JP2017003345A - 磁場検出装置 - Google Patents

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哲三 永久
Tetsuzo Nagahisa
哲三 永久
信明 寺口
Nobuaki Teraguchi
信明 寺口
吐田 真一
Shinichi Toda
真一 吐田
佐藤 拓也
Takuya Sato
拓也 佐藤
足立 浩一郎
Koichiro Adachi
浩一郎 足立
柴田 晃秀
Akihide Shibata
晃秀 柴田
岩田 浩
Hiroshi Iwata
浩 岩田
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Abstract

【課題】測定対象の磁場の検出精度を向上させうる磁場検出装置を提供する。【解決手段】磁場検出装置は、基板100において行列状に分割されたセグメントSのそれぞれに、基板100のX軸方向の磁場に応じた出力を行う磁気センサ110が配置された磁気センサアレイ10を備える。磁場検出装置は、磁気センサアレイ10における少なくとも一の列方向又は行方向のセグメントSに配置された磁気センサ110の出力に基づいて、当該セグメントSの位置におけるX軸方向の磁場のノイズ成分を求める。磁場検出装置は、基板100における磁気センサ110出力に基づく磁場強度を、当該磁気センサ110が配置されたセグメントSの位置に応じたノイズ成分に基づいて補正する。【選択図】図2A

Description

本発明は、磁場検出装置に関する。
従来、例えば、超電導量子干渉素子(SQUID)を用い、生体から発せられる微小な磁場を検知することにより生体の状態を観察する技術が知られている。SQUIDは、数10fTレベルの極めて微小な磁場を検出することが可能な素子であるが、超電導状態を維持するために、SQUIDを冷却する設備が必要となる。そのため、SQUIDの利用は、医療現場、基礎研究等のごく限られた用途に留まっている。このような状況に鑑み、近年では、室温においても生体等の微小な磁場を検出することが可能な磁気センサの開発が進められている。その磁気センサを構成する素子として注目されているのがGMR(Giant Magneto−Resistance)、TMR(Tunneling Magneto−Resistance)などのMR(Magneto−Resistance)素子や、GMI(Giant Megnetic Impedance)素子である。これらは室温で動作するとともに、近年の目覚ましい技術革新によって磁場検出能力も飛躍的に向上しているため、これらを用いた磁気センサに期待が寄せられている。
上記した磁気センサに用いられる素子は、磁気センサが配置された位置における磁場強度を測定するものである。しかしながら、測定対象の磁場強度の測定の際、地磁気、都市雑音、近傍の電化製品(携帯電話等)による電磁波等の周辺磁場がノイズとなり、磁場強度を正確に測定できない場合がある。また、測定対象の磁場強度が小さければ、その磁場強度がノイズに埋もれ、その磁場強度を測定することができない。そのため、磁場検出に際してノイズの除去が不可欠となる。
下記特許文献1には、磁場検出領域に配置された第1GMR素子と、磁場が変化しない領域に配置された第2GMR素子とで構成されたブリッジ回路によって磁場を検出する方法が開示されている。この第2GMR素子は、予め加熱されるなどして磁気ノイズの影響を受けないように構成され、第1GMR素子と第2GMR素子の間の電位差を得ることによって、磁気ノイズの影響を受けないようにしている。
下記特許文献2には、複数の磁気センサを用い、各磁気センサの差分を取ることによりノイズを除去し、信号対ノイズ比を改善する手法が開示されている。
さらに、下記特許文献3には、鋼板の表面や表層における欠陥から漏洩する磁束を検出する方法が開示されている。特許文献3では、磁化器と複数の磁気センサを用い、各磁気センサの出力信号波形を近似するフィッティングカーブをフィッティング処理によって演算する。そして、出力信号波形とフィッティングカーブとの差分を取ることで、浮遊磁場由来のノイズを除去している。
特開2000−174358 特開2005−351746 特開2011−196863
上記特許文献1の場合、磁場変化を検知する領域は、地磁気などの磁気ノイズを遮蔽することが前提となっており、この領域を遮蔽するための設備が必要となる。また、磁場変化を検知する領域と、それ以外の領域のそれぞれに磁気センサを設置する必要があるため、磁場を検出する検出装置が大がかりになる。
また、上記特許文献2の場合、磁気センサから十分離れた信号源から発せられる環境ノイズを想定しており、磁気センサ近傍のノイズは考慮されていない。
また、上記特許文献3は、鋼板の欠陥によって生じる漏洩磁束を検出することを目的としており、検出対象の磁場が極めて小さいものにしか対応していない。そのため、特許文献3の磁気センサを、磁化器を用いずに一般の磁気センサとして応用する場合、検出対象の磁場の範囲が大きくなると、特許文献3に記載のフィッティング処理ではノイズを除去することができない場合が生じる。
ノイズを除去する際、1つの磁気センサだけではノイズを除去することは困難であるため、2つ以上の磁気センサを用いる。2つの磁気センサのうち、片方の磁気センサを、周辺磁場を検知するためのリファレンス用磁気センサとした場合、測定対象の磁場を正確に測定するためには、リファレンス用磁気センサを測定対象から十分に離さなければならない。さらに、測定対象の近傍の電化製品(携帯電話等)から磁気ノイズが発生している場合には、そのノイズ発生源と各磁気センサとの間の距離の違いから、各磁気センサで検知されるノイズの磁場強度が異なり、ノイズを適切に除去することができない。
本発明の目的は、測定対象の磁場の検出精度を向上させうる磁場検出装置を提供することである。
本発明に係る磁場検出装置は、基板と、前記基板において行列状に分割された分割領域のそれぞれに配置された少なくとも一の磁場検出素子とを含む磁場検出アレイであって、前記磁場検出素子として、一の方向の磁場に応じた出力を行う第1軸用検出素子を含む磁場検出アレイと、前記磁場検出アレイにおける少なくとも一の行方向又は列方向の分割領域を演算対象とし、前記演算対象の分割領域に配置された前記第1軸用検出素子の出力に基づいて、前記演算対象の分割領域のそれぞれの位置における、前記一の方向の磁場のノイズ成分である第1軸ノイズを求めるノイズ演算部と、前記第1軸用検出素子の出力に基づく磁場強度を、当該第1軸用検出素子が配置された分割領域の位置に応じた前記第1軸ノイズに基づいて補正する補正部と、を備える。
本発明によれば、測定対象の磁場の検出精度を向上させることができる。
図1は、第1実施形態に係る磁場検出装置の概略構成を示す模式図である。 図2Aは、図1に示す磁気センサアレイを上から見た概略平面図である。 図2Bは、図2Aに示す磁気センサのI−I断面図である。 図3Aは、図2Aに示す磁気センサアレイにおける磁気センサの配置を説明するための模式図である。 図3Bは、図2Aに示す磁気センサアレイにおける磁気センサ間隔、測定磁場範囲、及び磁気センサ領域の関係を説明する模式図である。 図3Cは、図2Aに示す磁気センサアレイにおける磁気センサ間隔、測定磁場範囲、及び磁気センサ領域の関係を説明する模式図である。 図3Dは、図2Aに示す磁気センサアレイにおける磁気センサ間隔、測定磁場範囲、及び磁気センサ領域の関係を説明する模式図である。 図4は、図2図2Aに示す一の列に配置された磁気センサに接続された磁場検出回路の概略構成を示す模式図である。 図5の(a)は、ノイズ演算対象用センサの各位置の磁場強度と、0次ノイズ及び1次ノイズとを示す図である。図5の(b)は、ノイズ補正後の磁場強度を示す図である。 図6Aは、第1実施形態におけるGMR素子の断面図である。 図6Bは、基板上に配列用電極を形成する工程を説明する図であり、配列用電極を上から見た上面図である。 図6Cは、図6Bにおける配列用電極のA−A断面を示す模式図である。 図6Dは、図6Cに示す配列用電極の上に絶縁膜を成膜する工程を説明する断面図である。 図6Eは、図6Aに示すGMR素子を図6Dに示す基板上に配列する方法を説明する概念図である。 図6Fは、図6Eにおける1セグメントの配列用電極近傍の断面を表す模式図である。 図6Gは、図6Dに示す配列用電極の上に図6Aに示すGMR素子を配置された状態を示す断面図である。 図6Hは、図6Gに示すGMR素子の上に絶縁膜104を成膜する工程を説明する断面図である。 図6Iは、図6Hに示すGMR素子の上端の一部に配線用電極を形成する工程を説明する模式図である。 図7は、GMR素子が配列用電極の上に配置される原理を説明する図である。 図8は、第2実施形態における磁気センサアレイを上から見た概略平面図である。 図9は、第2実施形態の配列用電極を上から見た上面図である。 図10は、第3実施形態における磁気センサアレイを上から見た概略平面図である。 図11は、第3実施形態の配列用電極を上から見た上面図である。 図12Aは、第4実施形態における磁気センサアレイを上から見た概略平面図である。 図12Bは、図12Aに示す磁気センサアレイのII−II断面を示す断面図である。 図13Aは、第4実施形態の磁気センサアレイの製造工程を説明する図であって、基板の一方の面に絶縁膜を成膜する工程を説明する断面図である。 図13Bは、図13Aに示す絶縁膜の上にシフト膜を成膜する工程を説明する断面図である。 図13Cは、図13Bに示すシフト膜の上に塗布したレジストに開口部を形成する工程を説明する断面図である。 図13Dは、図13Cに示す絶縁膜に斜面を形成する工程を説明する断面図である。 図13Eは、図13Dに示すレジストを除去する工程を示す断面図である。 図13Fは、図13Eに示す絶縁膜の傾斜面の領域にレジストを塗布する工程を説明する断面図である。 図13Gは、図13Fに示すレジストが形成された領域以外の絶縁膜及びシフト膜を除去する工程を説明する断面図である。 図13Hは、図13Gに示す基板に傾斜体が形成された状態を示す断面図である。 図13Iは、第4実施形態の配列用電極を上から見た平面図である。 図14Aは、図13Hに示す傾斜体の他の例を示す断面図である。 図14Bは、図13Hに示す傾斜体の他の例を示す断面図である。 図15は、図12Aに示す磁気センサアレイと磁気センサの配置が異なる磁気センサアレイを例示した模式図である。 図16Aは、変形例(1)における磁気センサアレイの使用例を示す模式図である。 図16Bの(a)は、図16Aの使用状態における磁気センサアレイのX軸方向の磁場強度と1次ノイズとを例示した図である。図16Bの(b)は、磁気センサアレイの曲面部分における磁気センサを拡大した模式図である。 図17は、変形例(2)における磁気センサアレイを上から見た平面図である。 図18Aは、変形例(5)における磁気センサに用いる素子の断面構造を示す模式図である。 図18Bは、図18Aに示すGMR素子における磁場検出部の断面構造を示す模式図である。
本発明の一実施形態に係る磁場検出装置は、基板と、前記基板において行列状に分割された分割領域のそれぞれに配置された少なくとも一の磁場検出素子とを含む磁場検出アレイであって、前記磁場検出素子として、一の方向の磁場に応じた出力を行う第1軸用検出素子を含む磁場検出アレイと、前記磁場検出アレイにおける少なくとも一の行方向又は列方向の分割領域を演算対象とし、前記演算対象の分割領域に配置された前記第1軸用検出素子の出力に基づいて、前記演算対象の分割領域のそれぞれの位置における、前記一の方向の磁場のノイズ成分である第1軸ノイズを求めるノイズ演算部と、前記第1軸用検出素子の出力に基づく磁場強度を、当該第1軸用検出素子が配置された分割領域の位置に応じた前記第1軸ノイズに基づいて補正する補正部と、を備える(第1の構成)。
第1の構成によれば、磁場検出アレイは、基板における各分割領域に磁場検出素子として、一の方向の磁場に応じた出力を行う第1軸用センサを備える。ノイズ演算部は、演算対象の分割領域に配置された第1軸用検出素子の出力に基づいて、演算対象の分割領域のそれぞれの位置における、一の方向の磁場のノイズ成分である第1軸ノイズを求める。補正部は、第1軸用検出素子の出力に基づく磁場強度を、その第1軸用検出素子が配置された分割領域の位置に応じた第1軸ノイズに基づいて補正する。従って、磁気センサアレイにおける分割領域ごとに、その分割領域の位置に応じた第1軸ノイズの補正がなされた磁場強度を得ることができるので、測定対象の磁場を精度良く検出することができる。
第2の構成は、第1の構成において、前記磁場検出素子は、さらに、前記一の方向に交差する他の方向の磁場に応じた出力を行う第2軸用検出素子を含み、前記ノイズ演算部は、さらに、前記演算対象における前記第2軸用検出素子の検出結果に基づいて、前記演算対象の分割領域のそれぞれの位置における、前記他の方向の磁場のノイズ成分である第2軸ノイズを求め、前記補正部は、さらに、前記第2軸用検出素子の検出結果を、当該第2軸用検出素子が配置された分割領域の位置に応じた前記第2軸ノイズに基づいて補正することとしてもよい。
第2の構成によれば、磁場検出アレイは、磁場検出素子として、第1軸用検出素子と第2軸用検出素子とを備える。第2軸用検出素子は、一の方向に交差する他の方向の磁場に応じた出力を行う。ノイズ演算部は、第1軸ノイズに加え、演算対象の行又は列に配置された第2軸用検出素子の出力に基づいて、演算対象の分割領域のそれぞれの位置における、他の方向の磁場のノイズ成分である第2軸ノイズを求める。補正部は、第1軸用検出素子の出力に基づく磁場強度の補正に加え、第2軸用検出素子の出力に基づく磁場強度を、その第2軸用検出素子が配置された分割領域の位置に応じた第2軸用ノイズに基づいて補正する。これにより、互いに交差する2つの方向の磁場を精度良く検出することができる。
第3の構成は、第2の構成において、前記一の方向及び前記他の方向は、前記基板面に平行な方向であり、前記磁場検出素子は、さらに、前記基板面に対して一定の角度を成して支持され、前記基板面に対して前記一定の角度を成す方向の磁場に応じた出力を行う第3軸用検出素子を含み、前記ノイズ演算部は、さらに、前記演算対象の分割領域に配置された前記第3軸用検出素子の出力と、当該第3軸用検出素子が配置された分割領域における前記第1軸用検出素子、又は前記第2軸用検出素子の出力とに基づいて、前記演算対象の分割領域のそれぞれの位置における前記基板面に対して垂直な方向の磁場のノイズ成分である第3軸ノイズを求め、前記補正部は、さらに、前記第3軸用検出素子の出力と、当該第3軸用検出素子が配置された分割領域に配置された前記第1軸用検出素子、又は前記第2軸用検出素子の出力とに基づく前記基板面に対して垂直な方向の磁場強度を、当該第3軸用検出素子が配置された分割領域に応じた前記第3軸ノイズに基づいて補正することとしてもよい。
第3の構成によれば、磁場検出アレイは、磁場検出素子として、基板面に平行な一の方向の磁場に応じた出力を行う第1軸用検出素子と、基板面に平行な他の方向の磁場に応じた出力を行う第2軸用検出素子に加え、第3軸用検出素子を備える。第3軸用検出素子は、基板面に対して一定の角度を成して支持され、基板面に対して一定の角度を成す方向の磁場に応じた出力を行う。ノイズ演算部は、第1軸ノイズ及び第2軸ノイズに加え、演算対象の行又は列に配置された第3軸用検出素子の出力に基づいて、演算対象の分割領域のそれぞれの位置における、基板面に対して垂直方向の磁場のノイズ成分である第3軸ノイズを求める。補正部は、第1軸用検出素子及び第2軸用検出素子の出力に基づく磁場強度の補正に加え、第3軸用検出素子と第1軸用検出素子又は第2軸用検出素子の出力に基づく、基板面に対して垂直方向の磁場強度を、その第3軸用検出素子が配置された分割領域の位置に応じた第3軸用ノイズに基づいて補正する。これにより、基板面に平行な2つの方向の磁場に加え、基板面に垂直な方向の磁場を精度良く検出することができる。
第4の構成は、第1から第3のいずれかの構成において、前記磁場検出素子は、直方体形状又は円柱形状を有し、前記直方体形状又は前記円柱形状の長手方向の磁場を検出し、前記一の方向又は前記他の方向と前記長手方向とが一致するように前記分割領域に配置されることとしてもよい。
第4の構成によれば、基板上に磁場検出素子を配置する際、磁場検出素子の磁場の検出方向を揃えやすく、所望の磁場検出アレイを製造しやすい。
第5の構成は、第4の構成において、前記直方体形状の前記長手方向の長さは、当該直方体形状の前記長手方向に直交する方向の長さの2倍以上である、又は、前記円柱形状の前記長手方向の長さは、当該円柱形状の円の直径の長さの2倍以上であることとしてもよい。
以下、図面を参照し、本発明の磁場検出装置の実施の形態を詳しく説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る磁場検出装置の概略構成を示す模式図である。磁場検出装置1は、磁気センサアレイ10と磁場検出回路20とを備える。磁気センサアレイ10と磁場検出回路20とは互いに電気的に接続されている。
図2Aは、磁気センサアレイ10を上から見た概略平面図である。図2Aに示すように、磁気センサアレイ10は、基板100の一方の面において、行列状(n×m)に分割された分割領域(以下、セグメントS)のそれぞれに1つの磁気センサ110が配置されて構成されている。磁気センサ110は、磁気センサ110が配置された位置におけるX軸方向の磁場に応じた抵抗値を示す信号を出力する。なお、本実施形態において、磁気センサアレイ10のX軸方向を行方向、Y軸方向を列方向とする。
磁気センサ110は、この例において、GMR素子が用いられている。磁気センサ110に用いられる素子は、GMR素子に限らない。具体的には、磁気センサ110は、GMR素子以外に、例えば、TMR素子、GMI素子(ワイヤ型、薄膜型等)等を用いてもよい。
磁気センサ110は、この例において、直方体形状を有する。磁気センサ110の長辺(長手方向の長さ)は、短辺(長手方向に直交する方向)の長さに対して2倍以上であることが望ましく、5倍以上であればより好ましい。その理由は、後述する磁気センサ110の製造方法の説明において詳述する。磁気センサ110の形状は、直方体形状に限らず、円柱形状であってもよい。円柱形状の場合には、円柱の円の直径に対し、円柱の高さ(長手方向の長さ)が2倍以上であることが望ましく、5倍以上であればより好ましい。
図2Bは、図2Aに示す磁気センサ110のI−I断面図である。図2Bに示すように、磁気センサ110は、一対の配列用電極101(101A,101B)と、絶縁膜102,104と、GMR素子103と、一対の配線用電極105(105A,105B)とを備える。配列用電極101は、基板100の一方の面に接するように形成されている。絶縁膜102は、配列用電極101を覆うように基板100の一方の面に形成されている。GMR素子103は、絶縁膜102に接するように絶縁膜102上に形成され、GMR素子103の左右の端部(X軸方向の端部)と上端(Z軸正方向の端部)の一部は、絶縁膜104と接している。配線用電極105は、GMR素子103の上端において、一対の配列用電極101と対向する位置に形成されている。
基板100は、例えば、ガラス基板が用いられる。基板100は、磁気センサ110による磁場の検出に際し、不要な磁場を生じさせない非磁性材料で構成されていればよい。具体的には、基板100は、ガラス基板以外に、例えば、Si基板やサファイア基板でもよいし、樹脂製のフレキシブル基板であってもよい。
配列用電極101は、例えばアルミニウム等の導電性を有する材料を用いて形成される。配列用電極101A、101Bの間隔は、磁気センサ110の長手方向(X軸方向)の長さに応じて任意に設定される。
絶縁膜102は、例えばSiO等の絶縁性を有する材料を用いて形成される。
GMR素子103は、反強磁性層1031a、固定層1032a、非磁性層1033a、フリー層1034、非磁性層1033b、固定層1032b、反強磁性層1031bがこの順に積層された構造を有する。
反強磁性層1031a,bは、例えば、イリジウムマンガン合金(IrMn)などの反強磁性材料を含む。反強磁性層1031a,bは、固定層1032a,bとの交換結合により、固定層1032a,bにおける磁化の方向を固定する。
固定層1032a,bは、反強磁性層1031a,bの側から順に、外側ピンド層、中間層、内側ピンド層(いずれも図示略)の3層構造を有する。外側ピンド層は、例えば、Y軸正方向に固着された磁化方向を有し、内側ピンド層は、外側ピンド層と逆方向のY軸負方向に固着された磁化方向を有する。外側ピンド層及び内側ピンド層は、例えば、コバルト鉄合金(CoFe)、コバルト鉄ホウ素合金(CoFeB)等のいずれか軟磁性材料を含む。中間層は、銅(Cu)、金(Au)、ルテニウム(Ru)等の非磁性金属材料を含む。なお、外側ピンド層は、単層構造でもよいし、例えば、組成比が異なるコバルト鉄合金(CoFe)を積層した積層構造であってもよい。
非磁性層1033a,bは、例えば、銅(Cu)、金(Au)等の電気伝導率が比較的高い非磁性金属材料を含む。
フリー層1034は、例えば、コバルト鉄合金(CoFe)、ニッケル鉄合金(NiFe)等の強磁性材料のいずれかを含む単層構造でもよい。また、例えば、コバルト鉄合金(CoFe)とニッケル鉄合金(NiFe)の間に、非磁性層が形成された3層構造であってもよい。フリー層1034は、外部磁場に応じて変化する磁化方向を示す。
磁気センサ110は、その長手方向の磁場に応じた抵抗値を検出する。つまり、この例において、磁気センサ110の磁場検出方向は、図1のX軸方向である。
配線用電極105A、105Bは、例えばアルミニウム等の導電性を有する材料を用いて形成される。
次に、基板100上における磁気センサ110の配置について説明する。例えば、図3Aに示すように、測定対象が発する磁場強度の分布範囲をA(以下、測定磁場範囲A)、基板100においてX軸方向に隣接する磁気センサ110の配置間隔をB(以下、磁気センサ間隔B)、基板100上に磁気センサ110が配置された全領域をC(以下、磁気センサ範囲C)とする。この例では、測定磁場範囲A及び磁気センサ範囲Cは矩形形状であるが、測定磁場範囲A及び磁気センサ範囲Cは矩形形状に限らず、例えば、円形形状であってもよい。この例において、測定磁場範囲A及び磁気センサ範囲CのY軸方向の長さを、測定磁場範囲Aの任意の一方向の長さLa、磁気センサ範囲Cの任意の一方向の長さLcとする。このとき、B<La<Lcの関係を満たすように磁気センサ110は配列される。
具体的には、例えば、生体の心磁を測定する場合、心臓近傍の20cm×20cmの正方形の領域を測定磁場範囲Aとし、測定磁場範囲Aの長さLa=20cmに対し、磁気センサ範囲Cの長さLcは、この約2倍の長さ40cmであることが望ましく、磁気センサ範囲Cは、40cm×40cmの正方形の領域であることが好ましい。この場合、B<La<Lcの関係を満たすべく、磁気センサ間隔Bは、長さLaよりも短い長さに設定されることが望ましく、8mm以下に設定されることがより好ましい。
また、物体の異物を検出する場合の磁気センサ110は以下のように配置される。例えば、測定対象が、一辺が5mm程度の小片である場合において、測定磁場範囲Aの長さLaが例えば1〜2cm程度であるとき、磁気センサ領域Cの長さLcは、例えば3cm程度であることが好ましい。そして、この場合の磁気センサ間隔Bは、2mm程度が好ましい。なお、この場合には、磁化器等を用いて、予め物体を磁化させておくものとする。
上記のように、測定対象によって、測定磁場範囲A、磁気センサ領域C及び磁気センサ間隔Bは異なるが、一辺が数mm程度の測定対象物の磁場を検出する場合でも、磁気センサ領域Cの長さLcは3cm以上が望ましく、磁気センサ間隔Bは2mm以下であることが望ましい。すなわち、磁気センサ領域Cの任意の一方向における長さLc(=1cm)の間に、5個以上の磁気センサ110が配置されていることが望ましい。
また、後述する磁気ノイズを除去するには、測定対象を磁気センサ領域Cの略中央に配置した場合、例えば、「Lc≧La×1.5であり、かつ、Lc−La≧B×6」・・・(1)の関係式を満たすことが望ましい。さらに、「Lc≧La×2、かつ、Lc−La≧B×10」・・・(2)の関係式を満たすことがさらに望ましい。
図3Bは、関係式(1)(2)を満たす場合の測定磁場範囲A、磁気センサ領域C及び磁気センサ間隔Bを示す模式図である。なお、図3Bにおいて、測定磁場範囲Aは円形形状であり、任意の一方向の長さLaは、例えば、円形形状のY軸方向の長さである。また、磁気センサ間隔Bは、X軸又はY軸方向に隣接する磁気センサ110と磁気センサ110の間隔である。
関係式(1)における「Lc−La≧B×6」は、測定対象が磁気センサ領域Cの中央に配置される場合、図3Bの破線枠r1で示すように、測定対象(測定磁場範囲A)の両端において、それぞれ少なくとも3点の磁場の検出情報が得られることを意味する。また、関係式(2)における「Lc−La≧B×10」は、測定対象を磁気センサ領域Cの略中央に配置した場合に、図3Bの破線枠r2で示すように、測定対象(測定磁場範囲A)の両端において、少なくとも5点の磁場の検出情報が得られることを意味する。なお、この例では、Y軸方向の磁場の検出情報を例に説明したが、X軸方向の磁場の検出情報も同様である。
また、測定対象から発生される磁場強度分布を求めるためには、B≦La/10を満たしていることが望ましく、B≦La/20を満たしていることがより望ましい。ただし、測定対象が磁場を発生しているか否かと、その磁場強度を判定する程度であれば、B≦La/2を満たしていればよい。
図3Cは、B≦La/20を満たす磁気センサ110の配置と測定磁場範囲Aを例示した模式図である。この場合、図3Cの破線枠r3で示すように、測定磁場範囲Aの任意の一方向において10個の磁気センサ110(セグメントS)が含まれる。そのため、測定磁場範囲Aの任意の一方向において10個の磁場の検出情報を得ることができる。また、図3Dは、B≦La/20を満たす磁気センサ110の配置と測定磁場範囲Aを例示した模式図である。この場合、図3Dの破線枠r4で示すように、測定磁場範囲Aの任意の一方向において2個の磁気センサ110(セグメントS)が含まれる。そのため、測定磁場範囲Aの任意の一方向において2個の磁場の検出情報を得ることができる。
次に、磁場検出回路20について説明する。図4は、図2における一の列に配置されたn個の磁気センサ(M1〜Mn)110に接続された磁場検出回路20の概略構成を示す模式図である。この図では、便宜上、1列分の磁気センサ110しか表していないが、他の列の磁気センサ110も同様に磁場検出回路20と接続されている。
図4に示すように、磁場検出回路20は、トランジスタ回路部21と、信号供給回路部22と、ブリッジ回路23と、増幅回路24と、補正回路部25とを含む。
トランジスタ回路部21は、n個の磁気センサ110のそれぞれと接続されたトランジスタT1〜Tnを含む。
トランジスタT1〜Tnのそれぞれは、信号供給回路部22にゲートが接続され、磁気センサ110の一方の端子にドレインが接続され、ソースは接地されている。
信号供給回路部22は、トランジスタT1〜Tnの各ゲートと接続され、各ゲートに対し、トランジスタをオン又はオフ状態にするゲート電圧G1〜Gnを供給する。信号供給回路部22は、トランジスタT1〜Tnの順に、一定時間ごとに、オン状態にするためのゲート電圧を供給する。これにより、磁気センサM1〜Mnの順に、その位置における磁場に応じた抵抗値を示す信号が出力される。信号供給回路部22は、R1〜Rmの各列に対して設けられたトランジスタ回路部21に対し、上記ゲート電圧を供給することにより、各列のトランジスタ回路部21を並列に動作させる。
トランジスタ回路部21が接続されていない方の各磁気センサ11における端子は、配線26によって互いに接続されている。ブリッジ回路23は、配線26と図示しない電源回路とに接続され、電源回路から電源電圧(Vcc)が供給される。ブリッジ回路23は、磁気センサ110の出力信号に応じた抵抗値を示す信号を増幅回路24へ出力する。
増幅回路24は、ブリッジ回路23から出力される信号を増幅して補正回路部25へ出力する。
補正回路部25は、基板100をXY平面として、基板100上の各セグメントSの領域を示す座標範囲と、各セグメントSに配置された磁気センサ110の位置を示す座標情報を予め記憶している。補正回路部25は、増幅回路24で増幅された信号を用い、所定の演算を行うことにより各磁気センサ110の出力信号を磁場強度(Oe)に変換する。また、補正回路部25は、予め定められた1列分の磁気センサ(M1〜Mn)110をノイズ演算対象センサとし、ノイズ演算対象センサの出力から得られた磁場強度を用いて磁気センサ110のY軸方向の位置(Y座標)に応じた磁気ノイズを演算する。
図5の(a)は、ノイズ演算対象センサM1〜Mnの各位置(Y座標)と、その磁場強度とをプロットしたグラフを例示したものである。このグラフに示す0次ノイズは、例えば、地磁気や都市雑音等による磁気ノイズである。このような磁気ノイズは、基板100上のいずれの磁気センサ110からも遠く離れた位置に磁場発生源が存在するため、各磁気センサ110の出力に対して一様に重畳される。また、例えば、磁気センサ110の近傍に電気製品等が配置されている場合、磁気センサ110は、0次ノイズに加え、電気製品等が発する磁気ノイズ(以下、1次ノイズ)の影響を受ける。その結果、磁気センサ110は、測定対象が発する磁場及び0次ノイズに加え、電気製品等との位置関係に応じた1次ノイズが重畳された信号を出力する。
本実施形態では、補正回路部25において、ノイズ演算対象センサM1〜Mnの出力信号を基に得られた各磁場強度を、最小自乗法を用いて1次関数で近似する。そして、図5の(a)に示すように、1次関数で近似した磁場強度を、各ノイズ演算対象用センサが配置されたセグメントSのY軸方向の位置に応じた1次ノイズとする。
そして、補正回路部25は、各列(R1〜Rm)におけるセグメントSに配置された磁気センサ110の出力から得られた各磁場強度から、予め記憶されている0次ノイズの磁場強度を減算する。補正回路部25は、さらに、その磁気センサ110を含むセグメントSに対応する1次ノイズを減算する。このようにして、各セグメントSにおける磁気センサ110の出力に基づく磁場強度について、0次ノイズの補正と、当該セグメントSの位置に応じた1次ノイズの補正とを行うことにより、例えば、図5の(a)に例示した磁気センサM1〜Mnの磁場強度は、図5の(b)のように補正される。
なお、上記のようにセグメントSのY軸方向の位置(Y座標)に応じた1次ノイズ(1次ノイズ_y)の補正を行い、さらに、X軸方向の位置に応じた磁気ノイズ(1次ノイズ_x)の補正を行ってもよい。この場合には、X軸方向に配列された各セグメントSに配置された磁気センサ110の磁場強度を用い、上記した1次ノイズ_yと同様にして、X軸方向の磁気センサ110の位置に応じた1次ノイズ_xを近似してもよい。そして、各磁気センサ110の磁場強度から、0次ノイズ、及び1次ノイズ_yに加え、その磁気センサ110を含むセグメントSに応じた1次ノイズ_xを減算することにより補正する。これにより、各セグメントSにおける磁場強度をより正確に補正することができる。
(磁気センサアレイの製造方法)
(工程A)
まず、磁気センサアレイ10のGMR素子103を製造する(図6A参照)。具体的には、例えば、スパッタ法を用い、イリジウムマンガン合金(IrMn)などの反強磁性材料を成膜することにより反強磁性層1031を形成する。反強磁性層1031の膜厚は、例えば6nmである。
次に、反強磁性層1031aと接するように、外側ピンド層、中間層、内側ピンド層からなる固定層1032aを成膜する。具体的には、例えば、反強磁性層1031aの一方の面に、スパッタ法を用いて、コバルト鉄合金(CoFe)等の軟磁性材料を成膜して外側ピンド層を形成する。そして、例えば、スパッタ法を用いて、外側ピンド層と接するように銅(Cu)等の非磁性金属材料を成膜して中間層を形成する。その後、例えば、スパッタ法を用いて、反強磁性層1031aと反対側の中間層の面と接するように、コバルト鉄合金(CoFe)等の軟磁性材料を成膜して内側ピンド層を形成する。外側ピンド層、中間層、内側ピンド層の各膜厚は、例えば2nm、1nm、2nmである。
そして、例えば、スパッタ法を用い、銅(Cu)等の磁性金属材料を反強磁性層1031aと反対側の固定層1032aの面と接するように成膜して非磁性層1033aを成膜する。非磁性層1033aの膜厚は、例えば1.5nmである。
続いて、例えば、スパッタ法を用い、コバルト鉄合金(CoFe)等の強磁性正材料を、固定層1032aと反対側の非磁性層1033aの面と接するように成膜してフリー層1034を成膜する。フリー層1034の膜厚は、例えば3nmである。
本実施形態では、さらに、フリー層1034の他方の面に、非磁性層1033aと同様の非磁性層1033bを成膜し、フリー層1034と反対側の非磁性層1033bの面に、固定層1032aと同様の固定層1032bを成膜する。そして、さらに、非磁性層1033bと反対側の固定層1032bの面に、反強磁性層1031aと同様の反強磁性層1031bを成膜する。
その後、反強磁性層1031a、固定層1032a、非磁性層1033a、フリー層1034、反強磁性層1031b、固定層1032b、及び非磁性層1033bが積層された積層体に対し、所定の方向に磁場を印加しながら熱処理することで、固定層1032a、1032bの磁化の向きを固定する。そして、磁化方向が長辺方向となるように、この積層体を直方体形状に切断してGMR素子103を得る。このときのGMR素子103の長辺と短辺の長さは、それぞれ、例えば、50um、10um程度とする。
この例では、反強磁性層1031a、固定層1032a及び非磁性層1033aと、反強磁性層1031b、固定層1032b及び非磁性層1033bとが、フリー層1034を挟んで対称に配置される。そのため、後述するGMR素子103の配置に際し、GMR素子103の表裏を気にすることなく基板100にGMR素子103を配置することができる。なお、GMR素子103としては、少なくとも、1組の反強磁性層、固定層及び非磁性層と、フリー層とが設けられていればよい。
(工程B)
次に、基板100に配列用電極101A、101Bを形成する工程について説明する。配列用電極101A、101Bは、例えば、スパッタリング法又は蒸着法を用いて基板100の一方の面上にアルミニウム等の金属を成膜し、フォトリソグラフィ法によりパターニングして形成する。なお、配列用電極101A、101Bに用いる材料は、導電性があれば特に材質は問わない。
図6Bは、基板100上に形成された配列用電極101A、101Bを上から見た上面図であり、図6Cは、図6BにおけるA−A断面を示す模式図である。
図6Bに示すように、配列用電極101A、101Bは、Y軸方向に延伸する電極部分とX軸方向に突出した電極部分とを有する櫛歯形状を有する。配列用電極101A、101Bは、互いに、X軸方向に突出した電極部分が向かい合うように形成される。図6Bにおいて、破線枠で示すセグメントSに1つの磁気センサ110が配置される。配列用電極101A、101BのX軸方向に突出した電極部分の間隔Hは40μm程度である。この間隔Hは、磁気センサ110の長辺方向の長さに応じて適宜調整される。また、X軸方向に互いに隣接するセグメントSにおける配列用電極101A、101Bの間隔は、間隔Hよりも十分長くなるように設定されている。これにより、X軸方向に隣接する磁気センサ110が互いに重ならないようにすることができる。
(工程C)
次に、図6Dに示すように、基板100の一方の面上に、例えば、CVD(chemical vapor deposition)法を用い、配列用電極101A、101Bを覆うようにSiOを成膜することにより絶縁膜102を成膜する。絶縁膜102の膜厚は、例えば100nm程度である。
(工程D)
続いて、工程Cの後、工程Aで形成されたGMR素子103を基板100に配列する。具体的には、まず、GMR素子103を溶媒に分散させる。溶媒には、例えば、イソプロピルアルコール(IPA)を用いてもよいし、IPAに代えて、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、メタノール、エタノール、アセトン等を溶媒として用いてもよい。そして、GMR素子103を分散させた溶媒に、界面活性剤として、例えば、ヘキサメタリン酸ナトリウムを適量加える。この例では、溶媒に対して界面活性剤を0.2wt%程度加えている。このようにすることで、溶媒中のGMR素子103が互いに引っ付くことを防止することができる。なお、ヘキサメタリン酸ナトリウムに代えて、例えば、オレイン酸ナトリウム等を界面活性剤として用いてもよい。
図6Eは、GMR素子103を基板100に配列する方法を説明する概念図である。また、図6Fは、図6Eにおける1セグメントSの配列用電極101A、101B近傍の断面を表す模式図である。
図6Eに示すように、基板100の配列用電極101A、101Bが形成された面に、GMR素子103が分散された溶媒32を塗布する。基板100に塗布する溶媒32の厚さは、溶媒32中でGMR素子103が移動できる厚さであればよい。塗布された溶媒32の厚さが厚すぎると、溶媒32を乾燥させる時間が長くなる。そのため、塗布された溶媒32の厚さは、例えば数μm〜数mmが好ましく、溶媒32中のGMR素子103の密度は、1×10〜1×10本/cmが好ましい。
また、図6Fに示すように、溶媒32が一定の方向に流れるように、水平面hに対して所定角度となるように基板100を傾けておく。このようにすることで、直方体形状のGMR素子103は、その長辺が基板100の傾斜に沿うように溶媒32中を流れる。
そして、図6Eに示すように、基板100を囲うようにヘルムホルツコイル30を配置し、磁場を発生させる。これにより、ヘルムホルツコイル30による磁場によって、GMR素子103は、GMR素子103の固定層1032の磁化方向が一定方向となるように溶媒32中を流れ、各GMR素子103の固定層1032の磁化方向を揃えることができる。さらに、配列用電極101A、101Bの間に、1〜4V程度の交流電圧(10Hz〜100kHz程度)を印加する。その結果、図6Gに示すように、絶縁膜102を介して、各セグメントSにおける配列用電極101A、101Bの上にGMR素子103が配置される。
ここで、図7を用い、GMR素子103が配列用電極101A、101Bの上に配置される原理について説明する。図7に示すように、配列用電極101Aに電位Vを印加し、配列用電極101Bに電位Vを印加する(V<V)。このとき、配列用電極101Aには負電荷が誘起され、配列用電極101Bには正電荷が誘起される。GMR素子103が配列用電極101A、101Bに接近すると、静電誘導によって、GMR素子103において配列用電極101Aに近い端部に正電荷が誘起され、配列用電極101Bに近い端部に負電荷が誘起される。その結果、GMR素子103と配列用電極101A、101Bと間に静電力による引力が働き、GMR素子103は、配列用電極101Aと配列用電極101Bと間に生じる電気力線に沿って配列する。
なお、このとき、基板100に対して向かい合うGMR素子103の面はランダムであるが、GMR素子103は、フリー層1034を挟んで対称な積層構造であるため、問題は生じない。また、GMR素子103は、直方体形状または円柱形状であった方が磁化方向を揃えて溶媒32中を流れやすい。また、配列されているGMR素子103に対し、溶媒32中のGMR素子103が衝突し、配列を阻害する可能性が低減し、磁気センサアレイ10の歩留まりが顕著に向上する。
そして、GMR素子103を基板100に配列させた後、例えば、基板100を加熱するなどして溶媒32を蒸発させる。
(工程E)
工程Dの後、例えば、プラズマCVD法を用い、図6Hに示すように、GMR素子103を覆うように、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS(Tetraethy1 Orthosilicate)からなる絶縁膜104を成膜する。絶縁膜104の膜厚は、例えば500nm程度である。絶縁膜104は、絶縁性を有し、GMR素子103を固定し、所定のエッチング加工が可能な材質及び厚みを有するものであればよい。絶縁膜104は、TEOS以外に、例えば、SOG(Spin on Glass)等を用いてもよい。
(工程F)
次に、図6Iに示すように、GMR素子103の上部における絶縁膜1041の一部をエッチングし、GMR素子103の上端の反強磁性層1031bを一部露出させる。その後、露出させた反強磁性層1031bの上に、例えば、スパッタリング法又は蒸着法を用いてアルミニウム等の金属を成膜し、フォトリソグラフィ法によりパターニングして配線用電極105A、105Bを形成する。これにより、磁気センサ110が形成される。
配線用電極105A、105Bの形成後、周知の製造方法を用い、配線用電極105A、105Bに信号を供給するための配線やトランジスタ等を形成することにより、磁気センサアレイ10が形成される。
上述の第1実施形態における磁気センサアレイ10は、行列状に分割された各セグメントSに1つの磁気センサ110が配置されて構成されている。各磁気センサ110の磁化の方向は同じ方向であり、各磁気センサ110によって基板100におけるX軸方向の磁場強度が検出される。そのため、各磁気センサ110の出力に基づく磁場強度を用い、測定対象の磁場強度をマッピングすることができる。また、上述の第1実施形態では、各磁気センサ110によって検出された磁場強度に対し、各磁気センサ110が配置されたセグメントSのY軸方向の位置に応じた1次ノイズの補正がなされるため、測定対象のより正確な磁場強度分布を得ることができる。
なお、図2におけるXY平面において、X軸方向に配列される磁気センサ110の個数は同じであり、また、Y軸方向に配列される磁気センサ110の個数は同じであるが、X軸方向及びY軸方向において配列される磁気センサ110の個数は同じでなくてもよい。
<第2実施形態>
図8は、本実施形態における磁気センサアレイを上から見た概略平面図である。なお、図8において、第1実施形態と同様の構成には第1実施形態と同様の符号を付している。以下、主に、第1実施形態と異なる構成について説明する。
図8に示すように、本実施形態における磁気センサアレイ10Aは、各セグメントSに、磁気センサ110と磁気センサ120とを備える。
磁気センサ110は、第1実施形態と同様、その長辺が基板100のX軸方向と平行となるようにY軸方向に沿って略等間隔に配列され、X軸方向の磁場に応じた抵抗値を示す信号を出力する。磁気センサ120は、その長辺が基板100のY軸方向と平行となるようにY軸方向に沿って略等間隔に配列され、Y軸方向の磁場に応じた抵抗値を示す信号を出力する。つまり、本実施形態では、1セグメントSにおける2方向(XY方向)の磁場を磁気センサ110と磁気センサ120によって検出する。
なお、図示を省略するが、第1実施形態と同様、各列におけるn個の磁気センサ110と磁気センサ120は、それぞれ磁場検出回路20と接続されている。磁場検出回路20によって各列におけるn個の磁気センサ110、120は順次駆動され、各磁気センサ110、120から抵抗値を示す信号が磁場検出回路20に出力される。
この場合、磁場検出回路20の補正回路部25は、各セグメントSの座標範囲と、各セグメントSに配置された磁気センサ110及び120の位置情報とを予め記憶する。
補正回路部25は、第1実施形態と同様、演算対象となる列の各セグメントSに配置された磁気センサ110を第1ノイズ演算対象用センサとし、第1ノイズ演算対象用センサの出力信号に基づく磁場強度を用いて、第1ノイズ演算対象用センサが配置された各セグメントSの位置(Y座標)に対するX軸ノイズを近似する。さらに、補正回路部25は、演算対象となる列の各セグメントSに配置された磁気センサ120を第2ノイズ演算対象用センサとし、第2ノイズ演算対象用センサの出力信号に基づく磁場強度を用いて、第2ノイズ演算対象用センサが配置された各セグメントSの位置(Y座標)に対するY軸ノイズを近似する。
そして、補正回路部25は、各セグメントSに配置された磁気センサ110の磁場強度から0次ノイズの磁場強度を減算し、さらに、そのセグメントSのY座標に応じたX軸ノイズの磁場強度を減算する。また、補正回路部25は、各セグメントSに配置された磁気センサ120の磁場強度から0次ノイズの磁場強度を減算し、さらに、そのセグメントSのY座標に応じたY軸ノイズの磁場強度を減算する。これにより、磁気センサ110及び120の出力に基づくX軸方向とY軸方向の各磁場強度にそれぞれ含まれる1次ノイズを補正することができる。
次に、本実施形態における磁気センサアレイ10Aの配列用電極の構成について説明する。図9は、基板100上に形成された本実施形態の配列用電極を上から見た上面図である。なお、図9において、第1実施形態と同様の構成には第1実施形態と同様の符号を付している。以下、第1実施形態と異なる点を主に説明する。
図9に示すように、本実施形態では、基板100上に、一対の配列用電極101A、101Bが形成されるとともに、一対の配列用電極201A、201Bが形成されている。なお、この図では、便宜上、1列の配列用電極の一部しか表していないが、基板100上には、同様にして、m列分の配列用電極が形成されている。1つのセグメントSにおける配列用電極101A、101Bと配列用電極201A、201Bの上には、1つの磁気センサ110と1つの磁気センサ120がそれぞれ配置される。
配列用電極201A、201Bは、Y軸方向に延伸する電極部分とX軸方向に突出したL字型の電極部分とを有する。配列用電極201A、201Bは、互いに、L字型の電極部分の端部が向かい合うように配置されている。
次に、本実施形態における磁気センサアレイ10Aの製造方法について、主に、第1実施形態と異なる点を説明する。
本実施形態では、第1実施形態の工程Aの後、例えば、スパッタリング法又は蒸着法を用いて基板100の一方の面上にアルミニウム等の金属を成膜し、フォトリソグラフィ法によりパターニングして、配列用電極101A、101B、201A、201B(図9参照)を形成する(工程B1)。
工程B1の後、第1実施形態と同様の工程C(図6D参照)を行い、配列用電極101A、101B、201A、201Bを覆う絶縁膜102を形成する。
絶縁膜102の形成後、第1実施形態の工程Dと同様、図6Eに示すように、基板100を水平面から一定角度だけ傾け、GMR素子103が分散された溶媒32を基板100上に形成された配列用電極101A、101B(図9参照)の上に塗布し、ヘルムホルツコイル30によって磁場を発生させる。さらに、配列用電極101A、101Bの間に、1〜4V程度の交流電圧(10Hz〜100kHz程度)を印加する。これにより、塗布された溶媒32中のGMR素子103は、固定層1032の磁化の方向が基板100のX軸方向となるように、配列用電極101A、101B(図9参照)の上に配列する。
配列用電極101A、101Bの上にGMR素子103を配列させた後、基板100を加熱するなどして溶媒32を蒸発させる。次に、基板100を水平面から一定角度だけ傾け、GMR素子103が分散された溶媒32を基板100上に形成された配列用電極201A、201B(図9参照)の上に塗布し、ヘルムホルツコイル30によって磁場を発生させ、配列用電極201A、201Bの間に、1〜4V程度の交流電圧(10Hz〜100kHz程度)を印加する。そして、配列用電極201A、201Bの上にGMR素子103を配列させた後は、基板100を加熱するなどして溶媒32を蒸発させる。これにより、塗布された溶媒32中のGMR素子103は、固定層1032の磁化の方向が基板100のY軸方向となるように、配列用電極201A、201Bの上に配列する。
配列用電極101A、101B、201A、201B(図9参照)の上に、GMR素子103の磁化の方向がX軸方向及びY軸方向となるようにGMR素子103を配列した後、第1実施形態と同様の工程Eを行い、GMR素子103を覆う絶縁膜104(図6H参照)を成膜する。その後、第1実施形態と同様の工程Fを行い、GMR素子103の上端の反強磁性層1031bを一部露出させ、露出させた反強磁性層1031bの上に配線用電極105A、105Bを形成する(図6I参照)。これにより、基板100上に磁気センサ110及び120が形成される。
なお、上記において、配列用電極101A、101Bの上にGMR素子103を配列させた後、工程Eを行ってGMR素子103の上に絶縁膜104を形成し、その後、配列用電極201A、201Bの上にGMR素子103を配列させ、工程Eを行ってGMR素子103の上に絶縁膜104を形成してもよい。または、配列用電極101A、101Bを形成後、配列用電極101A、101Bの上にGMR素子103を配列させ、GMR素子103の上に絶縁膜104を形成する。そして、その後、配列用電極201A、201Bを形成し、配列用電極101A、101Bの上にGMR素子103を配列させ、GMR素子103の上に絶縁膜104を形成してもよい。
上述の第2実施形態では、各セグメントSにおいて磁気センサ110と磁気センサ120とが対向するように、磁気センサ110と磁気センサ120とが等間隔に配置されている。そのため、セグメントSにおける磁気センサ110と磁気センサ120の位置(座標)が略同じであるものとし、各磁気センサの出力に応じた磁場強度に対し、セグメントSの位置に応じた1次ノイズ(X軸方向ノイズ、Y軸方向ノイズ)の補正を行えばよい。その結果、磁気センサ110と磁気センサ120とが対向配置されていない場合と比べ、1次ノイズを補正するための演算量を減らすことができる。
なお、上述の第2実施形態において、1セグメントSにおける磁気センサ110と磁気センサ120は物理的に同じ位置に配置されていない。測定磁場範囲Aの任意の一方向の長さLaが、1セグメントSにおける磁気センサ110と磁気センサ120の間隔(磁気センサ間隔B)よりも十分大きいときは、磁気センサ110と磁気センサ120の位置に応じて、各磁気センサの出力に基づく磁場強度を補正しなくてもよい。しかしながら、測定磁場範囲Aの長さLaが磁気センサ間隔Bよりも小さい場合には、磁気センサ110と磁気センサ120の各出力に基づく各磁場強度をノイズ補正した各磁場強度と、磁気センサ110及び磁気センサ120の位置とに基づいて、1セグメントSにおけるXY方向の磁場強度を補間してもよい。
<第3実施形態>
図10は、本実施形態における磁気センサアレイを上から見た概略平面図である。また、図11は、基板100上に形成された本実施形態の配列用電極を上から見た上面図である。なお、図10及び図11において、第2実施形態と同様の構成には第2実施形態と同様の符号を付している。以下、第2実施形態と異なる点について主に説明する。
図10に示すように、磁気センサアレイ10Bは、第2実施形態と同様の磁気センサ110及び磁気センサ120を備えるが、磁気センサ110と磁気センサ120の位置関係が第2実施形態と異なる。
具体的には、図8に示すように、磁気センサアレイ10Aは、1セグメントSにおける磁気センサ110と磁気センサ120は対向して配置され、Y軸方向の位置が重なる。一方、磁気センサアレイ10Bは、図10に示すように、1セグメントSにおける磁気センサ110と磁気センサ120は対向して配置されておらず、Y軸方向の位置が重ならない。そのため、1セグメントSに対して求められた1次ノイズ(X軸ノイズ、Y軸ノイズ)に基づいて、磁気センサ110及び磁気センサ120の位置(Y座標)における1次ノイズ(X軸ノイズ、Y軸ノイズ)を補間する。そして、これら磁気センサ110,120の各出力に基づく各磁場強度から、補間した1次ノイズ(X軸ノイズ、Y軸ノイズ)をそれぞれ減算し、磁気センサ110,120の各出力に基づく各磁場強度を補正してもよい。
本実施形態においても、第2実施形態と同様、図11に示す各セグメントSにおける配列用電極101A、101Bの上にGMR素子103を配列し、GMR素子103の上に絶縁膜104を形成した後、各セグメントSにおける配列用電極201A、201Bの上にGMR素子103を配列する。本実施形態では、図11に示すように、配列用電極101A、101Bの上に配置されるGMR素子103と、配列用電極201A、201Bの上に配置されるGMR素子103とがY軸方向において重ならない。そのため、配列用電極201A、201Bの上に塗布された溶媒32中のGMR素子103によって、配列用電極101A、101Bの上に配列されたGMR素子103の位置が動かされにくい。その結果、配列用電極101A、101B及び配列用電極201A、201Bのそれぞれの上にGMR素子103を適切に配列させることができ、磁気センサアレイ10Bの歩留まりを向上させることができる。
<第4実施形態>
図12Aは、本実施形態における磁気センサアレイを上から見た概略平面図である。また、図12Bは、図12Aに示す磁気センサアレイ10CのII−II断面を示す断面図である。図12A及び12Bにおいて、第2実施形態と同様の構成には第2実施形態と同様の符号を付している。以下、第2実施形態と異なる点について主に説明する。
図12A及び図12Bに示すように、磁気センサアレイ10Cは、各セグメントSにおいて、第2実施形態と同様の磁気センサ110及び磁気センサ120に加え、基板100上に設けられた複数の傾斜体200と、傾斜体200に接して形成された磁気センサ130とを備える。
図12Bに示すように、傾斜体200は、三角柱形状を有し、一の面が基板100に接しており、基板100のXY平面に対して角度θだけ傾斜している。
また、磁気センサ130は、磁気センサ110及び磁気センサ120と同様の直方体形状を有し、傾斜体200の傾斜面に接して配置されている。磁気センサ130の磁場検出方向は、磁気センサ110及び磁気センサ120と同様、磁気センサ130の長辺方向である。
なお、図示を省略するが、各列にn個単位に配置された磁気センサ110、120、130は、それぞれ磁場検出回路20と接続されている。磁場検出回路20によって、各列における磁気センサ110、120、130は順次駆動され、その磁気センサの位置における磁場に応じた抵抗値を示す信号が磁場検出回路20に出力される。本実施形態では、磁場検出回路20において、磁気センサ110及び120の出力信号を用いて、基板100のX軸及びY軸方向の磁場強度をそれぞれ求めるとともに、磁気センサ130及び磁気センサ110の出力信号を用いて基板100のZ軸方向の磁場強度を求める。以下、Z軸方向の磁場強度を求める方法について説明する。
例えば、磁気センサ130から出力された抵抗値に対応する磁場強度をH3とする。このとき、H3=Hxcosθ+Hzsinθ(0<θ<90°)の関係(式(1))を満たす。Hxは、磁気センサ130の位置におけるX軸方向の磁場強度であり、Hzは、磁気センサ130の位置におけるZ軸方向の磁場強度である。磁気センサ130の位置におけるX軸方向の磁場強度Hxを、磁気センサ110から出力された抵抗値に対応する磁場強度H1とみなすと、上記式(1)は、Hz=(H3−H1cosθ)÷sinθ(式2)に置き換えられ、磁気センサ130が配置されたセグメントSにおけるZ軸方向の磁場強度Hzが求められる。
この場合、磁場検出回路20の補正回路部25は、各セグメントSの座標範囲と、各セグメントSに配置された磁気センサ110、120、130の位置情報とを予め記憶する。
補正回路部25は、第2実施形態と同様、演算対象となる列の各セグメントSに配置された磁気センサ110及び120の各出力に基づく磁場強度を用い、磁気センサ110及び120がそれぞれ配置されたセグメントSの位置(Y座標)におけるX軸ノイズとY軸ノイズとを近似する。また、補正回路部25は、さらに、演算対象となる列の各セグメントSに配置された磁気センサ130と磁気センサ110の出力に基づく磁場強度を用い、各磁気センサ130が配置されたセグメントSの位置(Y座標)におけるZ軸方向の1次ノイズ(Z軸ノイズ)を最小自乗法によって近似する。
そして、補正回路部25は、基板100における各セグメントSに配置された磁気センサ110、120、130の各出力に基づく各磁場強度から0次ノイズを減算するとともに、そのセグメントSのY座標に応じた1次ノイズ(X軸ノイズ、Y軸ノイズ、Z軸ノイズ)を減算する。これにより、磁気センサ110、120、130の各出力結果に基づく磁場強度に重畳された0次ノイズ及び1次ノイズ(X軸ノイズ、Y軸ノイズ、Z軸ノイズ)を除去することができる。
次に、磁気センサアレイ10Cの製造方法について、主に第2実施形態と異なる点を以下説明する。
本実施形態では、第2実施形態と同様、工程Aを行った後、基板100に傾斜体200を形成する(工程B11)。
具体的には、まず、基板100の一方の面に、例えば、スパッタリング法により、SiO等の絶縁膜201を成膜する(図13A参照)。絶縁膜201の膜厚は、20μm程度である。
次に、例えば、スパッタリング法により、SiリッチのSiN膜や、TiO膜等、絶縁膜201よりもエッチングレートが早いシフト膜202を絶縁膜201上に成膜する(図13B参照)。シフト膜202の膜厚は、0.2μm程度である。
そして、シフト膜202の上にレジスト203を塗布し、フォトリソグラフィを用いてレジストに開口部203Hを形成する(図13C参照)。
続いて、開口部203Hの位置において、フッ酸によりシフト膜202及び絶縁膜201をウェットエッチングする。これにより、絶縁膜201に斜面が形成される(図13D参照)。シフト膜202のエッチングレートは、絶縁膜201よりも早いため、シフト膜202が先にエッチングされる。その結果、絶縁膜201の上側ほどサイドエッチングが大きく、絶縁膜201の下側ほどサイドエッチングが小さくなり、絶縁膜201に傾斜面が形成される。
その後、レジスト203を除去し(図13E参照)、絶縁膜201の傾斜面の領域にレジスト204を塗布する(図13F参照)。そして、CHF3等のフッ素系ガスを用いてドライエッチングを行い、レジスト204が形成された領域以外の絶縁膜201及びシフト膜202を除去する(図13G参照)。
そして、レジスト204を除去することにより、基板100と角度θを成す斜面を有する傾斜体200が形成される(図13H参照)
なお、本実施形態においては、断面が直角三角形を有する傾斜体200を形成したが、基板100に対して一定の角度だけ傾斜した斜面が形成されていればよい。例えば、図14Aのように、傾斜体200の断面が2等辺三角形の形状となっていてもよいし、図14Bのように傾斜体200の断面が台形形状となってもよい。
また、本実施形態では、基板100に絶縁膜201を形成し、絶縁膜201をウェットエッチングすることで基板100上に傾斜面を形成したが、例えば、基板100に対して異方性エッチングを行い、基板100に傾斜面を直接形成してもよい。
工程B11の後、基板100の上に、図13Iに示す配列用電極101A、101B、201A、201B、301A、301Bを形成する。つまり、第2実施形態の工程B1と同様にして、配列用電極101A、101B、201A、201Bを形成する。そして、基板100の上に形成された傾斜体200の傾斜面に、配列用電極101A、101Bと同様に、配列用電極301A、301Bを形成する。
その後、第2実施形態と同様に工程Cを行い、配列用電極101A、101B、201A、201B、301A、301Bを覆う絶縁膜102(図6D参照)を形成する。
絶縁膜102の形成後、第2実施形態と同様の工程Dを行い、GMR素子103が分散された溶媒32を基板100上に形成された配列用電極101A、101Bの上に塗布し、配列用電極101A、101Bの上にGMR素子103を配列させる。その後、基板100を加熱するなどして溶媒32を蒸発させ、基板100上に形成された配列用電極201A、201Bの上にGMR素子103が分散された溶媒32を塗布し、配列用電極201A、201Bの上にGMR素子103を配列させる。そして、基板100を加熱するなどして溶媒32を蒸発させ、さらに、基板100上に形成された配列用電極301A、301Bの上にGMR素子103が分散された溶媒32を塗布し、配列用電極301A、301Bの上にGMR素子103を配列させる。
基板100の配列用電極101A、101B、201A、201B、301A、301Bのそれぞれの上に、GMR素子103を配列した後、第2実施形態と同様の工程Eを行い、GMR素子103を覆う絶縁膜104(図6H参照)を成膜する。その後、第2実施形態と同様に工程Fを行い、各GMR素子103の上端の反強磁性層1031bを一部露出させ、露出させた反強磁性層1031bの上に配線用電極105A、105Bを形成する(図6I参照)。これにより、基板100上に磁気センサ110、120、130が形成される。
上述の第4実施形態では、各セグメントSに設けられた磁気センサ110、120、130によって、セグメントSの位置におけるXYZ軸方向の磁場強度が検出される。そして、各セグメントSにおけるXYZ軸方向の磁場強度に対し、0次ノイズの補正と、当該セグメントSの位置におけるXYZ軸方向の1次ノイズの補正とがなされる。そのため、磁気センサ103が設けられていない場合と比べ、測定対象のより正確な磁場強度を得ることができる。
なお、第4実施形態において、配列用電極101A、101B、301A、301Bの上に、磁気センサ110及び130をそれぞれ配列する工程を同時に行ってもよい。
また、各セグメントSに配置された磁気センサ110、120、130は物理的に同じ位置に配置されていないため、これらの出力に基づくノイズ補正後の磁場強度を、磁気センサ110、120、130のそれぞれのY座標に基づいて補間してもよい。このように構成することにより、測定磁場範囲Aの任意の一方向の長さが、磁気センサ間隔B(磁気センサアレイ10Cを平面視した場合の一セグメントSにおける磁気センサ110、120、130のX軸方向の間隔)よりも小さい場合であっても、測定対象の磁場強度を適切に測定することができる。
また、図12Aに示す磁気センサアレイ10Cの磁気センサ110、120、130の配置に替えて、図15に示すように、磁気センサ110、120、130を配置して磁気センサアレイ10Dを構成してもよい。上述した図12Aの例では、1セグメントSにおいて、X軸方向に、磁気センサ110、120、130がこの順序で配置されていたが、図15の例では、磁気センサ120、110、130の順序で配置されている。特に、1セグメントSにおけるZ軸方向の磁場強度は、上記した式(2)で示すように、同セグメントSにおける磁気センサ110及び130の出力結果を基に求められる。そのため、図15に示すように、1セグメントSにおいて、磁気センサ110及び130はできるだけ近い方が望ましい。
また、図12Aの例では、1セグメントSにおける磁気センサ110、120、130は、Y軸方向において互いに重なるように配置されていたが、図15の例では、Y軸方向において互いに重ならないように配置されている。このように構成することにより、工程Dにおいて、先に配列用電極の上に配列されたGMR素子103の位置が、後から配列させるGMR素子103によって動かされにくく、磁気センサアレイ10Dの歩留まりを向上させることができる。
<変形例>
以上、本発明の第1〜第4実施形態にかかる磁場検出装置について説明した。本発明の磁場検出装置は上述の各実施形態のみに限定されず、発明の範囲内で種々の変更が可能である。また、各実施形態は、適宜組み合わせて実施することが可能である。
(1)上述した第4実施形態において、基板100としてガラス基板を用いる例を説明したが、ガラス基板に替えてフレキシブル基板を用いてもよい。フレキシブル基板を用いることにより、シート状の磁気センサアレイを形成することができる。このように構成することで、例えば、生体の心磁を検出する場合に、シート状の磁気センサアレイを、生体の表面に沿って設置することができる。その結果、生体の表面と磁気センサアレイとの距離を一定に保つことができ、生体の磁場を精度良く測定することができる。
この場合、測定磁場範囲Aよりも磁気センサ範囲Cが大きくなるように磁気センサアレイを構成し、磁気センサ範囲Cの端部が同一平面となるように磁気センサアレイを生体に対して配置することが好ましい。図16Aは、シート状の磁気センサアレイが接着されたマットレスに人体(測定対象)が横たわった状態を示す概略断面図である。この例では、磁気センサアレイ10Dの磁気センサ範囲Cは、マットレスMと同等の幅(X軸方向)を有する。図16Aに示すように、人体がマットレスMに横たわった状態において、磁気センサアレイ10DのX軸方向の端部は水平面hp上に配置される。人体の押圧による磁気センサアレイ10Dの曲面の傾きFと水平面hpとが成す角度φは小さいほど、曲面における1次ノイズの補正を精度良く行うことができるため望ましい。
この場合、図16Bの(a)に示すように、磁気センサアレイ10Dの端部に配置された磁気センサ110の出力に基づくX軸方向の磁場強度(Hx)を用いて、第1実施形態と同様の方法により、X軸方向の1次ノイズを近似し、X軸ノイズ(Hx_n)を求めてもよい。また、図示を省略するが、同様にして、磁気センサアレイ10Dの端部に配置された磁気センサ130の出力に基づく磁場強度を用いて、Z軸ノイズ(Hz_n)を近似してもよい。
なお、破線で示す曲面部分に配置された磁気センサ110は、図16Bの(b)に示すように、磁気センサ110の長辺方向、すなわち、曲面の接線方向の磁場を検出する。そのため、曲面部分に配置された磁気センサ110の出力信号には、実際は、曲面の接線方向の1次ノイズが重畳されている。この1次ノイズ(H1_n)は以下の式によって求めることができる。なお、以下の近似式(1)では、φに関してマクローリン展開を行い、φ≪1としてφ以降の項を削除している。
H1_n=(Hx_n)×cosφ+(Hz_n)×sinφ
≒(Hx_n)(1−φ)+(Hz_n)φ ・・・(式1)
従って、磁気センサアレイ10Dの曲面と水平面hpとが成す角度φは小さいほど望ましく、磁気センサアレイ10Dの全領域において角度φは30°以下にすることが望ましく、10°以下であればさらに望ましい。なお、本変形例では、ノイズ補正の演算量を減らすため、図16Bの(a)で示すように、磁気センサアレイ10Dの端部に配置された磁気センサ110の出力に基づくX軸方向の磁場強度(Hx)を近似して曲面部分の1次ノイズを求めるが、より正確に補正する場合には、上記式により曲面部分の1次ノイズを求め、曲面部分の磁場強度に対し、その1次ノイズを用いて補正を行ってもよい。
(2)上述した第1実施形態では、磁気センサアレイ10において隣接する列のセグメントSに配置された磁気センサ110のY軸方向の位置(Y座標)が同じである例を示したが、例えば、図17に示すように、奇数列(R1、R3・・・Rm−1)と偶数列(R2、R4・・・Rm)とで配置される磁気センサ110のY軸方向の位置がずれていてもよい。この場合には、図17において、例えば、奇数列R1をノイズ演算対象とし、列R1に配置されたn個の磁気センサ110の出力に基づく磁場強度を基に、奇数列におけるセグメントの位置に応じた1次ノイズ(以下、1次ノイズ_y1)を近似する。そして、偶数列として、例えば、列R2の各セグメントSに配置された磁気センサ110のY座標と、1次ノイズ_y1とを用い、偶数列におけるセグメントSの位置に応じた1次ノイズ(以下、1次ノイズ_y2)を補間してもよい。そして、各奇数列の磁気センサ110の出力に基づく磁場強度については、1次ノイズ_y1を用いて補正し、各偶数列の磁気センサ110の出力に基づく磁場強度については、1次ノイズ_y2を用いて補正してもよい。
また、この場合、例えば、各奇数列に配置されたn個の磁気センサM1〜Mnのうち、磁気センサM1の測定結果に基づく磁場強度を基に近似した1次ノイズを、各奇数列の磁気センサ110の出力に基づく磁場強度から減算して補正する。そして、各偶数列に配置されたn個の磁気センサM1〜Mnのうち、磁気センサM1の測定結果に基づく磁場強度を基に近似した1次ノイズを、各偶数列の磁気センサ110の出力に基づく磁場強度から減算して補正してもよい。このように構成することにより、奇数列と偶数列の各セグメントSに配置された磁気センサ110の位置に応じた磁場強度を精度良く検出することができる。
(3)上述した第1実施形態では、1次ノイズを近似する際、ノイズ演算対象として任意の1列に配置されたn個の磁気センサ110の出力結果に基づく磁場強度を用いたが、以下のように構成してもよい。例えば、複数の列の各セグメントSに配置された磁気センサ110の出力に基づく磁場強度を用いて1次ノイズを近似してもよい。具体的には、例えば、図2において、列R1の各セグメントSにおける磁気センサ110の出力に基づく磁場強度を基に、列R1の各セグメントSのY軸方向の位置に応じた1次ノイズ(1次ノイズ_1)を近似する。また、列Rmの各セグメントSにおける磁気センサ110の出力に基づく磁場強度を基に、列Rmの各セグメントSのY軸方向の位置に応じた1次ノイズ(1次ノイズ_m)を近似する。そして、列R1とRmの各セグメントに対する1次ノイズ_1と1次ノイズ_mにおいて、Y軸方向の位置が同じセグメント同士の1次ノイズ_1と1次ノイズ_mとの平均値を算出し、算出した各セグメントSの平均値を1次ノイズとしてもよい。
(4)また、上述した第1実施形態〜第4実施形態では、任意の1列におけるセグメントSを1次ノイズの演算対象とし、演算対象のセグメントSの列方向の位置に応じた1次ノイズを近似する例を説明したが、任意の1行におけるセグメントSを演算対象とし、演算対象のセグメントSの行方向の位置に応じた1次ノイズを近似してもよい。つまり、磁気センサアレイにおける少なくとも一の列方向又は行方向のセグメントSに配置された磁気センサの出力を用いて、当該セグメントSの列方向又は行方向の位置に応じた1次ノイズを近似すればよい。
(5)また、上述した第1実施形態では、基板100のXY平面に平行なX軸方向の磁場を磁気センサ110によって検出する例を説明したが、磁場を検出する方向はXY平面に平行な方向に限らず、任意の一の方向の磁場が検出できればよい。
この場合、磁気センサ110に用いる素子として、図18A及び図18Bに示す構造を有するGMR素子又はTMR素子を用いる。なお、図18Bは、図18Aに示すGMR素子103’の磁場検出部113の断面構造を示している。図18A及び図18Bに示すように、GMR素子103’は、導体又はドープ量の多い半導体1035a、反強磁性層1031、固定層1032’、非磁性層からなる中間層1036、フリー層1034、導体又はドープ量の多い半導体1035bがこの順に積層された構造を有する。なお、磁気センサとしてTMR素子を用いる場合には、中間層1036として絶縁層を用いる。
ここで、GMR素子103’は、導体又はドープ量の多い半導体1035a、1035bの厚みを、反強磁性層1031、固定層1032’、中間層1036、フリー層1034からなる磁場検出部113よりも厚くすることにより、厚み方向に長い素子構造を有する。このような構造としている理由は、上述の磁気センサアレイ10を製造する工程Dにおいて、GMR素子103’における固定層1032’の外側ピンド層の磁化方向が、基板100に対して垂直方向(図2のZ軸方向)となるようにGMR素子103’を配列するためである。また、このような素子構造としている他の理由は、上述の磁気センサアレイ10の工程E、Hにおいて、GMR素子103’の磁場検出部113が導通しないように、導体又はドープ量の多い半導体1035a又は1035bに対して配線用電極105A、105Bを設置するスペースを確保するためである。これにより、GMR素子103’によって、基板100に対して垂直な方向の磁場を検出することができる。
(6)上述の第2実施形態において、磁気センサ110に用いる素子として、GMR素子103に替えて、上記変形例(5)のGMR素子103’を用いてもよい。このように構成することで、基板100に平行なXY平面におけるX軸方向と、XY平面に垂直なZ軸方向の磁場を検出することができる。
1・・・磁場検出装置、10,10A,10B,10C,10D,10E・・・磁気センサアレイ、20・・・磁場検出回路、21・・・トランジスタ回路部、22・・・信号供給回路部、23・・・ブリッジ回路、24・・・増幅回路、24・・・補正回路部、30・・・電磁石、32・・・溶媒、100・・・基板、101,101A,101B・・・配列用電極、102,104・・・絶縁膜、103,103’・・・GMR素子、105,105A,105B・・・配線用電極、110,120,130・・・磁気センサ、113・・・磁場検出部、200・・・傾斜体

Claims (5)

  1. 基板と、前記基板において行列状に分割された分割領域のそれぞれに配置された少なくとも一の磁場検出素子とを含む磁場検出アレイであって、前記磁場検出素子として、一の方向の磁場に応じた出力を行う第1軸用検出素子を含む磁場検出アレイと、
    前記磁場検出アレイにおける少なくとも一の行方向又は列方向の分割領域を演算対象とし、前記演算対象の分割領域に配置された前記第1軸用検出素子の出力に基づいて、前記演算対象の分割領域のそれぞれの位置における、前記一の方向の磁場のノイズ成分である第1軸ノイズを求めるノイズ演算部と、
    前記第1軸用検出素子の出力に基づく磁場強度を、当該第1軸用検出素子が配置された分割領域の位置に応じた前記第1軸ノイズに基づいて補正する補正部と、
    を備える磁場検出装置。
  2. 前記磁場検出素子は、さらに、前記一の方向に交差する他の方向の磁場に応じた出力を行う第2軸用検出素子を含み、
    前記ノイズ演算部は、さらに、前記演算対象における前記第2軸用検出素子の検出結果に基づいて、前記演算対象の分割領域のそれぞれの位置における、前記他の方向の磁場のノイズ成分である第2軸ノイズを求め、
    前記補正部は、さらに、前記第2軸用検出素子の検出結果を、当該第2軸用検出素子が配置された分割領域の位置に応じた前記第2軸ノイズに基づいて補正する、請求項1に記載の磁場検出装置。
  3. 前記一の方向及び前記他の方向は、前記基板面に平行な方向であり、
    前記磁場検出素子は、さらに、前記基板面に対して一定の角度を成して支持され、前記基板面に対して前記一定の角度を成す方向の磁場に応じた出力を行う第3軸用検出素子を含み、
    前記ノイズ演算部は、さらに、前記演算対象の分割領域に配置された前記第3軸用検出素子の出力と、当該第3軸用検出素子が配置された分割領域における前記第1軸用検出素子、又は前記第2軸用検出素子の出力とに基づいて、前記演算対象の分割領域のそれぞれの位置における前記基板面に対して垂直な方向の磁場のノイズ成分である第3軸ノイズを求め、
    前記補正部は、さらに、前記第3軸用検出素子の出力と、当該第3軸用検出素子が配置された分割領域に配置された前記第1軸用検出素子、又は前記第2軸用検出素子の出力とに基づく前記基板面に対して垂直な方向の磁場強度を、当該第3軸用検出素子が配置された分割領域に応じた前記第3軸ノイズに基づいて補正する、請求項2に記載の磁場検出装置。
  4. 前記磁場検出素子は、直方体形状又は円柱形状を有し、前記直方体形状又は前記円柱形状の長手方向の磁場を検出し、前記一の方向又は前記他の方向と前記長手方向とが一致するように前記分割領域に配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載の磁場検出装置。
  5. 前記直方体形状の前記長手方向の長さは、当該直方体形状の前記長手方向に直交する方向の長さの2倍以上である、又は、前記円柱形状の前記長手方向の長さは、当該円柱形状の円の直径の長さの2倍以上である、請求項4に記載の磁場検出装置。
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