JP2017003055A - 伸縮自在シャフト及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インナシャフト9aの外周面の軸方向一端部に第一の雄スプライン部37を形成する。インナシャフト9aの外周面のうち、第一の雄スプライン部37に対して軸方向他方側に離隔した部分に第二の雄スプライン部42を形成する。インナシャフト9aの外周面のうち、第一、第二の各雄スプライン部37、42の間部分に、外径が、第一、第二の各雄スプライン部37、42の凹部の外径よりも小さい非スプライン部軸29を形成する。そして、インナシャフト9aの外周面のうち、軸方向一端縁から第四の傾斜連続部32の軸方向他端縁にかけての部分に、円周方向且つ軸方向に連続した状態でコーティング層59を設ける。
【選択図】図2
Description
図7は、特許文献1に記載された伸縮式の中間シャフト4の構造を示している。この中間シャフト4は、軸方向一端部(前端部であって、図7の左端部。組み付け状態で後述するアウタチューブ11側の端部)の外周面に雄スプライン部8が形成されたインナシャフト9と、内周面にこの雄スプライン部8とをスプライン係合可能な雌スプライン部10が形成された円管状のアウタチューブ11とから成る。そして、これら雄スプライン部8と雌スプライン部10とをスプライン係合する事で、前記インナシャフト9と前記アウタチューブ11とを、伸縮自在に組み合わせている。尚、図7に示す構造の場合、前記インナシャフト9を、後側(前後方向とは、車体の前後方向を言う。本明細書及び特許請求の範囲全体で同じ。)に配置すると共に、前記アウタチューブ11を前側に配置している。従って、前記インナシャフト9の軸方向他端部(後端部であって、図7の右端部)に、前記両自在継手3a、3bのうちの後側に配置された自在継手3aが固定されている。一方、前記アウタチューブ11の軸方向一端部(前端部であって、図7の左端部)に、前記両自在継手3a、3bのうちの前側に配置された自在継手3bが固定されている。但し、後述する実施の形態の各例の構造の様に、インナシャフトを前側に、アウタチューブを後側に配置する構造を採用する事もできる。
このうちの雄軸は、雄スプライン部と、傾斜連続部と、非スプライン軸部とを有している。
このうちの雄スプライン部は、前記雄軸の外周面のうちの軸方向に離隔した複数箇所に形成されている。これら各雄スプライン部は、具体的には、円周方向に交互に形成された軸方向に長い、複数ずつの凹部と凸部とにより構成されている。
前記各傾斜連続部は、前記各雄スプライン部の軸方向両端縁に連続し、外径が、これら各雄スプライン部から離れるほど小さくなる状態で形成されている。
前記非スプライン軸部は、外径が、前記各雄スプライン部の凹部の外径よりも小さく、軸方向に関してこれら各雄スプライン部同士の間部分に、軸方向両端縁が、前記各傾斜連続部の小径側の端縁に連続した状態で形成されている。
前記雌軸は、内周面に雌スプライン部が形成されている。
前記コーティング層は、前記各雄スプライン部と、前記傾斜連続部と、前記非スプライン軸部との外周面に、周方向及び軸方向に連続した状態で形成されている。
又、前記コーティング層のうちの前記非スプライン軸部を覆う部分の外径が、同じく前記各雄スプライン部の凹部を覆う部分の外径(外接円の直径)よりも小さい。
そして、これら各雄スプライン部と前記雌スプライン部とを、前記コーティング層を介してスプライン係合させる事により、前記雄軸と前記雌軸とがトルク伝達可能、且つ、全長を伸縮可能な状態に組み合わされている。
具体的には、本発明の場合、前記雄軸に形成した各雄スプライン部同士の間に、これら各雄スプライン部の凹部の外径(外接円の直径)よりも小さい外径を有する非スプライン軸部を形成している。この様な、非スプライン軸部には、雄スプライン部が形成されていない為、当該部分は、前記雌軸の内周面に形成された雌スプライン部とスプライン係合しない。この為、前記非スプライン軸部が形成されていない場合と比べて、前記各雄スプライン部と前記雌スプライン部とのスプライン係合部(摺接部分)の軸方向寸法(当接面積)を小さく抑えられる。この結果、前記雄軸と前記雌軸との摺動抵抗を小さく抑えられる。
又、本発明の場合、前記各雄スプライン部の軸方向両端側に隣接した位置に、これら各雄スプライン部の軸方向両端縁に連続し、外径が、前記各雄スプライン部から離れるほど小さくなる傾斜連続部を形成している。即ち、前記各雄スプライン部の軸方向両端縁にエッジ部が存在しない様にしている。この為、これら各雄スプライン部を、前記雄軸の外周面のうちの軸方向に離隔した複数箇所に形成した場合でも、前記各雄スプライン部と前記雌スプライン部とが摺動する際に、これら各雄スプライン部の軸方向両端縁が、この雌スプライン部に引っ掛かるのを防止できて、前記雄軸と前記雌軸との摺動抵抗が増大する事を防止できる。
本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1〜4により説明する。尚、本例は、本発明を、ステアリング装置を構成する中間シャフトに適用したものである。但し、本発明は、この様な中間シャフト以外にも、各種用途で使用される伸縮自在シャフトの構造に適用する事ができる。又、本例の中間シャフトを組み込んだステアリング装置の構造は、図6に示したステアリング装置と同様の構造を有している。但し、本例の中間シャフトは、図6に示したステアリング装置の構造に限らず、従来から知られている各種ステアリング装置の構造に適用する事ができる。以下、本発明を組み込んだステアリング装置の構造を簡単に説明した後、本例の中間シャフト4aの構造、及びこの中間シャフト4aの製造方法に就いて説明する。
このうちの小径筒部12は円筒状であり、前記アウタチューブ11aのうちの、軸方向中央部から軸方向他端縁にかけての部分に設けられている。この様な小径筒部12の外周面は、軸方向の全長に亙り外径寸法が変化しない円筒面状である。又、この小径筒部12の内周面には、円周方向に関して交互に形成された軸方向に長い、複数ずつの凹部と凸部とから成る雌スプライン部16が、全長に亙り形成されている。
前記大径筒部14は円筒状であり、軸方向他端縁が、前記連続部13の軸方向一端縁に連続している。この様な大径筒部14の内径寸法及び外径寸法は、前記小径筒部12の内径寸法及び外径寸法よりも大きい。
本例の場合、前記ヨーク部15を、前記アウタチューブ11aに一体に設ける構造を採用しているが、アウタチューブとヨーク部とを別体に設けて溶接或いは嵌合等により結合固定する構造を採用する事もできる。
又、前記第一の不完全スプライン部36は、円周方向に関して交互に形成された、複数ずつの凹部と、前記インナシャフト9aの中心軸を含む仮想平面に関する断面形状が直角三角形状の凸部とから成る。これら各凸部の外周面の外径も、軸方向一方側に向かうほど(第一スプライン形成部27から離れるほど)小さくなる。
又、前記第二の不完全スプライン部39は、円周方向に関して交互に形成された、複数ずつの凹部と、前記インナシャフト9aの中心軸を含む仮想平面に関する断面形状が直角三角形状の凸部とから成る。これら各凸部の外周面の外径も、軸方向他方側に向かうほど(前記第一スプライン形成部27から離れるほど)小さくなる。この様な第二の不完全スプライン部39を構成する凸部及び凹部の軸方向一端縁は、それぞれ前記第一の雄スプライン部37の凸部及び凹部の軸方向他端縁と連続している。好ましくは、断面円弧状で滑らかに連続させる。
又、前記第三の不完全スプライン部41は、円周方向に関して交互に形成された、複数ずつの凹部と、前記インナシャフト9aの中心軸を含む仮想平面に関する断面形状が直角三角形状の凸部とから成る。これら各凸部の外周面の外径も、軸方向他方側に向かうほど(第二のスプライン形成部31から離れるほど)小さくなる。
又、前記第四の不完全スプライン部44は、円周方向に関して交互に形成された、複数ずつの凹部と、前記インナシャフト9aの中心軸を含む仮想平面に関する断面形状が直角三角形状の凸部とから成る。これら各凸部の外周面の外径も、軸方向他方側に向かうほど(前記第二スプライン形成部31から離れるほど)小さくなる。この様な第四の不完全スプライン部44を構成する凸部及び凹部の軸方向一端縁は、前記第二の雄スプライン部42の凸部及び凹部の軸方向他端縁と連続している。好ましくは、断面円弧状で滑らかに連続させる。
このうちの基部49は、中央部に前記結合軸部34を挿通可能な結合孔51が形成されている。又、前記両腕部50、50の軸方向他端寄り部分には、互いの中心軸が同軸となる状態で1対の円孔52、52が形成されている。この様なヨーク48は、前記結合孔51に前記インナシャフト9aの結合軸部34を締り嵌めにより内嵌固定すると共に、溶接する事により、このインナシャフト9aに結合固定されている。
先ず、図示しない円杆状(円柱状)の素材(軸部材)の外周面の全長に亙り、転造又はプレス成形により連続雄スプライン部61を形成して第一中間素材(図示省略)とする。尚、前記素材の外径寸法は、全長に亙り転造下径(プレス下径)に形成しておく。尚、本例の場合、前記連続雄スプライン部61が、特許請求の範囲に記載した凹凸部に相当する。
次に、孔あけ加工により、前記第一中間素材に前記中心孔45を形成する。尚、この中心孔45の形状、寸法は適宜変更しても良い。又、この中心孔45を形成する工程を省略する事もできる。
尚、上述の様な切削加工により、前記インナシャフト9aにバリが生じる事がある為、その場合には、上述の工程の後、前記インナシャフト9aを洗浄し、更に、ショットブラスト等により前記バリを除去する。
この様にして形成された粗コーティング層63は、軸方向及び周方向に連続した状態で形成されている。
尚、前記粗コーティング層63を形成する方法は、例えば、流動浸漬法、静電塗装法等を採用する事ができる。
この様なシェービング加工は、例えば、前記コーティング層59のうちの前記第一、第二の各雄スプライン部37、42を覆う部分の外周面に沿う内周面形状を有する筒状のシェービング用金型(シェービングカッター)の内側に、前記インナシャフト9aのうちの前記粗コーティング層63が形成された部分を挿通する事により、この粗コーティング層63のうちの前記第一、第二の各雄スプライン部37、42を覆う部分の径方向外端寄り部分を削り取る。尚、本例の場合、前記粗コーティング層63の厚さを、軸方向及び周方向に亙りほぼ一定としている。但し、この粗コーティング層63の厚さを、軸方向に関して異ならせる事もできる。具体的には、この粗コーティング層63の径方向に関する厚さを、前記第一、第二の各雄スプライン部37、42を覆う部分で小さく、前記予備軸部25及び前記非スプライン軸部29を覆う部分で大きくする事ができる。何れにしても、これら予備軸部25及び非スプライン軸部29を覆う部分の前記粗コーティング層63の厚さを、前記シェービング加工の際に、前記シェービング加工用金型の内周面が、前記粗コーティング層63のうちの前記予備軸部25及び前記非スプライン軸部29を覆う部分に当接しない様に規制している。
又、前記シェービング加工の際には、前記抑え治具62を取り外して、前記中心孔45をセンタ出し(シェービングカッターとインナシャフト9aとの中心軸同士を一致させる作業)に利用する事ができる。
即ち、本例の場合、前記インナシャフト9aの外周面のうち、軸方向に関して、前記第一の雄スプライン部37と前記第二の雄スプライン部42との間に、外径が、これら第一、第二の各雄スプライン部37、42の凹部の外径よりも小さい前記非スプライン軸部29を設けている。この様な非スプライン軸部29には、雄スプライン部が形成されていない為、当該部分は、前記雌スプライン部16とはスプライン係合しない。この為、前記非スプライン軸部29が形成されていない場合と比べて、前記第一、第二の各雄スプライン部37、42と前記雌スプライン部16とのスプライン係合部(摺接部分)の軸方向寸法(当接面積)を小さく抑えられる。この結果、前記インナシャフト9aと前記アウタチューブ11aとの摺動抵抗を小さく抑える事ができる。又、本例の場合、前記第一の雄スプライン部37の軸方向一端縁と前記第二の雄スプライン部42の軸方向他端縁の距離L1を、前記従来構造のインナシャフト9の雄スプライン部の長さL2と同じだけ確保している。この為、前記摺動抵抗を小さく抑えつつ、前記インナシャフト9aと前記アウタチューブ11aとの中心軸同士が不一致になる(これらインナシャフト9aとアウタチューブ11aとが触れ回る)のを防止する事ができる。尚、これらインナシャフト9aとアウタチューブ11aとは、前記第一、第二の各雄スプライン部37、42の様に、軸方向に離隔した2箇所位置で係合している為、前記インナシャフト9aとこのアウタチューブ11aとの摺動が不安定になる事を防止すると共に、捩じり方向のがたつきも防止できる。
以上の様に、本例の構造によれば、前記中間シャフト4aを構成するインナシャフト9aと前記アウタチューブ11aとの摺動抵抗を小さくしたり、摺動時のこれら両部材9a、11aのがたつきを防止する事ができる為、前記中間シャフト4aを車両に組み込む作業の作業効率を向上する事ができる。
更に、前記非スプライン軸部29を形成している分だけ、前記インナシャフト9aの軽量化を図る事ができる。
本発明の実施の形態の第2例に就いて、図5により説明する。本例の中間シャフトを構成するインナシャフト9bの場合、前述した実施の形態の第1例のインナシャフト9aのスプライン形成部28の軸方向他方側に離隔した位置に、第三のスプライン形成部66を設けている。
又、前記第五の不完全スプライン部69は、円周方向に関して交互に形成された、複数ずつの凹部と、前記インナシャフト9bの中心軸を含む仮想平面に関する断面形状が直角三角形状の凸部とから成る。これら各凸部の外周面の外径も、軸方向他方側に向かうほど(前記第三のスプライン形成部66から離れるほど)小さくなる。
又、前記第六の不完全スプライン部73は、円周方向に関して交互に形成された、複数ずつの凹部と、前記インナシャフト9bの中心軸を含む仮想平面に関する断面形状が直角三角形状の凸部とから成る。この凸部の外周面の外径も、軸方向他方側に向かうほど(前記第三のスプライン形成部66から離れるほど)小さくなる。この様な第六の不完全スプライン部73を構成する凸部及び凹部の軸方向一端縁は、それぞれ前記第三の雄スプライン部71の凸部及び凹部の軸方向他端縁と連続している。好ましくは、断面円弧状で滑らかに連続させる。
尚、前記非スプライン軸部29と第二の非スプライン軸部64との軸方向長さの合計は、第一のスプライン形成部27の軸方向一端縁から前記第三のスプライン形成部66の軸方向他端縁までの長さの1/5〜1/2の範囲に規制している。
本例の場合、前記インナシャフト9bの予備軸部25の軸方向一端縁から、前記六の傾斜連続部67の軸方向他端縁にかけての部分には、滑りやすい(摩擦係数の低い)合成樹脂製のコーティング層59aが、円周方向且つ軸方向に連続した状態で設けられている。
尚、この様なコーティング層59aを形成する方法は、前述した実施の形態の第1例の方法と同様である。
本発明の実施の形態の第3例に就いて、図1〜3を参照しつつ説明する。本例は、前述した実施の形態の第1例で説明した中間シャフト4aを構成するインナシャフト9aの製造方法の別の製造方法に係るものである。
本例の場合、先ず、図示しない円杆状(円柱状)の素材(軸部材)に、切削加工により、軸方向一端部に、予備軸部25及び第一の傾斜連続部26を形成する工程と、切削加工により、軸方向他半部に、結合軸部34、小径軸部33及び第四の傾斜連続部32を形成する工程とを施す。又、軸方向一端面に孔あけ加工により、中心孔45を形成する工程を施す。尚、この中心孔45の形状、寸法は適宜変更しても良い。この様な各工程により、第一中間素材(図示省略)を得る。これら各工程は、その順番を入れ替える事もできるし、同時に実施する事もできる。尚、前記中心孔45を形成する工程は省略しても良い。
尚、上述の様な切削加工により、前記インナシャフト9aにバリが生じる事がある為、その場合には、上述の工程の後、前記インナシャフト9aを洗浄し、更に、ショットブラスト等により前記バリを除去する。その他の部分の構成及び作用・効果に就いては、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
尚、本発明のインナシャフトを造る際、円環状(円柱状)の素材として、非スプライン軸部に相当する部分に凹部(溝)を形成したものと使用して、この素材に転造又はプレス成形により各雄スプライン部を形成する方法を採用する事もできる。
又、上述したインナシャフトの各製造方法は、前述した実施の形態の第1例のインナシャフト9aだけでなく、前述した実施の形態の第2例のインナシャフト9bにも適用できる。
2 ステアリングシャフト
3a、3b、3c、3d 自在継手
4、4a 中間シャフト
5 ステアリングギヤユニット
6 入力軸
7 タイロッド
8 雄スプライン部
9、9a、9b インナシャフト
10 雌スプライン部
11、11a アウタチューブ
12 小径筒部
13 連続部
14 大径筒部
15 ヨーク部
16 雌スプライン部
17 腕部
18 円孔
19 軸受カップ
20 ニードル
21 十字軸
22 軸部
23 ヨーク
24 腕部
25 予備軸部
26 第一の傾斜連続部
27 第一のスプライン形成部
28 第二の傾斜連続部
29 非スプライン軸部
30 第三の傾斜連続部
31 第二のスプライン形成部
32 第四の傾斜連続部
33 小径軸部
34 結合軸部
35 第一の部分円錐面部
36 第一の不完全スプライン部
37 第一の雄スプライン部
38 第二の部分円錐面部
39 第二の不完全スプライン部
40 第三の部分円錐面部
41 第三の不完全スプライン部
42 第二の雄スプライン部
43 第四の部分円錐面部
44 第四の不完全スプライン部
45 中心孔
46 円筒面部
47 円錐面部
48 ヨーク
49 基部
50 腕部
51 結合孔
52 円孔
53 軸受カップ
54 ニードル
55 十字軸
56 軸部
57 ヨーク
58 腕部
59、59a コーティング層
60 第二中間素材
61 連続雄スプライン部
62 抑え治具
63 粗コーティング層
64 第二の非スプライン軸部
65 第五の傾斜連続部
66 第三のスプライン形成部
67 第六の傾斜連続部
68 第五の部分円錐面部
69 第五の不完全スプライン部
71 第三の雄スプライン部
72 第六の部分円錐面部
73 第六の不完全スプライン部
Claims (6)
- 外周面のうちの軸方向に離隔した複数箇所に形成された雄スプライン部と、これら各雄スプライン部の軸方向両端縁に連続し、外径が、これら各雄スプライン部から離れるほど小さくなる状態で形成された傾斜連続部と、外径が、これら各雄スプライン部の凹部の外径よりも小さく、軸方向に関してこれら各雄スプライン部同士の間部分に、軸方向両端縁が、前記各傾斜連続部の小径側の端縁に連続した状態で形成された非スプライン軸部とを有する雄軸と、
内周面に雌スプライン部が形成された雌軸と、
前記各雄スプライン部と、前記傾斜連続部と、前記非スプライン軸部との外周面に、周方向及び軸方向に連続した状態で形成されたコーティング層とを備えており、
このコーティング層のうちの前記非スプライン軸部を覆う部分の外径が、同じく前記各雄スプライン部の凹部を覆う部分の外径よりも小さく、
これら各雄スプライン部と前記雌スプライン部とを、前記コーティング層を介してスプライン係合させる事により、前記雄軸と前記雌軸とをトルク伝達可能、且つ、全長を伸縮可能な状態に組み合わせられている、伸縮自在シャフト。 - 前記雄軸の軸方向一端部に、軸方向他端縁が、最も軸方向一方側に形成された傾斜連続部の軸方向一端縁に連続した予備軸部が設けられており、
この予備軸部の外周面にも、全周に亙り連続した状態で前記コーティング層が形成されている、請求項1に記載した伸縮自在シャフト。 - 請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した伸縮自在シャフトの製造方法であって、
前記雄軸を得る為に円杆状の軸部材に、
外周面のうちの少なくとも軸方向一部に、凹部と凸部とを全周に亙って交互に配置して成る凹凸部を形成する工程と、
外周面のうちの軸方向1乃至複数箇所に切削加工により、前記非スプライン軸部、及び、前記各傾斜連続部のうちでこの非スプライン軸部の軸方向両端縁と連続する傾斜連続部を形成する工程と、
を施した後、
前記各雄スプライン部と、前記各傾斜連続部と、前記非スプライン軸部との外周面に粗コーティング層を形成し、
更にこの粗コーティング層にシェービング加工を施す事により、前記コーティング層を形成する、伸縮自在シャフトの製造方法。 - 前記各雄スプライン部と、前記各傾斜連続部と、前記非スプライン軸部との外周面を、溶融した合成樹脂の中に浸漬する事により、当該部分に前記粗コーティング層を形成する、請求項3に記載した伸縮自在シャフトの製造方法。
- 前記粗コーティング層を形成する以前に、軸方向一端が、前記軸部材の軸方向一端面に開口した中心孔を形成し、
前記軸部材の軸方向一端面に抑え治具を固定して、前記中心孔の軸方向一端開口部を塞いだ状態で前記粗コーティング層を形成する、請求項3〜4のうちの何れか1項に記載した伸縮自在シャフトの製造方法。 - 前記中心孔を、前記シェービング加工のセンタ出しに使用する、請求項5に記載した伸縮自在シャフトの製造方法。
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