JP2017009232A - 排気構造およびこれを備えた給湯装置 - Google Patents

排気構造およびこれを備えた給湯装置 Download PDF

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Abstract

【課題】排気騒音を適切に低減することが可能な排気構造を提供する。【解決手段】排気構造Cは、排気口40の周縁部には、前方に突出するバーリング部43が設けられ、かつ正面視において、排気口40は排気トップ5の前面壁部52に設けられている仕切り部50と重なることなく複数の開口部51内に配置されており、奥行き方向において、開口部51にバーリング部43が進入した構成である。【選択図】 図4

Description

本発明は、排気騒音の低減効果に優れる排気構造、およびこれを備えた給湯装置に関する。
給湯装置における排気構造の具体例として、特許文献1、および特許文献2の図11などに記載の排気構造がある。
これらの文献に記載の排気構造においては、排気ダクト(排ガス流通部材)の端部に、排気口の前側および周囲を覆う排気トップが取り付けられている。排気トップの前壁部には、排気口から排気される排ガスを排気トップの前方に通過させるための開口部が設けられているが、この開口部は、桟状の複数の仕切り部によって複数の領域に仕切られている。複数の仕切り部は、排気トップの開口部に動物や異物が進入することを防止するのに役立つ。また、人が排気口に手を差し入れるといったことを抑制するのにも役立つ。
しかしながら、前記従来技術においては、次に述べるように、未だ改善すべき余地があった。
すなわち、排気ダクトの排気口を通過した排ガスの一部は、排気トップの複数の仕切り部に当たってから排気トップの開口部を通過する。このため、風切り音が発生し、これが耳障りとなる場合がある。特許文献1,2には記載されていないものの、人の手が排気トップの仕切り部に触れた際に怪我を生じないようにすべく、仕切り部には、その前側部分に鋭いエッジが存在しないように仕切り部を二つ折り状、またはこれに近い形状に曲げるカーリング加工が施される場合が多い。仕切り部が、そのようなカーリング加工を施されたものである場合には、仕切り部に排ガスが当たることによって発生する風切り音は、より大きいものとなる。したがって、このような排気騒音を低減することが望まれる。
特開平8−189631号公報 特開2007−24346号公報
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであり、排気騒音を適切に低減することが可能な排気構造、およびこれを備えた給湯装置を提供することを、その課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明の第1の側面により提供される排気構造は、内部を排ガスが流通し、かつこの排ガスを外部に排気させるための排気口が設けられている排ガス流通部材と、前記排気口の前側および周囲を覆う前面壁部および周壁部を有し、かつ前記前面壁部には、前記排気口から排出される排ガスを通過させるための複数の開口部が仕切り部を介して仕切られた状態に設けられている排気トップと、を備えている、排気構造であって、前記排気口の周縁部には、前方に突出するバーリング部が設けられ、かつ正面視において、前記排気口は前記仕切り部と重なることなく前記複数の開口部内に配置されており、奥行き方向において
、前記開口部に前記バーリング部が進入していることを特徴としている。
ここで、前記「前方」とは、排ガス流れ方向と同義であり、たとえば本発明に係る排気構造を備えた給湯装置自体の前方とは必ずしも一致するものではない。
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、排ガス流通部材の排気口から排出される排ガスが、排気トップの前面壁部に設けられている仕切り部に当たらないようにすることができる。したがって、排気トップの仕切り部に排ガスが当たることに起因する風切り音の発生を防止し、従来よりも排気騒音を低減することが可能である。
本発明において、好ましくは、前記排ガス流通部材は、内部を排ガスが通過するケース状またはダクト状の本体部材と、この本体部材のうちの排ガス流れ方向下流側に取り付けられた補助部材とを含んでおり、この補助部材には、前方に膨出した形態を有し、かつ前記本体部材内を通過してきた排ガスが内部に流入する膨出部が形成されており、この膨出部の先端部に、前記排気口および前記バーリング部が設けられている。
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
第1に、排ガス流通部材の本体部材に取り付けられた補助部材に排気口が設けられているために、この排気口の開口面積などの仕様変更は容易である。排気口の開口面積の変更などに際し、本体部材の仕様を変更する必要はない。したがって、排気口の仕様変更により、排ガスの排気速度や排気抵抗を所望の適正な値に設定するようなことも容易となる。これは、たとえばバーナを備えた給湯装置において、排気抵抗をやや大きくし、バーナの振動燃焼を防止するような場合に好適である。
第2に、補助部材には、前方に膨出した膨出部が設けられ、かつこの膨出部に排気口およびバーリング部が設けられているために、バーリング部の前方への突出寸法を小さくすることができ、バーリング部の形成が容易となる。
第3に、膨出部を先細状に形成するなどして、排ガスが膨出部の内部を通過して排気口を通過する際の排ガス流れを円滑にするといった効果が得られる。これは、排気騒音を低減する上で、より好ましい。
本発明において、好ましくは、前記排ガス流通部材は、内部を排ガスが通過するように形成されたケース状またはダクト状の本体部材を含んでおり、この本体部材のうちの排ガス流れ方向下流側の壁部には、前方に膨出した形態を有し、かつ前記本体部材内を通過してきた排ガスが内部に流入する膨出部が一体的に形成されており、この膨出部の先端部に、前記排気口および前記バーリング部が設けられている。
このような構成によれば、膨出部が形成された補助部材を用いた既述の構成と同様に、バーリング部の前方への突出寸法を小さくし、バーリング部の形成が容易となる効果や、膨出部を利用して排ガス流れの円滑を図るといった効果が得られる。加えて、膨出部を本体部材に一体的に形成しているため、部品点数の少数化を図り、製造コストの低減を図ることもできる。
本発明においては、前記排ガス流通部材として、給湯装置における熱交換器の熱回収用の伝熱管を収容するケース、前記熱交換器を通過した排ガスが内部に流入するように設けられたケース状の排気集合筒、または前記熱交換器に接続された排気ダクトのいずれか1つを備えた構成とすることができる。
本発明において、好ましくは、前記バーリング部は、前記排気口の周縁部の全周にわたって設けられている。
このような構成によれば、排気口から排出される排ガスが排気トップの仕切り部に当たることを防止する上で、より好ましいものとなる。
本発明において、好ましくは、前記排気口は、複数設けられ、かつこれら複数の排気口のそれぞれの内周縁に前記バーリング部が設けられており、前記複数の排気口のそれぞれが、これらの正面視において、前記仕切り部とは重なることなく前記複数の開口部内に配置されるとともに、奥行き方向において、前記複数の排気口のそれぞれのバーリング部が前記複数の開口部に進入している。
このような構成によれば、複数の排気口のそれぞれから排出される排ガスが排気トップの仕切り部に当たらないようにすることができる。また、排気トップの複数の開口部のそれぞれを小サイズにすることが可能となり、異物などが排気トップ内に進入し難くすることもできる。さらに、排気トップに設けられる複数の開口部の総面積、および複数の排気口の総面積については、必要十分な面積に設定することが可能であり、それらの総面積が過小になることも適切に回避することができる。
本発明において、好ましくは、前記排気トップ内において発生してから前記排気トップの前記周壁部の底部上に流れたドレン水を外部へ排出するためのドレン水排出口と、一端が前記排ガス流通部材内に対面開口し、かつ他端が前記排気トップ内のうちの前記ドレン水排出口の近傍部分に開口しており、前記排ガス流通部材内の圧力を前記ドレン水排出口の近傍部分に伝達するための圧力伝達路と、をさらに備えている。
このような構成によれば、排気トップ内においてドレン水が発生した場合には、このドレン水を、ドレン水排出口から外部へ適切に排出することができる。一方、前記圧力伝達路の存在により、排気トップ内のうち、ドレン水排出口の近傍部分の圧力を排ガス流通部材内の圧力と略同等に設定することができる。これは、後述の実施形態においても詳述するように、たとえばドレン水排出口がドレン水排出用のホースを介して排ガス流通部材内と連通されてその内部圧力が大気圧よりも高圧とされた場合に、ドレン水排出口から排気トップ内に排ガスが勢いよく流入し、ドレン水が排気トップの開口部側に吹き飛ばされて外部に飛散するといったことを防止するのに好適となる。
本発明の第2の側面により提供される給湯装置は、本発明の第1の側面により提供される排気構造を備えていることを特徴としている。
このような構成によれば、本発明の第1の側面により提供される排気構造について述べたのと同様な効果が得られる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
本発明に係る排気構造を備えた給湯装置の一例を示す概略断面図である。 図1に示す給湯装置における排気構造を備えた2次熱交換器の斜視図である。 図2のIII−III断面図である。 図2に示す2次熱交換器の要部拡大側面断面図である。 図2に示す排気構造の要部正面図である。 図2の要部分解斜視図である。 (a)は、図6の一部をさらに分解した要部分解斜視図であり、(b)は、(a)の断面図である。 図1〜図7に示す排気構造との対比例(本発明の実施形態に相当する)を示す要部断面図である。 (a)は、本発明の他の例を示す分解斜視図であり、(b)は、(a)のIXb−IXb要部断面図である。 本発明の他の例を示す要部断面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
図1に示す給湯装置Aは、ファン10、バーナ11、1次熱交換器12、2次熱交換器B、および排気構造Cを備えている。
給湯装置Aは、排気構造Cを除き、それ以外の基本的な構成は、従来既知の給湯装置と同様である。具体的に説明すると、バーナ11は、ファン10から上向きに送られる燃焼用空気を利用して燃料ガスを燃焼させる。1次熱交換器12は、燃焼ガスから顕熱を回収して湯水加熱を行なうものであり、缶体12c内に伝熱管12aおよびこれに付属するフィン12bが配された構成である。
2次熱交換器Bは、顕熱回収後の燃焼ガスから潜熱を回収し、湯水加熱を行なうものであり、ケース2内に複数の伝熱管30が収容された構成であり、1次熱交換器12を通過した燃焼ガスは、補助缶体13を利用してケース2の後壁部20に設けられた給気口22に導かれ、その後は複数の伝熱管30の相互間の隙間を通過するようにしてケース2内を前進し、排気構造Cの位置に到る。複数の伝熱管30は、たとえば図3に示すように、平面視略矩形状または略長円状の螺旋状伝熱管であり、それらの両端部には、入水用および出湯用のヘッダ31,32が接続されている(図2も参照)。入水用ヘッダ31の入水口31aには、外部から入水がなされる。図面では省略しているが、出湯用ヘッダ32の出湯口32aから出湯した湯水は、1次熱交換器12の伝熱管12aに送られる。
図6および図7によく表われているように、排気構造Cは、2次熱交換器Bのケース2、このケース2の前壁部21に取り付けられた補助部材4、排気トップ5、圧力伝達路形成部材6、およびドレン水飛散防止部材7を備えている。
ここで、ケース2および補助部材4の両者は、伝熱管30による潜熱回収後の燃焼ガス(排ガス)を内部に流通させる部材であり、本発明でいう「排ガス流通部材」の具体例に相当する。さらに、ケース2は、本発明でいう「排ガス流通部材の本体部材」の具体例に相当し、補助部材4は、本発明でいう「排ガス流通部材の補助部材」の具体例に相当する。本実施形態では、補助部材4に排気口40が設けられているのに対し、ケース2の前壁部21には、排ガス通過口23が設けられており、本発明でいう「排ガスを外部に排気させるための排気口」は、補助部材4の排気口40である。ケース2の排ガス通過口23は、一般的な概念では排気口に該当するものの、本実施形態では、ケース2の内部から補助部材4の内側に排ガスを通過させるための部位であり、「排ガスを外部に排気させるための排気口」には該当しない(ただし、図9を参照して後述する実施形態のような場合には、ケースに設けられた排ガス通過口が、本発明でいう排気口に相当する)。
図7によく表われているように、補助部材4は、円板状などに形成されたベース板部41、およびこのベース板部41の中央寄りの一部分を前方に膨出させた膨出部42、この膨出部42の先端壁部に設けられた2つの排気口40、これら2つの排気口40の周縁部に設けられたバーリング部43、およびベース板部41の下部寄りに設けられたドレン水排出口44を有している。
膨出部42は、内部空洞状であり、バーリング部43とともにベース板部41と一体的
に形成されている。2つの排気口40は、たとえば正面視において略水平方向に延びた略長円状または略矩形状であり、これらのトータルの開口面積は、たとえばケース2の排ガス通過口23の開口面積よりも小さくされている。このことにより、排気抵抗をやや大きくし、バーナ11の振動燃焼を防止する効果を得ることが可能である。膨出部42は、この膨出部42の内側に流入した排ガスが2つの排気口40に円滑に導かれるように、たとえばその上壁部42aが緩やかな前下がり状に形成され、この膨出部42の先端側ほど流路断面積が徐々に狭くなるように形成されている。このような結果、この補助部材4は、排ガスの整流部材としての機能を発揮する。
排気トップ5は、排気口40の前側および周囲を覆うための部材であり、複数の仕切り部50によって仕切られた複数の開口部51が設けられている前面壁部52、この前面壁部52に連設した略円筒状の周壁部53、およびこの周壁部53に連設されたフランジ部54を有している。仕切り部50は、略水平の桟状であり、この仕切り部50には、背景技術の欄で述べたようなカーリング加工、すなわち人の手が仕切り部50に触れた際に怪我を生じることを防止すべく、仕切り部50の前側部分に鋭いエッジが位置しないように仕切り部50を二つ折り状、またはこれに近い形状に曲げる加工が施されている。
排気トップ5および補助部材4は、排気トップ5のフランジ部54が補助部材4のベース板部41に当接するように組み合わされた状態で、ケース2の前壁部21に取り付けられる。この取り付け手段としては、ビスなどのネジ体90を用いることが可能である。これに代えて、たとえばフランジ部54を補助部材4よりも大きく形成し、これらに全周カシメ加工を施すようにしてもよい。この場合、両部材間のシール性は一層向上する。また、この取り付けに際し、排気トップ5および補助部材4の下部寄り部分は、ケース2の下方にはみ出した状態とされる(図4を参照)。このように設定すれば、ドレン水排出口44をケース2よりも低い高さに配置させ、ドレン水排出口44に排水用のホース91を適切に接続することができる。
排気トップ5と補助部材4との組み合わせ状態においては、図5に示すような正面視において、補助部材4の2つの排気口40のそれぞれは、排気トップ5の仕切り部50と重なることなく、複数の開口部51内に配置されている。また、図4によく表われているように、補助部材4の各バーリング部43は、開口部51に進入している。換言すると、各バーリング部43と仕切り部50とは、奥行き方向(排ガスの流れ方向と一致する方向であり、本実施形態ではケース2の前後方向)において、適当な寸法Laでオーバラップしている。各バーリング部43は、排気口40の周縁部の全周にわたって一連に繋がった状態(正面視ループ状)に設けられている。
ドレン水排出口44は、排気トップ5の内側において発生したドレン水を外部に排出するための部位であり、既述したように、補助部材4のベース板部41の下部寄りに設けられている。排気トップ5の内側において発生したドレン水は、排気トップ5の周壁部53の底部上に流れてからドレン水排出口44に流れ込むようになっている。一方、2次熱交換器Bのケース2の底壁部24には、ケース2内における潜熱回収に伴って発生するドレン水を外部に排出するためのドレン水排出口29が設けられている。これら2つのドレン水排出口44,29には、2股分岐状の排水用のホース91(図面では簡略して示す)が接続されている。前記したドレン水は、強酸性であり、ホース91を介してたとえば中和器(図示略)に送られ、中和処理されてから廃棄される。給湯装置Aを屋外に設置した場合には、排気トップ5の内側に開口部51から雨水が進入する場合があるが、このような雨水も、ドレン水と同様に、ドレン水排出口44を利用して外部に排出可能である。
圧力伝達路形成部材6、およびドレン水飛散防止部材7は、排気トップ5内において発生したドレン水が、排気トップ5の開口部51およびその前方に飛散することを防止する
ための部材である。
図7において、圧力伝達路形成部材6は、たとえば平面断面視の基本形状が略コ字状であって、上部、下部、および一側面部が開口した折り曲げ板部60を有している。この圧力伝達路形成部材6には、フランジ状の取付け片61が連設されており、この部分をベース板部41にスポット溶接するなどして補助部材4への取り付けが図られている。膨出部42の下壁部には、図4に示すように、開口部65aが設けられており、圧力伝達路形成部材6は、この開口部65aを利用して圧力伝達路65を形成している。この圧力伝達路65は、上部が膨出部42内に対面開口し、かつ下部がドレン水排出口44の近傍領域n1に対面開口した構成であり、膨出部42内の圧力をドレン水排出口44の近傍領域n1に伝達し、後述するように、ドレン水が開口部51側に飛散することを防止する作用を生じさせる。
ドレン水飛散防止部材7は、略水平状の水平板部70と、取付け片71とを有しており、図6によく表われているように、圧力伝達路形成部材6の下部寄りの位置にスポット溶接などの手段を用いて取り付けられる。図4に示すように、水平板部70は、圧力伝達路形成部材6の外面から略水平状に突出したフランジ状となっており、その高さは、複数の開口部51よりも低い位置である。
次に、前記した排気構造Cを備えた給湯装置Aの作用について説明する。
2次熱交換器Bのケース2内を通過した排ガスは、補助部材4の2つの排気口40から外部に向けて排出されるが、本実施形態の排気構造Cによれば、各排気口40から排出される排ガスは、排気トップ5の仕切り部50に当たることなく、排気トップ5の開口部51を通過する。したがって、仕切り部50に排ガスが当たることに起因して風切り音が発生することは適切に防止され、排気騒音を低減することが可能である。
排気構造Cにおいては、ケース2に補助部材4が取り付けられ、かつこの補助部材4に排気口40が設けられているために、この排気口40の開口面積などの仕様変更は容易であり、排気口40の開口面積の変更などに際し、ケース2の仕様を変更する必要はない。したがって、排気口40の開口面積を変更するなどして、排ガスの排気速度や排気抵抗を所望の適正な値に設定することも容易である。また、補助部材4には、前方に膨出した膨出部42が設けられた上で、この膨出部42に排気口40およびバーリング部43が設けられているために、バーリング部43自体の前方への突出寸法は比較的小寸法でよく、バーリング部43の形成も容易となる。膨出部42は、既述したように、緩やかな先細状、またはこれに類する形状とされているために、排ガスが膨出部42の内側を流通して排気口40を通過する迄の排ガス流れを円滑にするといった効果も得られる。このことにより、排気騒音をより低減することが可能となる。
排気構造Cにおいては、排気口40が2つ設けられているが、このことにより各排気口40のサイズを小さくしながらも、2つの排気口40のトータルの開口面積を必要かつ十分なものとすることが可能である。また、排気トップ5の各開口部51は、排気口40以上の開口サイズである必要があるため、各排気口40のサイズを小さくすれば、複数の仕切り部50の間隔を小さくし、各開口部51のサイズも小さくすることができる。これは、各開口部51から排気トップ5内に異物や動物などが不当に進入することを防止する上で好ましいものとなる。
排気トップ5の内側において発生したドレン水は、ドレン水排出口44を介して外部に排出することが可能であるが、本実施形態においては、補助部材4に設けられているドレン水排出口44が、ケース2のドレン水排出口29とホース91を介して連通している。このような構造を採用した場合には、次のような現象を生じる虞がある。
すなわち、図8は、本実施形態との対比例であり、同図において、排気トップ5の内側は、開口部51を介して外部と連通しているため、基本的には大気圧の状態にある。これに対し、ケース2内は排ガス(燃焼ガス)が高速で流れている高圧状態(大気圧よりも高圧の状態)にある。ドレン水排出口44は、ホース91を介してケース2内と連通しているため、ドレン水排出口44の内部は、高圧状態となる。このような状況下では、ドレン水排出口44から排気トップ5内に排ガスが勢いよく流入し、周壁部53の底部上に存在するドレン水が、前記の排ガスによって開口部51側に吹き飛ばされ、外部に飛散する虞がある。
これに対し、本実施形態においては、図4に示すように、圧力伝達路65が設けられていることにより、ドレン水排出口44の近傍部分n1は、膨出部42内の圧力(ケース2内の圧力)と同等な圧力となる。このため、ドレン水排出口44から排気トップ5の内側に排ガスが流入することは抑制され、周壁部53の底部上に存在するドレン水が排ガスによって開口部51側に吹き飛ばされるといったことが防止される。また、仮に、ドレン水が排ガスによって吹き飛ばされる現象を生じたとしても、このドレン水は、ドレン水飛散防止部材7の水平板部70に当たり、開口部51に到達することは適切に防止される。したがって、排気トップ5の外部にドレン水が飛散して排気トップ5の周辺部が汚染されるといった不具合も好適に防止される。
図9および図10は、本発明の他の実施形態を示している。これらの図において、前記実施形態と同一または類似の要素には、前記実施形態と同一の符号を付すこととし、重複説明は省略する。
図9に示す排気構造Caにおいては、ケース2の前壁部21に、排気口40およびバーリング部43を有する膨出部42が一体的に形成されている。本実施形態においては、前記実施形態における補助部材4は用いられていない。
本実施形態によれば、補助部材4が不要であるため、全体の部品点数、および組み立て作業の工程数を少なくし、製造コストを低減することが可能である。
図10に示す給湯装置Aaは、バーナ11により発生された燃焼ガスから熱回収を行なう熱交換器12(上述の1次熱交換器12に相当)の上側に、下部開口のケース状の排気集合筒8が設けられた構成を有している。符号80は、排ガス用のガイド部材である。排気集合筒8の前部(同図左側)には、排ガス通過口81およびその周囲に位置するフランジ部82が設けられている。このフランジ部82に、排気口40を有する補助部材4、および排気トップ5が取り付けられている。
本実施形態においては、前記実施形態と同様に、排気騒音を低減することが可能である。本実施形態における排気集合筒8および補助部材4は、本発明でいう「排ガス流通部材」の具体例に相当し、さらに排気集合筒8は、本発明でいう「排ガス流通部材の本体部材」の具体例に相当する。
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る排気構造、およびこれを備えた給湯装置の各部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更自在である。
本発明でいう「排ガス流通部材」または「排ガス流通部材の本体部材」としては、上述した熱交換器のケース、排気集合筒以外として、たとえば特許文献1,2に記載されているような排気ダクトを適用することも可能である。
排気口の具体的な形状、サイズ、数などは限定されない。たとえば、上述の実施形態とは異なり、排気口を1つのみ設けた構成、あるいは3以上設けた構成とすることも可能で
ある。また、排気口を複数設ける場合、これら複数の排気口の配列も限定されず、複数の排気口が上下方向に並んだ配列に代えて、たとえば水平方向に並んだ配列とすることもできる。上述の実施形態では、膨出部42の先端壁部に排気口40が設けられているが、本発明においては、膨出部42を省略することが可能であり、膨出部42が設けられていない部分に排気口40を設けた構成とすることもできる。
バーリング部43は、排気口の周縁部の全周にわたった正面視ループ状に設けることが好ましいものの、やはりこれに限定されず、バーリング部が正面視一部切欠き状のループ状とされ、排気口の周縁部にバーリング部が設けられていない箇所が部分的に存在する構成とされていてもかまわない。バーリング部は、奥行き方向において排気トップの開口部内に進入していればよく、その具体的な進入量(図4のオーバラップ寸法La)は問わない。バーリング部43の先端部が、排気トップ5の前面と略面一とされていたり、あるいは排気トップ5の前面よりも前方に突出した状態とされていてもよい。
本発明に係る給湯装置は、本発明が意図する排気構造を具備していればよく、やはりその具体的な構成は限定されない。給湯装置における湯水加熱用の媒体としては、バーナによって発生させた燃焼ガスに代えて、たとえばコージェネレーションシステムの発電部から排気される高温の排ガスを用いることも可能である。
A 給湯装置
B 2次熱交換器
C 排気構造
2 ケース(排ガス流通部材,排ガス流通部材の本体部材)
4 補助部材(排ガス流通部材,排ガス流通部材の補助部材)
40 排気口
42 膨出部
43 バーリング部
44 ドレン水排出口
5 排気トップ
50 仕切り部
51 開口部
52 前面壁部
53 周壁部
6 圧力伝達路形成部材
65 圧力伝達路
7 ドレン水飛散防止部材

Claims (8)

  1. 内部を排ガスが流通し、かつこの排ガスを外部に排気させるための排気口が設けられている排ガス流通部材と、
    前記排気口の前側および周囲を覆う前面壁部および周壁部を有し、かつ前記前面壁部には、前記排気口から排出される排ガスを通過させるための複数の開口部が仕切り部を介して仕切られた状態に設けられている排気トップと、
    を備えている、排気構造であって、
    前記排気口の周縁部には、前方に突出するバーリング部が設けられ、かつ正面視において、前記排気口は前記仕切り部と重なることなく前記複数の開口部内に配置されており、奥行き方向において、前記開口部に前記バーリング部が進入していることを特徴とする、排気構造。
  2. 請求項1に記載の排気構造であって、
    前記排ガス流通部材は、内部を排ガスが通過するケース状またはダクト状の本体部材と、この本体部材のうちの排ガス流れ方向下流側に取り付けられた補助部材とを含んでおり、
    この補助部材には、前方に膨出した形態を有し、かつ前記本体部材内を通過してきた排ガスが内部に流入する膨出部が形成されており、
    この膨出部の先端部に、前記排気口および前記バーリング部が設けられている、排気構造。
  3. 請求項1に記載の排気構造であって、
    前記排ガス流通部材は、内部を排ガスが通過するように形成されたケース状またはダクト状の本体部材を含んでおり、
    この本体部材のうちの排ガス流れ方向下流側の壁部には、前方に膨出した形態を有し、かつ前記本体部材内を通過してきた排ガスが内部に流入する膨出部が一体的に形成されており、
    この膨出部の先端部に、前記排気口および前記バーリング部が設けられている、排気構造。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の排気構造であって、
    前記排ガス流通部材として、給湯装置における熱交換器の熱回収用の伝熱管を収容するケース、前記熱交換器を通過した排ガスが内部に流入するように設けられたケース状の排気集合筒、または前記熱交換器に接続された排気ダクトのいずれか1つを備えている、排気構造。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の排気構造であって、
    前記バーリング部は、前記排気口の周縁部の全周にわたって設けられている、排気構造。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の排気構造であって、
    前記排気口は、複数設けられ、かつこれら複数の排気口のそれぞれの内周縁に前記バーリング部が設けられており、
    前記複数の排気口のそれぞれが、これらの正面視において、前記仕切り部とは重なることなく前記複数の開口部内に配置されるとともに、奥行き方向において、前記複数の排気口のそれぞれのバーリング部が前記複数の開口部に進入している、排気構造。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の排気構造であって、
    前記排気トップ内において発生してから前記排気トップの前記周壁部の底部上に流れた
    ドレン水を外部へ排出するためのドレン水排出口と、
    一端が前記排ガス流通部材内に対面開口し、かつ他端が前記排気トップ内のうちの前記ドレン水排出口の近傍部分に開口しており、前記排ガス流通部材内の圧力を前記ドレン水排出口の近傍部分に伝達するための圧力伝達路と、
    をさらに備えている、排気構造。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の排気構造を備えている、給湯装置。
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