JP2017008690A - 枕木移動防止装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】隣り合う二つの枕木100のそれぞれの対向面の間に配置して、これらの対向面の間隔の収縮を規制するための長尺の間隔規制部材20と、間隔規制部材の両端部から当該間隔規制部材を延長する方向に延出され、二つの枕木の上面に載置するための一対の支持腕部30とを備え、それぞれの支持腕部を、間隔規制部材に対して、当該間隔規制部材の長手方向に直交する方向にずらして配置したことを特徴とする。
【選択図】図6
Description
近年、踏切においては、枕木の上に敷設される敷板として、木材や樹脂材料からなる敷板が普及しつつある。このような樹脂材料等からなる敷板は、枕木に設けられた埋め込みボルト又はボルト穴を利用して固定される。
従って、踏切の場においては、枕木が正確に規定通りの間隔で配置されていないと、敷板を固定するためのボルト締めが行うことができなくなるので、特に枕木の配置間隔について厳格性が要求されていた。
このバラストの突き固め作業は、軌道上を移動可能なマルチプルタイタンパーの機体からレールの周囲に向かって下降するツールよって行われ、バラストの突き固めによって、枕木の下側にバラストを送り込むことにより、枕木の沈降を防止する。
踏切においても、枕木の沈降を防ぐために、敷板を撤去した状態でマルチプルタイタンパーによるバラストの突き固め作業を行う必要があるが、当該突き固め作業を行うと、ツールの突き固め圧力により枕木がレールに沿って移動を生じることが避けられなかった。
このため、バラストの突き固め作業の後には、それぞれの枕木を適正な間隔に戻す作業が不可欠となり、作業時間が長期化すると共に作業負担も大きくなっていた。
隣り合う二つの枕木のそれぞれの対向面の間に配置され、これらの対向面の間隔の変化を規制するための間隔規制部材と、
前記間隔規制部材の両端部から延出され、前記二つの枕木の上面に接合する一対の支持腕部とを備え、
それぞれの前記支持腕部は、前記間隔規制部材に対して、当該間隔規制部材の長手方向と直交する方向にずれた位置に設けられていることを特徴とする。
また、間隔規制部材の両端部には、間隔規制部材に対してその長手方向と直交する方向にずれた位置で支持腕部が設けられているので、間隔規制部材をレールの下側に配置した場合でも、各支持腕部はレールの下側に隠れた配置とならず、枕木の上面まで延びて載置することができる。従って、間隔規制部材の両端部が支持腕部を介して枕木に支えられ、間隔規制部材の沈降を抑制することができる。
さらに、間隔規制部材は、レールの下側に入り、一対の支持腕部はそれぞれ枕木の上面に配置されるので、枕木移動防止装置を平面視で見たときに、これらが枕木とレールに重合する。従って、レール及び枕木の周囲をツールで上から突き固めるマルチプルタイタンパーによるバラストの突き固め作業の妨げとならない。
従って、枕木移動防止装置を装着したままバラストの突き固め作業を実行することができ、その際の枕木の移動を効果的に抑制することが可能となる。
上記構成によれば、支持腕部が、枕木との間で嵌合する凹凸構造を有するので、枕木移動防止装置の取り付け位置を安定的に維持することが可能となる。
また、支持腕部と枕木の凹凸構造の嵌合により、単独の枕木移動防止装置により、二つの枕木の離間移動も規制することができる。
上記構成によれば、支持腕部は、凹凸構造が嵌合した状態で、その上面が枕木側の凹凸構造以下の高さとなるので、例えば、枕木の上に敷板を装備する場合であっても、支持腕部の厚みが取付の妨げとならない。また、既存の敷板に対して、支持腕部の厚みを許容するための改造を不要とし、既存の敷板をそのまま使用することが可能となる。
上記構成によれば、間隔規制部材における支持腕部とは逆側に設けられた係止部により、間隔規制部材を支持腕部側と係止部側とで取り付け位置を維持することができ、装着後の位置ズレや沈降を効果的に低減することが可能となる。
上記構成によれば、係止部を金属板により形成したので、係止部そのものの厚みを薄くすることができ、平面視において、レールに対する係止部の膨出を抑制する。これにより、係止部がマルチプルタイタンパーによるバラストの突き固め作業の妨げにならず、バラストの突き固め作業時の枕木移動防止装置の撤去を回避することができる。
従って、踏切のように、枕木に敷板を装着する場所に適用した場合でも、バラストの突き固め作業後の枕木の位置復旧作業を不要とし、作業時間の大幅な短縮及び作業負担の軽減を図ることが可能となる。
図1は踏切における軌道の平面図、図2は側面図を示す。ここに例示した軌道Kは、バラストを道床とするいわゆるバラスト軌道である。なお、図1及び図2では、後述する枕木移動防止装置10の図示を省略している。
図3のように、各レール110は、頭部111と腹部112と底部113とからなる一般的なレールである。
レール110は、底部113の外側の縁部において環状に湾曲した板バネ114を介してボルト115により枕木100に対して締結固定されている。
また、レール110の底部113の内側の縁部とガードレール120の底部124の外側の縁部は、これらを架設する板バネ121を介してボルト127により枕木100に対して締結固定されている。
なお、マルチプルタイタンパーによるバラストの突き固め作業の際には、ツールとの干渉を避けるために、ガードレール120及び板バネ121,125は、撤去される。
ここでは、敷板130として樹脂製のものを例示するが、敷板には木製、等もあり、その利用も可能である。
さらに、踏切エリア内の両端部であって一対のガードレール120の内側に位置する敷板134は、テーパを有すると共に平面視形状が等脚台形状に形成されている。
また、各敷板130,132,134は、その機能上、その厚さがレール110の高さと等しくなっている。
そして、枕木100の長手方向から見た断面形状は図2に示すように等脚台形状に形成されている。
枕木100の上面であって、その両端部より幾分内側には、一対のレール110を個別に載置するレール配置部101が形成され、各レール配置部101の内側に隣接して、一対のガードレール120を個別に載置するガードレール配置部102が形成されている。
さらに、レール配置部101とガードレール配置部102の両側には、レール110及びガードレール120を締結固定するためのボルトの取付穴103,104が形成されている。
また、枕木100の両端部にそれぞれ一箇所、中央部に二箇所の合計四箇所に、敷板130の取付栓131を挿入する取付溝105が形成されている。
上記構成の軌道Kに適用され、各枕木100を一定の間隔に維持するためにレール110及び枕木100に取り付けられる枕木移動防止装置10について図面に基づいて説明する。図5は枕木移動防止装置10を示し、図5(A)はレール110の長手方向を正面とした場合の平面図、図5(B)は側面図、図5(C)は正面図を示す。また、図6は枕木移動防止装置10の取付状態における平面図、図7は取付状態における側面図、図8は取付状態における正面図である。
この間隔規制部材20の長手方向の両側の端面21は、枕木100の長手方向に沿った片側の側面に対応する角度で傾斜しており、二つの枕木100の間に間隔規制部材20を配置したときに、当該間隔規制部材20を水平に維持しつつ、両側の端面21を二つの枕木100の対向面である長手方向に沿った一側面にそれぞれ面接触状態とすることができる。
各支持腕部30は、間隔規制部材20の長手方向に沿った片側の側面23から間隔規制部材20の短手方向に向かって延出された縦板部31と、縦板部31の上部に一体的に連接され、間隔規制部材20の上面22に平行な矩形平板状の平板部32とから主に構成されている。
この開口部321には、前述した枕木100の台形状の突起部106が下から嵌合する。即ち、この開口部321と突起部106とは、支持腕部30と枕木100との間に形成された相互に嵌合する凹凸構造として機能する。
そして、開口部321に突起部106が嵌合した状態において平板部32の上面の高さと突起部106の頂部の上面の高さとが一致するようになっている。
この係止部材40は、間隔規制部材20の上面22の長手方向については当該上面22よりも短く、短手方向については上面22とほぼ等しい長さを有している。
また、支持腕部30とは逆側の端部が直角に屈曲して垂直に立ち上げられると共にその上端部が支持腕部30側に折り返されて係止部41が形成されている。つまり、係止部41は、間隔規制部材20の長手方向から見て、略U字状となり、レール110の底部113の側縁部を挿入することができる。
つまり、枕木移動防止装置10を枕木100と枕木100との間に設置したときに、間隔規制部材20の短手方向の一端部を一対の支持腕部30で支持し、他端部を係止部41で支持することができる。
枕木移動防止装置10の設置は、踏切エリアにおいて、軌道Kの各敷板130,132,134を取り付けていない状態で行われる。
まず、枕木100と枕木100との間において、枕木移動防止装置10の間隔規制部材20をレール110の下側に挿入し、係止部材40の係止部41にレール110の底部113の内側の側縁部が挿入されるように係止させる。
そして、各支持腕部30の平板部32の開口部321に対して、その両側の枕木100の突起部106を個別に下から嵌合させることで、枕木移動防止装置10がレール110及びその両側の枕木100に対して固定的に設置される。
なお、枕木移動防止装置10は、踏切エリアの全ての枕木100に対してその両端部に設置される。
また、各枕木移動防止装置10の設置後は、その上から各敷板130,132,134が各枕木100に対して装着される。
以上のように、枕木移動防止装置10は、間隔規制部材20の両端部が隣り合う二つの枕木100の対向面となる側面部に個別に当接して配置されるので、枕木100同士の接近を効果的に防止する。このため、各枕木100の間に枕木移動防止装置10を設置することにより、全ての枕木100について、レール110の長手方向の移動を抑制することが可能となる。
また、間隔規制部材20の両端部には、当該間隔規制部材20に対してその長手方向について重合しないように幅方向にずれた位置に支持腕部30が設けられているので、間隔規制部材20をレール110の底部113の下側に配置しながら、各支持腕部30を枕木100の上面に載置することができる。従って、間隔規制部材20の両端部が支持腕部30を介して枕木100に支えられ、間隔規制部材20の沈降を抑制することができる。
また、間隔規制部材20に対して支持腕部30とは逆側において、係止部材40の係止部41をレール110の底部113に係止することができるので、間隔規制部材20は、その短手方向の一端部が一対の支持腕部30に支持され、他端部が係止部41に支持される。このため、間隔規制部材20の沈降をより効果的に抑制することが可能となる。
従って、枕木移動防止装置10を装着したままバラストの突き固め作業を実行することができ、その際の枕木100の移動を効果的に抑制することが可能となる。
また、二つの枕木100が互いに離間する方向の移動も規制することができる。
また、係止部材40の係止部41以外の部分も全体的に厚みを薄くすることができ、間隔規制部材20の上面に係止部材40を装着することが可能となる。
枕木移動防止装置10は、係止部材40以外を硬質ゴムから形成し、重量軽減による設置作業及び運搬作業の負担軽減を図っている。しかしながら、枕木移動防止装置10のさらなる強度向上の要求がある場合には、より強度の高い材料、例えば、金属から形成することも可能である。
20 間隔規制部材
30 支持腕部
31 縦板部
32 平板部
40 係止部材
41 係止部
100 枕木
101 レール配置部
106 突起部
110 レール
113 底部
120 ガードレール
130,132,134 敷板
321 開口部
K 軌道
Claims (5)
- 隣り合う二つの枕木のそれぞれの対向面の間に配置され、これらの対向面の間隔の変化を規制するための間隔規制部材と、
前記間隔規制部材の両端部から延出され、前記二つの枕木の上面に接合する一対の支持腕部とを備え、
それぞれの前記支持腕部は、前記間隔規制部材に対して、当該間隔規制部材の長手方向と直交する方向にずれた位置に設けられていることを特徴とする枕木移動防止装置。 - 前記支持腕部は、前記枕木との間で嵌合する凹凸構造を備えることを特徴とする請求項1記載の枕木移動防止装置。
- 前記支持腕部は、前記凹凸構造が嵌合した状態で、当該支持腕部の上面が前記枕木側の凹凸構造以下の高さとなることを特徴とする請求項2記載の枕木移動防止装置。
- 前記間隔規制部材における前記支持腕部とは逆側に、前記レールの底部をはめ込む係止部を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の枕木移動防止装置。
- 前記係止部を金属板から形成したことを特徴とする請求項4記載の枕木移動防止装置。
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