JP2017003392A - 位置マップ作成方法および核医学診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】入射位置を正確に弁別することができる位置マップ作成方法および核医学診断装置を提供することを目的とする。
【解決手段】γ線を蛍光に変換する複数のシンチレータ結晶間にマスクmをかけて生成された電気信号に基づいて、2次元位置マップを作成する。通常では、互いに隣接するシンチレータ結晶間の境界が不明瞭になる場合であっても、複数のシンチレータ結晶間にマスクmをかけて2次元位置マップを作成して、マスクmの位置をずらしたパターンのマスクmを用いて2次元位置マップを作成する作業を繰り返し行う。その結果、互いに隣接するシンチレータ結晶間の境界が不明瞭になる場合であっても、マスクmにより各々の2次元位置マップにおけるシンチレータ結晶間の境界が明確にわかる。このように、複数のシンチレータ結晶間にマスクmをかけることで、入射位置を正確に弁別することができる。
【選択図】図4

Description

この発明は、核医学診断装置に用いられる位置マップ作成方法および被検体内の放射性薬剤から発生した放射線に基づいて核医学診断を行う核医学診断装置に関する。
PET(Positron Emission Tomography)装置やSPECT(Single Photon Emission CT)装置などの核医学診断装置では、それらの装置に使用される検出器がγ線を検出する機能を有する。具体的には、γ線を蛍光に変換することによってγ線を検出する。そのために、γ線の検出素子への入射位置を求めることでγ線の入射位置を個々の検出素子として弁別する。それらγ線を検出する検出素子は「シンチレータ」と呼ばれるが、基本的にシンチレータが小さいほど装置として高い空間分解能を有する。すなわち、シンチレータを小さくしてシンチレータの数を増やし、γ線の検出精度を高めて空間分解能を向上させる。特に、近年、深さ方向にもシンチレータを積層することで、相互作用を起こした深さ方向の光源位置(DOI: Depth of Interaction)を弁別することができるDOI検出器が開発されている。
しかしながら、シンチレータが小さい場合にはγ線の入射位置を弁別するのが困難になる。特に、DOI検出器のように3次元に配置された複数のシンチレータを備えている場合には、γ線の入射位置が重ならないようにする必要がある。そこで、後段の信号処理回路の負担軽減のために、複数のシンチレータからの信号を束ね、重心演算回路(位置演算回路)を用いることで、検出された検出素子の位置(結晶位置)を表す2次元位置マップを作成し、結晶位置をテーブル化することが可能である(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、2次元位置マップは、検出器の後段に光学的に結合された位置検出型の光電子増倍管などに代表される光センサで得られた電気信号を重心演算することにより、各γ線を検出したイベントに対する2次元座標(X,Y)として算出する作業を行うことで描かれる。さらに、この2次元位置マップは、検出器に均一な並行ビームのγ線を照射し、γ線を検出させながら上述した作業を繰り返し、2次元座標を2次元平面上に積算させたものである。これらは各シンチレータ結晶の位置に応じたピークを持つ分布として描かれる。図9では、深さ方向にシンチレータが4層積層されたDOI検出器の場合の2次元位置マップであり、白丸(図9では「○」で図示)で示す位置は1層目(図9では「1st Layer」で表記)のシンチレータ、白の菱形で示す位置は2層目(図9では「2nd Layer」で表記)のシンチレータ、白の二重八角形で示す位置は3層目(図9では「3rd Layer」で表記)のシンチレータ、白の方形(図9では「□」で図示)で示す位置は4層目(図9では「4th Layer」で表記)のシンチレータを示す。2次元位置マップの各位置と、各々のシンチレータとを対応させたルックアップテーブル(LUT: Look Up Table)を参照するとともに、2次元位置マップを参照することで、実際に入射されたγ線の入射位置を弁別することができる。
ところで、DOI検出器のように3次元に配置された複数のシンチレータを備えている場合には、2次元位置マップにおいて位置が重ならないように、隣接するシンチレータ間に光反射材や光透過材などを組み合わせて拡散するようにしている。
国際公開第WO2009/141861号
しかしながら、このような構成を有するシンチレータ結晶の場合には、次のような問題がある。
すなわち、シンチレータ結晶のサイズが非常に小さかったり、検出器の諸特性(ゲインや信号のクロストークといった問題)により、2次元位置マップにおける結晶位置を示す点がぼける、周囲の点と重なるといった問題が発生する。これらの問題は検出器特性やシンチレータ構造に起因するので、ボケそのものや周囲の点と重なるといった現象そのものを回避することは非常に困難である。さらに、これらの問題は結晶位置を弁別する際のエラー(例えば結晶境界がわからず本来とは誤った位置の結晶でテーブルを作成すること)を引き起こすので、装置に与える影響も大きい。そのため、影響を最小限にすることが解決すべき課題として挙げられる。
なお、特許文献1:国際公開第WO2009/141861号の手法でも、ピークの空間周期性を用いてピーク分離の成否を判定し、検出素子(シンチレータ結晶)ごとの感度比とピーク領域内の画素の総和比とが一致するように境界を定めることで、入射位置を弁別することが可能である。しかし、演算そのものが煩雑になるという別の問題が発生する。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、入射位置を正確に弁別することができる位置マップ作成方法および核医学診断装置を提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、この発明に係る位置マップ作成方法は、核医学診断装置に用いられる位置マップ作成方法であって、放射線を蛍光に変換する複数のシンチレータ結晶間にマスクをかけて生成された電気信号に基づいて、位置マップを作成することを特徴とするものである。
[作用・効果]この発明に係る位置マップ作成方法によれば、放射線を蛍光に変換する複数のシンチレータ結晶間にマスクをかけて生成された電気信号に基づいて、位置マップを作成する。通常では、互いに隣接するシンチレータ結晶間の境界が不明瞭になる場合であっても、複数のシンチレータ結晶間にマスクをかけて位置マップを作成して、マスクの位置をずらしたパターンのマスクを用いて位置マップを作成する、あるいはマスクの位置を移動させて位置マップを作成する作業を繰り返し行う。その結果、互いに隣接するシンチレータ結晶間の境界が不明瞭になる場合であっても、マスクにより各々の位置マップにおけるシンチレータ結晶間の境界が明確にわかる。このように、複数のシンチレータ結晶間にマスクをかけることで、入射位置を正確に弁別することができる。
この発明に係る位置マップ作成方法において、互いに異なるマスクのパターンを用いることで、放射線の照射対象のシンチレータ結晶を変更するのが好ましい。例えば、シンチレータ結晶のサイズやシンチレータ結晶の数などの検出器のスペックに応じてマスクのパターンを用いることで、放射線の照射対象のシンチレータ結晶を変更してもよいし、結晶上面にマスクをかけてもよいし、後述するように検出器がDOI構造を有するDOI検出器である場合に結晶側面にマスクをかけてもよい。
検出器がDOI構造を有するDOI検出器である場合に、シンチレータ結晶の側面にマスクを用いてもよい。結晶側面に放射線を照射し当該結晶側面にマスクをかけることで、特定のDOI結晶(シンチレータの層)のみに照射することができ、DOI方向(深さ方向)の結晶を弁別することも容易である。
これらの発明に係る位置マップ作成方法において、互いに異なるマスクのパターンを用いて該当する領域におけるシンチレータ結晶に入射した放射線イベントのエネルギー比率を計算することで、イベント配分を行うのが好ましい。互いに隣接するシンチレータ結晶間の境界が不明瞭になる場合には、対象結晶の放射線イベントが隣接結晶の領域に入り込む(漏れ込む)場合がある。その結果、イベントが重なる領域に対するエネルギー比率(「漏れ込み比率」とも呼ばれる)を測定することができない。そこで、互いに異なるマスクのパターンを用いることで、イベントが重なる領域に対するエネルギー比率(漏れ込み比率)を計算することが可能となり、その領域に入ったイベントを複数の結晶に正確に振り分けるといった処理が可能となる。
例えば、エネルギー比率(漏れ込み比率)が50%を超える領域のみにイベントを振り分けてルックアップテーブルに書き込んで記憶し、該当する領域のルックアップテーブルのみを参照して放射線のシンチレータ結晶への入射位置を求めてもよい。また、例えば、ルックアップテーブルを参照する際にエネルギー比率(漏れ込み比率)に応じた重み付け加算を行い、放射線のシンチレータ結晶への入射位置を求めてもよい。
また、この発明に係る核医学診断装置は、被検体内の放射性薬剤から発生した放射線に基づいて核医学診断を行う核医学診断装置であって、前記放射線を蛍光に変換する複数のシンチレータ結晶間にマスクをかけて生成された電気信号に基づいて、位置マップをマスク毎にテーブル化するルックアップテーブルと、当該ルックアップテーブルを参照して前記放射線のシンチレータ結晶への入射位置を求める位置演算回路とを備えることを特徴とするものである。
[作用・効果]この発明に係る核医学診断装置によれば、複数のシンチレータ結晶間にマスクをかけて生成された電気信号に基づいて、位置マップをマスク毎にテーブル化するルックアップテーブルと、当該ルックアップテーブルを参照して放射線のシンチレータ結晶への入射位置を求める位置演算回路とを備える。通常では、互いに隣接するシンチレータ結晶間の境界が不明瞭になる場合であっても、位置マップをマスク毎にテーブル化することで、マスクにより各々の位置マップにおけるシンチレータ結晶間の境界が明確にわかる。そして、位置マップをマスク毎にテーブル化するルックアップテーブルを参照して放射線のシンチレータ結晶への入射位置を求めることで、入射位置を正確に弁別することができる。
この発明に係る位置マップ作成方法によれば、放射線を蛍光に変換する複数のシンチレータ結晶間にマスクをかけて生成された電気信号に基づいて、位置マップを作成する。その結果、互いに隣接するシンチレータ結晶間の境界が不明瞭になる場合であっても、マスクにより各々の位置マップにおけるシンチレータ結晶間の境界が明確にわかる。このように、複数のシンチレータ結晶間にマスクをかけることで、入射位置を正確に弁別することができる。
また、この発明に係る核医学診断装置によれば、互いに隣接するシンチレータ結晶間の境界が不明瞭になる場合であっても、位置マップをマスク毎にテーブル化することで、マスクにより各々の位置マップにおけるシンチレータ結晶間の境界が明確にわかる。そして、位置マップをマスク毎にテーブル化するルックアップテーブルを参照して放射線のシンチレータ結晶への入射位置を求めることで、入射位置を正確に弁別することができる。
実施例に係るPET(Positron Emission Tomography)装置の側面図およびブロック図である。 マスク無しのγ線検出器の概略斜視図である。 図2でマスク無しのγ線検出器に均一な並行ビームのγ線を照射(一様照射)した場合の2次元位置マップである。 マスクをかけたγ線検出器の概略斜視図である。 図4でマスクをかけたγ線検出器に均一な並行ビームのγ線を照射(一様照射)した場合の2次元位置マップである。 図4とは異なるマスクのパターンを使用した場合のγ線検出器の概略斜視図である。 図6でマスクをかけたγ線検出器に均一な並行ビームのγ線を照射(一様照射)した場合の2次元位置マップである。 DOI構造を有するDOI検出器および側面マスクの概略斜視図である。 深さ方向にシンチレータが4層積層されたDOI検出器の場合の2次元位置マップである。
以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。
図1は、実施例に係るPET(Positron Emission Tomography)装置の側面図およびブロック図であり、図2は、マスク無しのγ線検出器の概略斜視図であり、図3は、図2でマスク無しのγ線検出器に均一な並行ビームのγ線を照射(一様照射)した場合の2次元位置マップであり、図4は、マスクをかけたγ線検出器の概略斜視図であり、図5は、図4でマスクをかけたγ線検出器に均一な並行ビームのγ線を照射(一様照射)した場合の2次元位置マップであり、図6は、図4とは異なるマスクのパターンを使用した場合のγ線検出器の概略斜視図であり、図7は、図6でマスクをかけたγ線検出器に均一な並行ビームのγ線を照射(一様照射)した場合の2次元位置マップであり、図8は、DOI構造を有するDOI検出器および側面マスクの概略斜視図である。本実施例では、核医学診断装置としてPET装置を例に採って説明するとともに、位置マップとして2次元位置マップを例に採って説明する。
本実施例に係るPET装置は、図1に示すように、被検体Mを載置する天板1を備えている。この天板1は、上下に昇降移動、被検体Mの体軸Zに沿って平行移動するように構成されている。このように構成することで、天板1に載置された被検体Mは、後述するガントリ2の開口部2aを通って、頭部から順に腹部、足部へと走査されて、被検体Mの画像を得る。なお、走査される部位や各部位の走査順序については特に限定されない。
天板1の他に、本実施例に係るPET装置は、開口部2aを有したガントリ2と、γ線検出器3とを備えている。γ線検出器3は、被検体Mの体軸Z周りを取り囲むようにしてリング状に配置されており、ガントリ2内に埋設されている。γ線検出器3は、この発明における検出器に相当する。
その他にも、本実施例に係るPET装置は、天板駆動部4とコントローラ5と入力部6と出力部7とメモリ部8と位置演算回路9とルックアップテーブル10と同時計数回路11と再構成部12とを備えている。天板駆動部6は、天板1の上述した移動を行うように駆動する機構であって、図示を省略するモータなどで構成されている。ルックアップテーブル10は、この発明におけるルックアップテーブルに相当し、位置演算回路9は、この発明における位置演算回路に相当する。
コントローラ5は、本実施例に係るPET装置を構成する各部分を統括制御する。コントローラ5は、中央演算処理装置(CPU)などで構成されている。
入力部6は、オペレータが入力したデータや命令をコントローラ5に送り込む。入力部6は、マウスやキーボードやジョイスティックやトラックボールやタッチパネルなどに代表されるポインティングデバイスで構成されている。出力部7はモニタなどに代表される表示部やプリンタなどで構成されている。
メモリ部8およびルックアップテーブル10は、ROM(Read-only Memory)やRAM(Random-Access Memory)などに代表される記憶媒体で構成されている。本実施例では、同時計数回路11で同時計数された計数値(カウント)や、再構成部12で処理された画像などについてはRAMに書き込んで記憶し、必要に応じてRAMから読み出す。特に、本実施例では、後述する光センサ32(図2、図4、図6および図8を参照)で得られた電気信号を重心演算し、後述するシンチレータブロック31(図2、図4、図6および図8を参照)のシンチレータ結晶の位置に対応させて2次元状に表した2次元位置マップについて、その2次元位置マップにおける各位置と各々のシンチレータ結晶とを対応させたテーブルとしてルックアップテーブル10に書き込んで記憶し、実際の核医学診断時にルックアップテーブル10から読み出して参照する。ROMには、各種の核医学診断による演算処理を行うためのプログラム等を予め記憶しており、そのプログラムをコントローラ5が実行することでそのプログラムに応じた核医学診断による演算処理をそれぞれ行う。
再構成部12は、例えば上述したメモリ部8などに代表される記憶媒体のROMに記憶されたプログラムあるいは入力部6などに代表されるポインティングデバイスで入力された命令をコントローラ5が実行することで実現される。
放射性薬剤が投与された被検体Mから発生したγ線をγ線検出器3のシンチレータブロック31(図2、図4、図6および図8を参照)が光(蛍光)に変換して、変換されたその光をγ線検出器3の光センサ32(図2、図4、図6および図8を参照)は増倍させて電気信号に変換する。その電気信号を画像情報(画素値、すなわちγ線検出器3で同時計数されたカウント値)として位置演算回路9に送り込む。
位置演算回路9は、核医学診断時にルックアップテーブル10を参照するとともに、2次元位置マップを参照して、計数されたカウント値がシンチレータブロック31(図2、図4、図6および図8を参照)のどのシンチレータ結晶で入射されたのかを判定する。具体的には、入射するたびに重心演算を行ってシンチレータ結晶への入射位置を求める。求められた入射位置およびカウント値(画像情報)を同時計数回路11に送り込む。
具体的には、被検体Mに放射性薬剤を投与すると、ポジトロン放出型のRIのポジトロンが消滅することにより、2本のγ線が発生する。同時計数回路11は、シンチレータブロック31(図2、図4、図6および図8を参照)の位置(より詳しくはシンチレータ結晶への入射位置)とγ線の入射タイミングとをチェックし、被検体Mの両側にある2つのシンチレータブロック31でγ線が同時に入射したときのみ、送り込まれた画像情報を適正なデータと判定する。一方のシンチレータブロック31のみにγ線が入射したときには、同時計数回路11は棄却する。
同時計数回路11に送り込まれた画像情報を投影データとして再構成部12に送り込む。再構成部12は、その投影データを再構成して被検体Mの画像を求める。画像を、コントローラ5を介して出力部7に送り込む。このようにして、再構成部12で得られた画像に基づいて核医学診断を行う。
γ線検出器3は、図2、図4、図6および図8に示すように複数のシンチレータ結晶からなるシンチレータブロック31と、そのシンチレータブロック31に対して光学的に結合された光センサ32とを備えている。シンチレータブロック31を構成する各シンチレータ結晶は、γ線の入射に伴って発光することでγ線から光(蛍光)に変換する。この変換によってシンチレータ結晶はγ線を検出する。シンチレータ結晶において発光した光がシンチレータブロック31で十分に拡散されて、光センサ32に入力される。光センサ32は、シンチレータブロック31で変換された光を増倍させて電気信号に変換する。その電気信号は、上述したように画像情報(画素値)として位置演算回路9(図1を参照)、さらには同時計数回路11(図1を参照)に送り込まれる。光センサ32については、光電子増倍管(PMT: Photo Multiplier Tube)やシリコンフォトマルチプライア(SiPM: Silicon Photo Multiplier)やアバランシェフォトダイオード(APD: Avalanche Photo Diode)などに例示されるように、特に限定されない。
図2、図4、図6および図8に示すように、シンチレータ結晶を9×10並べたシンチレータブロック31を用いている。また、DOI構造を有するDOI検出器の場合には、図8に示すようにシンチレータ結晶を2層に積層したシンチレータブロック31を用いている。シンチレータブロック31を構成するシンチレータ結晶の数や積層数(段数)については特に限定されない。
2次元位置マップを作成する。具体的には、図2、図4および図6に示すように、実際の核医学診断を行う前に、予め、Na−22線源をγ線検出器3の上方から一様照射する。図2に示すようなマスク無しの通常の一様照射では、「発明が解決しようとする課題」の欄でも述べたように、検出器の特性により2次元位置マップにおける結晶同士の点が重なる領域が発生する。特に、端部にγ線が十分に拡散されずに、図2に示すようなマスク無しの通常の一様照射では、図3の点線に示すように端部に点同士が重なり結晶境界が不明瞭になり、誤った領域を別の結晶イベントとして扱う危険性がある。
そこで、図4、図6および図8に示すようなマスクmを用いる。γ線を透過しない素材でマスクmを形成する。例えば、鉛などの金属板でマスクmを形成する。マスクmの厚みは、数mm以下、好ましくは1mm程度である。特に、図4や図6に示すように、シンチレータ結晶の上面にマスクmをかける場合には描画する領域にγ線が透過するように、γ線が透過する複数の開口部をマスクmに設けてマスクmのパターンを形成する。
一様照射時にシンチレータブロック31に対してマスクmがずれないように、接着剤や接着テープなどでシンチレータブロック31に対してマスクmを仮止めするのが好ましい。特に、図8に示すように、シンチレータ結晶の側面上部にマスクmをかける場合にはマスクmが落下しないように、接着剤や接着テープなどで側面上部にマスクmを仮止めするのが好ましい。また、シンチレータ結晶の側面にマスクmをかける場合には枠状にマスクmを形成して、マスクmの枠内にシンチレータブロック31を嵌めて、接着剤や接着テープなどでマスクmを仮止めする、あるいはマスクmの外側から圧力をかけて締結することによりマスクmを仮止めしてもよい。
シンチレータ結晶を9×10並べたシンチレータブロック31(図2、図4、図6および図8を参照)を用いる場合において、図4や図6に示すように、シンチレータ結晶の上面にマスクmをかける場合について説明する。例えば、図4では5×5の開口部を有したマスクmのパターンを用いて、図6では図4とは異なるマスクmのパターンとして、例えば4×5の開口部を有したマスクmのパターンを用いる。このように、図4や図6に示すマスクmの位置(開口部)をずらしたパターンのマスクmを用いて2次元位置マップを作成する。マスクmのパターンについては、図4や図6に限定されない。また、同一のパターンのマスクを用いて、マスクの位置を移動させて2次元位置マップを作成してもよい。
図4では、5×5の開口部をγ線が透過し、それ以外のマスクmによりγ線が遮られる。その結果、マスクmに該当するシンチレータ結晶にはγ線が照射されず、5×5の開口部の直下に該当するシンチレータ結晶にγ線が照射される。したがって、図4に示すような5×5の開口部を有したマスクmをかけた一様照射では、図5に示すように5×5の開口部の直下に該当するシンチレータ結晶のみに点描画される。そのために、図3に示すような点同士が重なる領域において、図5に示すように結晶弁別が極めて容易になる。
さらに、図4とは異なる図6に示すパターンのマスクmを用いることで、γ線の照射対象のシンチレータ結晶を変更することができ、図5でγ線を照射した結晶とは異なる結晶においても弁別が容易になる。具体的には、図6では、4×5の開口部をγ線が透過し、それ以外のマスクmによりγ線が遮られる。その結果、マスクmに該当するシンチレータ結晶にはγ線が照射されず、4×5の開口部の直下に該当するシンチレータ結晶にγ線が照射される。したがって、図6に示すような4×5の開口部を有したマスクmをかけた一様照射では、図7に示すように4×5の開口部の直下に該当するシンチレータ結晶のみに点描画される。
また、図2に示すようなマスク無しの通常の一様照射において、図3で結晶同士の点が重なる領域は、そもそも隣接結晶に入ったγ線イベントが重なる領域である。そのような領域においては、隣接結晶に対してγ線の漏れ込み比率に応じたイベントの分配が必要になる。図2に示すようなマスク無しの通常の一様照射においては、そもそも境界が不明瞭であるので、そのような比率を計算するのも困難である。しかし、重なる領域に対するイベント漏れ込みも、図4から図6に示すようにマスクmのパターンを変更することで、漏れ込み比率の計算が可能となる。具体的には、パターンを変更する前の図5の2次元位置マップとパターンを変更した後の図7の2次元位置マップとを比較して、重なる領域に対する漏れ込み比率の計算が可能となる。
図4や図6では、シンチレータ結晶の上面からγ線の照射を行い、シンチレータ結晶の上面にマスクmをかけるという手法を採っているが、この手法に限定されない。図8に示すようにγ線検出器3がDOI構造を有するDOI検出器である場合には、シンチレータ結晶の側面からγ線の照射を行い、シンチレータ結晶の側面にマスクmをかけることで、DOI方向(深さ方向)の結晶弁別を容易にすることも可能である。図8では、2層DOI構造を有するγ線検出器3に対して側面上部にマスクmをかけた場合の例を示しているが、検出器のDOI構造(段数)やマスクをかける箇所も任意に設定することが可能である。
このように作成された各々の2次元位置マップをマスク毎にテーブル化してルックアップテーブル10(図1を参照)に書き込んで記憶し、実際の核医学診断時にルックアップテーブル10から読み出して参照する。
本実施例に係る位置マップ作成方法によれば、放射線(本実施例ではγ線)を蛍光に変換する複数のシンチレータ結晶間にマスクをかけて生成された電気信号に基づいて、位置マップ(本実施例では2次元位置マップ)を作成する。通常では、互いに隣接するシンチレータ結晶間の境界が不明瞭になる場合であっても、複数のシンチレータ結晶間にマスクをかけて位置マップ(2次元位置マップ)を作成して、図4や図6に示すようにマスクmの位置(開口部)をずらしたパターンのマスクmを用いて位置マップ(2次元位置マップ)を作成する、あるいはマスクの位置を移動させて位置マップ(2次元位置マップ)を作成する作業を繰り返し行う。その結果、互いに隣接するシンチレータ結晶間の境界が不明瞭になる場合であっても、マスクにより各々の位置マップ(2次元位置マップ)におけるシンチレータ結晶間の境界が明確にわかる。このように、複数のシンチレータ結晶間にマスクをかけることで、入射位置を正確に弁別することができる。
本実施例のように、互いに異なるマスクのパターン(例えば図4および図6を参照)を用いることで、放射線(γ線)の照射対象のシンチレータ結晶を変更するのが好ましい。例えば、シンチレータ結晶のサイズやシンチレータ結晶の数などの検出器のスペックに応じてマスクのパターンを用いることで、放射線(γ線)の照射対象のシンチレータ結晶を変更してもよいし、図4や図6に示すように結晶上面にマスクmをかけてもよいし、図8に示すように検出器(本実施例ではγ線検出器3)がDOI構造を有するDOI検出器である場合に結晶側面にマスクmをかけてもよい。
図8に示すように検出器(γ線検出器3)がDOI構造を有するDOI検出器である場合に、シンチレータ結晶の側面にマスクmを用いてもよい。結晶側面に放射線(γ線)を照射し当該結晶側面にマスクmをかけることで、特定のDOI結晶(シンチレータの層)のみに照射することができ、DOI方向(深さ方向)の結晶を弁別することも容易である。
本実施例において、互いに異なるマスクのパターン(例えば図4および図6を参照)を用いて該当する領域におけるシンチレータ結晶に入射した放射線イベント(本実施例ではγ線イベント)のエネルギー比率を計算することで、イベント配分を行うのが好ましい。互いに隣接するシンチレータ結晶間の境界が不明瞭になる場合には、対象結晶の放射線イベント(γ線イベント)が隣接結晶の領域に入り込む(漏れ込む)場合がある。その結果、イベントが重なる領域に対するエネルギー比率(漏れ込み比率)を測定することができない。そこで、互いに異なるマスクのパターンを用いることで、イベントが重なる領域に対するエネルギー比率(漏れ込み比率)を計算することが可能となり、その領域に入ったイベントを複数の結晶に正確に振り分けるといった処理が可能となる。
例えば、エネルギー比率(漏れ込み比率)が50%を超える領域のみにイベントを振り分けてルックアップテーブル10(図1を参照)に書き込んで記憶し、該当する領域のルックアップテーブル10のみを参照して放射線(γ線)のシンチレータ結晶への入射位置を求めてもよい。また、例えば、ルックアップテーブル10を参照する際にエネルギー比率(漏れ込み比率)に応じた重み付け加算を行い、放射線(γ線)のシンチレータ結晶への入射位置を求めてもよい。
また、上述の構成を備えた本実施例に係る核医学診断装置(本実施例ではPET装置)によれば、複数のシンチレータ結晶間にマスクをかけて生成された電気信号に基づいて、位置マップ(2次元位置マップ)をマスク毎にテーブル化するルックアップテーブル10と、当該ルックアップテーブル10を参照して放射線(γ線)のシンチレータ結晶への入射位置を求める位置演算回路9(図1を参照)とを備える。通常では、互いに隣接するシンチレータ結晶間の境界が不明瞭になる場合であっても、位置マップ(2次元位置マップ)をマスク毎にテーブル化することで、マスクにより各々の位置マップ(2次元位置マップ)におけるシンチレータ結晶間の境界が明確にわかる。そして、位置マップ(2次元位置マップ)をマスク毎にテーブル化するルックアップテーブル10を参照して放射線(γ線)のシンチレータ結晶への入射位置を求めることで、入射位置を正確に弁別することができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、核医学診断装置として、PET装置を例に採って説明したが、この発明は、単一のγ線を検出して被検体の断層画像を再構成するSPECT(Single Photon Emission CT)装置などにも適用することができる。また、PET装置とCT装置とを組み合わせたPET−CT装置にも適用することができる。また、γ以外の放射線(例えばα線やβ線など)にも適用することができる。
(2)上述した実施例では、位置マップとして2次元位置マップを例に採って説明したが、2次元以外の1次元,3次元位置マップにも適用することができる。
(3)図8ではDOI検出器において、シンチレータ結晶の側面からγ線の照射を行い、シンチレータ結晶の側面にマスクmをかけたが、DOI検出器においても、図4や図6のように、シンチレータ結晶の上面からγ線の照射を行い、シンチレータ結晶の上面にマスクmをかけてもよい。また、DOI検出器において、シンチレータ結晶の上面および側面からγ線の照射をそれぞれ行い、シンチレータ結晶の上面および側面にマスクをそれぞれかけてもよい。
3 … γ線検出器
9 … 位置演算回路
10 … ルックアップテーブル
m … マスク

Claims (5)

  1. 核医学診断装置に用いられる位置マップ作成方法であって、
    放射線を蛍光に変換する複数のシンチレータ結晶間にマスクをかけて生成された電気信号に基づいて、位置マップを作成することを特徴とする位置マップ作成方法。
  2. 請求項1に記載の位置マップ作成方法において、
    互いに異なるマスクのパターンを用いることで、前記放射線の照射対象の前記シンチレータ結晶を変更することを特徴とする位置マップ作成方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の位置マップ作成方法において、
    検出器がDOI構造を有するDOI検出器である場合に、前記シンチレータ結晶の側面にマスクを用いることを特徴とする位置マップ作成方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の位置マップ作成方法において、
    互いに異なるマスクのパターンを用いて該当する領域における前記シンチレータ結晶に入射した放射線イベントのエネルギー比率を計算することで、イベント配分を行うことを特徴とする位置マップ作成方法。
  5. 被検体内の放射性薬剤から発生した放射線に基づいて核医学診断を行う核医学診断装置であって、
    前記放射線を蛍光に変換する複数のシンチレータ結晶間にマスクをかけて生成された電気信号に基づいて、位置マップをマスク毎にテーブル化するルックアップテーブルと、
    当該ルックアップテーブルを参照して前記放射線のシンチレータ結晶への入射位置を求める位置演算回路と
    を備えることを特徴とする核医学診断装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109521459A (zh) * 2018-12-07 2019-03-26 深圳先进技术研究院 一种射线在闪烁晶体中的击中点定位方法及其系统
JP7520431B2 (ja) 2020-08-19 2024-07-23 清華大学 検知装置及びspect結像システム

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