JP5011320B2 - 燃料噴射弁のノズルボディの成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射弁に使用するノズルボディの成形方法に関するものであり、特に電磁駆動部を有する電磁駆動式の燃料噴射弁に好適なノズルボディに関する。
燃料噴射弁には、燃料導入口から燃料噴射口までの寸法が長いロングノズルタイプとよばれるものがある。このロングノズルタイプの燃料噴射弁は、ノズルボディを細長く形成することにより、ノズルボディの先端に備えた燃料噴射口と比較的大きなスペースを要する電磁駆動部との位置を離している。内燃機関の燃焼室に燃料を直接噴射する場合には、吸排気弁機構・点火プラグ・冷却水通路等を避けて設置する必要上、ノズルボディを細長くすることにより取付けスペースが小さくて済み、非常に有利である。
ノズルボディの製造方法としては、薄肉スリーブを素材とする方法や深絞り加工による成形方法が提案されている。
特表2003−504558号公報では、管状の薄肉スリーブを使用、または深絞りを行って薄肉スリーブを製作している。そして薄肉成形された剛性の低いノズルボディの剛性を確保するために、ノズルボディに長手方向に延びる凹形状部を形成することを提案している。
一方、燃料噴射弁の構造には、特開2007−218205号公報に記載されているように、ノズルボディの大径部内に磁気回路の固定子と可動子を収納するタイプのものがある。このタイプは、固定子と可動子の対向面外周に位置する非磁性部品を必要としないので、部品点数削減や組立性向上が図られており生産性が高い。その反面、固定子と可動子との間に流れる磁束がノズルボディへ漏洩し難くするために、ノズルボディ外周には溝が周上に刻設され薄肉になるので、ノズルボディの素材には強度が必要とされる。
特表2003−504558号公報 特開2007−218205号公報
一般的に、ノズルボディの製造方法としては、棒材からの切削加工やコイル材を鍛造により略形状とし、その後切削にて仕上げる加工方法が考えられる。しかし、ロングノズルタイプのノズルボディの加工では以下の問題がある。
棒材からの切削加工について説明すれば、ロングノズルタイプのノズルボディは燃料通路となる内径は細長穴加工を要する。また、その材料は燃料に対する耐触性が必要なためステンレス鋼であり切削性が悪い。よって加工時間が長い上材料歩留まりが悪くコスト高となる。
鍛造による加工方法について説明すれば、ロングノズルタイプのノズルボディについて、内径d,全長Lとした場合、そのL/d<5程度であれば、その加工率によっては押出し加工を数回に分割することで成形は可能であるが、量産性を考慮すると難しい。燃料噴射弁に用いられる金属材は耐食性が要求されるためにステンレス鋼が使われるが、ステンレス鋼の成形は金型に掛かる面圧が高く金型寿命が短い。また、ステンレス鋼は焼付きが発生しやすい。細深穴成形で成形パンチ自体が細長いので、成形パンチに曲がりが発生し、座屈や焼付きが起こる。つまり、金型寿命の面で量産困難である。
よって、ロングノズルタイプのノズルボディの鍛造素材化ができないためにコスト高な棒材からの切削加工に頼ることになっていた。
一方で、燃料噴射弁として、ロングノズルタイプのノズルボディは、細長い形状であるため内燃機関への取付けの際、捩れや曲がりを起こさないように、剛性が必要である。特許文献1に示されるノズルボディは、この剛性を向上させる形状を提案しているが、大径部と小径部を連結する部分については考慮されてない。また、成形方法については述べられていない。
また、燃料噴射弁として、ロングノズルタイプのノズルボディの大径部内部に磁気回路の固定子と可動子を収納するタイプに使用する場合は、固定子と可動子との間に流れる磁束がノズルボディへ漏洩し難くするために、ノズルボディ外周には溝が周上に刻設され薄肉になるので、ノズルボディの素材には強度が必要とされる。
高い強度を得る方法としては、素材として高強度材を使用する方法があるが、さらに切削性が悪化し、生産性が低くなりコスト高となる。焼入れして強度向上を図る方法では、焼入れによる変形が伴うので、変形を修正する仕上げ切削工程が追加されコスト高になる。冷間鍛造等の塑性加工により加工硬化を図る方法であれば、略形状の素材を成形することにより、材料費・切削加工費を低減したうえで強度向上が図れるが、従来技術では、前述したように量産困難であった。
本発明は、ロングノズルタイプの燃料噴射弁において、高強度・高剛性・低コストなノズルボディを提供すること、その方法として冷間鍛造による成形方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、燃料噴射弁のノズルボディとなる、大径円筒部,中間径円筒部及び小径円筒部がそれぞれ軸方向に3段に形成されたノズルボディの成形方法において、ノズルボディの大径円筒部を後方押出しで成形し、ノズルボディの中間径円筒部を前方押出しで成形し、中間ブランクを得る第1の成形工程と、ノズルボディの小径円筒部を、前記中間ブランクの中間円筒部の外周をしごき加工し内径を縮小させて成形する第2の成形工程とを行ってノズルボディを加工する。
本発明によれば、後方押出しと前方押出しとを1工程で行うことができ、高強度・高剛性・低コストなノズルボディ素材を成形することができる。
燃料噴射弁の全体構成を示す縦断面図である。 ノズルボディ素材の縦断面図である。 ノズルボディ素材の成形工程図である。 第1の成形工程の金型構造と成形過程を示す縦断面図である。 中間ブランクの縦断面図と後方押出し部・前方押出し部・押残り部の横断面を表す図である。 第2の成形工程の金型構造と成形過程を示す縦断面図である。
本発明では、ノズルボディにおいて、その素材は、外周と内周が夫々軸方向に3段に形成され、一方の端部の外径と内径が最大径である大径円筒部、他方の端部の外径と内径が最小径である小径円筒部、その中間に位置する外径と内径が中間の大きさの径である中間径円筒部,大径円筒部と中間径円筒部を連結する大径連結部,小径円筒部と中間径円筒部を連結する小径連結部を有する形状とし、
外周がノズルボディ素材の大径円筒部外周と略同形状、内周がノズルボディ素材の中間径円筒部内周と略同形状の中空ブランクを、内周がノズルボディ素材の大径円筒部・大径連結部・中間径円筒部の外周と略同形状のキャビティを有するダイで保持し、ノズルボディ素材の大径円筒部・大径連結部・中間径円筒部の内周と略同形状の外周を有するピンにて押圧することで後方に押出し、ダイとピンの円周状の隙間に配設したリング状パンチにて、押出された端面を更に押圧してノズルボディ素材の中間径円筒部を前方に押出し、その前方押出しの押残り部を大径連結部とし中間ブランクを得る第1の成形工程と、
ノズルボディ素材の小径連結部・小径円筒部の外周と略同形状の内周を有するダイで、中間ブランクの大径円筒部端面または大径連結部内周端面を押圧し、中間ブランクの前方押出し部の外周をしごき加工することで内径を縮小させる第2の成形工程とを有することとした。
以下、本発明を実施例に基づき説明する。
図1は、本発明による成形方法にて冷間鍛造したノズルボディ素材を仕上げ切削加工し燃料噴射弁に使用した例であり、その燃料噴射弁断面図である。
この燃料噴射弁1は、燃料導入口2から燃料噴射口30までの寸法が長いロングノズルタイプとよばれるものである。
これは、比較的大きなスペースを要する電磁駆動部40と燃料噴射口30の位置を離し、燃料噴射口30を先端に備えたノズルボディ50を細長く形成したものである。内燃機関の燃焼室に燃料を直接噴射する場合は、吸排気弁機構・点火プラグ・冷却水通路等を避けて設置する必要上、ノズルボディ50が細長いことが取付けスペースにおいて非常に有利である。
その反面、ロングノズルタイプのノズルボディ50は、細長い形状であるため内燃機関へ取付けの際、捩れや曲がりを起こしやすく、剛性を考慮する必要がある。
燃料噴射弁1の主要部品について簡単に説明すると、可動コア7と鍔92で係合され先端に弁体91を備えた可動子9,燃料噴射口30と可動子9の往復動をガイドする2ケのガイドプレート31・33を収納するノズルボディ50,電磁駆動部40で磁気回路を構成するハウジング42,燃料導入口2を併せ持つ固定コア43、及び電磁コイル41,固定コア43の燃料通路48に位置し、可動子9と可動コア7を押戻す戻しばね44と戻しばね44を固定する調整子45等が構成部品となる。
ノズルボディ50は直径が小さい小径筒状部51と直径が大きい大径筒状部52とを備え、両者間は厚肉の連結部53により繋がっている。
小径筒状部51の内周は2段になっており、内径が小さい小径円筒部内周152bと内径が大きい中間円筒部内周153bにより形成される。
ノズルボディ50の小径筒状部51の外周には溝56が形成される。この溝56に樹脂材製のチップシールあるいは金属の周りにゴムが焼付けられたガスケットで代表されるシール部材56Aを嵌め込むためである。
ノズルボディ50の小径円筒部内周152bが必要とされる理由は、外周に形成されるシール部材56A用の溝56の最小外径と小径円筒部内周152bの肉厚を確保し、ノズルボディ50の剛性を確保することにある。
中間円筒部内周153bを廃止して、全て小径円筒部内周152bとすることもできるが、より細深穴となることで、切削加工であれば工具が細長くなるので、工具剛性が無くなり切削時間増加してしまう。特に、板金プレス加工・鍛造加工においても金型が細長くなり剛性が無くなり、耐圧不足による座屈・耐引張応力不足による破断などが起こり金型寿命が短く量産が困難となる。
要するに、小径筒状部51の小径円筒部内周152bと中間円筒部内周153bの径差は燃料噴射弁1の剛性と量産性を両立するために設けられたものである。
ノズルボディ50の大径筒状部52には可動子9をガイドする第2のガイドプレート33が大径筒状部52と連結部53の境界に圧入固定されている。
この第2のガイドプレート33は可動子9をガイドするガイド孔33aを中央に、その周囲に複数の燃料流路孔33bとを併せ持つ。
さらに、中央の上面には凹部33Cが形成されている。この凹部33Cと可動コア7の間にはばね34が保持され可動コア7の動きを抑制する。
第2のガイドプレート33の片端面外周33dは、軸方向に突き当てて固定されており、圧入位置精度が高く、組立が簡単である。
ノズルボディ50の連結部53の肉厚が厚く剛性があるために切削加工時のチャック圧による変形を防止できる。
仮に、このノズルボディを深絞り品で代用しようとすれば(同形状のものは深絞りできないが)、深絞り時のスプリングバックや板材の異方性等により、精度は低いものとなる。
また、切削加工を行い内径を仕上げても、多少の精度改善がきるが、ノズルボディの剛性が低く切削加工時のチャック圧による変形が大きく精度は低い。
それに加えて、第2ガイドプレート33の端面を突き当てる形状にノズルボディ大径筒状部の内周下端部を切削加工しようとすれば、更に肉厚は薄くなり剛性確保が困難になる。
仮にノズルボディの剛性が足りない場合、第2のガイドプレート33の位置精度が悪化したり、内燃機関への取付時の捩れや曲がりが発生するが、この場合は可動子9に摺動抵抗が増加し往復動が正常に行われないので、精確な燃料噴射が行えないことになる。
以上説明したように、本発明のノズルボディ50は剛性が確保されており、ガイド部材が精確に組めて、内燃機関へ取付ける際も捩れや曲がりの発生が少なく、細長い形状の可動子9であっても摺動抵抗の少ないまっすぐな往復動が可能となり、精確な燃料噴射が行える。
次に、電磁駆動部40について説明する。
可動コア7は中央に凹形状と貫通孔を有し可動子9の鍔92とで係合された状態で、ノズルボディ50の大径筒状部52の内周に隙間をもって収納される。
固定コア43は中央に燃料通路48が貫通、外周には磁気回路を構成する鍔47が形成されている。固定コア43の鍔47には、電磁コイル41の端子49が引出せるように端子孔47aが備えられている。
固定コア43は固定子46がノズルボディ50の大径筒状部52内周に圧入され、ノズルボディ50の大径筒状部52端面と鍔47とを突き当てて固定され、その後大径筒状部52外周に刻設された溶接溝57から固定子46へ向い溶接され、燃料漏れを起こさぬように密閉されている。
電磁コイル41はノズルボディ50の大径筒状部52外周、及び端子49を固定コア43の鍔47に設けられた端子孔47aと嵌合される。
ハウジング42は、底面中央に孔を有したカップ形状であり、固定コア43の鍔47の外周に嵌合し、ノズルボディ50の大径筒状部52外周と圧入にて固定された後、溶接にて固定される。
可動子9の鍔部92上方の燃料通路48には、戻しばね44と、燃料通路48に圧入にて固定される調整子45とが配設される。
電磁コイル41の消勢時、可動子9は、戻しばね44の押付け力により可動子9先端の弁体91をオリフィスプレート32に押付けることで、固定される。
電磁コイル41の負勢時、固定コア43の固定子46と鍔47,ハウジング42,ノズルボディ50の大径筒状部52,可動コア7に磁束が発生、可動コア7が固定子46に吸引されて係合する可動子9を持ち上げることにより、可動子9先端の弁体91がオリフィスプレートと離間して、燃料噴射が行われる。
このような構成の燃料噴射弁の場合、固定子46と可動コア7との間に流れる磁束がノズルボディ50の大径筒状部52へ漏洩し難くするために、ノズルボディ50の大径筒状部52外周には磁気絞り溝56が周上に刻設される。
そうすると、ノズルボディ50の磁気絞り溝56の肉厚は薄くなるため、ノズルボディ50の素材には、燃料噴射に要する圧力に耐えられるような強度が必要とされる。
実施例で示すノズルボディ50は冷間鍛造にて成形された図2形状のノズルボディ素材150を切削加工したものである。切削加工後は、焼入れ等の強度向上させる処理は行わず、洗浄工程等を経て燃料噴射弁1へ組み込まれる。冷間鍛造にて成形されたことで、加工硬化が図られていて強度が高い。しかも、焼入れ処理を必要としないので生産性も高い。
強度面について具体的に説明する。
材料は、マルテンサイト系ステンレス鋼のうち冷間鍛造に有利な材料硬度が低いものを選定した。硬度でいえば、焼なまし状態でマイクロビッカースHv190(引張り強さ換算近似値600MPa)前後のものである。その材料を用いた成形品であるノズルボディ素材150のノズルボディ50の磁気絞り溝56に相当する部分の硬度はHv295(引張強さ換算近似値900MPa)前後が得られ、燃料噴射に要する圧力に耐えられる強度が確保されていることを確認した。
以上説明したように、本発明のノズルボディ50は冷間鍛造にて成形されたことで強度が確保され、しかも焼入れ処理を必要としないので生産性が高く低コストなものとなる。
次に、ノズルボディ素材150の成形方法について説明する。
図2は本発明による成形方法にて冷間鍛造したノズルボディ素材150の縦断面図である。
ノズルボディ素材150の形状を説明すると、外周と内周が夫々軸方向に3段に形成されており、端部の外径と内径が最大径である大径円筒部151、もう一方の端部の外径と内径が最小径である小径円筒部152、その中間に位置する外径と内径が中間の大きさの径である中間径円筒部153,大径円筒部151と中間径円筒部153をテーパ状に連結する大径連結部154,小径円筒部152と中間径円筒部153をテーパ状に連結する小径連結部155からなるノズルボディ素材150とした。
図3にノズルボディ素材150の成形工程を示す。
中空ブランク130を後方・前方に押出成形し中間ブランク140とする第1成形工程、中間ブランク140の中間径円筒部外周153aの外周をしごき加工してノズルボディ素材150を得る第2成形工程である。
中空ブランク130の外周130aはノズルボディ素材150の大径円筒部外周151aと略同形状であり、内周130bはノズルボディ素材150の中間径円筒部内周153bと略同形状であり、全長130Lを調整してノズルボディ素材150と同体積としてある。焼鈍処理を行い素材硬度を低下させてある。また、次工程にて金型との焼付きを防止するため、表面には潤滑処理を施してある。
中空ブランク130は棒材から切削加工により製作しても良いが、生産数量によっては、冷間鍛造により成形するとより低コストにできる。
図4に第1成形工程の金型構造と成形過程を示す。
図4(A)は成形直前の状態を示す。
ノズルボディ素材150の大径円筒部外周151aと略同形状の第1キャビティ201と、大径連結部外周154aと略同形状の第2キャビティ204と、中間径円筒部外周153aと略同形状の第3キャビティ202を有するダイス200は、受圧台に固定された状態で、中空ブランク130を第1キャビティ201内に嵌合し中空ブランク外周130aを保持。ノズルボディ素材150の中間径円筒部内周153bと略同形状の外周を有するマンドレル211を先端に備え、大径連結部内周154bと大径円筒部内周151bと略同形状を有するパンチ210にて、マンドレル211を中空ブランク内周130bの内周に嵌合し、保持する。
パンチ210の胴体212の外周には、円筒状のスリーブパンチ220が配設され第1キャビティ201と嵌合している。
図4(B)は、成形中であり後方押出し完了の状態を示す。
パンチ210及びスリーブパンチ220を下降させ押圧F1を行うと中空ブランク130は変形し、材料はダイス200とパンチ210とスリーブパンチ220で構成される隙間へ塑性流動する。第1段階での塑性流動R1は押圧方向に対し後方に流れるので後方押出しと呼ばれる。後方押出しはスリーブパンチ端面220cと後方押出し端面131cが突当り完了するが、この時は成形途中であり押残りN1を残した状態である。
図4(C)は前方押出し完了であり第1成形工程直後の状態を示す。
後方押出し完了後は、第2段階が始まる。パンチ210の押圧F1にスリーブパンチ220の押圧F2が加えられ、後方押出し時の押残りN1は塑性流動R2する。塑性流動R2は押圧方向に対し前方であるので前方押出しと呼ばれる。
前方押出しは、押残りN2が、ノズルボディ素材150の大径連結部154の形状に達した時点で完了し、金型から取り外され中間ブランク140を得る。
この押残りN2を利用にて、前述した第2のガイドプレート33を固定したり、ノズルボディ150の剛性を確保したのが本実施例である。
また、この押残りN2の厚さは自由に変えることができ、深絞り形状に似たものも成形可能である。
後方・前方の塑性流動の方向をコントロールする理由を説明すると、仮に前方押出しを先に、後方押出しを後にした場合、前方押出しされた半成形品がマンドレル211に咥え付いてしまいパンチ210を押圧することができなくなるからである。仮に、成形できたとしても、非常に大きな押圧が必要になり金型寿命が短く量産できない。
ここで、塑性流動の方向をコントロールする方法を挙げると、第1に後方押出しと前方押出しの工程を分ける方法,第2にワーク端面に背圧を掛ける方法が挙げられる。
第1の方法は、成形工程が増えてしまいコスト高になる。また、後述する第2成形工程で使用可能な面精度を得る場合、密閉状態の金型構造となるため内部圧力が高くなり金型寿命が短くなる。
第2の方法は、背圧を常時掛けると大きな押圧が必要で金型寿命が短くなる。成形過程で背圧を操作できれば金型寿命は短くしないで量産できるが、そのような装置は複雑で非常に高価である。
そこで、断面減少率の差で塑性流動の方向をコントロールした。
図5に中間ブランク140と後方押出し部断面Ab,前方押出し部断面Af,押残り部断面Aoを示す。この場合、後方押出しの断面減少率εb=1−Ab/Ao,前方押出しの断面減少率εf=1−Af/Aoで表され、εf−εb>0.08の時は後方押出しが優先的に起こり、εf−εb<0.044の時は前方押出しが優先的に起こることが実験で確認できた。尚、この値は、成形形状・潤滑状態により変化すると考えられる。
本実施例では、εf−εb=0.09として実施し、後方押出し→前方押出しの段階的な成形が1工程で行えた。また、中間ブランク140の大径円筒部端面151cはスリーブパンチ端面220cに押圧されているので、面精度が良好で次工程となる第2成形工程の押圧面として利用する。
次に第2成形工程であるしごき加工について説明する。
一般的に、しごき加工といえば、カップ状成形品において、カップ入口側からピンを挿入し、そのピンで内周を拘束しながらカップ底面を押圧してカップ状成形品の外径より小さな内径を有するダイスに通すことにより、外径を小さく、全長を長くする加工であったり、その加工により加工面の面粗度向上を図ったりするものである。また、軸製品であれば、軸の外径をしごき加工して軸外径を縮小し全長を伸ばしたり、軸面精度を向上したりするものである。
これに対し、本発明のしごき加工とは、中空材の外径をしごき加工することにより、内径を縮小させることを目的としている。
板金加工における絞り加工が、内径を縮小させる面では似ているが、板金加工の場合は、絞り品のカップ底面を押圧し縮径する。
これに対し、本発明のしごき加工は、成形品の端面を押圧し、しごき加工部は押圧方向からみて前方にあることを特徴としている。
図6に第2成形工程の金型構造と成形過程を示す。
図6(A)は成形直前の状態で、ノズルボディ素材150の中間径円筒部外周153aと略同形状の第1キャビティ303と、小径連結部外周155aと略同形状の第2キャビティ305と、小径円筒部外周152aと略同形状の第3キャビティ302を有するダイス300が受圧台に固定されおり、中間ブランク140は中間径円筒部外周153aを第1キャビティへ嵌合し、保持されている。
パンチ310により大径円筒部端面151cを押圧F3し、中間径円筒部153を第2キャビティ305と第3キャビティ302へ押出して、中間径円筒部外周153aをしごき加工して中間径円筒部内周153bを縮径させ、小径円筒部内周152bの成形が完了し、ノズルボディ素材150を得る。
このしごき加工において、パンチは形状を変更して、大径連結部内周面154bを押圧することも可能である。また、ノズルボディ素材150の内周形状を金型で拘束して成形しても可能である。
図6(B)は成形直後の状態で、この後、ダイス300からノズルボディ素材150は取り出されて、後加工を行う。
ノズルボディ素材150はこの後、切削加工され燃料噴射弁1に組み込まれるが、小径円筒部内周152bから中間径円筒部内周153bは燃料通路として無切削で使用できる。また、小径連結部内周155bはしごき加工において、金型で拘束は無いので、滑らかなテーパ状であり、燃料通路としては滑らかであり都合が良い。
この小径円状部内周152bから中間径円筒部内周153bにかけては、長細孔であり切削加工を行うことが困難な箇所であり、無切削にして生産性が高いものとした。
以上説明したように、本発明のノズルボディ50は剛性が確保されており、ガイド部材が精確に組めて、内燃機関へ取付ける際も捩れや曲がりの発生が少なく、細長い形状の可動子9であっても摺動抵抗の少ないまっすぐな往復動が可能となり、精確な燃料噴射が行える。
また、本発明のノズルボディ50は冷間鍛造にて成形されたことで強度が確保され、焼入れ処理を必要としないので生産性が高く低コストなものとなる。
ノズルボディ50は、難切削箇所である長細孔の燃料通路を冷間鍛造で仕上げられるので、省切削化が図れ生産性が高く低コストなものとなる。
1 燃料噴射弁
50 ノズルボディ
51 小径筒状部
52 大径筒状部
53 連結部
130 中空ブランク
140 中間ブランク
150 ノズルボディ素材
151 大径円筒部
152 小径円筒部
153 中間径円筒部
154 大径連結部
155 小径連結部

Claims (1)

  1. 燃料噴射弁のノズルボディとなる、大径円筒部,中間径円筒部及び小径円筒部がそれぞれ軸方向に3段に形成され、前記大径円筒部と前記中間径円筒部との間に両円筒部をテーパ状に連結する大径連結部を有する燃料噴射弁のノズルボディの成形方法において、
    前記大径円筒部を後方押出しで成形し、前記中間径円筒部を前方押出しで成形し、中間ブランクを得る第1の成形工程と、
    前記小径円筒部を、前記中間ブランクの中間円筒部の外周をしごき加工し内径を縮小させて成形する第2の成形工程とを有し、
    前記第1の成形工程では、前記大径円筒部の外周と略同形状の第1キャビティ,前記大径連結部の外周と略同形状の第2キャビティ及び前記中間径円筒部の外周と略同形状の第3キャビティを有するダイスと、前記中間径円筒部の内周と略同形状の外周を有するマンドレルを先端に備え、前記大径連結部の内周及び前記大径円筒部の内周と略同形状の外周を有し、前記大径円筒部の内周と略同形状の外周部に対して前記マンドレルとは反対側の外周に円筒状のスリーブパンチを有するパンチとを用い、
    前記第1キャビティと前記大径円筒部の内周と略同形状の外周部と前記スリーブパンチとで構成される隙間に材料をその押出し端面が前記スリーブパンチに突き当たるまで前記パンチの押圧方向に対して後方に押し出して前記大径円筒部を成形する第1段階と、
    前記第1段階の完了後に、前記第3キャビティと前記マンドレルとで構成される隙間に材料を前記パンチの押圧方向に対して前方に押し出して前記中間径円筒部を成形する第2段階と、
    を実行することを特徴とする燃料噴射弁のノズルボディの成形方法。
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