JP2017031108A - ウロリチン類を含有する、抗しわ剤、コラーゲン産生促進剤、mmp−1産生抑制剤、及びエラスターゼ活性阻害剤 - Google Patents
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Abstract
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文献7)、パイナップル抽出物(特許文献8)などが確認されている。また、大豆を納豆菌で発酵させた発酵液を用いたコラーゲン産生促進懸濁液や(特許文献9)、タンパク質(リポカリンタンパク質)あるいはそのタンパク質を分解して得られるタンパク質分解物が、皮膚のコラーゲン産生量を増加させるとの報告もある(特許文献10)。
更に、納豆に含まれ長期間の摂取経験のあるビタミンKのうちのメナキノン−7を有効成分として含有するコラーゲン産生促進剤の開発が報告されている(特許文献11)。
<1>
下記一般式(1)で表されるウロリチン類を含有する抗しわ剤。
<2>
下記一般式(1)で表されるウロリチン類を含有するコラーゲン産生促進剤。
<3>
下記一般式(1)で表されるウロリチン類を含有するMMP−1産生抑制剤。
<4>
下記一般式(1)で表されるウロリチン類を含有するエラスターゼ活性阻害剤。
<5>
前記ウロリチン類が下記式(2)で表されるウロリチンAである、<1>に記載の抗しわ剤。
前記ウロリチン類が下記式(2)で表されるウロリチンAである、<2>に記載のコラーゲン産生促進剤。
前記ウロリチン類が下記式(2)で表されるウロリチンAである、<3>に記載のMMP−1産生抑制剤。
前記ウロリチン類が下記式(2)で表されるウロリチンAである、<4>に記載のエラスターゼ活性阻害剤。
本発明に係る、抗しわ剤、コラーゲン産生促進剤、MMP−1産生抑制剤、及びエラスターゼ活性阻害剤は、下記一般式(1)で表されるウロリチン類を含有する。
本発明の第一乃至第四の発明におけるウロリチン類は、特に限定されないが、その構造が上記一般式(1)で表される物質である。また、表1に示すように、ウロリチン類は化学式におけるR1〜R6によって、ウロリチンA、ウロリチンB、ウロリチンC、ウロリチンD、ウロリチンE、ウロリチンM3、ウロリチンM4、ウロリチンM5、ウロリチンM6、ウロリチンM7、及びイソウロリチンAなどが挙げられる。
これらの植物は、いずれか1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、該植物からの抽出方法及び抽出条件は特段限定されず、常法に従えばよい。例えば、水抽出、熱水抽出、温水抽出、アルコール抽出、超臨界抽出等の公知の抽出方法を用いることができる。
ことができる。
本発明の第一の発明は、上記一般式(1)で表されるウロリチン類を含有する抗しわ剤である。本発明の第一の発明に係る抗しわ剤は、上記したウロリチン類のうち一種を含有してもよく、複数種を含有してもよい。
1〜1質量%である。
本発明の第二の発明は、上記一般式(1)で表されるウロリチン類を含有するコラーゲン産生促進剤である。本発明の第二の発明に係るコラーゲン産生促進剤は、上記したウロリチン類のうち一種を含有してもよく、複数種を含有してもよい。
くは0.001〜1質量%である。
本発明の第三の発明は、上記一般式(1)で表されるウロリチン類を含有するMMP−1産生抑制剤である。本発明の第三の発明に係るMMP−1産生抑制剤は、上記したウロリチン類のうち一種を含有してもよく、複数種を含有してもよい。
よいが、ウロリチン類以外に公知の賦形剤、香料、着色料、乳化剤、安定化剤、増粘剤、酵素、防腐剤、滑沢剤、界面活性剤、崩壊剤、崩壊抑制剤、結合剤、吸収促進剤、吸着剤、保湿剤、可溶化剤、保存剤、風味剤、甘味剤等を、本発明の第三の発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて配合することができる。
くは0.001〜1質量%である。
本発明の第四の発明は、上記一般式(1)で表されるウロリチン類を含有するエラスターゼ活性阻害剤である。本発明の第四の発明に係るエラスターゼ活性阻害剤は、上記したウロリチン類のうち一種を含有してもよく、複数種を含有してもよい。
しくは0.001〜1質量%である。
本発明の第一乃至第四の発明に係る、抗しわ剤、コラーゲン産生促進剤、MMP−1産生抑制剤、及びエラスターゼ活性阻害剤を化粧料の素材として用いる場合、いずれも、水溶液、ローション、スプレー液、懸濁液および乳化液などの液状;粉末、顆粒およびブロック状などの固体状;クリームおよびペーストなどの半固体状;ゲル状等の各種所望の剤形の化粧料に調製することができる。このような化粧料は、洗顔料、乳液、クリーム、ゲル、エッセンス(美容液)、パック・マスク等の基礎化粧料、ファンデーション、口紅等のメーキャップ化粧料、口腔化粧料、芳香化粧料、毛髪化粧料、ボディ化粧料等の各種化粧料として有用である。
造することができる。また、化粧料への本発明の第一乃至第四の発明に係る、抗しわ剤、コラーゲン産生促進剤、MMP−1産生抑制剤、及びエラスターゼ活性阻害剤の、配合量、配合方法、配合時期は、いずれも、適宜選択することができる。さらに、必要に応じて、瓶、袋、缶、スプレー缶、噴霧容器、箱、パック等の適宜の容器に封入することができる。
例えば、アニオン性界面活性剤(脂肪酸石鹸、スルホン酸塩型アニオン性界面活性剤、硫酸エステル型アニオン性界面活性剤、リン酸エステル型アニオン性界面活性剤、アシルメチルタウリン塩、モノアルキルリン酸塩、アシルグルタミン酸塩、イセチオン酸エステル塩等)、カチオン性界面活性剤(アミン塩型カチオン性界面活性剤、第四アンモニウム型カチオン性界面活性剤(テトラアルキルアンモニウム型、ピリジニウム型))、非イオン性界面活性剤(グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル等)、両性界面活性剤(イミダゾリン型、ベタイン型、アミノ酸型)、フッソ系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等の天然、合成界面活性剤、
アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アラビアガム、キサンタンガム、ペクチン、トラガント、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カチオン化セルロース、カチオン化デキストラン、カチオン化デキストリン、キトサン、カチオン化ビニルピロリドンポリマー、塩化N,N−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウムポリマー、乳タンパク、大豆タンパク、ゼラチン、卵タンパク、カゼインナトリウム、ホエータンパク等の水溶性高分子、
イチョウ、ツボクサ、トウヤク、ニンジン、シコッピ、カイカ、インチコウ、ヤシャジツ、甘草分画物、ゴカヒ、センプクカ、ヒカイ、ユズリハ、カミツレ、マロニエ、エスシン、テルミナリア、ルスコゲニン、ブッチャーブルーム、コラ、ガラナ、マテ、コーヒー、カカオ、プレクトランタス、タンジン、ビスナガ、シリマリン、ロイコシアニン、オトギリ草、クマハゼ、シソ、オウゴン、ケイガイ、ローズマリー、セージ、タイム、ヨモギ、カワラヨモギ、ソウジュツ、セイヨウノコギリソウ、シコン、ウイキョウ、オウバク、ショウキョウ、トウキ、センキュウ、チンビ、カノコソウ、ビャクシ、トウヒ、芍薬、紅花、菖蒲、ブクリョウ、ハッカ等の植物成分、
コハク酸、フマル酸、クエン酸、ピルビン酸、グルクロン酸、2−ヒドロキシ酪酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、タルトロン酸、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ビタミンA酸、ビタミンC誘導体、ビタミンD、ビタミンE、オリゴペプチド、トラネキサム酸エステル等の活性成分、
多価アルコール、アミノ酸、ムコ多糖類、蛋白質、生体抽出物、発酵代謝物、多糖類、
植物抽出物、リン脂質、セラミドなどの保湿剤、
油脂類(大豆油、ヌカ油、ホホバ油、アボガド油、アーモンド油、カカオ油、オリーブ油、ゴマ油、パーシック油、ヒマシ油、ヤシ油、ミンク油、牛脂、豚脂等の天然油脂、これらの天然油脂を水素添加して得られる硬化油およびミリスチン酸グリセリド、2−エチルヘキサン酸グリセリド等の合成トリグリセリド、ジグリセリド等)、ロウ類(カルナウバロウ、鯨ロウ、ミツロウ、ラノリン等)、炭化水素類(流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、スクワラン、プリスタン等)、高級脂肪酸類(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸等)、高級アルコール類(ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、コレステロール、2−ヘキシルデカノール等)、エステル類(オクタン酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、イソステアリン酸コレスチール等)、精油類(ハッカ油、ジャスミン油、シヨウ脳油、ヒノキ油、トウヒ油、リュウ油、テレピン油、ケイ皮油、ベルガモット油、ミカン油、シヨウブ油、パイン油、ラベンダー油、ベイ油、クローブ油、ヒバ油、バラ油、ユーカリ油、レモン油、ペパーミント油、タイム油、ローズ油、セージ油、メントール、シネオール、オイゲノール、シトラール、シトロネラール、ボルネオール、リナロール、ゲラニオール、カンファー、チモール、スピラントール、ピネン、リモネン、テルペン系化合物等)、シリコーン油類等の油脂成分(エモリエント成分)、
炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、ホウ砂、硫酸ナトリウム、硫化ナトリウム、硝酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、りん酸ナトリウム、塩化カリウム、硫化カリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の無機塩類、
ホウ酸、メタケイ酸、無水ケイ酸等の無機酸類、
黄色4号、青色1号、黄色202号、クロロフィル、リボフラビン、紅花、クロシン、アントラキノン等の色素類、
香料類、
アクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリテトラフルオロエタン等の高分子、これらの高分子のコポリマー、ケイ酸、ケイ酸カルシウム、天然ケイ酸アルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム、ゼオライト、酸化チタン、タルク、カオリン、マイカ、ベントナイト等の微粉体、
硫黄、湯の花、鉱砂、雲母末、中性白土、いり糠、殺菌剤、防腐剤、
をはじめ、その他製剤上必要な成分などが挙げられる。
本発明の第一乃至第四の発明に係る、抗しわ剤、コラーゲン産生促進剤、MMP−1産生抑制剤、及びエラスターゼ活性阻害剤を医薬品の素材として用いる場合、いずれも、その剤形は、予防または治療しようとする疾患や医薬品の使用形態、投与経路等に応じて選択することができる。例えば、錠剤、被覆錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、注射剤、坐剤、浸剤、煎剤、チンキ剤等が挙げられる。これらの各種製剤は、常法に従って主薬に対して必要に応じて充填剤、増量剤、賦形剤、結合剤、保湿剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤などの医薬の製剤技術分野において通常使用し得る既知の補助剤を用いて製剤化することができる。また、この医薬製剤中に着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を含有させてもよい。
対する上記本発明の第一乃至第四の発明に係る、抗しわ剤、コラーゲン産生促進剤、MMP−1産生抑制剤、及びエラスターゼ活性阻害剤の含有量は、各発明による所望の効果が奏される限り特に限定されないが、ウロリチン類の総量として、通常0.0001〜20質量%であり、好ましくは0.001〜5質量%であり、より好ましくは0.003〜1質量%である。
本発明の第一乃至第四の発明に係る、抗しわ剤、コラーゲン産生促進剤、MMP−1産生抑制剤、及びエラスターゼ活性阻害剤を食品の素材として用いる場合、いずれも、一般の食品の他、特定保健用食品、栄養補助食品、機能性食品、病者用食品、食品添加物等として使用できる。食品の形態としては、本発明の第一乃至第四の発明に係る、抗しわ剤、コラーゲン産生促進剤、MMP−1産生抑制剤、及びエラスターゼ活性阻害剤を含む、清涼飲料、ミルク、プリン、ゼリー、飴、ガム、グミ、ヨーグルト、チョコレート、スープ、クッキー、スナック菓子、アイスクリーム、アイスキャンデー、パン、ケーキ、シュークリーム、ハム、ミートソース、カレー、シチュー、チーズ、バター、ドレッシング等を例示することができる。
本発明の第一乃至第四の発明に係る、抗しわ剤、コラーゲン産生促進剤、MMP−1産生抑制剤、及びエラスターゼ活性阻害剤を食品の素材として用いる場合、食品全量に対する上記本発明の第一乃至第四の発明に係る、抗しわ剤、コラーゲン産生促進剤、MMP−1産生抑制剤、及びエラスターゼ活性阻害剤の含有量は、各発明による所望の効果が奏される限り特に限定されないが、ウロリチン類の総量として、通常0.00001〜3質量%であり、好ましくは0.0001〜1質量%であり、より好ましくは0.001〜0.3質量%である。
生抑制剤、及びエラスターゼ活性阻害剤を含有する、化粧料、医薬品、食品等は、それぞれ、抗しわ効果、コラーゲン産生促進効果、MMP−1産生抑制効果、エラスターゼ活性阻害効果、抗しわのために用いられるものである旨の表示を付した化粧料、医薬品、食品等として販売することができる。
ウロリチン類の一例としてウロリチンAを用いた場合を説明する。ウロリチンAの分析はHPLCを用いて行った。即ち、ウロリチンA(Dalton Farma社製)を適当な溶媒に溶解させて調製した溶液を下記のHPLC条件下で分析し、純度(%)(A)およびHPLCにおけるピーク面積値(B)を用いて、下記式(1)及び式(2)によりウロリチンAのファクター及びサンプルのウロリチンA濃度を算出した。
ウロリチンAのファクター=(B)/(ウロリチンAの標準液の濃度(mg/L)×(A)/100)・・・(1)
(サンプルのウロリチンA濃度算出式)
サンプルのウロリチンA濃度(mg/L)=サンプル中のウロリチンAのピーク面積値/ウロリチンAのファクター・・・(2)
分析カラム:Inertsil ODS−3(250×4.6mm)(GL Science社製)
検出波長:305nm
移動相:水/アセトニトリル/酢酸 = 74/25/1
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/min
上記条件下、ウロリチンAは16.5分に保持時間を有した。
2−ブロモ−5−メトキシ安息香酸5g(和光純薬工業株式会社製)と塩化アルミニウム15gを150mLのクロロベンゼン中で2.5時間還流した。冷却後、反応液を氷水に移し、250mLのジエチルエーテルを用いて3回抽出を行った。得られた抽出液を減圧濃縮してジエチルエーテルを留去し、2−ブロモ−5−ヒドロキシ安息香酸4.2gを得た。得られた2−ブロモ−5−ヒドロキシ安息香酸3.9gとレゾルシノール3.9g(東京化成工業株式会社製)を9mLの4M NaOH水溶液中で60℃、30分間加熱
した。この反応液に10%硫酸銅水溶液1.8mLを加えた後、更に80℃、10分間の加熱を行った。生成した沈殿物をろ過によって回収し、ウロリチンAの白色粉末を得た。
[実施例1]
200mM Tris−HCl緩衝液(pH8.5)(1M NaClを含む)、1μ
g/mL好中球由来エラスターゼ(Sigma−Aldrich社製)、試験サンプルとして、終濃度が20、40、80又は100mg/LのウロリチンAを含む組成液を96ウェルマイクロプレートに添加し、37℃、20分間インキュベーションした。ウロリチンAはDMSOに溶解させたものを添加した。その後、0.1mM N−メトキシスクシニル−L−アラニル−L−アラニル−L−プロリル−L−バリン 4−メチルクマリル−7−アミド(Suc(OMe)−Ala−Ala−Pro−Val−MCA)(ペプチド研究所製)(Ala−Ala−Pro−Val:配列番号1)を50μL添加して200μLの反応液を調製し、37℃、30分間酵素反応を行った。この反応液を、励起波長360nm、蛍光波長460nmで蛍光強度を測定することによって、Suc(OMe)−Ala−Ala−Pro−Val−MCAから酵素反応によって遊離する7−アミノ−4−メチルクマリンの生成量を測定した。
試験サンプルを添加しないこと以外は上記実施例1と同様にしたものをコントロールとし、比較例1として用いた。
エラスターゼ活性阻害率(%)={1−(A−B)/(C−D)}×100 ・・・(3)
A:試験サンプルを添加した30分後の蛍光強度
B:試験サンプルを添加後、時間0における蛍光強度
C:コントロールの30分後の蛍光強度
D:コントロールの時間0における蛍光強度
[実施例2]
3D皮膚モデルEpi Derm EPI−200(倉敷紡績社製)(以下、皮膚モデルなどと称することがある。)を、皮膚モデル維持培地 EPI−100Assay培地
(倉敷紡績社製)を添加した6ウェルプレート(以下、試験プレートとする)にセットし、37℃、CO2濃度5%で18時間、培養した。その後、皮膚モデルの上層に終濃度が1、10又は100mg/Lとなるように調製したウロリチンA溶液100μLを添加し、更に48時間培養した。培養後、試験プレートの蓋を開け、皮膚モデル上層にUV照射装置を用いて120mJ/cm2の強度の紫外線(UVB)を照射し、更に48時間培養した。その後、試験プレートから培養液を回収した。培養液中のMMP−1量をMMP−1 ELISA測定キット(R&D Systems社製)を用いて測定した。
ウロリチンAを添加しなかったこと以外は上記実施例2と同様にしたものをコントロールとし、比較例2として用いた。
ウロリチンA濃度とMMP−1産生率との関係を表すグラフを図2に示す。図2に示すように、ウロリチンAは濃度依存的にMMP−1産生を抑制することがわかり、MMP−1産生抑制効果を有することが確認された。
[実施例3]
正常ヒト皮膚線維芽細胞(クロンテック社)(以下、皮膚線維芽細胞などと称することがある。)を、基礎培地Dulbecco's Modified Eagle Medium (Life Technologies社)を添加した96ウェルマイクロプレートに播種し、37℃、CO2濃度5%で24時間、培養した。その後、培養液を除去し、皮膚線維芽細胞の上層に終濃度が0.8、1.6、3.1又は6.3mg/Lとなるように調製したウロリチンA溶液100μLを添加し、更に
48時間培養した。その後、試験プレートから培養液を回収した。培養液中のコラーゲン量を、ELISA測定キット(エーセル株式会社製)を用いて測定した。
ウロリチンAを添加しなかったこと以外は上記実施例3と同様にしたものをコントロールとし、比較例3として用いた。
ウロリチンA濃度とコラーゲン産生率との関係を表すグラフを図3に示す。図3に示すように、ウロリチンAはコラーゲンの産生量を増加させることがわかり、コラーゲン産生促進効果を有することが確認された。
尚、細胞内のコラーゲン分解酵素(コラゲナーゼ)は、紫外線により産生が促されるものである。実施例3及び比較例3における細胞培養は、紫外線を遮蔽する環境下(暗室)で行われたものであることから、相対値が100を超える場合はコラーゲン産生が促進されたことを意味する。
(1)化粧クリームの官能試験
表2記載の処方に基づいて、試験品1、試験品2、対照品1の化粧クリームを製造した。具体的には、以下のようにして製造した。
まず、精製水にグリセリンを加えて70℃に加熱し、これを水相とした。一方、スクワ
ラン、ミツロウ、精製ホホバ油、グリセリンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタン・モノステアレートを加熱しながら攪拌混合し、70℃にし、これを油相とした。水相を攪拌しながら、ウロリチンAを含む、又は、含まない50%エタノール水溶液を添加後、予め加温しておいた油相を滴下した。全量滴下後、ミキサーで乳化させ、脱気し、冷却することにより化粧クリームとした。
試験品1、2(それぞれ実施例4−1、4−2)、対照品1(比較例4−1)の化粧クリームを用いて官能試験を実施した。
官能試験は、20代、30代、40代、50代の健常女性計16名で実施した。被験者の毎日就寝前に、上腕屈側部の3箇所それぞれに、試験品1、試験品2、及び対照品1のクリームを塗布した。3週間後に肌の状態を対照品1を基準に観察し、肌状態を「かなり良好」、「良好」、「普通」、「不良」の4段階で評価した。評価にあたっては、「肌の滑らかさ」、「ハリ感」、「しっとり感」、「つや」の観点から判断した。結果を表3に示す。
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