JP6429088B2 - コモンレール - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の筒内に燃料を噴射するインジェクタに供給する高圧燃料を蓄圧する蓄圧室を有したコモンレールに関する。
従来より、ディーゼルエンジン等の内燃機関の筒内に燃料を噴射するインジェクタに供給する高圧燃料を蓄える蓄圧室を有したコモンレールが知られている(例えば特許文献1参照)。このコモンレールは、蓄圧室として機能する空間が内部に形成された筒状部を備えている。その筒状部には、サプライポンプからの燃料を空間内に流入したり、インジェクタによる噴射時に空間に蓄積された燃料を流出したりするための、空間に連通する横孔が形成されている。また、筒状部の側面には、サプライポンプやインジェクタに繋がる燃料配管の一端部が接続されるボス状の接続部が設けられて、その接続部の内部には上記横孔の一部を構成する孔が形成されている。
特許第3988902号公報
ところで、燃費やCO2削減の要求が厳しくなり、コモンレールを含めた噴射系には更なる高圧噴射化と共に軽量化のニーズがある。コモンレールの軽量化を図るためには、筒状部の肉厚を薄肉にするのが望ましいが、薄肉にすると、以下の課題が生じる。すなわち、コモンレールの耐圧疲労強度を向上するため、コモンレールの製造工程において筒状部に対してオートフレッテージ加工を行う場合がある。オートフレッテージ加工では、筒状部の内部を高圧にするので、筒状部を薄肉にすると筒状部が破壊してしまうおそれがある。特に、オートフレッテージ加工時には、横孔と蓄圧室との交差部に最大の圧縮応力が付与されるので、横孔周辺部が破壊してしまうおそれがある。また、コモンレールの使用時(内燃機関の運転時)においても、横孔と蓄圧室との交差部には、オートフレッテージ加工圧に比べると低圧であるものの、高い応力が作用するので、その応力が繰り返し作用することで横孔周辺部が疲労破壊するおそれがある。
なお、オートフレッテージ加工とは、密閉状態で高圧にかけて材料組織に残留応力を残して強度を上げる加工方法をいう。すなわち、オートフレッテージ加工では、ワークの内側においては塑性変形させるように、かつ、ワークの外側においては弾性変形させるものの塑性変形させないような高圧力をワークの内部に与えている。これによって、ワークに残留圧縮応力を付与し、ワークの耐圧疲労強度を増強させている。
本発明は上記課題を解決するためになされ、筒状部を薄肉にしたとしても、横孔周辺部の破壊を抑制できるコモンレールを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のコモンレールは、内部に、燃料の蓄圧室として用いられる空間が長手方向に形成され、かつ、前記空間に連通する横孔が径方向に形成された筒状部を備え、
前記筒状部は、前記横孔の軸線と前記筒状部の軸線の両方に直角な方向において前記横孔の横に位置する部位の外側に、該部位の肉厚を大きくするよう前記直角な方向に盛り上がった肉盛部を有し、
前記肉盛部の前記直角な方向の先端部は、前記筒状部の前記長手方向における前記横孔が形成されていない部位における最も前記直角な方向に突出した側面と同じ突出位置であることを特徴とする。
オートフレッテージ加工時や、コモンレールの使用時(内燃機関に供給する高圧燃料の蓄圧時)には、筒状部の横孔周辺部に横孔を引き裂く方向に高い応力がかかる。特に、筒状部の軸線と横孔の軸線の両方に直角な方向に最大の応力がかかる。本発明では、横孔の軸線と筒状部の軸線の両方に直角な方向における横孔の横に位置する部位の外側に、直角な方向に盛り上がった肉厚部を有しているので、その直角な方向における肉厚を大きくでき、横孔を直角な方向に引き裂く圧力に対する強度を向上できる。よって、筒状部を薄肉にしたとしても、横孔周辺部の破壊を抑制できる。
実施形態に係るコモンレールの斜視図である。 実施形態に係るコモンレールの上面図である。 実施形態に係るコモンレールの側面図であり、一部を内部を透視する形で示した図である。 実施形態に係るコモンレールを図3のIV−IV線で切ったときの断面図である。 交差部と円筒部位のそれぞれにおける、肉厚と応力との関係を模式的に示した図である。 変形例に係るコモンレールの斜視図である。 変形例に係るコモンレールの上面図である。 変形例に係るコモンレールの側面図であり、一部を内部を透視する形で示した図である。 変形例に係るコモンレールを、図8のIX−IX線で切ったときの断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。図1〜図4に本実施形態のコモンレール1を示している。コモンレール1は、ディーゼルエンジン、直噴ガソリンエンジン等の直噴型の内燃機関の筒内に燃料を噴射するインジェクタに供給する高圧燃料を蓄圧する装置である。先ず、コモンレール1の構成について説明する。コモンレール1は、一方向に直線状に延びた筒状部3と、その筒状部3の側面から突出する形で設けられた複数の接続部5とを備える。
筒状部3は、筒状部3の軸線L1に直交する平面で切ったときの断面視(図4の断面視)で外周及び内周が円状となる形状、すなわち円筒形状に形成されている。厳密には、筒状部3は、筒状部3の長手方向における接続部5が形成されていない位置における形状が真の円筒形状となっている一方で、接続部5が形成された位置における形状は、断面が真の円形ではないが円形に近い略円筒形状となっている(図4参照)。筒状部3の内部には、燃料の蓄圧室として用いられる空間4が筒状部3の長手方向に形成されている。筒状部3の軸線L1に直交する平面で切ったときの空間4の壁面の線(筒状部3の内周線)は円形となっている。本実施形態では、空間4の軸線が筒状部3の軸線L1と一致しているが、一致していなくても良い。また、筒状部3の両端部(図示外)には、筒状部3の長手方向に向く形の開口が形成されており、空間4は各開口に繋がっている。
筒状部3の一端部には、その一端部に形成された開口を閉塞するように、空間4に蓄圧された燃料圧(コモンレール圧)を調整するための減圧弁14が装着される。また、筒状部3の他端部には、他端部に形成された開口を閉塞するように圧力センサ15が装着される。減圧弁14は、圧力センサ15の検出値に基づいて制御部(図示外)により開閉が制御される。そして、減圧弁14が開弁すると、空間4に蓄積された燃料がコモンレール1の外部に放出されることで、コモンレール圧が減少する。なお、減圧弁14から放出された燃料は燃料タンクに戻る。
接続部5は、円筒形状を有し、筒状部3の側面において、接続部5の軸線L2(図4参照。後述する横孔6の軸線でもある)が筒状部3の軸線L1に直交するように形成されている。本実施形態では、接続部5は、筒状部3の円周方向において互いに同じ側に一列に並ぶ形で5個形成されている。接続部5は、サプライポンプに繋がる燃料配管と、各インジェクタに繋がる燃料配管との個数分形成される。また、各接続部5は、筒状部3の長手方向に間隔をあけて並ぶように形成されている。
各接続部5の外周面には、雄ねじ形状が形成されており、その雄ねじ形状に燃料配管の一端部に形成された袋ナットの雌ねじ形状が嵌合することで、各接続部5に燃料配管が接続される。5つの接続部5のうちの4つには、コモンレール1とインジェクタとを接続する燃料配管の一端部が接続され、残りの1つには、コモンレール1とサプライポンプとを接続する燃料配管の一端部が接続される。このように、接続部5は、サプライポンプから供給される高圧燃料を空間4に流入する流入ポート及び空間4に蓄圧された燃料をインジェクタに供給するために空間4から流出させる流出ポートとして機能する。
なお、筒状部3の一端側(減圧弁14側)には、接続部5とは別の接続部12が形成されている。その接続部12には、減圧弁14により空間4(蓄圧室)から逃がされた燃料を通すための燃料配管(燃料タンクにリターンさせるための燃料配管)が接続される。
各接続部5の内部には、接続部5の軸方向(筒状部3の径方向)に延びて、一端が筒状部3の壁部を貫通して空間4に連通し、他端が外部に開口する横孔6が形成されている。言い換えると、筒状部3の内部には、横孔6の一部(後述のオリフィス7を含む一部の孔)が径方向に形成されている。横孔6は接続部5の径方向の中心位置、すなわち接続部5の軸線L2上に形成されている。この横孔6は、空間4に対する燃料の流入又は流出用の孔である。各横孔6は、空間4に直角に設けられている。各横孔6の一端側(空間4の側)には、流路径が絞られた本発明の小径孔に相当するオリフィス7(絞り)が形成されており、そのオリフィス7が空間4に繋がっている。オリフィス7を設けることで、インジェクタの燃料配管を介して横孔6に伝播される圧力脈動をオリフィス7で減衰させることができる。この結果、圧力脈動による燃料噴射への悪影響を抑えることができる。
横孔6の他端側(オリフィス7が形成された側と反対側、すなわち接続部5の先端側)には、燃料配管の一端部が着座するテーパー状の着座面8が形成されている。その着座面8が外部に開口している。
なお、接続部12も、内部に、接続部12の軸方向(筒状部3の径方向)に延びた横孔13(図2参照)が形成されている。ただし、この横孔13は、蓄圧室4には直接連通しておらず、筒状部3の一端部に形成された、減圧弁14の一部が嵌め込まれる凹部に連通している。
また、筒状部3には、各接続部5との接続位置において、接続部5の外径(直径)よりも大きい径を有した大径部9が接続部5の周囲を囲むように形成されている(図1、図4参照)。大径部9の、接続部5の突出方向に面した端面9a(図4参照)は、それぞれ円状の内周縁及び外周縁を有したリング状の平面に形成されている。端面9aの内周縁及び外周縁の円中心は軸線L2上に位置する。端面9aの内周縁が接続部5の根本部に接続されている。大径部9は、筒状部3の長手方向において大径部9の横に位置する部位3b(図1参照。以下、円筒部位という)の表面よりも若干筒状部3の径方向に突出している。なお、図4には、円筒部位3bの表面を点線で図示している。また大径部9は、大径部9の側面が軸線L2に略平行に形成され、内部に横孔6の一部が形成された略円筒形状を有する。横孔6は大径部9の内部を貫通する形で形成される。接続部5は、この大径部9の上に形成されている。
筒状部3には、横孔6の軸線L2と筒状部3の軸線L1の両方に直角な方向P(図2、図4参照)において横孔6(横孔6のうち接続部5内に形成された孔を除いた孔)の横に位置する部位10(図4参照。以下、高圧作用部位という場合がある)の外側に、該部位10の肉厚を大きくするよう直角な方向Pに盛り上がった肉盛部11が形成されている。肉盛部11は、筒状部3の円筒状の外形線及び大径部9の円筒状の外形線に対して盛り上がった形状を有する。なお、図4では、右斜めの斜線と左斜めの斜線とを交差させたハッチング部分が、肉盛部11である。
肉盛部11は、横孔6のうちでも、コモンレール1の製造工程におけるオートフレッテージ加工時や、コモンレール1の使用時(内燃機関の運転時)に、特に高い応力が働く横孔6と空間4との交差部16(図3、図4参照)付近の孔、すなわちオリフィス7の外側部位に少なくとも形成される。本実施形態では、図4に示すように、肉盛部11は、大径部9の端面9aにおける外周縁から大径部9の側面を経て、筒状部3の軸線L1と横孔6の軸線L2の両方に直角に交差する直線L3と筒状部3の側面との交点3c付近に亘って、筒状部3の側面の円周方向に沿って形成されている。肉盛部11は、大径部9の側面に接続される形で形成されていることから、大径部9の径よりもさらに直角な方向Pに盛り上がった形状に形成されていると言える。
また、肉盛部11は、筒状部3の長手方向における肉盛部11の幅d1(図2参照)の中心線L4上に横孔6がくるように形成される。肉盛部11の幅d1は横孔6の径より大きいのが好ましい。また、肉盛部11の直角な方向Pへの盛り上がり度合いは、オートフレッテージ加工圧や、高圧燃料の圧力の作用時に、横孔6の周辺の高圧作用部位10(図4参照)が破壊しないように適宜に設定される。一例として、その盛り上がり度合いは、肉盛部11のうち直角な方向Pの先端に位置する先端部11a(図2参照)が、筒状部3の肉盛部11が形成されていない部分における最も直角な方向Pに突出した側面3a(図2参照。図4の交点3cに相当)と同じ突出位置か、それよりも直角な方向Pに突出するように、設定することができる。
さらに、肉盛部11は、高圧作用部位10のうちでも特に高い圧力が作用するオリフィス7の横の肉厚d2(図4参照)が、筒状部3の肉盛部11が形成されていない部位における肉厚d3(図4参照)より大きくなるように、形成される。ただし、肉厚d2が大きくなりすぎると、オートフレッテージ加工において部位10に付与される残留圧縮応力が小さくなってしまい、部位10の耐圧疲労強度が低下しまうおそれがある。反対に、肉厚d2が小さくなりすぎると、オートフレッテージ加工圧により部位10が破壊(バースト)したり、内燃機関の運転時に高圧燃料による作用応力で部位10が疲労破壊したりするおそれがある。したがって、オートフレッテージ加工圧による残留圧縮応力と、オートフレッテージ加工や高圧燃料による作用応力とのバランスを考慮して、肉厚d2を設定する必要がある。
肉盛部11は、横孔6を間に挟んで直角な方向Pの両側に位置する部位10a、10b(図4参照)のそれぞれに形成されている。一方の部位10aに形成される肉盛部11と、他方の部位10bに形成される肉盛部11は、図2の上面視で筒状部3の軸線L1に対して対称形状、かつ、図4の断面視で横孔6の軸線L2に対して対称形状に形成されている。これら両側に位置する2つの肉盛部11間には肉盛部が形成されていない。
コモンレール1は、図1に示すように、内燃機関等の所定箇所に取り付けるための取付部20を有する。その取付部20は、筒状部3の側面から突出するように設けられ、筒状部3の長手方向に間隔をあけて2箇所に設けられている。各取付部20は、ボルト挿通孔21が形成されており、そのボルト挿通孔21に挿通されたボルトによる締結によって所定箇所に取り付けられる。
筒状部3、接続部5、12、大径部9、肉盛部11及び取付部20は同一材料にて一体に形成されている。このとき、コモンレール1は、所望の強度(剛性)が得られるのであれば、どのような材質で形成されたとしても良いが、コモンレール1の軽量化を図るためには、できるだけ薄肉に形成されるのが好ましく、薄肉にするためには、できるだけ高強度の材質で形成されるのが好ましい。具体的には、コモンレール1の材質として、フェライト−パーライト型の非調質鋼よりも高強度な材質(降伏点や疲労強度が高い材質)、例えばベイナイト型の非調質鋼、又は時効硬化処理を施したベイナイト型の非調質鋼、又はベイナイト型の非調質鋼と同程度かそれよりも高強度の材質を用いることができる。
なお、非調質鋼とは、鍛造等の加工後に、焼き入れや焼き戻しといった調質熱処理が不要な鋼材をいう。また、ベイナイトとは、炭素鋼をオーステナイト状態から冷却して、パーライト変態が生じる温度領域とマルテンサイト変態が開始する温度の中間の温度領域に恒温保持したときに生じる組織をいう。また、時効硬化処理とは時効硬化を起こす熱処理をいう。時効硬化とは、焼き入れや焼き戻しによる硬化とは異なる現象であって、高い温度で長時間保っておくと、安定な状態に移行しようとして材料の硬さが増す現象をいう。
次に、コモンレール1の製造方法の一例を説明する。先ず、コモンレール1の素材となる丸棒を準備する。この丸棒の材質は、軽量化のためには高強度な材質(例えばベイナイト型の非調質鋼)が好ましいが、切削可能な程度の硬さ(柔らかさ)を有するものとする。
次に、丸棒を鍛造用の型にセットして、コモンレール1(厳密には、オートフレッテージ加工を実施する前段階の形状を有した未加工ベース)の、切削を実施する前段階の形状を有した未切削ベースを熱間鍛造により形成する。この未切削ベースは、コモンレール1のうち、切削により形成される部分(具体的には、横孔6及び接続部5の外周面に形成する雄ねじ形状等)を有しない形状に形成される。すなわち、未切削ベースには、筒状部3、接続部5、12のベース(切削前の形状)、大径部9、肉盛部11、取付部20が含まれる。なお、空間4は、熱間鍛造により形成しても良いし、この後の切削により形成しても良い。
次に、未切削ベースを切削用の治具にセットして、コモンレール1の形状(厳密には、オートフレッテージ加工を実施する前段階の形状を有した未加工ベース)となるように未切削ベースの必要な箇所を切削する。このとき、切削により、横孔6及び接続部5の雄ねじ形状を形成する。
次に、切削後の未加工ベースに対して表面処理を行った後、オートフレッテージ加工を行う。具体的には、空間4を密閉状態にするために、各横孔6及び筒状部3の一端部を封止し、筒状部3の他端部側から空間4内に圧力印加媒体(作動油)を導入して、導入した圧力印加媒体を加圧する。このとき、圧力印加媒体の圧力(オートフレッテージ加工圧。AF圧)は、筒状部3の内部においては塑性変形させ、筒状部3の外側においては弾性変形させる圧力(例えば700MPa〜1000MPa程度)に設定される。これによって、筒状部3の内部に残留圧縮応力を付与でき、筒状部3の耐圧疲労強度を増強できる。
なお、コモンレール1の材質にベイナイト型非調質鋼などの高強度材を用いる場合、切削工程の後、オートフレッテージ工程の前に、時効硬化処理を行っても良い。これによって、切削を可能としつつ、硬度を増強できる。ベイナイト型非調質鋼に対して時効硬化処理を行った場合、コモンレール1の材質は、時効硬化型かつベイナイト型の非調質鋼となる。
その後、筒状部3に減圧弁14及び圧力センサ15を装着することで、コモンレール1が完成する。なお、コモンレール1の製造方法は上記に限定されるわけではなく、どのような方法で製造されたとしても良い。具体的には例えば、筒状部3を鍛造以外の方法(引抜加工、鋳造等)で形成し、別工程で形成した接続部5や肉盛部11を溶接等で後付けしても良い。
以下、本実施形態の効果を説明する。オートフレッテージ加工時や、高圧燃料の蓄圧時(内燃機関の運転時)には、横孔6と空間4との交差部16(図3、図4参照)に、横孔6を引き裂く方向(横孔6の径方向)に高い応力が作用する。詳しくは、横孔6を引き裂く方向のうち、筒状部3の軸線L1に平行な方向Q(図3参照)に作用する応力は、筒状部3の長手方向(筒状部3の隣り合う2つの接続部5間の円筒部位3b(図1、図3参照))で圧力を受けることになるので、方向P(図2、図4参照)に作用する応力に比べると小さい。これに対して、横孔6を引き裂く方向のうち、筒状部3の軸線L1に直角な方向Pに作用する応力は、図4の高圧作用部位10のみで圧力を受けることになるので、他の方向に作用する応力に比べて最も大きい。本実施形態では、この高圧作用部位10の外側に肉盛部11が形成されているので、高圧作用部位10の肉厚を厚くでき、横孔6を直角な方向Pに引き裂く圧力に対する強度を向上できる。よって、オートフレッテージ加工時に横孔6の周辺部位10が破壊(バースト)してしまうのを抑制できる。また、高圧作用部位10の肉厚を大きくできることで、内燃機関の運転時に横孔6の周辺部位10に作用する直角な方向Pにおける応力(高圧燃料による作用応力)を小さくでき、周辺部位10の疲労破壊を抑制できる。
また、周辺部位10が破壊するまでの強度に余裕ができることで、オートフレッテージ加工圧を増加することができ、筒状部3の内部により大きな残留圧縮応力を付与しやすくできる。よって、筒状部3の耐圧疲労強度を向上できる。また、肉盛部11は、横孔6を間に挟んで直角な方向Pの両側の部位10にそれぞれ形成されるので、片方の部位10のみ形成された場合に比べて、部位10の破壊を抑制できる。また、横孔6の周辺部位のうちの一部の部位10のみに肉盛部11を形成することで、他の部位にも肉盛部を形成した場合に比べてコモンレール1の軽量化を図ることができる。
ここで、図5は、本実施形態の効果を説明する図として、交差部16(図3参照)と円筒部位3b(図3参照)のそれぞれにおける、肉厚と、応力との関係を模式的に示した図である。図5において、実線のライン101、102は、交差部16における肉厚と応力の関係を示し、点線のライン103、104は円筒部位3bにおける肉厚と応力の関係を示している。また、ライン101、103は、肉厚の増加にしたがいオートフレッテージ加工圧を増加させた場合におけるオートフレッテージ加工で付与される残留圧縮応力を示している。また、ライン102、104は、内燃機関の運転時における高圧燃料による作用応力を示している。
図5に示すように、円筒部位3bに比べて交差部16の応力は高い。この点、本実施形態では、肉盛部11を形成して交差部16の肉厚を大きくしているので、オートフレッテージ加工圧を増加することができ、図5のライン101で示されるように、オートフレッテージ加工圧の増加に伴い残留圧縮応力を大きくできる。よって、交差部16の耐圧疲労強度を向上できる。また、ライン102で示されるように、肉盛部11を形成して交差部16の肉厚を大きくすることで、内燃機関の運転時における作用応力を小さくでき、その作用応力による交差部16の疲労破壊を抑制できる。
また、必要な部位(交差部16)のみ肉厚を大きくすることで、交差部16の破壊を防ぐために筒状部3全体の肉厚を増やさなくても良く、交差部16に比べて応力が小さい円筒部位3bの肉厚d4(図3参照)を薄肉にできる。よって、筒状部3の体格(図2に示す短手方向における筒状部3の幅D)を小さくでき、コモンレール1の軽量化を図ることができる。つまり、図5において、交差部16の肉厚の設定領域201と、円筒部位3bの肉厚の設定領域203(設定領域201よりも小さい肉厚領域)とを異ならせることで、交差部16の破壊を抑制しつつ、コモンレール1の軽量化を図ることができる。
これに対して、肉盛部11を有しない従来構造では、交差部16の破壊を防ぐために、円筒部位3bの肉厚を、交差部16の肉厚と同じ領域201(図5参照)に設定する必要があり、コモンレールの体格及び重量が増加してしまう。
また、コモンレール1の材質として、ベイナイト型の非調質鋼などの高強度材を用いることで、筒状部3を所望の強度を確保しつつ薄肉化でき、コモンレール1の軽量化を図ることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載を逸脱しない限度で種々の変更が可能である。上記実施形態では、横孔の周辺部位のうちでも特に横孔の軸線と筒状部の軸線の両方に直角な方向における部位のみに肉盛部を形成した例を説明したが、図6〜図9に示すコモンレール2のように肉盛部を形成しても良い。なお、図6〜図9では、図1〜図4のコモンレール1と同様の部分には同一の符号を付している。
図6〜図9のコモンレール2においては、筒状部3の側面の円周方向における横孔6が形成(接続部5が接続)された側(上面側)において、横孔6の軸線L2(図9参照)の回りの全周に亘って肉盛部18(以下、全周肉盛部という)が形成されている。この全周肉盛部18は、内縁が接続部5の側面に接続される形で形成されている。
また、横孔6の軸線L2と筒状部3の軸線L1の両方に直角な方向P(図9参照)において横孔6の横(特にオリフィス7の横)に位置する部位10の外側には上記実施形態と同様の肉盛部11が、全周肉盛部18と一体的に形成されている。言い換えると、全周肉盛部18の一部11が、部位10の外側から直角な方向Pに盛り上がった形状を有する。
また、筒状部3の上面側(接続部5が接続された側面側)には、隣り合う2つの全周肉盛部18の間に位置において、それら2つの全周肉盛部18を繋ぐ形で中間肉盛部19が形成されている。なお、中間肉盛部19は形成されていなくても良い。
このコモンレール2によれば、横孔6が形成された筒状部3の上面において、直角な方向Pの肉盛部11に加えて、その肉盛部11と一体的に全周肉盛部18が形成されているので、より一層、横孔6の周辺部位の破壊を抑制できる。例えば、横孔6が想定している位置からズレた位置に形成されて、そのズレによる最大応力が作用する位置及び方向が想定からズレたとしても、全周肉盛部18により横孔6の周囲全周が肉厚に形成されるので、横孔6の周辺部位が破壊するのを抑制できる。
また、高圧燃料による作用圧やオートフレッテージ加工圧が加わっている時には、横孔6の拡大が累積することによる筒状部3の伸びや曲りが発生しやすいが、図6〜図9の例では、筒状部3の上面において、全周肉盛部18及び中間肉盛部19が筒状部3の長手方向に連続して形成されることになるので、横孔6を起因とした筒状部3の伸びや曲りを抑制できる。これによって、接続部5間のピッチ(配管ピッチ)をずらす方向への力を抑制でき、接続部5の摩耗や接続部5からの燃料漏れを抑制できる。
また、上記実施形態では、筒状部は断面円状の円筒状としていたが、他の形状(例えば、断面四角形状や断面楕円状の筒状)であっても良い。
また、上記実施形態では、複数の接続部が筒状部の円周方向において互いに同じ側に形成された例を説明したが、一部の接続部が他の接続部と別側の側面に形成されたとしても良い。
1、2 コモンレール
3 筒状部
4 空間(蓄圧室)
6 横孔
10 横孔周辺部位(高圧作用部位)
11 肉盛部

Claims (4)

  1. 内部に、燃料の蓄圧室として用いられる空間(4)が長手方向に形成され、かつ、前記空間に連通する横孔(6)が径方向に形成された筒状部(3)を備え、
    前記筒状部は、前記横孔の軸線(L2)と前記筒状部の軸線(L1)の両方に直角な方向(P)において前記横孔の横に位置する部位(10)の外側に、該部位の肉厚を大きくするよう前記直角な方向に盛り上がった肉盛部(11)を有し、
    前記肉盛部の前記直角な方向の先端部(11a)は、前記筒状部の前記長手方向における前記横孔が形成されていない部位(3b)における最も前記直角な方向に突出した側面(3a)と同じ突出位置であることを特徴とするコモンレール(1、2)。
  2. 前記横孔は、前記空間との交差部(16)からの一部が、径を絞った小径孔(7)に形成され、
    前記肉盛部は、前記小径孔の前記直角な方向の横に位置する部位に少なくとも形成されたことを特徴とする請求項1に記載のコモンレール。
  3. 前記肉盛部は、前記横孔を間に挟んで前記直角な方向の両側に位置する部位にそれぞれ形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のコモンレール。
  4. 前記筒状部は、前記筒状部の側面の周方向における前記横孔が形成された側において前記肉盛部と一体的に形成され、前記横孔の軸線回りの全周に亘って盛り上がる形状を有した全周肉盛部(18)を有したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のコモンレール(2)。
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