JP7247745B2 - 放射線検出装置の2次元位置マップの校正方法および放射線検出装置 - Google Patents

放射線検出装置の2次元位置マップの校正方法および放射線検出装置 Download PDF

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Description

この発明は、放射線検出装置の2次元位置マップの校正方法および放射線検出装置に関する。
従来、検出した放射線を光信号に変換する複数のシンチレータ素子からなるシンチレータ素子群と、シンチレータ素子群に光学的に結合されるとともに変換された放射線が入射したシンチレータ素子の光信号を受信する光センサとによって構成された放射線検出装置において、放射線の検出位置を決定するために2次元位置マップが作成されている(たとえば、特許文献1)。
上記特許文献1では、2次元位置マップは、シンチレータ素子群に一斉に放射線を照射し、光センサで得られた電気信号を重心演算することにより、各放射線を検出したイベントに対する2次元座標(X,Y)として算出する作業を行うことによって作成される。
さらに、取得された2次元位置マップでは、光センサによって受光された信号強度(画素値)のピークの極小値を取り、ピークの極小値の箇所で区切ることにより各シンチレータ素子により検出される範囲が各々区切られた検出位置の境界が決定される。
特許第4983981号
従来から、照射された放射線が1つのシンチレータ素子に入射し、放射線のエネルギーが全吸収されて検出される場合(以下、光電吸収事象という)と、1つの放射線が複数のシンチレータ素子に散乱しながら検出される場合(以下、多重散乱事象という)とがあることが知られている。なお、多重散乱事象は、光電吸収事象に比べてシンチレータ素子1つごとの検出される放射線のエネルギー量は低くなるが、合計される光出力の信号は光電吸収事象と同じになるため区別ができない。
そのため、上記特許文献1では、2次元位置マップ上で光電吸収事象と多重散乱事象とを区別していないと考えられる。そうすると、検出した放射線から画像を生成するためのデータとして、光電吸収事象のデータと多重散乱事象のデータとがあるにもかかわらず、事象ごとのタイミング特性を考慮していないため、検出器の特性が悪くなる可能性がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、光電吸収事象データと多重散乱事象データとの両方を用いることが可能な放射線検出装置の2次元位置マップの校正方法および放射線検出装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における放射線検出装置の2次元位置マップの校正方法は、複数のシンチレータ素子からなるシンチレータ素子群と、シンチレータ素子群に光学的に結合された1以上の受光素子とによって構成された放射線検出器を備える放射線検出装置において、シンチレータ素子に入射された放射線の入射位置と、光電吸収事象および多重散乱事象を含む放射線事象の頻度とを対応させて表した2次元位置マップを校正する放射線検出装置の2次元位置マップの校正方法であって、2次元位置マップにおける放射線事象の頻度が周囲と比較して大きい領域を含む領域を光電吸収事象が行われた第1領域とし、一の第1領域と他の第1領域との間に分布する領域を多重散乱事象が行われた第2領域とすることによって、第1領域と第2領域とを識別可能なように2次元位置マップを校正した第1の位置参照テーブルを作成するステップを備え、第1の位置参照テーブルに基づいて、第1領域と第2領域とに互いに異なる補正用の補正値を設定するように構成されている
この発明の第1の局面における放射線検出装置の2次元位置マップの校正方法では、上記のように、2次元位置マップにおける頻度の大きい領域を光電吸収事象が行われた第1領域とし、第1領域の間に分布する領域を多重散乱事象が行われた第2領域とすることによって、校正した第1領域と第2領域とを識別可能なように2次元位置マップを校正した第1の位置参照テーブルを作成するステップを備える。これにより、校正後の放射線画像作成時において第1の位置参照テーブルを参照することによって、入射した放射線による光信号の出力を光電吸収事象が行われた第1領域のデータと多重散乱事象が行われた第2領域のデータとを区別することが可能となる。その結果、光電吸収事象のデータと多重散乱事象のデータとの両方を区別して用いることが可能となる。したがって、たとえば、多重散乱事象が行われた第2領域を光電吸収事象が行われた第1領域のデータと異なる補正を行うことにより、検出器の特性(タイミング、エネルギー)を補正することができる。
上記第1の局面による放射線検出装置の2次元位置マップの校正方法において、好ましくは、2次元位置マップをシンチレータ素子の個数に区分することによって、2次元位置マップを校正した第2の位置参照テーブルを作成するステップをさらに備える。このように構成すれば、シンチレータ素子の位置と放射線が入射した位置とを対応付けることができるため、放射線を検出したシンチレータ素子の位置を容易に特定しやすくなる。
上記第1の局面による放射線検出装置の2次元位置マップの校正方法において、好ましくは、2次元位置マップを校正した第1の位置参照テーブルを作成するステップは、第1の位置参照テーブルが格子状になるように2次元位置マップを複数の領域に区画し、格子状に区画された複数の領域のうち2次元位置マップにおける頻度の大きい位置を囲む領域を第1領域とし、第1領域以外の領域を第2領域とすることにより2次元位置マップを校正した第1の位置参照テーブルを作成するステップを含む。このように構成すれば、第1領域と第2領域との境界を容易に作成することができるため、シンチレータ素子において、光電吸収事象と多重散乱事象とのどちらが行われたのかを判断し易くなる。
上記第1の局面による放射線検出装置の2次元位置マップの校正方法において、好ましくは、第1の位置参照テーブルに基づいて、タイミング補正係数を算出し、算出されたタイミング補正係数に基づいて2次元位置マップを校正したタイミング補正参照テーブルを作成するステップをさらに備える。このように構成すれば、シンチレータ素子に放射線が入射したタイミングをより正確に判断することが可能となるため、放射線検出装置のシンチレータ素子に放射線が入射したタイミングを検知する性能を向上させることができる。
上記第1の局面による放射線検出装置の2次元位置マップの校正方法において、好ましくは、第1の位置参照テーブルに基づいて、エネルギー補正係数を算出し、算出されたエネルギー補正係数に基づいて2次元位置マップを校正したエネルギー補正参照テーブルを作成するステップをさらに備える。このように構成すれば、受光素子の光飽和などにより検出器信号のリニアリティ(受光素子に入力された信号に対して出力される信号の直線性)が悪い場合でも、シンチレータ素子に入射された放射線のエネルギー値を正確に把握することが可能となる。これにより、正確な放射線画像を作成することが可能なデータのみから放射線画像を作成することができる。
この発明の第2の局面における放射線検出装置は、複数のシンチレータ素子からなるシンチレータ素子群と、シンチレータ素子群に光学的に結合された1以上の受光素子とによって構成された放射線検出器と、制御部とを備え、受光素子は、放射線源からシンチレータ素子に照射された放射線を検出し、光信号に関する出力信号に変換し、制御部は、受光素子から出力信号を取得し、取得した出力信号に基づき光電吸収事象および多重散乱事象を含む放射線事象の頻度とシンチレータ素子に入射された放射線の入射位置とを対応させて表した2次元位置マップを作成し、2次元位置マップにおける放射線事象の頻度が周囲と比較して大きい領域を含む領域を光電吸収事象が行われた第1領域とし、一の第1領域と他の第1領域の間に分布する領域を多重散乱事象が行われた第2領域とすることによって、第1領域と第2領域とを識別可能なように2次元位置マップを校正した第1の位置参照テーブルを作成するとともに、第1の位置参照テーブルに基づいて、第1領域と第2領域とに互いに異なる補正用の補正値を設定するように構成されている。
上記のように、この発明の第2の局面における放射線検出装置においては、上記第1の局面と同様に、光電吸収事象データと多重散乱事象データとの両方を用いることができる。
上記第2の局面による放射線検出装置において、好ましくは、制御部は、2次元位置マップのシンチレータ素子の個数分に区分することによって、2次元位置マップを校正した第2の位置参照テーブルをさらに作成するように構成されている。このように構成すれば、シンチレータ素子の配置と放射線が入射した位置とを対応付けることができるため、放射線を検出したシンチレータ素子の位置を容易に特定しやすくなる。
上記第2の局面による放射線検出装置において、好ましくは、制御部は、第1の位置参照テーブルを格子状になるように複数の領域に区画し、格子状に区画された複数の領域のうち、2次元位置マップにおける頻度の大きい位置を囲む領域を第1領域とし、第1領域以外の領域を第2領域とすることによって、2次元位置マップを校正した第1の位置参照テーブルを作成するように構成されている。このように構成すれば、第1領域と第2領域との境界を容易に作成することができるため、シンチレータ素子において、光電吸収事象と多重散乱事象とのどちらが行われたのかを判断し易くなる。
上記第2の局面による放射線検出装置において、好ましくは、受光素子は、複数のシンチレータ素子に対して1つ設けられている。このように構成すれば、受光素子をシンチレータ素子の数に合わせて設けなくてもよいため、部品点数を削減できる。
上記第2の局面による放射線検出装置において、好ましくは、制御部は、第1の位置参照テーブルに基づいて、出力信号の大きさからタイミング補正係数を算出し、算出されたタイミング補正係数に基づいて2次元位置マップを校正したタイミング補正参照テーブルを作成するように構成されている。このように構成すれば、シンチレータ素子に放射線が入射したタイミングをより正確に判断することが可能となるため、放射線検出装置のシンチレータ素子に放射線が入射したタイミングを検知する性能を向上させることができる。
上記第2の局面による放射線検出装置において、好ましくは、制御部は、第1の位置参照テーブルに基づいて、出力信号の大きさからエネルギー補正係数を算出し、算出されたエネルギー補正係数に基づいて2次元位置マップを校正したエネルギー補正参照テーブルを作成するように構成されている。このように構成すれば、受光素子の光飽和などにより検出器信号のリニアリティ(受光素子に入力された信号に対して出力される信号の直線性)が悪い場合でも、シンチレータ素子に入射された放射線のエネルギー値を正確に把握することが可能となる。これにより、正確な放射線画像を作成することが可能なデータのみから放射線画像を作成することができる。
本発明によれば、上記のように光電吸収事象データと多重散乱事象データとの両方を区別して用いることが可能となる。
一実施形態によるPET装置の構成を模式的に示した全体構成図である。 一実施形態によるPET装置のシンチレータ素子および受光素子を模式的に示した斜視図である。 図3(a)は光電吸収事象を模式的に示した断面図である。図3(b)は多重散乱事象を模式的に示したグラフである。 一実施形態による2次元位置マップを示した図である。 一実施形態による第1の位置参照テーブルを示した図である。 一実施形態による第2の参照テーブルを示した図である。 一実施形態によるタイミング補正参照テーブルを模式的に示した図である。 一実施形態によるエネルギー補正参照テーブルを模式的に示した図である。 一実施形態による2次元位置マップの校正方法を示すフローチャートである。 一実施形態によるPET画像の生成方法を示すフローチャートである。
以下、図1~図10を参照して本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1を参照して、本実施形態による放射線検出装置100の全体構成について説明する。本実施形態では、放射線検出装置100が核医学装置の一つであるPET(Positron Emission Tomography)装置の場合について説明する。
図1に示すように、本発明の実施形態による放射線検出装置100は、シンチレータ素子群1と、受光素子2とからなる放射線検出器3と、制御部4とを備える。
図1に示すように、放射線検出装置100は、陽電子放出核種により標識された薬剤を用いて、被検体(人体など)の内部の画像を撮影する装置である。具体的には、放射線検出装置100は、薬剤により発生した陽電子と電子との対消滅によって生じる一対のガンマ線(放射線)を検出することによって、薬剤の対消滅が生じた位置を取得するように構成されている。一対のガンマ線は、一対の放射線検出器3によって検出されるため、ガンマ線を検出した一対の放射線検出器3を結んだ線(LOR:Line Of Response)を引くことによりがん細胞などの診断対象の位置が複数のLORの交点として現れる。そして、放射線検出装置100は、薬剤の対消滅が生じた位置を複数取得することによって、被検体の内部の画像を形成する(撮影する)ように構成されている。そして、形成された画像は、薬剤が蓄積されやすいことを利用して、がん細胞の有無などの画像診断に用いられる。
また、放射線検出装置100は、仰臥位の被検体を撮影するように構成されている。具体的には、放射線検出装置100は、受光素子2が被検体の体軸(頭部から脚部に伸びる軸)に向けられた状態で、被検体の周囲を取り囲むように複数配置されている。また、放射線検出装置100は、図示しない被検体の体軸の伸びる方向(紙面奥方向)にも同様の構成で複数配置されている。ここで、薬剤の対消滅により発生するガンマ線は511keVの放射線であり、受光素子2を用いた直接的な検出ができない。そこで、被検体と受光素子2との間に、シンチレータ素子群1を設ける。これにより、シンチレータ素子群1にガンマ線が入射すると、シンチレータ素子群1内の蛍光体がガンマ線により発光し、光信号(蛍光)が発生する。そして、放射線検出装置100は、このガンマ線により発光した光信号を検出するように構成されている。
図1および図2に示すように、放射線検出装置100は、所定のエネルギー量を有するガンマ線の受光に基づいて光信号を放出する複数のシンチレータ素子1aを含むシンチレータ素子群1を備える。シンチレータ素子群1は、複数のシンチレータ素子1aの集まりである。シンチレータ素子群1は、たとえば、9行10列(90個)のシンチレータ素子1aの集まりにより構成されている。
シンチレータ素子1aが511keVのガンマ線を吸収した場合に、発せられる光信号は、たとえば、10000個以上の光子に対応する。ガンマ線は、別のシンチレータ素子1aの内部に進入することがある。シンチレータ素子1aは、たとえば、LSO(LuSiO)、LYSO(Lu(2-x)SiO)、LGSO(Lu(2-x)GdSiO)、LuAG(LuAl12)、LFS(Lutetium Fine Silicate)などの結晶により構成されている。
また、放射線検出器3は、光信号の入射に基づいて出力信号を出力する複数の受光素子(光電変換素子)2を含む。受光素子2は、たとえば、アバランシェフォトダイオード(APD:Avalanche Photodiode)およびクエンチング抵抗を含む。アバランシェフォトダイオードは、逆バイアスに降伏電圧以上の大きな電圧が印加されたフォトダイオードであり、通常は電流が流れない状態になっている。アバランシェフォトダイオードは、光子が入射することにより大きな電流を流すため、光子1つの単位でS/N比のよい出力信号を出力することができる。また、クエンチング抵抗はアバランシェフォトタデイオードと直列に接続されており、アバランシェフォトダイオードから流れる電流により電圧がかかるため、アバランシェフォトダイオードに印加される電圧を降伏電圧未満に下げる。これにより、アバランシェフォトダイオードに流れる電流を止め、再び光子を検出できる状態に戻す。
受光素子2は、受光素子2の位置に入射した光信号の光子を検出し、出力信号を出力する。複数の受光素子2から出力される光子数を反映した出力信号は、シンチレータ素子1aに入射したガンマ線に基づく光信号のエネルギー情報を表す。また、信号を取得した時間から、ガンマ線の入射時間およびそこから算出されるガンマ線の発生から入射までの飛行時間も取得することができる。受光素子2は、複数のシンチレータ素子1aに対して1つ設けられている。
図3(a)のように、ある1つのシンチレータ素子1aに入射したガンマ線すべてがシンチレータ素子1aの内部で反応する場合、511keVに相当するエネルギーの光信号が生じる。このように、入射したガンマ線の全エネルギーに対応する光信号を検出する放射線事象を光電吸収事象とする。
一方で、図3(b)に示すように、入射したガンマ線が複数のシンチレータ素子1aをまたいで反応する場合も生じる。反応Aにおいて、シンチレータ素子1aに入射したガンマ線がシンチレータ素子1a内の物質の電子と衝突し、電子を反跳させる。ガンマ線は電子にエネルギーの一部を与えるとともに、散乱されてシンチレータ素子1aの外部へ飛び出す。このような電子の反跳によるガンマ線の散乱を、コンプトン散乱という。反跳された電子は、最終的に与えられたエネルギーと同等のエネルギーを有する光信号を発生させ、元のエネルギー状態に戻る。
また、図3(b)では、反応Aにおいて電子に弾き飛ばされたガンマ線は、高エネルギーであるため、隣接する別のシンチレータ素子1aの内部に侵入している。そして、反応Bにおいて、隣接するシンチレータ素子1a内で検出の反応が起こり、光信号が生じている。このように、入射したガンマ線が複数のシンチレータ素子1aと反応し、受光素子2により光信号が検出される放射線事象を多重散乱事象とする。なお、電子に衝突して飛び出したガンマ線は、同一のシンチレータ素子1a内で再び反応し、最終的に同一のシンチレータ素子1a内で全てのエネルギー(511keV)に対応する光信号に変換される場合もある。この場合は、光電吸収事象とする。
図1に示すように、放射線検出装置100は、受光素子2により出力された出力信号を取得する制御部4を備える。制御部4は、記憶手段41と、主制御手段42と、信号処理手段43と、画像処理手段44とを含む。また、制御部4は、PC(パーソナルコンピュータ)などの情報処理装置を含む。
記憶手段41は、HDD(ハードディスクドライブ)およびメモリなどにより構成されている。また、記憶手段41は、主制御手段42や信号処理手段43が実行する各種プログラムや、撮影された画像のデータや、後述する信号補正に必要な所定のガンマ線の真の計測値および理論値を含む各種のデータが格納されている。
主制御手段42は、CPU(中央演算処理装置)などにより構成されている。また、主制御手段42は、記憶手段41に格納された制御プログラムを実行することによって、CPUを放射線検出装置100の制御部4として機能させる。また、主制御手段42は、放射線検出装置100の制御(たとえば、被検体の横臥する寝台部の移動など)を行う。
画像処理手段44は、信号処理手段43から出力される出力信号および補正出力信号に基づいてPET画像(放射線画像)を作成する。対消滅によって生じた略180度の反対方向に放出される2本のガンマ線が入射することにより生じる光信号は、対向する2つの受光素子2により同時に検出される。したがって、対向する2つの受光素子2の経路上のいずれかの位置においてガンマ線が発生し、光検出部に入射したことがわかる。従来の放射線検出装置100では、時間分解能が不十分なため、経路上のどの位置で対消滅が生じた十分な精度で把握することができない。そのため、これらの放射線の経路を複数集めて、経路が交差する領域をガンマ線の発生源とし、画像として表示するように構成されている。
画像処理手段44は、受光素子2から取得した出力信号を重心演算することにより、各ガンマ線を検出したシンチレータ素子1aの2次元座標(X,Y)を算出する機能を有する。
画像処理手段44は、各ガンマ線を検出したシンチレータ素子1aの2次元座標(X,Y)を基にして2次元位置マップ5の作成およびガンマ線を検出したシンチレータ素子1aの位置の特定を行う。以下、2次元位置マップ5の作成および2次元位置マップ5の校正方法について詳述する。
図4は、2次元位置マップ5の一例を示す。2次元位置マップ5は、PET画像作成前においてシンチレータ素子群1に放射線を一斉に照射することで作成される。画像処理手段44は、各ガンマ線を検出したシンチレータ素子1aの2次元座標(X,Y)を基にして2次元位置マップ5を作成する。2次元位置マップ5は、シンチレータ素子1aに入射されたガンマ線の入射位置と、光電吸収事象および多重散乱事象を含む放射線事象の頻度(画素値)とを対応させて作成される。
破線により囲まれた領域のうち丸で表した箇所は、光電吸収事象が行われた箇所を表し、それ以外の部分は、多重散乱事象が行われた箇所を表す。上記の通り、光電吸収事象は事象の起こる確率が多重散乱事象に比べて高いため、周囲と比較して2次元位置マップ5上の頻度(画素値)が大きくなる。一方で、多重散乱事象は事象の起こる確率が光電吸収事象に比べて低いため、光電吸収事象が行われた位置よりも2次元位置マップ5上の頻度(画素値)が小さくなる。
ここで、本実施形態の放射線検出装置100の画像処理手段44では、さらに、図5に示すように、2次元位置マップ5における頻度が大きい領域を光電吸収事象が行われた第1領域6aとし、第1領域6aの間に分布する領域を多重散乱事象が行われた第2領域6bとする。このようにして2次元位置マップ5を校正した第1領域6aと第2領域6bとを識別する第1の位置参照テーブル6が作成される。
作成される第1の位置参照テーブル6が格子状になるように2次元位置マップ5を複数の領域に区画し、格子状に区画された複数の領域のうち複数のシンチレータ素子1aの頻度(画素値)が大きい位置(黒丸によって表されている位置)を囲む領域を第1領域6aとし、第1領域6a以外の領域を第2領域6bとする。このようにして2次元位置マップ5を校正した第1の位置参照テーブル6を作成する。この際、第1領域6aは、頻度(画素値)の極大値を中心とする矩形上に形成されている。なお、第1領域6aの辺の長さは、実験や経験則に基づいて予め定められた大きさに設定されている、つまり、第1領域6aの大きさは各第1領域6aにおいて共通である。なお、第1領域6aの大きさは、各第1領域6aにおいて異ならせてもよい。
また、本実施形態の放射線検出装置100の画像処理手段44では、2次元位置マップ5の頻度(画素値)の極大値を求め、各極大値の中線を引くことにより、図6のように、2次元位置マップ5を校正した第2の位置参照テーブル7が作成される。図6の(A)~(C)で表したシンチレータ素子1aは、図2の(A)~(C)で表したシンチレータ素子1aの位置と対応している。
また、本発明の放射線検出装置100の画像処理手段44では、第1の位置参照テーブル6に基づいて、受光素子2からの光信号に関する出力信号の大きさからシンチレータ素子1aが放射線の入射により光るタイミングに補正するためのタイミング補正係数を算出し、算出されたタイミング補正係数に基づいて2次元位置マップ5を校正したタイミング補正参照テーブル8を作成する。図7は、タイミング補正参照テーブル8を模式的に表した図であり、光電吸収事象が行われた領域8aを正方形によって表し、多重散乱事象が行われた領域8bを長方形によって表す。なお、第1の位置参照テーブル6とタイミング補正参照テーブル8との光電吸収事象が行われた領域および多重散乱事象が行われた領域は対応する。
光電吸収事象が行われた領域8aと多重散乱事象が行われた領域8bとでは補正係数が異なる。たとえば、光電吸収事象が行われた領域8aの場合は、ガンマ線の入射により上記の通り511keVのエネルギーに相当する光信号を検出するため、受光素子2が飽和しやすくリニアリティが悪くなるのに対して、多重散乱事象では各受光素子2が511keV未満のエネルギーに相当する光信号を検出するため、受光素子2の光飽和が生じにくい。検出した光信号が大きいほど、回路上の信号の伝達が速くなるため、いつ信号を検知したかのタイミングが正確にわかる。そのため、検出するエネルギーが大きい光電吸収事象を表す第1領域6aのほうが多重散乱事象を表す第2領域6bよりもタイミングの検知が正確となる。なお、シンチレータ素子1aに同時にガンマ線が入射した場合においても、回路上の信号の伝達時間のずれが生じる場合が考えられる。そこで、タイミングを揃えるためにそれぞれの箇所において補正係数を決定する。
一方、多重散乱事象が行われた領域8bは、複数の受光素子2が検出するそれぞれの光信号が小さいため、回路上の信号の伝達が遅くなり、その分タイミングが遅くなる。そこで、多重散乱事象が行われた領域8bでは光のエネルギーとタイミングとの比からずれを補正するための補正値を決定する。また、多重散乱事象が行われた領域8bの位置によってもずれ量が異なるため、それぞれの位置において補正係数を決定する。
たとえば、ある光電吸収事象が行われた領域8aでは、マイナス1の補正値を設ける。または、ある多重散乱事象が行われた領域8bでは、プラス1の補正値を設ける。このようにして、各位置における補正値を決定する。作成されたタイミング補正参照テーブル8は、記憶手段41に記憶される。
また、画像処理手段44は、第1の位置参照テーブル6に基づいて、受光素子2からの光信号に関する出力信号の大きさからシンチレータ素子1aに入射された放射線のエネルギー値に補正するためのエネルギー補正係数を算出する。算出されたエネルギー補正係数に基づいて2次元位置マップ5を校正したエネルギー補正参照テーブル9を作成する。図8は、エネルギー補正参照テーブル9を模式的に表した図であり、光電吸収事象が行われた領域9aを正方形によって表し、多重散乱事象が行われた領域9bを長方形によって表す。なお、第1の位置参照テーブル6とエネルギー補正参照テーブル9との光電吸収事象が行われた領域および多重散乱事象が行われた領域は対応する。
光電吸収事象が行われた領域9aと多重散乱事象が行われた領域9bとでは、受光素子2が受信する光信号の量が異なる。たとえば、光電吸収事象が行われた領域9aの場合は、上記の通り511keVのエネルギーに相当する強い光が入るため受光素子2が飽和するのに対して、多重散乱事象が行われた領域9bでは各受光素子2は511keV未満のエネルギーに相当する光信号を検出する。そうすると、多重散乱事象が行われた領域9bは、光電吸収事象が行われた領域9aと比べてリニアリティが異なる。その結果、光吸収事象が行われた領域9aとは補正値が異なってくる。図8に示すように、補正値は光信号×変数(mまたはn)によって表される。変数は、エネルギーと光信号との比に基づいて決定される。作成されたエネルギー補正参照テーブル9は、記憶手段41に記憶される。
なお、画像処理手段44は、画像処理専用の演算処理部であってもよいし、CPUに信号処理および画像処理プログラムをそれぞれ実行させることにより画像処理手段44として機能させてもよい。また、画像処理専用の装置を画像処理手段44として設けてもよい。
次に、図9および図10を参照して一実施形態にかかる、放射線検出装置100の2次元位置マップ5の校正方法およびそれによって得られたデータに基づいてPET画像の生成方法を説明する。
図9に示すように、ステップS1としては、2次元位置マップ5を作製するためにユーザは、放射線源から放射線検出器3に対して放射線を照射する。このとき、放射線源を中央に配置することにより放射線源より180度の角度で配置された放射線検出器3に放出された放射線が同時に複数の放射線検出器3に到達する。ステップS2としては、放射線検出器3を構成するシンチレータ素子1aが検出した放射線を光信号に変換する。光信号に変換する際に、シンチレータ素子1aから微弱な光が発せられる。
ステップS3としては、受光素子2が、シンチレータ素子1aから発せられた光信号を検出する。ステップS4としては、制御部4が、受光素子2から出力された出力信号を演算し、2次元位置マップ5を作成する。
ステップS5としては、制御部4が、2次元位置マップ5を校正した第1領域6aと第2領域6bとを識別可能な第1の位置参照テーブル6を作成する。このとき、第1の位置参照テーブル6が格子状になるように2次元位置マップ5を複数の領域に区画し、格子状に区画された複数の領域のうち複数のシンチレータ素子1aの2次元位置マップ5上の頻度の大きい位置を囲む領域を第1領域6aとし、第1領域6a以外の領域を第2領域6bとすることにより2次元位置マップ5を校正した第1の位置参照テーブル6を作成する。
ステップS6としては、制御部4は、2次元位置マップ5を校正した第2の位置参照テーブル7を作成する。
ステップS7としては、制御部4は、第1の位置参照テーブル6の領域毎に受光素子2からの光信号出力の大きさからシンチレータ素子1aに入射された放射線のエネルギー値に補正するためのエネルギー補正係数を算出する。ステップS8としては、制御部4は、ステップS7において算出した補正値に基づき2次元位置マップ5を校正したエネルギー補正参照テーブル9を作成する。ステップS9としては、制御部4が、第1の位置参照テーブル6の領域毎にタイミング補正係数を算出する。ステップS10としては、制御部4は、ステップS9において算出した補正値に基づき2次元位置マップ5を校正したタイミング補正参照テーブル8を作成する。以上が本実施形態にかかる2次元位置マップ5の校正方法である。作成されたタイミング補正参照テーブル8は、記憶手段41に記憶される。なお、エネルギー補正参照テーブル9とタイミング補正参照テーブル8とが作成される順番は、エネルギー補正参照テーブル9が先に作成される場合に限定されず、エネルギー補正参照テーブル9とタイミング補正参照テーブル8とが同時に作成されてもよく、タイミング補正参照テーブル8が先に作成されてもよい。
次に図10を参照して、タイミング補正参照テーブル8およびエネルギー補正参照テーブル9を用いて、PET画像を生成する方法について説明する。
ステップS11としては、ユーザは、被検体に薬剤を投与する。ステップS12としては、シンチレータ素子1aは、ガンマ線を検出する。ステップS13としては、制御部4は、ガンマ線を検出したシンチレータ素子1aの2次元座標(X,Y)を基にしてガンマ線を検知したシンチレータ素子1aの位置を第2の位置参照テーブル7によって決定する。ステップS14としては、制御部4は、タイミング補正参照テーブル8およびエネルギー補正参照テーブル9を参照して、放射線が入射したシンチレータ素子1aの位置に応じた補正値に基づいてエネルギー量およびタイミングを補正する。
ステップS15としては、制御部4は、補正後のエネルギー量が511keVか否かを判定する。511keVであれば次のステップS16へ進むが、違う場合はこの信号を使用せずステップS12に戻る。なお、多重散乱事象が行われた領域の場合は、ガンマ線を検知した領域の値を合計した値を用いて判定する。ステップS16としては、制御部4は、180度に放出された2本のガンマ線を検出する一対の対応する検出があるかを判定する。一対の対応する検出があれば次のステップS17に進むが、検出がなければステップS12に戻る。ステップS17としては、制御部4は、一対の対応する検出のタイミングが一致しているか判定する。一致している場合は次のステップS18に進むが、一致していない場合は、同じ放射線源から照射されたものではないため、この信号を使用せず、ステップS12に戻る。
ステップS18としては、制御部4は、得られたデータからPET画像を生成する。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、2次元位置マップ5における頻度の大きい領域を光電吸収事象が行われた第1領域6aとし、第1領域6aの間に分布する領域を多重散乱事象が行われた第2領域6bとすることによって、第1領域6aと第2領域6bとを識別可能なように2次元位置マップ5を校正した第1の位置参照テーブル6を作成するステップを備える。これにより、校正後の放射線画像作成時において第1の位置参照テーブル6を参照することによって、入射した放射線による光信号出力を光電吸収事象が行われた第1領域6aのデータと多重散乱事象が行われた第2領域6bのデータとを区別することが可能となる。その結果、光電吸収事象データと多重散乱事象データとの両方を区別して用いることが可能となる。したがって、たとえば、多重散乱事象が行われた第2領域6bを光電吸収事象が行われた第1領域6aのデータと異なる補正を行うことにより、検出器の特性(タイミング、エネルギー)を補正することができる。
また、本実施形態では、上記のように、2次元位置マップ5シンチレータ素子の個数に区分することによって、2次元位置マップ5を校正した第2の位置参照テーブル7を作成するステップをさらに備える。このようにすれば、複数のシンチレータ素子1aの位置と放射線が入射した位置とを対応付けることができるため、放射線を検知したシンチレータ素子1aの位置を容易に特定しやすくなる。
また、本実施形態では、上記のように、2次元位置マップ5を校正した第1の位置参照テーブル6を作成するステップは、第1の位置参照テーブル6が格子状になるように2次元位置マップ5を複数の領域に区画し、格子状に区画された複数の領域のうち2次元位置マップ5における頻度の大きい位置を囲む領域を第1領域6aとし、第1領域6a以外の領域を第2領域6bとすることにより2次元位置マップ5を校正した第1の位置参照テーブル6を作成するステップを含む。このようにすれば、第1領域6aと第2領域6bとの境界を容易に作成することができるため、シンチレータ素子1aおいて、光電吸収事象と多重散乱事象とのどちらが行われたのかを判断し易くなる。
また、本実施形態では、上記のように、第1の位置参照テーブル6に基づいて、タイミング補正係数を算出し、算出されたタイミング補正係数に基づいて2次元位置マップ5を校正したタイミング補正参照テーブル8を作成するステップをさらに備える。このようにすれば、シンチレータ素子1aに放射線が入射したタイミングをより正確に判断することが可能となるため、放射線検出装置100のシンチレータ素子1aに放射線が入射したタイミングを検知する性能を向上させることができる。
また、本実施形態では、第1の位置参照テーブル6に基づいて、エネルギー補正係数を算出し、算出されたエネルギー補正係数に基づいて2次元位置マップ5を校正したエネルギー補正参照テーブル9を作成するステップをさらに備える。これにより、受光素子2の光飽和などにより検出器信号のリニアリティが悪い場合でも、シンチレータ素子1aに入射された放射線のエネルギー値を正確に把握することが可能となる。これにより、正確な放射線画像を作成することが可能なデータのみから放射線画像を作成することができる。
また、本実施形態では、上記のように、複数のシンチレータ素子1aからなるシンチレータ素子群1と、シンチレータ素子群1に光学的に結合された1以上の受光素子2とによって構成された放射線検出器3と、制御部4とを備え、受光素子2は、放射線源からシンチレータ素子1aに照射された放射線を検出し、光信号に関する出力信号に変換し、制御部4は、受光素子2から出力信号を取得し、取得した出力信号に基づき光電吸収事象および多重散乱事象を含む放射線事象の頻度とシンチレータ素子1aに入射された放射線の入射位置とを対応させて表した2次元位置マップ5を作成し、2次元位置マップ5における頻度の大きい領域を光電吸収事象が行われた第1領域6aとし、第1領域6aの間に分布する領域を多重散乱事象が行われた第2領域6bとすることによって、第1領域6aと第2領域6bとを識別可能なように2次元位置マップ5を校正した第1の位置参照テーブル6を作成するように構成されている。これにより、光電吸収事象が行われた第1領域6aのデータと多重散乱事象が行われた第2領域6bのデータとを分けて取得することが可能となる。その結果、光電吸収事象データと多重散乱事象データとの両方を用いることが可能となる。たとえば、多重散乱事象が行われた第2領域6bのデータを補正することにより光電吸収事象が行われた第1領域6aのデータと同様に用いることができる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部4は、2次元位置マップ5のシンチレータ素子1aの個数分に区分することによって、2次元位置マップ5を校正した第2の位置参照テーブル7をさらに作成するように構成されている。このようにすれば、複数のシンチレータ素子1aの配置と放射線が入射した位置とを対応付けることができるため、放射線を検出したシンチレータ素子1aの位置を容易に特定しやすくなる。
また、本実施形態では、上記のように、制御部4は、第1の位置参照テーブル6を格子状になるように複数の領域に区画し、格子状に区画された複数の領域のうち、2次元位置マップ5における頻度の大きい位置を囲む領域を第1領域6aとし、第1領域6a以外の領域を第2領域6bとすることによって、2次元位置マップ5を校正した第1の位置参照テーブル6を作成するように構成されている。このようにすれば、第1領域6aと第2領域6bとの境界を容易に作成することができるため、シンチレータ素子1aにおいて、光電吸収事象と多重散乱事象とのどちらが行われたのかを判断し易くなる。
また、本実施形態では、受光素子2は、複数のシンチレータ素子1aに対して1つ設けられている。これにより、受光素子2をシンチレータ素子1aの数に合わせて設けなくてもよいため、部品点数を削減できる。
また、本実施形態では、制御部4は、第1の位置参照テーブル6に基づいて、出力信号の大きさからタイミング補正係数を算出し、算出されたタイミング補正係数に基づいて2次元位置マップ5を校正したタイミング補正参照テーブル8を作成するように構成されている。これにより、シンチレータ素子1aに放射線が入射したタイミングをより正確に判断することが可能となるため、放射線検出装置100のシンチレータ素子1aに放射線が入射したタイミングを検知する性能を向上させることができる。
また、本実施形態では、制御部4は、第1の位置参照テーブル6に基づいて、出力信号の大きさからエネルギー補正係数を算出し、算出されたエネルギー補正係数に基づいて2次元位置マップ5を校正したエネルギー補正参照テーブル9を作成するように構成されている。これにより、受光素子2の光飽和などにより検出器信号のリニアリティ(受光素子2に入力された信号に対して出力される信号の直線性)が悪い場合でも、シンチレータ素子2aに入射された放射線のエネルギー値を正確に把握することが可能となる。これにより、正確な放射線画像を作成することが可能なデータのみから放射線画像を作成することができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、放射線検出装置としてPET装置を用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、放射線検出装置は、SPECT(single photon emission CT)装置、またはTOF(Time-of-Flight)PET装置を用いてもよい。
たとえば、上記実施形態では、第1の位置参照テーブルを格子状にする例を示したが本発明はこれに限られない。たとえば、光電吸収事象が行われた領域を丸で囲み、多重散乱事象が行われた領域を線で表してもよい。
たとえば、上記実施形態では、タイミング補正参照テーブルにおいて光電吸収事象が行われた領域を正方形で表し、多重散乱事象が行われた領域を長方形で表す例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、丸で表してもよい。
たとえば、上記実施形態では、エネルギー補正参照テーブルにおいて光電吸収事象が行われた領域を正方形で表し、多重散乱事象が行われた領域を長方形で表す例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、丸で表してもよい。
たとえば、上記実施形態では、複数のシンチレータ素子に対して1つの受光素子を設けた例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、シンチレータ素子の数に合わせて受光素子を設けてもよい。
たとえば、上記実施形態では、複数のシンチレータ素子の間に反射板を設けていないが、本発明はこれに限らない。たとえば、シンチレータ素子の間に反射板を設けてもよい。
また、上記実施形態では、説明の便宜上、制御部の処理を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローを用いて説明したが、たとえば、制御部の処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
たとえば、上記実施形態では、タイミング補正参照テーブルおよびエネルギー参照テーブルを作成する例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、タイミング補正参照テーブルおよびエネルギー参照テーブルを作成しなくてもよい。
1 シンチレータ素子群
1a シンチレータ素子
2 受光素子
3 放射線検出器
4 制御部
5 2次元位置マップ
6 第1の位置参照テーブル
7 第2の位置参照テーブル
8 タイミング補正参照テーブル
9 エネルギー補正参照テーブル
100 放射線検出装置

Claims (11)

  1. 複数のシンチレータ素子からなるシンチレータ素子群と、前記シンチレータ素子群に光学的に結合された1以上の受光素子とによって構成された放射線検出器を備える放射線検出装置において、前記シンチレータ素子に入射された放射線の入射位置と、光電吸収事象および多重散乱事象を含む放射線事象の頻度とを対応させて表した2次元位置マップを校正する放射線検出装置の2次元位置マップの校正方法であって、
    前記2次元位置マップにおける前記放射線事象の頻度が周囲と比較して大きい領域を含む領域を光電吸収事象が行われた第1領域とし、一の前記第1領域と他の前記第1領域との間に分布する領域を多重散乱事象が行われた第2領域とすることによって、前記第1領域と前記第2領域とを識別可能なように前記2次元位置マップを校正した第1の位置参照テーブルを作成するステップを備え
    前記第1の位置参照テーブルに基づいて、前記第1領域と前記第2領域とに互いに異なる補正用の補正値を設定するように構成されている、放射線検出装置の2次元位置マップの校正方法。
  2. 前記2次元位置マップを前記シンチレータ素子の個数に区分することによって、前記2次元位置マップを校正した第2の位置参照テーブルを作成するステップをさらに備える、請求項1に記載の放射線検出装置の2次元位置マップの校正方法。
  3. 前記2次元位置マップを校正した前記第1の位置参照テーブルを作成するステップは、前記第1の位置参照テーブルが格子状になるように前記2次元位置マップを複数の領域に区画し、格子状に区画された複数の前記2次元位置マップにおける前記放射線事象の頻度が周囲と比較して大きい位置を囲む領域を前記第1領域とし前記第1領域以外の領域を前記第2領域とすることにより前記2次元位置マップを校正した前記第1の位置参照テーブルを作成するステップを含む、請求項1または2に記載の放射線検出装置の2次元位置マップの校正方法。
  4. 前記第1の位置参照テーブルに基づいて、タイミング補正係数を算出し、算出された前記タイミング補正係数に基づいて前記2次元位置マップを校正したタイミング補正参照テーブルを作成するステップをさらに備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の放射線検出装置の2次元位置マップの校正方法。
  5. 前記第1の位置参照テーブルに基づいて、エネルギー補正係数を算出し、算出された前記エネルギー補正係数に基づいて前記2次元位置マップを校正したエネルギー補正参照テーブルを作成するステップをさらに備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の放射線検出装置の2次元位置マップの校正方法。
  6. 複数のシンチレータ素子からなるシンチレータ素子群と、前記シンチレータ素子群に光学的に結合された1以上の受光素子とによって構成された放射線検出器と、
    制御部とを備え、
    前記受光素子は、放射線源から前記シンチレータ素子に照射された放射線を検出し、光信号に関する出力信号に変換し、
    前記制御部は、前記受光素子から前記出力信号を取得し、取得した前記出力信号に基づき光電吸収事象および多重散乱事象を含む放射線事象の頻度と前記シンチレータ素子に入射された放射線の入射位置とを対応させて表した2次元位置マップを作成し、前記2次元位置マップにおける前記放射線事象の頻度が周囲と比較して大きい領域を含む領域を光電吸収事象が行われた第1領域とし、一の前記第1領域と他の前記第1領域の間に分布する領域を多重散乱事象が行われた第2領域とすることによって、前記第1領域と前記第2領域とを識別可能なように前記2次元位置マップを校正した第1の位置参照テーブルを作成するとともに、前記第1の位置参照テーブルに基づいて、前記第1領域と前記第2領域とに互いに異なる補正用の補正値を設定するように構成されている、放射線検出装置。
  7. 前記制御部は、前記2次元位置マップを前記シンチレータ素子の個数に区分することによって、前記2次元位置マップを校正した第2の位置参照テーブルをさらに作成するように構成されている、請求項6に記載の放射線検出装置。
  8. 前記制御部は、前記第1の位置参照テーブルを格子状になるように複数の領域に区画し、格子状に区画された複数の領域のうち、複数の前記2次元位置マップにおける前記放射線事象の頻度が周囲と比較して大きい位置を囲む領域を前記第1領域とし、前記第1領域以外の領域を前記第2領域とすることによって、前記2次元位置マップを校正した前記第1の位置参照テーブルを作成するように構成されている、請求項6または7に記載の放射線検出装置。
  9. 前記受光素子は、複数の前記シンチレータ素子に対して1つ設けられている、請求項6~8のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
  10. 前記制御部は、前記第1の位置参照テーブルに基づいて、前記出力信号の大きさからタイミング補正係数を算出し、算出された前記タイミング補正係数に基づいて前記2次元位置マップを校正したタイミング補正参照テーブルを作成するように構成されている、請求項6~9のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
  11. 前記制御部は、前記第1の位置参照テーブルに基づいて、前記出力信号の大きさからエネルギー補正係数を算出し、算出された前記エネルギー補正係数に基づいて前記2次元位置マップを校正したエネルギー補正参照テーブルを作成するように構成されている、請求項6~10のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
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