JP2017009400A - 磁界発生体、磁気センサシステムおよび磁気センサ - Google Patents

磁界発生体、磁気センサシステムおよび磁気センサ Download PDF

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Abstract

【課題】複数の磁界発生部が所望のパターンに配列され、且つ外乱磁界に対する耐性が高い磁界発生体を実現する。
【解決手段】磁界発生体100は、所定のパターンに配列されて複数の外部磁界を発生する複数の磁界発生部200を備えている。複数の磁界発生部200の各々は、第1の強磁性体部と第1の反強磁性体部を含んでいる。第1の反強磁性体部は、第1の強磁性体部に接して第1の強磁性体部と交換結合している。第1の強磁性体部は磁化を有している。複数の磁界発生部100には、第1の強磁性体部の磁化の方向が互いに異なる2つの磁界発生部200が含まれている。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の磁界発生部を備えた磁界発生体、ならびにこの磁界発生体を含む磁気センサシステムおよび磁気センサに関する。
近年、種々の用途で、動作体の回転動作や直線的動作に関連する物理量を検出する磁気センサシステムが用いられている。特許文献1には、スケールと磁気センサとを備え、磁気センサによって、スケールと磁気センサとの相対的位置関係に関連する信号を生成するように構成された磁気センサシステムが記載されている。
磁気センサは、検出対象の磁界を検出する磁気検出素子を含んでいる。特許文献1には、磁気検出素子として、いわゆるスピンバルブ型の磁気抵抗効果素子(以下、MR素子とも記す。)を用いた磁気センサが記載されている。スピンバルブ型のMR素子は、方向が固定された磁化を有する磁化固定層と、検出対象の磁界に応じて磁化が変化する自由層と、磁化固定層と自由層の間に配置された非磁性層とを有している。スピンバルブ型のMR素子には、非磁性層がトンネルバリア層であるTMR素子と、非磁性層が非磁性導電層であるGMR素子とが含まれる。
磁気センサシステムのスケールは、所定のパターンに配列されて複数の外部磁界を発生する複数の磁界発生部を有している。一般的に、複数の磁界発生部の各々は、永久磁石によって構成されている。複数の磁界発生部の磁化の方向は、交互に切り替わるように設定されている。これにより、複数の磁界発生部が発生する外部磁界の方向は、交互に切り替わる。
磁気センサには、磁気検出素子に対してバイアス磁界を印加する手段を備えたものがある。バイアス磁界は、例えば、検出対象の磁界の強度の変化に対して磁気検出素子が線形に応答するようにするために用いられる。また、スピンバルブ型のMR素子を用いた磁気センサでは、バイアス磁界は、検出対象の磁界がないときに、自由層を単磁区化し、且つ自由層の磁化の方向を一定の方向に向かせるためにも用いられる。
特許文献1には、複数のMR素子に印加される複数のバイアス磁界を発生するバイアス磁界発生体を備えた磁気センサが記載されている。バイアス磁界発生体は、複数のMR素子に対応して設けられた複数の対の磁界発生部を含んでいる。一対の磁界発生部は、それらの間に対応するMR素子が介在するように配置されている。各磁界発生部は、永久磁石によって構成されて、外部磁界を発生する。
以下、スケールのように、所定のパターンに配列されて複数の外部磁界を発生する複数の磁界発生部を備えた構造体を、磁界発生体と言う。バイアス磁界発生体を含む磁気センサでは、バイアス磁界発生体を構成する複数の磁界発生部は、所定のパターンに配列されている。そのため、このバイアス磁界発生体も、磁界発生体と言える。
特開2014−209089号公報
それぞれ永久磁石によって構成された複数の磁界発生部を備えた磁界発生体を含む磁気センサシステムや磁気センサでは、以下のような問題が生じていた。このような磁気センサシステムや磁気センサは、通常、検出対象の磁界の強度が永久磁石の保磁力を超えないという条件の下で使用される。しかし、磁気センサシステムや磁気センサは、様々な環境で使用され得るため、永久磁石の保磁力を超える強度の外乱磁界が、一時的に永久磁石に印加されることが起こり得る。このような外乱磁界が一時的に永久磁石に印加されると、永久磁石の磁化の方向が、当初の方向から変化し、外乱磁界がなくなっても当初の方向から変化したままになる場合がある。この場合、各磁界発生部が発生する磁界の方向が所望の方向から変化してしまう。
また、それぞれ永久磁石によって構成された複数の磁界発生部を備えた磁界発生体では、複数の磁界発生部を所望のパターンに配列することが容易ではないという問題点があった。以下、この問題点について、スケールのように、複数の磁界発生部の磁化の方向が交互に切り替わるように設定された磁界発生体を例にとって、詳しく説明する。以下の説明では、複数の磁界発生部の磁化の方向が第1の方向と第2の方向とに交互に切り替わるものとする。また、磁化が第1の方向に設定された複数の磁界発生部を複数の第1の磁界発生部と言い、磁化が第2の方向に設定された複数の磁界発生部を複数の第2の磁界発生部と言う。この磁界発生体の作製は、以下の方法で行われる。
まず、磁化が所定の方向に設定されていない複数の初期磁界発生部を含む初期磁界発生体を作製する。次に、複数の第1の磁界発生部となる予定の複数の初期磁界発生部に対して、それらの保持力以上の強度の第1の方向の磁界を印加して、それらの磁化を第1の方向に設定する。その際、複数の第2の磁界発生部となる予定の複数の初期磁界発生部に対しては、それらの保持力以上の強度の磁界が印加されないようにする。磁化が第1の方向に設定された複数の初期磁界発生部は、複数の第1の磁界発生部になる。
次に、複数の第2の磁界発生部となる予定の複数の初期磁界発生部に対して、それらの保持力以上の強度の第2の方向の磁界を印加して、それらの磁化を第2の方向に設定する。その際、既に磁化が第1の方向に設定された複数の第1の磁界発生部に対しては、それらの保持力以上の強度の磁界が印加されないようにする。磁化が第2の方向に設定された複数の初期磁界発生部は、複数の第2の磁界発生部になる。
上記の磁界発生体の作製方法では、隣接する2つの初期磁界発生部の間、または隣接する第1の磁界発生部と初期磁界発生部との間で、印加される磁界の強度を大きく異ならせる必要があった。これを可能にするためには、隣接する2つの磁界発生部の間の距離を大きくする等の対策が必要であった。そのため、それぞれ永久磁石によって構成された複数の磁界発生部を備えた磁界発生体では、複数の磁界発生部を所望のパターンに配列することは容易ではなかった。
また、隣接する2つの磁界発生部の間の距離を大きくすると、複数の磁界発生部の配置の自由度が低下したり、複数の磁界発生部の占有面積が増大したりするという問題が生じていた。更に、隣接する2つの磁界発生部の間における外部磁界の変化が緩やかになって、磁界発生体をスケールとして用いた磁気センサシステムの分解能が低下するという問題も生じていた。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、複数の磁界発生部が所望のパターンに配列され、且つ外乱磁界に対する耐性が高い磁界発生体、ならびにこの磁界発生体を含む磁気センサシステムおよび磁気センサを提供することにある。
本発明の磁界発生体は、所定のパターンに配列されて複数の外部磁界を発生する複数の磁界発生部を備えている。複数の磁界発生部の各々は、第1の強磁性体部と第1の反強磁性体部を含んでいる。第1の反強磁性体部は、第1の強磁性体部に接して第1の強磁性体部と交換結合している。第1の強磁性体部は、第1の強磁性体部全体としての磁化を有している。複数の磁界発生部には、第1の強磁性体部全体としての磁化の方向が互いに異なる2つの磁界発生部が含まれている。
本発明の磁界発生体において、第1の強磁性体部は、積層された複数の構成層を含んでいてもよい。この場合、複数の構成層には、第1の反強磁性体部に接する第1の強磁性層が含まれている。複数の構成層には、更に、第1の強磁性層よりも第1の反強磁性体部からより遠い位置にある第2の強磁性層が含まれていてもよい。複数の構成層には、更に、第1の強磁性層と第2の強磁性層の間に介在する非磁性層が含まれていてもよい。第1の強磁性層と第2の強磁性層は、非磁性層を介して強磁性的に交換結合していてもよい。この場合、第1の強磁性層と第2の強磁性層は、いずれも第1の強磁性体部全体としての磁化と同じ方向の磁化を有する。あるいは、第1の強磁性層と第2の強磁性層は、非磁性層を介して反強磁性的に交換結合していてもよい。この場合、第2の強磁性層は、第1の強磁性体部全体としての磁化と同じ方向の磁化を有する。
また、本発明の磁界発生体において、第1の強磁性体部は、互いに反対側に向いた第1の面と第2の面を有していてもよく、第1の反強磁性体部は、第1の強磁性体部の第1の面に接していてもよい。この場合、複数の磁界発生部の各々は、更に、第1の強磁性体部の第2の面に接して第1の強磁性体部と交換結合する第2の反強磁性体部を含んでいてもよい。第1の反強磁性体部と第2の反強磁性体部は、互いにブロッキング温度が異なるものであってもよい。
また、本発明の磁界発生体において、第1の反強磁性体部は、互いに反対側に向いた第1の面と第2の面を有していてもよく、第1の強磁性体部は、第1の反強磁性体部の第1の面に接していてもよい。この場合、複数の磁界発生部の各々は、更に、第1の反強磁性体部の第2の面に接して第1の反強磁性体部と交換結合する第2の強磁性体部を含んでいてもよい。第2の強磁性体部は、第2の強磁性体部全体としての磁化を有している。
本発明の磁気センサシステムは、相対的位置関係が変化し得るスケールと磁気センサとを備え、スケールと磁気センサとの相対的位置関係に関連する物理量を検出するためのものである。スケールは、本発明の磁界発生体によって構成されている。
本発明の磁気センサシステムにおいて、複数の磁界発生部は、一列に配列されていてもよい。この場合、複数の磁界発生部における任意の隣接する2つの磁界発生部は、第1の強磁性体部全体としての磁化の方向が互いに異なるものであってもよい。また、隣接する2つの磁界発生部の一方における第1の強磁性体部全体としての磁化の方向と、他方における第1の強磁性体部全体としての磁化の方向は、複数の磁界発生部の列が延びる方向に交差し、且つ互いに反対方向であってもよい。
また、本発明の磁気センサシステムにおいて、複数の磁界発生部は、外周部と内周部を有する集合体を構成するように、環状に配列されていてもよい。この場合、複数の磁界発生部における任意の隣接する2つの磁界発生部は、第1の強磁性体部全体としての磁化の方向が互いに異なるものであってもよい。また、隣接する2つの磁界発生部の一方における第1の強磁性体部全体としての磁化の方向は、外周部から内周部に向かう方向であってもよく、他方における第1の強磁性体部全体としての磁化の方向は、内周部から外周部に向かう方向であってもよい。
本発明の磁気センサは、検出対象の磁界を検出する複数の磁気検出素子と、複数の磁気検出素子に印加される複数のバイアス磁界を発生するバイアス磁界発生体とを備えている。バイアス磁界発生体は、本発明の磁界発生体によって構成されている。複数のバイアス磁界の各々は、複数の磁界発生部のうちの少なくとも1つの磁界発生部における第1の強磁性体部全体としての磁化に起因するものである。
本発明の磁気センサにおいて、複数の磁気検出素子の各々は、磁気抵抗効果素子であってもよい。磁気抵抗効果素子は、方向が固定された磁化を有する磁化固定層と、検出対象の磁界に応じて磁化が変化する自由層と、磁化固定層と自由層の間に配置された非磁性層とを有していてもよい。また、複数の磁界発生部のうちの任意の磁界発生部における第1の強磁性体部全体としての磁化の方向は、任意の磁界発生部における第1の強磁性体部全体としての磁化に起因するバイアス磁界が印加される特定の磁気検出素子の磁化固定層の磁化の方向と交差していてもよい。
また、本発明の磁気センサにおいて、複数の磁気検出素子には、直列に接続された第1の磁気検出素子と第2の磁気検出素子が含まれていてもよく、複数の磁界発生部には、第1および第2の磁界発生部が含まれていてもよい。第1の磁気検出素子に印加されるバイアス磁界は、第1の磁界発生部における第1の強磁性体部全体としての磁化に起因する。第2の磁気検出素子に印加されるバイアス磁界は、第2の磁界発生部における第1の強磁性体部全体としての磁化に起因する。第1および第2の磁界発生部は、第1の強磁性体部全体としての磁化の方向が互いに異なるものである。
また、本発明の磁気センサにおいて、複数の磁気検出素子には、直列に接続された第1の磁気検出素子と第2の磁気検出素子が含まれていてもよく、複数の磁界発生部には、第1ないし第4の磁界発生部が含まれていてもよい。第1の磁気検出素子に印加されるバイアス磁界は、第1の磁界発生部における第1の強磁性体部全体としての磁化と第2の磁界発生部における第1の強磁性体部全体としての磁化とに起因する。第2の磁気検出素子に印加されるバイアス磁界は、第3の磁界発生部における第1の強磁性体部全体としての磁化と第4の磁界発生部における第1の強磁性体部全体としての磁化とに起因する。第1および第3の磁界発生部は、隣接し、且つ第1の強磁性体部全体としての磁化の方向が互いに異なるものである。第2および第4の磁界発生部は、隣接し、且つ第1の強磁性体部全体としての磁化の方向が互いに異なるものである。
本発明の磁界発生体における各磁界発生部では、第1の反強磁性体部と第1の強磁性体部が交換結合することによって、第1の強磁性体部全体としての磁化の方向が規定される。各磁界発生部では、第1の強磁性体部全体としての磁化の方向を反転させるほど大きな強度の外乱磁界が一時的に印加されても、そのような外乱磁界がなくなれば、第1の強磁性体部全体としての磁化の方向は、当初の方向に戻る。また、本発明の磁界発生体は、隣接する2つの磁界発生部の間の距離を大きくしなくても、容易に作製することが可能である。従って、本発明によれば、複数の磁界発生部が所望のパターンに配列され、且つ外乱磁界に対する耐性が高い磁界発生体、ならびにこの磁界発生体を含む磁気センサシステムおよび磁気センサを実現することが可能になるという効果を奏する。
本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサシステムの概略の構成を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁界発生体の一部を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態における磁界発生部の第1の例を示す側面図である。 本発明の第1の実施の形態における磁界発生部の第2の例を示す側面図である。 本発明の第1の実施の形態における磁界発生部の第3の例を示す側面図である。 本発明の第1の実施の形態における磁界発生部の第4の例を示す側面図である。 本発明の第1の実施の形態における磁界発生部の第5の例を示す側面図である。 本発明の第1の実施の形態における磁界発生部の第7の例を示す側面図である。 本発明の第1の実施の形態における磁界発生部の第8の例を示す側面図である。 本発明の第1の実施の形態における磁気センサの斜視図である。 本発明の第1の実施の形態における磁気センサの回路図である。 本発明の第1の実施の形態におけるMR素子の構成の一例を示す側面図である。 永久磁石の磁化曲線を示す特性図である。 磁界発生部の磁化曲線を示す特性図である。 本発明の第2の実施の形態に係る磁気センサシステムの概略の構成を示す斜視図である。 本発明の第3の実施の形態における磁気センサシステムの概略の構成を示す斜視図である。 本発明の第3の実施の形態に係る磁気センサの回路図である。 本発明の第3の実施の形態に係る磁気センサの一部を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態におけるMR素子と磁界発生部の構成の一例を示す側面図である。 本発明の第3の実施の形態における磁気センサシステムの変形例の概略の構成を示す斜視図である。 本発明の第4の実施の形態に係る磁気センサの回路図である。 本発明の第4の実施の形態に係る磁気センサの一部を示す断面図である。 本発明の第5の実施の形態に係る磁気センサの回路図である。 本発明の第6の実施の形態における磁気センサシステムの回路構成を示す回路図である。 本発明の第7の実施の形態における磁気センサシステムの回路構成を示す回路図である。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサシステムの概略の構成について説明する。本実施の形態に係る磁気センサシステムは、相対的位置が変化し得るスケール1と磁気センサ4とを備え、スケール1と磁気センサ4との相対的位置関係に関連する物理量を検出するためのものである。本実施の形態におけるスケール1は、本実施の形態に係る磁界発生体100によって構成されたリニアスケールである。磁界発生体100は、所定のパターンに配列されて複数の外部磁界を発生する複数の磁界発生部200を備えている。本実施の形態では、複数の磁界発生部200は、一列に配列されている。
本実施の形態では、複数の磁界発生部200の列が延びる方向をX方向とする。また、X方向に垂直な2方向であって、互いに直交する2つの方向をY方向とZ方向とする。なお、本出願において用いるX方向、Y方向、Z方向は、いずれも、図1において双方向の矢印で示したように、特定の一方向とその反対方向とを含むものとして定義される。一方、磁界の方向や磁化の方向は、特定の一方向のみを表すものとして定義される。
複数の磁界発生部200の各々の形状は、例えば直方体形状である。複数の磁界発生部200のX方向の幅は、等しいか、ほぼ等しい。スケール1は、Z方向に垂直な側面1aを有している。磁気センサ4は、スケール1の側面1aに対向する位置に配置されている。スケール1と磁気センサ4の一方は、図示しない動作体に連動して、X方向に直線的に移動する。これにより、スケール1と磁気センサ4との相対的位置関係が変化する。磁気センサシステムは、スケール1と磁気センサ4との相対的位置関係に関連する物理量として、磁気センサ4に対するスケール1の相対的な位置や速度を検出する。
スケール1と磁気センサ4との相対的位置関係が変化すると、磁気センサ4の検出対象の磁界、すなわち複数の磁界発生部200が発生する複数の外部磁界の一部に基づいて磁気センサ4に印加される磁界の方向が変化する。図1に示した例では、検出対象の磁界のX方向正射影成分は、磁気センサ4が配置されている位置において振動する。
次に、図1ないし図3を参照して、複数の磁界発生部200の構成について詳しく説明する。図2は、磁界発生体100の一部を示す斜視図である。図3は、磁界発生部200の第1の例を示す側面図である。図3に示したように、複数の磁界発生部200の各々は、第1の強磁性体部220と第1の反強磁性体部210を含んでいる。本実施の形態では、第1の強磁性体部220と第1の反強磁性体部210は、Y方向に沿って積層されている。第1の強磁性体部220は、互いに反対側に向いた第1の面220aと第2の面220bを有している。第1の反強磁性体部210は、第1の強磁性体部220の第1の面220aに接して第1の強磁性体部220と交換結合している。
第1の強磁性体部220は、第1の強磁性体部220全体としての磁化を有している。なお、第1の強磁性体部220全体としての磁化とは、第1の強磁性体部220全体における原子、結晶格子等の単位毎の磁気モーメントのベクトル和を体積平均したものである。以下、第1の強磁性体部220全体としての磁化を、単に第1の強磁性体部220の磁化と言う。図1および図2における白抜きの矢印は、第1の強磁性体部220の磁化の方向を表している。
本実施の形態に係る磁界発生体100では、第1の反強磁性体部210と第1の強磁性体部220が交換結合することによって、第1の強磁性体部220の磁化の方向が規定される。これにより、磁界発生体100は、外乱磁界に対する高い耐性を有する。これについては、後で詳しく説明する。
複数の磁界発生部200には、第1の強磁性体部220の磁化の方向が互いに異なる2つの磁界発生部が含まれている。図2において、符号200A,200Bは、複数の磁界発生部200における任意の隣接する2つの磁界発生部を示している。図2に示したように、2つの磁界発生部200A,200Bは、第1の強磁性体部220の磁化の方向が互いに異なるものである。本実施の形態では特に、磁界発生部200Aにおける第1の強磁性体部220の磁化の方向と、磁界発生部200Bにおける第1の強磁性体部220の磁化の方向は、複数の磁界発生部200の列が延びる方向(X方向)に交差し、且つ互いに反対方向である。
ここで、図2に示したように、第1の方向D1と第2の方向D2を定義する。本実施の形態では、第1および第2の方向D1,D2は、それぞれ、Z方向に平行な特定の一方向である。図2では、第1の方向D1は、左下側に向かう方向である。第2の方向D2は、第1の方向D1とは反対の方向である。図2に示した例では、磁界発生部200Aにおける第1の強磁性体部220の磁化の方向は、第1の方向D1である。磁界発生部200Bにおける第1の強磁性体部220の磁化の方向は、第2の方向D2である。
第1の強磁性体部220は、1つの強磁性層によって構成されていてもよいし、積層された複数の構成層を含んでいてもよい。図3に示した磁界発生部200の第1の例は、第1の強磁性体部220が1つの強磁性層によって構成されている場合の例である。第1の例では、第1の強磁性体部220(強磁性層)は、Co、Fe、Niのうちの1つ以上の元素を含む強磁性材料によって形成されている。このような強磁性材料の例としては、CoFeや、CoFeBや、CoNiFeが挙げられる。第1の反強磁性体部210は、IrMn、PtMn等の反強磁性材料によって形成されている。
以下、図4ないし図9を参照して、磁界発生部200の第2ないし第8の例について説明する。第2ないし第8の例は、いずれも、第1の強磁性体部220が、積層された複数の構成層を含んでいる例である。
図4は、磁界発生部200の第2の例を示している。第2の例では、第1の強磁性体部220の複数の構成層には、第1の反強磁性体部210に接する第1の強磁性層221と、第1の強磁性層221よりも第1の反強磁性体部210からより遠い位置にある第2の強磁性層222が含まれている。第1の強磁性層221と第2の強磁性層222は、いずれも第1の強磁性体部220の磁化と同じ方向の磁化を有している。図4において、第1および第2の強磁性層221,222内の白抜きの矢印は、第1および第2の強磁性層221,222の磁化の方向を表している。なお、これ以降の説明で使用する図4と同様の図においても、第1および第2の強磁性層221,222等の強磁性層の磁化の方向については、図4と同様の表し方を用いる。
磁界発生部200が発生する外部磁界を大きくし、且つ磁界発生部200を小型化するために、第1の強磁性体部220は、飽和磁束密度が大きい強磁性材料によって形成された強磁性層を含むことが好ましい。しかし、このような強磁性層は、第1の反強磁性体部210との交換結合エネルギーが大きいとは限らない。そこで、第2の例では、第1の強磁性層221を、第1の反強磁性体部210との交換結合エネルギーを大きくすることができる強磁性材料によって形成し、第2の強磁性層222を、第1の強磁性層221を構成する強磁性材料よりも飽和磁束密度が大きい強磁性材料によって形成することが好ましい。これにより、第1の強磁性体部220と第1の反強磁性体部210の交換結合エネルギーを大きくしながら、磁界発生部200が発生する外部磁界を大きくし、且つ磁界発生部200を小型化することができる。第1の強磁性層221の例としては、CoFe層が挙げられる。第2の強磁性層222の例としては、Fe層が挙げられる。
図5は、磁界発生部200の第3の例を示している。第3の例では、第1の強磁性体部220の複数の構成層には、第2の例と同様に、第1および第2の強磁性層221,222が含まれている。第1の強磁性層221と第2の強磁性層222は、同じ強磁性材料によって形成されていてもよいし、異なる強磁性材料によって形成されていてもよい。
また、第3の例における複数の構成層には、更に、第1の強磁性層221と第2の強磁性層222との間に介在する非磁性層224が含まれている。非磁性層224の材料としては、例えばRuが用いられる。第3の例では、第1の強磁性層221と第2の強磁性層222は、それらの磁化の方向が同じになるように、非磁性層224を介して強磁性的に交換結合している。第1の強磁性層221と第2の強磁性層222は、いずれも第1の強磁性体部220の磁化と同じ方向の磁化を有している。非磁性層224の厚みは、第1の強磁性層221と第2の強磁性層222の交換結合が消失しないような厚みに設定される。
図6は、磁界発生部200の第4の例を示している。第4の例では、第1の強磁性体部220の複数の構成層には、第3の例と同様に、第1の強磁性層221、第2の強磁性層222および非磁性層224が含まれている。第4の例では、第1の強磁性層221と第2の強磁性層222は、それらの磁化の方向が互いに反対になるように、非磁性層224を介して反強磁性的に交換結合している。第1の強磁性層221は、第1の強磁性体部220の磁化とは反対方向の磁化を有し、第2の強磁性層222は、第1の強磁性体部220の磁化と同じ方向の磁化を有している。
第4の例では、第2の強磁性層222全体における単位毎の磁気モーメントの総和は、第1の強磁性層221全体における単位毎の磁気モーメントの総和よりも大きい。そのため、第4の例では、第1の強磁性体部220の磁化の方向は、第2の強磁性層222の磁化の方向と一致する。
第1の強磁性層221の例としては、Co90Fe10層が挙げられる。第2の強磁性層222の例としては、Co30Fe70層が挙げられる。なお、Co90Fe10は、90原子%のCoと10原子%のFeよりなる合金を表し、Co30Fe70は、30原子%のCoと70原子%のFeよりなる合金を表している。第2の強磁性層222の厚みは、第1の強磁性層221の厚みよりも大きいことが好ましい。
第4の例では、反強磁性的に結合する第1の強磁性層221と第2の強磁性層222の交換結合エネルギーが、第1の反強磁性体部210と第1の強磁性層221の交換結合エネルギーよりも大きくなる場合がある。この場合には、第2の強磁性層222の磁化の固定力を高めることができ、その結果、外乱磁界に対する磁界発生体100の耐性を高めることができる。
図7は、磁界発生部200の第5の例を示している。第5の例では、複数の磁界発生部200の各々は、第1の強磁性体部220および第1の反強磁性体部210に加えて、第1の強磁性体部220の第2の面220bに接して第1の強磁性体部220と交換結合する第2の反強磁性体部230を含んでいる。第2の反強磁性体部230を形成する反強磁性材料としては、例えば、第1の例における第1の反強磁性体部210と同じ反強磁性材料が用いられる。第5の例では特に、第1の反強磁性体部210と第2の反強磁性体部230は、同じ反強磁性材料によって形成されている。
また、第5の例では、第1の強磁性体部220の複数の構成層には、第2の例と同様に、第1および第2の強磁性層221,222が含まれている。第5の例における複数の構成層には、更に、第1および第2の強磁性層221,222よりも第1の反強磁性体部210からより遠い位置にあり、第2の反強磁性体部230に接する第3の強磁性層223が含まれている。第1の強磁性層221と第2の強磁性層222と第3の強磁性層223は、いずれも第1の強磁性体部220の磁化と同じ方向の磁化を有している。第5の例では、第1および第3の強磁性層221,223を、第1および第2の反強磁性体部210,230との交換結合エネルギーを大きくすることができる強磁性材料によって形成し、第2の強磁性層222を、第1および第3の強磁性層221,223を構成する強磁性材料よりも飽和磁束密度が大きい強磁性材料によって形成することが好ましい。第1および第3の強磁性層221,223の例としては、CoFe層が挙げられる。第2の強磁性層222の例としては、Fe層が挙げられる。
第1の強磁性体部220の磁化の方向は、第1および第2の反強磁性体部210,230と第1の強磁性体部220が交換結合することによって規定される。第5の例では、磁界発生部200が第1の反強磁性体部210および第1の強磁性体部220のみを含む場合に比べて、第1の強磁性体部220の磁化の固定力を高めることができ、その結果、外乱磁界に対する磁界発生体100の耐性を高めることができる。
なお、第5の例では、図7に示した第1の強磁性体部220の代わりに、図3に示した第1の例における第1の強磁性体部220を用いてもよい。この場合にも、第1の強磁性体部220の磁化の方向は、第1および第2の反強磁性体部210,230と第1の強磁性体部220が交換結合することによって規定される。
次に、磁界発生部200の第6の例について説明する。第6の例における磁界発生部200の構成は、基本的には、図7に示した第5の例における磁界発生部200と同じである。ただし、第6の例では、第1の反強磁性体部210と第2の反強磁性体部230は、互いにブロッキング温度が異なっている。
以下、第6の例の作用および効果について説明する。ここでは、第1の反強磁性体部210がIrMn層であり、第2の反強磁性体部230がPtMn層であり、第1および第3の強磁性層221,223がCoFe層である場合を例にとって説明する。この場合、第1の反強磁性体部210と第1の強磁性層221の結合力は、第2の反強磁性体部230と第3の強磁性層223の結合力よりも強い。一方、第2の反強磁性体部230(PtMn層)は、第1の反強磁性体部210(IrMn層)よりもブロッキング温度が高い。この場合、磁界発生部200の温度が、第1の反強磁性体部210のブロッキング温度を超えると、第1の反強磁性体部210と第1の強磁性層221との間の交換結合が消失する。しかし、磁界発生部200の温度が、第2の反強磁性体部230のブロッキング温度未満であれば、第2の反強磁性体部230と第3の強磁性層223との間の交換結合は消失せず、第1の強磁性体部220の磁化の方向は変化しない。その後、磁界発生部200の温度が第1の反強磁性体部210のブロッキング温度未満になれば、第1の強磁性体部220の磁化の方向が維持されたまま、第1の反強磁性体部210と第1の強磁性層221との間の強い結合が復元される。以上のことから、第6の例によれば、高温にさらされても第1の強磁性体部220の磁化の方向が変化しにくい磁界発生体100を実現することが可能になる。
図8は、磁界発生部200の第7の例を示している。第7の例では、複数の磁界発生部200の各々は、第5の例と同様に、第1の強磁性体部220、第1の反強磁性体部210および第2の反強磁性体部230を含んでいる。また、第1の強磁性体部220の複数の構成層には、第5の例と同様に、第1ないし第3の強磁性層221,222,223が含まれている。第1ないし第3の強磁性層221〜223を構成する強磁性材料は、全て同じでもよいし、全て異なっていてもよいし、2つが同じでもよい。
また、第7の例における複数の構成層には、更に、第1の強磁性層221と第2の強磁性層222との間に介在する非磁性層224と、第2の強磁性層222と第3の強磁性層223との間に介在する非磁性層225とが含まれている。非磁性層224,225の材料としては、例えばRuが用いられる。第1の強磁性層221と第2の強磁性層222は、非磁性層224を介して反強磁性的に交換結合している。第2の強磁性層222と第3の強磁性層223は、非磁性層225を介して反強磁性的に交換結合している。第1および第3の強磁性層221,223は、第1の強磁性体部220の磁化とは反対方向の磁化を有し、第2の強磁性層222は、第1の強磁性体部220の磁化と同じ方向の磁化を有している。
第7の例では、第2の強磁性層222全体における単位毎の磁気モーメントの総和は、第1および第3の強磁性層221,223の全体における単位毎の磁気モーメントの総和よりも大きい。そのため、第7の例では、第1の強磁性体部220の磁化の方向は、第2の強磁性層222の磁化の方向と一致する。
図9は、磁界発生部200の第8の例を示している。第8の例では、複数の磁界発生部200の各々は、第5の例と同様に、第1の強磁性体部220、第1の反強磁性体部210および第2の反強磁性体部230を含んでいる。また、第1の強磁性体部220の複数の構成層には、第5の例と同様に、第1ないし第3の強磁性層221,222,223が含まれている。第1ないし第3の強磁性層221〜223を構成する強磁性材料は、全て同じでもよいし、全て異なっていてもよいし、2つが同じでもよい。
第1の反強磁性体部210は、互いに反対側に向いた第1の面210aと第2の面210bとを有している。第1の強磁性体部220は、第1の反強磁性体部210の第1の面210aに接している。第8の例における複数の磁界発生部200の各々は、更に、第1の反強磁性体部210の第2の面210bに接して第1の反強磁性体部210と交換結合する第2の強磁性体部240を含んでいる。第2の強磁性体部240は、第2の強磁性体部240全体としての磁化を有している。以下、第2の強磁性体部240全体としての磁化を、単に第2の強磁性体部240の磁化と言う。第2の強磁性体部240の磁化の方向は、第1の強磁性体部220の磁化の方向と同じである。
第2の強磁性体部240は、互いに反対側に向いた第1の面240aと第2の面240bを有している。第2の強磁性体部240の第1の面240aは、第1の反強磁性体部210の第2の面210bに接している。第8の例における複数の磁界発生部200の各々は、更に、第2の強磁性体部240の第2の面240bに接して第2の強磁性体部240と交換結合する第3の反強磁性体部250を含んでいる。第1ないし第3の反強磁性体部210,230,250を構成する反強磁性材料は、全て同じでもよいし、全て異なっていてもよいし、2つが同じでもよい。
第2の強磁性体部240は、積層された複数の構成層を含んでいる。複数の構成層には、第1の反強磁性体部210に接する第1の強磁性層241と、第1の強磁性層241よりも第1の反強磁性体部210からより遠い位置にある第2の強磁性層242と、第1および第2の強磁性層241,242よりも第1の反強磁性体部210からより遠い位置にあり第3の反強磁性体部250に接する第3の強磁性層243とが含まれている。第1ないし第3の強磁性層241〜243を構成する強磁性材料は、全て同じでもよいし、全て異なっていてもよいし、2つが同じでもよい。
第8の例の磁界発生部200は、同じ方向の磁化を有する2つの強磁性体部220,240を含んでいる。これにより、第8の例によれば、外乱磁界に対する磁界発生体100の耐性を高めることができる。また、第8の例では、1つの反強磁性体部210によって2つの強磁性体部220,240の磁化の方向を同じ方向に規定することができる。そのため、第8の例では、同じ方向の磁化を有する2つの強磁性体部220,240を効率よく作製することができる。
第8の例において、図9に示した第1の強磁性体部220の代わりに、図3に示した第1の例における第1の強磁性体部220を用いてもよいし、図8に示した第7の例における第1の強磁性体部220を用いてもよい。また、図9に示した第2の強磁性体部240の代わりに、図3に示した第1の例における第1の強磁性体部220と同様の構成の強磁性体部を用いてもよいし、図8に示した第7の例における第1の強磁性体部220と同様の構成の強磁性体部を用いてもよい。また、本実施の形態における磁界発生部200の構成は、図9に示した磁界発生部200の構成から第2および第3の反強磁性体部230,250を除いた構成であってもよい。
次に、図10および図11を参照して、本実施の形態における磁気センサ4の構成の一例について説明する。図10は、磁気センサ4の斜視図である。図11は、磁気センサ4の回路図である。磁気センサ4は、4つの磁気抵抗効果素子(以下、MR素子と記す。)10A,10B,10C,10Dと、図示しない基板と、2つの上部電極31,32と、2つの下部電極41,42とを備えている。下部電極41,42は、図示しない基板の上に配置されている。
上部電極31は、基部310と、基部310から二又に分岐した枝部311,312を有している。上部電極32は、基部320と、基部320から二又に分岐した枝部321,322を有している。下部電極41は、基部410と、基部410から二又に分岐した枝部411,412を有している。下部電極42は、基部420と、基部420から二又に分岐した枝部421,422を有している。上部電極31の枝部311は、下部電極41の枝部411に対向している。上部電極31の枝部312は、下部電極42の枝部421に対向している。上部電極32の枝部321は、下部電極41の枝部412に対向している。上部電極32の枝部322は、下部電極42の枝部422に対向している。
MR素子10Aは、下部電極41の枝部411と上部電極31の枝部311の間に配置されている。MR素子10Bは、下部電極42の枝部421と上部電極31の枝部312の間に配置されている。MR素子10Cは、下部電極42の枝部422と上部電極32の枝部322の間に配置されている。MR素子10Dは、下部電極41の枝部412と上部電極32の枝部321の間に配置されている。
図10に示したように、上部電極31の基部310は、第1の出力ポートE1を含んでいる。上部電極32の基部320は、第2の出力ポートE2を含んでいる。下部電極41の基部410は、電源ポートVを含んでいる。下部電極42の基部420は、グランドポートGを含んでいる。
MR素子10AとMR素子10Bは、上部電極31を介して直列に接続されている。MR素子10CとMR素子10Dは、上部電極32を介して直列に接続されている。
図11に示したように、MR素子10Aの一端は、電源ポートVに接続されている。MR素子10Aの他端は、第1の出力ポートE1に接続されている。MR素子10Bの一端は、第1の出力ポートE1に接続されている。MR素子10Bの他端は、グランドポートGに接続されている。MR素子10A,10Bは、ハーフブリッジ回路を構成している。MR素子10Cの一端は、第2の出力ポートE2に接続されている。MR素子10Cの他端は、グランドポートGに接続されている。MR素子10Dの一端は、電源ポートVに接続されている。MR素子10Dの他端は、第2の出力ポートE2に接続されている。MR素子10C,10Dは、ハーフブリッジ回路を構成している。MR素子10A,10B,10C,10Dは、ホイートストンブリッジ回路を構成している。
電源ポートVには、所定の大きさの電源電圧が印加される。グランドポートGはグランドに接続される。MR素子10A,10B,10C,10Dの各々の抵抗値は、検出対象の磁界に応じて変化する。MR素子10A,10Cの抵抗値は、同じ位相で変化する。MR素子10B,10Dの抵抗値は、MR素子10A,10Cの抵抗値とは180°異なる位相で変化する。第1の出力ポートE1は、MR素子10A,10Bの接続点の電位に対応した第1の検出信号を出力する。第2の出力ポートE2は、MR素子10D,10Cの接続点の電位に対応した第2の検出信号を出力する。第1および第2の検出信号は、検出対象の磁界に応じて変化する。第2の検出信号は、第1の検出信号とは位相が180°異なる。磁気センサ4の出力信号は、第1の検出信号と第2の検出信号の差を求めることを含む演算によって生成される。例えば、磁気センサ4の出力信号は、第1の検出信号から第2の検出信号を引いて得られる信号に所定のオフセット電圧を加えることによって生成される。この磁気センサ4の出力信号は、検出対象の磁界に応じて変化する。
次に、図12を参照して、MR素子10A〜10Dの構成の一例について説明する。図12は、MR素子10A〜10Dの構成の一例を示す側面図である。なお、以下の説明では、任意のMR素子、上部電極および下部電極については、それぞれ、符号10,30,40を付して表す。本実施の形態では、MR素子10として、スピンバルブ型のMR素子を用いている。MR素子10は、少なくとも、方向が固定された磁化を有する磁化固定層13と、検出対象の磁界に応じて磁化が変化する自由層15と、磁化固定層13と自由層15の間に配置された非磁性層14とを有している。
図12に示した例では、MR素子10は、更に、下地層11、反強磁性層12および保護層16を有している。この例では、下地層11、反強磁性層12、磁化固定層13、非磁性層14、自由層15および保護層16が、下部電極40側からこの順に、Z方向に沿って積層されている。下地層11と保護層16は、導電性を有している。下地層11は、図示しない基板の結晶軸の影響を排除し、下地層11の上に形成される各層の結晶性や配向性を向上させるために用いられる。下地層11の材料としては、例えばTaやRuが用いられる。反強磁性層12は、磁化固定層13との交換結合により、磁化固定層13における磁化の方向を固定する層である。反強磁性層12は、IrMn、PtMn等の反強磁性材料によって形成されている。
磁化固定層13では、反強磁性層12との交換結合により、磁化の方向が固定されている。図12に示した例では、磁化固定層13は、反強磁性層12の上に順に積層されたアウター層131、非磁性中間層132およびインナー層133を有し、いわゆるシンセティック固定層になっている。アウター層131とインナー層133は、例えば、CoFe、CoFeB、CoNiFe等の強磁性材料によって形成されている。アウター層131は、反強磁性層12との交換結合により、磁化の方向が固定されている。アウター層131とインナー層133は、反強磁性的に結合し、磁化の方向が互いに逆方向に固定されている。非磁性中間層132は、アウター層131とインナー層133の間に反強磁性交換結合を生じさせ、アウター層131の磁化の方向とインナー層133の磁化の方向を互いに逆方向に固定する。非磁性中間層132は、Ru等の非磁性材料によって形成されている。磁化固定層13がアウター層131、非磁性中間層132およびインナー層133を有する場合には、磁化固定層13の磁化の方向とは、インナー層133の磁化の方向を指す。
MR素子10がTMR素子である場合には、非磁性層14はトンネルバリア層である。トンネルバリア層は、例えば、マグネシウム層の一部または全体を酸化させて形成したものであってもよい。MR素子10がGMR素子である場合には、非磁性層14は非磁性導電層である。自由層15は、例えば、CoFe、CoFeB、NiFe、CoNiFe等の軟磁性材料によって形成されている。保護層16は、その下の各層を保護するための層である。保護層16の材料としては、Ta、Ru、W、Ti等が用いられる。
下地層11は下部電極40に接続され、保護層16は上部電極30に接続されている。MR素子10には、下部電極40と上部電極30によって、電流が供給されるようになっている。この電流は、MR素子10を構成する各層の面と交差する方向、例えばMR素子10を構成する各層の面に対して垂直な方向であるZ方向に流れる。
MR素子10では、自由層15に印加される磁界に応じて、自由層15の磁化が変化する。より詳しく説明すると、自由層15に印加される磁界の方向および大きさに応じて、自由層15の磁化の方向および大きさが変化する。MR素子10の抵抗値は、自由層15の磁化の方向および大きさによって変化する。例えば、自由層15の磁化の大きさが一定の場合には、自由層15の磁化の方向が磁化固定層13の磁化の方向と同じであるときに、MR素子10の抵抗値は最小値となり、自由層15の磁化の方向が磁化固定層13の磁化の方向とは反対方向であるときに、MR素子10の抵抗値は最大値となる。
なお、図10には、MR素子10の形状が円柱形状である例を示している。しかし、MR素子10の形状は、直方体形状等の他の形状であってもよい。
次に、図10および図11を参照して、MR素子10A〜10Dの各々の磁化固定層13の磁化の方向について説明する。図10および図11において、MR素子10A〜10D内の塗りつぶした矢印は、MR素子10A〜10Dにおける磁化固定層13の磁化の方向を表している。ここで、図10および図11に示したように、第3の方向D3および第4の方向D4を定義する。本実施の形態では、第3および第4の方向D3,D4は、それぞれ、X方向に平行な特定の一方向である。図10および図11では、第3の方向D3は、右側に向かう方向である。第4の方向D4は、第3の方向D3とは反対の方向である。
図10および図11に示したように、MR素子10Aにおける磁化固定層13の磁化の方向は、第4の方向D4であり、MR素子10Bにおける磁化固定層13の磁化の方向は、第3の方向D3である。この場合、第3および第4の方向D3,D4に平行な方向すなわちX方向についての検出対象の磁界の成分の強度に応じて、MR素子10A,10Bの接続点の電位が変化する。第1の出力ポートE1は、MR素子10A,10Bの接続点の電位に対応した第1の検出信号を出力する。第1の検出信号は、X方向についての検出対象の磁界の成分の強度を表している。
また、図10および図11に示したように、MR素子10Cにおける磁化固定層13の磁化の方向は、第4の方向D4であり、MR素子10Dにおける磁化固定層13の磁化の方向は、第3の方向D3である。この場合、第3および第4の方向D3,D4に平行な方向すなわちX方向についての検出対象の磁界の成分の強度に応じて、MR素子10C,10Dの接続点の電位が変化する。第2の出力ポートE2は、MR素子10C,10Dの接続点の電位に対応した第2の検出信号を出力する。第2の検出信号は、X方向についての検出対象の磁界の成分の強度を表している。
MR素子10AとMR素子10Dでは、それらに含まれる磁化固定層13の磁化の方向が互いに反対方向である。また、MR素子10BとMR素子10Cでは、それらに含まれる磁化固定層13の磁化の方向が互いに反対方向である。そのため、第1の検出信号に対する第2の検出信号の位相差は180°になる。
なお、MR素子10A〜10Dにおける磁化固定層13の磁化の方向は、MR素子の作製の精度等の観点から、上述の方向からわずかにずれていてもよい。
次に、本実施の形態に係る磁界発生体100および磁気センサシステムの作用および効果について説明する。本実施の形態では、複数の磁界発生部200の各々は、第1の強磁性体部220と第1の反強磁性体部210とを備え、第1の反強磁性体部210は、第1の強磁性体部220と交換結合している。これにより、第1の強磁性体部220の磁化の方向が規定される。
ここで、比較例の磁界発生体および磁気センサシステムと比較しながら、本実施の形態に係る磁界発生体100および磁気センサシステムの効果について説明する。比較例の磁界発生体は、本実施の形態における複数の磁界発生部200の代わりに、それぞれ永久磁石によって構成された複数の磁界発生部を備えた磁界発生体である。比較例の磁気センサシステムは、本実施の形態に係る磁界発生体100の代わりに、比較例の磁界発生体を用いた磁気センサシステムである。
まず、図13と図14を参照して、永久磁石の磁化曲線と磁界発生部200の磁化曲線とを比較する。図13は、永久磁石の磁化曲線を示す特性図である。図14は、1つの磁界発生部200の磁化曲線を示す特性図である。図13および図14において、横軸は磁界を示し、縦軸は磁化を示している。磁界と磁化のいずれに関しても、所定の方向についての大きさを正の値で表し、所定の方向とは反対方向についての大きさを負の値で表す。また、磁化曲線中の矢印は、磁界の変化の方向を表している。また、符号HSで示した磁界の範囲は、検出対象の磁界の範囲を表している。
比較例の磁気センサシステムは、検出対象の磁界の強度が永久磁石の保磁力を超えないという条件の下で使用される。しかし、磁気センサシステムは、様々な環境で使用され得るため、永久磁石の保磁力を超える強度の外乱磁界が、一時的に永久磁石に印加されることが起こり得る。永久磁石の保磁力を超える強度の外乱磁界が、一時的に永久磁石に印加されると、永久磁石の磁化の方向が、当初の方向から変化し、外乱磁界がなくなっても当初の方向から変化したままになる場合がある。例えば、図13に示したように、検出対象の磁界HSの範囲を超える正の値の外乱磁界が一時的に永久磁石に印加された場合には、外乱磁界がなくなった後で、永久磁石の磁化の方向は正の方向に固定される。一方、検出対象の磁界HSの範囲を超える負の値の外乱磁界が一時的に永久磁石に印加された場合には、外乱磁界がなくなった後で、永久磁石の磁化の方向は負の方向に固定される。このようなことから、比較例の磁気センサシステムでは、永久磁石の保磁力を超える強度の外乱磁界が、一時的に永久磁石に印加されると、磁界発生体が発生する磁界の方向が所望の方向から変化してしまう場合がある。
これに対し、本実施の形態における磁界発生部200では、図14から理解されるように、第1の強磁性体部220の磁化の方向を反転させるほど大きな強度の外乱磁界が一時的に印加されても、そのような外乱磁界がなくなれば、第1の強磁性体部220の磁化の方向は、当初の方向に戻る。このように、本実施の形態に係る磁界発生体100は、外乱磁界に対する耐性が高い。この効果は、磁界発生部200の第5ないし第8の例のように、磁界発生部200が複数の反強磁性体部を備えることによって増強される。
また、本実施の形態に係る磁界発生体100は、隣接する2つの磁界発生部200の間の距離を大きくしなくても、容易に作製することが可能である。本実施の形態に係る磁界発生体100の作製は、例えば以下の第1および第2の方法で行われる。始めに、第1の方法について説明する。第1の方法では、第1の強磁性体部220の磁化が第1の方向D1に設定された複数の磁界発生部200A(図2参照)と、第1の強磁性体部220の磁化が第2の方向D2に設定された複数の磁界発生部200B(図2参照)を、別々の工程で形成する。複数の磁界発生部200Aの形成は、第1の方向D1の磁界を印加しながら行われる。これにより、複数の磁界発生部200Aの各々における第1の強磁性体部220の磁化が第1の方向D1に設定される。同様に、複数の磁界発生部200Bの形成は、第2の方向D2の磁界を印加しながら行われる。これにより、複数の磁界発生部200Bの各々における第1の強磁性体部220の磁化が第2の方向D2に設定される。
ここで、例えば、複数の磁界発生部200Aを先の工程で形成し、複数の磁界発生部200Bを後の工程で形成する場合について考える。この場合、複数の磁界発生部200Bを形成する工程では、既に形成されている複数の磁界発生部200Aに、第2の方向D2の方向の磁界が印加される。このとき、一時的に、複数の磁界発生部200Aの第1の強磁性体部220の磁化の方向が反転したとしても、第2の方向D2の磁界がなくなれば、複数の磁界発生部200Aの第1の強磁性体部220の磁化の方向は、第1の方向D1に戻る。
次に、第2の方法について説明する。第2の方法では、まず、第1の強磁性体部220の磁化が所定の方向に設定されていない複数の初期磁界発生部を備えた初期磁界発生体を作製する。複数の初期磁界発生部には、複数の磁界発生部200Aとなる予定の複数の第1の初期磁界発生部と、複数の磁界発生部200Bとなる予定の複数の第2の初期磁界発生部が含まれている。
次に、複数の第1の初期磁界発生部の各々に対して第1の方向D1の磁界を印加しながら、複数の第1の初期磁界発生部の各々の温度を、複数の第1の初期磁界発生部の各々に含まれる反強磁性体部210のブロッキング温度よりも高い温度まで上昇させた後、下降させる。これにより、複数の第1の初期磁界発生部の各々における第1の強磁性体部220の磁化が第1の方向D1に設定され、複数の第1の初期磁界発生部は複数の磁界発生部200Aになる。
次に、複数の第2の初期磁界発生部の各々に対して第2の方向D2の磁界を印加しながら、複数の第2の初期磁界発生部の各々の温度を、複数の第2の初期磁界発生部の各々に含まれる反強磁性体部210のブロッキング温度よりも高い温度まで上昇させた後、下降させる。これにより、複数の第2の初期磁界発生部の各々における第1の強磁性体部220の磁化が第2の方向D2に設定され、複数の第2の初期磁界発生部は複数の磁界発生部200Bになる。なお、複数の磁界発生部200Bを形成した後に、複数の磁界発生部200Aを形成してもよい。
第1の方法と第2の方法のいずれにおいても、隣接する2つの磁界発生部200の間の距離を大きくしなくても、容易に、隣接する2つの磁界発生部200の各々の第1の強磁性体部220の磁化の方向を設定することが可能である。
以上のことから、本実施の形態によれば、複数の磁界発生部200が所望のパターンに配列され、且つ外乱磁界に対する耐性が高い磁界発生体100、ならびにこの磁界発生体100を含む磁気センサシステムを実現することができる。また、本実施の形態によれば、隣接する2つの磁界発生部200の間の距離を小さくすることによって、磁気センサシステムの分解能を向上させることができる。
[第2の実施の形態]
次に、図15を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。図15は、本実施の形態に係る磁気センサシステムの概略の構成を示す斜視図である。本実施の形態に係る磁気センサシステムは、以下の点で第1の実施の形態と異なっている。本実施の形態に係る磁気センサシステムは、第1の実施の形態におけるスケール1の代わりに、スケール2を備えている。スケール2は、本実施の形態に係る磁界発生体300で構成された環状の回転スケールである。磁界発生体300は、所定のパターンに配列されて複数の外部磁界を発生する複数の磁界発生部400を備えている。複数の磁界発生部400は、外周部300aと内周部300bを有する集合体を構成するように、環状に配列されている。外周部300aは、磁界発生体300の外周部でもある。内周部300bは、磁界発生体300の内周部でもある。
複数の磁界発生部400の形状は、例えば、肉厚の円筒を、その円筒の中心軸Cを通る1つ以上の平面で切断してN等分(Nは2以上の偶数)してできる形状である。図15に示した例では、Nすなわち複数の磁界発生部400の数は6である。
磁気センサ4は、外周部300aに対向する位置に配置されている。スケール2は、回転動作をする図示しない動作体に連動し、中心軸Cを中心として回転方向Dに回転する。これにより、スケール2と磁気センサ4との相対的位置関係は、回転方向Dに変化する。磁気センサシステムは、スケール2と磁気センサ4との相対的位置関係に関連する物理量を検出する。具体的には、磁気センサシステムは、上記物理量として、スケール2と連動する上記動作体の回転位置や回転速度等を検出する。
複数の磁界発生部400の各々の内部構成は、第1の実施の形態における複数の磁界発生部200の各々の内部構成と同様である。すなわち、複数の磁界発生部400の各々は、第1の強磁性体部と第1の反強磁性体部を含んでいる。第1の強磁性体部と第1の反強磁性体部は、中心軸Cに平行な方向に沿って積層されている。磁界発生部400のその他の構成は、第1の実施の形態で説明した磁界発生部200の第1ないし第8の例のいずれかと同様である。
図15において、白抜きの矢印は、第1の強磁性体部の磁化の方向を表している。また、図15において、符号400A,400Bは、複数の磁界発生部400における任意の隣接する2つの磁界発生部を示している。図15に示したように、2つの磁界発生部400A,400Bは、第1の強磁性体部の磁化の方向が互いに異なるものである。本実施の形態では特に、磁界発生部400Aの第1の強磁性体部の磁化の方向は、外周部300aから内周部300bに向かう方向である。磁界発生部400Bの第1の強磁性体部の磁化の方向は、内周部300bから外周部300aに向かう方向である。
ここで、外周部300aから内周部300bに向かう磁化の方向を第1の方向とし、内周部300bから外周部300aに向かう磁化の方向を第2の方向とする。本実施の形態では、第1の強磁性体部の磁化の方向が第1の方向と第2の方向に交互に切り替わるように、複数の磁界発生部400が配列されている。
スケール2と磁気センサ4との相対的位置関係が変化すると、磁気センサ4の検出対象の磁界、すなわち複数の磁界発生部400が発生する複数の外部磁界の一部に基づいて磁気センサ4に印加される磁界の方向が変化する。図15に示した例では、検出対象の磁界の方向は、中心軸Cに直交する平面内において、磁気センサ4が配置されている位置を中心として回転する。図15に示した例では特に、スケール2が1回転すると、検出対象の磁界の方向は6回転すなわち6周期変化する。
本実施の形態における磁気センサ4の構成は、第1の実施の形態における図10および図11に示した例と同じである。なお、本実施の形態では、磁気センサ4は、図10ないし図12に示したZ方向が、磁気センサ4が配置された位置から中心軸Cに対して垂直に引いた直線と平行またはほぼ平行になり、図10ないし図12に示したX方向が、中心軸Cに直交する平面に対して平行またはほぼ平行になる姿勢で、外周部300aに対向する位置に配置されている。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
[第3の実施の形態]
次に、図16を参照して、本発明の第3の実施の形態について説明する。図16は、本実施の形態における磁気センサシステムの概略の構成を示す斜視図である。本実施の形態における磁気センサシステムは、リニアスケールであるスケール1と、本実施の形態に係る磁気センサ5とを備えている。スケール1と磁気センサ5との位置関係、ならびに磁気センサ5に対するスケール1の相対的な動作は、第1の実施の形態におけるスケール1と磁気センサ4の位置関係、ならびに磁気センサ4に対するスケール1の相対的な動作と同様である。
本実施の形態では、スケール1は、磁界発生体500によって構成されている。磁界発生体500は、所定のパターンに配列されて複数の外部磁界を発生する複数の磁界発生部600を備えている。本実施の形態では、複数の磁界発生部600は、一列に配列されている。複数の磁界発生部600の構成は、第1の実施の形態における複数の磁界発生部200の構成と同じであってもよい。あるいは、複数の磁界発生部600の各々は、永久磁石によって構成されていてもよい。複数の磁界発生部600の磁化の方向は、交互に切り替わるように設定されている。
次に、図17および図18を参照して、本実施の形態に係る磁気センサ5について説明する。図17は、磁気センサ5の回路図である。図18は、磁気センサ5の一部を示す断面図である。磁気センサ5は、検出対象の磁界を検出する複数の磁気検出素子と、複数の磁気検出素子に印加される複数のバイアス磁界を発生するバイアス磁界発生体8とを備えている。本実施の形態では、複数の磁気検出素子の各々は、MR素子である。
バイアス磁界発生体8は、本実施の形態に係る磁界発生体9によって構成されている。磁界発生体9は、所定のパターンに配列されて複数の外部磁界を発生する複数の磁界発生部を備えている。本実施の形態おける複数の磁界発生部の各々の構成は、基本的には、第1の実施の形態における複数の磁界発生部200の各々の構成と同様である。すなわち、本実施の形態おける複数の磁界発生部の各々は、少なくとも第1の強磁性体部と第1の反強磁性体部を含んでいる。以下、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、第1の強磁性体部を符号220で表し、第1の反強磁性体部を符号210で表す。上記複数のバイアス磁界の各々は、複数の磁界発生部のうちの少なくとも1つの磁界発生部における第1の強磁性体部220の磁化に起因するものである。
本実施の形態では特に、磁気センサ5の複数のMR素子には、直列に接続された2つのMR素子101,102と、直列に接続された2つのMR素子111,112が含まれている。MR素子101,111は、いずれも、本発明における第1の磁気検出素子に対応する。MR素子102,112は、いずれも、本発明における第2の磁気検出素子に対応する。
また、本実施の形態では、磁界発生体9の複数の磁界発生部には、2つの第1の磁界発生部201,211と、2つの第2の磁界発生部202,212が含まれている。
図18に示したように、磁気センサ5は、更に、基板51と、2つの上部電極33,34と、3つの下部電極43,44,45とを備えている。下部電極43,44,45は、基板51上に、互いに間隔を開けて一列に配列されている。MR素子101は、下部電極43のうち下部電極44に最も近い端部の近傍の上に配置されている。MR素子102は、下部電極44のうち下部電極43に最も近い端部の近傍の上に配置されている。MR素子111は、下部電極44のうち下部電極45に最も近い端部の近傍の上に配置されている。MR素子112は、下部電極45のうち下部電極44に最も近い端部の近傍の上に配置されている。磁界発生部201,202,211,212は、それぞれ、MR素子101,102,111,112の上に配置されている。上部電極33は、磁界発生部201,202の上に配置されている。上部電極34は、磁界発生部211,212の上に配置されている。
磁気センサ5は、更に、絶縁層52,53と、保護膜54とを備えている。絶縁層52は、基板51の上において、下部電極43,44,45の周囲に配置されている。絶縁層53は、下部電極43,44,45および絶縁層52の上において、MR素子101,102,111,112および磁界発生部201,202,211,212の周囲に配置されている。保護膜54は、上部電極33,34および絶縁層53を覆うように配置されている。
磁気センサ5は、ハーフブリッジ回路を含んでいる。ハーフブリッジ回路は、直列に接続された第1の磁気検出素子列R1および第2の磁気検出素子列R2を含んでいる。図17に示したように、第1の磁気検出素子列R1は、MR素子101,102によって構成されている。第2の磁気検出素子列R2は、MR素子111,112によって構成されている。磁気センサ5は、更に、電源ポートVと、グランドポートGと、出力ポートEとを含んでいる。第1の磁気検出素子列R1の一端は、電源ポートVに接続されている。第1の磁気検出素子列R1の他端は、出力ポートEに接続されている。第2の磁気検出素子列R2の一端は、出力ポートEに接続されている。第2の磁気検出素子列R2の他端は、グランドポートGに接続されている。
電源ポートVには、所定の大きさの電源電圧が印加される。グランドポートGはグランドに接続される。MR素子101,102,111,112の各々の抵抗値は、検出対象の磁界に応じて変化する。MR素子101,102の抵抗値は、同じ位相で変化する。MR素子111,112の抵抗値は、MR素子101,102の抵抗値とは180°異なる位相で変化する。出力ポートEは、第1の磁気検出素子列R1と第2の磁気検出素子列R2の接続点すなわちMR素子102とMR素子111の接続点の電位に対応した検出信号を出力する。検出信号は、検出対象の磁界に応じて変化する。磁気センサ5の出力信号は、検出信号を用いて所定の演算を行うことによって生成される。例えば、磁気センサ5の出力信号は、検出信号に所定のオフセット電圧を加えることによって生成される。磁気センサ5の出力信号は、検出対象の磁界に応じて変化する。
次に、図19を参照して、MR素子101,102,111,112の各々の構成の一例と、磁界発生部201,202,211,212の各々の構成の一例について説明する。図19は、MR素子と磁界発生部の構成の一例を示す側面図である。なお、以下の説明では、任意のMR素子、磁界発生部、上部電極および下部電極については、それぞれ、符号10,20,30,40を付して表す。
MR素子10の構成は、第1の実施の形態と同じである。すなわち、MR素子10は、少なくとも、磁化固定層13と、自由層15と、非磁性層14とを有している。図19に示した例では、MR素子10は、更に、下地層11、反強磁性層12および保護層16を有している。この例では、下地層11、反強磁性層12、磁化固定層13、非磁性層14、自由層15および保護層16が、下部電極40側からこの順に、Z方向に沿って積層されている。
磁界発生部20は、少なくとも第1の強磁性体部220と第1の反強磁性体部210を含んでいる。図19に示した例では、第1の反強磁性体部210と第1の強磁性体部220が、MR素子10側からこの順に、Z方向に沿って積層されている。なお、図19には、磁界発生部20が、第1の実施の形態で説明した磁界発生部200の第1の例の構成である場合の例を示している。しかし、磁界発生部20は、第1の実施の形態で説明した磁界発生部200の第2ないし第8の例のいずれかの構成であってもよい。
次に、図17を参照して、MR素子101,102,111,112の各々の磁化固定層13の磁化の方向について説明する。図17において、MR素子101,102,111,112内の塗りつぶした矢印は、MR素子101,102,111,112における磁化固定層13の磁化の方向を表している。ここで、図17に示したように、第3および第4の方向D3,D4を定義する。第3および第4の方向D3,D4の定義は、第1の実施の形態と同じである。図17では、第3の方向D3は右側に向かう方向である。第4の方向D4は、第3の方向D3とは反対の方向である。
図17に示したように、MR素子101,102の各々における磁化固定層13の磁化の方向は、第3の方向D3であり、MR素子111,112の各々における磁化固定層13の磁化の方向は、第4の方向D4である。この場合、第3および第4の方向D3,D4に平行な方向すなわちX方向についての検出対象の磁界の成分の強度に応じて、MR素子102,111の接続点の電位が変化する。出力ポートEは、MR素子102,111の接続点の電位に対応した検出信号を出力する。検出信号は、X方向についての検出対象の磁界の成分の強度を表している。
なお、MR素子101,102,111,112における磁化固定層13の磁化の方向は、MR素子の作製の精度等の観点から、上述の方向からわずかにずれていてもよい。
次に、図17を参照して、磁界発生部201,202,211,212の各々の第1の強磁性体部220の磁化の方向と、MR素子101,102,111,112に印加されるバイアス磁界について説明する。図17において、磁界発生部201,202,211,212内の二点鎖線の矢印は、磁界発生部201,202,211,212における第1の強磁性体部220の磁化の方向を表している。
ここで、図17に示したように、第5の方向D5および第6の方向D6を定義する。本実施の形態では、第5および第6の方向D5,D6は、それぞれ、Y方向に平行な特定の一方向である。図17では、第5の方向D5は、上側に向かう方向である。第6の方向D6は、第5の方向D5とは反対の方向である。本実施の形態では特に、磁界発生部201,211における第1の強磁性体部220の磁化の方向は、第5の方向D5である。磁界発生部202,212における第1の強磁性体部220の磁化の方向は、第6の方向D6である。
磁気センサ5は、1つのハーフブリッジ回路に対応して設けられた第1および第2の磁界発生部集合体の組を1つ含んでいる。第1の磁界発生部集合体は、磁界発生部201,202を含み、第1の磁気検出素子列R1を構成するMR素子101,102に印加される2つのバイアス磁界を発生する。第2の磁界発生部集合体は、磁界発生部211,212を含み、第2の磁気検出素子列R2を構成するMR素子111,112に印加される2つのバイアス磁界を発生する。
MR素子101に印加されるバイアス磁界は、磁界発生部201の第1の強磁性体部220の磁化に起因する。MR素子102に印加されるバイアス磁界は、磁界発生部202の第1の強磁性体部220の磁化に起因する。MR素子101の位置におけるバイアス磁界の主成分の方向は、磁界発生部201の第1の強磁性体部220の磁化の方向とは反対の方向、すなわち第6の方向D6である。MR素子102の位置におけるバイアス磁界の主成分の方向は、磁界発生部202の第1の強磁性体部220の磁化の方向とは反対の方向、すなわち第5の方向D5である。
磁界発生部201の第1の強磁性体部220の磁化の方向(第5の方向D5)は、MR素子101の磁化固定層13の磁化の方向(第3の方向D3)と交差する。磁界発生部202の第1の強磁性体部220の磁化の方向(第6の方向D6)は、MR素子102の磁化固定層13の磁化の方向(第3の方向D3)と交差する。
MR素子111に印加されるバイアス磁界は、磁界発生部211の第1の強磁性体部220の磁化に起因する。MR素子112に印加されるバイアス磁界は、磁界発生部212の第1の強磁性体部220の磁化に起因する。MR素子111の位置におけるバイアス磁界の主成分の方向は、磁界発生部211の第1の強磁性体部220の磁化の方向とは反対の方向、すなわち第6の方向D6である。MR素子112の位置におけるバイアス磁界の主成分の方向は、磁界発生部212の第1の強磁性体部220の磁化の方向とは反対の方向、すなわち第5の方向D5である。
磁界発生部211の第1の強磁性体部220の磁化の方向(第5の方向D5)は、MR素子111の磁化固定層13の磁化の方向(第4の方向D4)と交差する。磁界発生部212の第1の強磁性体部220の磁化の方向(第6の方向D6)は、MR素子112の磁化固定層13の磁化の方向(第4の方向D4)と交差する。
バイアス磁界は、磁化固定層13の磁化の方向に平行な方向(X方向)についての検出対象の磁界の成分の強度が0になるときに、自由層15を単磁区化し、且つ自由層15の磁化の方向を一定の方向に向かせるために用いられる。
本実施の形態では、第1の磁界発生部集合体を構成する磁界発生部201,202は、第1の強磁性体部220の磁化の方向が互いに異なるものである。本実施の形態では特に、MR素子101に印加されるバイアス磁界の主成分の方向と、MR素子102に印加されるバイアス磁界の主成分の方向とが、互いに反対方向になるように、磁界発生部201,202が構成されている。これにより、本実施の形態によれば、第1の磁気検出素子列R1において、MR素子101の感度等に与えるバイアス磁界の影響と、MR素子102の感度等に与えるバイアス磁界の影響とを相殺することができる。その結果、本実施の形態によれば、バイアス磁界に起因して第1の磁気検出素子列R1の特性が所望の特性と異なるようになることを防止することができる。
同様に、本実施の形態では、第2の磁界発生部集合体を構成する磁界発生部211,212は、第1の強磁性体部220の磁化の方向が互いに異なるものである。本実施の形態では特に、本実施の形態では、MR素子111に印加されるバイアス磁界の主成分の方向と、MR素子112に印加されるバイアス磁界の主成分の方向とが、互いに反対方向になるように、磁界発生部201,202が構成されている。これにより、本実施の形態によれば、第2の磁気検出素子列R2において、MR素子111の感度等に与えるバイアス磁界の影響と、MR素子112の感度等に与えるバイアス磁界の影響とを相殺することができる。その結果、本実施の形態によれば、バイアス磁界に起因して第2の磁気検出素子列R2の特性が所望の特性と異なるようになることを防止することができる。
本実施の形態に係る磁界発生体9は、第1の実施の形態に係る磁界発生体100と同様の方法によって作製することができる。第1の実施の形態で説明したように、隣接する2つの磁界発生部の間の距離を大きくしなくても、隣接する2つの磁界発生部の各々の第1の強磁性体部220の磁化の方向を設定することは容易である。本実施の形態によれば、磁界発生部201,202,211,212が所望のパターンに配列され、且つ外乱磁界に対する耐性が高い磁界発生体9、ならびにこの磁界発生体9を含む磁気センサ5を実現することができる。また、本実施の形態によれば、隣接する2つの磁界発生部の間の距離を小さくすることによって、磁界発生部201,202,211,212の配置の自由度を向上させたり、磁界発生部201,202,211,212の占有面積を減少させたりすることができる。
[変形例]
次に、図20を参照して、本実施の形態における磁気センサシステムの変形例について説明する。図20は、本実施の形態における磁気センサシステムの変形例の概略の構成を示す斜視図である。変形例では、磁気センサシステムは、図16に示したスケール1の代わりに、環状の回転スケールであるスケール2を備えている。スケール2と磁気センサ5との位置関係、ならびに磁気センサ5に対するスケール2の相対的な動作は、第2の実施の形態におけるスケール2と磁気センサ4との位置関係、ならびに磁気センサ4に対するスケール2の相対的な動作と同様である。
スケール2は、磁界発生体700によって構成されている。磁界発生体700は、所定のパターンに配列されて複数の外部磁界を発生する複数の磁界発生部800を備えている。変形例では、複数の磁界発生部800は、第2の実施の形態における複数の磁界発生部400と同様に、外周部と内周部を有する集合体を構成するように、環状に配列されている。図20に示した例では、複数の磁界発生部800の数は6である。複数の磁界発生部800の各々の内部構成は、図16に示した複数の磁界発生部600の各々の内部構成と同様である。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1または第2の実施の形態と同様である。
[第4の実施の形態]
次に、図21および図22を参照して、本発明の第4の実施の形態について説明する。図21は、本実施の形態に係る磁気センサを示す回路図である。図22は、本実施の形態に係る磁気センサを示す断面図である。本実施の形態に係る磁気センサ5は、以下の点で第3の実施の形態と異なっている。本実施の形態に係る磁気センサ5では、バイアス磁界発生体8(磁界発生体9)の複数の磁界発生部には、2つの第1の磁界発生部201,211と、2つの第2の磁界発生部202,212と、2つの第3の磁界発生部203,213と、2つの第4の磁界発生部204,214が含まれている。
図22に示したように、磁界発生部201,202は、絶縁層53に埋め込まれている。図21および図22に示したように、磁界発生部201と磁界発生部202は、それらの間にMR素子101が介在するように、Y方向に沿って、所定の間隔を開けて配置されている。同様に、磁界発生部203,204,211〜214は、絶縁層53に埋め込まれている。磁界発生部203と磁界発生部204は、それらの間にMR素子102が介在するように、Y方向に沿って、所定の間隔を開けて配置されている。磁界発生部211と磁界発生部212は、それらの間にMR素子111が介在するように、Y方向に沿って、所定の間隔を開けて配置されている。磁界発生部213と磁界発生部214は、それらの間にMR素子112が介在するように、Y方向に沿って、所定の間隔を開けて配置されている。
また、図21に示したように、磁界発生部201と磁界発生部203は、X方向に隣接している。磁界発生部202と磁界発生部204は、X方向に隣接している。磁界発生部211と磁界発生部213は、X方向に隣接している。磁界発生部212と磁界発生部214は、X方向に隣接している。
本実施の形態では、上部電極33は、MR素子101,102の上に配置されている。上部電極34(図18参照)は、MR素子111,112の上に配置されている。
次に、図22を参照して、磁界発生部201〜204,211〜214の各々の構成の一例について説明する。図22に示したように、磁界発生部201,202の各々は、少なくとも第1の強磁性体部220と第1の反強磁性体部210を含んでいる。図22に示した例では、第1の反強磁性体部210と第1の強磁性体部220が、Z方向に沿って積層されている。なお、図22には、磁界発生部201,202の各々が、第1の実施の形態で説明した磁界発生部200の第1の例の構成である場合の例を示している。しかし、磁界発生部201,202の各々は、第1の実施の形態で説明した磁界発生部200の第2ないし第8の例のいずれかの構成であってもよい。
図示しないが、磁界発生部203,204,211〜214の各々の構成は、磁界発生部201,202の各々の構成と同じである。上記の磁界発生部201,202についての説明は、磁界発生部203,204,211〜214にも当てはまる。
次に、図21を参照して、磁界発生部201〜204,211〜214の各々の第1の強磁性体部220の磁化の方向と、MR素子101,102,111,112に印加されるバイアス磁界について説明する。図21において、磁界発生部201〜204,211〜214内の白抜きの矢印は、磁界発生部201〜204,211〜214における第1の強磁性体部220の磁化の方向を表している。
ここで、図21に示したように、第5および第6の方向D5,D6を定義する。第5および第6の方向D5,D6の定義は、第3の実施の形態と同じである。図21では、第5の方向D5は上側に向かう方向である。第6の方向D6は、第5の方向D5とは反対の方向である。磁界発生部201,202,211,212における第1の強磁性体部220の磁化の方向は、第5の方向D5である。磁界発生部203,204,213,214における第1の強磁性体部220の磁化の方向は、第6の方向D6である。
第3の実施の形態と同様に、本実施の形態においても、磁気センサ5は、1つのハーフブリッジ回路に対応して設けられた第1および第2の磁界発生部集合体の組を1つ含んでいる。本実施の形態では、第1の磁界発生部集合体は、1組の第1ないし第4の磁界発生部201〜204を含み、第1の磁気検出素子列R1を構成するMR素子101,102に印加される2つのバイアス磁界を発生する。第2の磁界発生部集合体は、他の1組の第1ないし第4の磁界発生部211〜214を含み、第2の磁気検出素子列R2を構成するMR素子111,112に印加される2つのバイアス磁界を発生する。
MR素子101に印加されるバイアス磁界は、磁界発生部201の第1の強磁性体部220の磁化と磁界発生部202の第1の強磁性体部220の磁化とに起因するものである。MR素子102に印加されるバイアス磁界は、磁界発生部203の第1の強磁性体部220の磁化と磁界発生部204の第1の強磁性体部220の磁化とに起因するものである。MR素子101の位置におけるバイアス磁界の主成分の方向は、磁界発生部201,202の各々の第1の強磁性体部220の磁化の方向(第5の方向D5)と同じ方向である。MR素子102の位置におけるバイアス磁界の主成分の方向は、磁界発生部203,204の各々の第1の強磁性体部220の磁化の方向(第6の方向D6)と同じ方向である。
MR素子101,102の各々の磁化固定層13の磁化の方向は、第3の実施の形態と同じである。ここで、図21に示したように、第3および第4の方向D3,D4を定義する。第3および第4の方向D3,D4の方向の定義は、第3の実施の形態と同じである。図21では、第3の方向D3は右側に向かう方向である。第4の方向D4は、第3の方向D3とは反対の方向である。図21に示したように、MR素子101,102の各々における磁化固定層13の磁化の方向は、第3の方向D3である。磁界発生部201,202の各々の第1の強磁性体部220の磁化の方向(第5の方向D5)は、MR素子101の磁化固定層13の磁化の方向(第3の方向D3)と交差する。磁界発生部203,204の各々の第1の強磁性体部220の磁化の方向(第6の方向D6)は、MR素子102の磁化固定層13の磁化の方向(第3の方向D3)と交差する。
MR素子111に印加されるバイアス磁界は、磁界発生部211の第1の強磁性体部220の磁化と磁界発生部212の第1の強磁性体部220の磁化とに起因するものである。MR素子112に印加されるバイアス磁界は、磁界発生部213の第1の強磁性体部220の磁化と磁界発生部214の第1の強磁性体部220の磁化とに起因するものである。MR素子111の位置におけるバイアス磁界の主成分の方向は、磁界発生部211,212の各々の第1の強磁性体部220の磁化の方向(第5の方向D5)と同じ方向である。MR素子112の位置におけるバイアス磁界の主成分の方向は、磁界発生部213,214の各々の第1の強磁性体部220の磁化の方向(第6の方向D6)と同じ方向である。
MR素子111,112の各々の磁化固定層13の磁化の方向は、第3の実施の形態と同じである。図21に示したように、MR素子111,112の各々における磁化固定層13の磁化の方向は、第4の方向D4である。磁界発生部211,212の各々の第1の強磁性体部220の磁化の方向(第5の方向D5)は、MR素子102の磁化固定層13の磁化の方向(第4の方向D4)と交差する。磁界発生部213,214の各々の第1の強磁性体部220の磁化の方向(第6の方向D6)は、MR素子112の磁化固定層13の磁化の方向(第4の方向D4)と交差する。
本実施の形態では、磁界発生部201,203は、隣接し、且つ第1の強磁性体部220の磁化の方向が互いに異なるものである。磁界発生部202,204は、隣接し、且つ第1の強磁性体部220の磁化の方向が互いに異なるものである。本実施の形態では特に、MR素子101に印加されるバイアス磁界の主成分の方向と、MR素子102に印加されるバイアス磁界の主成分の方向とが、互いに反対方向になるように、磁界発生部201〜204が構成されている。これにより、本実施の形態によれば、第1の磁気検出素子列R1において、MR素子101の感度等に与えるバイアス磁界の影響と、MR素子102の感度等に与えるバイアス磁界の影響とを相殺することができる。その結果、本実施の形態によれば、バイアス磁界に起因して第1の磁気検出素子列R1の特性が所望の特性と異なるようになることを防止することができる。
同様に、本実施の形態では、磁界発生部211,213は、隣接し、且つ第1の強磁性体部220の磁化の方向が互いに異なるものである。磁界発生部212,214は、隣接し、且つ第1の強磁性体部220の磁化の方向が互いに異なるものである。本実施の形態では特に、MR素子111に印加されるバイアス磁界の主成分の方向と、MR素子112に印加されるバイアス磁界の主成分の方向とが、互いに反対方向になるように、磁界発生部211〜214が構成されている。これにより、本実施の形態によれば、第2の磁気検出素子列R2において、MR素子111の感度等に与えるバイアス磁界の影響と、MR素子112の感度等に与えるバイアス磁界の影響とを相殺することができる。その結果、本実施の形態によれば、バイアス磁界に起因して第2の磁気検出素子列R2の特性が所望の特性と異なるようになることを防止することができる。
本実施の形態に係る磁界発生体9は、第1の実施の形態に係る磁界発生体100と同様の方法によって作製することができる。第1の実施の形態で説明したように、隣接する2つの磁界発生部の間の距離を大きくしなくても、隣接する2つの磁界発生部の各々の第1の強磁性体部220の磁化の方向を設定することは容易である。本実施の形態によれば、磁界発生部201〜204,211〜214が所望のパターンに配列され、且つ外乱磁界に対する耐性が高い磁界発生体9、ならびにこの磁界発生体9を含む磁気センサ5を実現することができる。また、本実施の形態によれば、隣接する2つの磁界発生部の間の距離を小さくすることによって、磁界発生部201〜204,211〜214の配置の自由度を向上させたり、磁界発生部201〜204,211〜214の占有面積を減少させたりすることができる。
なお、本実施の形態における磁気センサシステムは、第3の実施の形態における図16に示したスケール1を備えていてもよいし、第3の実施の形態における図20に示したスケール2を備えていてもよい。本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第3の実施の形態と同様である。
[第5の実施の形態]
次に、図23を参照して、本発明の第5の実施の形態について説明する。図23は、本実施の形態に係る磁気センサを示す回路図である。本実施の形態に係る磁気センサ5は、以下の点で第4の実施の形態と異なっている。図23に示したように、本実施の形態では、磁界発生部201〜204,211〜214における第1の強磁性体部220の磁化の方向は、いずれも、X方向とY方向の両方に対して傾いた方向である。
ここで、図23に示した第6の方向D6を基準にして、以下のように、第7および第8の方向を定義する。第6の方向D6は、第4の実施の形態で定義された方向である。図23では、第6の方向D6は下側に向かう方向である。第7の方向は、第6の方向D6の方向から時計回り方向に第1の角度だけ回転した方向である。第8の方向は、第6の方向D6の方向から反時計回り方向に第2の角度だけ回転した方向である。第1および第2の角度は、0°よりも大きく90°未満の範囲内の角度である。図23では、第7の方向は左下側に向かう方向であり、第8の方向は右下側に向かう方向である。磁界発生部201,202,211,212における第1の強磁性体部220の磁化の方向は、上記第7の方向である。磁界発生部203,204,213,214における第1の強磁性体部220の磁化の方向は、上記第8の方向である。第1の角度と第2の角度は等しいことが好ましい。
本実施の形態では、MR素子101,102に印加されるバイアス磁界は、いずれも、磁界発生部201〜204における4つの第1の強磁性体部220に起因するものである。図23において、MR素子101,102の近傍の二点鎖線の矢印は、MR素子101,102のそれぞれの位置におけるバイアス磁界の主成分の方向を表している。本実施の形態では特に、磁界発生部201〜204における4つの第1の強磁性体部220の磁化の方向は、MR素子101,102のそれぞれの位置におけるバイアス磁界の主成分の方向が第6の方向D6になるように設定される。
また、MR素子111,112に印加されるバイアス磁界は、いずれも、磁界発生部211〜214における4つの第1の強磁性体部220に起因するものである。図23において、MR素子111,112の近傍の二点鎖線の矢印は、MR素子111,112のそれぞれの位置におけるバイアス磁界の主成分の方向を表している。本実施の形態では特に、磁界発生部211〜214における4つの第1の強磁性体部220の磁化の方向は、MR素子111,112のそれぞれの位置におけるバイアス磁界の主成分の方向が第6の方向D6になるように設定される。
一般的に、MR素子の感度と、MR素子の検出対象の磁界の強度の範囲は、トレードオフの関係にあり、これらは要求に応じて調整される。MR素子の感度と検出対象の磁界の強度の範囲は、MR素子に印加されるバイアス磁界の大きさによって調整することが可能である。本実施の形態では、例えば第1および第2の角度を調整することによって、MR素子101,102,111,112に印加されるバイアス磁界の大きさを容易に調整することが可能である。これにより、本実施の形態によれば、MR素子101,102,111,112の感度と、MR素子101,102,111,112の検出対象の磁界の強度の範囲を、容易に調整することが可能である。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第4の実施の形態と同様である。
[第6の実施の形態]
次に、図24を参照して、本発明の第6の実施の形態について説明する。図24は、本実施の形態における磁気センサシステムの回路構成を示す回路図である。本実施の形態における磁気センサシステムは、本実施の形態に係る第1の磁気センサ5Aおよび第2の磁気センサ5Bを備え、検出対象の磁界の方向および大きさを検出するためのものである。本実施の形態では、検出対象の磁界とは、例えば地磁気や任意の磁石が発生する磁界である。
第1および第2の磁気センサ5A,5Bの各々の構成は、第4の実施の形態に係る磁気センサ5の構成と同様である。第1の磁気センサ5Aにおける、MR素子101,102,111,112および磁界発生部201〜204,211〜214の配置、MR素子101,102,111,112の各々の磁化固定層13の磁化の方向、磁界発生部201〜204,211〜214の各々の第1の強磁性体部220の磁化の方向、ならびに、MR素子101,102,111,112に印加されるバイアス磁界の方向は、第4の実施の形態と同じである。
第2の磁気センサ5BにおけるMR素子101,102,111,112および磁界発生部201〜204,211〜214は、第1の磁気センサ5AにおけるMR素子101,102,111,112および磁界発生部201〜204,211〜214を、XY平面内において反時計回り方向に90°だけ回転させたような姿勢で配置されている。従って、第2の磁気センサ5BにおけるMR素子101,102,111,112の各々の磁化固定層13の磁化の方向は、第1の磁気センサ5AにおけるMR素子101,102,111,112の各々の磁化固定層13の磁化の方向を、XY平面内において反時計回り方向に90°だけ回転させた方向になる。同様に、第2の磁気センサ5Bにおける磁界発生部201〜204,211〜214の各々の第1の強磁性体部220の磁化の方向は、第1の磁気センサ5Aにおける磁界発生部201〜204,211〜214の各々の第1の強磁性体部220の磁化の方向を、XY平面内において反時計回り方向に90°だけ回転させた方向になる。従って、第2の磁気センサ5BにおけるMR素子101,102,111,112に印加されるバイアス磁界の方向は、第1の磁気センサ5AにおけるMR素子101,102,111,112に印加されるバイアス磁界の方向を、XY平面内において反時計回り方向に90°だけ回転させた方向になる。
第1の磁気センサ5Aの出力ポートEは、第1の磁気センサ5AにおけるMR素子102とMR素子111の接続点の電位に対応した第1の検出信号を出力する。第1の磁気センサ5Aでは、X方向についての検出対象の磁界の成分の強度に応じて、MR素子102,111の接続点の電位が変化する。第1の検出信号は、X方向についての検出対象の磁界の成分の強度を表している。
第2の磁気センサ5Bの出力ポートEは、第2の磁気センサ5BにおけるMR素子102とMR素子111の接続点の電位に対応した第2の検出信号を出力する。第2の磁気センサ5Bでは、Y方向についての検出対象の磁界の成分の強度に応じて、MR素子102,111の接続点の電位が変化する。第2の検出信号は、Y方向についての検出対象の磁界の成分の強度を表している。
本実施の形態における磁気センサシステムは、更に、演算部7を備えている。演算部7は、2つの入力端と1つの出力端とを有している。演算部7の2つの入力端は、それぞれ、第1および第2の磁気センサ5A,5Bの各々の出力ポートEに接続されている。演算部7は、第1および第2の検出信号に基づいて、検出対象の磁界の方向や大きさを表す出力信号を算出する。演算部7は、例えばマイクロコンピュータによって実現することができる。
なお、第1および第2の磁気センサ5A,5Bは、第4の実施の形態に係る磁界発生体9によって構成されたバイアス磁界発生体の代わりに、第3の実施の形態に係る磁界発生体9によって構成されたバイアス磁界発生体を備えていてもよい。本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第3または第4の実施の形態と同様である。
[第7の実施の形態]
次に、図25を参照して、本発明の第7の実施の形態について説明する。図25は、本実施の形態における磁気センサシステムの回路構成を示す回路図である。本実施の形態における磁気センサシステムは、以下の点で第6の実施の形態と異なっている。本実施の形態における磁気センサシステムは、第6の実施の形態における第1および第2の磁気センサ5A,5Bの代わりに、第1の磁気センサ6Aおよび第2の磁気センサ6Bを備えている。第1および第2の磁気センサ6A,6Bの各々は、第1および第2の磁気センサ5A,5Bと同様に、複数のMR素子を備えている。
第1の磁気センサ6Aの複数のMR素子には、直列に接続された2つのMR素子101,102と、直列に接続された2つのMR素子111,112と、直列に接続された2つのMR素子103,104と、直列に接続された2つのMR素子113,114とが含まれている。MR素子101,103,111,113は、いずれも、本発明における第1の磁気検出素子に対応する。MR素子102,104,112,114は、いずれも、本発明における第2の磁気検出素子に対応する。MR素子101〜104,111〜114の各々の構成は、第1の実施の形態におけるMR素子10と同じである。
また、第1の磁気センサ6Aは、複数の磁界発生部を備えた磁界発生体によって構成されたバイアス磁界発生体を備えている。第1の磁気センサ6Aの複数の磁界発生部には、4つの第1の磁界発生部201,205,211,215と、4つの第2の磁界発生部202,206,212,216と、4つの第3の磁界発生部203,207,213,217と、4つの第4の磁界発生部204,208,214,218が含まれている。磁界発生部201〜204,211〜214の構成は、第6の実施の形態における磁界発生部201〜204,211〜214と同じである。同様に、磁界発生部205〜208,215〜218の構成も、第6の実施の形態における磁界発生部201〜204,211〜214と同じである。
第1の磁気センサ6Aは、MR素子101,102,111,112および磁界発生部201〜204,211〜214が配置された第1の領域と、MR素子103,104,113,114および磁界発生部205〜208,215〜218が配置された第2の領域とを含んでいる。図25に示した例では、第1の領域と第2の領域は、Y方向について互いに異なる位置にある。
MR素子101,102,111,112および磁界発生部201〜204,211〜214の配置は、第6の実施の形態で説明した第1の磁気センサ5AにおけるMR素子101,102,111,112および磁界発生部201〜204,211〜214の配置と同じである。MR素子103,104,113,114および磁界発生部205〜208,215〜218の配置は、Y方向について異なる位置にある点を除いて、MR素子101,102,111,112および磁界発生部201〜204,211〜214の配置と同じである。
MR素子101,102,111,112の各々の磁化固定層13の磁化の方向、磁界発生部201〜204,211〜214の各々の第1の強磁性体部220の磁化の方向、ならびに、MR素子101,102,111,112に印加されるバイアス磁界の方向は、第6の実施の形態で説明した第1の磁気センサ5Aにおける、MR素子101,102,111,112の各々の磁化固定層13の磁化の方向、磁界発生部201〜204,211〜214の各々の第1の強磁性体部220の磁化の方向、ならびに、MR素子101,102,111,112に印加されるバイアス磁界の方向と同じである。
MR素子103,104,113,114の各々の磁化固定層13の磁化の方向は、MR素子101,102,111,112の各々の磁化固定層13の磁化の方向とは反対の方向である。磁界発生部205〜208,215〜218の各々の第1の強磁性体部220の磁化の方向、ならびに、MR素子103,104,113,114に印加されるバイアス磁界の方向は、磁界発生部201〜204,211〜214の各々の第1の強磁性体部220の磁化の方向、ならびに、MR素子101,102,111,112に印加されるバイアス磁界の方向と同じである。
第1の磁気センサ6Aは、第1および第2のハーフブリッジ回路を含んでいる。第1および第2のハーフブリッジ回路は、それぞれ、直列に接続された第1および第2の磁気検出素子列を含んでいる。第1のハーフブリッジ回路の第1の磁気検出素子列は、MR素子101,102によって構成されている。第1のハーフブリッジ回路の第2の磁気検出素子列は、MR素子111,112によって構成されている。第2のハーフブリッジ回路の第1の磁気検出素子列は、MR素子103,104によって構成されている。第2のハーフブリッジ回路の第2の磁気検出素子列は、MR素子113,114によって構成されている。MR素子101〜104,111〜114は、ホイートストンブリッジ回路を構成している。
第1の磁気センサ6Aは、更に、電源ポートVと、グランドポートGと、第1の出力ポートE1と、第2の出力ポートE2とを含んでいる。第1のハーフブリッジ回路では、第1の磁気検出素子列の一端は、電源ポートVに接続されている。第1の磁気検出素子列の他端は、第1の出力ポートE1に接続されている。第2の磁気検出素子列の一端は、第1の出力ポートE1に接続されている。第2の磁気検出素子列の他端は、グランドポートGに接続されている。
第2のハーフブリッジ回路では、第1の磁気検出素子列の一端は、電源ポートVに接続されている。第1の磁気検出素子列の他端は、第2の出力ポートE2に接続されている。第2の磁気検出素子列の一端は、第2の出力ポートE2に接続されている。第2の磁気検出素子列の他端は、グランドポートGに接続されている。
電源ポートVには、所定の大きさの電源電圧が印加される。グランドポートGはグランドに接続される。MR素子101〜104,111〜114の各々の抵抗値は、検出対象の磁界に応じて変化する。MR素子101,102,113,114の抵抗値は、同じ位相で変化する。MR素子103,104,111,112の抵抗値は、MR素子101,102,113,114の抵抗値とは180°異なる位相で変化する。第1の出力ポートE1は、第1のハーフブリッジ回路における第1の磁気検出素子列と第2の磁気検出素子列の接続点すなわちMR素子102とMR素子111の接続点の電位に対応した第1の検出信号を出力する。第2の出力ポートE2は、第2のハーフブリッジ回路における第1の磁気検出素子列と第2の磁気検出素子列の接続点すなわちMR素子104とMR素子113の接続点の電位に対応した第2の検出信号を出力する。第1および第2の検出信号は、検出対象の磁界に応じて変化する。第2の検出信号は、第1の検出信号とは位相が180°異なる。
第2の磁気センサ6Bの構成は、第1の磁気センサ6Aの構成と同じである。ただし、第2の磁気センサ6BにおけるMR素子101〜104,111〜114および磁界発生部201〜208,211〜218は、第1の磁気センサ6AにおけるMR素子101〜104,111〜114および磁界発生部201〜208,211〜218を、XY平面内において反時計回り方向に90°だけ回転させたような姿勢で配置されている。従って、第2の磁気センサ6BにおけるMR素子101〜104,111〜114の各々の磁化固定層13の磁化の方向は、第1の磁気センサ6AにおけるMR素子101〜104,111〜114の各々の磁化固定層13の磁化の方向を、XY平面内において反時計回り方向に90°だけ回転させた方向になる。同様に、第2の磁気センサ6Bにおける磁界発生部201〜208,211〜218の各々の第1の強磁性体部220の磁化の方向は、第1の磁気センサ6Aにおける磁界発生部201〜208,211〜218の各々の第1の強磁性体部220の磁化の方向を、XY平面内において反時計回り方向に90°だけ回転させた方向になる。従って、第2の磁気センサ6BにおけるMR素子101〜104,111〜118に印加されるバイアス磁界の方向は、第1の磁気センサ6AにおけるMR素子101〜104,111〜118に印加されるバイアス磁界の方向を、XY平面内において反時計回り方向に90°だけ回転させた方向になる。
第1の磁気センサ6Aでは、X方向についての検出対象の磁界の成分の強度に応じて、第1の磁気センサ6AにおけるMR素子102,111の接続点の電位と、第1の磁気センサ6AにおけるMR素子104,113の接続点の電位が変化する。第1の磁気センサ6Aの第1および第2の検出信号は、X方向についての検出対象の磁界の成分の強度を表している。
第2の磁気センサ6Bでは、Y方向についての検出対象の磁界の成分の強度に応じて、第2の磁気センサ6BにおけるMR素子102,111の接続点の電位と、第2の磁気センサ6BにおけるMR素子104,113の接続点の電位が変化する。第2の磁気センサ6Bの第1および第2の検出信号は、Y方向についての検出対象の磁界の成分の強度を表している。
本実施の形態における磁気センサシステムは、更に、2つの差分回路7A,7Bと、演算部7Cを備えている。差分回路7A,7Bおよび演算部7Cは、それぞれ、2つの入力端と1つの出力端とを有している。差分回路7Aの2つの入力端は、それぞれ第1の磁気センサ6Aの第1および第2の出力ポートE1,E2に接続されている。差分回路7Bの2つの入力端は、それぞれ第2の磁気センサ6Bの第1および第2の出力ポートE1,E2に接続されている。演算部7Cの2つの入力端は、それぞれ差分回路7A,7Bの各出力端に接続されている。
差分回路7Aは、第1の磁気センサ6Aの第1の検出信号と第2の検出信号の差を求めることを含む演算によって生成される第1の演算信号を出力する。差分回路7Bは、第2の磁気センサ6Bの第1の検出信号と第2の検出信号の差を求めることを含む演算によって生成される第2の演算信号を出力する。演算部7Cは、第1および第2の演算信号に基づいて、検出対象の磁界の方向や大きさを表す出力信号を算出する。差分回路7A,7Bおよび演算部7Cは、例えば1つのマイクロコンピュータによって実現することができる。
なお、第1および第2の磁気センサ6A,6Bは、本実施の形態におけるバイアス磁界発生体の代わりに、第3の実施の形態に係る磁界発生体9によって構成されたバイアス磁界発生体を備えていてもよい。本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第3または第6の実施の形態と同様である。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、請求の範囲の要件を満たす限り、複数のMR素子および複数の磁界発生部の数、形状および配置は、各実施の形態に示した例に限られず、任意である。
また、MR素子10は、下部電極40側から、下地層11、自由層15、非磁性層14、磁化固定層13、反強磁性層12および保護層16の順に積層されて構成されていてもよい。
1,2…スケール、4,5,5A,5B,6A,6B…磁気センサ、8…バイアス磁界発生体、9…磁界発生体、10…MR素子、13…磁化固定層、14…非磁性層、15…自由層、20…磁界発生部、100…磁界発生体、200…磁界発生部、210…第1の反強磁性体部、220…第1の強磁性体部、300…磁界発生体、400…磁界発生部。
比較例の磁気センサシステムは、検出対象の磁界の強度が永久磁石の保磁力を超えないという条件の下で使用される。しかし、磁気センサシステムは、様々な環境で使用され得るため、永久磁石の保磁力を超える強度の外乱磁界が、一時的に永久磁石に印加されることが起こり得る。永久磁石の保磁力を超える強度の外乱磁界が、一時的に永久磁石に印加されると、永久磁石の磁化の方向が、当初の方向から変化し、外乱磁界がなくなっても当初の方向から変化したままになる場合がある。例えば、図13に示したように、検出対象の磁界の範囲HSを超える正の値の外乱磁界が一時的に永久磁石に印加された場合には、外乱磁界がなくなった後で、永久磁石の磁化の方向は正の方向に固定される。一方、検出対象の磁界の範囲HSを超える負の値の外乱磁界が一時的に永久磁石に印加された場合には、外乱磁界がなくなった後で、永久磁石の磁化の方向は負の方向に固定される。このようなことから、比較例の磁気センサシステムでは、永久磁石の保磁力を超える強度の外乱磁界が、一時的に永久磁石に印加されると、磁界発生体が発生する磁界の方向が所望の方向から変化してしまう場合がある。
同様に、本実施の形態では、第2の磁界発生部集合体を構成する磁界発生部211,212は、第1の強磁性体部220の磁化の方向が互いに異なるものである。本実施の形態では特に、本実施の形態では、MR素子111に印加されるバイアス磁界の主成分の方向と、MR素子112に印加されるバイアス磁界の主成分の方向とが、互いに反対方向になるように、磁界発生部211,212が構成されている。これにより、本実施の形態によれば、第2の磁気検出素子列R2において、MR素子111の感度等に与えるバイアス磁界の影響と、MR素子112の感度等に与えるバイアス磁界の影響とを相殺することができる。その結果、本実施の形態によれば、バイアス磁界に起因して第2の磁気検出素子列R2の特性が所望の特性と異なるようになることを防止することができる。
MR素子111,112の各々の磁化固定層13の磁化の方向は、第3の実施の形態と同じである。図21に示したように、MR素子111,112の各々における磁化固定層13の磁化の方向は、第4の方向D4である。磁界発生部211,212の各々の第1の強磁性体部220の磁化の方向(第5の方向D5)は、MR素子111の磁化固定層13の磁化の方向(第4の方向D4)と交差する。磁界発生部213,214の各々の第1の強磁性体部220の磁化の方向(第6の方向D6)は、MR素子112の磁化固定層13の磁化の方向(第4の方向D4)と交差する。

Claims (20)

  1. 所定のパターンに配列されて複数の外部磁界を発生する複数の磁界発生部を備えた磁界発生体であって、
    前記複数の磁界発生部の各々は、第1の強磁性体部と第1の反強磁性体部を含み、
    前記第1の反強磁性体部は、前記第1の強磁性体部に接して前記第1の強磁性体部と交換結合し、
    前記第1の強磁性体部は、第1の強磁性体部全体としての磁化を有し、
    前記複数の磁界発生部には、前記第1の強磁性体部全体としての磁化の方向が互いに異なる2つの磁界発生部が含まれることを特徴とする磁界発生体。
  2. 前記第1の強磁性体部は、積層された複数の構成層を含み、
    前記複数の構成層には、前記第1の反強磁性体部に接する第1の強磁性層が含まれることを特徴とする請求項1記載の磁界発生体。
  3. 前記複数の構成層には、更に、前記第1の強磁性層よりも前記第1の反強磁性体部からより遠い位置にある第2の強磁性層が含まれることを特徴とする請求項2記載の磁界発生体。
  4. 前記複数の構成層には、更に、前記第1の強磁性層と前記第2の強磁性層の間に介在する非磁性層が含まれることを特徴とする請求項3記載の磁界発生体。
  5. 前記第1の強磁性層と前記第2の強磁性層は、前記非磁性層を介して強磁性的に交換結合し、前記第1の強磁性層と前記第2の強磁性層は、いずれも前記第1の強磁性体部全体としての磁化と同じ方向の磁化を有することを特徴とする請求項4記載の磁界発生体。
  6. 前記第1の強磁性層と前記第2の強磁性層は、前記非磁性層を介して反強磁性的に交換結合し、前記第2の強磁性層は、前記第1の強磁性体部全体としての磁化と同じ方向の磁化を有することを特徴とする請求項4記載の磁界発生体。
  7. 前記第1の強磁性体部は、互いに反対側に向いた第1の面と第2の面を有し、
    前記第1の反強磁性体部は、前記第1の強磁性体部の前記第1の面に接し、
    前記複数の磁界発生部の各々は、更に、前記第1の強磁性体部の前記第2の面に接して前記第1の強磁性体部と交換結合する第2の反強磁性体部を含むことを特徴とする請求項1記載の磁界発生体。
  8. 前記第1の反強磁性体部と前記第2の反強磁性体部は、互いにブロッキング温度が異なるものであることを特徴とする請求項7記載の磁界発生体。
  9. 前記第1の反強磁性体部は、互いに反対側に向いた第1の面と第2の面を有し、
    前記第1の強磁性体部は、前記第1の反強磁性体部の前記第1の面に接し、
    前記複数の磁界発生部の各々は、更に、前記第1の反強磁性体部の前記第2の面に接して前記第1の反強磁性体部と交換結合する第2の強磁性体部を含み、
    前記第2の強磁性体部は、第2の強磁性体部全体としての磁化を有することを特徴とする請求項1記載の磁界発生体。
  10. 相対的位置関係が変化し得るスケールと磁気センサとを備え、前記スケールと前記磁気センサとの相対的位置関係に関連する物理量を検出するための磁気センサシステムであって、
    前記スケールは、請求項1ないし9のいずれかに記載の磁界発生体によって構成されていることを特徴とする磁気センサシステム。
  11. 前記複数の磁界発生部は、一列に配列され、
    前記複数の磁界発生部における任意の隣接する2つの磁界発生部は、前記第1の強磁性体部全体としての磁化の方向が互いに異なるものであることを特徴とする請求項10記載の磁気センサシステム。
  12. 前記隣接する2つの磁界発生部の一方における前記第1の強磁性体部全体としての磁化の方向と、他方における前記第1の強磁性体部全体としての磁化の方向は、前記複数の磁界発生部の列が延びる方向に交差し、且つ互いに反対方向であることを特徴とする請求項11記載の磁気センサシステム。
  13. 前記複数の磁界発生部は、外周部と内周部を有する集合体を構成するように、環状に配列され、
    前記複数の磁界発生部における任意の隣接する2つの磁界発生部は、前記第1の強磁性体部全体としての磁化の方向が互いに異なるものであることを特徴とする請求項10記載の磁気センサシステム。
  14. 前記隣接する2つの磁界発生部の一方における前記第1の強磁性体部全体としての磁化の方向は、前記外周部から前記内周部に向かう方向であり、他方における前記第1の強磁性体部全体としての磁化の方向は、前記内周部から前記外周部に向かう方向であることを特徴とする請求項13記載の磁気センサシステム。
  15. 検出対象の磁界を検出する複数の磁気検出素子と、
    前記複数の磁気検出素子に印加される複数のバイアス磁界を発生するバイアス磁界発生体とを備えた磁気センサであって、
    前記バイアス磁界発生体は、請求項1ないし9のいずれかに記載の磁界発生体によって構成され、
    前記複数のバイアス磁界の各々は、前記複数の磁界発生部のうちの少なくとも1つの磁界発生部における前記第1の強磁性体部全体としての磁化に起因するものであることを特徴とする磁気センサ。
  16. 前記複数の磁気検出素子の各々は、磁気抵抗効果素子であることを特徴とする請求項15記載の磁気センサ。
  17. 前記磁気抵抗効果素子は、方向が固定された磁化を有する磁化固定層と、前記検出対象の磁界に応じて磁化が変化する自由層と、前記磁化固定層と前記自由層の間に配置された非磁性層とを有することを特徴とする請求項16記載の磁気センサ。
  18. 前記複数の磁界発生部のうちの任意の磁界発生部における前記第1の強磁性体部全体としての磁化の方向は、前記任意の磁界発生部における前記第1の強磁性体部全体としての磁化に起因するバイアス磁界が印加される特定の磁気検出素子の前記磁化固定層の磁化の方向と交差することを特徴とする請求項17記載の磁気センサ。
  19. 前記複数の磁気検出素子には、直列に接続された第1の磁気検出素子と第2の磁気検出素子が含まれ、
    前記複数の磁界発生部には、第1および第2の磁界発生部が含まれ、
    前記第1の磁気検出素子に印加されるバイアス磁界は、前記第1の磁界発生部における前記第1の強磁性体部全体としての磁化に起因し、
    前記第2の磁気検出素子に印加されるバイアス磁界は、前記第2の磁界発生部における前記第1の強磁性体部全体としての磁化に起因し、
    前記第1および第2の磁界発生部は、前記第1の強磁性体部全体としての磁化の方向が互いに異なるものであることを特徴とする請求項15ないし18のいずれかに記載の磁気センサ。
  20. 前記複数の磁気検出素子には、直列に接続された第1の磁気検出素子と第2の磁気検出素子が含まれ、
    前記複数の磁界発生部には、第1ないし第4の磁界発生部が含まれ、
    前記第1の磁気検出素子に印加されるバイアス磁界は、前記第1の磁界発生部における前記第1の強磁性体部全体としての磁化と前記第2の磁界発生部における前記第1の強磁性体部全体としての磁化とに起因し、
    前記第2の磁気検出素子に印加されるバイアス磁界は、前記第3の磁界発生部における前記第1の強磁性体部全体としての磁化と前記第4の磁界発生部における前記第1の強磁性体部全体としての磁化とに起因し、
    前記第1および第3の磁界発生部は、隣接し、且つ前記第1の強磁性体部全体としての磁化の方向が互いに異なるものであり、
    前記第2および第4の磁界発生部は、隣接し、且つ前記第1の強磁性体部全体としての磁化の方向が互いに異なるものであることを特徴とする請求項15ないし18のいずれかに記載の磁気センサ。
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