JP2017007951A - ウロリチンを含有する光老化抑制剤 - Google Patents
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Abstract
Description
下記一般式(1)で表されるウロリチン類を含有する光老化抑制剤。
前記ウロリチン類が下記式(2)で表されるウロリチンAである、<1>に記載の光老化抑制剤。
提供できる。
本発明に係る光老化抑制剤が含有するウロリチン類は、その構造が上記一般式(1)で表される既知の物質である。例えば、表1に示すように、ウロリチン類は化学式におけるR1〜R6の違いによる、ウロリチンA、ウロリチンB、ウロリチンC、ウロリチンD、ウロリチンE、ウロリチンM3、ウロリチンM4、ウロリチンM5、ウロリチンM6、ウロリチンM7、及びイソウロリチンAなどが知られている。
植物の種類は特段限定されず、ザクロ、ラズベリー、ブラックベリー、クラウドベリー、ボイセンベリー、イチゴ、クルミ、ゲンノショウコ等が挙げられる。このうち、エラジタンニン又はエラグ酸を高含有していることから、ザクロ、ボイセンベリー、ゲンノショウコが好ましく、ザクロがより好ましい。
微生物を用いてエラグ酸をウロリチン類に変換する方法としては特段限定されないが、例えば、Food Funct., 2014, 5, 1779-1784に記載にされている公知の方法を用いることができる。
本発明は、上記ウロリチン類を含有する光老化抑制剤である。本明細書において、光老化とは慢性の紫外線障害を指す。具体的には、紫外線照射によってフリーラジカルなどの活性酸素が発生して、DNAやタンパク質、細胞が損傷し、細胞死が引き起こされることなどを指す。外観上は、シミやシワ、たるみなどとなって現れる。
本発明に係る光老化抑制剤を化粧料の素材として用いる場合、該光老化抑制剤を水溶液、ローション、スプレー液、懸濁液および乳化液などの液状;粉末、顆粒およびブロック状などの固体状;クリームおよびペーストなどの半固体状;ゲル状等の各種所望の剤形の化粧料に調製することができる。このような化粧料は、洗顔料、乳液、クリーム、ゲル、エッセンス(美容液)、パック・マスク等の基礎化粧料、ファンデーション、口紅等のメーキャップ化粧料、口腔化粧料、芳香化粧料、毛髪化粧料、ボディ化粧料等の各種化粧料として有用である。
例えば、アニオン性界面活性剤(脂肪酸石鹸、スルホン酸塩型アニオン性界面活性剤、硫酸エステル型アニオン性界面活性剤、リン酸エステル型アニオン性界面活性剤、アシルメチルタウリン塩、モノアルキルリン酸塩、アシルグルタミン酸塩、イセチオン酸エステル塩等)、カチオン性界面活性剤(アミン塩型カチオン性界面活性剤、第四アンモニウム型カチオン性界面活性剤(テトラアルキルアンモニウム型、ピリジニウム型))、非イオン性界面活性剤(グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル等)、両性界面活性剤(イミダゾリン型、ベタイン型、アミノ酸型)、フッソ系界面活性剤、シリコーン系界
面活性剤等の天然、合成界面活性剤、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アラビアガム、キサンタンガム、ペクチン、トラガント、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カチオン化セルロース、カチオン化デキストラン、カチオン化デキストリン、キトサン、カチオン化ビニルピロリドンポリマー、塩化N,N−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウムポリマー、乳タンパク、大豆タンパク、ゼラチン、卵タンパク、カゼインナトリウム、ホエータンパク等の水溶性高分子、イチョウ、ツボクサ、トウヤク、ニンジン、シコッピ、カイカ、インチコウ、ヤシャジツ、甘草分画物、ゴカヒ、センプクカ、ヒカイ、ユズリハ、カミツレ、マロニエ、エスシン、テルミナリア、ルスコゲニン、ブッチャーブルーム、コラ、ガラナ、マテ、コーヒー、カカオ、プレクトランタス、タンジン、ビスナガ、シリマリン、ロイコシアニン、オトギリ草、クマハゼ、シソ、オウゴン、ケイガイ、ローズマリー、セージ、タイム、ヨモギ、カワラヨモギ、ソウジュツ、セイヨウノコギリソウ、シコン、ウイキョウ、オウバク、ショウキョウ、トウキ、センキュウ、チンビ、カノコソウ、ビャクシ、トウヒ、芍薬、紅花、菖蒲、ブクリョウ、ハッカ等の植物成分、コハク酸、フマル酸、クエン酸、ピルビン酸、グルクロン酸、2−ヒドロキシ酪酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、タルトロン酸、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ビタミンA酸、ビタミンC誘導体、ビタミンD、ビタミンE、オリゴペプチド、トラネキサム酸エステル等の活性成分、多価アルコール、アミノ酸、ムコ多糖類、蛋白質、生体抽出物、発酵代謝物、多糖類、植物抽出物、リン脂質、セラミドなどの抗糖化剤、油脂類(大豆油、ヌカ油、ホホバ油、アボガド油、アーモンド油、カカオ油、オリーブ油、ゴマ油、パーシック油、ヒマシ油、ヤシ油、ミンク油、牛脂、豚脂等の天然油脂、これらの天然油脂を水素添加して得られる硬化油およびミリスチン酸グリセリド、2−エチルヘキサン酸グリセリド等の合成トリグリセリド、ジグリセリド等)、ロウ類(カルナウバロウ、鯨ロウ、ミツロウ、ラノリン等)、炭化水素類(流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、スクワラン、プリスタン等)、高級脂肪酸類(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸等)、高級アルコール類(ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、コレステロール、2−ヘキシルデカノール等)、エステル類(オクタン酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、イソステアリン酸コレスチール等)、精油類(ハッカ油、ジャスミン油、シヨウ脳油、ヒノキ油、トウヒ油、リュウ油、テレピン油、ケイ皮油、ベルガモット油、ミカン油、シヨウブ油、パイン油、ラベンダー油、ベイ油、クローブ油、ヒバ油、バラ油、ユーカリ油、レモン油、ペパーミント油、タイム油、ローズ油、セージ油、メントール、シネオール、オイゲノール、シトラール、シトロネラール、ボルネオール、リナロール、ゲラニオール、カンファー、チモール、スピラントール、ピネン、リモネン、テルペン系化合物等)、シリコーン油類等の油脂成分(エモリエント成分)、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、ホウ砂、硫酸ナトリウム、硫化ナトリウム、硝酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、りん酸ナトリウム、塩化カリウム、硫化カリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の無機塩類、ホウ酸、メタケイ酸、無水ケイ酸等の無機酸類、黄色4号、青色1号、黄色202号、クロロフィル、リボフラビン、紅花、クロシン、アントラキノン等の色素類、香料類、アクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリテトラフルオロエタン等の高分子、これらの高分子のコポリマー、ケイ酸、ケイ酸カルシウム、天然ケイ酸アルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム、ゼオライト、酸化チタン、タルク、カオリン、マイカ、ベントナイト等の微粉体、硫黄、湯の花、鉱砂、雲母末、中性白土、いり糠、殺菌剤、防腐剤、をはじめ、その他製剤上必要な成分などが挙げられる。
本発明に係る光老化抑制剤を医薬品の素材として用いる場合、その剤形は、使用形態、投与経路等に応じて選択することができる。例えば、錠剤、被覆錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、注射剤、坐剤、浸剤、煎剤、チンキ剤等が挙げられる。これらの各種製剤は、常法に従って主薬に対して必要に応じて充填剤、増量剤、賦形剤、結合剤、抗糖化剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤などの医薬の製剤技術分野において通常使用し得る既知の補助剤を用いて製剤化することができる。また、この医薬製剤中に着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を含有させてもよい。
本発明に係る光老化抑制剤を食品の素材として用いる場合、一般の食品の他、特定保健用食品、栄養補助食品、機能性食品、病者用食品、食品添加物等として使用できる。食品の形態としては、本発明に係る光老化抑制剤を含む清涼飲料、ミルク、プリン、ゼリー、飴、ガム、グミ、ヨーグルト、チョコレート、スープ、クッキー、スナック菓子、アイスクリーム、アイスキャンデー、パン、ケーキ、シュークリーム、ハム、ミートソース、カレー、シチュー、チーズ、バター、ドレッシング等を例示することができる。
本発明に係る光老化抑制剤を食品の素材として用いる場合、食品全量に対する上記光老化抑制剤の含有量は、本発明の所望の効果が奏される限り特に限定されないが、ウロリチン類として、総量で、通常0.00001〜3質量%であり、好ましくは0.0001〜1質量%であり、より好ましくは0.001〜0.3質量%である。
用いられるものである旨の表示を付した化粧料、医薬品、食品等として販売することができる。
ウロリチン類の一例としてウロリチンAを用いた場合を説明する。ウロリチンAの分析はHPLCを用いて行った。即ち、ウロリチンA(Dalton Farma社製)を適当な溶媒に溶解させて調製した溶液を下記のHPLC条件下で分析し、純度(%)(A)およびHPLCにおけるピーク面積値(B)を用いて、下記算出式(1)及び算出式(2)によりウロリチンAのファクター及びサンプルのウロリチンA濃度を算出した。
ウロリチンAのファクター=(B)/(ウロリチンAの標準液の濃度(mg/L)×(A)/100) ・・・(1)
(サンプルのウロリチンA濃度算出式)
サンプルのウロリチンA濃度(mg/L)=サンプル中のウロリチンAのピーク面積値/ウロリチンAのファクター ・・・(2)
分析カラム:Inertsil ODS−3(250×4.6mm)(GL Science社製)
検出波長:305nm
移動相:水/アセトニトリル/酢酸 = 74/25/1
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/min
上記条件下、ウロリチンAは16.5分に保持時間を有した。
2−ブロモ−5−メトキシ安息香酸5g(和光純薬工業株式会社製)と塩化アルミニウム15gを150mLのクロロベンゼン中で2.5時間還流した。冷却後、反応液を氷水に移し、250mLのジエチルエーテルを用いて3回抽出を行った。得られた抽出液を減圧濃縮してジエチルエーテルを留去し、2−ブロモ−5−ヒドロキシ安息香酸4.2gを得た。得られた2−ブロモ−5−ヒドロキシ安息香酸3.9gとレゾルシノール3.9g(東京化成工業株式会社製)を9mLの4M NaOH水溶液中で60℃、30分間加熱した。この反応液に10%硫酸銅水溶液1.8mLを加えた後、更に80℃、10分間の加熱を行った。生成した沈殿物をろ過によって回収し、ウロリチンAの白色粉末を得た。
EPI−100長期維持培地(倉敷紡績社)を添加した6wellプレートに皮膚3次元モデルMEL−200(倉敷紡績社)(以下、皮膚モデルとする。)をセットし、5%CO2存在下で37℃、18時間培養した。培養後、皮膚モデルの上層に1、10もしくは100mg/Lに調製したウロリチンA溶液又はウロリチンA無添加の溶液を0.1mL添加し、5%CO2存在下で37℃、48時間培養した。培養後、皮膚モデルの上層に紫外線(UV−B、120mJ/cm2)の照射を行った。その後更に、5%CO2存在下で37℃、24時間培養を行った。
非照射かつウロリチンA無添加としたこと以外は実施例1と同様にしたものを比較例1とした。
比較例1における皮膚モデル中の細胞生存率を100%とした場合の相対値として、下記算出式(3)により、各ウロリチンA濃度における細胞生存率(%)を算出した。
細胞生存率(%)=(実施例1の540nmにおける吸光度/比較例1の540nmにおける吸光度)×100 ・・・(3)
つまり、ウロリチンAが添加されたサンプルでは紫外線照射による細胞死が抑制されたことから、ウロリチン類に紫外線照射による光老化を抑制する効果があることが確認された。
(1)化粧クリームの官能試験
表2に記載の処方に基づいて、試験品1、試験品2、対照品1の化粧クリームを製造した。具体的には、以下のようにして製造した。
まず、精製水にグリセリンを加えて70℃に加熱し、これを水相とした。一方、スクワラン、ミツロウ、精製ホホバ油、グリセリンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタン・モノステアレートを加熱しながら攪拌混合し、70℃にし、これを油相とした。水相を攪拌しながら、ウロリチンAを含む、又は、含まない50%エタノール水溶液を添加後、予め加温しておいた油相を滴下した。全量滴下後、ミキサーで乳化させ、脱気し、冷却することにより化粧クリームとした。
試験品1、2(それぞれ実施例2−1、2−2)、対照品1(比較例2−1)の化粧クリームを用いて官能試験を実施した。
パネラーは、皮膚の「ツッパリ感」が気になると自覚する40代の女性7名で、1日2回朝夕洗顔後、右ほほ周辺には各試験品のクリームを、また左ほほ周辺には対照品1のクリームを3週間使用した。その後、触診でほほの皮膚表面の「ツッパリ感」対照品1と比較した。その結果を表3に示す。
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