JP2017003556A - 加速度記録を用いた変位応答算出法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、中央加速度センサによって計測された加速度記録に含まれる測定誤差が、数値積分結果に大きな影響を与えること、また、測定誤差とは別に、数値積分を行う際の境界条件も、数値積分結果に大きな影響を与えることが明らかになっている。
そこで、数値積分の際の境界条件において、速度の時間平均値が0(ゼロ)になるという仮定を用いて橋梁の変位応答を算出する「初期速度推定法(Initial velocity estimation method)」が開示されている(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、供用中の橋梁等の構造物は常に振動しているため、初期変位は必ずしも0にならないことから、数値積分の境界条件が妥当でないという問題があった。
また、構造物に外力が作用する時間帯(以下「強制振動区間」と称す)の開始時刻や終了時刻にそれぞれ相当する、車両が橋梁に進入する瞬間(以下「車両進入時刻」と称す)や退出する瞬間(以下「車両退出時刻」と称す)を検知する方法が開示されていないため、数値積分の積分区間を特定することに問題があった。
前記構造物に設置された中央加速度センサによって測定された加速度記録である原波形に基づいて、前記構造物への外力の作用が始まる時刻である初期時刻および前記構造物への外力の作用が終了する時刻である末期時刻を特定し、前記初期時刻から前記末期時刻までの時間帯を強制振動区間とする第1ステップと、
前記原波形に対してフーリエ変換を行い、周波数領域における加速度波形を算出する第2ステップと、
前記周波数領域における加速度波形について低周波数帯を取り除き、周波数領域における自由振動に対応した加速度波形を算出する第3ステップと、
前記周波数領域における自由振動に対応した加速度波形に対して逆フーリエ変換を行い、時間領域における自由振動に対応した加速度波形を算出し、前記時間領域における自由振動に対応した加速度波形について、前記初期時刻よりも前の時刻において加速度が0(ゼロ)になる時刻である積分開始時刻と、前記末期時刻よりも後の時刻において加速度が0(ゼロ)になる時刻である積分終了時刻とを特定する第4ステップと、
前記時間領域における自由振動に対応した加速度波形を、前記積分開始時刻から前記積分終了時刻までを積分区間として一階数値積分して、時間領域における自由振動に対応した速度波形を算出し、該時間領域の自由振動に対応した速度波形について、前記初期時刻および前記末期時刻における速度をそれぞれ初期速度および末期速度として特定する第5ステップと、
前記時間領域における自由振動に対応した速度波形を、前記積分開始時刻から前記積分終了時刻までを積分区間として一階数値積分して、時間領域における自由振動に対応した変位波形を算出し、該時間領域の自由振動に対応した変位波形について、前記初期時刻および前記末期時刻における変位をそれぞれ初期変位および末期変位として特定する第6ステップと、
前記原波形を、前記初期時刻から前記末期時刻までを積分区間として一階数値積分して、強制振動区間を含む区間の速度波形を算出する第7ステップと、
前記強制振動区間を含む区間の速度波形を、前記初期速度および前記末期速度を満たすように補正して、強制振動区間を含む区間の補正速度波形を算出する第8ステップと、
前記強制振動区間を含む区間の補正速度波形を、前記初期時刻から前記末期時刻までを積分区間として一階数値積分して、強制振動区間を含む区間の変位波形を算出する第9ステップと、
前記強制振動区間を含む区間の変位波形を、前記初期変位および前記末期変位を満たすように補正して、強制振動区間の補正変位波形を算出する第10ステップとを有することを特徴とする。
前記周波数領域における自由振動に対応した加速度波形を、前記積分開始時刻から前記積分終了時刻までを積分区間として積分して、周波数領域における自由振動に対応した速度波形を算出する第21ステップと、
前記周波数領域における自由振動に対応した速度波形を、前記積分開始時刻から前記積分終了時刻までを積分区間として積分して、周波数領域における自由振動に対応した変位波形を算出する第22ステップと、
前記周波数領域における自由振動に対応した速度波形に対して逆フーリエ変換を行い、時間領域における自由振動に対応した速度波形を算出し、該時間領域の自由振動に対応した速度波形について、前記初期時刻および前記末期時刻における速度をそれぞれ初期速度および末期速度として特定する第23ステップと、
前記周波数領域における自由振動に対応した変位波形に対して逆フーリエ変換を行い、時間領域における自由振動に対応した変位波形を算出し、該時間領域の自由振動に対応した変位波形について、前記初期時刻および前記末期時刻における変位をそれぞれ初期変位および末期変位として特定する第24テップと、を有し、
前記第24ステップの後に、前記第7ステップから前記第10ステップを順次実行することを特徴とする。
前記原波形を、低周波数帯を除去するフィルタによってフィルタリングして、自由振動に対応した加速度波形を算出する第31ステップと、
前記自由振動に対応した加速度波形に対応して一階数値積分して、自由振動に対応した速度波形を算出し、該自由振動に対応した速度波形について、前記初期時刻および前記末期時刻における速度をそれぞれ初期速度および末期速度として特定する第32ステップと、
前記自由振動に対応した速度波形に対して一階数値積分して、自由振動に対応した変位波形を算出し、該自由振動に対応した変位波形について、前記初期時刻および前記末期時刻における変位をそれぞれ初期変位および末期変位として特定する第33テップとを有し、
前記第33ステップの後に、前記第7ステップから前記第10ステップを順次実行することを特徴とする。
前記第32ステップおよび前記第33ステップにおける一階数値積分は、前記積分開始時刻から前記積分終了時刻までを積分区間とすることを特徴とする。
したがって、測定対象の構造物において、変位応答を知りたい部位に中央加速度センサを設置するだけで、当該部位の変位応答を知ることができる。すなわち、変位センサやひずみゲージの設置を不要にするから、測定が簡素になると共に、測定対象となる構造物の制約が緩和される。
また、加速度波形から速度波形や変位波形を算定する際の積分区間を、それぞれ自由振動に対応した加速度が0(ゼロ)である積分開示時刻から積分終了時刻までとしているから、積分の精度が高い。
そして、強制振動区間における補正変位波形は、実質的に自由振動における変位波形を含み、実際の状態に近い変位波形になっている。すなわち、外力による変位応答が高精度に把握可能になるから、外力による局部的な応力の推定精度が向上することで、構造物に対する保全情報の精度および構造物に対する信頼性の向上に寄与する。
次に、本発明に係る実施の形態1を、構造物として橋梁を例にして、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の図面は模式的に描かれたものであり、本発明は描かれた形態に限定されるものではなく、また、フローチャートに示された各ステップを実行する順番は適宜変更可能であり、さらに、橋梁以外の構造物であってもよい。
図1は、本発明の実施の形態1に係る加速度記録を用いた変位応答算出法を実施するための変位応答算出装置を説明するブロック図である。
図1において、加速度記録を用いた変位応答算出法(以下「自由振動仮定法その1(Free vibration method-1)と称す)を実施するための変位応答算出装置100は、橋梁に設置された中央加速度センサ10と、中央加速度センサ10が検知した信号(以下「原波形」と称す)が入力され、原波形を記録するデータレコーダ20と、データレコーダ20に記録された原波形(A/D変換されている)に基づいて所定の演算をする演算部(CPUに同じ)30と、演算部30の演算結果を表示する表示部40とを有している。
また、橋梁は桁橋構造に限定するものではなく、コンクリート構造であってもよい。
さらに、データレコーダ20、演算部(CPU)30および表示部40は、変位応答算出装置100専用の機器である必要はなく、それぞれ汎用性を有するものであって、自由振動仮定法を実施する際に限って変位応答算出装置100を構成するものであってもよい。また、各機器間の信号(情報)の伝達要領は限定されるものではない。
国内における道路橋の70%以上は桁橋構造で、支間長さ30m〜40mの桁橋が一般的である。かかる一般的な桁橋の橋軸端部の補剛材に中央加速度センサを設置して、加速度記録が得られている。さらに,橋軸中央部の下フランジに接触式変位計を設置して,変位記録が得られている。
図2および図3は、本発明の実施の形態1に係る加速度記録を用いた変位応答算出法を説明するためのものであって、図2は一般的な桁橋の橋軸中央部の下フランジに設置された接触式変位計が検知した信号を示す変位記録、図3は一般的な桁橋の橋軸端部の補剛材に設置された中央加速度センサが検知した信号(原波形)の高周波成分(25Hz以上)を示す加速度記録である。
図3より、1013.17[秒](Taにて示す)において、加速度の変化が初めて生じ、車両の進入が確認される。その後間隔を空けて2回、同様の加速度の変化が測定されている。また、間隔を空けて2回加速度が変化した後、1015.82[秒](Tbにて示す)における加速度の変化を最後に、加速度の変化が測定されていないことから、車両の退出が確認される。時刻(初期時刻に相当する、以下「車両侵入時刻」と称す)Taおよび時刻(末期時刻に相当する、以下「車両退出時刻Tb」と称す)Tbにおける加速度の変化は、車両のタイヤが橋端部垂直補剛材の直上を通過する時に発生したものであり、図2に示す接触式変位計の検知結果における変位(梁のたわみ)の開始時刻および終了時刻に対応している。
したがって、本発明では、加速度の変化を利用することによって車両検知を実施する(強制振動区間を特定する)。
図4〜図6は本発明の実施の形態1に係る加速度記録を用いた変位応答算出法を説明するためのものであって、図4は一般的な桁橋の橋軸中央部の下フランジに設置された中央加速度センサが検知した信号(原波形)を示す加速度記録の一例、図5は一般的な桁橋の橋軸中央部の下フランジに設置されたレーザー変位計が検知した信号を示す変位記録の一例、図6は複数の一般的な桁橋の橋軸中央部の下フランジに設置されたレーザー変位計が検知した変位記録12秒間を二階微分して得られた加速度スペクトルの一例である。
図5に示す変位記録から車両によるたわみ波形が確認され、かかるたわみ波形は、応答時間が2.0秒程度であり、振動数にすると0.5Hz程度である。また、図6に示す加速度スペクトルからも、0.4Hz〜0.8Hz付近に外力による卓越振動数を確認することができる。
したがって、本発明では、1.0Hz以下の「低周波数帯」の振動を外力による応答振動(強制振動)としている。なお、図6に示す加速度スペクトルにおいて、2.0Hz〜4.0Hz付近にある卓越振動数は、橋梁の固有振動数等である。
なお、低周波数帯を1.0Hz以下としたのは、構造物が橋梁である場合であって、低周波数帯は、構造物毎に相違するものである。
図7〜図19は本発明の実施の形態1に係る加速度記録を用いた変位応答算出法(自由振動仮定法その1)を説明するものであって、図7はフローチャート、図8は図7に示されたフローチャートを補足説明するための測定記録および算出結果の関係を示す関係図、図9は原波形を示す加速度記録、図10は周波数領域における加速度波形、図11は周波数領域における自由振動に対応した加速度波形、図12は時間領域における自由振動に対応した加速度波形、図13は時間領域における自由振動に対応した速度波形、図14は時間領域における自由振動に対応した変位波形、図15は強制振動区間を含む区間の速度波形、図16は境界条件を満たす強制振動区間を含む区間の補正速度波形、 図17は強制振動区間を含む区間の変位波形、図18は境界条件を満たす強制振動区間を含む区間の補正変位波形である。
まず、中央加速度センサ10が検知した加速度記録(以下「原波形」と称す)を利用して「車両検知」を実施する(S1、図3参照)。すなわち、加速度の変化から車両の車両進入時刻Taおよび車両退出時刻Tbを特定し、車両進入時刻Taから車両退出時刻Tbまでの時間を「強制振動区間」とする。したがって、車両進入時刻Taは強制振動区間の開始時刻(初期時刻に相当する)に、車両退出時刻Tbは強制振動区間の終了時刻(末期時刻に相当する)に同じである。なお、これを除く区間(車両進入時刻Taまでの時間および車両退出時刻Tbからの時間)は「自由振動区間」になる。(図9参照)。
次に、原波形(図9参照)に対してフーリエ変換を行い、周波数領域における加速度波形を算出する(S2、図10参照)。
そして、外力に対する応答の影響を除去するため、周波数領域における加速度について低周波数帯(1.0Hz以下)および直流成分(重力成分)を取り除き、周波数領域における自由振動に対応した加速度波形を算出する(S3、図11参照)。
次に、周波数領域における自由振動に対応した加速度波形(図11参照)に対して逆フーリエ変換を行い、時間領域における自由振動に対応した加速度波形を算出する(S5、図12参照)。そこで、車両進入時刻Taよりも前の時刻において加速度が0(ゼロ)になる時刻(以下「積分開始時刻」と称す)T0を特定する。また、車両退出時刻Tbよりも後の時刻において加速度が0(ゼロ)になる時刻(以下「積分終了時刻」と称す)T1を特定する。
次に、時間領域における自由振動に対応した加速度波形(図12参照)を一階数値積分して、時間領域における自由振動に対応した速度波形を算出する(S5、図13参照)。そこで、速度の境界条件として、算出した自由振動に対応した速度波形における車両進入時刻Taの速度および車両退出時刻Tbの速度を特定し、それぞれ「初期速度Va」および「末期速度Vb」とする。
さらに、時間領域における自由振動に対応した速度波形を一階数値積分して、時間領域における自由振動に対応した変位波形を算出する(S6、図14参照)。そこで、変位の境界条件として、算出した変位波形における車両進入時刻Taの変位および車両退出時刻Tbの変位を特定し、それぞれ「初期変位Ua」および「末期変位Ub」とする。
このとき、前記一階数値積分の区間を、積分開始時刻T0から積分終了時刻T1までの区間にしているため、算出精度が高くなっている。すなわち、加速度が0(ゼロ)でない時刻によって規定された積分区間で一階数値積分をしてしまうと、誤差を含んだデータを積分することになり、精度が損なわれるからである。
このとき、積分開始時刻T0から積分終了時刻T1までの1つの積分区間に代えて、積分開始時刻T0から車両侵入時刻Taまでの区間と、車両退出時刻Tbから積分終了時刻T1までの区間との2つの積分区間にしてもよい。
なお、本発明は積分区間を積分開始時刻T0から積分終了時刻T1までの区間に限定するものではなく、車両侵入時刻Taより前の所定の時刻から、車両退出時刻Tbより後の所定の時刻までであってもよい。
次に、原波形(加速度記録、図9参照)に対応して一階数値積分を行って、強制振動区間を含む区間の速度波形を算出する(S7、図15参照)。このとき、前記一階数値積分の区間を、車両進入時刻Taから車両退出時刻Tbまでの区間として、車両進入時刻Taにおける速度を初期速度Vaとして算出するものの、ノイズ等の影響を受けるため車両退出時刻Tbにおける速度が末期速度Vbにならない。すなわち、自由振動区間の速度波形(図13参照)に挟まれるように算出した強制振動区間の速度波形を描くと、かかる速度波形は線形成分である「ドリフト成分C」を含んでいる(図15参照)。
そこで、算出した速度波形(図15参照)からドリフト成分Cを差し引いて、速度の境界条件を満たす強制振動区間を含む区間の補正速度波形を算出する(S8、図16参照)。
次に、速度の境界条件を満たす強制振動区間を含む区間の補正速度波形(図16)に対応して一階数値積分を行い、強制振動区間を含む区間の変位波形を算出する(S9、図17参照)。このとき、前記一階数値積分の区間を、車両進入時刻Taから車両退出時刻Tbまでの区間として、車両進入時刻Taにおける変位を初期変位Uaとして算出するものの、ノイズ等の影響を受けるため車両退出時刻Tbにおける変位が末期変位Ubにならない。
すなわち、自由振動区間の変位波形(図14参照)に挟まれるように算出した強制振動区間の変位波形を描くと、かかる変位波形は線形成分である「ドリフト成分D」を含んでいる(図17参照)。
最後に、算出した変位波形(図17参照)からドリフト成分Dを差し引いて、変位の境界条件を満たす強制振動区間の変位波形(補正変位波形)を算出する(S10、図18参照)。
また、図13、図15および図16における自由振動区間の速度波形は同一であり、図14、図17および図18における自由振動区間の変位波形は同一である。
本発明の自由振動仮定法その1は前記各ステップを有しているから、以下の作用効果を奏する。
(1)加速度の変化を利用することによって車両検知をするから、外力の作用している強制振動区間(車両進入時刻Taから車両退出時刻Tbまでの時間)の把握がより正確になり、境界条件の算出が正確になる。
(2)原波形をフーリエ変換して算出した周波数領域における加速度波形について、低周波数帯および直流成分を取り除いて「自由振動に対応した加速度」を算出すると共に、かかる自由振動に対応した加速度に対して逆フーリエ変換を行って「時間領域の自由振動に対応した加速度」を算出し、それぞれ加速度が0(ゼロ)である積分開始時刻および積分終了時刻を特定している。そして、特定した積分開始時刻から積分終了時刻までの区間を一階数値積分の区間にしているため、自由振動に対応した速度波形および変位波形を正確に算出することができ、さらに、これらに基づいて速度および変位の境界条件を特定するから、正確な境界条件が得られる。よって、外力の作用している時間(強制振動区間)における変位応答を算出するものでありながら、外力の作用していない自由振動に着目し、しかも、積分誤差をもたらす低周波数帯が取り除かれているから、仮に低周波数帯を含んでいたら生じたであろう積分誤差が排除されている。
(3)強制振動区間を含む区間における原波形を一階数値積分して得られた速度波形を、前記境界条件を満たすように補正し、さらに、補正された速度波形を一階数値積分して得られた変位波形を、前記境界条件を満たすように補正して、補正後の変位波形を算出するから、高精度の変位波形(補正変位波形)が得られる。
次に、一般的な桁橋の橋軸中央部の下フランジにレーザー変位計(Laser displacement meter)および4種類のMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)中央加速度センサA、B、C、D(以下「中央加速度センサA、B、C、D」と称す。表1参照)を設置して、中央加速度センサA、B、C、Dが測定した加速度記録(原波形)を用いて、車両検知(車両通過時間)を得ると共に、本発明の「自由振動仮定法その1」による変位応答を求めた。
すなわち、中央加速度センサA、B、C、DをL字型の鋼製治具に設置し、かかる鋼製治具をG2桁中央部下フランジに固定している。この際、方向によって感度が異なることに注意して、中央加速度センサA、B、C、Dの水平方向が重力方向になるように設置している(図示しない)。
また、比較のため、非特許文献1に開示された「初期速度推定法」による変位応答を求め、さらに、中央加速度センサA、B、C、Dと同じ位置にレーザー変位計ターゲットを設置して、サンプリング頻度500Hzで垂直変位を計測している。
表1は、4種類の中央加速度センサA、B、C、Dのメーカーによる仕様値である。
また、実際に同一条件下における「静置試験」を行ってノイズレベルを把握している。静置試験は、実橋梁に設置する場合と同様に、床の上に静置されたL字型の鋼製治具に中央加速度センサA、B、C、Dを固定して、100秒間測定した。このとき、完全に静置された状態では検知されないはずの信号が検知されたことで、静置状態に含まれる外的な要因およびA/D変換性能を含む中央加速度センサシステムとしてのノイズを、各中央加速度センサのノイズレベルと考える。
このとき、中央加速度センサA、C、Dは、周波数1.0Hzにおけるパワースペクトル密度の値が表1のノイズ密度の値(仕様値)とほぼ同水準になっていた。
また、5.0Hz以下の低周波数帯においては、中央加速度センサA、B、C、D毎にノイズレベルは大きく異なり、中央加速度センサBのノイズレベルは、中央加速度センサA、C、Dに比べ、約20分の1以下になっていた。
なお、中央加速度センサBのノイズ密度が表1のノイズ密度の値(仕様値)より大きな値を示したのは、測定を行った場所の常時微動を測定しているためだと考えられる。
なお、図19〜図22には、比較のために、中央加速度センサA、B、C、Dによる原波形を利用して得られた車両通過時間(強制振動区間に同じ)を積分区間とし、非特許文献1に開示された「初期速度推定法」によって得られた変位応答算出結果と、レーザー変位計が測定した変位の測定結果とを示す。
このことは、中央加速度センサBが静置試験によってノイズレベルが低い(特に、5.0Hz以下の低周波数帯においてノイズレベルが低い)ことが明らかになっていることから、車両進入時刻および車両退出時刻が同じで、測定時の初期変位が0(ゼロ)に近いことに加え、測定誤差が微小な場合には、それぞれの手法による変位応答結果に大きな差異が生じることなく、正確な値が算出されることを示している。
このことは、自由振動仮定法を用いた場合でも(当然、初期速度推定法を用いた場合も)、比較的低いノイズレベルの中央加速度センサを用いる必要があることを示唆している。
次に、本発明の自由振動仮定法その1と非特許文献1に開示された初期速度推定法との双方における測定誤差に起因する誤差について検討する。
今、サンプリングレートfs[Hz](測定間隔dt=1/fs[秒])でT秒間の測定を行い、n=T・fsの測定点において加速度を測定した時を考える。そうすると、i番目の測定点で測定された加速度aiは、i番目の測定点での真の加速度Aiに、i番目の測定点での加速度の測定誤差Eiを加えたものである(ai=Ai+Ei、i=1、2、3・・・n)。なお、測定誤差Eiは標準偏差σの正規分布に従って発生するランダムノイズであるとする。
そうすると、i番目の測定点で測定された加速度aiに対して、初期速度推定法または自由振動仮定法その1によって境界条件(初期条件および末期条件)を満たすように矩形則に従って二階数値積分を行うと、それぞれの手法による変位式が得られる。このとき、計算結果には、加速度に含まれるノイズを源とする誤差、仮定した境界条件に起因する誤差、および数値積分時に発生する積分誤差が含まれるが、数値積分時に発生する積分誤差を検討することがここでの目的では無いため、数値積分誤差は考慮しない。
そして、それぞれの手法によって得られた変位式を独立の変数の和に書き改め、誤差の分散を求めると、初期速度推定法における誤差の分散は「T3/(192・fs)」に比例し、自由振動仮定法その1における誤差の分散は「T3/(48・fs)」に比例する式が得られる(式の導出過程の記載を省略する)。
すなわち、誤差は、誤差の分散の平方根であるから、初期速度推定法その1における誤差は、自由振動仮定法における誤差の1/2(=√(48/192))になることが明らかになる。
次に、本発明の実施の形態2に係る加速度記録を用いた変位応答算出法を、構造物として橋梁を例にして、図面を参照して具体的に説明する。
図23〜図26は本発明の実施の形態2に係る加速度記録を用いた変位応答算出法(以下「自由振動仮定法その2(Free vibration method-2)」と称す)を説明するものであって、図23はフローチャート、図24は図23に示されたフローチャートを補足説明するための測定記録および算出結果の関係を示す関係図、図25は周波数領域における自由振動に対応した速度波形、図26は周波数領域における自由振動に対応した変位波形である。
なお、実施の形態1(自由振動仮定法その1)と同じ内容のステップおよび図面には、同じ番号および図番を付し、説明を一部省略する。
まず、中央加速度センサ10が検知した原波形を利用して「車両検知」を実施し、する(S1、図3参照)。すなわち、加速度の変化から車両の車両進入時刻Taおよび車両退出時刻Tbを特定し、強制振動区間と自由振動区間とに分ける(図9参照)。
次に、原波形(図9参照)に対してフーリエ変換を行い、周波数領域における加速度波形を算出する(S2、図10参照)。
そして、低周波数帯(1.0Hz以下)および直流成分(重力成分)を取り除き、周波数領域における自由振動に対応した加速度波形を算出する(S3、図11参照)。
次に、周波数領域における自由振動に対応した加速度波形(図11参照)に対して逆フーリエ変換を行い、時間領域における自由振動区間の振動である自由振動に対応した加速度波形を算出する(S5、図12参照)。そこで、積分開始時刻T0および積分終了時刻T1を特定する。
次に、周波数領域における自由振動に対応した加速度波形(図11参照)を積分して、周波数領域における自由振動に対応した速度波形を算出する(S21、図25参照)。
そして、周波数領域における自由振動に対応した速度波形(図12参照)を積分して、周波数領域における自由振動に対応した変位波形を算出する(S22、図26参照)。
このとき、前記積分の区間を、積分開始時刻T0から積分終了時刻T1までの区間にしているため、算出精度が高くなっている。すなわち、加速度が0(ゼロ)でない時刻によって規定された積分区間において積分してしまうと、誤差を含んだデータを積分することになり、精度が損なわれるからである。
このとき、積分開始時刻T0から積分終了時刻T1までの1つの区間に代えて、積分開始時刻T0から車両侵入時刻Taまでの区間と、車両退出時刻Tbから積分終了時刻T1までの区間との2つの区間にしてもよい。
なお、本発明は積分区間を積分開始時刻T0から積分終了時刻T1までの区間に限定するものではなく、車両侵入時刻Taより前の所定の時刻から、車両退出時刻Tbより後の所定の時刻までであってもよい。
次に、周波数領域における自由振動に対応した速度波形(図25参照)に対して逆フーリエ変換を行い、時間領域における自由振動区間の振動である自由振動に対応した速度波形を算出する(S23、図13参照)。そこで、速度の境界条件として、算出した速度波形における進入時刻Taの速度および退出時刻Tbの速度を特定し、それぞれ「初期速度Va」および「末期速度Vb」とする。
さらに、周波数領域における自由振動に対応した変位波形(図26参照)に対して逆フーリエ変換を行い、時間領域における自由振動に対応した変位波形を算出する(S24、図14参照)。そこで、変位の境界条件として、算出した変位波形における進入時刻Taの変位および退出時刻Tbの変位を特定し、それぞれ「初期変位Ua」および「末期変位Ub」とする。
次に、強制振動区間の原波形(加速度記録、図9参照)に対応して一階数値積分を行って、強制振動区間を含む区間の速度波形を算出する(S7、図15参照)。
さらに、算出した速度波形(図15参照)からドリフト成分Cを差し引いて、速度の境界条件を満たす強制振動区間を含む区間の補正速度波形を算出する(S8、図16参照)。
次に、速度の境界条件を満たす強制振動区間を含む区間の補正速度波形(図16)に対応して一階数値積分を行い、強制振動区間を含む区間の変位波形を算出する(S9、図17参照)。
最後に、算出した変位波形(図17参照)からドリフト成分Dを差し引いて、変位の境界条件を満たす強制振動区間の変位波形(補正変位波形)を算出する(S10、図18参照)。
以上のように自由振動仮定法その2は、周波数領域において速度および変位を算出する点(S21、S22)が、周波数領域において速度および変位を算出しない自由振動仮定法その1と相違するものの、これを除く点は自由振動仮定法その1に同じである。
したがって、自由振動仮定法その2によると、自由振動仮定法その1の作用効果と同じように、高精度の変位波形(補正変位波形)が得られる。
なお、自由振動仮定法その2による算定結果は、自由振動仮定法その1による算定結果と同じである(厳密には相違する場合がある)ため、自由振動仮定法その1による算定結果を示す図12〜図18を流用している。
次に、本発明の実施の形態3に係る加速度記録を用いた変位応答算出法を、構造物として橋梁を例にして、図面を参照して具体的に説明する。
図27および図28は本発明の実施の形態3に係る加速度記録を用いた変位応答算出法(以下「自由振動仮定法その3(Free vibration method-3)」と称す)を説明するものであって、図27はフローチャート、図28は図27に示されたフローチャートを補足説明するための測定記録および算出結果の関係を示す関係図である。
但し、実施の形態3における境界条件を特定する前半ステップは、原波形をフィルタリングする点が、フーリエ変換および逆フーリエ変換を用いる実施の形態1と相違しているものの、これを除くステップは実施の形態1に同じであるから、同じ内容のステップおよび図面には、同じ番号および図番を付し、説明を一部省略する。
まず、中央加速度センサ10が検知した原波形を利用して「車両検知」を実施する(S21)と共に、車両進入時刻Taおよび車両退出時刻Tbを特定し、強制振動区間と自由振動区間とに分ける(図9参照)。
そして、低周波数帯を除去する(1.0Hz超えを通過させる)フィルタ(Highpass Filter)によって原波形(図9参照)をフィルタリングし、自由振動に対応した加速度波形を算出する(S31、図12参照)。そこで、車両進入時刻Ta(初期時刻に相当する)よりも前の時刻において加速度が0(ゼロ)になる積分開始時刻T0と、車両退出時刻Tb(末期時刻に相当する)よりも後の時刻において加速度が0(ゼロ)になる積分終了時刻T1とを特定する。
次に、自由振動に対応した加速度波形(図9参照)を一階数値積分して、自由振動に対応した速度波形を算出する(S32、図13参照)。そこで、速度の境界条件として、車両進入時刻Taおよび車両退出時刻Tbにおける速度を、それぞれ初期速度Vaおよび末期速度Vbとして特定する。
さらに、自由振動に対応した速度波形を一階数値積分して、自由振動に対応した変位波形を算出する(S33、図14参照)。そこで、変位の境界条件として、車両進入時刻Taおよび車両退出時刻Tbにおける変位を、それぞれ初期変位Uaおよび末期変位Ubとして特定する。
このとき、前記一階数値積分の積分区間を、積分開始時刻T0から積分終了時刻T1までの区間にしているため、算出精度が高くなっている。なお、積分開始時刻T0から積分終了時刻T1までの1つの区間に代えて、積分開始時刻T0から車両侵入時刻Taまでの区間と、車両退出時刻Tbから積分終了時刻T1までの区間との2つの区間にしてもよい。
なお、本発明は積分区間を積分開始時刻T0から積分終了時刻T1までの区間に限定するものではなく、車両侵入時刻Taより前の所定の時刻から、車両退出時刻Tbより後の所定の時刻までであってもよい。
次に、強制振動区間の原波形(加速度記録、図9参照)に対応して一階数値積分を行って、強制振動区間を含む区間の速度波形を算出する(S7、図15参照)。
さらに、算出した速度波形(図15参照)からドリフト成分Cを差し引いて、速度の境界条件を満たす強制振動区間を含む区間の補正速度波形を算出する(S8、図16参照)。
次に、速度の境界条件を満たす強制振動区間を含む区間の補正速度波形(図16参照)に対応して一階数値積分を行い、強制振動区間を含む区間の変位波形を算出する(S9、図17参照)。
最後に、算出した変位波形(図17参照)からドリフト成分Dを差し引いて、変位の境界条件を満たす強制振動区間の変位波形(補正変位波形)を算出する(S10、図18参照)。
以上のように自由振動仮定法その3は、フィルタリングによって自由振動の加速度を算出するステップ(S31)を実行する点が、フーリエ変換およびフーリエ逆変換をよって自由振動の加速度を算出するステップ(S2〜S4)を実行する自由振動仮定法その1と相違するものの、これを除くステップは自由振動仮定法その1に同じである。
したがって、自由振動仮定法その3は、フーリエ変換およびフーリエ逆変換を行わないから、算出が簡素で、迅速に変位波形(補正変位波形)を得ることができという作用効果を奏する共に、自由振動仮定法その1と同じ作用効果を奏する。
なお、自由振動仮定法その3による算定結果は、自由振動仮定法その1による算定結果と同じである(厳密には相違する場合がある)ため、自由振動仮定法その1による算定結果を示す図12〜図18を流用している。
20 データレコーダ
30 演算部(CPU)
40 表示部
100 変位応答算出装置
Claims (7)
- 外力が作用した際の構造物の変位応答を算出する加速度記録を用いた変位応答算出法であって、
前記構造物に設置された中央加速度センサによって測定された加速度記録である原波形に基づいて、前記構造物への外力の作用が始まる時刻である初期時刻および前記構造物への外力の作用が終了する時刻である末期時刻を特定し、前記初期時刻から前記末期時刻までの時間帯を強制振動区間とする第1ステップと、
前記原波形に対してフーリエ変換を行い、周波数領域における加速度波形を算出する第2ステップと、
前記周波数領域における加速度波形について低周波数帯を取り除き、周波数領域における自由振動に対応した加速度波形を算出する第3ステップと、
前記周波数領域における自由振動に対応した加速度波形に対して逆フーリエ変換を行い、時間領域における自由振動に対応した加速度波形を算出し、前記時間領域における自由振動に対応した加速度波形について、前記初期時刻よりも前の時刻において加速度が0(ゼロ)になる時刻である積分開始時刻と、前記末期時刻よりも後の時刻において加速度が0(ゼロ)になる時刻である積分終了時刻とを特定する第4ステップと、
前記時間領域における自由振動に対応した加速度波形を、前記積分開始時刻から前記積分終了時刻までを積分区間として一階数値積分して、時間領域における自由振動に対応した速度波形を算出し、該時間領域の自由振動に対応した速度波形について、前記初期時刻および前記末期時刻における速度をそれぞれ初期速度および末期速度として特定する第5ステップと、
前記時間領域における自由振動に対応した速度波形を、前記積分開始時刻から前記積分終了時刻までを積分区間として一階数値積分して、時間領域における自由振動に対応した変位波形を算出し、該時間領域の自由振動に対応した変位波形について、前記初期時刻および前記末期時刻における変位をそれぞれ初期変位および末期変位として特定する第6ステップと、
前記原波形を、前記初期時刻から前記末期時刻までを積分区間として一階数値積分して、強制振動区間を含む区間の速度波形を算出する第7ステップと、
前記強制振動区間を含む区間の速度波形を、前記初期速度および前記末期速度を満たすように補正して、強制振動区間を含む区間の補正速度波形を算出する第8ステップと、
前記強制振動区間を含む区間の補正速度波形を、前記初期時刻から前記末期時刻までを積分区間として一階数値積分して、強制振動区間を含む区間の変位波形を算出する第9ステップと、
前記強制振動区間を含む区間の変位波形を、前記初期変位および前記末期変位を満たすように補正して、強制振動区間の補正変位波形を算出する第10ステップとを有することを特徴とする加速度記録を用いた変位応答算出法。 - 前記第4ステップの後に、前記第5ステップおよび前記第6ステップに代えて、
前記周波数領域における自由振動に対応した加速度波形を、前記積分開始時刻から前記積分終了時刻までを積分区間として積分して、周波数領域における自由振動に対応した速度波形を算出する第21ステップと、
前記周波数領域における自由振動に対応した速度波形を、前記積分開始時刻から前記積分終了時刻までを積分区間として積分して、周波数領域における自由振動に対応した変位波形を算出する第22ステップと、
前記周波数領域における自由振動に対応した速度波形に対して逆フーリエ変換を行い、時間領域における自由振動に対応した速度波形を算出し、該時間領域の自由振動に対応した速度波形について、前記初期時刻および前記末期時刻における速度をそれぞれ初期速度および末期速度として特定する第23ステップと、
前記周波数領域における自由振動に対応した変位波形に対して逆フーリエ変換を行い、時間領域における自由振動に対応した変位波形を算出し、該時間領域の自由振動に対応した変位波形について、前記初期時刻および前記末期時刻における変位をそれぞれ初期変位および末期変位として特定する第24テップと、を有し、
前記第24ステップの後に、前記第7ステップから前記第10ステップを順次実行することを特徴とする請求項1記載の加速度記録を用いた変位応答算出法。 - 前記加速度記録から低周波数帯を除去したものを、前記自由振動における加速度波形にすることを特徴とする請求項1記載の加速度記録を用いた変位応答算出法。
- 前記第1ステップの後に、前記第2ステップから前記第6ステップに代えて、
前記原波形を、低周波数帯を除去するフィルタによってフィルタリングして、自由振動に対応した加速度波形を算出する第31ステップと、
前記自由振動に対応した加速度波形に対応して一階数値積分して、自由振動に対応した速度波形を算出し、該自由振動に対応した速度波形について、前記初期時刻および前記末期時刻における速度をそれぞれ初期速度および末期速度として特定する第32ステップと、
前記自由振動に対応した速度波形に対して一階数値積分して、自由振動に対応した変位波形を算出し、該自由振動に対応した変位波形について、前記初期時刻および前記末期時刻における変位をそれぞれ初期変位および末期変位として特定する第33テップとを有し、
前記第33ステップの後に、前記第7ステップから前記第10ステップを順次実行することを特徴とする請求項1記載の加速度記録を用いた変位応答算出法。 - 前記第31ステップにおいて、前記初期時刻よりも前の時刻において加速度が0(ゼロ)になる時刻である積分開始時刻と、前記末期時刻よりも後の時刻において加速度が0(ゼロ)になる時刻である積分終了時刻とを特定し、
前記第32ステップおよび前記第33ステップにおける一階数値積分は、前記積分開始時刻から前記積分終了時刻までを積分区間とすることを特徴とする請求項4記載の加速度記録を用いた変位応答算出法。 - 前記初期時刻および末期時刻をそれぞれ、前記加速度記録における加速度が変化する時刻にすることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の加速度記録を用いた変位応答算出法。
- 前記中央加速度センサは、前記変位波形を算出するための加速度記録を測定する中央加速度センサと、前記初期時刻および前記末期時刻を特定するための加速度記録を測定する中央加速度センサとによって構成されることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の加速度記録を用いた変位応答算出法。
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