JP2017008812A - コモンレールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】オートフレッテージ加工時に筒状部の曲りを抑制できるコモンレールの製造方法を提供する。【解決手段】コモンレール1は、内部に燃料の蓄圧室として用いられる空間4が長手方向に形成された筒状部3と、筒状部3の側面において筒状部3の長手方向に沿って形成された、サプライポンプやインジェクタの燃料配管に接続される複数の接続部7とを備える。接続部7の内部には、一端が空間4に連通し、他端が外部に開口する横孔8が形成される。筒状部3の接続部7が形成された側の上側面及びこの反対側の下側面には筒状部3の長手方向にリブ5、6が形成される。コモンレール1の製造方法は、先ず、素材となる丸棒を鍛造することで、リブ5、6が一体成形された未切削ベースを製造する。この未切削ベースに対して必要な箇所に切削を行うことで、オートフレッテージ加工前の未加工ベースを製造する。この未加工ベースに対してオートフレッテージ加工を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の筒内に燃料を噴射するインジェクタに供給する高圧燃料を蓄圧する蓄圧室を有したコモンレールの製造方法に関する。
従来より、ディーゼルエンジン等の内燃機関の筒内に燃料を噴射するインジェクタに供給する高圧燃料を蓄える蓄圧室を有したコモンレールが知られている。このコモンレールは、蓄圧室として機能する空間が内部に形成された筒状部を備えて、その筒状部の側面には、サプライポンプやインジェクタに繋がる燃料配管の一端部が接続されるボス状の接続部が設けられる。接続部は、サプライポンプ及び複数のインジェクタの個数分、筒状部の長手方向に沿って複数設けられる。各接続部の内部には、筒状部の径方向に延びて筒状部の内部に形成された空間に連通する横孔が形成されている。
また、特許文献1には、ジメチルエーテル燃料用コモンレールに関し、本管レール(筒状部)の左右側面及び底面にリブが形成されたコモンレールが開示されている。
特許第3988902号公報
ところで、コモンレールの軽量化を図るためには、コモンレール(特に筒状部)をできるだけ薄肉に形成するのが良い。しかし、単純に薄肉にすると、コモンレールの剛性が減ってしまい、コモンレールの製造時に剛性不足による変形が発生するという課題がある。特に、コモンレールの耐圧疲労強度を向上するため、コモンレールの未加工ベースに対してオートフレッテージ加工が行われる場合があるが、コモンレールの筒状部を薄肉にすると、オートフレッテージ加工時に筒状部が曲がってしまうおそれがある。すなわち、オートフレッテージ加工では、コモンレールの内部を高圧にするので、接続部に形成された各横孔が拡大し、各横孔の拡大が長手方向に累積して、筒状部が全体に曲がってしまうおそれがある。
なお、オートフレッテージ加工とは、密閉状態で高圧にかけて材料組織に残留応力を残して強度を上げる加工方法をいう。すなわち、オートフレッテージ加工では、ワークの内側においては塑性変形させるように、かつ、ワークの外側においては弾性変形させるものの塑性変形させないような高圧力をワークの内部に与えている。これによって、ワークに残留圧縮応力を付与し、ワークの耐圧疲労強度を増強させている。
本発明は上記課題を解決するためになされ、オートフレッテージ加工時に筒状部の曲りを抑制できるコモンレールの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のコモンレールの製造方法は、内部に燃料の蓄圧室として用いられる空間が長手方向に形成された筒状部と、前記筒状部の側面において前記筒状部の長手方向に沿って複数接続されて、それぞれ、前記筒状部の径方向に延びて一端が前記空間に連通し他端が外部に開口する横孔が内部に形成された複数の接続部とを備えたコモンレールの、オートフレッテージ加工を実施する前段階の形状を有した未加工ベースを製造する製造工程と、
前記未加工ベースに対してオートフレッテージ加工を行うオートフレッテージ工程とを備え、
前記製造工程では、前記筒状部の側面において前記筒状部の長手方向に形成されたリブを備えた前記未加工ベースを製造することを特徴とする。
本発明によれば、製造工程において、筒状部の長手方向に形成されたリブを備えたコモンレールの未加工ベースを製造し、その未加工ベースに対してオートフレッテージ加工を行うので、オートフレッテージ加工時に筒状部の曲りを抑制できる。
実施形態に係るコモンレールの側面図である。 実施形態に係るコモンレールの上面図である。 実施形態に係るコモンレールの、接続部及び支持ボスが形成された部分における断面図である。 変形例に係るコモンレールの側面図である。 変形例に係るコモンレールの上面図である。 従来のコモンレールの側面図、上面図及び断面図を示し、上段に、筒状部の肉厚が厚いコモンレールを、下段に筒状部を薄肉化したコモンレールを示した図である。 従来のコモンレールの製造における鍛造時の問題点を説明する図であり、鍛造工程の様子を模式的に示した図である。 従来のコモンレールの製造における切削時の問題点を説明する図であり、切削工程の様子を模式的に示した図である。 従来のコモンレールの切削工程において、支持ボスを有したベースに対して切削を行っている様子を示し、上段はベースを側面から見た図であり、下段はベースの断面図である。 従来のコモンレールの製造におけるオートフレッテージ加工時の問題点を説明する図であり、オートフレッテージ工程の様子として上段にオートフレッテージ加工前のベースを、下段にオートフレッテージ加工時のベースを側面から見た図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1〜図3に示すコモンレール1は、ディーゼルエンジン、直噴ガソリンエンジン等の直噴型の内燃機関の筒内に燃料を噴射するインジェクタに供給する高圧燃料を蓄圧する装置である。コモンレール1は4気筒の内燃機関用のコモンレールである。なお、図1では、コモンレール1の一部を、内部を透視する形で示している。先ず、コモンレール1の構成について説明する。コモンレール1は、一方向に直線状に延びた筒状部3と、その筒状部3の側面から突出する形で設けられた複数の接続部7とを有する。
筒状部3は、筒状部3の中心軸線に直交する平面で切ったときの断面視(図3の断面視)で外周及び内周が円状となる形状、すなわち円筒形状に形成されている。筒状部3の内部には、燃料の蓄圧室として用いられる空間4が筒状部3の長手方向に形成されている。本実施形態では、空間4の中心軸線が筒状部3の中心軸線と一致しているが、一致していなくても良い。また、筒状部3の両端部3a、3bには、筒状部3の長手方向に向く形の開口が形成されており、空間4は各開口に繋がっている。筒状部3の肉厚(空間4の壁面と、筒状部3の外面の間の厚さ)は、空間4に蓄圧される燃料による作用応力や、オートフレッテージ加工時における加工圧の印加によっても破壊しない所定強度を満たす厚さに設定される。
筒状部3の一端部3aには、その一端部3aに形成された開口を閉塞するように、コモンレール圧を調整するための減圧弁(図示外)が装着される。また、筒状部3の他端部3bには、他端部3bに形成された開口を閉塞するように圧力センサ(図示外)が装着される。減圧弁は、圧力センサの検出値に基づいて制御部(図示外)により開閉が制御される。そして、減圧弁が開弁すると、空間4に蓄積された燃料がコモンレール1の外部に放出されることで、コモンレール圧(空間4の燃料圧)が減少する。なお、減圧弁から放出された燃料は燃料タンクに戻る。
接続部7は、円筒形状を有し、筒状部3の側面において、接続部7の中心軸線が筒状部3の中心軸線に直交するように形成されている。本実施形態では、接続部7は、筒状部3の円周方向において互いに同じ側に6個形成されている。以下、筒状部3の側面のうち、接続部7a〜7fが形成された側の面3cを上側面(本発明の接続側側面に相当)といい、その上側面3cの反対側に位置する側面3dを下側面(本発明の反対側側面に相当)という。また、各接続部7a〜7fは、筒状部3の長手方向に間隔をあけて並ぶように形成されている。
各接続部7a〜7fの外周面には、雄ねじ形状が形成されており、その雄ねじ形状に燃料配管の一端部に形成された袋ナットの雌ねじ形状が嵌合することで、各接続部7a〜7fに燃料配管が接続される。詳しくは、筒状部3の一端部3aの側(減圧弁が設けられる側)に形成された接続部7aには、減圧弁により空間4(蓄圧室)から逃がされた燃料を通すための燃料配管(燃料タンクにリターンさせるための燃料配管)が接続される。
接続部7b〜7fのうちの4つには、コモンレール1とインジェクタとを接続する燃料配管の一端部が接続され、残りの1つには、コモンレール1とサプライポンプとを接続する燃料配管の一端部が接続される。このように、接続部7b〜7fは、サプライポンプから供給される高圧燃料を空間4に流入する流入ポート及び空間4に蓄圧された燃料をインジェクタに供給するために空間4から流出させる流出ポートとして機能する。
各接続部7b〜7fの内部には、接続部7b〜7fの軸方向(筒状部3の径方向)に延びて、一端が筒状部3の壁部を貫通して空間4に連通し、他端が外部に開口する横孔8が形成されている。この横孔8は、空間4に対する燃料の流入又は流出用の孔である。各横孔8は、空間4に直角に設けられている。各横孔8の一端側(空間4の側)には、流路径が絞られたオリフィス9(絞り)が形成されており、そのオリフィス9が空間4に繋がっている。オリフィス9を設けることで、インジェクタの燃料配管を介して横孔8に伝播される圧力脈動をオリフィス9で減衰させることができる。この結果、圧力脈動による燃料噴射への悪影響を抑えることができる。
横孔8の他端側(オリフィス9が形成された側と反対側、すなわち接続部7の先端側)には、燃料配管の一端部が着座するテーパー状の着座面10が形成されている。その着座面10が外部に開口している。
なお、減圧弁の側に設けられる接続部7aも、内部に、接続部7aの軸方向(筒状部3の径方向)に延びた横孔が形成されている。ただし、この横孔は、蓄圧室4には直接連通しておらず、一端部3aに形成された、減圧弁の一部が嵌め込まれる凹部に連通している。
コモンレール1は、筒状部3の下側面に筒状部3と一体的に形成された支持ボス11を有する。この支持ボス11は、横孔8や接続部7の外周面の雄ねじ形状を切削により形成する際に、筒状部3の曲り(撓み)及びこの曲りによるスプリングバックを抑制するために筒状部3の下側面を支持する部分である。支持ボス11の裏面(筒状部3に接続される側と反対側の面)は、切削用の治具(支持台)に載せられるよう平面状に形成される。本実施形態では、支持ボス11は、筒状部3の長手方向に沿って2箇所に形成されているが、何箇所に形成されたとしても良い。支持ボス11は、接続部7の軸線上(接続部7の下)に形成されている。これにより、切削により横孔8を形成する際に、切削荷重がかかる方向(筒状部3に直角な方向)の筒状部3の曲りを効果的に抑制できる。
コモンレール1は、筒状部3の上側面3cと下側面3dの両方に形成されたリブ5、6を有する。各リブ5、6は、上側面3c又は下側面3dから筒状部3の径方向に突出する形で、筒状部3に一体的に形成されている。上側面3cに形成された上リブ5は、図1、図2に示すように、接続部7b〜7fの両サイド(長手方向に向いた接続部7b〜7fの両側面)に接続される形で複数形成されている。各上リブ5は、筒状部3の長手方向に延びる形で形成されている。また、各上リブ5は、図1に示すように、側面視で略三角形状に形成されている。すなわち、上リブ5は、上側面3cに接続される第1辺部5aと、接続部7b〜7fの側面に接続される第2辺部5bと、接続部7b〜7fの側面から離れるにしたがった次第に高さが低くなっていく斜めの表面5cとを有する。また、上リブ5は、上面視で、筒状部3の長手方向に真っ直ぐ(直線状)に形成されている(図2参照)。隣り合う2つの接続部7間に形成された隣り合う2つの上リブ5は、隣り合う2つの接続部7の中間位置で互いに繋がっていても良いし、その中間位置より手前で各上リブ5が終了することで、隣り合う2つの上リブ5が分離していても良い。
他方、下側面3dに形成された下リブ6は、支持ボス11が形成された箇所を除いて、5つの接続部7b〜7fの反対側の下側面の全範囲をカバーするように形成されている。下リブ6は、筒状部3の長手方向に延びる形で形成されており、支持ボス11が形成された部分で途切れて、その途切れた部分以外は連続的に形成されている。また、下リブ6は、図1の側面視で、長手方向におけるどの位置でも高さが一定となるストレート形状に形成されている。また、下リブ6は、筒状部3の長手方向に真っ直ぐ(直線状)に形成されている。なお、下リブ6は、支持ボス11に繋がっていても良いし、支持ボス11から分離されたとしても良い。
コモンレール1は、所望の強度が得られるのであれば、どのような材質で形成されたとしても良いが、コモンレール1の軽量化を図るためにはできるだけ薄肉に形成されるのが好ましく、薄肉にするためには、できるだけ高強度の材質で形成されるのが好ましい。具体的には、コモンレール1の材質として、フェライト−パーライト型の非調質鋼よりも高強度な材質(降伏点や疲労強度が高い材質)、例えばベイナイト型の非調質鋼、又は時効硬化処理を施したベイナイト型の非調質鋼、又はベイナイト型の非調質鋼と同程度かそれよりも高強度の材質を用いることができる。
なお、非調質鋼とは、鍛造等の加工後に、焼き入れや焼き戻しといった調質熱処理が不要な鋼材をいう。また、ベイナイトとは、炭素鋼をオーステナイト状態から冷却して、パーライト変態が生じる温度領域とマルテンサイト変態が開始する温度の中間の温度領域に恒温保持したときに生じる組織をいう。また、時効硬化処理とは時効硬化を起こす熱処理をいう。時効硬化とは、焼き入れや焼き戻しによる硬化とは異なる現象であって、高い温度で長時間保っておくと、安定な状態に移行しようとして材料の硬さが増す現象をいう。
次に、コモンレール1の製造方法を説明する。先ず、コモンレール1の素材となる丸棒を準備する。この丸棒の材質は、軽量化のためには高強度な材質(例えばベイナイト型の非調質鋼)が好ましいが、切削可能な程度の硬さ(柔らかさ)を有するものとする。
次に、丸棒を鍛造用の型にセットして、コモンレール1(厳密には、オートフレッテージ加工を実施する前段階の形状を有した未加工ベース)の、切削を実施する前段階の形状を有した未切削ベースを熱間鍛造により形成する(未切削ベース製造工程)。この未切削ベースは、コモンレール1のうち、切削により形成される部分(具体的には、横孔8及び接続部7の外周面に形成する雄ねじ形状等)を有しない形状に形成される。すなわち、未切削ベースには、上リブ5、下リブ6、支持ボス11が含まれる。なお、空間4は、熱間鍛造により形成しても良いし、この後の切削により形成しても良い。また、この未切削ベース工程(鍛造工程)では、支持ボス11が形成される箇所も下リブ6の形状に形成し、次の切削工程で、下リブ6の一部を平面状に切削することで、支持ボス11を形成してもよい。
次に、未切削ベースを切削用の治具にセットして、コモンレール1の形状(厳密には、オートフレッテージ加工を実施する前段階の形状を有した未加工ベース)となるように未切削ベースの必要な箇所を切削する(切削工程)。このとき、切削により、横孔8及び接続部7の雄ねじ形状を形成する。また、切削の際には、未切削ベースに形成された支持ボス11を治具で支持する。
次に、切削後の未加工ベースに対して表面処理を行った後、オートフレッテージ加工を行う(オートフレッテージ工程)。具体的には、空間4を密閉状態にするために、各横孔8及び筒状部3の端部3bを封止し、筒状部3の端部3a側から空間4内に圧力印加媒体(作動油)を導入して、導入した圧力印加媒体を加圧する。このとき、圧力印加媒体の圧力は、筒状部3の内部においては塑性変形させ、筒状部3の外側においては弾性変形させる圧力(例えば700MPa〜1000MPa程度)に設定される。これによって、筒状部3の内部に残留圧縮応力を付与でき、筒状部3の耐圧疲労強度を増強できる。
なお、コモンレール1の材質にベイナイト型非調質鋼などの高強度材を用いる場合、切削工程の後、オートフレッテージ工程の前に、時効硬化処理を行っても良い。これによって、切削を可能としつつ、硬度を増強できる。ベイナイト型非調質鋼に対して時効硬化処理を行った場合、コモンレール1の材質は、時効硬化型かつベイナイト型の非調質鋼となる。
以上の各工程を経て、コモンレール1が完成する。
以下、リブ5、6が無い従来のコモンレールにおける問題点を説明しつつ、本実施形態の効果を説明する。ここで、図6は、筒状部にリブが形成されていない従来のコモンレールを示し、上段に、筒状部3の肉厚が厚いコモンレールの側面図、上面図、断面図を示し、下段に、筒状部3を薄肉化したコモンレールの側面図、上面図、断面図を示している。なお、図6及び以下に説明する図7〜図10では、図1〜図3の構成と同様の部分には同一符号を付している。図6に示すように、従来のコモンレールでは、軽量化を図るために、筒状部3の外径を細くして、筒状部3を薄肉にすることが考えられる。しかし、筒状部3を薄肉にすると、コモンレールの製造時に曲りが発生するおそれがある。
具体的には、図7に示すように、コモンレールの素材となる丸棒100を、上型111及び下型112から構成される鍛造用の型110にセットして、コモンレールの未切削ベース101を鍛造により形成した場合、未切削ベース101にリブが形成されていないとすると、未切削ベース101を型110から外すときや、バリのトリミングのときに、未切削ベース101の曲りが発生しやすい。未切削ベース101が曲がった場合には、その曲りを解消する矯正が必要となる。
これに対して、本実施形態では、長手方向に延びたリブ5、6を有した未切削ベースを鍛造により形成するので、鍛造時における筒状部の曲りを抑制できる。
また、図8に示すように、未切削ベース101にリブが形成されていないとすると、未切削ベース101の接続部102に横孔を切削により形成する時に、未切削ベース101の筒状部103に対して、筒状部103に直角方向の切削スラスト荷重がかかる。そして、この切削スラスト荷重により筒状部103が曲がり、この曲がった状態で切削が行われる。その後、切削が終了すると、筒状部103が曲げを解消するようスプリングバックし、このスプリングバックにより、接続部102の先端の高さが、複数の接続部102間でずれてしまう。また、スプリングバックを防ぐために、図9に示すように、未切削ベース101に支持ボス104を形成して、この支持ボス104を治具で支持したとしても、下に支持ボス104が無い接続部102に対して切削を行う時には、少なからず筒状部3の曲りが発生する。
これに対して、本実施形態では、長手方向に延びたリブ5、6を有した未切削ベースに対して切削を行うので、切削時における筒状部の曲り及びスプリングバックを抑制できる。
また、図10に示すように、オートフレッテージ加工の対象となる未加工ベース120にリブが形成されていないとすると、オートフレッテージ加工で空間4に加わる圧力(AF圧)によって、各横孔8(特に空間4に連通するオリフィス9)が拡大し、各横孔8の拡大が長手方向に累積して、筒状部3が全体に曲がってしまうおそれがある。また、筒状部3が曲がることで、AF圧が洩れやすくなり、オートフレッテージ加工(筒状部3の内部に付与する残留圧縮応力)が不十分になってしまうおそれがある。
これに対して、本実施形態では、長手方向に延びたリブ5、6を有した未加工ベースに対してオートフレッテージ加工を行うので、オートフレッテージ加工時における筒状部の曲りを抑制できる。
以上説明したように、本実施形態によれば、筒状部の長手方向に延びたリブを有したコモンレールの未切削ベースを鍛造により形成し、この未切削ベースに対して切削を行い、切削後の未加工ベースに対してオートフレッテージ加工を行うので、筒状部を薄肉化したとしても、鍛造時、切削時、及びオートフレッテージ加工時の筒状部の曲りを抑制できる。つまり、コモンレールの製造時における筒状部の剛性を確保できる。また、製造時における曲りを抑制できることで、筒状部を薄肉化しやくなり、コモンレールの体格を小さくでき、軽量化を図ることができる。また、コモンレールを、ベイナイト型の非調質鋼、又は時効硬化処理を施したベイナイト型の非調質鋼などの高強度材で形成することで、より一層、筒状部を薄肉にすることができ、結果、より一層コモンレールの軽量化を図ることができる。また、筒状部を薄肉にしやすくできることで、オートフレッテージ加工において、筒状部に残留圧縮応力を付与しやすくできる。また、リブをつけることで、鍛造工程、切削工程において正確な箇所を鍛造加工、切削加工をすることができ、部分間で肉厚のバランスずれ(偏肉)を抑制できる。また、鍛造時にリブをつけることで、リブの周囲をなだらかにでき、鍛造の型からベースを剥がし易くできる(離型性を確保できる)。
リブは、接続部が形成された筒状部の上側面に形成されるので、オートフレッテージ加工時に横孔を起因とした筒状部の曲りを効果的に抑制できる。さらに、上側面と反対側の下側面にもリブが形成されるので、オートフレッテージ加工時における筒状部の曲りをより一層抑制できる。また、筒状部にリブを設けることで、コモンレールの製造時だけでなく、使用時における耐圧強度を確保しやすくできる。また、筒状部の上側面に形成された上リブは、オートフレッテージ加工時に曲がりやすい接続部の部分が最も高く、接続部から離れるにしたがって次第に低くなる側面視三角形状に形成されるので、オートフレッテージ加工時における筒状部の曲りを効果的に抑制しつつ、上リブの重量(筒状部の重量)を抑えることができる。また、リブを三角形状とすることで、接続部の根本周囲をなだらかにでき、鍛造しやすくなる(可鍛性を確保できる)。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載を逸脱しない限度で種々の変更が可能である。例えば上記実施形態では、上リブは側面視で三角形状としていたが、例えば図4、図5に示すように、三角形状以外の形状であっても良い。なお、図4、図5において、図1〜図3と同様の部分には同じ符号を付している。図4、図5のコモンレール2は、上リブ12が図1〜図3の上リブ5と異なり、それ以外は図1〜図3のコモンレール1と同じである。
図4、図5に示す上リブ12は、下リブ6と同様に、長手方向におけるどの位置でも高さが一定となるストレート形状に形成されている。上リブ12は、接続部7間を繋ぐように長手方向に形成される。これによっても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態では、筒状部は断面円状の円筒状としていたが、他の形状(例えば、断面四角形状の筒状)であっても良い。
また、上記実施形態では、複数の接続部が筒状部の円周方向において互いに同じ側に形成された例を説明したが、一部の接続部が他の接続部と別側の側面に形成されたとしても良い。この場合であっても、接続部が形成された側の側面(この場合は複数存在する)及びこの反対側の側面にリブを形成するのが好ましい。
また、上記実施形態では、筒状部の上側面と下側面の両方にリブを形成した例を説明したが、必要な剛性を確保できるのであれば、どちらか一方のみにリブを形成しても良い。この場合、例えば横孔が存在する上側面のみにリブを形成することで、オートフレッテージ加工における筒状部の曲りを効果的に抑制できるとともに、コモンレールの軽量化をより一層図ることができる。
また、上記実施形態では、鍛造により、リブを有した未切削ベースを形成した例を説明したが、引抜加工や鋳造により未切削ベースを形成しても良い。これによっても、リブが一体成形された未切削ベースを得ることができるので、未切削ベースの形成時(引抜加工、鋳造時)に、筒状部が曲がってしまうのを抑制できる。
また、鍛造、引抜加工、鋳造等で、リブを有しない未切削ベースを形成し、その後、この未切削ベースに、別工程で形成されたリブを溶接等で後付けしても良い。また、リブを有しない未切削ベースを形成して、この未切削ベースを切削することでリブを形成しても良い。これらによっても、リブを有した未加工ベースが得られ、この未加工ベースに対してオートフレッテージ加工を行うことで、オートフレッテージ加工時における筒状部の曲りを抑制できる。
また、上記実施形態では、筒状部の上側面と下側面の2箇所にリブを形成した例を説明したが、筒状部の円周方向におけるさらに多くの箇所にリブを形成しても良い。これによって、より一層、コモンレールの剛性を向上でき、製造時における筒状部の曲りをより一層抑制できる。
1、2 コモンレール
3 筒状部
3c 筒状部の上側面(接続側側面)
3d 筒状部の下側面(反対側側面)
4 空間(蓄圧室)
5 上リブ
6 下リブ
7 接続部
8 横孔

Claims (5)

  1. 内部に燃料の蓄圧室として用いられる空間(4)が長手方向に形成された筒状部(3)と、前記筒状部の側面において前記筒状部の長手方向に沿って複数接続されて、それぞれ、前記筒状部の径方向に延びて一端が前記空間に連通し他端が外部に開口する横孔(8)が内部に形成された複数の接続部(7)とを備えたコモンレール(1、2)の、オートフレッテージ加工を実施する前段階の形状を有した未加工ベースを製造する製造工程と、
    前記未加工ベースに対してオートフレッテージ加工を行うオートフレッテージ工程とを備え、
    前記製造工程では、前記筒状部の側面(3c、3d)において前記筒状部の長手方向に形成されたリブ(5、6)を備えた前記未加工ベースを製造することを特徴とするコモンレールの製造方法。
  2. 前記リブは、前記接続部が設けられた側の前記筒状部の側面である接続側側面(3c)と前記接続側側面の反対側に位置する前記筒状部の側面である反対側側面(3d)の少なくとも一方に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のコモンレールの製造方法。
  3. 前記リブは前記接続側側面に形成されたことを特徴とする請求項2に記載のコモンレールの製造方法。
  4. 前記リブは前記接続側側面と前記反対側側面の両方に形成されたことを特徴とする請求項2に記載のコモンレールの製造方法。
  5. 前記製造工程は、
    素材を準備して、その素材を用いて、前記未加工ベースの切削を実施する前段階の形状を有した、前記リブが一体成形された未切削ベースを製造する未切削ベース製造工程と、
    前記未加工ベースの形状となるように前記未切削ベースに対して少なくとも前記横孔の切削を行う切削工程とを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のコモンレールの製造方法。
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