JP7359056B2 - ストッパ付伸縮シャフト - Google Patents

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Description

本発明は、たとえば自動車の操舵装置を構成する中間シャフト(インターミディエイトシャフト)として使用する、ストッパ付伸縮シャフトに関する。
自動車用のステアリング装置においては、後端部にステアリングホイールが取り付けられたステアリングシャフトの前端部と、ステアリングギヤユニットを構成するピニオン軸とを、中間シャフトを介して連結することが行われている。このようなステアリング装置に組み込まれる中間シャフトとしては、走行時に路面から入力される振動がステアリングホイールにまで伝達されるのを防止することや車体への組み付け作業性などを考慮して、全長が伸縮可能な構造のものを使用する場合がある。
図13は、特開2017-25964号公報(特許文献1)に記載された、従来構造の伸縮式の中間シャフト1を示している。中間シャフト1は、インナシャフト2と、アウタチューブ3とを備えている。インナシャフト2は、中間シャフト1の軸方向一方側(図13の左側)に配置されており、アウタチューブ3は、中間シャフト1の軸方向他方側(図13の右側)に配置されている。
インナシャフト2は、軸方向他方側に配された軸部4と、軸方向一方側に配されたヨーク部5とを備えている。軸部4は、軸方向他方側部分の外周面に、雄スプライン部6を備えている。ヨーク部5は、軸部4の軸方向一方側の端部に、接合部である溶接ビード部7により溶接接合されている。アウタチューブ3は、軸方向一方側に配された筒部8と、軸方向他方側に配されたヨーク部9とを備えている。筒部8は、軸方向一方側部分の内周面に、雌スプライン部10を備えている。ヨーク部9は、筒部8の軸方向他方側の端部に、一体に備えられている。インナシャフト2の軸部4をアウタチューブ3の筒部8の内側に挿入し、雄スプライン部6と雌スプライン部10とをスプライン係合させることで、インナシャフト2とアウタチューブ3とを、トルク伝達を可能にかつ軸方向に関する相対変位を可能に組み合わせている。これにより、中間シャフト1を伸縮可能に構成している。
伸縮式の中間シャフトにおいては、中間シャフトの伸縮動作を円滑に行わせるとともに摺動部の摩耗を抑制するために、インナシャフトとアウタチューブとの所期の摺動範囲に、グリースなどの潤滑剤を塗布することが行われている。ただし、車体への組み付け前の搬送時や車体への組み付け作業時などに、中間シャフトの収縮ストロークが過大になると、潤滑剤を所期の摺動範囲外に押し出してしまう可能性がある。この結果、中間シャフトの伸縮動作や摺動部の摩耗に悪影響を与える可能性がある。
そこで、車両搭載前の中間シャフトの収縮ストローク(収縮量)を制限するために、ストッパを備えた中間シャフトを使用することが従来から考えられている。図14は、ストッパ11を備えた中間シャフト1の従来構造を示している。ストッパ11は、全体が欠円環状に構成されており、円周方向1箇所にスリット状の開口部12を有している。そして、このようなストッパ11を、インナシャフト2の軸部4の軸方向一方側部分に締り嵌めにより外嵌している。また、ストッパ11の軸方向一方側の端面を、軸部4とヨーク部5との境界に位置し、軸部4の軸方向一方側の端部よりも大きな外径を有する溶接ビード部7に突き当てている。
上述した従来構造によれば、搬送時など、中間シャフト1の車両搭載前に、中間シャフト1が意図せずに収縮した際にも、アウタチューブ3の筒部8の軸方向一方側の端面がストッパ11の軸方向他方側の端面に突き当たることで、中間シャフト1の収縮ストロークを制限することができる。このため、ストッパ11の軸方向他方側の端面の位置を規制することで、インナシャフト2とアウタチューブ3とが所期の摺動範囲を超えて摺動することを防止できる。
特開2017-25964号公報 国際公開第2003/031250号パンフレット
ところが、上述した従来構造では、溶接ビード部7の仕上がり形状によっては、中間シャフト1の収縮ストロークを、ストッパ11により制限することが難しくなる可能性がある。すなわち、溶接ビード部7の母線形状がテーパ形状である場合、アウタチューブ3からストッパ11に加わった荷重を溶接ビード部7で支承することが難しくなり、ストッパ11の軸方向一方側の端部が溶接ビード部7に乗り上げる可能性がある。
上述のように、中間シャフトを車両に搭載する以前の状態では、中間シャフトの機能や性能の低下を防止するために、中間シャフトの収縮ストロークを制限することが求められる。一方、中間シャフトを車両に搭載した後の一次衝突や二次衝突の発生時には、運転者の保護の充実を図るために、中間シャフトの収縮ストロークを長く確保することが求められる。このため、一次衝突や二次衝突の発生時など、ストッパに対し、車両搭載前に加わる荷重に比べて十分に大きな荷重が加わる場合には、ストッパによるストローク制限機能を作用させず、中間シャフトの収縮ストロークを長く確保できるようにすることが求められる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、軸部とヨーク部との境界に位置する大径接続部の仕上がり形状の影響を受けることなく、収縮ストロークを制限できるとともに、ストッパに過大な荷重が加わった際には、収縮ストロークを長く確保できる、ストッパ付伸縮シャフトの構造を提供することを目的とする。
本発明のストッパ付伸縮シャフトは、雌軸と、雄軸と、ストッパとを備えている。
前記雌軸は、中空筒形状を有している。
前記雄軸は、前記雌軸に対してトルク伝達を可能に、かつ、軸方向の相対変位を可能に内嵌されている。
前記ストッパは、前記雄軸に外嵌されて、前記雌軸と前記雄軸とが互いに近づくように軸方向に相対変位した際に、前記雌軸の軸方向一方側の端面に当接して、前記雌軸と前記雄軸とのそれ以上の相対変位を阻止するものである。
さらに前記雄軸は、該雄軸の軸方向他方側に配された軸部と、前記雄軸の軸方向一方側に配されたヨーク部と、前記軸部の軸方向一方側の端部と前記ヨーク部の軸方向他方側の側面との境界に位置し、前記軸部の軸方向一方側の端部よりも外径が大きくなった環状の大径接続部と、を有している。
前記ストッパは、円周方向一箇所に第1開口部を有する第1筒部と、該第1筒部よりも大きな内径を有しかつ円周方向に関する位相が前記第1開口部と一致する部分に第2開口部を有する欠円環状の第2筒部とを備えており、前記第1筒部を、前記軸部の軸方向一方寄り部分に締り嵌めにより外嵌し、かつ、前記第2筒部を、前記大径接続部に隙間嵌めにより外嵌(大径接続部の周囲に径方向隙間を介して配置)し、前記第2筒部の軸方向一方側の端面を前記ヨーク部の軸方向他方側の側面に対して軸方向に当接させている。
前記第1筒部は、軸方向両側の端部に配されたそれぞれが欠円環状の1対の嵌合部と、円周方向に関して前記第1開口部の両側に配され、前記1対の嵌合部を軸方向に連結する1対の軸方向連結部と、前記1対の嵌合部と前記1対の軸方向連結部とにより囲まれた部分に備えられた中間開口部と、をさらに有している。
本発明の一態様にかかるストッパ付伸縮シャフトは、前記嵌合部と前記軸方向連結部との接続部のうち、少なくとも1箇所の接続部に、前記接続部の強度を低下させる脆弱部を有することができる。
本発明の一態様にかかるストッパ付伸縮シャフトは、前記嵌合部と前記軸方向連結部との4箇所の接続部のすべてに、前記脆弱部を有することができる。
本発明の一態様にかかるストッパ付伸縮シャフトは、前記脆弱部を、前記軸方向連結部の軸方向端部に切り欠きを形成することにより構成された、前記軸方向連結部の幅狭部とすることができる。
あるいは、前記脆弱部を、前記軸方向連結部の薄肉部とすることもできる。
本発明の一態様にかかるストッパ付伸縮シャフトは、前記ストッパを、前記第1開口部及び前記第2開口部の円周方向両側に配置されて、前記第1筒部と前記第2筒部とを連結する1対の連結部をさらに備えるものとすることができる。
この場合には、前記1対の連結部のそれぞれを、前記第1筒部の軸方向一方側の端部に配された前記嵌合部の軸方向一方側の端部外周面から径方向外方に向けて伸長した径方向板部と、前記径方向板部の径方向外端部から軸方向一方側に向けて直角に折れ曲がり、かつ、軸方向一方側の端部を前記第2筒部の軸方向他方側の端面に接続した軸方向板部とを有するものとすることができる。
本発明の一態様にかかるストッパ付伸縮シャフトは、前記第2筒部の内径を、前記第1筒部の内径に、前記大径接続部の径方向幅を2倍した値を加えた値よりも大きくすることができる。
本発明の一態様にかかるストッパ付伸縮シャフトは、前記ストッパを、軸方向において対称形状とし、前記第1筒部の軸方向両側に前記第2筒部をそれぞれ備えたものとすることができる。そして、1対の前記第2筒部のうち、前記ストッパの軸方向一方側に配された前記第2筒部を、前記大径接続部に隙間嵌めにより外嵌することができる。
本発明の一態様にかかるストッパ付伸縮シャフトは、前記ストッパを、たとえばポリアセタール、ポリプロピレン、ポリアミドなどの弾性を有する合成樹脂製とすることができる。
あるいは、前記ストッパを、ばね鋼などの金属製とすることもできる。
本発明の一態様にかかるストッパ付伸縮シャフトは、前記軸部と前記ヨーク部とを、互いに別体に構成し、前記大径接続部を、前記軸部の軸方向一方側の端部と前記ヨーク部とを接合する、溶接ビード部とすることができる。
あるいは、前記大径接続部を、ろう付け部や接着部とすることもできる。
あるいは、前記軸部と前記ヨーク部とを、互いに一体に構成し、前記大径接続部を、前記軸部の軸方向一方側の端部の外周面と前記ヨーク部の軸方向他方側の側面とを連続する鍔部とすることもできる。
本発明によれば、軸部とヨーク部との境界に位置する大径接続部の仕上がり形状の影響を受けることなく、収縮ストロークを制限できるとともに、ストッパに過大な荷重が加わった際には、収縮ストロークを長く確保できる、ストッパ付伸縮シャフトを実現できる。
図1は、実施の形態の第1例にかかる伸縮式の中間シャフトを備えたステアリング装置の1例を示す部分断面模式図である。 図2は、実施の形態の第1例にかかる伸縮式の中間シャフトの部分断面模式図である。 図3は、実施の形態の第1例にかかる伸縮式の中間シャフトの斜視図である。 図4は、図3の右側部の拡大図である。 図5は、実施の形態の第1例にかかる伸縮式の中間シャフトからストッパを取り出して示す斜視図である。 図6は、実施の形態の第1例にかかる伸縮式の中間シャフトからストッパを取り出して示す図であり、(A)は軸方向他方側から見た正面図であり、(B)は(A)の右側から見た側面図である。 図7は、実施の形態の第2例を示す、図2に相当する図である。 図8は、実施の形態の第2例を示す、図3に相当する図である。 図9は、実施の形態の第2例を示す、図4に相当する図である。 図10は、実施の形態の第2例を示す、図5に相当する図である。 図11は、実施の形態の第2例を示す、図6に相当する図である。 図12は、実施の形態の第3例を示す、図2に相当する図である。 図13は、伸縮式の中間シャフトの従来構造を示す断面図である。 図14は、ストッパを備えた伸縮式の中間シャフトの従来構造を示す断面図である。
[実施の形態の第1例]
実施の形態の第1例について、図1~図6を用いて説明する。本例では、本発明のストッパ付伸縮シャフトを、自動車用のステアリング装置を構成する中間シャフトに適用した場合について説明する。
[ステアリング装置の概要]
自動車用のステアリング装置13は、ステアリングホイール14と、ステアリングシャフト15と、ステアリングコラム16と、1対の自在継手17a、17bと、伸縮式の中間シャフト1aと、ステアリングギヤユニット18と、1対のタイロッド19とを備えている。
ステアリングシャフト15は、車体に支持されたステアリングコラム16の内径側に、回転自在に支持されている。ステアリングシャフト15の後端部には、運転者が操作するステアリングホイール14が取り付けられており、ステアリングシャフト15の前端部は、1対の自在継手17a、17b及び中間シャフト1aを介して、ステアリングギヤユニット18のピニオン軸20に接続されている。このため、運転者がステアリングホイール14を回転させると、該ステアリングホイール14の回転が、ステアリングギヤユニット18のピニオン軸20に伝達される。ピニオン軸20の回転は、該ピニオン軸20と噛合した図示しないラック軸の直線運動に変換され、1対のタイロッド19を押し引きする。この結果、操舵輪にステアリングホイール14の操作量に応じた舵角が付与される。
なお、前後方向とは、ステアリング装置が組み付けられる車体の前後方向をいう。また、中間シャフト1aに関して軸方向一方側は、車体の後方側に対応し、中間シャフト1aに関して軸方向他方側は、車体の前方側に対応する。
[中間シャフトの概要]
中間シャフト1aは、雄軸に相当するインナシャフト2aと、雌軸に相当する中空円筒状のアウタチューブ3aと、ストッパ11aとを備えている。中間シャフト1aの軸方向一方側(図2及び図3の右側)に配されたインナシャフト2aと、中間シャフト1aの軸方向他方側(図2及び図3の左側)に配されたアウタチューブ3aとは、トルク伝達を可能にかつ軸方向に関する相対変位を可能に組み合わされている。
なお、本発明を実施する場合、インナシャフト2aとアウタチューブ3aとの前後方向の位置関係は、本例の構造とは逆にすることもできる。つまり、中間シャフト1aに関する軸方向一方側を車体の前方側とし、中間シャフト1aに関する軸方向他方側を車体の後方側とすることもできる。
インナシャフト2aは、軸方向他方側に配された軸部4aと、軸方向一方側に配されたヨーク部5aとを備えている。本例では、軸部4aとヨーク部5aとは、互いに別体に構成されている。軸部4aは、軸方向他方側部分の外周面に、雄スプライン部6aを備えている。ヨーク部5aは、軸部4aの軸方向一方側の端部に、大径接続部である溶接ビード部7aにより溶接接合されている。アウタチューブ3aは、軸方向一方側に配された筒部8aと、軸方向他方側に配されたヨーク部9aとを備えている。筒部8aは、軸方向一方側部分の内周面に、雌スプライン部10aを備えている。ヨーク部9aは、筒部8aの軸方向他方側の端部に固定されている。インナシャフト2aの軸部4aをアウタチューブ3aの筒部8aの内側に挿入し、雄スプライン部6aと雌スプライン部10aとをスプライン係合させることで、インナシャフト2aとアウタチューブ3aとを、トルク伝達を可能にかつ軸方向に関する相対変位を可能に組み合わせている。これにより、中間シャフト1aを伸縮可能に構成している。
インナシャフト2aとアウタチューブ3aとの所期の摺動範囲には、グリースなどの潤滑剤を塗布している。これにより、中間シャフト1aの伸縮動作を円滑に行わせるとともに、インナシャフト2aとアウタチューブ3aとの摺動部の摩耗を抑制している。また、雄スプライン部6aの表面に、樹脂コーティング層を形成することで、雌スプライン部10aに対する摺動性を高めることもできる。
ヨーク部5aは、後方側に配置された自在継手17aを構成するものであり、軸部4aの軸方向一方側の端部に、円環状の溶接ビード部7aにより溶接接合されている。このために、ヨーク部5aを構成する略円板状の基部21の径方向中央部に、挿通孔22を形成している。そして、挿通孔22に対し軸部4aの軸方向一方側の端部を、締り嵌めにより内嵌するか、又は、セレーション係合などにより相対回転不能に凹凸係合させている。また、ヨーク部5aの基部21の軸方向他方側の側面と軸部4aの軸方向一方側の端部との境界部を、溶接ビード部7aにより全周にわたり溶接接合している。これにより、ヨーク部5aを軸部4aの軸方向一方側の端部に対して、トルク伝達を可能にかつ軸方向の相対変位を不能に固定している。溶接ビード部7aは、たとえば略4分の1円形状や略三角形状の断面形状を有しており、ヨーク部5aの基部21と軸部4aの軸方向一方側の端部外周面とを跨ぐように形成されている。このような溶接ビード部7aは、軸部4aの軸方向一方側の端部とヨーク部5aの基部21の軸方向他方側の側面との境界に位置し、軸部4aの軸方向一方側の端部の外径(D4a)よりも大きな外径(D7a)を有している(D4a<D7a)。また、溶接ビード部7aの外径は、軸方向一方側に向かうほど大きくなる。溶接ビード部7aの径方向幅H7aは、全周にわたりほぼ一定であり、2.5mm~6mm程度である。また、溶接ビード部7aの軸方向幅L7aについても、全周にわたりほぼ一定であり、2.5mm~6mm程度である。
ヨーク部5aは、上述のような基部21と、該基部21の外周面の直径方向反対側となる2箇所位置から軸方向一方側に延出した1対の腕部23とを備えている。1対の腕部23の先端側部分には、円孔24が互いに同軸に形成されている。自在継手17aを組み立てた状態で、円孔24には、それぞれ軸受カップ25が内嵌され、十字軸26を構成する軸27が回動自在に支持される。
ヨーク部9aは、前方側に配置された自在継手17bを構成するものである。筒部8aの軸方向他方側の端部に対するヨーク部9aの固定構造は、特に限定されず、ヨーク部5aの軸部4aに対する固定構造と同様に、溶接ビード部により溶接接合することができる。いずれの固定構造を採用した場合にも、ヨーク部9aと筒部8aの軸方向他方側の端部とを、トルク伝達を可能にかつ軸方向の相対変位を不能に固定する。ヨーク部9aは、略円板状の基部28と、該基部28の外周面の直径方向反対側となる2箇所位置から軸方向他方側に延出した1対の腕部29とを備えている。基部28の径方向中央部には、筒部8aの軸方向他方側の端部を挿通可能な挿通孔30が形成されている。また、1対の腕部29の先端側部分には、円孔31が互いに同軸に形成されている。自在継手17bを組み立てた状態で、円孔31には、それぞれ軸受カップ32が内嵌され、十字軸33を構成する軸34が回動自在に支持される。
なお、本例では、ヨーク部9aと筒部8aとを互いに別体とした場合について説明したが、ヨーク部と筒部とを互いに一体に構成することもできる。
[ストッパの構造]
本例では、中間シャフト1aを車両に搭載する以前の状態で、中間シャフト1aの収縮ストロークを制限するために、インナシャフト2aの軸方向一方寄り部分に、ストッパ11aを外嵌している。
ストッパ11aは、たとえばポリアセタール、ポリプロピレン、ポリアミドなどの弾性を有する合成樹脂製であり、互いに内径及び外径が異なる第1筒部35及び第2筒部36と、これら第1筒部35及び第2筒部36を軸方向に連結する1対の連結部37とを一体に備えている。このようなストッパ11aは、小径の第1筒部35を、軸部4aの軸方向一方寄り部分に締り嵌めにより外嵌し、かつ、大径の第2筒部36を、溶接ビード部7aに隙間嵌めにより外嵌している。また、ストッパ11aの取り付け状態で、第2筒部36の軸方向一方側の端面を、ヨーク部5aの基部21の軸方向他方側の側面に対して軸方向に当接させている。ストッパ11aの軸方向長さは、インナシャフト2aとアウタチューブ3aとの所期の摺動範囲との関係で決定する。また、第2筒部36の軸方向一方側の端面から第1筒部35(後述する嵌合部39a)の軸方向一方側端面までの軸方向距離Lx(図6の(B)参照)は、溶接ビード部7aの軸方向幅L7a(図2参照)よりも大きくなっている。
第1筒部35は、C字形の断面形状を有する筒体の軸方向中間部を、径方向視で略矩形状に切り欠いた(除肉した)形状を有している。第1筒部35は、第1開口部38と、1対の嵌合部39a、39bと、1対の軸方向連結部40a、40bと、中間開口部41とを有する。
第1開口部38は、第1筒部35の円周方向1箇所に備えられた、スリット状の不連続部である。第1開口部38は、第1筒部35の軸方向の全長にわたり備えられており、軸方向に直線状に伸長している。第1開口部38は、ストッパ11aの自由状態で、軸部4aの軸方向一方寄り部分の外径D4aよりも小さい開口幅W38を有する(W38<D4a)。第1開口部38の開口幅W38は、軸方向にわたり一定である。
1対の嵌合部39a、39bのそれぞれは、欠円環状(断面略C字状)に構成されており、第1筒部35の軸方向両側の端部に備えられている。1対の嵌合部39a、39bのそれぞれは、軸部4aの軸方向一方寄り部分に締まり嵌めにより外嵌している。1対の嵌合部39a、39bは、ストッパ11の自由状態で、互いに等しい内径d39及び外径D39を有する。1対の嵌合部39a、39bのそれぞれの内径d39は、軸部4aの軸方向一方寄り部分の外径D4aよりも少しだけ小さい(d39<D4a)。また、嵌合部39a、39bの内径d39及び外径D39は、軸方向他方側に配された嵌合部39bの軸方向他方側の端面に、アウタチューブ3aを構成する筒部8aの軸方向一方側の端面が、十分に大きな接触面積で当接できるように設定している。図示の例では、嵌合部39a、39bの内径d39は、筒部8aの内径d8aよりも小さくなっており、嵌合部39a、39bの外径D39は、筒部8aの内径d8aよりも大きく、かつ、筒部8aの外径D8aと同じかこれよりも少しだけ小さくなっている。
1対の軸方向連結部40a、40bは、円周方向に関して第1開口部38の両側に配されており、1対の嵌合部39a、39bを軸方向に連結している。このため、1対の軸方向連結部40a、40bは、第1筒部35の軸方向中間部に備えられている。1対の軸方向連結部40a、40bのそれぞれの径方向内側面は、凹曲面になっており、1対の嵌合部39a、39bのそれぞれの内周面と同一の仮想円筒面上に存在している。また、1対の軸方向連結部40a、40bのそれぞれの径方向外側面は、凸曲面になっており、1対の嵌合部39a、39bのそれぞれの外周面と同一の仮想円筒面上に存在している。1対の軸方向連結部40a、40bのそれぞれは、後述する脆弱部42a、42bを除いて、軸方向にわたり円周方向幅が一定である。
中間開口部41は、第1筒部35の軸方向中間部に備えられた、径方向視で略矩形状の開口部(窓部)であり、1対の嵌合部39a、39bと1対の軸方向連結部40a、40bとにより四方を囲まれた部分に形成(画成)されている。第1筒部35を軸部4aに外嵌した状態で、中間開口部41からは軸部4aの外周面が露出する。第1筒部35の中心軸を中心とする中間開口部41の開口角度は、ストッパ11aの材質などにより異なるが、たとえば130°~230°程度であり、図示の例では180°である。
第1筒部35は、1対の嵌合部39a、39bと1対の軸方向連結部40a、40bとの4箇所の接続部のうち、2箇所の接続部に、脆弱部42a、42bを有している。
具体的には、軸方向一方側に配された嵌合部39aと、第1開口部38の円周方向一方側(図5及び図6の(B)の奥側、図6の(A)の左側)に配された軸方向連結部40aとの接続部に、該接続部の強度を低下させる脆弱部42aを設けている。脆弱部42aは、軸方向連結部40aの軸方向一方側の端部のうち、円周方向一方側部分(円周方向に関して第1開口部38とは反対側に位置する部分)に、径方向視で略三角形状の切り欠き43を形成することにより構成された、軸方向連結部40aの幅狭部である。また、軸方向他方側に配された嵌合部39bと、第1開口部38の円周方向他方側(図5及び図6の(B)の手前側、図6の(A)の右側)に配された軸方向連結部40bとの接続部に、該接続部の強度を低下させる脆弱部42bを設けている。脆弱部42bは、軸方向連結部40bの軸方向他方側の端部のうち、円周方向他方側部分(円周方向に関して第1開口部38とは反対側に位置する部分)に、径方向視で略三角形状の切り欠き43を形成することにより構成された、軸方向連結部40bの幅狭部である。
嵌合部39aと軸方向連結部40bとの接続部、及び、嵌合部39bと軸方向連結部40aとの接続部には、脆弱部を設けていない。換言すれば、軸方向連結部40aの軸方向他方側の端部、及び、軸方向連結部40bの軸方向一方側の端部は、円周方向幅が軸方向中間部と同じ幅広部となっている。
第2筒部36は、第1筒部35と同軸に配されている。第2筒部36は、円周方向に関する位相が第1開口部38と一致する部分に第2開口部44を有しており、欠円環形状(断面略C字形状)を有している。また、第2筒部36の肉厚(径方向厚さ)は、第1筒部35の肉厚と同じである。ストッパ11aの自由状態で、第2筒部36は、第1筒部35を構成する嵌合部39a、39bの内径d39よりも大きく、かつ、溶接ビード部7aの外径D7aよりも大きい内径d36を有している(d36>d39、d36>D7a)。また、第2筒部36の内径d36は、嵌合部39a、39bの内径d39に、溶接ビード部7aの径方向幅H7aを2倍した値を加えた値よりも大きくなっている(d36>d39+2H7a)。第2開口部44は、第1開口部38の開口幅W38よりも大きい開口幅W44を有している(W44>W38)。また、ストッパ11aの自由状態で、第2筒部36は、ヨーク部5aを構成する基部21の外径よりも十分に小さい外径を有している。
第1筒部35と第2筒部36とは、軸方向に離隔した態様で、1対の連結部37により軸方向に連結されている。連結部37は、略L字形状を有しており、第1開口部38及び第2開口部44の円周方向両側に配置されている。このため、1対の連結部37は、円周方向に離隔して配置されている。換言すれば、第1筒部35の軸方向一方側の端部に配された嵌合部39aの軸方向一方側の端部と、第2筒部36の軸方向他方側の端部との間部分であって、円周方向に関して1対の連結部37同士の間部分には、円周方向に伸長するスリット48が備えられている。連結部37は、嵌合部39aの軸方向一方側の端部外周面から径方向外方に向けて伸長した径方向板部45と、該径方向板部45の径方向外端部から軸方向一方側に向けて直角に折れ曲がり、その先端部が第2筒部36の軸方向他方側の端面につながった軸方向板部46とから構成されている。径方向板部45の軸方向一方側の側面は、嵌合部39aの軸方向一方側の端面と同一の仮想平面上に存在する。また、軸方向板部46の径方向内側面は、凹曲面になっており、第2筒部36の内周面と同一の仮想円筒面上に存在する。
第1筒部35を軸部4aの軸方向一方寄り部分に外嵌するには、軸部4aの外周面を第1開口部38に対して第1筒部35の径方向外方から押し付け、1対の嵌合部39a、39bのそれぞれを弾性変形させることで、第1開口部38の開口幅を軸部4aの外周面によって押し拡げる。軸部4aが第1開口部38を通過した後は、1対の嵌合部39a、39bのそれぞれが弾性復元し、軸部4aの軸方向一方寄り部分に、1対の嵌合部39a、39bが締り嵌めで外嵌される。つまり、1対の嵌合部39a、39bは、締め代を有する状態で、軸部4aの軸方向一方寄り部分に外嵌される。本例のストッパ11aは、円周方向に関して1対の連結部37同士の間に、円周方向に伸長したスリット48を備えている。このため、第1開口部38の開口幅を押し広げることに対する剛性を適度に小さくすることができて、第1筒部35を軸部4aに外嵌する作業を行いやすくすることができる。なお、第1筒部35を軸部4aの軸方向一方寄り部分に外嵌する作業と、後述する第2筒部36を溶接ビード部7aに外嵌する作業とは、同時に行うことができる。
第2筒部36を溶接ビード部7aに外嵌するには、溶接ビード部7aの外周面を第2開口部44に対して第2筒部36の径方向外方から押し付け、第2筒部36を弾性変形させることで、第2開口部44の開口幅を溶接ビード部7aの外周面によって押し拡げる。溶接ビード部7aが第2開口部44を通過した後は、第2筒部36が弾性復元し、溶接ビード部7aに第2筒部36が隙間嵌めで外嵌する。あるいは、第2筒部36を、軸部4aの軸方向一方寄り部分に隙間嵌めにより外嵌したのち、ストッパ11a全体をインナシャフト2aに対して軸方向一方側に相対変位させることで、第2筒部36を、溶接ビード部7aに隙間嵌めで外嵌する。いずれにしても、第2筒部36を、溶接ビード部7aとの間に隙間を介在させた状態で、溶接ビード部7aの周囲に配置する。また、第2筒部36を外嵌した状態で、第2筒部36の軸方向一方側の端面を、基部21の軸方向他方側の側面に対して全周にわたり軸方向に当接させる。また、第2筒部36の軸方向一方側の端面を基部21の軸方向他方側の側面に対して当接させた状態で、第1筒部35の軸方向一方側に配された嵌合部39aの軸方向一方側の端面と、溶接ビード部7aとの間には、軸方向の隙間が存在している。
上述のような本例の中間シャフト1aによれば、溶接ビード部7aの仕上がり形状の影響を受けることなく、中間シャフト1aの収縮ストロークを制限できるとともに、一次衝突や二次衝突の発生時など、ストッパ11aに過大な荷重が加わった際には、中間シャフト1aの収縮ストロークを長く確保できる。
すなわち、インナシャフト2aに外嵌したストッパ11aにより、中間シャフト1aの収縮ストロークを、ストッパ11aに所定値以上の大きな荷重が加わらない限り、筒部8aの軸方向一方側の端面から第1筒部35(嵌合部39b)の軸方向他方側の端面までの長さL(図2参照)に制限することができる。つまり、インナシャフト2aとアウタチューブ3aとが互いに近づくように軸方向に相対変位した際に、筒部8aの軸方向一方側の端面がストッパ11aに当接して、インナシャフト2aとアウタチューブ3aとがそれ以上相対変位することを阻止する。このため、搬送時や車体への組み付け作業時などに、中間シャフト1aが意図せずに収縮した際にも、筒部8aの軸方向一方側の端面が第1筒部35の軸方向他方側の端面に突き当たることで、中間シャフト1aの収縮ストロークを制限することができる。したがって、インナシャフト2aとアウタチューブ3aとが所期の摺動範囲を超えて摺動することを防止できる。この結果、潤滑剤が所期の摺動範囲外に押し出されることを有効に防止でき、中間シャフト1aの伸縮動作を長期間にわたり円滑に行わせることが可能になるとともに、インナシャフト2aとアウタチューブ3aとの摺動部の摩耗を抑制することができる。
しかも、本例では、ストッパ11aを構成する第2筒部36の軸方向一方側の端面を、ヨーク部5aを構成する基部21に当接させることで、アウタチューブ3aからストッパ11aに加わる荷重を、仕上がり形状に個体差が出やすい溶接ビード部7aではなく、基部21により支承するようにしている。このため、溶接ビード部7aの仕上がり形状の影響を受けることなく、ストッパ11aがインナシャフト2aに対して軸方向一方側に相対変位することを有効に防止できる。つまり、溶接ビード部7aの外周面がテーパ形状である場合にも、ストッパ11aにストローク制限機能を発揮させることができる。したがって、インナシャフト2aとアウタチューブ3aとが所期の摺動範囲を超えて摺動することを有効に防止できる。また、第2筒部36の軸方向一方側の端面を、第2筒部36よりも十分に大きい外径を有するヨーク部5aの基部21に当接させているため、第2筒部36が基部21に乗り上げることを防止できる。
さらに、本例では、ストッパ11aを構成する第1筒部35を、1対の嵌合部39a、39bと1対の軸方向連結部40a、40bとから構成し、第1筒部35の軸方向中間部に中間開口部41を設けることで、第1筒部35の軸方向中間部の強度(剛性)を低くしている。一次衝突や二次衝突などの発生時には、中間シャフト1が収縮し、筒部8aの軸方向一方側の端面が嵌合部39bの軸方向他方側の端面に勢い良く衝突することで、ストッパ11aに対して、車両への搭載前に加わる荷重に比べて十分に大きな、所定値以上の荷重(圧縮荷重)が加わる。このため、本例では、ストッパ11aに、このような過大な荷重が加わった際に、第1筒部35の軸方向中間部を構成する軸方向連結部40a、40bを座屈変形させることができ、ストッパ11a(嵌合部39a、39b)を軸部4aから脱落させることができる。
特に本例では、軸方向連結部40aの軸方向一方側の端部に脆弱部42aを設けるとともに、軸方向連結部40bの軸方向他方側の端部に脆弱部42bを設けている。このため、軸方向連結部40a、40bを、脆弱部42a、42b及びその近傍で大きく座屈変形させることができるため、嵌合部39a、39bを軸部4aから効果的に脱落させることができ、ストッパ11aによるストローク制限機能を作用させないようにすることができる。この結果、一次衝突や二次衝突などの発生時には、搬送時や車体への組み付け作業時などの車両への搭載前の状態に比べて、ストッパ11aの軸方向長さ分だけ、中間シャフト1aの収縮ストロークを長く確保する(伸縮ストロークを図2中のLmaxまで伸ばす)ことができる。したがって、運転者に加わる衝撃を緩和することが可能になり、運転者の保護の充実を図ることができる。
一次衝突が発生した場合を例に具体的に説明すると、本例の中間シャフト1aを備えるステアリング装置13を搭載する自動車が衝突事故を起こした場合、車体の前部が潰れて、ステアリングギヤユニット18が後方に押される。ステアリングギヤユニット18が後方に押されると、アウタチューブ3aが、中間シャフト1aの全長を縮めるように、インナシャフト2aに対し後方(軸方向一方側)に向けて相対変位する。アウタチューブ3aの後方への変位に伴い、アウタチューブ3aの後側の端面がストッパ11aの軸方向他方側の端面に勢い良く衝突すると、ストッパ11aには、後方に向いた所定値以上の大きさの衝撃荷重が加わる。これにより、軸方向連結部40a、40bが座屈変形し、合成樹脂製のストッパ11aは軸方向に潰れるように変形して、衝撃荷重を吸収する。また、ストッパ11aの変形に伴って、第1開口部38及び第2開口部44の開口幅を、インナシャフト2aの軸部4aの外径よりも大きくしやすくなるため、ストッパ11aを軸部4aから外す(脱落させる)ことができる。この結果、上述したように、ストッパ11aの軸方向長さ分だけ、アウタチューブ3aの後方への変位量(ストローク)を稼ぐことができる。
また、本例のストッパ11aは、円周方向に関して1対の連結部37同士の間に、スリット48を備えているため、第1筒部35を軸部4aに外嵌する作業を行いやすくすることができるが、図6の(A)及び(B)に斜格子模様を付したように、円周方向の2箇所位置において、軸方向に肉がつながっている(中実状に構成されている)。これにより、ストッパ11aは、車両搭載前に加わるような、一次衝突や二次衝突の発生時に加わる荷重に比べて小さい荷重に対しては、十分な剛性を有しているため、中間シャフト1aの収縮ストロークを制限することができる。
また、1対の連結部37のそれぞれを、嵌合部39aの外周面から径方向外方に伸長した径方向板部45と、径方向板部45の径方向外端部から軸方向一方側に向けて直角に折れ曲がった軸方向板部46とから構成し、全体を略L字形状としているため、連結部37と溶接ビード部7aとの間のクリアランスを大きく確保できる。このため、溶接ビード部7aが、いびつな形状になった場合にも、溶接ビード部7aと連結部37とが接触することを有効に防止できる。
[実施の形態の第2例]
実施の形態の第2例について、図7~図11を用いて説明する。本例では、ストッパ11bの軸方向の方向性をなくし、組み付け方向の制約を緩和するために、ストッパ11bを、軸方向において対称形状としている。具体的には、ストッパ11bは、軸方向中間部に配された第1筒部35と、該第1筒部35の軸方向両側に配された互いに同形及び同大の第2筒部36a、36bとを備えている。
第1筒部35と第2筒部36aと第2筒部36bとは、互いに同軸に配置されている。また、第1筒部35の第1開口部38と、第2筒部36aの第2開口部44aと、第2筒部36bの第2開口部44bとは、円周方向に関する位相が互いに一致している。第1筒部35と第2筒部36aとは、軸方向に離隔した態様で、1対の連結部37aにより軸方向に連結されており、第1筒部35と第2筒部36bとは、軸方向に離隔した態様で、1対の連結部37bにより軸方向に連結されている。ストッパ11bは、第1筒部35(嵌合部39a)の軸方向一方側の端部と第2筒部36aの軸方向他方側の端部との部分であって、円周方向に関して1対の連結部37a同士の間部分に、円周方向に伸長したスリット48を有する。また、ストッパ11bは、第1筒部35(嵌合部39b)の軸方向他方側の端部と第2筒部36bの軸方向一方側の端部との部分であって、円周方向に関して1対の連結部37b同士の間部分に、円周方向に伸長したスリット48を有する。
上述のようなストッパ11bをインナシャフト2aに外嵌した状態では、小径の第1筒部35を、軸部4aの軸方向一方寄り部分に締り嵌めにより外嵌する。また、ストッパ11bのうち、軸方向一方側に配された大径の第2筒部36a(又は第2筒部36b)を、溶接ビード部7aに隙間嵌めにより外嵌する。また、第2筒部36a(又は第2筒部36b)の軸方向一方側の端面をヨーク部5aの基部21の軸方向他方側の側面に対して軸方向に当接させる。さらに、ストッパ11bのうち、軸方向他方側に配された大径の第2筒部36b(又は第2筒部36a)を、軸部4aの軸方向中間部に隙間嵌めにより外嵌する。
本例では、アウタチューブ3aを構成する筒部8aの軸方向一方側の端面を、第1筒部35の軸方向他方側の端面に当接させることで、中間シャフト1bの収縮ストロークを制限する場合には、第2筒部36a、36bの内径を、筒部8aの軸方向一方側の端部の外径よりも大きくしておく。また、第1筒部35の軸方向他方側の端面から第2筒部36a(又は第2筒部36b)の軸方向一方側の端面までの軸方向長さを、インナシャフト2aとアウタチューブ3aとの所期の摺動範囲との関係で決定する。これに対し、アウタチューブ3aを構成する筒部8aの軸方向一方側の端面を、第2筒部36b(又は第2筒部36a)の軸方向他方側の端面に当接させて、中間シャフト1bの収縮ストロークを制限する場合には、第2筒部36a、36bの内径を、筒部8aの軸方向一方側の端部の外径よりも小さく、好ましくは、筒部8aの軸方向一方側の端部の内径よりも小さく設定する。また、ストッパ11bの軸方向長さ(第2筒部36aの軸方向端面から第2筒部36bの軸方向端面までの軸方向長さ)を、インナシャフト2aとアウタチューブ3aとの所期の摺動範囲との関係で決定する。
以上のような本例では、ストッパ11bの軸方向の方向性をなくすことができ、取り付け方向の制約を緩和できるため、取り付けミスを防止することができ、ストッパ11bの取り付け作業性を向上できる。
その他の構成及び作用効果については、実施の形態の第1例と同じである。
[実施の形態の第3例]
実施の形態の第3例について、図12を用いて説明する。本例では、インナシャフト2bを構成する軸部4bとヨーク部5bとを、互いに一体に構成している。そして、軸部4bの軸方向一方側の端部とヨーク部5bの基部21の軸方向他方側の側面との境界に位置し、軸部4bの軸方向一方側の端部の外径(D4b)よりも大きな外径(D47)を有する部分(大径接続部)を、鍔部47としている。鍔部47は、軸部4bとヨーク部5bの基部21との連続部に応力集中が生じることを防止するもので、たとえば凹円弧形の断面形状を有しており、軸部4bの軸方向一方側の端部外周面とヨーク部5bの基部21の軸方向他方側の側面とを滑らかに連続している。また、本例の場合にも、ストッパ11aのうち、小径の第1筒部35(嵌合部39a、39b)を、軸部4bの軸方向一方寄り部分に締り嵌めにより外嵌し、かつ、大径の第2筒部36を、鍔部47に隙間嵌めにより外嵌している。また、この状態で、第2筒部36の軸方向一方側の端面を、ヨーク部5bの基部21の軸方向他方側の側面に対して軸方向に当接させている。
以上のような本例の場合にも、鍔部47の仕上がり形状の影響を受けることなく、中間シャフト1aの収縮ストロークを制限することができる。また、一次衝突や二次衝突などの発生時には、ストッパ11aを脱落させることで、中間シャフト1aの収縮ストロークを長く確保することができる。
その他の構成及び作用効果については、実施の形態の第1例と同じである。
実施の形態の各例の構造は、矛盾を生じない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。
本発明を実施する場合に、嵌合部と軸方向連結部との4箇所の接続部のうち、すべての接続部に脆弱部を設けることもできるし、1箇所、あるいは、3箇所の接続部に脆弱部を設けることもできる。また、4箇所の接続部のうち、1乃至3箇所の接続部に脆弱部を設ける場合に、脆弱部を設ける接続部の位置は特に限定されない。また、脆弱部を、軸方向連結部の軸方向端部に切り欠きを形成することにより構成する場合には、切り欠きの形状は、実施の形態で説明した三角形状に限定されず、半円形状や矩形状など、その他の形状を採用することもできる。また、切り欠きは、軸方向連結部の軸方向端部のうち、円周方向に関して第1開口部側に位置する部分に形成することもできる。さらに、切り欠きは、軸方向連結部の軸方向端部に、複数形成することもできる。
本発明のストッパ付伸縮シャフトとしては、実施の形態の各例の構造のように、内周面に雌スプライン部が形成された雌軸と、外周面に雄スプライン部が形成された雄軸とを、雌スプライン部と雄スプライン部とをスプライン係合させた状態で、トルク伝達を可能にかつ軸方向の相対変位を可能に組み合わせた構造に限らない。たとえば国際公開第2003/031250号パンフレット(特許文献2)に記載されているような、雌軸の内周面と雄軸の外周面との間に玉やローラなどの中間部材を配置して、これら雌軸と雄軸とをトルク伝達可能にかつ軸方向の相対変位を可能に組み合わせた構造も対象になる。また、雄軸を構成する軸部とヨーク部とを互いに別体に構成し、これら軸部とヨーク部とを接合する場合の接合態様は、実施の形態の各例で示した、溶接による溶接ビード部に限定されず、ろう付け部や接着剤を用いた接着部など、従来から知られた各種の接合態様を採用することができる。
1、1a、1b 中間シャフト
2、2a、2b インナシャフト
3、3a アウタチューブ
4、4a、4b 軸部
5、5a、5b ヨーク部
6、6a 雄スプライン部
7、7a 溶接ビード部
8、8a 筒部
9、9a ヨーク部
10、10a 雌スプライン部
11、11a、11b ストッパ
12 開口部
13 ステアリング装置
14 ステアリングホイール
15 ステアリングシャフト
16 ステアリングコラム
17a、17b 自在継手
18 ステアリングギヤユニット
19 タイロッド
20 ピニオン軸
21 基部
22 挿通孔
23 腕部
24 円孔
25 軸受カップ
26 十字軸
27 軸
28 基部
29 腕部
30 挿通孔
31 円孔
32 軸受カップ
33 十字軸
34 軸
35 第1筒部
36、36a、36b 第2筒部
37、37a、37b 連結部
38 第1開口部
39a、39b 嵌合部
40a、40b 軸方向連結部
41 中間開口部
42a、42b 脆弱部
43 切り欠き
44 第2開口部
45 径方向板部
46 軸方向板部
47 鍔部
48 スリット

Claims (9)

  1. 中空筒状の雌軸と、該雌軸に対してトルク伝達を可能にかつ軸方向の相対変位を可能に内嵌された雄軸と、該雄軸に外嵌されて、前記雌軸と前記雄軸とが互いに近づくように軸方向に相対変位した際に、前記雌軸の軸方向一方側の端面に当接して、前記雌軸と前記雄軸とのそれ以上の相対変位を阻止するストッパと、を備えたストッパ付伸縮シャフトであって、
    前記雄軸は、該雄軸の軸方向他方側に配された軸部と、前記雄軸の軸方向一方側に配されたヨーク部と、前記軸部の軸方向一方側の端部と前記ヨーク部の軸方向他方側の側面との境界に位置し、前記軸部の軸方向一方側の端部よりも外径が大きくなった環状の大径接続部と、を有しており、
    前記ストッパは、円周方向一箇所に第1開口部を有する第1筒部と、該第1筒部よりも大きな内径を有しかつ円周方向に関する位相が前記第1開口部と一致する部分に第2開口部を有する欠円環状の第2筒部と、を備え、前記第1筒部を、前記軸部の軸方向一方寄り部分に締り嵌めにより外嵌し、かつ、前記第2筒部を、前記大径接続部に隙間嵌めにより外嵌し、前記第2筒部の軸方向一方側の端面を、前記ヨーク部の軸方向他方側の側面に対して軸方向に当接させており、
    前記第1筒部は、軸方向両側の端部に配されたそれぞれが欠円環状の1対の嵌合部と、円周方向に関して前記第1開口部の両側に配され、前記1対の嵌合部を軸方向に連結する1対の軸方向連結部と、前記1対の嵌合部と前記1対の軸方向連結部とにより囲まれた部分に備えられた中間開口部と、をさらに有する、
    ストッパ付伸縮シャフト。
  2. 前記嵌合部と前記軸方向連結部との接続部のうち、少なくとも1箇所の接続部に、前記接続部の強度を低下させる脆弱部を有する、請求項1に記載のストッパ付伸縮シャフト。
  3. 前記脆弱部は、前記軸方向連結部の軸方向端部に切り欠きを形成することにより構成された、前記軸方向連結部の幅狭部である、請求項2に記載のストッパ付伸縮シャフト。
  4. 前記ストッパは、前記第1開口部及び前記第2開口部の円周方向両側に配置されて、前記第1筒部と前記第2筒部とを連結する1対の連結部をさらに備える、請求項1~3のうちのいずれかに記載のストッパ付伸縮シャフト。
  5. 前記1対の連結部のそれぞれは、前記第1筒部の軸方向一方側の端部に配された前記嵌合部の軸方向一方側の端部外周面から径方向外方に向けて伸長した径方向板部と、前記径方向板部の径方向外端部から軸方向一方側に向けて直角に折れ曲がり、かつ、軸方向一方側の端部を前記第2筒部の軸方向他方側の端面に接続した軸方向板部とを有する、請求項4に記載のストッパ付伸縮シャフト。
  6. 前記第2筒部の内径は、前記第1筒部の内径に、前記大径接続部の径方向幅を2倍した値を加えた値よりも大きい、請求項1~5のうちのいずれか1項に記載のストッパ付伸縮シャフト。
  7. 前記ストッパは、軸方向において対称形状であり、前記第1筒部の軸方向両側に前記第2筒部をそれぞれ備えており、1対の前記第2筒部のうち、前記ストッパの軸方向一方側に配された前記第2筒部が、前記大径接続部に隙間嵌めにより外嵌している、請求項1~6のうちのいずれか1項に記載のストッパ付伸縮シャフト。
  8. 前記ストッパは、合成樹脂製である、請求項1~7のうちのいずれか1項に記載のストッパ付伸縮シャフト。
  9. 前記軸部と前記ヨーク部とが、互いに別体に構成されており、前記大径接続部は、前記軸部の軸方向一方側の端部と前記ヨーク部とを接合する、溶接ビード部である、請求項1~8のうちのいずれか1項に記載のストッパ付伸縮シャフト。
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