JP2017009053A - ボールねじの予圧回復装置 - Google Patents

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【課題】外部に駆動部を設けることなく、予圧低下時に予圧を回復することができるボールねじの予圧回復装置を提供する。【解決手段】ねじ軸11と、このねじ軸に複数の転動体を介して螺合する複数のナット13A,13Bと、隣接するナット間に配置された予圧付与機構20とを備え、予圧付与機構は、隣接するナット間に介挿される初期予圧を与える間座21と、隣接するナットの一方の端面に形成された収納部内に配置され、対向面に半径方向に行くに従い幅が変化する傾斜面22b,22eを形成した軸方向に移動可能な一対の対向リング22A,22Bと、これら一対の対向リングの傾斜面間に係合する複数の押圧駒23と、この押圧駒を半径方向に移動させるねじ部24とを備え、隣接するナット間の予圧低下時に、押圧駒23によって一対の対向リング22A,22Bを軸方向外側に移動させて隣接するナット間の予圧を回復させる。【選択図】図1

Description

本発明は、ねじ軸に螺合される隣接するナット間に予圧付与機構を設けたボールねじの予圧回復装置に関する。
この種のボールねじは、ねじ軸と、複数の転動体(例えば、ボール)を介してねじ軸に螺合する複数のナットとを備え、隣接するナット間に平板状の間座等で構成される予圧付与機構を介在させて、隣接するナット間に予圧を与えるようにしている。
この予圧付与機構としては、特許文献1に記載されているように、隣接するナット間に介挿する間座の両面に、互い違いに圧電シートを貼り付け、両ナットで強く挟持したとき間座に弾性変形を生じさせるとともに、圧電シートに供給する電圧を外部から調整することにより、予圧を外部から自在に調整することが提案されている。
また、他の予圧付与機構としては、特許文献2に記載されているように、隣接するナット間に、回り止め手段と、軸方向において互いに逆方向の力を与える付勢子とを配置し、付勢子に対して、圧力源、流体圧供給路、圧力室等を含む付勢手段で付勢力を与えることにより、定位置予圧と予圧可変式の定圧予圧とを外部から調整することが提案されている。
特許第2876614号公報 特開平06−235446号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載されたボールねじにあっては、外部から予圧を調整することが可能であり、常時予圧を一定に調整することができるが、予圧を調整するために、外部に検出装置及び直流電圧を供給する駆動装置を設けたり、流体圧源、流体圧供給路、圧力室等を含む付勢手段を設けたりする必要があり、ボールねじ単独で予圧調整を行うことができないという未解決の課題がある。
上記従来例のような外部の予圧調整機構を設けないボールねじでは、隣接するナット間に平板状の間座を組み付け、間座の厚みによって隣接するナット間に予圧を与えるのが一般的である。
この場合に、予圧付与機構を平板状の間座を設けるのみのシンプルな構成とすることができるが、ボールねじを工作機械等に組み込んで稼働させた場合には、ボールねじの転動溝に切り屑等の異物が付着すると、この異物によって転動体又は転動溝若しくは転動体及び転動溝の双方が摩耗して予圧が徐々に低下し、剛性不足によって目的とする加工精度等がでず、工作機械を停止せざるを得ない状態となり、新たなボールねじの手配をし、ボールねじの交換作業が必要となっている。
そこで、本発明は、上記特許文献1及び2に記載された従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、外部に駆動部を設けることなく、予圧低下時に予圧を回復することができるボールねじの予圧回復装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るボールねじの予圧回復装置は、ねじ軸と、このねじ軸に複数の転動体を介して螺合する複数のナットと、隣接するナット間に配置された予圧付与機構とを備え、予圧付与機構は、隣接するナット間に介挿される初期予圧を与える間座と、隣接するナットの一方の端面に形成された収納部内に配置され、対向面に半径方向に行くに従い幅が変化する傾斜面を形成した軸方向に移動可能な一対の対向リングと、これら一対の対向リングの傾斜面間に係合する断面台形状の複数の押圧駒と、この押圧駒を半径方向に移動させるねじ部とを備え、隣接するナット間の予圧低下時に、ねじ部を操作することにより、押圧駒によって一対の対向リングを軸方向外側に移動させて隣接するナット間の予圧を回復させる。
本発明の一態様によれば、予圧付与機構に予圧回復機能を持たせたので、ボールねじの転動溝に異物が侵入して転動体又は転動溝若しくは転動体及び転動溝の双方が摩耗して予圧が低下したときに、ねじ部により押圧駒を移動させて一対の対向リングを軸方向外方に移動させることにより、予圧を回復させることができ、ボールねじの初期性能を維持しながら長期間使用することが可能となる。このため、ボールねじの交換に要する準備期間を長くすることができ、交換するボールねじを調達できた時点でボールねじの交換作業を行うことで、ボールねじを組み込んだ機械の停止期間を短くすることができ、生産性の低下を抑制することができる。
また、ボールねじを組み込んだ機械の使用者側でボールねじの予備ストックを持つ必要がなくなり、在庫コストの削減に繋げることができる。
本発明の一態様に係るボールねじの予圧回復装置の第1の実施形態を示す断面図である。 図1の予圧付与機構の拡大断面図である。 本発明の一態様に係るボールねじの予圧回復装置の第2の実施形態を示す断面図である。 図3の予圧付与機構の拡大断面図である。
次に、図面を参照して、本発明の一実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
まず、本発明の一の態様を表すボールねじの予圧回復装置の第1の実施形態について説明する。
ボールねじ10は、図1に示すように、ねじ軸11と、このねじ軸11に転動体としてのボール12を介して螺合された複数例えば2つのナット13A及び13Bとを備えている。
ねじ軸11は、外周面にボール12が転動するねじ軸側螺旋溝14が形成されている。
ナット13Aは、一端にフランジ部15を形成した円筒体16で構成され、この円筒体16の内周面にねじ軸側螺旋溝14に対向してボール12が転動するナット側螺旋溝17が形成されている。このナット13Aのナット13Bと対向する端面に円環状凹部でなる収納部18が形成されている。
ナット13Bは、フランジ部15が省略されていることを除いてはナット13Aと同様の構成を有し、円筒体16の内周面にねじ軸側螺旋溝14に対向してボール12が転動するナット側螺旋溝17が形成されている。
これらナット13A及び13Bには、図示はしないがボール12を軸方向の一端側から他端側に戻すような循環路が形成されており、この循環路を介してボール12を循環させる。
ここで、ねじ軸側螺旋溝14は、その螺旋溝に直角な断面形状が曲率中心の異なる2つの同一円弧を組み合わせた略V状であるゴシックアーク形状とされている。これに対して、ナット側螺旋溝17は、その螺旋溝に直角な断面形状がボール12の半径より大きい曲率半径を有するゴシックアーク形状とされている。
そして、ナット13Aのフランジ部15とは反対側にナット13Bが隣接して配置されている。
隣接するナット13A及び13Bの対向端面間には、ボール12に予圧を与える予圧付与機構20が設けられている。この予圧付与機構20は、ナット13A及び13Bのボール12に初期予圧を与える間座21と、この間座21の外周側に配置され、収納部18内に収納された一対の対向リング22A及び22Bと、これら一対の対向リング22A及び22B間の円周方向の複数個所に配置された押圧駒23と、この押圧駒23を中心軸側に押圧するねじ部24とを備えている。
間座21は、ナット13A及び13Bのナット側螺旋溝17の底面間の内径以上の内径を有する貫通孔が形成された円筒状に形成され、その軸方向の厚みによってナット13A及び13Bのボール12に対して初期予圧を付与する。
対向リング22Aは、図2に示すように、収納部18の底面18aに接触する垂直接触面22aと、垂直端面の外周縁から軸方向にナット13B側に行くに従い幅広となる傾斜面22bと、収納部18の内周側円筒面18aに係合する円筒内面22cとを有して断面直角三角形状に形成されている。
対向リング22Bは、図2に示すように、ナット13Bのナット13A側端面に接触する垂直接触面22dと、垂直接触面22dの外周縁から軸方向にナット13A側に行くに従い幅広となる傾斜面22eと、収納部18の内周側円筒面18aに係合する円筒内面22fとを有して断面直角三角形状に形成されている。
そして、対向リング22A及び22Bは、傾斜面22b及び22eを互いに対向させて対向面となるように収納部18の内面側円筒面18bに軸方向に移動可能に収納されている。
押圧駒23は、図2に示すように、対向リング22A及び22Bの傾斜面22b及び22eに係合する傾斜面23a及び23bと、傾斜面23a及び23bの内周側端縁を結ぶ内周側円筒面23cと、傾斜面23a及び23bの外周側端縁を結ぶ外周面23dとを有して断面台形状に形成されている。
ねじ部24は、ナット13Aの収納部18を形成する外筒部18cの押圧駒23の外周面23dに対向する位置に半径方向に貫通形成された雌ねじ部18dに螺合され、端面が押圧駒23の外周面23dに接触した状態で外周側から見て時計方向に回転させることにより、押圧駒23を半径方向の中心軸側に押圧する。
また、ナット13A及び13Bは比較的熱膨張係数が小さい金属材料であるクロムモリブデン鋼(熱膨張係数:11.2×10−6/K)で構成され、間座21及び対向リング22A,22Bは、ナット13A及び13Bに対して熱膨張係数が大きい金属材料である黄銅(熱膨張係数:19×10−6/K)で構成され、押圧駒23は対向リング22A,22Bに対して熱膨張係数が小さい金属材料であるステンレス鋼SUS304(熱膨張係数:17.3×10−6/K)で構成され、さらにねじ部24は、押圧駒23と同じステンレス鋼SUS304で形成されている。
したがって、間座21及び対向リング22A,22B、押圧駒23及びねじ部24の順に熱膨張係数が小さくなるように設定されている。
次に、上記第1の実施形態の動作を説明する。
ねじ軸11へナット13A及び13Bを装着する際には、先ずナット13Aをねじ軸11へボール12を介して螺合させる。
次いで、ナット13Aの収納部18内に対向リング22A、押圧駒23及び対向リング22Bの順で挿入するとともに、対向リング22Bの軸方向外側の内周面に間座21を挿入した状態で、間座21内にねじ軸11をナット13A側とは反対側の端部から挿入して、間座21の端面をナット13Aのフランジ部15とは反対側の端面に接触させる。
次いで、ナット13Bをねじ軸11のナット13Aのフランジ部15とは反対側の端部からボール12を介して螺合させ、そのナット13A側端面を間座21に接触させて締め付ける。これにより、間座21で、ナット13A及び13Bとねじ軸11との間のボール12に2点接触状態となるように引張方向の所定の初期予圧を与える。
この初期状態では、ねじ部24で押圧駒23に対して押圧力を付与せず、押圧駒23が半径方向の外周側の位置を取り、対向リング22Aの端面でナット13Aを押圧しないとともに、対向リング22Bの端面でナット3Bを押圧しない状態に保持される。
このように、ねじ軸11にナット13A及び13Bを隣接させて装着するダブルナット構成とすることにより、シングルナットの場合よりも剛性を高めることができ、ボールねじ10を使用した送り系の位置決め精度を向上させることができる。
ところで、上記構成を有するボールねじ10は、位置決め精度を必要する工作機械、射出成形機、半導体製造装置などに組込んで使用されるが、ボールねじ10には、駆動時にねじ軸11のねじ軸側螺旋溝14やナット13A及び13Bのナット側螺旋溝17に切り屑や摩耗粉等の異物が入り込み易い。
このように、ねじ軸側螺旋溝14やナット側螺旋溝17に異物が入り込むと、接触角によって、異物はねじ軸側螺旋溝14やナット側螺旋溝17とボール12との間に噛み込まれ、ボール12、ねじ軸側螺旋溝14及びナット側螺旋溝17の少なくとも1つ以上が摩耗して、予圧抜けが発生する。
また、ねじ軸11を回転駆動して、ナット13A及び13Bを走行させると、ナット側螺旋溝17とボール12との間の発熱量が他の部位の発熱量に比較して多くなる。
そして、接触角によって、切り屑や摩耗粉等の異物がナット側螺旋溝17とボールとの間に入り込むと、摩擦抵抗が増加する分発熱量も増加するため、ナット13A及び13B及び予圧付与機構20の温度が上昇する。これによって、予圧付与機構20の予圧が低下する状態が発生する。
このとき、予圧付与機構20の間座21及び一対の対向リング22A,22Bに対して押圧駒23の熱膨張係数が小さくなるように設定されており、言い換えると押圧駒23に対して間座21及び一対の対向リング22A,22Bの膨張係数が大きくなる。このため、温度上昇により、間座21が軸方向に膨張し、この間座21の熱膨張係数がナット13A及び13Bの熱膨張係数より大きいので、間座21の伸び量によって予圧の低下が回復する。このとき、間座21に伝達された熱が対向リング22Bに伝達されるとともに、対向リング22Aにはナット13Aから直接伝達される。しかしながら、対向リング22A,22Bに対して押圧駒23及びねじ部24の熱膨張係数が小さいので押圧駒23及びねじ部24の熱膨張による半径方向の伸び量を抑制することができ、ねじ部24の熱膨張による負担を抑制することができる。
しかしながら、ボール12、ねじ軸側螺旋溝14及びナット側螺旋溝17の少なくとも1つ以上の摩耗量が多くなると、間座21や対向リング22A,22Bの熱膨張係数差による予圧増加分では予圧が不足することになる。この場合には、ねじ部24が右ねじであるものとすると、ねじ部24を外側面側から見て時計方向に回転させることにより、ねじ部24が半径方向中心軸側に移動する。このため、押圧駒23がねじ部24によって押圧されて半径方向中心軸側に移動する。これによって、対向リング22Aによってナット13Aがナット13Bとは反対方向に押され、対向リング22Bによってナット13Bがナット13Aとは反対方向に押されることになり、ナット13A及び13B間を広げてボール12の予圧を確実に回復させることができる。このため、ボールねじ10の予圧に比例する剛性を確保することができ、送り系の位置決め精度の低下を補償することができる。
したがって、ボール12、ねじ軸側螺旋溝14、ナット側螺旋溝17の少なくとも1つ以上の摩耗による予圧低下が発生したボールねじ10であっても、ねじ部24を時計方向に回転させることにより、押圧駒23を半径方向中心軸側に移動させて対向リング22A及び22Bを軸方向で互いに反対方向の外側に移動させることにより予圧を回復させて継続使用が可能となる。
この予圧回復動作を行った場合には、新たなボールねじ10を手配し、この新たなボールねじ10が納入されるまでの間は対向リング22A,22B及び押圧駒23による予圧回復により剛性を確保して送り系の位置決め精度を維持したまま送り系の稼働が可能となる。
そして、新たなボールねじ10が納入されたときに、送り系の駆動を停止して、劣化を生じたボールねじ10を新たなボールねじ10に交換する作業を行う。これによって、送り系の機構を更新することができ、送り系の停止時間を短くできるので、生産量のダウンを極力小さくすることができる。
さらに、ボールねじ10の予備ストックを、ボールねじ10を組み込んだ工作機械、射出成形機、半導体製造装置等を使用する製造メーカー側や生産現場で持つ必要がなくなり、在庫コストの削減に寄与することができる。
次に、本発明の第2の実施形態について図3及び図4を参照して説明する。
この第2の実施形態では、予圧低下時に、押圧駒23を半径方向外方に移動させることにより、予圧を回復させるようにしたものである。
すなわち、第2の実施形態では、一対の対向リング22A,22B及び押圧駒23の形状が第1の実施形態とは変更されていることを除いては第1の実施形態と同様の構成を有し、第1の実施形態との対応部分については同一符号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
第2の実施形態では、対向リング22Aは、図4に示すように、傾斜面22bが収納部18の底面18aに接触する垂直接触面22aの内周縁からナット13B側に行くにしたがい幅広となるように、図3の上部側で見て右上がりの傾斜面とされている。同様に、対向リング22Bは、図4に示すように、傾斜面22eがナット13Bの端面に接触する垂直接触面22dの下端縁からナット13A側に行くにしたがい幅広となるように、図2の上部側で見て左上がりの傾斜面とされている。
また、押圧駒23が、図2に示すように、対向リング22A及び22Bの傾斜面22b及び22eに係合する傾斜面23a及び23bが、図3の上部側で見て山形に形成されて、押圧駒23が台形状に形成されている。
また、ナット13Aの収納部18の外筒部18cの押圧駒23に対向する位置にナット13B側の端面から形成されたスリット部18e内にねじ部24が配置され、ねじ部24の先端側が押圧駒23に形成された雌ねじ部23eに螺合されている。
この第2の実施形態によると、ナット13A及び13Bのナット側螺旋溝17の温度が上昇して、予圧が低下する場合には、ナット13Aの収納部18内に配されているのでは、対向リング22A及び22Bと押圧駒23とでこれらの軸方向長さは前述した第1の実施形態と変わらないので、対向リング22A及び22Bの熱膨張及び間座21の熱膨張によって、予圧低下を補償することができる。
また、異物の侵入によるボール12、ねじ軸側螺旋溝14及びナット側螺旋溝17の少なくとも1つ以上の摩耗量が多くなると、間座21や対向リング22A,22Bの熱膨張係数差による予圧増加分では予圧が不足することになる。この場合には、ねじ部24が右ねじであるものとすると、ねじ部24を外側面側から見て時計方向に回転させることにより、ねじ部24は半径方向に移動しないが、押圧駒23がねじ部24によって半径方向外方に移動する。
これによって、対向リング22Aによってナット13Aがナット13Bとは反対方向に押され、対向リング22Bによってナット13Bがナット13Aとは反対方向に押されることになり、ナット13A及び13B間を広げてボール12の予圧を確実に回復させることができる。このため、ボールねじ10の予圧に比例する剛性を確保することができ、送り系の位置決め精度の低下を補償することができる。
したがって、ボール12、ねじ軸側螺旋溝14、ナット側螺旋溝17の少なくとも1つ以上の摩耗による予圧低下が発生したボールねじ10であっても、ねじ部24を時計方向に回転させることにより、押圧駒23を半径方向中心軸側に移動させて対向リング22A及び22Bを軸方向で互いに反対方向の外側に移動させることにより予圧を回復させて継続使用が可能となる。
この予圧回復動作を行った場合には、新たなボールねじ10を手配し、この新たなボールねじ10が納入されるまでの間は対向リング22A,22B及び押圧駒23による予圧回復により剛性を確保して送り系の位置決め精度を維持したまま送り系の稼働が可能となる。
そして、新たなボールねじ10が納入されたときに、送り系の駆動を停止して、劣化を生じたボールねじ10を新たなボールねじ10に交換する作業を行う。これによって、送り系の機構を更新することができ、送り系の停止時間を短くできるので、生産量のダウンを極力小さくすることができる。
さらに、ボールねじ10の予備ストックを、ボールねじ10を組み込んだ工作機械、射出成形機、半導体製造装置等を使用する製造メーカー側や生産現場で持つ必要がなくなり、在庫コストの削減に寄与することができる。
なお、上記第1及び第2の実施形態においては、ナット13A側に収納部18を形成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ナット13B側に収納部18を形成し、この収納部18内に一対の対向リング22A及び22Bと押圧駒23とを収納して、ねじ部24によって押圧駒23を半径方向に移動させるようにすればよい。
また、上記第1及び第2の実施形態においては、一対の対向リング22A,22B及び押圧駒23を収納部18内に収納する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、間座21の幅をねじ軸11のねじ軸側螺旋溝14のピッチの整数倍に相当する幅だけ広げ、この間座21の外周側に外筒部を形成し、この外筒部と間座21との間を収納部として一対の対向リング22A及び22Bと押圧駒23とを収納し、外筒部にねじ部24を螺合させるか外筒部に形成したスリット部にねじ部24を配置することもできる。
10…ボールねじ、11…ねじ軸、12…ボール、13A,13B…ナット、14…ねじ軸側螺旋溝、16…円筒体、17…ナット側螺旋溝、18…収納部、20…予圧付与機構、21…間座、22A,22B…対向リング、22b,22e…傾斜面、23…押圧駒、24…ねじ部

Claims (4)

  1. ねじ軸と、該ねじ軸に複数の転動体を介して螺合する複数のナットと、隣接するナット間に配置された予圧付与機構とを備え、
    前記予圧付与機構は、前記隣接するナット間に介挿される初期予圧を与える間座と、前記隣接するナットの一方の端面に形成された収納部内に配置され、対向面に半径方向に行くに従い幅が変化する傾斜面を形成した軸方向に移動可能な一対の対向リングと、該一対の対向リングの傾斜面間に係合する断面台形状の複数の押圧駒と、該押圧駒を半径方向に移動させるねじ部とを備え、
    前記隣接するナット間の予圧低下時に、前記ねじ部を操作することにより、押圧駒によって前記一対の対向リングを軸方向外側に移動させて当該隣接するナット間の予圧を回復させる
    ことを特徴とするボールねじの予圧回復装置。
  2. 前記一対の対向リングは、一方のナット側の端面の外周縁から前記隣接するナット間の中央に行くに従い幅広となる傾斜面を有し、前記押圧駒は、前記傾斜面に係合する傾斜面を有し、半径方向外方から内方に向かうに従い幅狭となる断面台形状に形成され、前記ねじ部は前記収納部の半径方向外側の外周壁に形成された雌ねじ部に螺合していることを特徴とする請求項1に記載のボールねじの予圧回復装置。
  3. 前記一対の対向リングは、一方のナット側の端面の内周縁から前記隣接するナット間の中央に行くに従い幅広となる傾斜面を有し、前記押圧駒は、前記傾斜面に係合する傾斜面を有し、半径方向外方から内方に向かうに従い幅広となる断面台形状に形成され、前記ねじ部は前記収納部の半径方向外側の外周壁に形成されたスリット部に挿通され先端が前記押圧駒に形成された雌ねじ部に螺合されていることを特徴とする請求項1に記載のボールねじの予圧回復装置。
  4. 前記一対の対向リング及び押圧駒は、前記一対の対向リングの熱膨張係数に比較して押圧駒の熱膨張係数が小さくなる異なる金属材料で形成されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のボールねじの予圧回復装置。
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