JP2017003773A - レンズの接着固定構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】レンズの接着固定構造において固定力が弱い接着剤を用いても、レンズを堅固に固定することができるようにする。
【解決手段】接着剤5Aが塗布可能な突出部2dを外周部に有するレンズ2と、突出部2dを間に挟んで対向する第1固定壁部4aおよび第2固定壁部4bを有するレンズ枠3と、第1固定壁部4aおよび突出部2dの間と、第2固定壁部4bおよび突出部2dの間とに、接着剤5Aが充填されて硬化することによって、レンズ2をレンズ枠3に固定する接着剤硬化部5と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、レンズの接着固定構造に関する。
従来、レンズとレンズ枠とを固定する場合に、例えば、UV(紫外線)硬化樹脂、熱硬化樹脂のような接着剤を用いて固定することがある。
例えば、特許文献1には、レンズ枠に接着剤貯留切欠を設け、接着剤貯留切欠においてレンズ枠に挿入されたレンズの側面とレンズ枠とを接着固定することが記載されている。
特開2010−256611号公報
しかしながら、上記のような従来技術には、以下のような問題がある。
接着剤は硬化に伴って体積が収縮するため、接着剤の硬化後にレンズに応力が発生し、レンズに歪みが生じることがある。接着剤の凝集力が大きいとレンズに生じる歪みも大きくなる。レンズに規格を上回る歪みが生じると、光学性能が劣化する原因となる。
近年、薄型のレンズが用いられる機会が増えている。薄型のレンズは、レンズ厚が厚いレンズに比べると剛性が低いため、薄型のレンズには接着剤の体積変化によるより大きな歪みが発生し易い。このため、接着によるレンズの歪みを抑制することが重要な課題となっている。
レンズの歪みを小さくするため、凝集力が小さい接着剤を用いて接着することが考えられるが、そのような接着剤は一般的に固定力が弱いため、接着剤が剥がれてレンズがずれたり、レンズが抜け落ちてしまう可能性がある。
例えば、特許文献1に記載のレンズ接着構造では、接着剤を滴下しやすいように、接着剤貯留切欠が、レンズ枠の軸方向に開口しており、接着剤はレンズの側面のみが接着される。このため、接着剤とレンズの側面との接着部が外力などを受けて破損すると、レンズがレンズ枠から軸方向に抜け落ちてしまう。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、固定力が弱い接着剤を用いても、レンズを堅固に固定することができるレンズの接着固定構造を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様のレンズの接着固定構造は、接着剤が塗布可能な接着用端部を外周部に有するレンズと、前記接着用端部を間に挟んで対向する第1固定部および第2固定部を有するレンズ枠と、前記第1固定部および前記接着用端部の間と、前記第2固定部および前記接着用端部の間とに、前記接着剤が充填されて硬化することによって、前記レンズを前記レンズ枠に固定する接着剤硬化部と、を備える。
上記レンズの接着固定構造においては、前記第1固定部および前記第2固定部は、前記接着用端部を、前記レンズのレンズ光軸に沿う方向において挟んで対向してもよい。
上記レンズの接着固定構造においては、前記レンズの前記接着用端部は、前記レンズの側面の一部から前記レンズ光軸に関する径方向外側に突出された突出部を含み、前記レンズ枠は、内周部に形成され前記突出部が挿入可能な溝部を有し、前記第1固定部および前記第2固定部は、前記溝部に形成されてもよい。
上記レンズの接着固定構造においては、前記溝部は、前記レンズ枠の内周部において周方向に延ばされ、前記第1固定部および前記第2固定部が形成される第1溝部と、前記レンズ枠における軸方向の端部から前記軸方向に延ばされ、前記第1溝部に連通する第2溝部と、を備えてもよい。
上記レンズの接着固定構造においては、前記第2固定部は、前記レンズ枠における軸方向において前記レンズ枠と係合可能に挿入される抜け止め突起を有し、前記接着用端部と対向して配置される板状部材からなり、前記レンズ枠の内周部には、前記第1固定部と、前記抜け止め突起が係合可能に挿入されて、前記抜け止め突起を前記軸方向に抜け止めする抜け止め溝部と、が形成され、前記板状部材は前記接着剤によって前記抜け止め溝部に固定されてもよい。
上記レンズの接着固定構造においては、前記レンズ枠の内周部に、前記軸方向の端部から前記軸方向に延ばされるとともに前記抜け止め溝部に連通し、前記抜け止め突起が前記軸方向に挿入可能とされた挿入溝部が形成されてもよい。
本発明のレンズの接着固定構造によれば、レンズの接着用端部がレンズ枠の第1固定部および第2固定部の間に挟まれ、接着用端部が接着硬化部を介して第1固定部と第2固定部とに固定されるため、固定力が弱い接着剤を用いても、レンズを堅固に固定することができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態のレンズの接着固定構造を備えるレンズユニットの一例を示す模式的な平面図である。 図1におけるA−A断面図である。 本発明の第1の実施形態のレンズの接着固定構造に用いるレンズの一例を示す模式的な平面図である。 図3におけるB−B断面図である。 本発明の第1の実施形態のレンズの接着固定構造に用いるレンズ枠の一例を示す模式的な平面図である。 図5におけるC−C断面図である。 図5におけるD−D断面図である。 本発明の第1の実施形態のレンズの接着固定構造を形成する製造工程を示す工程説明図である。 本発明の第1の実施形態のレンズの接着固定構造を形成する製造工程を示す工程説明図である。 本発明の第1の実施形態のレンズの接着固定構造を形成する製造工程を示す工程説明図である。 本発明の第1の実施形態の変形例のレンズの接着固定構造を備えるレンズユニットの一例を示す模式的な平面図である。 図11におけるE−E断面図である。 本発明の第2の実施形態のレンズの接着固定構造を備えるレンズユニットの一例を示す模式的な平面図である。 図13におけるF−F断面図である。 本発明の第2の実施形態のレンズの接着固定構造に用いる板状部材の一例を示す模式的な平面図である。 図15におけるG−G断面図である。 本発明の第2の実施形態のレンズの接着固定構造に用いるレンズ枠の一例を示す模式的な平面図である。 図17におけるH−H断面図である。 図17におけるJ−J断面図である。 本発明の第2の実施形態のレンズの接着固定構造を形成する製造工程を示す工程説明図である。
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態のレンズの接着固定構造について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態のレンズの接着固定構造を備えるレンズユニットの一例を示す模式的な平面図である。図2は、図1におけるA−A断面図である。図3は、本発明の第1の実施形態のレンズの接着固定構造に用いるレンズの一例を示す模式的な平面図である。図4は、図3におけるB−B断面図である。図5は、本発明の第1の実施形態のレンズの接着固定構造に用いるレンズ枠の一例を示す模式的な平面図である。図6は、図5におけるC−C断面図である。図7は、図5におけるD−D断面図である。
なお、各図面は、模式図のため、寸法や形状は誇張または簡略化されている(以下の図面も同様)。
図1、図2に示すレンズユニット1は、レンズ2、レンズ枠3、および接着剤硬化部5を備える。レンズ2は、レンズ枠3に対して、本実施形態のレンズの接着固定構造によって接着固定されている。
レンズユニット1の用途は、特に限定されない。例えばデジタルカメラの撮影レンズ、顕微鏡、内視鏡に用いるレンズ等の適宜の光学機器に用いることが可能である。
レンズユニット1は、例えば、交換レンズのように、それ自体が製品を構成する形態であってもよいし、製品の一部に固定される部品でもよい。さらに、レンズユニット1は、製品の一部を構成する交換ユニット等の半製品や、製品の製造工程のみに現れる部分組立体であってもよい。
レンズユニット1に固定されるレンズ2の個数は、特に限定されない。レンズユニット1は、1個または2個以上のレンズ2を備えてもよい。
以下では、レンズユニット1は、一例として、一つのレンズ2を備える場合の例で説明する。
本明細書では、例えば、中心軸線あるいはレンズ光軸等の軸線が特定できる軸状、筒状等の部材に関する相対位置について説明する場合に、軸線に沿う方向を軸方向、軸線回りに周回する方向を周方向、軸線に直交する平面において軸線に交差する線に沿う方向を径方向と称する場合がある。特に、レンズ光軸に沿う方向を光軸方向と称する場合がある。また、径方向においては、軸線から離れる方を径方向外側、軸線に近づく方を径方向内側と称する場合がある。
図3に示すように、レンズ2は、第1レンズ面2aと第2レンズ面2bとがレンズ光軸O上に同軸に配置されたレンズである。
レンズ2の外周部には、レンズ光軸Oを中心とする円筒面状のレンズ側面2cと、レンズ側面2cから径方向外側に突出する突出部2d(接着用端部)とが形成されている。レンズ側面2cの外径はD0である。
第1レンズ面2aおよび第2レンズ面2bの面形状は特に限定されず、凸面、凹面、および平面のいずれでもよい。凸面または凹面の具体的な形状も特に限定されず、例えば、球面、非球面、自由曲面等の適宜の形状を採用することができる。
図4に示すレンズ2は、一例として、第1レンズ面2aおよび第2レンズ面2bが凸面からなる両凸レンズである。レンズ2が凸レンズの場合、光軸方向におけるレンズ側面2cの長さT1は、レンズ厚さ(レンズ光軸O上における第1レンズ面2aと第2レンズ面2bとの距離)より短くなる。このため、レンズ2の剛性は中心部に比べて外周部の方が低くなる。
第1レンズ面2aおよび第2レンズ面2bは、それぞれの中心部に、レンズユニット1における設計上の光束通過領域によって規定されるレンズ有効領域を有する。レンズ有効領域は、レンズ光軸Oを中心とするレンズ有効径によって定義される。
本実施形態では、図4に示すように、第1レンズ面2aのレンズ有効径がDa(ただし、Da<D0)、第2レンズ面2bのレンズ有効径がDb(ただし、Db<D0)である。
第1レンズ面2aにおいて、レンズ有効径Daよりも径方向外側の領域は、光束非通過部2eである。第2レンズ面2bにおいて、レンズ有効径Dbよりも径方向外側の領域は、光束非通過部2fである。
レンズ側面2cおよび光束非通過部2e、2fは、レンズユニット1において、光束通過領域外であるため、接着剤が塗布可能な表面である。
突出部2dの個数は、特に限定されないが、図3に示すレンズ2では、一例として、3個である。図3に示すレンズ2の突出部2dは、レンズ側面2cを周方向に三等分する位置にそれぞれ一つずつ形成されている。
各突出部2dは、光軸方向から見て、径方向における突出量(以下、単に突出量という)は、T2(ただし、T2≦T1)である(図4参照)。
突出部2dは、がH1、周方向における幅(以下、単に、幅という)がW1である。各突出部2dにおける光軸方向の厚さ(以下、単に厚さという)は、T2(ただし、T2≦T1)である(図4参照)。
突出部2dの厚さT2は、レンズ側面2cの光軸方向の長さT1以下であるため、レンズ2が薄型化すると、レンズ側面2cとともに減少する。しかし、突出部2dの光軸方向における表面の大きさは、H1×W1の矩形状であり、レンズ2の厚さと無関係である。突出量H1および幅W1は、いずれもレンズ側面2cの光軸方向の長さT1よりも大きい寸法を採用することができる。
レンズ側面2cを接着面として用いる場合、レンズ2の厚さが薄くなるにつれて、接着面が線状になる。これに対して、突出部2dの光軸方向における表面を接着面として用いると、レンズ2の厚さと関係なく一定の接着面の大きさを確保することができる。
レンズ2の材質は、ガラスまたは合成樹脂を採用することができる。
レンズ2の製造方法は、特に限定されない。レンズ2の製造方法は、レンズ2の材質に応じて、例えば、射出成形、モールド成形、切削、研磨などの適宜の製造方法を採用することができる。
本実施形態におけるレンズ2は、一例として、ガラス母材を加工して突出部2dを含む形状を形成し、ガラス研磨加工によって第1レンズ面2aおよび第2レンズ面2bを形成している。
レンズ枠3は、レンズ2を内部に挿入して固定する略円筒状部材である(図1、図2参照)。
図5、図6に示すように、レンズ枠3は、内周面3a(内周部)、レンズ受け部3b、および溝部4を備える。
内周面3aは、レンズ枠3の軸方向の一方の端面である第1端面3cから反対側の第2端面3dに向かって、中心軸線Pに沿って延びる円筒面である。
内周面3aの内径は、レンズ2のレンズ側面2cの外径D0よりも大きい。
内周面3aの内径は、レンズ2の配置精度の必要に応じて適宜の寸法とすることができる。本実施形態では、レンズ2の位置決めは、後述するレンズ受け部3bによって行われる。このため、内周面3aの内径の寸法は、レンズ2がレンズ受け部3bによって位置決めされた状態で、レンズ側面2cと内周面3aとの間に隙間ができる大きさであればよい。
レンズ受け部3bは、内周面3aから径方向内側に突出された突起部からなる。
レンズ受け部3bは、周方向に離間する複数の突起部で構成されてもよいが、図5に示すように、本実施形態では、レンズ受け部3bは、一例として、周方向に連続している。レンズ受け部3bは、中心軸線Pに沿う方向から見ると円環状に形成されている。
レンズ受け部3bの突出方向の先端部は、軸方向に貫通する円孔状の貫通孔3fを構成している。貫通孔3fの内周面の形状は、特に限定されない。図6には、一例として、貫通孔3fの内周面が、中心軸線Pを中心とする円筒面からなる例が示されている。
レンズ受け部3bにおいて、第1端面3c側には、後述する接着剤を受ける接着剤受け面3eが形成されている。
接着剤受け面3eは、中心軸線Pと直交する平面であって、中心軸線Pに沿う方向から見た形状は円環状である。
貫通孔3fの内周面と、接着剤受け面3eとが交差するエッジ部3gは、レンズ2を内周面3aに挿入する際に、第2レンズ面2bのレンズ有効領域外に当接可能な位置に形成される。
エッジ部3gの内径の寸法は、レンズ2のレンズ側面2cの外径D0よりは小さく、レンズ2の第2レンズ面2bのレンズ有効径Db以上である。
レンズ2は、エッジ部3gに第2レンズ面2bが当接すると、レンズ枠3において、軸方向および径方向に位置決めされる。
溝部4は、突出部2dを有するレンズ2を、レンズ枠3における軸方向に沿ってレンズ枠3の内部に挿入し、かつレンズ枠3の内部において軸方向に抜け止めされた状態で配置するため、内周面3aに形成された溝部である。
溝部4は、接着剤受け面3eと第1端面3cとの間の内周面3aにおいて、内周面3aに対して径方向外側に陥没している。
溝部4は、図5に示すように、内周面3aを周方向に3等分する位置にそれぞれ形成されている。各溝部4は、互いに同じ形状を有する。
図7に示すように、溝部4は、径方向に沿って径方向内側から見ると、L字状の形状を有し、軸方向に延びる第2溝部4Bと、第2溝部4Bと連通し周方向に延びる第1溝部4Aと、を備える。
第2溝部4Bは、レンズ2の各突出部2dを挿入して、突出部2dをレンズ枠3における軸方向に移動させるために設けられる。
第1溝部4Aは、第2溝部4Bに沿って軸方向に移動した突出部2dを、周方向に沿って挿入し、レンズ枠3における周方向および軸方向における突出部2dの位置を規制するために設けられる。
図7に示すように、第2溝部4Bは、第1端面3cから軸方向に沿って直線状に延びて形成される。軸方向における第2溝部4Bの長さは、軸方向における第1端面3cから接着剤受け面3eまで距離よりもわずかに短い。
図5に示すように、第2溝部4Bと第1端面3cとが交差する部位には、軸方向から見て略矩形状の端部開口4eが形成されている。
中心軸線Pに直交する方向の断面における第2溝部4Bの溝形状は、端部開口4eと同様の略矩形状である。
第2溝部4Bの溝幅(周方向における幅)の寸法は、突出部2dの幅W1よりも大きいw2である。
第2溝部4Bの溝深さの寸法は、レンズ側面2cからの突出部2dの突出量H1よりも大きい。
図7に示すように、第1溝部4Aは、第2溝部4Bにおける接着剤受け面3e寄りの端部から周方向に延ばされている。
第1溝部4Aが延びる方向は、各溝部4において同方向であれば、軸方向から見て時計回りでもよいし、反時計回りでもよい。
本実施形態では、図2に示すように、各溝部4の第1溝部4Aは、中心軸線Pに沿って第1端面3cから第2端面3dに向かう方向に見たときに、第2溝部4Bに対して時計回り方向に延びる。
第1溝部4Aは、第1固定壁部4a(第1固定部)、第2固定壁部4b(第2固定部)、径方向壁部4c、および周方向壁部4dに囲まれて構成される。
第1固定壁部4aは、第1溝部4Aにおける軸方向の内面のうち、接着剤受け面3e寄りの内面を構成する。
第2固定壁部4bは、第1溝部4Aにおける軸方向の内面のうち、第1端面3c寄りの内面を構成する。
径方向壁部4cは、第1溝部4Aにおける径方向の内面を構成する。
周方向壁部4dは、第1溝部4Aにおける、第2溝部4Bと反対側の周方向の内面を構成する。
第1溝部4Aは、第2溝部4Bに沿って軸方向に移動した突出部2dを、周方向に沿って挿入し、第1固定壁部4aと第2固定壁部4bとの間に隙間をあけて挟むことができるように形成される。
本実施形態におけるレンズユニット1では、レンズ2の第2レンズ面2bがエッジ部3gに当接すると、レンズ枠3に対するレンズ2の軸方向および径方向の位置が決まる。このため、レンズ光軸Oと中心軸線Pとが平行であって、レンズ2がエッジ部3gで受けられた状態では、軸方向における突出部2dの位置は、エッジ部3gに対して所定位置にある。
図2に示すように、第1固定壁部4aは、所定位置の突出部2dよりも第1端面3c寄りの位置に形成される。第2固定壁部4bは、所定位置の突出部2dよりも接着剤受け面3e寄りとなる位置に形成される。
図6に示すように、第1固定壁部4aと第2固定壁部4bとの間の軸方向の距離は、突出部2dの厚さT2よりも大きいw1である。
本実施形態では、所定位置の突出部2dに対して、第1固定壁部4a、第2固定壁部4b、および径方向壁部4cは、それぞれ隙間をあけて対向する。これらの各隙間の大きさは、後述する接着剤が充填可能であれば特に限定されない。ただし、各隙間の大きさは、略等しい(等しい場合を含む)と、後述する接着剤の流動抵抗が略均等(均等の場合を含む)になるため、より好ましい。
本実施形態では、周方向における第1固定壁部4aおよび第2固定壁部4bの長さは、突出部2dの幅W1よりも長い。このため、突出部2dは、第2溝部4Bに挿入されてから、レンズ2とともに中心軸線P回りに回転されることによって、第2溝部4Bを出て、第1溝部4Aの内部に移動することが可能である。
このように、レンズ枠3内で、レンズ2を回転する場合、周方向壁部4dは、周方向における突出部2dの位置を規制するストッパの機能を有する。
レンズ枠3の材質は、接着剤硬化部5を介して、レンズ2を接着固定することができれば、特に限定されない。レンズ枠3の材質は、例えば、金属、合成樹脂を採用することができる。
レンズ枠3の製造方法は、特に限定されない。レンズ枠3の製造方法は、レンズ枠3の材質に応じて、例えば、切削、成形などの適宜の製法を採用することができる。
本実施形態におけるレンズ枠3は、一例として、合成樹脂を射出成形して形成している。
図2に示すように、接着剤硬化部5は、第1固定壁部4aおよび第2固定壁部4bの間に挿入された突出部2dの表面と、少なくとも第1固定壁部4aおよび第2固定壁部4bの間に充填された接着剤が硬化して形成される。接着剤硬化部5は、レンズ2を少なくとも突出部2dの位置でレンズ枠3に対して固定する。
レンズユニット1において、接着用端部である突出部2dを有するレンズ2と、第1固定部および第2固定部である第1固定壁部4aおよび第2固定壁部4bを有するレンズ枠3と、第1固定部および接着用端部の間と、第2固定部および接着用端部の間とに、接着剤が充填されて硬化することによって、レンズ2をレンズ枠3に固定する接着剤硬化部5とは、本実施形態のレンズの接着固定構造を構成している。
本実施形態では、接着剤硬化部5は、さらに、レンズ側面2cと径方向壁部4cとの間、レンズ側面2cと内周面3aとの間、光束非通過部2fと接着剤受け面3eとの間、および光束非通過部2eと内周面3aとの間にも形成されている。このため、接着剤硬化部5は、レンズ2をこれらの形成部位でもレンズ枠3に固定する。
接着剤硬化部5を形成するための接着剤は、接着剤の硬化時の収縮による凝集力等の影響によって発生する第1レンズ面2aおよび第2レンズ面2bの変形が、許容範囲内に収まる接着剤であれば、特に限定されない。
例えば、接着によるレンズ2の歪みに関する規格が「接着前後の光学面の面精度変化がニュートンリング0.5本以下であること」である場合、実験を行うなどして、この規格を満足できる接着剤を選定すればよい。
接着剤硬化部5の形成に用いることができる接着剤の例としては、例えば、紫外線(UV)硬化型接着剤、熱硬化型接着剤を挙げることができる。
次に、レンズユニット1の製造方法について、本実施形態のレンズの接着固定構造の形成方法を中心として説明する。
図8は、本発明の第1の実施形態のレンズの接着固定構造を形成する製造工程を示す工程説明図である。図9は、本発明の第1の実施形態のレンズの接着固定構造を形成する製造工程を示す工程説明図である。図10は、本発明の第1の実施形態のレンズの接着固定構造を形成する製造工程を示す工程説明図である。
レンズユニット1を製造するには、レンズ2とレンズ枠3とを製造した後、接着剤充填工程と、接着剤硬化工程とをこの順に行う。
接着剤充填工程は、レンズ2の突出部2dが、第1溝部4Aにおける第1固定壁部4aおよび第2固定壁部4bの間に挿入された状態で、少なくとも突出部2dと第1固定壁部4aの間、および突出部2dと第2固定壁部4bとの間に接着剤を充填することを含む。
本工程では、接着剤を充填する部位に接着剤を塗布することができれば、接着剤を塗布するタイミングは特に限定されない。
例えば、予め突出部2dを第1固定壁部4aおよび第2固定壁部4bの間に挿入し、その後、少なくとも突出部2dと第1固定壁部4aの間、および突出部2dと第2固定壁部4bとの間に接着剤を充填してもよい。
例えば、予め第1固定壁部4aおよび第2固定壁部4bの間に接着剤を塗布してから、第1固定壁部4aおよび第2固定壁部4bの間にレンズ2の突出部2dを挿入してもよい。
例えば、突出部2dを第1固定壁部4aおよび第2固定壁部4bの間に挿入することと、少なくとも突出部2dと第1固定壁部4aの間、および突出部2dと第2固定壁部4bとの間に接着剤を充填することは、同時並行的に実行されてもよい。
以下では、一例として、突出部2dを第1固定壁部4aおよび第2固定壁部4bの間に挿入することと、少なくとも突出部2dと第1固定壁部4aの間、および突出部2dと第2固定壁部4bとの間に接着剤を充填することを同時並行的に実行する例で説明する。
図8に示すように、レンズ枠3の第1端面3cを上方に向け、レンズ枠3を図示略の保持台に配置する。
次に、図8に二点鎖線で示すように、レンズ枠3の上方において、第2レンズ面2bをレンズ枠3のレンズ受け部3bの方に向けて、レンズ2を保持する。レンズ2を保持するには、図示略のレンズ保持具を用いる。レンズ保持具としては、例えば、レンズ2を吸着する吸着部を有する搬送ロボットなどを採用することができる。
レンズ枠3の上方においてレンズ2を保持する際、レンズ枠3に対するレンズ2の位置は、レンズ光軸Oが中心軸線Pと略同軸となり、光軸方向から見て、突出部2dがレンズ枠3の各端部開口4eに重なるように位置合わせする。
その後、図示略のレンズ保持具を用いて、レンズ2をレンズ枠3の内周面3aおよび第2溝部4Bの内側に挿入する。
第2レンズ面2bが、エッジ部3gと接触したら、図示略のレンズ保持具によるレンズ2の保持を解除する。
レンズ2は、自重によって、エッジ部3g上に載置される。第2レンズ面2bがエッジ部3gに当接することによって、レンズ2は、レンズ枠3に対して、軸方向および径方向員位置決めされる。
次に、図9に示すように、接着剤吐出装置6によって、端部開口4eから第2溝部4B内に接着剤5Aを吐出する。
接着剤5Aは、第2溝部4B内の突出部2dの上側の表面において、少なくとも第1固定壁部4aの位置を超えるように吐出される。
塗布された接着剤5Aは自重によって下方に移動する。このため、接着剤5Aの塗布量を適宜に設定することによって、接着剤5Aは、第2溝部4Bの内面および突出部2dの表面に沿って移動し、接着剤受け面3eと突出部2dとの間も充填される。周方向に移動する接着剤5Aの一部は、第1溝部4Aの内部にも移動する。
次に、レンズ2を図示略のレンズ保持具によって保持し、レンズ2を中心軸線P回りに回転することによって、各突出部2dを第1溝部4A内に移動する。本実施形態では、図10に示すように、中心軸線Pを中心として図示時計回りにレンズ2を回転することによって、各突出部2dを各第2溝部4Bに連通する第1溝部4A内に移動する。
各突出部2dは、各突出部2dの幅方向の一部が第1溝部4A内に移動すればよいが、本実施形態では、一例として、突出部2dの幅方向の全体が第1溝部4A内に入るように移動する。各突出部2dは、周方向壁部4dと当接する位置まで移動してもよいし、周方向において周方向壁部4dから離間する位置に移動してもよい。
このようにして、各突出部2dを第1溝部4Aに移動すると、各突出部2dの周囲に塗布された接着剤5Aは、接着剤5Aの粘性によって、突出部2dとともに周方向に移動する。
突出部2dの移動によって空いた第2溝部4B内の空間には、より上方に塗布された接着剤5Aが下降するため、突出部2dが移動した後の空間にも接着剤5Aが補充される。 接着剤5Aの塗布量および第1溝部4Aの容積を適宜設定することによって、突出部2dの移動先において、接着剤5Aが、突出部2dと第1固定壁部4aとの間および突出部2dと第2固定壁部4bとの間に充填される。
突出部2dと第1固定壁部4aとの間および突出部2dと第2固定壁部4bとの間に入りきらない接着剤5Aは、突出部2dと径方向壁部4cとの間、あるいは突出部2dと周方向壁部4dとの間にも充填される。
このようにして、図10に示すように、各第2溝部4Bの下端部および各第1溝部4Aの内部に接着剤5Aが塗布される。このとき、内周面3aとレンズ側面2cとの間の隙間には、接着剤5Aは塗布されていない。
次に、図示は省略するが、接着剤吐出装置6とレンズ枠3とを相対回転しつつ、内周面3aとレンズ側面2cとの隙間に向けて接着剤5Aを吐出し、内周面3aとレンズ側面2cとの隙間に周方向にわたって接着剤5Aを塗布する。このとき、接着剤5Aは、第1レンズ面2a上では光束非通過部2eの範囲のみに付着するように塗布する。
このようにして、図1、図2に示すように、接着剤硬化部5を形成する領域に、接着剤5Aが充填される。
以上で本実施形態における接着剤充填工程が終了する。
次に、接着剤硬化工程を行う。本工程は、レンズ2とレンズ枠3とに塗布された接着剤5Aを硬化させる工程である。
接着剤5Aの硬化手段は、接着剤5Aの種類に応じて適宜の硬化手段を採用することができる。
例えば、接着剤5AがUV硬化型接着剤の場合には、接着剤5Aの塗布領域に、紫外線を照射して硬化させる。
例えば、接着剤5Aが熱硬化型接着剤の場合には、接着剤5Aが硬化する温度まで接着剤5Aを加熱して硬化させる。
接着剤5Aの硬化が完了して、接着剤5Aが充填された領域に接着剤硬化部5が形成されたら、本工程が終了する。
以上で、本実施形態のレンズの接着固定構造を備えるレンズユニット1が製造される。
レンズユニット1における本実施形態のレンズの接着固定構造によれば、第1溝部4Aにおいて、第1固定壁部4aと第2固定壁部4bとの間に接着剤硬化部5を介して突出部2dが固定される。
このため、突出部2dは、接着剤硬化部5を介して第1固定壁部4aと第2固定壁部4bと間に挟み込まれているため、突出部2dの片面のみが接着される場合に比べて、強固に接着される。
レンズユニット1に光軸方向に衝撃が作用する場合、第1固定壁部4aおよび第2固定壁部4bのいずれかから、衝撃に対する反力が接着面に直交する方向に発生するため、接着剤硬化部5の固定力が低い場合でも、接着面の剥がれが生じにくい。
レンズユニット1の径方向(周方向)に衝撃が作用する場合、突出部2dと接着剤硬化部5との間には、径方向(周方向)に沿うせん断力が作用するが、突出部2dを固定する接着剤硬化部5が突出部2dの表裏面を固定しているため、接着剤硬化部5の固定力が低い場合でも、接着面の剥がれが生じにくい。
さらに、突出部2dは、レンズ2が薄い場合でも、突出量H1と幅W1とを、レンズ側面2cの厚さT1と無関係に設定することができるため、十分な接着強度が得られる接着面積を確保することができる。この点でも接着剤硬化部5の固定力が低い場合でも、接着面の剥がれが生じにくい。
したがって、レンズユニット1によれば、固定力が弱い接着剤を用いても、レンズを堅固に固定することができる。
さらに、本実施形態では、突出部2dと径方向壁部4cとの間、およびレンズ側面2cと内周面3aとの間の全周にも接着剤硬化部5が形成されていることによっても、固定力が弱い接着剤を用いても、レンズ2を堅固に固定することができる。
[変形例]
本発明の第1の実施形態の変形例レンズの接着固定構造について説明する。
図11は、本発明の第1の実施形態の変形例のレンズの接着固定構造を備えるレンズユニットの一例を示す模式的な平面図である。図12は、図11におけるE−E断面図である。
図11、図12に示すように、本変形例のレンズユニット11は、上記第1の実施形態の接着剤硬化部5に代えて、接着剤硬化部15を備える。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
本変形例における接着剤硬化部15は、上記第1の実施形態における接着剤硬化部5のうち、内周面3aとレンズ側面2cとが対向する周方向の領域における接着剤硬化部5をすべて削除して構成される。
すなわち、各溝部4によって周方向に挟まれる円弧状の範囲において、レンズ側面2cと内周面3aとの間、光束非通過部2eと内周面3aとの間、および接着剤受け面3eと光束非通過部2fとの間には、接着剤硬化部15は形成されていない。
本変形例において、接着剤硬化部15は、少なくとも突出部2dと第1固定壁部4aとの間、および突出部2dと第2固定壁部4bとの間に形成されている。接着剤硬化部15は、突出部2dと径方向壁部4cとの間および突出部2dと周方向壁部4dとの間に形成されていてもよい。さらに、接着剤硬化部15は、溝部4に面する位置のレンズ側面2cと溝部4との間、および溝部4に面する位置の接着剤受け面3eと光束非通過部2fとの間に形成されていてもよい。
このように、接着剤硬化部15は、周方向において、溝部4の位置に対応する三箇所に分かれて形成されている。このため、上記第1の実施形態では、接着剤硬化部5がレンズ2の外周部を全周にわたって接着固定しているのに対して、本変形例では、接着剤硬化部15は、レンズ2の外周部を突出部2dの近傍のみで接着固定している。
このような構成のレンズユニット11は、上記第1の実施形態におけるレンズユニット1の製造工程の一部を省略することによって製造できる。
本変形例の接着剤充填工程では、上記第1の実施形態と同様にして、第2溝部4Bから接着剤5Aを塗布してから、レンズ2を回転して、突出部2dを第1溝部4Aに移動する。
本変形例の接着剤充填工程では、この後、レンズ側面2cと内周面3aとの間に接着剤5Aを塗布することはせずに、接着剤充填工程を終了する。
次に、上記第1の実施形態と同様にして、接着剤硬化工程を実行する。
以上で、図11、図12に示すようなレンズユニット11が製造される。
本変形例では、第1溝部4A内の接着剤硬化部15の構成は、上記第1の実施形態における第1溝部4A内の接着剤硬化部5の構成と同一である。このため、レンズユニット11は、上記第1の実施形態と同様にして、固定力が弱い接着剤を用いても、レンズを堅固に固定することができる。
特に本変形例によれば、レンズ2を主として、突出部2dの近傍のみで接着固定することができるため、径方向における光束非通過部2e、2fの幅が狭い場合でも、容易に接着固定することができる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態のレンズの接着固定構造について説明する。
図13は、本発明の第2の実施形態のレンズの接着固定構造を備えるレンズユニットの一例を示す模式的な平面図である。図14は、図13におけるF−F断面図である。図15は、本発明の第2の実施形態のレンズの接着固定構造に用いる板状部材の一例を示す模式的な平面図である。図16は、図15におけるG−G断面図である。図17は、本発明の第2の実施形態のレンズの接着固定構造に用いるレンズ枠の一例を示す模式的な平面図である。図18は、図17におけるH−H断面図である。図19は、図17におけるJ−J断面図である。
図13、図14に示すレンズユニット21は、レンズ22と、レンズ枠23と、接着固定板27(板状部材)と、接着剤硬化部25とを備える。レンズユニット21におけるレンズ22は、レンズ枠23に対して、本実施形態のレンズの接着固定構造によって接着固定されている。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
レンズユニット21の用途は、特に限定されず、上記第1の実施形態のレンズユニット1と同様の用途に用いることが可能である。
レンズユニット21に固定されるレンズ22の個数は、特に限定されない。レンズユニット1は、1個または2個以上のレンズ2を備えてもよい。
以下では、レンズユニット21は、一例として、一つのレンズ22を備える場合の例で説明する。
レンズ22は、上記第1の実施形態におけるレンズ2における突出部2dが削除されている点を除いて、レンズ2と同様の構成を有する。
レンズ枠23は、上記第1の実施形態におけるレンズ枠3の溝部4に代えて、溝部24を備える。
溝部24は、上記第1の実施形態における溝部4が、レンズ2の突出部2dを挿入する溝部であるのに対して、後述する接着固定板27を挿入するための溝部である。
ここで、レンズ枠23の溝部24について説明する前に接着固定板27の構成について説明する。
図15に示すように、接着固定板27は、平面視円環状のリング部27a(第2固定部)と、リング部27aから径方向外側に突出する複数の抜け止め突起27dとを備える。
抜け止め突起27dの個数は、特に限定されないが、本実施形態では、一例として、3個である。抜け止め突起27dは、リング部27aを周方向に三等分する位置にそれぞれ一つずつ形成されている。
図16に示すように、接着固定板27は、厚さT3を有する板状部材からなる。
図15に示すように、リング部27aの外周部には、周方向に隣り合うリング部27aの間に、レンズ枠3の内周面3aの内径よりも小さい外径を有する円周に沿う嵌合部27cが形成されている。嵌合部27cの外径は、中心部開口27bが光束通過領域に重ならないように接着固定板27を位置決めすることができ、かつ内周面3aとの間に接着剤硬化部25を形成する接着剤が通過可能な隙間が形成される大きさとする。
リング部27aの中心部には、嵌合部27cの中心軸線Qを中心とする円孔からなる中心部開口27bが板厚方向に貫通している。
中心部開口27bの内径の大きさは、レンズ22のレンズ外径であるD0よりも小さく、かつレンズ22のレンズ有効径であるDaよりも大きい。
各抜け止め突起27dは、中心軸線Qに沿う方向から見て、径方向における突出量がH3、周方向における幅がW3である。
各抜け止め突起27dには、後述する接着剤硬化部25を形成する接着剤5Aが導入しやすいように、板厚方向に貫通する接着剤導入開口27eが形成されている。
図15に示す接着剤導入開口27eの形状は、中心軸線Qに沿う方向から見て矩形状であるが、抜け止め突起27dの形状は矩形状には限定されない。抜け止め突起27dは、例えば、円孔、長円孔などの矩形孔以外の形状でもよい。
接着固定板27の材質は、レンズ枠23内に固定されるレンズ22を抜け止めできる強度を有していれば、特に限定されない。接着固定板27の材質は、例えば、金属、合成樹脂などでもよい。
次に、レンズ枠23の詳細構成について説明する。
図17、図18に示すように、レンズ枠23の溝部24は、接着剤受け面3eと第1端面3cとの間の内周面3a(内周部)において、内周面3aに対して径方向外側に陥没している。
溝部24は、図17に示すように、内周面3aを周方向に3等分する位置にそれぞれ形成されている。各溝部24は、互いに同じ形状を有する。
図19に示すように、溝部24は、径方向に沿って径方向内側から見ると、L字状の形状を有し、軸方向に延びる第2溝部24B(挿入溝部)と、第2溝部24Bと連通し周方向に延びる第1溝部24A(抜け止め溝部)と、を備える。
第2溝部24Bは、接着固定板27の抜け止め突起27dがレンズ枠23における軸方向に挿入可能とされた挿入溝部である。
第1溝部24Aは、第2溝部24Bに沿ってレンズ枠23における軸方向に移動した抜け止め突起27dが周方向に挿入され、挿入された抜け止め突起27dを軸方向に抜け止めする抜け止め溝部である。
図19に示すように、第2溝部24Bは、第1端面3cから軸方向に沿って直線状に延びて形成される。第2溝部24Bは、軸方向において、接着剤受け面3eから高さh3の位置まで延びている。
図17に示すように、第2溝部24Bと第1端面3cとが交差する部位には、軸方向から見て略矩形状の端部開口24eが形成されている。
中心軸線Pに直交する方向の断面における第2溝部24Bの溝形状は、端部開口24eと同様の略矩形状である。
第2溝部24Bにおける周方向の溝幅は、周方向における抜け止め突起27dの幅W3よりも大きいw4である。
第2溝部24Bにおいて、径方向における溝深さ寸法は、接着固定板27における中心部開口27bからの抜け止め突起27dの突出量H3よりも大きい。
図19に示すように、第1溝部24Aは、第2溝部24Bにおける接着剤受け面3e寄りの端部から周方向に延ばされている。
第1溝部24Aが延びる方向は、各溝部24において同方向であれば、軸方向から見て時計回りでもよいし、反時計回りでもよい。
本実施形態では、図17に示すように、各溝部24の第1溝部24Aは、中心軸線Pに沿って第1端面3cから第2端面3dに向かう方向に見たときに、第2溝部24Bに対して時計回り方向に延びる。
第1溝部24Aは、第1固定壁部24a、第2固定壁部24b、径方向壁部24c、および周方向壁部24dに囲まれて構成される。
第1固定壁部24aは、第1溝部24Aにおける軸方向の内面のうち、接着剤受け面3e寄りの内面を構成する。
第2固定壁部24bは、第1溝部24Aにおける軸方向の内面のうち、第1端面3c寄りの内面を構成する。
径方向壁部24cは、第1溝部24Aにおける径方向の内面を構成する。
周方向壁部24dは、第1溝部24Aにおける、第2溝部24Bと反対側の周方向の内面を構成する。
第1溝部24Aは、第2溝部24Bに沿って軸方向に移動した抜け止め突起27dを、周方向に沿って挿入し、第1固定壁部24aと第2固定壁部24bとの間に嵌合することができるとともに、図示略の接着剤5Aが充填できる形状および大きさに形成される。
第1溝部24Aにおいて、第1固定壁部24aおよび第2固定壁部24bの間の隙間w3は、接着固定板27の板厚T3よりもわずかに広い。
接着剤受け面3eからの第1固定壁部24aの高さh3は、接着固定板27の抜け止め突起27dを挿入した際に、接着固定板27と、エッジ部3g上に載置されたレンズ22の第1レンズ面2aとの間に軸方向の隙間が形成される高さである。このため、接着固定板27は、第1レンズ面2aとは接触しない。
本実施形態では、周方向における第1固定壁部24aおよび第2固定壁部24bの長さは、抜け止め突起27dの幅W3よりも長い。このため、抜け止め突起27dは、第2溝部24Bに挿入されてから、中心軸線P回りに回転されることによって、第2溝部24Bを出て、第1溝部24Aの内部に移動することが可能である。
このように、レンズ枠23内で、レンズ22を回転する場合、周方向壁部24dは、抜け止め突起27dの周方向の位置を規制するストッパの機能を有する。
図14に示すように、接着剤硬化部25は、少なくとも、第1溝部24Aの内部、レンズ枠23の接着剤受け面3eと第2レンズ面2bの光束非通過部2fとの間、および接着固定板27の第1表面27fと第1レンズ面2aの光束非通過部2eとの間に充填された接着剤が硬化して形成される。接着剤としては、上記第1の実施形態と同様の接着剤5Aを用いることができる。
このため、接着剤硬化部25は、各第1溝部24Aに挿入された各抜け止め突起27dをそれぞれ第1溝部24Aの内面に固定している。さらに、接着剤硬化部25は、第1レンズ面2aの光束非通過部2eを、接着固定板27の第1表面27fに固定しているとともに、第2レンズ面2bの光束非通過部2fをレンズ枠23の接着剤受け面3eに固定している。
ここで、接着固定板27の第1表面27fは、第1固定壁部4aおよび第2固定壁部4bの間に挿入された抜け止め突起27dによってレンズ枠23に組み立てられた接着固定板27の表面のうち、第1固定壁部4aに面する方の表面である。
本実施形態における接着剤硬化部25は、上記第1の実施形態における接着剤硬化部5と同様、接着剤5Aを充填後に硬化して形成される。
接着剤硬化部25は、第1表面27fおよび接着剤受け面3eに挟まれたレンズ22の外周部の全周にわたって形成されていてよいし、周方向の一部に形成されていてもよい。
接着剤硬化部25が周方向の一部に形成される場合、接着剤硬化部25は、レンズ22を挟んで互いに対向する位置に形成される。接着剤硬化部25が周方向の一部に形成される場合、接着剤硬化部25は、少なくとも、抜け止め突起27dが形成された部位に形成されることがより好ましい。
本実施形態では、一例として、接着剤硬化部25は、第1表面27fおよび接着剤受け面3eに挟まれたレンズ22の外周部の全周にわたって形成されている。
図14に示すように、本実施形態においては、接着剤硬化部25は、径方向壁部24cとレンズ側面2cとの間、レンズ側面2cと内周面3aとの間、および接着固定板27における第2表面27gと内周面3aとの間にも形成される。ここで、第2表面27gは、接着固定板27の板厚方向において第1表面27fと反対側の表面である。
本実施形態では、これらの部位に形成された接着剤硬化部25も、レンズ22およびレンズ枠23の周方向の全体にわたって形成されている。
本実施形態では、レンズ22における接着用端部は、第1レンズ面2aの光束非通過部2e、第2レンズ面2bの光束非通過部2f、およびレンズ側面2cで構成される。
レンズユニット21において、外周部に接着用端部を有するレンズ22と、第1固定部である接着剤受け面3eを有し、第2固定部である接着固定板27が固定されたレンズ枠23と、第1固定部および接着用端部の間と、第2固定部および接着用端部の間とに、接着剤が充填されて硬化することによって、レンズ22をレンズ枠23に固定する接着剤硬化部25とは、本実施形態のレンズの接着固定構造を構成している。
次に、レンズユニット21の製造方法について、本実施形態のレンズの接着固定構造の形成方法を中心として説明する。
図20は、本発明の第2の実施形態のレンズの接着固定構造を形成する製造工程を示す工程説明図である。
レンズユニット21を製造するには、レンズ22、レンズ枠23、および接着固定板27を製造した後、接着剤充填工程と、接着剤硬化工程とをこの順に行う。
本実施形態における接着剤充填工程は、レンズ22と接着固定板27とがレンズ枠23に挿入された状態で、接着剤硬化部25を形成する部位に接着剤5Aを充填することを含む。
本工程では、例えば、予めレンズ枠23に接着剤5Aを塗布した後、レンズ22と接着固定板27とをこの順にレンズ枠23に挿入してもよいし、レンズ22と接着固定板27とをレンズ枠23にこの順に挿入した後、接着剤5Aを充填してもよい。
予めレンズ枠23に接着剤5Aを塗布した後、レンズ22と接着固定板27とをこの順にレンズ枠23に挿入する場合、接着固定板27は、各抜け止め突起27dを各溝部24の第2溝部24Bに沿って軸方向に挿入した後、接着固定板27を中心軸線P回りに回転させて、各第1溝部24Aに移動する。
この場合、予めレンズ枠23の各所に塗布する接着剤5Aの塗布量を適宜設定することによって、挿入されたレンズ22および接着固定板27と、レンズ枠23との間の隙間に、接着剤5Aが充填される。
以下では、一例として、レンズ22と接着固定板27とをレンズ枠23にこの順に挿入した後、接着剤5Aを充填する場合の例で説明する。
まず、レンズ22と接着固定板27とをレンズ枠23にこの順に挿入する。
図示は省略するが、上記第1の実施形態と同様に、レンズ枠23の第1端面3cを上方に向け、レンズ枠23を図示略の保持台に配置する。
次に、第2レンズ面2bをレンズ枠23のレンズ受け部3bの方に向けて、レンズ22を内周面3a内に挿入する。
次に、レンズ枠23の上方において、第1表面27fをレンズ枠23のレンズ受け部3bの方に向けて、接着固定板27を保持する。接着固定板27は、例えば、吸着する吸着部を有する搬送ロボットなどを用いて移動および回転可能に保持される。
このとき、レンズ枠23に対する接着固定板27の位置は、中心軸線Qが中心軸線Pと略同軸となり、軸方向から見て、抜け止め突起27dがレンズ枠23の各端部開口24eに重なるように位置合わせする。
その後、接着固定板27を下降して、接着固定板27をレンズ枠23の内周面3aおよび第2溝部24Bの内側に挿入する。
接着固定板27が第2溝部24Bの下端部に達するか、または、抜け止め突起27dを第1溝部24Aに挿入可能な高さまで下降したら、接着固定板27の移動を停止する。
次に、上記第1の実施形態と同様にして、接着剤吐出装置6によって、端部開口24eから第2溝部24B内に接着剤5Aを吐出する。
接着剤5Aは、一部が第2溝部24B内に保持された抜け止め突起27d上に残り、その他が抜け止め突起27dの外周部および接着剤導入開口27eの内部を通って、第2溝部24B内に充填される。
接着剤5Aは、さらに自重によって、抜け止め突起27d上および第2溝部24Bの下端部に拡がる。周方向に移動した接着剤5Aは、第1溝部24Aの内部に移動する。径方向に移動した接着剤5Aは、内周面3aとレンズ側面2cとの間の隙間に侵入して接着剤受け面3eまで間にも充填される。
このようにして、接着剤5Aは、第2溝部4Bの近傍におけるレンズ枠23の表面およびレンズ22の外周部の表面に塗布される。
次に、接着固定板27を中心軸線P回りに回転することによって、各抜け止め突起27dを第1溝部24A内に移動する。本実施形態では、図20に示すように、中心軸線Pを中心として図示時計回りに接着固定板27を回転することによって、各抜け止め突起27dを第1溝部24A内に移動する。
各接着固定板27は、抜け止め突起27dの幅方向の全体が第1溝部24A内に入るように移動する。各抜け止め突起27dは、周方向壁部24dと当接する位置まで移動してもよいし、周方向において周方向壁部24dから離間する位置に移動してもよい。
このようにして、各抜け止め突起27dを第1溝部24Aに移動すると、各抜け止め突起27dの周囲に塗布された接着剤5Aは、接着剤5Aの粘性によって、抜け止め突起27dとともに第1溝部24Aに移動する。
接着剤5Aの塗布量および第1溝部24Aの容積を適宜に設定することによって、第1溝部24Aの内面と抜け止め突起27d間に接着剤5Aが充填される。
このとき、図20に示すように、接着剤5Aは、第1溝部24A、第2溝部24B、およびこの近傍に塗布されているのみである。
次に、本工程では、接着剤吐出装置6とレンズ枠23とを相対移動しつつ接着剤5Aを吐出することによって、各第2溝部24Bと、接着固定板27の外周部とに接着剤5Aを塗布する。このとき、接着剤5Aは、接着固定板27の中心部開口27bからはみ出さないようにする。
第2溝部24Bに吐出される接着剤5Aは、第2溝部24Bから径方向内側に移動し、第2溝部24Bに面する領域の内周面3aとレンズ側面2cとの間に充填される。
接着固定板27の外周部に吐出される接着剤5Aは、その一部が、嵌合部27cと内周面3aとの間の隙間を通して下方に移動する。
接着固定板27の第2表面27g上に残る接着剤5Aは、表面張力によって嵌合部27cと内周面3aとの隙間を塞ぐ。
接着固定板27よりも下方に移動する接着剤5Aは、第1表面27fと第1レンズ面2aにおける光束非通過部2eとの間、内周面3aとレンズ側面2cとの間、および接着剤受け面3eと第2レンズ面2bにおける光束非通過部2fとの間に充填される。
このようにして、図13、図14に示すように、接着剤硬化部25を形成する領域に、接着剤5Aが充填される。
以上で本実施形態における接着剤充填工程が終了する。
次に、接着剤硬化工程を行う。本工程は、レンズ22とレンズ枠23とに塗布された接着剤5Aを硬化させる工程であり、上記第1の実施形態と同様にして行われる。
接着剤5Aの硬化が完了して、接着剤5Aが充填された領域に接着剤硬化部25が形成されたら、本工程が終了する。
接着剤5Aが硬化すると、第1溝部24Aの内部、および嵌合部27cと内周面3aとの間で硬化した接着剤硬化部25によって、接着固定板27がレンズ枠23に固定される。
さらに、レンズ枠23の内周面3a、接着剤受け面3e、および接着固定板27の第1表面27fと、レンズ22の外周部との間とで硬化した接着剤硬化部25によって、レンズ22の外周部が、接着剤受け面3eと接着固定板27のリング部27aとの間に挟まれて固定される。
以上で、本実施形態のレンズの接着固定構造を備えるレンズユニット21が製造される。
レンズユニット21における本実施形態のレンズの接着固定構造によれば、第2固定部である接着固定板27のリング部27aが、第1固定部である接着剤受け面3eに対向する位置においてレンズ枠23と固定される。
レンズ22の接着用端部である第1レンズ面2aの光束非通過部2e、第2レンズ面2bの光束非通過部2f、およびレンズ側面2cは、周方向にわたって、接着剤受け面3eとリング部27aとに挟まれる。レンズ22は、接着剤硬化部25によってレンズ枠23と固定される。接着剤硬化部25は、少なくとも、リング部27aと第1レンズ面2aの光束非通過部2eとの間および接着剤受け面3eと第2レンズ面2bの光束非通過部2fとの間に形成される。
このため、レンズ22の外周部が、接着剤硬化部25を介して接着剤受け面3eとリング部27aと間に挟み込まれているため、接着剤受け面3eのみと接着されている場合に比べて、強固に接着される。
レンズユニット21に光軸方向に衝撃が作用する場合、接着剤受け面3eおよびリング部27aのいずれかから、衝撃に対する反力が接着面に直交する方向に発生するため、接着剤硬化部25の固定力が低い場合でも、接着面の剥がれが生じにくい。
レンズユニット21の径方向(周方向)に衝撃が作用する場合、レンズ22の外周部と接着剤硬化部25との間には、径方向(周方向)に沿うせん断力が作用するが、レンズ22の外周部を固定する接着剤硬化部25が互いに軸方向に対向する位置で光束非通過部2e、2fを固定しているため、接着剤硬化部5の固定力が低い場合でも、接着面の剥がれが生じにくい。
したがって、レンズユニット21によれば、固定力が弱い接着剤を用いても、レンズを堅固に固定することができる。
さらに、本実施形態では、レンズ側面2cと内周面3aとの間の全周にも接着剤硬化部25が形成されていることによっても、固定力が弱い接着剤を用いても、レンズ22を堅固に固定することができる。
なお、上記各実施形態および変形例の説明では、レンズの接着用端部が、レンズ側面から突出した突起部またはレンズの外周部の場合の例で説明した。
しかし、レンズの形状は、レンズ面の外周側に径方向の突出するフランジ部を有する形状でもよい。この場合、フランジ部をレンズの接着用端部として用いてもよいし、接着用端部をフランジ部から突出させてもよい。
上記第1の実施形態および変形例の説明では、突出部2dが径方向も突出して形成された場合の例で説明したが、レンズの突出部の突出方向は、これには限定されない。レンズの突出部の突出方向は、レンズ枠が有する溝部の配置に合わせて適宜の方向にすることができる。
例えば、上記第1の実施形態におけるレンズ枠3の内周部であるレンズ受け部3bに、軸方向に凹んだ溝部を設けてもよい。この場合、レンズにおいて、接着用端部を構成する突起部は、レンズの外周部から光軸方向に突出させればよい。この変形例は、接着用端部が、径方向に対向する第1固定部および第2固定部を備える溝部に挿入して固定される場合の例になっている。
上記第1の実施形態および変形例の説明では、突出部2dを軸方向に対向する第1固定部および第2固定部を備える溝部に挿入して固定する場合の例で説明した。
しかし、第1固定部および第2固定部は、周方向に対向して配置されてもよい。
上記各実施形態の説明では、突出部2d(抜け止め突起27d)を挿入する溝部4(24)が、径方向から見てL字状に形成される場合の例で説明した。しかし、このような溝部4(24)の形状は一例であり、L字状には限定されない。
上記各実施形態の説明では、レンズ枠3(23)が、軸方向から見て円環状のレンズ受け部3bを備える場合の例で説明した。
この場合、レンズ受け部3bによって、塗布された接着剤のだれを抑制することができる。
さらに、レンズ2(22)を周方向にわたって接着する場合に、レンズ受け部3bの接着剤受け面3eを接着剤塗布面として用いることができる。
さらに、レンズ受け部3bのエッジ部3gによって、レンズ2(22)を周方向に受けることができるため、レンズ2(22)の位置決めや安定した支持が可能である。
しかし、接着剤の粘性などによって、だれが生じにくい場合や、レンズの外周部を全周にわたって接着する必要がない場合には、レンズ受け部3bは周方向に離間した複数箇所に設けてもよい。
上記各実施形態および変形例の説明では、レンズ2(22)が、レンズ枠3(23)のエッジ部3gによって支持された状態で、レンズ枠3(23)と固定される場合の例で説明した。しかし、レンズ2(22)を接着時に位置調整して、レンズ2(22)を調整値に保持した状態で接着するようにしてもよい。この場合、接着剤5Aは、塗布量および粘度を適宜設定することによって、接着剤5Aがレンズ受け部3bよりも下方に流れ落ちないようにする。
上記各実施形態の説明では、レンズ側面2cと内周面3aとの間の隙間に接着剤5Aを充填する場合の例で説明したが、接着剤5Aの粘度によって、レンズ側面2cと内周面3aとの間の隙間に接着剤5Aを充填しにくい場合には、内周面3aに接着剤だまりとなる溝を形成してもよい。
上記第2の実施形態の説明では、接着固定板27の嵌合部27cが円弧状の場合の例で説明したが、嵌合部27cにおいて、周方向に離間する位置に、板厚方向に貫通する複数の切欠き部を形成してもよい。この場合、嵌合部27cと内周面3aとの間に接着剤5Aを塗布する場合、切欠き部を通して、接着剤5Aが効率的に接着固定板27の下方に移動する。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態及びその変形例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
1、11、21 レンズユニット
2、22 レンズ
2a 第1レンズ面
2b 第2レンズ面
2c レンズ側面
2d 突出部
2e、2f 光束非通過部
3、23 レンズ枠
3a 内周面(内周部)
3b レンズ受け部
3c 第1端面
3d 第2端面
3e 接着剤受け面
3g エッジ部
4 溝部
4a 第1固定壁部(第1固定部)
4A 第1溝部
4b 第2固定壁部(第2固定部)
4B 第2溝部
4c 径方向壁部
4d 周方向壁部
4e、24e 端部開口
5、15、25 接着剤硬化部
5A 接着剤
24 溝部
24A 第1溝部(抜け止め溝部)
24B 第2溝部(挿入溝部)
27 接着固定板(板状部材)
27a リング部(第2固定部)
27c 嵌合部
27d 抜け止め突起
27f 第1表面
27g 第2表面
O レンズ光軸
P、Q 中心軸線

Claims (6)

  1. 接着剤が塗布可能な接着用端部を外周部に有するレンズと、
    前記接着用端部を間に挟んで対向する第1固定部および第2固定部を有するレンズ枠と、
    前記第1固定部および前記接着用端部の間と、前記第2固定部および前記接着用端部の間とに、前記接着剤が充填されて硬化することによって、前記レンズを前記レンズ枠に固定する接着剤硬化部と、
    を備える、レンズの接着固定構造。
  2. 前記第1固定部および前記第2固定部は、
    前記接着用端部を、前記レンズのレンズ光軸に沿う方向において挟んで対向する、
    請求項1に記載のレンズの接着固定構造。
  3. 前記レンズの前記接着用端部は、
    前記レンズの側面の一部から前記レンズ光軸に関する径方向外側に突出された突出部を含み、
    前記レンズ枠は、
    内周部に形成され前記突出部が挿入可能な溝部
    を有し、
    前記第1固定部および前記第2固定部は、
    前記溝部に形成される、
    請求項2に記載のレンズの接着固定構造。
  4. 前記溝部は、
    前記レンズ枠の内周部において周方向に延ばされ、前記第1固定部および前記第2固定部が形成される第1溝部と、
    前記レンズ枠における軸方向の端部から前記軸方向に延ばされ、前記第1溝部に連通する第2溝部と、
    を備える、請求項3に記載のレンズの接着固定構造。
  5. 前記第2固定部は、
    前記レンズ枠における軸方向において前記レンズ枠と係合可能に挿入される抜け止め突起を有し、前記接着用端部と対向して配置される板状部材からなり、
    前記レンズ枠の内周部には、
    前記第1固定部と、
    前記抜け止め突起が係合可能に挿入されて、前記抜け止め突起を前記軸方向に抜け止めする抜け止め溝部と、
    が形成され、
    前記板状部材は
    前記接着剤によって前記抜け止め溝部に固定された、
    請求項1に記載のレンズの接着固定構造。
  6. 前記レンズ枠の内周部に、前記軸方向の端部から前記軸方向に延ばされるとともに前記抜け止め溝部に連通し、前記抜け止め突起が前記軸方向に挿入可能とされた挿入溝部が形成された、
    請求項5に記載のレンズの接着固定構造。
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