JP6569292B2 - ボールねじ - Google Patents
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Description
このような問題は、オーバーサイズボール予圧により定位置予圧が付与されるボールねじであっても同様である。そのため、これらのボールねじを備える工作機械では、予圧抜けによる剛性不足により加工精度が低下するので、機械を停止せざるを得ない状態になり、新たなボールねじを手配してボールねじの交換作業が必要であった。
そして、本発明の一態様に係るボールねじによれば、その後、使用により転動路やボールが摩耗して予圧が低下した場合でも、その摩耗量に対して、少なくとも一方のナットに設けられた定圧予圧付与機構により、二つのナット相互を離隔させる方向に押圧力を付与して定圧予圧を与えることができるので、定圧予圧により自動的に予圧を付与することができる。
図2に第一ナット20Aの循環回路部分の縦断面を示す。なお、循環回路の構成は、上記二つのナット20A、20Bともに同様なので、第二ナット20Bについては、循環回路の図示および説明を省略する。
各転動路40には、ボール循環通路を有するリターンチューブ50が設けられている。リターンチューブ50は、ナット外周面に形成された平面部に固定金具60で固定されている。これにより、第一ナット20Aに、ボール30を無限循環させる循環回路が構成される。つまり、循環回路は、転動する複数のボール30が、転動路40の一方の端部まで移動した後にリターンチューブ50に掬い上げられ、リターンチューブ50内のボール循環通路を通って反対側の端部に移動し、他方の端部から再び転動路40に戻るようになっている。
詳しくは、本実施形態では、定圧予圧付与機構として、第二ナット20Bには、円筒状部分の肉厚部であって上記循環回路とは干渉しない位置に、貫通孔24と雌ねじ22とが形成されている。
本実施形態のボールねじでは、上記二つのナット20A、20Bにオーバーサイズボール予圧により予圧を与えた後、二つのナット20A、20B相互を、不図示の回り止めキー等の周知の連結部材を用いてナット相互の連結位置を保持する。
その後、各定圧予圧付与機構を組み付ける。つまり、本実施形態では、第二ナット20Bのフランジ25側の端面20fから貫通孔24に沿って円筒コイルばね1を組み込み、次いで、円筒コイルばね1を圧縮しつつ、第二ナット20Bの端面20fの開口部に形成された雌ねじ22に押しねじ2を締め込む。円筒コイルばね1の押圧力を所期の押圧力となるように調整してその押圧状態を押しねじ2で保持する。
すなわち、本実施形態のボールねじによれば、二つのナット20A、20Bは、個々にオーバーサイズボール予圧が付与されているので、使用初期には、オーバーサイズボール予圧により所期の剛性を得ることができる。その後、使用による各転動路40やボール30等の摩耗でオーバーサイズボール予圧による予圧が低下した場合、その摩耗量に応じて、第二ナット20Bに内蔵された円筒コイルばね1により、二つのナット20A、20B相互を離隔させる方向に押圧力が付与されるため、定圧予圧を与えることができる。
このように、本実施形態のボールねじによれば、二つのナット20A、20Bのオーバーサイズボール予圧に加えて、更に、予圧を復活させる定圧予圧付与機構をナット20Bに内蔵しているので、予圧が抜けたボールねじの交換が必要になる時期を延長することができる。これにより、通常であれば予圧抜けで交換を要するべきボールねじを予圧抜けさせることなく継続使用できる。
例えば、上記実施形態では、フランジ25を有する第二ナット20Bに、定圧予圧付与機構を設けた例で説明したが、これに限定されず、例えば図3に他の実施形態を示すように、フランジを有しない第一ナット20A側に、上記実施形態同様に、定圧予圧付与機構として円筒コイルばね1および押しねじ2を設けて予圧復活機能をもたせてもよい。また、いずれか一方のナットに限らず、二つのナット20A、20Bの双方に定圧予圧付与機構を設けて予圧復活機能をもたせてもよい。
2 押しねじ
10 ねじ軸
11 (ねじ軸の)ねじ溝
20A 第一ナット
20B 第二ナット
21 (ナットの)ねじ溝
22 雌ねじ
24 貫通孔
25 フランジ
30 ボール
40 転動路
50 リターンチューブ
60 固定金具
Claims (3)
- ねじ軸と、前記ねじ軸が貫通する二つのナットと、前記二つのナットと前記ねじ軸との間の転動路に介装される複数のボールとを備えるダブルナット方式のボールねじであって、
前記二つのナットは、各転動路の画成空間よりも大径のボールが介装されて個々にオーバーサイズボール予圧が付与されるとともに、
前記二つのナットのうち、少なくとも一方のナットに、前記二つのナット相互を離隔させる方向に押圧力を付与して定圧予圧を与える定圧予圧付与機構を備え、
前記定圧予圧付与機構は、一方のナットに、前記ねじ軸の軸線に沿って貫通形成された貫通孔と、該貫通孔と同軸に他方のナットとは反対側の端面に設けられた雌ねじと、前記貫通孔に内蔵されるばねと、前記ばねを押圧するように前記雌ねじに螺合される押しねじと、を有することを特徴とするボールねじ。 - 前記定圧予圧付与機構は、前記二つのナットのうち、フランジを有するナットに内蔵されている請求項1に記載のボールねじ。
- 前記定圧予圧付与機構は、前記二つのナットのうち、フランジを有しないナットに内蔵されている請求項1に記載のボールねじ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015099869A JP6569292B2 (ja) | 2015-05-15 | 2015-05-15 | ボールねじ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015099869A JP6569292B2 (ja) | 2015-05-15 | 2015-05-15 | ボールねじ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2016217379A JP2016217379A (ja) | 2016-12-22 |
JP6569292B2 true JP6569292B2 (ja) | 2019-09-04 |
Family
ID=57578179
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2015099869A Active JP6569292B2 (ja) | 2015-05-15 | 2015-05-15 | ボールねじ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP6569292B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4729897Y1 (ja) * | 1968-11-05 | 1972-09-07 | ||
JP2804594B2 (ja) * | 1990-04-05 | 1998-09-30 | テイエチケー株式会社 | ボールねじの予圧装置 |
JP3694778B2 (ja) * | 1999-03-15 | 2005-09-14 | オークマ株式会社 | 送りねじ装置 |
-
2015
- 2015-05-15 JP JP2015099869A patent/JP6569292B2/ja active Active
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Publication number | Publication date |
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JP2016217379A (ja) | 2016-12-22 |
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