものであるが、仕上がった餅様食感デザートは、より餅らしいねっちりした食感を増していた。
実施例8、9では、澱粉と発酵セルロース複合体の添加量を変化させたものであるが、粘度の上昇が抑えられ、沈殿を生じない溶液を調製することができた。また、得られた餅様食感デザートは実施例1のものと比べ、実施例8は柔らかく蕨もちのような食感であり、実施例9は逆に硬めの噛み応えのある食感となった。これらの組合せより、澱粉と発酵セルロース複合体の配合割合を適宜調節することで、餅様デザートの食感を変化させることができるとの知見が得られた。
続いて、比較例について評価を行う。
比較例1は、発酵セルロース製剤の添加量を0.1質量%としたものであるが、粘度は低く抑えられたが沈殿が生じてしまい、できあがった餅様食感デザートも不均一な食感となっていた。
一方、比較例2は実施例1の処方から発酵セルロース複合体を除き、加熱処理後に容器へ充填する製造方法Aにより調製したものである。このときの溶液では容器への充填前の加熱により高粘度状態となったため粘度の測定はできなかった。また、同じ処方で容器充填後に加熱する製造方法Bを採った比較例3では、溶液の粘度が高くなるといった事態は生じなかったが、沈殿が生じ、均一に容器へ充填することができなかった。出来上がりの食感も不均一なものとなっていた。
比較例4〜6は、特許文献2記載のα化澱粉を使用したものであるが、製造方法Bで調製した場合、粘度の上昇や沈殿が生じた。比較例4及び5における粘度の上昇は、製造が困難になる程度のものではなかったが、比較例4では調製直後、比較例5では調製後1時間後に沈殿を生じ、できあがった餅様食感デザートに分離が生じ不均一な食感となっていた。また比較例6では製造が困難になるといわれている粘度の目安である500mPa・sを超える粘度を生じており、取扱いが困難であった。また、調製後2時間で分離を生じていた。
比較例7及び8では、ネイティブ型ジェランガム単独での処方であり、比較例7が製造方法A、比較例8は製造方法Bで餅様食感デザートを調製した。比較例7では溶液が70℃以下になるとゲルが生じてしまい、充填作業が極めて困難であった。また、比較例8では沈殿が生じ、均一に容器へ充填することができなかった。
比較例9は、ネイティブ型ジェランガムの粘度調節に必要な乳酸カルシウムを除いたものであるが、溶液を調製した時点で粘度が生じ、粘度測定ができなかった。得られた餅様食感デザートは、均一ではあるが柔らかく、噛み応えのない餅様食感デザートとなっていた。
試作例2 2層デザート(大福風)
次の処方に基づき、大福をイメージした2層デザートを調製した。
<上層餅部処方>
1.砂糖 10.0
2.乳化油脂 3.0
(グランデリカYRC−15 不二製油(株))
3.澱粉 12.0
(ナショナル7 イングレディオン・ジャパン(株))
4.米粉 3.0
5.精製塩 0.1
6.発酵セルロース製剤 0.3
(サンアーティスト※PN*)
7.香料(スイートフレーバー*) 0.2
水にて全量 100.0 kg
<製法>
(1)水を撹拌しながら6を添加し、常温で10分間撹拌後、ホモゲナイザーにて均質化処理(14.7MPa(150kgf/cm2))した。
(2)(1)に2を添加し、撹拌しながら1、3〜5の粉体混合物を添加し、室温にて10分間撹拌した。
(3)7を添加し、全量補正した。
<下層餡部処方>
1.粒あん 60.0
2.精製塩 0.1
3.ゲル化剤(ゲルアップ※WG(F)) 0.2
4.発酵セルロース製剤 0.3
(サンアーティスト※PN*)
5.香料(アンコ フレーバー No.111420*)0.05
水にて全量 100.0 kg
<製法>
(1)水を撹拌しながら4を添加し、常温で10分間撹拌後、ホモゲナイザーにて 均質化処理(14.7MPa(150kgf/cm2))した。
(2)(1)に1を添加し、撹拌しながら2、3の粉体混合物を添加後、80℃10分間撹拌溶解した。
(3)5を添加し、全量補正後、容器に充填した。
(4)冷却固化後、<上層餅部>を充填した。
(5)121℃20分間レトルト殺菌処理を行った。
<評価>
大福をイメージした2層デザートであり、実施例1の餅様食感ゼリーと、それとは異なる食感の餡ゼリーを組み合わせることによって、嗜好性の高いデザートに仕上がった。更にフレーバーや米粉を併用することにより、作業性や食感は大きく変わらず、より風味の良いデザートに仕上がった。
試作例3 2層デザート(桜餅風)
次の処方に基づき、2層デザートを調製した。
<餅部処方>
1.乳化油脂 4.0
(グランデリカYRC−15 不二製油(株))
2.還元水飴 30.0
(スイートNT 物産フードサイエンス(株))
3.桜の葉シロップ 5.0
(シラップ桜葉 仙波糖化工業(株))
4.加工澱粉 2.0
(松谷ゆり 松谷化学工業(株))
5.ネイティブ型ジェランガム 1.0
(ケルコゲルLT100*)
6.乳酸カルシウム (太平化学産業(株)) 0.2
7.精製塩 0.15
8.発酵セルロース製剤 0.3
(サンアーティスト※PN*)
9.着色料(アートレッド※KRF*) 0.02
10.L−アスコルビン酸ナトリウム 0.02
11.香料 0.15
(サクラモチ フレーバー No.120715*)
水にて全量 100.0 kg
<製法>
(1)水を撹拌しながら8を添加し、常温で10分間撹拌後、ホモゲナイザーにて 均質化処理(14.7MPa(150kgf/cm2))した。
(2)(1)に1〜3を添加し、撹拌しながら4〜7の粉体混合物を添加後、室温で10分間撹拌した。
(3)9〜11を添加し、全量補正した。
<餡部処方>
1.赤こしあん (橋本食糧工業(株)) 55.0
2.桜の葉シロップ 6.0
(シラップ桜葉 仙波糖化工業(株))
3.ゲル化剤(ゲルアップ※WG(F)) 0.25
4.発酵セルロース製剤 0.3
(サンアーティスト※PN*)
水にて全量 100.0 kg
<製法>
(1)水を撹拌しながら4を添加し、常温で10分間撹拌後、ホモゲナイザーにて均質化処理(14.7MPa(150kgf/cm2))した。
(2)(1)に1、2を添加し、撹拌しながら3の粉体混合物を添加後、80℃10分間撹拌溶解した。
(3)餡部を充填し、冷却固化後、餅部を充填した。
(4)121℃20分間レトルト殺菌した。
<評価>
試作例3は米を半分潰したような食感の餅ゼリーと、こしあんの2層デザートの処方である。本発明によって、桜餅に似た風味のよい2層デザートに仕上げることができた。
試作例4 フルーツ水まんじゅう風デザート
次の処方に基づき、フルーツ水まんじゅう風デザートを調製した。
<餅部処方>
1.砂糖 5.0
2.果糖ぶどう糖液糖 15.0
3.冷凍ゆずストレート果汁 5.0
4.5倍濃縮柑橘混合混濁 1.0
5.加工澱粉 12.0
(ナショナル7 イングレディオン・ジャパン(株))
6.クエン酸三ナトリウム 0.25
7.クエン酸(無水) 0.05
8.発酵セルロース製剤 0.3
(サンアーティスト※PN*)
9.香料 0.1
(ユズモディファイヤーNo.1*)
水にて全量 100.0 kg
<製法>
(1)水を撹拌しながら8を添加し、常温で10分間撹拌後、ホモゲナイザーにて均質化処理(14.7MPa(150kgf/cm2))した。
(2)(1)に2を添加し、撹拌しながら1、5、6の粉体混合物を添加後、室温にて10分間撹拌した。
(3)3、4、7、9を添加し、全量補正後、50℃迄昇温した。
(4)予めみかん缶詰を充填した容器に(3)の調製液を充填し、85℃50分殺菌した。
<評価>
試作例4は、果物を葛で包み込んだ様な葛まんじゅうをイメージし、餅様食感を有するゼリーの中にフルーツを入れたデザートである。酸性条件下、85℃の加熱であっても、十分に伸び感のある餅食感のゼリーに仕上がった。

Claims (5)

  1. 澱粉及び/又はネイティブ型ジェランガムと発酵セルロース複合体を含有することを特徴とする餅様食感デザート。
  2. 餅様食感デザート100質量%に対する発酵セルロース複合体の添加量が、0.2〜1質量%である請求項1に記載の餅様食感デザート。
  3. 澱粉及び/又はネイティブ型ジェランガムと発酵セルロース複合体を添加することを特徴とする餅様食感デザートの製造方法。
  4. 澱粉及び/又はネイティブ型ジェランガムと発酵セルロース複合体を混合し、容器に充填後、80℃以上に加熱して溶解し、冷却して得る請求項3に記載の餅様食感デザートの製造方法。
  5. 餅様食感デザート100質量%に対する発酵セルロース複合体の添加量が、0.2〜1質量%である請求項3又は4に記載の餅様食感デザートの製造方法。


JP2016131006A 2015-06-30 2016-06-30 餅様食感デザート Active JP6827725B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015131359 2015-06-30
JP2015131359 2015-06-30

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017012165A true JP2017012165A (ja) 2017-01-19
JP6827725B2 JP6827725B2 (ja) 2021-02-10

Family

ID=57827350

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016131006A Active JP6827725B2 (ja) 2015-06-30 2016-06-30 餅様食感デザート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6827725B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017150389A1 (ja) * 2016-02-29 2017-09-08 グリコ栄養食品株式会社 澱粉を含む食品組成物
JP2019162103A (ja) * 2018-03-14 2019-09-26 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 ゼリー状食品

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10179050A (ja) * 1996-12-27 1998-07-07 Sanei Gen F F I Inc ネイティブジェランガムを含有する食品
JPH10215801A (ja) * 1997-02-04 1998-08-18 Sanei Gen F F I Inc 餅様の粘弾性が持続し、かつ、耐熱性のあるゲル
JPH11302448A (ja) * 1998-04-24 1999-11-02 Asahi Chem Ind Co Ltd セルロース複合体
JP2000050808A (ja) * 1998-08-05 2000-02-22 Shikishima Starch Kk 容器に充填された餅様菓子およびその製造方法
JP2000197457A (ja) * 1999-01-08 2000-07-18 Ina Food Ind Co Ltd 餅加工食品
JP2008092914A (ja) * 2006-10-16 2008-04-24 Asahi Kasei Chemicals Corp 3成分からなる増粘ゲル化剤
JP2013040228A (ja) * 2011-08-11 2013-02-28 Asahi Kasei Chemicals Corp セルロース複合体
WO2013122127A1 (ja) * 2012-02-14 2013-08-22 旭化成ケミカルズ株式会社 セルロース組成物

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10179050A (ja) * 1996-12-27 1998-07-07 Sanei Gen F F I Inc ネイティブジェランガムを含有する食品
JPH10215801A (ja) * 1997-02-04 1998-08-18 Sanei Gen F F I Inc 餅様の粘弾性が持続し、かつ、耐熱性のあるゲル
JPH11302448A (ja) * 1998-04-24 1999-11-02 Asahi Chem Ind Co Ltd セルロース複合体
JP2000050808A (ja) * 1998-08-05 2000-02-22 Shikishima Starch Kk 容器に充填された餅様菓子およびその製造方法
JP2000197457A (ja) * 1999-01-08 2000-07-18 Ina Food Ind Co Ltd 餅加工食品
JP2008092914A (ja) * 2006-10-16 2008-04-24 Asahi Kasei Chemicals Corp 3成分からなる増粘ゲル化剤
JP2013040228A (ja) * 2011-08-11 2013-02-28 Asahi Kasei Chemicals Corp セルロース複合体
WO2013122127A1 (ja) * 2012-02-14 2013-08-22 旭化成ケミカルズ株式会社 セルロース組成物

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017150389A1 (ja) * 2016-02-29 2017-09-08 グリコ栄養食品株式会社 澱粉を含む食品組成物
JPWO2017150389A1 (ja) * 2016-02-29 2018-12-20 グリコ栄養食品株式会社 澱粉を含む食品組成物
JP6998297B2 (ja) 2016-02-29 2022-01-18 グリコ栄養食品株式会社 澱粉を含む食品組成物
JP2019162103A (ja) * 2018-03-14 2019-09-26 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 ゼリー状食品
JP7261623B2 (ja) 2018-03-14 2023-04-20 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 ゼリー状食品

Also Published As

Publication number Publication date
JP6827725B2 (ja) 2021-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Izydorczyk et al. Polysaccharide gums: structures, functional properties, and applications
JP2016501017A (ja) ゼリー菓子およびこのような菓子製品を製造する方法
JP2007228834A (ja) 澱粉性食品用品質改良剤および易嚥下加工食品の調製方法
JP5031645B2 (ja) ミキサー食又はブレンダー食に適応可能な咀嚼・嚥下困難者用固形化補助剤及び該固形化補助剤を含有したミキサー食又はブレンダー食
JP2011182783A (ja) シート状又はタブレット状の成形食品の製造方法
JP2018521656A (ja) バクテリアセルロースの応用及びジャガイモ春雨とその製造方法
Parry Konjac glucomannan
Krstonošić et al. Rheology, structure, and sensory perception of hydrocolloids
US5721004A (en) Method for producing fat-free and low-fat viscous dressings using inulin
JP6827725B2 (ja) 餅様食感デザート
JP5088867B2 (ja) 咀嚼・嚥下補助剤
JP2015173609A (ja) 餅状ゼリー及びその製造方法
Habilla et al. The properties of jelly candy made of acid-thinned starch supplemented with konjac glucomannan or psyllium husk powder.
JP2010239924A (ja) 食品用粘弾性組成物
JP4541433B2 (ja) 澱粉性食品用品質改良剤および易嚥下加工食品の調製方法
JP5037484B2 (ja) 生キャラメル様食感を有するグミキャンディ
JP5329210B2 (ja) フィリング材
JP2013081432A (ja) グミキャンディ
CN117940025A (zh) 一种复配增稠剂及其应用
JP6101433B2 (ja) ベーカリー製品
JP6116895B2 (ja) デンプン含有飲食品用ゲル化剤
JP2007274927A (ja) フィリング材用品質改良剤
JPH1175745A (ja) 餅様食品及びその製造方法
JP2013031404A (ja) レトルト殺菌処理された高タンパク質ゲル状食品
JP6046469B2 (ja) ゾル状食品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190619

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200616

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200812

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210119

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210120

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6827725

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150